JP2877938B2 - 吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法 - Google Patents
吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐摩耗性、耐食性に優れているセラミック
皮膜を有している内燃機関の吸気弁及び排気弁用案内体
及びその製造方法に関するものである。
皮膜を有している内燃機関の吸気弁及び排気弁用案内体
及びその製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来の内燃機関の弁用の案内体は、第3図に示すよう
に、高級鋳鉄材あるいは合金鋳鉄材を使用して製作した
円筒形の案内体11の軸芯部に貫設した係合孔12の孔周面
13に、可溶性クロム化合物の濃水溶液にSiO2、Cr2O3及
びAl2O3などを加えて十分かきまぜたセラミックスラリ
ーを浸漬法、スプレー法などによって塗着せしめた後、
塗着部を320℃以上に加熱焼成処理することによって、
前記粒子相互及び孔周面に介在するクロム酸化物が各組
成物と化学結合して硬化したセラミックの耐摩皮膜層14
を形成したものが提案されている(実公昭63−13370号
公報)。
に、高級鋳鉄材あるいは合金鋳鉄材を使用して製作した
円筒形の案内体11の軸芯部に貫設した係合孔12の孔周面
13に、可溶性クロム化合物の濃水溶液にSiO2、Cr2O3及
びAl2O3などを加えて十分かきまぜたセラミックスラリ
ーを浸漬法、スプレー法などによって塗着せしめた後、
塗着部を320℃以上に加熱焼成処理することによって、
前記粒子相互及び孔周面に介在するクロム酸化物が各組
成物と化学結合して硬化したセラミックの耐摩皮膜層14
を形成したものが提案されている(実公昭63−13370号
公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この案内体は、加熱焼成処理温度が32
0℃以上であることが必要であって、作業性を考慮した
加熱焼成温度として450〜550℃といったような高温が必
要であり、かつ、含浸−加熱焼成処理回数が、目的とす
る硬度、緻密性を得るためには10数回の繰返し処理が必
要であって、場合によっては母材の金属材料の軟化をお
こしたり、変形して真円度が損なわれる可能性があると
いった問題があった。
0℃以上であることが必要であって、作業性を考慮した
加熱焼成温度として450〜550℃といったような高温が必
要であり、かつ、含浸−加熱焼成処理回数が、目的とす
る硬度、緻密性を得るためには10数回の繰返し処理が必
要であって、場合によっては母材の金属材料の軟化をお
こしたり、変形して真円度が損なわれる可能性があると
いった問題があった。
本発明は、加熱焼成温度及び処理回数を減らす手段を
得ることによって前記諸問題を解決し、優れた耐摩耗
性、耐食性を有するセラミック皮膜を形成すると共に、
母材の金属材料の軟化、変形を防止した吸気弁及び排気
弁用案内体及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
得ることによって前記諸問題を解決し、優れた耐摩耗
性、耐食性を有するセラミック皮膜を形成すると共に、
母材の金属材料の軟化、変形を防止した吸気弁及び排気
弁用案内体及びその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、前記問題を解決し、前記目的を達成する
ために研究を重ねた結果、案内体の少なくとも係合孔の
孔周面に、クロム酸化物とリン酸化物とが混在するマト
リックスにセラミック粒子が分散したセラミック皮膜を
形成したものとすることによって目的を達し得ることを
見出して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の第1の実施態様は、軸芯部に係合孔を貫設した金属案
内体の構造において、少なくとも係合孔の孔周面に、ク
ロム酸化物とリン酸化物とが混在するマトリックスにセ
ラミックス粒子が分散したセラミックス皮膜を形成した
吸気弁及び排気弁用案内体であり、第2の実施態様は、
軸芯部に係合孔を貫設した金属案内体において、少なく
とも係合孔の孔周面に、クロム酸とリン酸との混合濃厚
液とSiO2、Cr2O3、Al2O3又はZrO2から選ばれた少くとも
1種類からなるセラミックスラリーを塗着し、加熱焼成
してセラミック皮膜を形成し、該セラミック皮膜に、ク
ロム酸とリン酸との混合濃厚液からなる含浸液を含浸し
て加熱焼成する処理を少なくとも1回繰返して行なう吸
気弁及び排気弁用案内体の製造方法である。
ために研究を重ねた結果、案内体の少なくとも係合孔の
孔周面に、クロム酸化物とリン酸化物とが混在するマト
リックスにセラミック粒子が分散したセラミック皮膜を
形成したものとすることによって目的を達し得ることを
見出して本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
の第1の実施態様は、軸芯部に係合孔を貫設した金属案
内体の構造において、少なくとも係合孔の孔周面に、ク
ロム酸化物とリン酸化物とが混在するマトリックスにセ
ラミックス粒子が分散したセラミックス皮膜を形成した
吸気弁及び排気弁用案内体であり、第2の実施態様は、
軸芯部に係合孔を貫設した金属案内体において、少なく
とも係合孔の孔周面に、クロム酸とリン酸との混合濃厚
液とSiO2、Cr2O3、Al2O3又はZrO2から選ばれた少くとも
1種類からなるセラミックスラリーを塗着し、加熱焼成
してセラミック皮膜を形成し、該セラミック皮膜に、ク
ロム酸とリン酸との混合濃厚液からなる含浸液を含浸し
て加熱焼成する処理を少なくとも1回繰返して行なう吸
気弁及び排気弁用案内体の製造方法である。
本発明において使用する金属材料としては、JIS G 55
01ねずみ鋳鉄(FC 250)などが挙げられる。
01ねずみ鋳鉄(FC 250)などが挙げられる。
クロム酸は、三酸化クロムを水に溶解して比重1.5〜
1.65に調整した濃厚水溶液として使用し、リン酸は、75
〜88%濃度の市販品を使用することができる。
1.65に調整した濃厚水溶液として使用し、リン酸は、75
〜88%濃度の市販品を使用することができる。
セラミック原料としては、SiO2、Cr2O3、Al2O3、ZrO2
などの少くとも1種類のそれぞれの純度が95%程度であ
り、粒度が最大20μm以下で平均粒度が1.4μmである
ようなものが好ましい。
などの少くとも1種類のそれぞれの純度が95%程度であ
り、粒度が最大20μm以下で平均粒度が1.4μmである
ようなものが好ましい。
クロム酸とリン酸との混合濃厚液(以下、混合濃厚液
という)は、前記のようなリン酸1分子量に対して前記
のように調整したクロム酸水溶液を0.48〜2.7分子量の
比率、好ましくは、0.96〜1.36の比率で混合したものを
使用する。この場合、クロム酸の分子量の比率が0.48未
満であると高粘度となり含浸が円滑に行なわれないため
に、処理回数を増してもより一層の硬度の上昇は望め
ず、クロム酸の分子量の比率が2.7を超えると、リン酸
の触媒的効力が減少し、焼成温度もより高温が必要とな
り、当然、処理回数を多くしないと目的とする特性をも
ったセラミック皮膜になり難いものである。しかして、
リン酸は、それ自体でも脱水縮合や金属イオンへの配合
から高分子構造を形成するが、クロム酸との混在によ
り、クロム酸の還元効果を有し、クロムと酸素を介した
高分子結合構造をとり、より強固な硬化皮膜を形成する
ものである。
という)は、前記のようなリン酸1分子量に対して前記
のように調整したクロム酸水溶液を0.48〜2.7分子量の
比率、好ましくは、0.96〜1.36の比率で混合したものを
使用する。この場合、クロム酸の分子量の比率が0.48未
満であると高粘度となり含浸が円滑に行なわれないため
に、処理回数を増してもより一層の硬度の上昇は望め
ず、クロム酸の分子量の比率が2.7を超えると、リン酸
の触媒的効力が減少し、焼成温度もより高温が必要とな
り、当然、処理回数を多くしないと目的とする特性をも
ったセラミック皮膜になり難いものである。しかして、
リン酸は、それ自体でも脱水縮合や金属イオンへの配合
から高分子構造を形成するが、クロム酸との混在によ
り、クロム酸の還元効果を有し、クロムと酸素を介した
高分子結合構造をとり、より強固な硬化皮膜を形成する
ものである。
セラミックスラリーは、前記のような混合濃厚液に前
記セラミック原料を1.5〜2.5kg/lの割合で添加し(添加
順序に制約はない)十分かきまぜて調製する。
記セラミック原料を1.5〜2.5kg/lの割合で添加し(添加
順序に制約はない)十分かきまぜて調製する。
セラミック皮膜形成は、前記のように調製したセラミ
ックスラリーを、金属製案内体の少なくとも係合孔の孔
周面に、刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬することなどに
よって塗着し、200〜300℃で30〜12分間加熱焼成してセ
ラミック皮膜を形成する。ついで、このセラミック皮膜
上に、前記のように調製した混合濃厚液からなる含浸液
を刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬することなどによって
含浸し、200〜300℃で30〜150分間加熱焼成する含浸−
加熱焼成処理を少なくとも1回繰返して行なうものであ
って、3〜5回繰返し行なうことが好ましく、通常、5
回繰返し処理すれば十分であって、これらの処理によっ
てセラミック皮膜を形成することができる。しかして、
得られたセラミック皮膜についてリン酸化物の分子量に
対するクロム酸化物の分子量の比率を調べたが、前記混
合濃厚液におけるリン酸に対するクロム酸の分子量の比
率がほぼそのまま残留していることが認められた。
ックスラリーを、金属製案内体の少なくとも係合孔の孔
周面に、刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬することなどに
よって塗着し、200〜300℃で30〜12分間加熱焼成してセ
ラミック皮膜を形成する。ついで、このセラミック皮膜
上に、前記のように調製した混合濃厚液からなる含浸液
を刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬することなどによって
含浸し、200〜300℃で30〜150分間加熱焼成する含浸−
加熱焼成処理を少なくとも1回繰返して行なうものであ
って、3〜5回繰返し行なうことが好ましく、通常、5
回繰返し処理すれば十分であって、これらの処理によっ
てセラミック皮膜を形成することができる。しかして、
得られたセラミック皮膜についてリン酸化物の分子量に
対するクロム酸化物の分子量の比率を調べたが、前記混
合濃厚液におけるリン酸に対するクロム酸の分子量の比
率がほぼそのまま残留していることが認められた。
(実施例) 次に、本発明の実施例を述べる。
第1図は、本発明案内体の一実施例を示す縦断面図、
第2図は、本発明案内体の別の実施例を示す縦断面図、
第4図は、第1図に示す本発明案内体に弁部材を取付け
た状態例を示す縦断面図である。
第2図は、本発明案内体の別の実施例を示す縦断面図、
第4図は、第1図に示す本発明案内体に弁部材を取付け
た状態例を示す縦断面図である。
実施例1 JIS G 5501ねずみ鋳鉄(FC 200)を鋳込み、更に機械
加工によって製作した円筒形をした案内体1は、軸芯部
に係合孔2が貫設されており、該係合孔2の孔周面3に
本発明の耐摩耗性のセラミック皮膜4が被覆されてい
る。
加工によって製作した円筒形をした案内体1は、軸芯部
に係合孔2が貫設されており、該係合孔2の孔周面3に
本発明の耐摩耗性のセラミック皮膜4が被覆されてい
る。
SiO2(純度92.5%)380g、Cr2O3(純度99.3%)340
g、Al2O3(純度98%)160gを、比重1.6のクロム酸40m
l、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添加して30
分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製したセラミッ
クスラリーを、前記案内体1の係合孔2の孔周面3に、
他の部分をマスキングして浸漬法によって塗着し、280
℃に60分間加熱焼成してセラミック皮膜を形成した。つ
いで、比重1.6のクロム酸濃厚液272mlと、88%リン酸25
6mlとの混合濃厚液を含浸液として含浸した後、280℃で
60分間加熱焼成した。この含浸液の含浸−加熱焼成する
処理を5回繰返し施行し、クロム酸化物とリン酸化物と
の分子量の比率が1:0.90のマトリックスにSiO2、Cr2O3
及びAl2O3の粒子が分散したセラミック皮膜4を形成し
た弁用案内体を得た。
g、Al2O3(純度98%)160gを、比重1.6のクロム酸40m
l、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添加して30
分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製したセラミッ
クスラリーを、前記案内体1の係合孔2の孔周面3に、
他の部分をマスキングして浸漬法によって塗着し、280
℃に60分間加熱焼成してセラミック皮膜を形成した。つ
いで、比重1.6のクロム酸濃厚液272mlと、88%リン酸25
6mlとの混合濃厚液を含浸液として含浸した後、280℃で
60分間加熱焼成した。この含浸液の含浸−加熱焼成する
処理を5回繰返し施行し、クロム酸化物とリン酸化物と
の分子量の比率が1:0.90のマトリックスにSiO2、Cr2O3
及びAl2O3の粒子が分散したセラミック皮膜4を形成し
た弁用案内体を得た。
得られたセラミック皮膜について硬度を測定したが、
表面硬度は平均Hv 1031であった。又、得られた弁用案
内体を5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したがセ
ラミック皮膜の剥離は全くなく強固に塗着されているこ
とが認められた。
表面硬度は平均Hv 1031であった。又、得られた弁用案
内体を5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したがセ
ラミック皮膜の剥離は全くなく強固に塗着されているこ
とが認められた。
実施例2 5.6%CaOで安定化したZrO2 650gを、比重1.6のクロム
酸40ml、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添加し
て30分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製したセラ
ミックスラリーを、前記実施例1同様に係合孔2の孔周
面3に、他の部分をマスキングして浸漬法によって塗着
し、300℃に45分間加熱焼成してセラミック皮膜を形成
した。ついで、実施例1同様の混合濃厚液を含浸液とし
て含浸した後、300℃で45分間加熱焼成した。この含浸
液の含浸−加熱焼成する処理を5回繰返し施行し、クロ
ム酸化物とリン酸化物との分子量の比率が1:0.95のマト
リックスにZrO2の粒子が分散したセラミック皮膜4を形
成した弁用案内体を得た。
酸40ml、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添加し
て30分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製したセラ
ミックスラリーを、前記実施例1同様に係合孔2の孔周
面3に、他の部分をマスキングして浸漬法によって塗着
し、300℃に45分間加熱焼成してセラミック皮膜を形成
した。ついで、実施例1同様の混合濃厚液を含浸液とし
て含浸した後、300℃で45分間加熱焼成した。この含浸
液の含浸−加熱焼成する処理を5回繰返し施行し、クロ
ム酸化物とリン酸化物との分子量の比率が1:0.95のマト
リックスにZrO2の粒子が分散したセラミック皮膜4を形
成した弁用案内体を得た。
得られたセラミック皮膜について硬度を測定したが、
表面硬度は平均Hv 774であり、又、得られた弁用案内体
を5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したがセラミ
ック皮膜の剥離は殆んどなく強固に塗着されていること
が認められた。
表面硬度は平均Hv 774であり、又、得られた弁用案内体
を5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したがセラミ
ック皮膜の剥離は殆んどなく強固に塗着されていること
が認められた。
比較例 実施例と同様な弁用案内体に、比重1.63のクロム酸濃
厚液に実施例と同様なSiO2、Cr2O3及びAl2O3をそれぞれ
380g、340g、160gを添加して30分間かきまぜ器を使用し
てかきまぜて調製したセラミックスラリーを実施例と同
様にして孔周面に塗着し、500℃に45分間加熱焼成する
処理を、5回繰返し施行してセラミック皮膜を形成した
弁用案内体を得た。
厚液に実施例と同様なSiO2、Cr2O3及びAl2O3をそれぞれ
380g、340g、160gを添加して30分間かきまぜ器を使用し
てかきまぜて調製したセラミックスラリーを実施例と同
様にして孔周面に塗着し、500℃に45分間加熱焼成する
処理を、5回繰返し施行してセラミック皮膜を形成した
弁用案内体を得た。
得られたセラミック皮膜の表面硬度は平均Hv 753であ
り、5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したところ
セラミック皮膜の剥離が認められた。
り、5%、100℃の硫酸水溶液に10時間浸漬したところ
セラミック皮膜の剥離が認められた。
(発明の効果) 本発明は、弁案内体の少なくとも孔周面にクロム酸化
物とリン酸化物とが混在するマトリックスにセラミック
粒子が分散したセラミック皮膜を形成したものであり、
その製造方法であるから、セラミック皮膜の硬度が高
く、かつ、緻密であり、耐熱・耐食性にもきわめて優れ
たセラミック皮膜が得られ、含浸−加熱焼成処理におけ
る加熱焼成温度が従来法では450〜550℃といった高温で
あったのに較べて200〜300℃のような低温での処理を可
能とし得、かつ、処理回数も従来は10数回繰返し処理す
る必要があったのに対して含浸液処理5回程度の繰返し
処理で目的の特性を得るのに十分となし得、強固に結合
した耐摩耗・耐熱性・耐食性にきわめて優れていると共
に、弁用案内体に軟化、変形のないセラミック皮膜を形
成した弁用案内体をきわめて簡易に得ることができたも
のであってきわめて大きな効果が認められる。
物とリン酸化物とが混在するマトリックスにセラミック
粒子が分散したセラミック皮膜を形成したものであり、
その製造方法であるから、セラミック皮膜の硬度が高
く、かつ、緻密であり、耐熱・耐食性にもきわめて優れ
たセラミック皮膜が得られ、含浸−加熱焼成処理におけ
る加熱焼成温度が従来法では450〜550℃といった高温で
あったのに較べて200〜300℃のような低温での処理を可
能とし得、かつ、処理回数も従来は10数回繰返し処理す
る必要があったのに対して含浸液処理5回程度の繰返し
処理で目的の特性を得るのに十分となし得、強固に結合
した耐摩耗・耐熱性・耐食性にきわめて優れていると共
に、弁用案内体に軟化、変形のないセラミック皮膜を形
成した弁用案内体をきわめて簡易に得ることができたも
のであってきわめて大きな効果が認められる。
第1図は、本発明弁用案内体の一実施例を示す縦断面
図、第2図は、本発明弁用案内体の別の実施例を示す縦
断面図、第3図は、従来の弁用案内体例を示す縦断面
図、第4図は、第1図に示す本発明弁用案内体に弁部材
を取付けた状態例を示す縦断面図である。 1……案内体、2……係合孔、3……孔周面、5……セ
ラミック皮膜。
図、第2図は、本発明弁用案内体の別の実施例を示す縦
断面図、第3図は、従来の弁用案内体例を示す縦断面
図、第4図は、第1図に示す本発明弁用案内体に弁部材
を取付けた状態例を示す縦断面図である。 1……案内体、2……係合孔、3……孔周面、5……セ
ラミック皮膜。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01L 3/08 F01L 3/04 F01L 3/02 C23C 18/12
Claims (2)
- 【請求項1】軸芯部に係合孔を貫設した金属案内体の構
造において、少なくとも係合孔の孔周面に、クロム酸化
物とリン酸化物とが混在するマトリックスにセラミック
粒子が分散したセラミック皮膜を形成してなることを特
徴とする吸気弁及び排気弁用案内体。 - 【請求項2】軸芯部に係合孔を貫設した金属案内体にお
いて、少なくとも係合孔の孔周面に、クロム酸とリン酸
との混合濃厚液とSiO2、Cr2O3、Al2O3又はZrO2から選ば
れた少くとも1種類からなるセラミックスラリーを塗着
し、加熱焼成してセラミック皮膜を形成し、該セラミッ
ク皮膜に、クロム酸とリン酸との混合濃厚液からなる含
浸液を含浸して加熱焼成する処理を少なくとも1回繰返
して行なうことを特徴とする吸気弁及び排気弁用案内体
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27307690A JP2877938B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27307690A JP2877938B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04148004A JPH04148004A (ja) | 1992-05-21 |
JP2877938B2 true JP2877938B2 (ja) | 1999-04-05 |
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ID=17522812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27307690A Expired - Fee Related JP2877938B2 (ja) | 1990-10-11 | 1990-10-11 | 吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2877938B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-11 JP JP27307690A patent/JP2877938B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH04148004A (ja) | 1992-05-21 |
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