JP2001226783A - 平滑複合材及びガスタービン翼及び蒸気タービン翼 - Google Patents

平滑複合材及びガスタービン翼及び蒸気タービン翼

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JP2001226783A
JP2001226783A JP2000034108A JP2000034108A JP2001226783A JP 2001226783 A JP2001226783 A JP 2001226783A JP 2000034108 A JP2000034108 A JP 2000034108A JP 2000034108 A JP2000034108 A JP 2000034108A JP 2001226783 A JP2001226783 A JP 2001226783A
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heat
layer
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JP2000034108A
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Toshiro Nishi
敏郎 西
Masanori Tsutsumi
雅徳 堤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05BINDEXING SCHEME RELATING TO WIND, SPRING, WEIGHT, INERTIA OR LIKE MOTORS, TO MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS COVERED BY SUBCLASSES F03B, F03D AND F03G
    • F05B2250/00Geometry
    • F05B2250/60Structure; Surface texture
    • F05B2250/62Structure; Surface texture smooth

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  • Chemically Coating (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Turbine Rotor Nozzle Sealing (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の粗さが小さく、かつ耐熱性に優れた平
滑複合材を提供する。 【解決手段】 耐熱性合金基材2上に平滑層3が積層さ
れてなり、平滑層3の層厚が0.1μm以上5μm以下
であり、平滑層3の表面3aの最大高さRmaxが5μm
以下であることを特徴とする平滑複合材1を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平滑複合材及びガ
スタービン翼及び蒸気タービン翼に関するものであり、
特に、耐熱性合金基材表面の表面粗さを小さくして耐熱
性に優れた平滑層を具備してなる平滑複合材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、YSZ(イットリウム安定化
ジルコニア)からなる耐熱層を耐熱性合金基材上に積層
してなる耐熱性複合材が、ガスタービン翼や蒸気タービ
ン翼の構成材として適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、YSZからな
る耐熱層は従来一般に、溶射法によって耐熱性合金基材
に積層されるが、かかる耐熱層は表面の最大高さRmax
が大きいため、タービン翼の表面近傍を流れる流体のレ
イノルズ数が高くなり、タービンの効率が低下するとい
う課題があった。つまり、高温での使用に耐え、しかも
タービン翼の表面を平滑にするコーティング材料はまだ
開発されていないのが現状である。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、表面粗さが小さく、かつ耐熱性に優れた平滑複
合材を提供するとともに、この平滑複合材から構成され
たガスタービン翼及び蒸気タービン翼を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の平滑複
合材は、耐熱性合金基材上に平滑層が積層されてなるこ
とを特徴とする。前記平滑層の層厚は、0.1μm以上
5μm以下であることが好ましい。また前記平滑層の表
面の最大高さRmaxが5μm以下であることが好まし
い。
【0006】係る平滑複合材によれば、最大高さRmax
が小さく平滑性に優れた平滑層を具備しているので、例
えばこの平滑複合材をガスタービンや蒸気タービンの翼
の構成材として用いた場合には、ガスタービンや蒸気タ
ービンの翼の表面近傍を流れる流体のレイノルズ数を低
減することができ、ガスタービンや蒸気タービンの効率
を向上させることが可能になる。
【0007】また、本発明の平滑複合材は、先に記載の
平滑複合材であって、前記平滑層が、SiO2、Al2
3、MTiO3(ただしMはMg、Ca、Sr、Baのう
ちの少なくとも1種または2種以上の元素を示す。)の
うちのいずれか1種からなることを特徴とする。
【0008】上記のSiO2、Al23、MTiO3は、
耐熱性に優れているので、平滑複合材の耐熱性と耐食性
をより向上させることが可能になる。
【0009】また、本発明の平滑複合材は、先に記載の
平滑複合材であって、前記平滑層がゾルゲル法により形
成されたものであることを特徴とする。また、本発明の
平滑複合材は、先に記載の平滑複合材であって、前記平
滑層がゾルゲル法または微粒子スラリ法のいずれか一方
あるいは両方の組み合わせにより形成されたものである
ことを特徴とする。係る平滑複合材によれば、平滑層が
ゾルゲル法あるいは微粒子スラリ法により形成されてい
るので、平滑層を緻密に形成できるとともに表面の最大
高さRmaxをより小さくすることができ、また耐熱性合
金基材と平滑層との密着性をより高めることが可能にな
る。
【0010】また、上記の耐熱性合金基材としては、SU
S410等のステンレス鋼、INCONEL等のNi基超合金、INC
OLOY等のFe基超合金、Co基超合金等の各種耐熱材料
を例示できる。
【0011】本発明のガスタービン翼は、先のいずれか
に記載の平滑複合材から構成されたことを特徴とする。
特に上記のガスタービン翼は、平滑層がAl23、MT
iO3のうちのいずれか1種からなり、耐熱性合金基材
がNi基超合金からなる平滑複合材により構成されるこ
とが好ましい。
【0012】また、本発明の蒸気タービン翼は、先のい
ずれかに記載の平滑複合材から構成されたことを特徴と
する。特に上記の蒸気タービン翼は、平滑層がSi
2、Al23、MTiO3のうちのいずれか1種からな
り、耐熱性合金基材がステンレス鋼からなる平滑複合材
により構成されることが好ましい。
【0013】本発明の平滑複合材の製造方法は、耐熱性
合金基材上に、金属酸化物前駆体粒子を含むゾル溶液を
塗布した後に熱処理することにより、平滑層を形成する
ことを特徴とする。前記金属酸化物前駆体粒子は、Si
アルコキシド、Alアルコキシド、M−Ti複合アルコ
キシド(ただしMはMg、Ca、Sr、Baのうちの少
なくとも1種または2種以上の元素を示す。)のうちの
いずれか1種を加水分解することにより得られたもの、
またはSiアルコキシド、Alアルコキシド、前記M−
Ti複合アルコキシドのいずれか1種からなる微粒子ス
ラリのいずれか一方または両方であることが好ましい。
なお、前記ゾル溶液の塗布は1回に限られず、複数回行
っても良い。ゾル溶液の塗布を複数回行う場合には、ゾ
ル溶液の塗布の度に熱処理を行うことが好ましい。ま
た、微粒子スラリ法でも、塗布回数により膜厚の制御が
可能である。
【0014】係る平滑複合材の製造方法によれば、耐熱
性合金基材上に、金属酸化物前駆体粒子を含むゾル溶液
あるいは微粒子スラリを塗布して熱処理することによ
り、金属酸化物からなる平滑層を形成するので、緻密で
表面の最大高さRmaxが小さく、耐熱性合金基材との密
着性に優れた平滑層を形成することが可能になる。
【0015】また、本発明の平滑複合材の製造方法は、
先に記載の平滑複合材の製造方法であって、前記熱処理
によって前記耐熱性合金基材の焼鈍を同時に行うことを
特徴とする。なお、ゾル溶液あるいは微粒子スラリの塗
布を複数回行う場合には、最後の塗布後の熱処理時に、
前記耐熱性合金基材の焼鈍を同時に行うことが好まし
い。即ち、最後のゾル溶液あるいは微粒子スラリの塗布
後の熱処理を耐熱性合金基材の焼鈍温度で行い、それ以
外のゾル溶液あるいは微粒子スラリの塗布の際の熱処理
を焼鈍温度より低い温度で行うことが好ましい。
【0016】係る平滑複合材の製造方法によれば、熱処
理によって前記耐熱性合金基材の焼鈍を同時に行うの
で、製造工程を短縮でき、平滑複合材の製造コストを低
減することが可能になる。
【0017】前記熱処理は、空気雰囲気中、500〜8
00℃の熱処理温度で0.5〜5時間加熱する条件で行
うことが好ましい。なお、ゾル溶液の塗布を複数回行う
場合には、最後のゾル溶液の塗布後の熱処理を上記の条
件で行い、それ以外のゾル溶液の塗布の際の熱処理は、
空気雰囲気中、500〜800℃の熱処理温度で0.5
〜5時間加熱する条件で行うことが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の平滑複合材1は、図1に
示すように、耐熱性合金基材2上に平滑層3が積層され
てなるものである。そして、この平滑層3の層厚は0.
1μm以上5μm以下であることが好ましく、またその
上面(表面)3aの表面粗さを示す最大高さRmaxが5
μm以下であることが好ましい。また、本発明のガスタ
ービン翼及び蒸気タービン翼は、上記の平滑複合材1か
ら構成されてなるものである。
【0019】平滑層3の厚さは0.1μm以上5μm以
下であることが好ましい。平滑層3の厚さが0.1μm
未満では、平滑層3が薄すぎて平滑層3の上面3aの最
大高さRmaxが耐熱性合金基材2の最大高さRmaxとほぼ
同等になるので、平滑層3としての効果を十分に発揮で
きなくなるので好ましくなく、平滑層3を5μmを越え
て形成してもその層厚に見合う効果が得られないので好
ましくない。
【0020】図1に示す平滑層3は、SiO2、Al2
3、MTiO3(ただしMはMg、Ca、Sr、Baのう
ちの少なくとも1種または2種以上の元素を示す。)の
うちのいずれか1種の金属酸化物からなるものであっ
て、ゾルゲル法あるいは微粒子スラリ法のいずれか一方
または両方の組み合わせにより形成されたものである。
特に平滑層3は、ゾルゲル法により形成されたものであ
ることが好ましい。従ってこの平滑層3は、緻密で耐熱
性に優れるとともに最大高さRmaxが小さく、更に耐熱
性合金基材2との密着性に優れる。
【0021】特にMTiO3は、1300〜1400℃
で焼成されてなるものであって、少なくとも1000℃
の大気中でも問題なく使用できるという優れた耐熱性及
び耐食性を示し、本発明のガスタービン翼若しくは蒸気
タービン翼を構成する平滑性複合材の平滑層として最適
である。
【0022】耐熱性合金基材1は例えば、SUS410等のス
テンレス鋼、INCONEL等のNi基超合金、INCOLOY等のF
e基超合金、Co基超合金等の各種耐熱合金材料を例示
できる。
【0023】耐熱性合金基材2と平滑層3の好ましい組
み合わせの例として、平滑層3がAl23、MTiO3
のうちのいずれか1種からなり、耐熱性合金基材2がN
i基超合金、Fe基超合金、Co基超合金のうちのいず
れか1種からなる平滑複合材を例示できる。この平滑複
合材を構成するAl23、MTiO3、Ni基超合金、
Fe基超合金及びCo基超合金は、いずれも大気中10
00℃においても優れた耐熱性を示すので、ガスタービ
ン翼用の構成材として最適である。特にこの中でも、平
滑層3がMTiO3からなり、耐熱性合金基材2がNi
基超合金からなる平滑複合材は、特に優れた耐熱性と表
面の平滑性を示し、ガスタービンを高温で稼働できると
ともに、ガスタービン翼の表面近傍を流れる流体のレイ
ノルズ数を低減してガスタービンの効率を高めることが
できる。
【0024】次に、耐熱性合金基材2と平滑層3の好ま
しい組み合わせの別の例として、平滑層3がSiO2
Al23、MTiO3のうちのいずれか1種からなり、
耐熱性合金基材2がステンレス鋼からなる平滑複合材を
例示できる。この平滑複合材を構成するSiO2、Al2
3、MTiO3及びステンレス鋼はいずれも大気中60
0℃においても優れた耐熱性を示すので、蒸気タービン
翼用の構成材として最適である。特にこの中でも、平滑
層3がSiO2、Al23のうちのいずれか1種からな
り、耐熱性合金基材2がステンレス鋼からなる平滑複合
材は、優れた耐熱性と表面の平滑性を示し、蒸気タービ
ンを高温で稼働できるとともに、蒸気タービン翼の表面
近傍を流れる流体のレイノルズ数を低減して蒸気タービ
ンの効率を高めることができる。
【0025】次に、本発明の平滑複合材の製造方法を説
明する。まず、図2に示すように、耐熱性合金基材1を
用意する。この耐熱性合金基材1は、表面が予め研磨さ
れて最大高さRmaxが例えば2〜4μm程度とされたも
のである。
【0026】次に、この耐熱性合金基材2上に、SiO
2、Al23、MTiO3のうちのいずれか1種の金属酸
化物からなる平滑層3を、ゾルゲル法または微粒子スラ
リ法のいずれか一方あるいは両方の組み合わせにより形
成する。このゾルゲル法は、耐熱性合金基材2上に金属
酸化物前駆体粒子を含むゾル溶液を塗布して熱処理する
というものである。また微粒子スラリ法は、耐熱性合金
基材2上に金属酸化物前駆体粒子を含む微粒子スラリを
塗布して熱処理するというものである。
【0027】ゾル溶液または微粒子スラリに含まれる金
属酸化物前駆体粒子は、Siアルコキシド、Alアルコ
キシド、M−Ti複合アルコキシド(ただしMはMg、
Ca、Sr、Baのうちの少なくとも1種または2種以
上の元素を示す。)のうちのいずれか1種を加水分解し
たものであることが好ましい。アルコキシド化合物は、
メトキシド化合物、エトキシド化合物その他種々のアル
コキシド化合物を用いることができる。また、ゾル溶液
の溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール
等の各種アルコールのような有機溶媒を用いることがで
きる。
【0028】SiアルコキシドやAlアルコキシドを加
水分解して金属酸化物前駆体粒子を形成するには、例え
ば、Siアルコキシド、Alアルコキシドを溶媒に加え
た後に、更に水を添加して溶媒の沸点程度の温度で加熱
して加水分解することが好ましい。またこのときに各種
酸触媒を添加して加水分解しても良い。
【0029】また、M−Ti複合アルコキシドを加水分
解して金属酸化物前駆体粒子を形成するには、例えば次
のように行うことができる。まず、チタンアルコキシド
(Tiアルコキシド)と、元素Mのアルコキシドである
Mアルコキシドを用意し、これを溶媒中で混合して混合
液とする。TiアルコキシドとMアルコキシドとのモル
比は、Tiアルコキシド:Mアルコキシド=1:1〜
1.2:1程度とすることが好ましい。次にこの混合液
を溶媒の沸点付近の温度で加熱することによりTiアル
コキシドとMアルコキシドとを反応させ、Tiと元素M
を含むM−Ti複合アルコキシドを形成する。そして、
更に水を添加することにより、M−Ti複合アルコキシ
ドを加水分解して金属酸化物前駆体粒子とする。
【0030】上記の加水分解を進行させると、金属酸化
物前駆体が形成するとともにゾル溶液の粘度が次第に上
昇する。ゾル溶液の粘度が1〜10センチポイズ程度に
なった時点で、ゾル溶液を耐熱性合金基材2上に塗布
し、更に加水分解と溶媒の蒸発を進める。加水分解と溶
媒の蒸発の進行によりゾル溶液がゲル化し、ゲル膜が形
成する。なお、ゾル溶液の塗布は、図3に示すようにゾ
ル溶液4中に耐熱性合金基材2を浸漬するいわゆるディ
ッピング法で行うことが好ましいが、耐熱性合金基材2
の形状が大きい場合には、耐熱性御合金基材2の表面に
ゾル溶液を直接塗布しても良い。
【0031】そして、このゲル膜を空気雰囲気中、50
0〜800℃で0.5〜5時間熱処理することにより、
図4に示すようなSiO2、Al23、MTiO3のうち
のいずれか1種の金属酸化物からなる平滑層3とする同
時に耐熱性合金基材2の焼鈍を行う。即ち、この熱処理
の温度は、耐熱性合金基材2の焼鈍温度以上であること
が必要である。
【0032】1回のゾル溶液の塗布で得られる平滑層の
層厚は、ゾル溶液の粘度にもよるが、0.1〜0.5μ
m程度である。従って1μm以上の層厚を有する平滑層
3を得るには、ゾル溶液の塗布を複数回行うとよい。ゾ
ル溶液の塗布を複数回行う場合には、最後のゾル溶液の
塗布後の熱処理を上記の条件で行い、それ以外のゾル溶
液の塗布の際の熱処理を、空気雰囲気中、300〜80
0℃の熱処理温度で0.5〜5時間加熱する条件で行う
ことが好ましい。即ち、最後のゾル溶液の塗布以外の塗
布の際の熱処理温度は、耐熱性合金基材2の焼鈍温度よ
り低い温度で行うことが好ましい。このようにして、図
1に示すような平滑複合材1が得られる。
【0033】また、平滑層3の形成は、上記のゾルゲル
法と、微粒子スラリ法の組み合わせにより行うこともで
きる。組み合わせによる方法とは、例えばゾル溶液の塗
布と微粒子スラリの塗布を交互に行う等の方法を例示で
きる。
【0034】上記の平滑複合材1によれば、耐熱性合金
基材2上に、SiO2、Al23、MTiO3のうちのい
ずれか1種からなる平滑層3が積層されているので、平
滑複合材1の表面の最大高さRmaxを小さくすることが
でき、この平滑複合材1をガスタービンや蒸気タービン
の翼の構成材として用いた場合には、ガスタービンや蒸
気タービンの翼の表面近傍を流れる流体のレイノルズ数
を低減することができ、ガスタービンや蒸気タービンの
効率を向上させることができる。
【0035】特に、平滑層3がMTiO3からなり、耐
熱性合金基材2がNi基超合金からなる平滑複合材は、
大気中1000℃においても優れた耐熱性を示すため、
ガスタービンの翼の構成材として好適に用いることがで
き、このガスタービンは、優れた耐熱性と表面の平滑性
とを有するので、ガスタービンを高温で稼働できるとと
もに、ガスタービン翼の表面近傍を流れる流体のレイノ
ルズ数を低減してガスタービンの効率を高めることがで
きる。
【0036】また、平滑層3がSiO2、Al23のう
ちのいずれか1種からなり、耐熱性合金基材2がステン
レス鋼からなる平滑複合材は、大気中600℃において
も優れた耐熱性を示すため、蒸気タービンの翼の構成材
として好適に用いることができ、この蒸気タービンは、
優れた耐熱性と表面の平滑性を有するので、蒸気タービ
ンを高温で稼働できるとともに、蒸気タービン翼の表面
近傍を流れる流体のレイノルズ数を低減して蒸気タービ
ンの効率を高めることができる。
【0037】
【実施例】耐熱性合金基材として、SUS410のステンレス
板を用意し、このステンレス板の表面を研磨して、その
表面の最大高さRmaxを10μmとした。次に、このス
テンレス板をSi酸化物前駆体粒子を含むゾル溶液に浸
漬することにより、ステンレス板の表面にゾル溶液を塗
布した。なお、ここで用いたゾル溶液は、日産化学
(株)製のスノーテックスOL(粒度0.04〜0.0
5μm)であり、このゾル溶液の粘度が5センチポイズ
程度になった時点でゾル溶液にステンレス板を浸漬し
た。
【0038】次に、ステンレス板をゾル溶液から引き上
げ、空気雰囲気中、625℃で1.5時間熱処理するこ
とにより、ステンレス板上に形成されたゲル膜を熱処理
するとともにステンレス板を焼鈍し、SiO2からなる
厚さ1μmの平滑層を形成した。このようにして平滑複
合材を得た。
【0039】得られた平滑複合材の最大高さRmaxを測
定したところ、5μmであった。従って、1回のゾル溶
液の塗布により、表面の最大高さRmaxを1/2程度に
できることが判明した。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
平滑複合材は、表面の最大高さRmaxが小さく平滑性に
優れ、かつ耐熱性に優れた平滑層を具備しているので、
例えばこの平滑複合材をガスタービンや蒸気タービンの
翼の構成材として用いた場合には、ガスタービンや蒸気
タービンの翼の表面近傍を流れる流体のレイノルズ数を
低減することができ、ガスタービンや蒸気タービンの効
率を向上させることができる。
【0041】また、本発明の平滑複合材は、前記平滑層
が、SiO2、Al23、MTiO3(ただしMはMg、
Ca、Sr、Baのうちの少なくとも1種または2種以
上の元素を示す。)のうちのいずれか1種からなり、こ
れらSiO2、Al23、MTiO3は耐熱性に優れてい
るので、平滑複合材の耐熱性と耐食性をより向上させる
ことができる。
【0042】また、本発明の平滑複合材は、平滑層がゾ
ルゲル法により形成されているので、平滑層を緻密に形
成できるとともに最大高さRmaxをより小さくすること
ができ、また耐熱性合金基材と平滑層との密着性をより
高めることができる。
【0043】本発明のガスタービン翼は、先のいずれか
に記載の平滑複合材から構成されているので、ガスター
ビンを高温で稼働できるとともに、ガスタービンの翼の
表面近傍を流れる流体のレイノルズ数を低減することが
でき、ガスタービンの効率を向上できる。
【0044】また、本発明の蒸気タービン翼は、先のい
ずれかに記載の平滑複合材から構成されているので、蒸
気タービンを高温で稼働できるとともに、蒸気タービン
の翼の表面近傍を流れる流体のレイノルズ数を低減する
ことができ、蒸気タービンの効率を向上できる。
【0045】本発明の平滑複合材の製造方法は、耐熱性
合金基材上に、ゾル溶液を塗布した後に熱処理すること
により平滑層を形成するので、緻密で最大高さRmaxが
小さく、耐熱性合金基材との密着性が高い平滑層を形成
できる。
【0046】また、本発明の平滑複合材の製造方法は、
前記熱処理によって前記耐熱性合金基材の焼鈍を同時に
行うので、製造工程を短縮でき、平滑複合材の製造コス
トを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐熱性複合材を示す断面図であ
る。
【図2】 図1に示す耐熱性複合材の製造方法を説明
するための工程図である。
【図3】 図1に示す耐熱性複合材の製造方法を説明
するための工程図である。
【図4】 図1に示す耐熱性複合材の製造方法を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
1 平滑複合材 2 耐熱性合金基材 3 平滑層 3a 上面(表面)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G002 EA05 EA06 EA08 4F100 AA19B AA20B AA21B AA34B AB31A BA02 EH462 EJ423 EJ483 GB51 JJ03 JJ03A JK15 JK15B 4K022 AA02 AA41 AA49 BA02 BA15 BA20 BA22 BA27 DA06 DB24 EA01 4K044 AA02 AA03 AA06 AB10 BA12 BA13 BA14 BC09 BC11 CA16 CA25 CA27 CA29 CA53 CA62

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性合金基材上に平滑層が積層され
    てなることを特徴とする平滑複合材。
  2. 【請求項2】 前記平滑層の層厚が0.1μm以上5
    μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の平滑
    複合材。
  3. 【請求項3】 前記平滑層の表面の最大高さRmaxが、
    5μm以下であることを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の平滑複合材。
  4. 【請求項4】 前記平滑層が、SiO2、Al23、M
    TiO3(ただしMはMg、Ca、Sr、Baのうちの
    少なくとも1種または2種以上の元素を示す。)のうち
    のいずれか1種からなることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の平滑複合材。
  5. 【請求項5】 前記平滑層が、ゾルゲル法、微粒子ス
    ラリ法の一方または両方の組み合わせにより形成された
    ものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4の
    いずれかに記載の平滑複合材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の平滑複合材から構成されたことを特徴とするガス
    タービン翼。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5のいずれかに
    記載の平滑複合材から構成されたことを特徴とする蒸気
    タービン翼。
  8. 【請求項8】 耐熱性合金基材上に、金属酸化物前駆
    体粒子を含むゾル溶液を塗布した後に熱処理することに
    より、平滑層を形成することを特徴とする平滑複合材の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化物前駆体粒子は、Siア
    ルコキシド、Alアルコキシド、M−Ti複合アルコキ
    シド(ただしMはMg、Ca、Sr、Baのうちの少な
    くとも1種または2種以上の元素を示す。)のうちのい
    ずれか1種を加水分解することにより得られたもの、ま
    たはSiアルコキシド、Alアルコキシド、前記M−T
    i複合アルコキシドのいずれか1種からなる微粒子スラ
    リのいずれか一方または両方であることを特徴とする請
    求項8に記載の平滑複合材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記熱処理によって前記耐熱性合金
    基材の焼鈍を同時に行うことを特徴とする請求項8また
    は請求項9に記載の平滑複合材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記熱処理を、空気雰囲気中、30
    0〜800℃の熱処理温度で0.5〜5時間加熱する条
    件で行うことを特徴とする請求項8ないし請求項10の
    いずれかに記載の平滑複合材の製造方法。
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