JP3040390B2 - 4,4’−オクタフルオロビベンズアミド及びその合成法 - Google Patents
4,4’−オクタフルオロビベンズアミド及びその合成法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐候性、各種
安定性、撥水性等に優れた高機能性材料の中間原料、例
えば、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂等のエンジニアリ
ングプラスチック用中間原料やエポキシ樹脂、フッ素系
ゴム等の架橋剤などの中間原料として期待される新規化
合物である4,4'-オクタフルオロビベンズアミドに関
し、並びに、4,4'-オクタフルオロビベンズアミドの合
成法に関する。
安定性、撥水性等に優れた高機能性材料の中間原料、例
えば、ポリイミド樹脂、アラミド樹脂等のエンジニアリ
ングプラスチック用中間原料やエポキシ樹脂、フッ素系
ゴム等の架橋剤などの中間原料として期待される新規化
合物である4,4'-オクタフルオロビベンズアミドに関
し、並びに、4,4'-オクタフルオロビベンズアミドの合
成法に関する。
【0002】
【従来の技術】4,4'-オクタフルオロビベンズアミドに
関しては、”Chemical Abstract”にその記載が見あた
らず、また、本発明者らが知る限りその他の文献類にも
その記載が見当たらないので、該化合物は新規化合物と
考えられる。
関しては、”Chemical Abstract”にその記載が見あた
らず、また、本発明者らが知る限りその他の文献類にも
その記載が見当たらないので、該化合物は新規化合物と
考えられる。
【0003】 また、4,4'-オクタフルオロビベンゾニ
トリルに関しては、”J.Chem.Soc.(C)
(Org.)”(1971)の第1343〜1348頁に記載されて
おり、それによれば、ペンタフルオロベンゾニトリルを
N,N-ジメチルホルムアミド中でヨウ化ナトリウムと還流
温度で反応することにより4,4'-オクタフルオロビベン
ゾニトリル(以下、F8BBNと略称することがある)
を得ている。
トリルに関しては、”J.Chem.Soc.(C)
(Org.)”(1971)の第1343〜1348頁に記載されて
おり、それによれば、ペンタフルオロベンゾニトリルを
N,N-ジメチルホルムアミド中でヨウ化ナトリウムと還流
温度で反応することにより4,4'-オクタフルオロビベン
ゾニトリル(以下、F8BBNと略称することがある)
を得ている。
【0004】 しかしながらこの反応では、26%の原料
が残留するほかに、4-ヒドロテトラフルオロベンゾニト
リル及び4-ヨウドテトラフルオロベンゾニトリルも生成
しており、これら原料及び副生物の分離が煩雑な上に、
目的のF8BBNの収率は高々33%に過ぎないという問
題点がある。
が残留するほかに、4-ヒドロテトラフルオロベンゾニト
リル及び4-ヨウドテトラフルオロベンゾニトリルも生成
しており、これら原料及び副生物の分離が煩雑な上に、
目的のF8BBNの収率は高々33%に過ぎないという問
題点がある。
【0005】
【発明が解決すべき問題点】近年、プラスチック工業の
分野では、ポリイミド系樹脂、アラミド樹脂等のエンジ
ニリングプラスチックが注目されており、これらの材料
よりもなお一層、耐熱性、耐候性、各種安定性に優れた
高機能性材料の開発が切望されている。
分野では、ポリイミド系樹脂、アラミド樹脂等のエンジ
ニリングプラスチックが注目されており、これらの材料
よりもなお一層、耐熱性、耐候性、各種安定性に優れた
高機能性材料の開発が切望されている。
【0006】 本発明者等は、このような高機能性材料
の中間原料として極めて有望な前記化合物を得るべく鋭
意研究を行った結果、4-ブロモテトラフルオロベンゾニ
トリルなどの4-ハロゲノテトラフルオロベンゾニトリル
を極性有機溶媒中で銅粉末を用いてカップリング反応さ
せることにより4,4'-オクタフルオロビベンゾニトリル
(以下、F8BBNと略称することがある)を合成し得
ること、
の中間原料として極めて有望な前記化合物を得るべく鋭
意研究を行った結果、4-ブロモテトラフルオロベンゾニ
トリルなどの4-ハロゲノテトラフルオロベンゾニトリル
を極性有機溶媒中で銅粉末を用いてカップリング反応さ
せることにより4,4'-オクタフルオロビベンゾニトリル
(以下、F8BBNと略称することがある)を合成し得
ること、
【0007】 次いでこれを97重量%濃度などの酸の濃
厚水溶液中で加水分解することにより、4,4'-オクタフ
ルオロビベンズアミド(以下、F8BBAmと略称する
ことがある)が得られることを見出し、更に研究を進め
て本発明を完成した。
厚水溶液中で加水分解することにより、4,4'-オクタフ
ルオロビベンズアミド(以下、F8BBAmと略称する
ことがある)が得られることを見出し、更に研究を進め
て本発明を完成した。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、先ず、下記
一般式1に示す4-ハロゲノテトラフルオロベンゾニトリ
ルを極性有機溶媒中、銅と反応させ4,4'-オクタフルオ
ロビベンゾニトリルを合成する。
一般式1に示す4-ハロゲノテトラフルオロベンゾニトリ
ルを極性有機溶媒中、銅と反応させ4,4'-オクタフルオ
ロビベンゾニトリルを合成する。
【0009】
【化1】
【0010】 次いで、4,4'-オクタフルオロビベンゾ
ニトリルを95重量%濃度以上の酸の水溶液中で加水分解
することを特徴とする4,4'-オクタフルオロビベンズア
ミドの合成法の提供を目的とするものであり、
ニトリルを95重量%濃度以上の酸の水溶液中で加水分解
することを特徴とする4,4'-オクタフルオロビベンズア
ミドの合成法の提供を目的とするものであり、
【0011】 更に本発明は、新規化合物である4,4'-
オクタフルオロビベンズアミドの提供を目的とするもの
である。
オクタフルオロビベンズアミドの提供を目的とするもの
である。
【0012】 以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】 本発明の合成法は、4-ハロゲノテトラフ
ルオロベンゾニトリル(以下、F4XBNと略称するこ
とがある)を極性有機溶媒中で銅と反応させてF8BB
Nを生成させるカップリング反応工程(A)、該F8B
BNを95重量%濃度以上の酸の水溶液で加水分解してF
8BBAmを生成させる加水分解工程(B)よりなる。
ルオロベンゾニトリル(以下、F4XBNと略称するこ
とがある)を極性有機溶媒中で銅と反応させてF8BB
Nを生成させるカップリング反応工程(A)、該F8B
BNを95重量%濃度以上の酸の水溶液で加水分解してF
8BBAmを生成させる加水分解工程(B)よりなる。
【0014】 カップリング反応工程(A) この工程は、上記のようにF4XBNを極性有機溶媒中
で銅と反応させてF8BBNを生成させるものであり、
その反応式は下記式2に従うものと考えられる。
で銅と反応させてF8BBNを生成させるものであり、
その反応式は下記式2に従うものと考えられる。
【0015】
【化2】
【0016】 この工程の出発原料である上記F4XB
Nにおいて、Xは例えばF,Cl,Br,I等のハロゲ
ンである。このようなF4XBNとして、例えば、ペン
タフルオロベンゾニトリル(以下、F5BNと略称する
ことがある)、4-クロロテトラフルオロベンゾニトリ
ル、4-ブロモテトラフルオロベンゾニトリル(以下、F
4BrBNと略称することがある)及び4-ヨ−ドテトラ
フルオロベンゾニトリル(以下、F4IBNと略称する
ことがある)等を挙げることができる。これらのうち、
カップリング反応性のよさの観点から、出発原料として
F4BrBNまたはF4IBNを用いるのが好ましい。
Nにおいて、Xは例えばF,Cl,Br,I等のハロゲ
ンである。このようなF4XBNとして、例えば、ペン
タフルオロベンゾニトリル(以下、F5BNと略称する
ことがある)、4-クロロテトラフルオロベンゾニトリ
ル、4-ブロモテトラフルオロベンゾニトリル(以下、F
4BrBNと略称することがある)及び4-ヨ−ドテトラ
フルオロベンゾニトリル(以下、F4IBNと略称する
ことがある)等を挙げることができる。これらのうち、
カップリング反応性のよさの観点から、出発原料として
F4BrBNまたはF4IBNを用いるのが好ましい。
【0017】 上記のような、本発明の出発原料として
好ましいF4BrBN及びF4IBNの合成方法として
は、F5BNを有機溶媒中で、例えば、臭化リチウム、
臭化カリウム、ヨウ化カリウム等の金属ハライドと反応
させてF4XBNとを得る方法が好適に採用できる。
好ましいF4BrBN及びF4IBNの合成方法として
は、F5BNを有機溶媒中で、例えば、臭化リチウム、
臭化カリウム、ヨウ化カリウム等の金属ハライドと反応
させてF4XBNとを得る方法が好適に採用できる。
【0018】 反応工程(A)において用いる極性有機
溶媒としては、出発原料のF4XBN及び生成物のF8
BBNに対して不活性であるとともに、この工程の反応
が比較的高温を要することから高沸点(好ましくは、12
0〜300℃、特に好ましくは、150〜250℃)のものが好適
に使用できる。
溶媒としては、出発原料のF4XBN及び生成物のF8
BBNに対して不活性であるとともに、この工程の反応
が比較的高温を要することから高沸点(好ましくは、12
0〜300℃、特に好ましくは、150〜250℃)のものが好適
に使用できる。
【0019】 このような極性有機溶媒としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチルスルホン、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド、キノリン、ベンゾニトリル、ニトロベ
ンゼン、グリコ−ル類のジアルキルエ−テル、グリコ−
ル類のモノアルキルエ−テルアセテ−トなどの非プロト
ン性極性有機溶媒が好適に使用できる。
ば、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラ
メチルスルホン、スルホラン、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド、キノリン、ベンゾニトリル、ニトロベ
ンゼン、グリコ−ル類のジアルキルエ−テル、グリコ−
ル類のモノアルキルエ−テルアセテ−トなどの非プロト
ン性極性有機溶媒が好適に使用できる。
【0020】 これらの極性有機溶媒のうち、反応性の
良さ、これらF4XBN及びF8BBNの両者に対する
溶解性の良さ、及び、後記するように反応生成物F8B
BNの単離に好都合な水溶性の大きさ等の観点から、ス
ルホランの使用が特に好ましい。
良さ、これらF4XBN及びF8BBNの両者に対する
溶解性の良さ、及び、後記するように反応生成物F8B
BNの単離に好都合な水溶性の大きさ等の観点から、ス
ルホランの使用が特に好ましい。
【0021】 この工程において用いる銅としては、反
応性の観点から表面積の大きい、フレ−ク状、粉末状の
ものがよく、銅粉末として一般に市販されているものを
使用できる。
応性の観点から表面積の大きい、フレ−ク状、粉末状の
ものがよく、銅粉末として一般に市販されているものを
使用できる。
【0022】 また、銅の必要量は前記式2より明らか
な様に出発原料F4XBN1モルに対して0.5モルであ
るが、この反応が固/液二層における反応であることか
ら、銅は該F4XBN1モルに対して大過剰量、すなわ
ち、1〜20モル、好ましくは2〜10モル用いるのがよい。
な様に出発原料F4XBN1モルに対して0.5モルであ
るが、この反応が固/液二層における反応であることか
ら、銅は該F4XBN1モルに対して大過剰量、すなわ
ち、1〜20モル、好ましくは2〜10モル用いるのがよい。
【0023】 この工程における反応温度は、通常100
〜300℃、好ましくは180〜240℃である。該下限値以上
の温度では、十分な反応速度が得られ、一方、該上限値
以下の温度では副反応もほとんど起ないので、反応温度
を該温度範囲の中で適宜決定するのが好ましい。
〜300℃、好ましくは180〜240℃である。該下限値以上
の温度では、十分な反応速度が得られ、一方、該上限値
以下の温度では副反応もほとんど起ないので、反応温度
を該温度範囲の中で適宜決定するのが好ましい。
【0024】 この工程の反応時間は、通常0.5〜20時
間、好ましくは1〜5時間程度が好適に採用される。
間、好ましくは1〜5時間程度が好適に採用される。
【0025】 この工程で得られるF8BBNは水溶性
に乏しいので、反応終了後、残余の銅や副生物の銅ハラ
イド(臭化銅、ヨウ化銅など)などの固形物を濾別して
得られるF8BBN溶液を多量の水中に投入して該F8
BBNの結晶を析出させ、この結晶を分離乾燥すること
によりF8BBNを単離して次の加水分解工程(B)を
行う。
に乏しいので、反応終了後、残余の銅や副生物の銅ハラ
イド(臭化銅、ヨウ化銅など)などの固形物を濾別して
得られるF8BBN溶液を多量の水中に投入して該F8
BBNの結晶を析出させ、この結晶を分離乾燥すること
によりF8BBNを単離して次の加水分解工程(B)を
行う。
【0026】 加水分解工程(B) この工程は前記工程(A)で得られたF8BBNを95重
量%濃度以上の酸の水溶液中で加水分解させて新規化合
物であるF8BBAmを生成させるものであり、その反
応式は下記式3に従うものと考えられる。
量%濃度以上の酸の水溶液中で加水分解させて新規化合
物であるF8BBAmを生成させるものであり、その反
応式は下記式3に従うものと考えられる。
【0027】
【化3】
【0028】 上記95重量%濃度以上の酸の水溶液とし
ては、例えば、濃硫酸、濃リン酸等を例示することがで
きるが、反応性、操作性、経済性等の観点から約97重量
%濃度以上の濃硫酸を用いるのが好ましい。
ては、例えば、濃硫酸、濃リン酸等を例示することがで
きるが、反応性、操作性、経済性等の観点から約97重量
%濃度以上の濃硫酸を用いるのが好ましい。
【0029】 酸の濃度が上記下限値未満では、F8B
BAmの生成が減りF8BBAの生成が増加する傾向に
あるので好ましくない。
BAmの生成が減りF8BBAの生成が増加する傾向に
あるので好ましくない。
【0030】 この工程(B)における反応温度は、80
〜120℃程度であるのがよく、反応時間は通常0.5〜5時
間である。
〜120℃程度であるのがよく、反応時間は通常0.5〜5時
間である。
【0031】 この工程で得られるF8BBAmは水溶
性に乏しいので、反応終了後、反応混合物を多量の水中
に投入してF8BBAm結晶を析出させ、これを濾過な
どの公知の方法により単離し、乾燥して目的生成物F8
BBAmを得ることができる。
性に乏しいので、反応終了後、反応混合物を多量の水中
に投入してF8BBAm結晶を析出させ、これを濾過な
どの公知の方法により単離し、乾燥して目的生成物F8
BBAmを得ることができる。
【0032】 実施例 以下、実施例により本発明を一層詳細に説明する。
【0033】
【製造例1】 攪拌装置、温度計及び還流冷却管を備え
た200mlの三ツ口フラスコに、4-ブロモテトラフルオロベ
ンゾニトリル(F4BrBN)25.9g(純度約98重量
%、約0.10モル)、銅粉末13.1g(約0.20モル)及び無
水スルホラン100gを加え、210℃にて約3時間攪拌下加
熱して反応させた。
た200mlの三ツ口フラスコに、4-ブロモテトラフルオロベ
ンゾニトリル(F4BrBN)25.9g(純度約98重量
%、約0.10モル)、銅粉末13.1g(約0.20モル)及び無
水スルホラン100gを加え、210℃にて約3時間攪拌下加
熱して反応させた。
【0034】 反応終了後、反応液をガスクロマトグラ
フィ−(GC)で分析したところ、F4BrBNの反応率
は100%であり、また、4,4'-オクタフルオロビベンゾニ
トリル(F8BBN)の生成率は80%であった。
フィ−(GC)で分析したところ、F4BrBNの反応率
は100%であり、また、4,4'-オクタフルオロビベンゾニ
トリル(F8BBN)の生成率は80%であった。
【0035】 反応液を室温まで冷却し、次いで吸引濾
過により固形物(おもに銅粉末)を除去して得た濾液を
約1000mlの蒸留水中に分散させ、析出した結晶を濾別し
乾燥して、F8BBNの結晶13.9g(純度約95重量%、
約37.9ミリモル)を得た。原料F4BrBNからの収率
は約75.9%であった。
過により固形物(おもに銅粉末)を除去して得た濾液を
約1000mlの蒸留水中に分散させ、析出した結晶を濾別し
乾燥して、F8BBNの結晶13.9g(純度約95重量%、
約37.9ミリモル)を得た。原料F4BrBNからの収率
は約75.9%であった。
【0036】 得られたF8BBN結晶を石油エ−テル
を用いて再結晶したものの融点は129〜131℃であった。
を用いて再結晶したものの融点は129〜131℃であった。
【0037】
【実施例1】 撹拌装置、温度計及び還流冷却管を備え
た50mlの三ツ口フラスコに、製造例1で得られたF8B
BN結晶5g(純度約95重量%、約13.6ミリモル)及び約
97重量%の濃硫酸50gを加え、約100℃にて約1時間加熱
攪拌下反応させた。
た50mlの三ツ口フラスコに、製造例1で得られたF8B
BN結晶5g(純度約95重量%、約13.6ミリモル)及び約
97重量%の濃硫酸50gを加え、約100℃にて約1時間加熱
攪拌下反応させた。
【0038】 反応終了後、反応液を約500mlの冷却し
た蒸留水中に滴下し、析出した結晶を濾別し、次いでこ
の結晶に約5重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加
えた後、残留する結晶を濾別し、蒸留水で水洗した後乾
燥して、4,4'-オクタフルオロビベンズアミド(F8B
BAm)の結晶4.8g(純度約98重量%、約12.3ミリモ
ル)を得た。F8BBNからの収率は89.7%、原料F4
BrBNからの収率は約68.4%であった。
た蒸留水中に滴下し、析出した結晶を濾別し、次いでこ
の結晶に約5重量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加
えた後、残留する結晶を濾別し、蒸留水で水洗した後乾
燥して、4,4'-オクタフルオロビベンズアミド(F8B
BAm)の結晶4.8g(純度約98重量%、約12.3ミリモ
ル)を得た。F8BBNからの収率は89.7%、原料F4
BrBNからの収率は約68.4%であった。
【0039】 ここで得られたF8BBAmの物性値は
次の通りであった。 融点: 287〜289℃19 F-NMR:(1H-ノンデカップリング;内部標準;CF3COOH,
溶媒;アセトン-d6) δ= -62.3〜-62.5ppm(m,4F) -65.7〜-65.9ppm(m,4F)1 H-NMR:(内部標準;TMS, 溶媒;アセトン-d6) δ= 7.60ppm(s,2H), δ= 7.80ppm(s,2H) 赤外線吸収スペクトル(IR):KBr法(図1参照)
次の通りであった。 融点: 287〜289℃19 F-NMR:(1H-ノンデカップリング;内部標準;CF3COOH,
溶媒;アセトン-d6) δ= -62.3〜-62.5ppm(m,4F) -65.7〜-65.9ppm(m,4F)1 H-NMR:(内部標準;TMS, 溶媒;アセトン-d6) δ= 7.60ppm(s,2H), δ= 7.80ppm(s,2H) 赤外線吸収スペクトル(IR):KBr法(図1参照)
【0040】
図1は、2,2',3,3',5,5',6,6'-オクタフルオロ-4,4'-ビ
ベンズアミドの赤外線吸収スペクトルである。尚、図面
横軸の単位は400cm−1(右側)〜4000cm
−1である。
ベンズアミドの赤外線吸収スペクトルである。尚、図面
横軸の単位は400cm−1(右側)〜4000cm
−1である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 正典 東京都品川区西品川2−9−22 審査官 爾見 武志 (56)参考文献 J.Chem.Soc.(C)Or g.(1971)p.1343−1348 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 4,4'-オクタフルオロビベンズアミド。
- 【請求項2】 4,4'-オクタフルオロビベンゾニトリル
を95重量%濃度以上の酸の水溶液中で加水分解するこ
とを特徴とする4,4'-オクタフルオロビベンズアミドの
合成法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11011300A JP3040390B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 4,4’−オクタフルオロビベンズアミド及びその合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11011300A JP3040390B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 4,4’−オクタフルオロビベンズアミド及びその合成法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19927790A Division JPH0489449A (ja) | 1990-07-30 | 1990-07-30 | 4,4’―オクタフルオロビベンゾニトリル、4,4’―オクタフルオロビベンズアミド及び4,4’―オクタフルオロビ安息香酸の合成法、並びに、4,4’―オクタフルオロビベンズアミド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11310564A JPH11310564A (ja) | 1999-11-09 |
JP3040390B2 true JP3040390B2 (ja) | 2000-05-15 |
Family
ID=11774155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11011300A Expired - Fee Related JP3040390B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 4,4’−オクタフルオロビベンズアミド及びその合成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3040390B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4884688B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2012-02-29 | 東ソー・ファインケム株式会社 | 2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタフルオロ−4,4’−ビフェニルジカルボニトリルの製造方法 |
CN114671762B (zh) * | 2022-03-01 | 2024-03-19 | 长春市兆兴新材料技术有限责任公司 | 一种含氟联苯二甲基丙烯酸酯交联剂及其制备方法 |
-
1999
- 1999-01-20 JP JP11011300A patent/JP3040390B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Chem.Soc.(C)Org.(1971)p.1343−1348 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11310564A (ja) | 1999-11-09 |
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