JP3040271B2 - カラー受像管装置 - Google Patents

カラー受像管装置

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JP3040271B2
JP3040271B2 JP4331497A JP33149792A JP3040271B2 JP 3040271 B2 JP3040271 B2 JP 3040271B2 JP 4331497 A JP4331497 A JP 4331497A JP 33149792 A JP33149792 A JP 33149792A JP 3040271 B2 JP3040271 B2 JP 3040271B2
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康之 上田
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松下電子工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光体スクリーン面の
全域において高い解像度が得られるように構成したカラ
ー受像管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管装置の解像度は、ビームス
ポットの大きさおよび形状に大きく依存する。すなわ
ち、電子ビームの射突によって蛍光体スクリーン面上に
生成されるビームスポットが径小にしてかつ真円に近い
ものでなければ良好な解像度特性は得られない。
【0003】3つの電子ビーム放射部を水平一直線上に
配列してなるカラー受像管では、セルフコンバーゼンス
構成となすために水平偏向磁界をピンクッション状に、
そして、垂直偏向磁界をバレル状にそれぞれ歪ませてい
る。このため、偏向磁界を通過する3電子ビームは水平
方向で発散作用を、そして、垂直方向では集束作用をそ
れぞれ受ける結果となり、水平方向に長軸を置く横長偏
平の断面形状になる。
【0004】電子ビーム軌道は、電子ビームの偏向角度
が増すのに伴い長大化する。このため、ビームスポット
がオーバフォーカス化するものの、偏向磁界内では前記
発散作用があるので相殺作用が働き、ビームスポットは
水平方向に関しては全偏向角度を通じて最適のフォーカ
ス状態に保たれる。一方、垂直方向に関しては偏向磁界
内での前記集束作用が加わるので、、オーバフォーカス
化の度合いが増してビームスポットに長いヘイズ部を伴
うようになり、解像度が低下する。
【0005】かかる課題は、本出願人の出願に係る特開
昭61−99249号公報に記載の発明によってかなり
改善することができた。この場合、電子銃は図4に示す
ように陰極1a,1b,1c、制御格子電極2、加速電
極3、第1集束電極4、第2集束電極5および最終加速
電極6を順次に配設した構成となる。図5にも示すよう
に、第1集束電極4は第2集束電極5側の端面に垂直方
向に長軸を置く縦長の電子ビーム通過穴4a,4b,4
cを、第2集束電極5は第1集束電極4側の端面に水平
方向に長軸を置く横長の電子ビーム通過穴5a,5b,
5cをそれぞれ有し、第2集束電極5と最終加速電極6
とは主レンズ生成用の非円形の電子ビーム通過穴5d,
5e,5fおよび6a,6b,6cを有する。そして、
第1集束電極4に一定のフォーカス電圧Vf が印加さ
れ、最終加速電極6に一定の高電圧Va が印加されるの
であり、第2集束電極5に対しては第1のフォーカス電
圧Vf から出発して電子ビームの偏向角度の増大に伴い
漸次に上昇するダイナミック電圧が印加される。図中の
7はダイナミック電圧発生源を示す。
【0006】かかるダイナミック電圧の印加によって、
第2集束電極5の電位が第1集束電極4の電位Vf より
も高くなるのに伴い、両電極4,5間に縦長の電子ビー
ム通過穴4a,4b,4cおよび横長の電子ビーム通過
穴5a,5b,5cによる4極レンズ電界(軸非対称レ
ンズ電界)が生成される。一方、第2集束電極5と最終
加速電極6との電位差が縮まるので、主レンズ(軸非対
称レンズ電界)のレンズ作用が弱まる。これら二つの作
用によって蛍光体スクリーン面の周辺部に偏向された電
子ビームによるビームスポットは、水平方向で最適のフ
ォーカス状態を保ちながら、垂直方向においてもヘイズ
部を伴わなくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの場合、一定
の第1フォーカス電圧Vf に加えてダイナミック電圧を
必要とし、必要とするダイナミック電圧はカラー受像管
の大型化に伴い高くなるので、その回路構成も煩雑とな
ってコスト高を招く。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決すべくなされたもので、制御格子電極と最終加速電極
との間に、少なくとも加速電極、一定の第1フォーカス
電圧が印加される第1集束電極および第1フォーカス電
圧よりも低い第2フォーカス電圧が印加される第2集束
電極を順次に配設した構成において、水平方向で発散形
に、垂直方向では集束形になる第1の軸非対称レンズ電
界を第1集束電極と第2集束電極との間に生成せしめ
る。また、水平方向で強く垂直方向では弱い集束作用を
なす第2の軸非対称レンズ電界を第2集束電極と最終加
速電極との間に生成せしめ、第1および第2の軸非対称
レンズ電界による合成の集束作用が電子ビームの偏向角
度が零のときに水平方向と垂直方向とで同等ならしめ
る。そのうえ、前記偏向角度の増大に伴って上昇するダ
イナミック電圧を前記第2のフォーカス電圧に重畳せし
めるものであり、前記偏向角度が増大するのに伴い水平
方向よりも垂直方向の集束作用が漸次弱められるように
する。
【0009】
【作用】このように構成すると、第2フォーカス電圧が
第1フォーカス電圧よりも低い値から出発して、電子ビ
ームの偏向角度の増大に伴い漸次に上昇するものであ
り、この過程において前述のような4極レンズ電界が第
1および第2集束電極間に生成される。また、第2集束
電極と最終加速電極との間にも軸非対称レンズ電界が生
成されるのであって、必要とするダイナミック電圧は比
較的低くてすむという利点がある。
【0010】
【実施例】つぎに、本発明を図示した実施例とともに説
明する。ただし、本例における電子銃は図4および図5
に示したものと同様の電極構成となるので、図4および
図5を適宜参照する。本発明の原理は図1に示す特性図
によって説明することができるが、まず、第1集束電極
に印加される第1フォーカス電圧をVf 、第2集束電極
に印加される第2フォーカス電圧をVb +Vd とする。
本発明においてはVf >Vb の関係に設定する。Vd は
ダイナミック電圧成分で、電子ビームの偏向角度が零の
とき0Vであり、電子ビームの偏向角度が増すのに伴い
漸次に上昇する。なお、Vf =6KV〜8KV,Vf −
Vb =0.4KV〜2KVに設定することができる。
【0011】かかるレンズ電界を含む電子レンズ系での
電子ビームの挙動を図2および図3の参照により説明す
ると、図2の(a)は電子ビームの偏向角度が零のとき
の水平方向断面、(b)は電子ビームの偏向角度が0の
ときの垂直方向断面を示す。この時点では、第1集束電
極4と第2集束電極5との間に4極電界レンズ10が生
成されるので、クロスオーバ部8から出射した電子ビー
ム9は、4極電界レンズ10および主レンズ11を通じ
てスクリーン面12上の一点に収れんする。レンズ10
は水平方向断面において凹レンズ10a、垂直方向断面
においては凸レンズ10bとして図示してある。また、
主レンズ11は水平方向において強い凸レンズ11aと
して作用し、垂直方向においては弱い凸レンズ11bと
して作用する。
【0012】このように、電子ビームの偏向角度が0の
とき(Vd =0)においてもVf >Vb となるので、第
1集束電極4と第2集束電極5との電位差によって4極
電界レンズ10が生成されるのであり、これと主レンズ
11とによる合成的集束の結果として、電子ビーム9は
スクリーン面12上の一点に収れんする。
【0013】図3の(a)は電子ビームが水平方向へか
なり偏向された時点での水平方向断面、(b)は同時点
での垂直方向断面を示したものである。この時点では第
2フォーカス電圧(Vb +Vd )が第1フォーカス電圧
(Vf )に近づいているので、4極レンズ電界10の凹
レンズ10aおよび凸レンズ10bがともに弱まる。こ
れは相対的に逆の軸非対称レンズ電界成分が生じたのと
等価である。また、第2フォーカス電圧が最終加速電極
電圧Va に近づいているので、主レンズ11も弱まる。
そして、偏向磁界中における磁界レンズ13が水平方向
断面において凹レンズ13aとして加わり、垂直方向断
面においては凸レンズ13bとして加わるが、これは前
記逆の軸非対称レンズ電界成分と結果的に相殺される。
そして、4極レンズ電界10、主レンズ11および磁界
レンズ13を通じた電子ビーム9はスクリーン面12上
の一点に収れんする。
【0014】なお、以上は電子ビームがスクリーン面上
で水平方向へ偏向された場合について述べたが、垂直方
向へ偏向される場合にも前述と同様の説明があてはま
る。
【0015】つぎに、第1および第2の軸非対称レンズ
電界によるレンズ作用を図1により説明する。図1は第
1フォーカス電圧Vf を7KVに固定し、第2フォーカ
ス電圧を横軸に、そして、主レンズからの仮想物点垂直
方向移動量(レンズ効果と等価)を縦軸にとった特性図
である。第1フォーカス電圧を7KVに固定し、第2フ
ォーカス電圧を7KVから7.5KVへと漸次に上昇せ
しめていく従来構成での移動量はSa である。これに対
し、第1フォーカス電圧を7KVに固定し、第2フォー
カス電圧を6.5KVから7KVへと漸次に高める本発
明実施のものにおける移動量はSb である(Sb >Sa
)。つまり、同じ0.5KVのダイナミック電圧成分
であっても、最適フォーカスのビームスポットを得るの
に必要なダイナミック電圧成分は、本発明を実施した方
が少なくてすむことが分かる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によると、比較的低
いダイナミック電圧を用いてスクリーン面の周辺部に最
適フォーカスのビームスポットを生成せしめ得るのであ
り、とくに大型のカラー受像管装置に適用してダイナミ
ック電圧発生回路の複雑化および製造コストの増大を抑
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカラー受像管装置のレンズ効
果を説明するための特性図
【図2】同装置のレンズ系での電子ビームの挙動(無偏
向時)を説明するための図
【図3】同装置のレンズ系での電子ビームの挙動(偏向
時)を説明するための図
【図4】カラー受像管装置の電子銃の電極配列を示す側
断面図
【図5】同電子銃を構成する電極の一部分の平面図
【符号の説明】
2 制御格子電極 3 加速電極 4 第1集束電極 5 第2集束電極 6 最終加速電極 8 クロスオーバ部 9 電子ビーム 10 4極レンズ電界 11 主レンズ 13 磁界レンズ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制御格子電極と最終加速電極との間に、少
    なくとも加速電極、一定の第1フォーカス電圧が印加さ
    れる第1集束電極および第1フォーカス電圧よりも低い
    第2フォーカス電圧が印加される第2集束電極を順次に
    配設し、水平方向で発散形に、垂直方向では集束形にな
    る第1の軸非対称レンズ電界を第1集束電極と第2集束
    電極との間に生成せしめる一方、水平方向で強く垂直方
    向では弱い集束作用をなす第2の軸非対称レンズ電界を
    第2集束電極と最終加速電極との間に生成せしめ、第1
    および第2の軸非対称レンズ電界による合成の集束作用
    が電子ビームの偏向角度が零のときに水平方向と垂直方
    向とで同等となるようになし、かつ、前記偏向角度の増
    大に伴って上昇するダイナミック電圧を前記第2のフォ
    ーカス電圧に重畳せしめ、前記偏向角度が増大するのに
    伴い水平方向よりも垂直方向の集束作用が漸次弱められ
    るようにしたことを特徴とするカラー受像管装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6785745B2 (en) 2000-06-22 2004-08-31 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Recording/reproducing device

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