JP3050385B2 - カラー受像管用電子銃 - Google Patents

カラー受像管用電子銃

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JP3050385B2 JP1187325A JP18732589A JP3050385B2 JP 3050385 B2 JP3050385 B2 JP 3050385B2 JP 1187325 A JP1187325 A JP 1187325A JP 18732589 A JP18732589 A JP 18732589A JP 3050385 B2 JP3050385 B2 JP 3050385B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スクリーン面全域において低輝度から高輝
度まで高い解像度を得ることのできる電極構造を備えた
カラー受像管用電子銃に関する。
〔従来の技術〕
この種の受像管の解像度は、電子ビームのスポツト径
およびその形状に大きく依存する。すなわち、電子ビー
ムの射突によつて螢光体スクリーン面上に生成される輝
点である電子ビームスポツトが径小でかつ真円に近いも
のでなければ高い解像度は得られない。
しかし、電子銃から螢光体スクリーン面に至る電子ビ
ーム軌道は電子ビームの偏向角度の増大に伴つて長大と
なるので、螢光体スクリーン面の中央部において径小で
かつ真円の電子ビームスポツトが得られる最適フオーカ
ス電圧に保つと、螢光体スクリーン面の周辺部ではオー
バフオーカスの状態となり、周辺部において良好な電子
ビームスポツトおよび高い解像度を得ることができなく
なる。そこで、電子ビームの偏向角の増大に伴つてフオ
ーカス電圧を高めて主レンズ電界を弱める所謂ダイナミ
ツクフオーカス方式が採用されているのであるが、この
方式は、以下に説明するように、インライン型カラー受
像管の駆動には適しないものである。
すなわち、3つの電子ビーム出射部を水平走査方向一
直線上に配列してなるインライン型カラー受像管では、
セルフコンバーゼンス効果を得るために水平偏向磁界を
ピンクツシヨン状に、垂直偏向磁界をバレル状に、それ
ぞれ歪ませているので、ここを通過した電子ビームの断
面形状は歪を持つたものとなる。
螢光体スクリーン面は、通常横長すなわち電子ビーム
配列方向(水平方向)の辺が長い矩形状であるので、水
平方向周辺部での歪が特に大きくなる。
第4図は4極レンズ磁界と電子ビームとの関係の説明
図であつて、1,2,3は電子ビーム、4は水平偏向磁界、
5は偏向作用によるビーム移動方向である。
第5図はピンクツシヨン磁界分布の水平偏向磁界と電
子ビームとの関係の説明図であつて、6は2極磁界成
分、7は4極磁界成分、8は偏向作用によるビーム移動
方向、9は電子ビームである。
第6図はビームスポツトの形状歪の説明図であつて、
9Hは電子ビームの高輝度部(コアー部)、9Lは同じく低
輝度部(ヘイズ部)である。
以下、第4図から第6図について説明する。
第4図において、同図図面の紙面裏側から進行してき
た3本の電子ビーム1,2,3は、ピンクツシヨン状分布の
水平偏向磁界4に入射することにより、矢印5で示す方
向への偏向作用を受ける。すなわち、ピンクツシヨン状
分布の水平偏向磁界4は、第5図(a)に示すような2
極磁界成分6と、同図(b)に示すような4極磁界成分
とから成ると考えることができ、2極磁界成分6が電子
ビーム9に対して矢印8で示す方向への偏向作用を与え
る。
4極磁界成分7は3本の電子ビームにセルフコンバー
ゼンス作用を与えるものであるが、1本の電子ビーム9
についてみると、水平方向に発散作用を、垂直方向に集
束作用を、それぞれ与えるために、横長偏平の断面形状
となる。
ところで、上記発散作用は、電子ビーム偏向角度の増
大に伴い電子ビーム軌道が長大となることによる電子ビ
ームスポツトのオーバフオーカスを打ち消す向きに作用
するので、インライン型カラー受像管では、電子ビーム
スポツトの水平方向に関しては、偏向期間中、最適フオ
ーカス状態に保たれる。しかし、垂直方向に関しては、
上記の集束作用が加わることによつて、著しくオーバフ
オーカスの度合が増す。
その結果、螢光体スクリーン面の中央部に生成される
電子ビームスポツトが第6図に「00」で示すような円形
となるのに対し、水平方向周辺部に生成される電子ビー
ムスポツトは、高輝度のコアー部9Hと低輝度のヘイズ部
9Lとからなる非円形に歪み、特にヘイズ部9Lの垂直方向
への大きな伸びがフオーカス特性に悪影響を及ぼす。
そして、このような場合、従来のダイナミツクフオー
カス方式を適用すると、この方式が主レンズのレンズ作
用を水平,垂直方向に関係なく均等に弱めるので、垂直
方向についてはヘイズ部9Lを除去しても、すでに最適フ
オーカスとなつている水平方向は更にアンダーフオーカ
ス状態となり、水平方向の径が増大してしまう。
この結果、電子ビームスポツトは著しく横長となり、
水平方向の解像度が低下する。
このような問題を解決し、螢光体スクリーン面の全域
において高い解像度を得ることができるようにした受像
管装置が特願昭63−230116号として提案されている。
第7図は上記提案にかかる受像管装置の電子銃の説明
図であつて、(a)は電子銃の構造を示す断面図、
(b)は第1集束電極を(a)の矢印A方向からみた正
面図、(c)は第2集束電極を(a)の矢印B方向から
みた正面図である。
同図において、K1,K2,K3は熱陰極(以下、単に陰
極)、10は制御電極、20は加速電極、30は第1集束電
極、38はリム電極、40は第2集束電極、50は陽極電極
(以下、単に陽極)、11,12,13,21,22,23,31a,32a,33a,
31b,32b,33b,41a,42a,43a,41b,42b,43b,51,52,53は電子
ビーム通過孔、Cは電子銃軸、CBはセンタービーム、SB
1,SB2はサイドビームである。そして、水平方向一直線
上に配列された陰極K1,K2,K3と、制御電極10、加速電
極20と、第1集束電極30、第2集束電極40および最終加
速電極である陽極50とでインライン型カラー受像管用電
子銃を構成している。
第1集束電極30は、第2集束電極40側の端面に3個の
円形の電子ビーム通過孔31a,32a,33aを有し、第2集束
電極40に対向して、この電子ビーム通過孔を形成する端
面から上記電子ビーム通過孔を水平方向から挟んで上記
第2集束電極40方向に垂直に植立した4個の平行平板3
4,35,36,37からなる第1の平板電極(垂直板)を有して
いる。
そして、第1の平板電極を構成する平行平板34,35,3
6,37を包囲し、かつこの平行平板の先端34a,35a,36a,37
aから第2集束電極40側に一定の距離まで延長したリム
電極38を有している。
上記リム電極38は、第1集束電極30に構造的に接続し
たものとして図示しているが、第1集束電極30と構造的
に独立させ、電気的に同電位となるように接続してもよ
い。
また、第2集束電極40は、第1集束電極30側の端面に
3個の円形の電子ビーム通過孔41a,42a,43aを有し、こ
の電子ビーム通過孔を垂直方向から挟んで上記第1集束
電極30方向に水平に直立した一対の平行平板45,46から
なる第2の平板電極(水平板)を有している。
この水平板の対は、各電子ビームに対して各別に,す
なわち3対設けてもよいものである。
そして、上記第2の平板電極を構成する平行平板の先
端部45a,46aは第1集束電極30のリム電極38内まで延長
されており、第1集束電極30の平行平板の先端部34a,35
a,36a,37aに対して電子銃軸方向に一定間隔lで設置さ
れている。また、陽極50側の端面には3個の円形の電子
ビーム通過孔41b,42b,43bを有している。そして、陽極5
0の第2集束電極40側の端面には3個の円形の電子ビー
ム通過孔51,52,53が設けられており、サイド電子ビーム
通過孔の電子銃軸からの離軸距離S2は、前段電極である
陰極K1,K2,K3、制御電極10、加速電極20、第1集束電
極30、第2集束電極40のサイド電子ビーム通過孔の離軸
距離S1に対して、S2>S1の関係となつており、第2集束
電極40と陽極50との間で主レンズが形成され、サイド電
子ビームSB1,SB2を螢光体スクリーン面上に集中させる
ようになつている。
なお、制御電極10および加速電極20は、それぞれ3個
の円形の電子ビーム通過孔11,12,13,21,22,23を有し、
第1集束電極30の加速電極20側の端面には3個の円形の
電子ビーム通過孔31b,32b,33bが形成されている。
動作時に各電極に与えられる印加電圧は、陰極K1
K2、K3に50〜170V、制御電極10に0V、加速電極20に400
〜800V、第1集束電極30への印加電圧Vfとして5〜8k
V、陽極電圧Ebとして25kVであり、また第2集束電極40
には電子ビームの垂直,水平偏向に同期して変化するダ
イナミツク電圧DVfが印加される。このダイナミツク電
圧DVfは、電子ビームの偏向量が0のときは第1集束電
極30の電圧Vfと同等の5〜8kVであり、電子ビームの偏
向量が増すに従つて漸次上昇し、電子ビームの偏向量が
最大のとき第1集束電極30の電圧Vfよりも0.4〜1kVだけ
高い電位となる。
電子ビームの偏向量が0のときは、上記のように、第
1集束電極30と第2集束電極40との間に電位差がないた
め、第1集束電極30内部の平行平板(第1の平板電極:
垂直板)34,35,36、37と第2集束電極40に取付られてい
る平行平板(第2の平板電極:水平板)45,46による電
子ビームへの影響はなく、電子ビームは第2集束電極40
と陽極50との間の主レンズにより螢光体スクリーン面の
中央部で最適フオーカスで集束する。
電子ビームの偏向量が増すと、第2集束電極40の電位
が第1集束電極30の電位よりも高くなることから、第1
集束電極30内部の平行平板(垂直板)34,35,36,37と第
2集束電極40に取付られた平行平板(水平板)45,46と
によつて4極レンズ電界が形成されると共に、第2集束
電極40と陽極50との電位差が減少して主レンズによる集
束作用が弱くなる。
第8図は第7図に示した電子銃の第1集束電極と第2
集束電極とによる4極レンズ電界作用の説明図であつ
て、同図(a)は第1集束電極の部分正面図、また
(b)は第2集束電極の部分断面図である。
同図において、Fh,Fv,Fvvは電界による電子ビームに
作用する力を、また第7図と同一符号は同一部分を示
す。
第1集束電極30内部の平行平板(垂直板)34,35,36,3
7と第2集束電極40に取付られた平行平板(水平板)45,
46とにより形成される電界は、所謂4極レンズ電界であ
り、同図(a)の第1集束電極30内部の垂直板34−35,3
5−36,36−37間(同図には35−36のみ示す)では、垂直
方向にゆるやかな、水平方向ではきつい集束電界が形成
され、電子ビームはFh−Fv(Fh>Fv)の力で水平方向に
大きく集束される。また、同図(b)の第2集束電極40
に取付られた水平板45−46間では、垂直方向できつく、
水平方向では殆ど影響のない発散レンズが形成され、Fv
vの力で垂直方向に大きく発散される。
このため、第1集束電極30と第2集束電極40との間で
電子ビームは垂直方向に縦長断面となり、偏向磁界を通
過する電子ビームが、前記第4図で説明したような4極
磁界成分によつて水平方向に横長の断面形状に歪むのと
は逆の作用となり、第1集束電極30と第2集束電極40の
両集束電極による作用の相殺によつて電子ビームスポツ
トの横長偏平化が防止される。
また、電子ビームの偏向量が増すに従い、主レンズの
レンズ倍率が弱くなるので、偏向量が増加した電子ビー
ムが螢光体スクリーン面上でオーバフオーカスとなる度
合も軽減され、螢光体スクリーン面の中央部のみなら
ず、その周辺部においても最適フオーカスで集中させる
ことができ、かつ真円に近い電子ビームスポツトを得る
ことができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の技術においては、カソードから出射される電子
ビームの量により螢光体スクリーン面の周辺部の補正量
が異なり、大電流時(高輝度時)と小電流時(低輝度
時)とで解像度が異なつてしまう。以下、上記技術の問
題点を図面により説明する。
第9図は電子ビームの電流量の違いによる電子ビーム
スポツト形状変化の説明図、第10図は陰極Kから螢光体
スクリーン間で電子ビームに作用する力の説明図であ
る。
大電流時には前記第1集束電極30の垂直板34,35,36,3
7と第2集束電極40の水平板45,46の最適化を行つて螢光
体スクリーン面の周辺部のビームスポツトを、第9図
(a)の(a−1)に示すように径小かつ真円に近いも
のにすると、小電流時では第9図(a)の(a−2)に
示すように水平方向でオーバフオーカスとなり、ハロー
が生じて横長の楕円形状となる。また、小電流時には同
図(b)の(b−1)に示したように径小かつ真円に近
いスポツト形状とすることができるが、大電流では(b
−2)のように水平方向がアンダーフオーカスとなり、
横長楕円のコアーとなる。これは、電流量により電子ビ
ーム相互間の反発作用の力が異なるためと考えられる。
通常、第2集束電極40に印加されるダイナミツクフオ
ーカス電圧DVfは螢光体スクリーン周辺部のビームスポ
ツトの垂直方向のハローを消すことで最適フオーカスと
なるように、大電流時では第1集束電極30の垂直板34,3
5,36,37と第2集束電極40の水平板45,46を最適化し、螢
光体スクリーン周辺部の水平ビームスポツト径を最小と
している。このときの電子ビームへの水平方向の作用
は、第1集束電極,第2集束電極間の4極レンズ作用,
偏向歪みの作用(偏向磁界の作用),電子ビーム間の反
発作用(空間電荷反発作用)の三つが考えられ、螢光体
スクリーン周辺部で最適なフオーカスを得るには第10図
(a)のように4極レンズの作用▲▼は偏向歪み▲
▼(発散作用)と電子ビーム間の反発作用▲
▼(発散作用)とを合成したものの均衡がとれ、螢光
体スクリーン周辺部で丸いビームスポツトが得られる。
一方、小電流では、同図(b)のように電子ビーム間の
反発作用▲▼が弱くなる分、4極レンズの集束作
用Fhにより水平方向がオーバフオーカスとなる。このた
め、前記先行技術では電子ビームの電流量の変化による
螢光体スクリーン面周辺部でのビームスポツト形状の最
適化は困難であるという問題がある。
本発明は、このような問題点を除くもので、その目的
は、非軸対称レンズによるダイナミックフォーカスが行
われた際に、電子ビームの電流量に依存して生じる螢光
体スクリーンの周辺部の解像度の劣化を補正することを
可能にしたカラー受像管用電子銃を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明によるカラー受像
管用電子銃は、一方向に配列されて3本の電子ビームを
出射する陰極と、この陰極に対して少なくとも制御電
極、加速電極、集束電極、陽極電極とをこの順で管軸方
向に配置してなるものであり、上記集束電極は上記加速
電極側に配置した第1集束電極と上記陽極電極側に配置
した第2集束電極を設けてなり、上記陽極電極と上記第
2集束電極とが主レンズを構成し、上記第1集束電極と
上記第2集束電極とは相対向し、その対向面の少なくと
も一方に電子ビームの非点収差を補正する構造を設け、
上記第1集束電極には一定の集束電圧を印加し、上記第
2集束電極には直流電圧と電子ビームの偏向角度の増大
に伴って増大する電圧との重畳電圧を印加することによ
り、上記第1集束電極と上記第2集束電極との間で電子
ビームの断面形状を縦長に変化させる作用を持つ集束レ
ンズ構造を形成し、かつ、上記加速電極が電子ビームの
断面形状を横長に変化させる構造を有しているものであ
る。
〔作用〕
上記第1集束電極と第2集束電極の対向面の少なくと
も一方に設置された非点収差補正構造、例えば第1集束
電極の電子ビーム通過孔を挟む平行平板電極(垂直板)
および/または第2集束電極の電子ビーム通過孔を挟む
平行平板電極(水平板)により、4極レンズが形成され
る。また、加速電極と第1集束電極の間に電子ビームを
包囲する横長のスリツト溝からなるレンズを設けて電子
ビームの断面形状を横長とする(水平方向をアンダーフ
オーカスとする)4極レンズを形成する。この横長のス
リツト溝の作用は、電流の変化によるクロスオーバ位置
が移動するため、小電流領域(低輝度領域)で強く作用
し、電子ビームの断面形状は大きな横長となり、アンダ
ーフオーカスが大きくなる大電流領域で弱く作用し、電
子ビームの断面形状は丸(真円)に近づく。このため、
前記先行技術の問題点であつた小電流領域での螢光体ス
クリーン面の周辺部におけるビームスポツト形状の水平
方向のオーバフオーカスを補正し、電流量変化による螢
光体スクリーン面の周辺部のビームスポツト形状の補正
が可能となる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明によるカラー受像管用電子銃の一実施
例の説明図であり、(a)は全体構成図、(b)は
(a)のA−Aからみた加速電極の正面図であつて、
K1,K2,K3は熱陰極(以下、単に陰極)、10は制御電
極、20は加速電極、30は第1集束電極、38はリム電極、
40は第2集束電極、50は陽極電極(以下、単に陽極)、
11,12,13,21,22,23,31a,32a,33a,31b,32b,33b,41a,42a,
43a,41b,42b,43b,51,52,53は電子ビーム通過孔、Cは電
子銃軸、CBはセンタービーム、SB1,SB2はサイドビーム
である。そして、水平方向一直線上に配列された陰極
K1,K2,K3と、制御電極10、加速電極20と、第1集束電
極30,第2集束電極40、および最終加速電極である陽極5
0とでインライン型カラー受像管用電子銃を構成してい
る。
加速電極20は、制御電極10側に3個の円形の電子ビー
ム通過孔21,22,23を有し、第1集束電極30側に水平方向
に長い(横長)スリツト溝24,25,26を有している。
第1集束電極30は第2集束電極40側の端面に3個の円
形の電子ビーム通過孔31b,32b,33bを有し、第2集束電
極40に対向して、この電子ビーム通過孔を形成する端面
から上記電子ビーム通過孔を水平方向から挟んで上記第
2集束電極40方向に垂直に植立した4個の平行平板34,3
5,36,37からなる第1の平板電極(垂直板)を有してい
る。
そして、第1の平板電極を構成する平行平板34,35,3
6,37を包囲し、かつこの平行平板の先端34a,35a,36a,37
aから第2集束電極40側に一定の距離まで延長したリム
電極38を有している。
上記リム電極38は、第1集束電極30に構造的に接続し
たものとして図示しているが、第1集束電極30と構造的
に独立させ、電気的に同電位となるように接続してもよ
い。
また、第2集束電極40は第1集束電極30側の端面に3
個の円形の電子ビーム通過孔41a,42a,43aを有し、この
電子ビーム通過孔を垂直方向から挟んで上記第1集束電
極30方向に水平に植立した一対の平行平板45,46から成
る第2の平板電極(水平板)を有している。この水平板
の対は、各電子ビームに対して各別に(すなわち、3
対)設けてもよい。
そして、上記第2の平板電極を構成する平行平板の先
端部45a,46aは第1集束電極30のリム電極38内まで延長
されており、第1集束電極30の平行平板の先端部34a,35
a,36a,37aに対して電子銃軸方向に一定間隔lで設置さ
れている。また、陽極50側の端面には3個の円形の電子
ビーム通過孔41b,42b,43bを有している。そして、陽極5
0の第1集束電極40側の端面には3個の円形の電子ビー
ム通過孔51,52,53が設けられており、サイド電子ビーム
通過孔の電子銃軸からの離軸距離S2は、前段電極である
陰極K1,K2,K3、制御電極10、加速電極20、第1集束電
極30、第2集束電極40のサイド電子ビーム通過孔の離軸
距離S1に対して、S2>S1の関係となつており、第2集束
電極40と陽極50との間で主レンズが形成され、サイド電
子ビームSB1,SB2を螢光体スクリーン面上に集中させる
ようになつている。
なお、制御電極10および加速電極20は、それぞれ3個
の円形の電子ビーム通過孔11,12,13,21,22,23を有し、
第1集束電極30の加速電極20側の端面には3個の円形の
電子ビーム通過孔31a,32a,33aが形成されている。
動作時に各電極に与えられる印加電圧は、陰極K1
K2、K3に50〜170V、制御電極10に0V、加速電極20に400
〜800V、第1集束電極30への印加電圧Vfとして5〜8k
V、陽極電圧Ebとして25kVであり、また第2集束電極40
には電子ビームの垂直,水平偏向に同期して変化するダ
イナミツク電圧DVfが印加される。このダイナミツク電
圧DVfは、電子ビームの偏向量が0のときは第1集束電
極30の電圧Vfと同等の5〜8kVであり、電子ビームの偏
向量が増すに従つて漸次上昇し、電子ビームの偏向量が
最大のとき第1集束電極30の電圧Vfよりも0.4〜1kVだけ
高い電位となる。
電子ビームの偏向量が0のときは、上記のように、第
1集束電極30と第2集束電極40との間に電位差がないた
め、第1集束電極30内部の平行平板(第1の平板電極:
垂直板)34,35,36,37による電子ビームへの影響はな
く、電子ビームは第2集束電極40と陽極50との間の主レ
ンズにより螢光体スクリーン面の中央部で最適フオーカ
スで集束する。
電子ビームの偏向量が増すと、第2集束電極40の電位
が第1集束電極30の電位よりも高くなることから、第1
集束電極30内部の平行平板(垂直板)34,35,36,37と第
2集束電極40に取付られた平行平板(水平板)45,46と
によつて4極レンズ電界が形成されると共に、第2集束
電極40と陽極50との電位差が減少して主レンズによる集
束作用が弱くなる。なお、上記垂直板34、35、36、37と
水平板45、46の何れか一方が取付けられていれば、上記
第1集束電極30と第2集束電極40との間で4極レンズ電
界が形成される。
第2図は電子ビームの電流量の変化とその軌跡の説明
図であつて、(a)は小電流時の電子ビーム軌跡を、
(b)は大電流時の電子ビーム軌跡を示す。
同図において、たとえばカソードK2から出射した電子
ビームは、小電流時には同図(a)に示したように、制
御電極10を通過して加速電極20の近傍でクロスオーバ14
を結び、第1集束電極30に入射する。このとき電子ビー
ムは、加速電極20のスリツト25により、垂直方向で強く
水平方向で弱い集束作用を受け、同図(a′)に示した
ように、同図P方向からみた電子ビームの断面は横長の
形状となる。この断面横長のビーム形状は電子ビームの
ビーム電流量によつて異なり、該電流量が多くなると
(大電流時)同図(b)に示したように、クロスオーバ
の位置14′は第1集束電極30側に移動し、加速電極20の
スリツト溝25の影響を受け難くなると同時に、電子間の
反発作用により同図P方向からみた断面形状は同図
(b′)に示したように真円に近づく。
このように、電子ビームのビーム電流側により、主レ
ンズに入射する電子ビームの断面形状が変化する。
前記従来技術の項で説明したように、第1集束電極30
と第2集束電極40との間の4極レンズにプリフオーカス
からの電子ビームを入射させると、ビーム電流量が大き
いときに第1集束電極30の垂直板と第2集束電極40の水
平板の高さを、螢光体スクリーン面の周辺部でのビーム
断面形状が真円に近い状態に最適化すると、小電流時で
の螢光体スクリーン面の周辺部で電子ビームは水平方向
で強く集束されてオーバフオーカスとなる。しかし、上
記のように、加速電極20のスリツト溝25から出射するビ
ーム形状を横長楕円とすることにより、水平方向に対し
てアンダーフオーカスとなり、螢光体スクリーン面のオ
ーバフオーカスを補正し、径小かつ真円に近い断面のビ
ームスポツトを得ることができる。
第3図は第1図における加速電極に設けるスリツト溝
の他の例の説明図であつて、(a)〜(c)は各電子ビ
ーム毎にスリツト溝を設けたもの、(d)〜(f)は全
電子ビームに共通のスリツト溝を設けたものを示す。
同図(a)は、加速電極20に電子ビーム通過孔21,22,
23より大きな矩形開孔241,242,243を開設した補助電極2
00を一体化し実効的にスリツト溝を形成している。
同図(b)は各電子ビームを個別に包囲する横長枠状
の補助電極341,342,343を加速電極20に取付けて同様に
スリツト溝の効果を付与している。
同図(c)は、加速電極20に対して構造的に分離し、
各電子ビームに個別の横長開孔401,402,403を形成した
補助電極400を近接配置し、実質的に前記スリツト溝の
効果を付与している。
同図(d)は、加速電極20の第1集束電極30側に全電
子ビームに共通の横長スリツト溝500を形成したもので
ある。
同図(e)は、加速電極20に対して全電子ビームに共
通の横長開孔601を有する補助電極600を近接配置して前
記スリツト溝と同様の効果を付与している。
同図(f)は、加速電極20の形状を図示のように電子
ビーム通過孔21,22,23の配列方向に折曲した横長溝状に
形成して第1集束電極30側に伸びた壁700で前記したス
リツト溝の効果を付与したものである。
なお、上記第3図に示したものはあくまで例であつ
て、この他実質的に前記スリツト溝の効果を奏する形
状,構造であればよい。
また、第1図および第3図の各電子ビームに個別に設
けるスリツト溝,実質的スリツト溝の開孔形状は図示し
たものに限るものではなく、横長楕円あるいは菱形の形
状とすることもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、第1集束電極
と第2集束電極との対向面に電子ビームの非点収差を補
正する構造を備えたダイナミックフォーカスが行われる
カラー受像管用電子銃において、第1集束電極と第2集
束電極との間に電子ビームの断面形状を縦長に変化させ
る作用を持つ集束レンズ構造(第1構造)を形成してお
り、かつ、加速電極に電子ビームの断面形状を横長に変
化させる構造(第2構造)を形成しているので、電子ビ
ームの電流が小さいときに、第1構造によって形成され
る螢光体スクリーン面の周辺部の水平方向のオーバーフ
ォーカスによる縦長の電子ビームスポット形状が、第2
構造によって形成される同周辺部の横長の電子ビームス
ポット形状によって補正され、電子ビームの電流量の変
動に係わりなく、螢光体スクリーン面全体にわたり高い
解像度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるカラー受像管用電子銃の一実施例
を説明する構成図、第2図は電子ビームの電流量の変化
とその軌跡の説明図、第3図は第1図における加速電極
に設けるスリツト溝の他の例の説明図、第4図は4極レ
ンズ磁界と電子ビームとの関係の説明図、第5図はピン
クツシヨン磁界分布の水平偏向磁界と電子ビームとの関
係の説明図、第6図はビームスポツトの形状歪の説明
図、第7図は先行技術にかかる受像管装置の電子銃の説
明図、第8図は第7図に示した電子銃の第1集束電極と
第2集束電極とによる4極レンズ電界作用の説明図、第
9図は電子ビームの電流量の違いによる電子ビームスポ
ツト形状変化の説明図、第10図は電子ビームに作用する
力の説明図である。 10……制御電極、20……加速電極、24,25,26……スリツ
ト溝、30……第1集束電極、40……第2集束電極、38…
…リム電極、50……陽極電極。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−32837(JP,A) 特開 昭61−147445(JP,A) 特開 昭59−211947(JP,A) 特開 昭59−111237(JP,A) 特開 昭63−218129(JP,A) 特開 昭54−13769(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/50

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向に配列されて3本の電子ビームを出
    射する陰極と、この陰極に対して少なくとも制御電極、
    加速電極、集束電極、陽極電極とをこの順で管軸方向に
    配置してなるカラー受像管用電子銃において、上記集束
    電極は上記加速電極側に配置した第1集束電極と上記陽
    極電極側に配置した第2集束電極を設けてなり、上記陽
    極電極と上記第2集束電極とが主レンズを構成し、上記
    第1集束電極と上記第2集束電極とは相対向し、その対
    向面の少なくとも一方に電子ビームの非点収差を補正す
    る構造を設け、上記第1集束電極には一定の集束電圧を
    印加し、上記第2集束電極には直流電圧と電子ビームの
    偏向角度の増大に伴って増大する電圧との重畳電圧を印
    加することにより、上記第1集束電極と上記第2集束電
    極との間で電子ビームの断面形状を縦長に変化させる作
    用を持つ集束レンズ構造を形成し、かつ、上記加速電極
    が電子ビームの断面形状を横長に変化させる構造を有し
    ていることを特徴とするカラー受像管用電子銃。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記加速電極は、電子
    ビーム通過孔に対応する部分に、水平方向に広く垂直方
    向に狭いスリットを有することを特徴とするカラー受像
    管用電子銃。
  3. 【請求項3】請求項2において、上記スリットは、上記
    第1集束電極側に設けられていることを特徴とするカラ
    ー受像管用電子銃。
  4. 【請求項4】請求項2及び3において、上記スリット
    は、電子ビームを通過させる3個の孔に共通に設けられ
    ていることを特徴とするカラー受像管用電子銃。
  5. 【請求項5】請求項2において、上記加速電極は、上記
    第1集束電極側に電子ビームの断面を横長にするような
    補助電極を有することを特徴とするカラー受像管用電子
    銃。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5において、上記第1集束電
    極と上記第2集束電極との対向部に形成される非点収差
    を補正する構造は、上記第2集束電極が電子ビームの上
    下から挟む水平板状電極を有する構造であることを特徴
    とするカラー受像管用電子銃。
  7. 【請求項7】請求項6において、上記第1集束電極は、
    上記第2集束電極側にリムを有し、上記水平板状電極
    は、上記リム内に存在することを特徴とするカラー受像
    管用電子銃。
  8. 【請求項8】請求項6及び7において、上記第2集束電
    極は、電子ビームを左右から挟む垂直板状電極を有する
    ことを特徴とするカラー受像管用電子銃。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8において、偏向角が最大の
    ときに上記第2集束電極に印加される電圧は、上記第1
    集束電極に印加される電圧よりも高いことを特徴とする
    カラー受像管用電子銃。
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