JP2796107B2 - カラー受像管用電子銃 - Google Patents

カラー受像管用電子銃

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JP2796107B2 JP1036272A JP3627289A JP2796107B2 JP 2796107 B2 JP2796107 B2 JP 2796107B2 JP 1036272 A JP1036272 A JP 1036272A JP 3627289 A JP3627289 A JP 3627289A JP 2796107 B2 JP2796107 B2 JP 2796107B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カラー受像管の螢光体スクリーンの全域に
おいて高い解像度と良好なコンバーゼンス特性が得られ
る電子レンズ構成を備えたカラー受像管用電子銃に関す
る。
〔従来の技術〕 受像管の解像度は、電子ビームスポット径およびその
形状に大きく依存する。すなわち、電子ビームの射突に
よって螢光体スクリーン面上に生成される輝点である電
子ビームスポットが径小でかつ真円に近いものでなけれ
ば、高い解像度は得られない。
しかし、電子銃から螢光体スクリーン面に至る電子ビ
ーム軌道は電子ビームの偏向角度の増大に伴って長大と
なるので、フォーカス電圧を螢光体スクリーン面の中央
部において径小でかつ真円の電子ビームスポットが得ら
れる最適値に保つと、螢光体スクリーン面の周辺部では
オーバフォーカスの状態となり、周辺部において良好な
電子ビームスポットおよび高い解像度を得ることができ
なくなる。
そこで、電子ビームの偏向角度の増大に伴つてフォー
カス電圧を漸次高め、主レンズ電界を弱める、所謂ダイ
ナミックフォーカス方式が採用されているのであるが、
この方式は以下に説明するように、インライン型カラー
受像管の駆動には適しない。
すなわち、3つの電子ビーム出射部を水平走査方向一
直線上に配列してなるインライン型カラー受像管では、
セルフコンバーゼンス効果を得るために水平偏向磁界分
布をピンクッション状に、垂直偏向磁界分布をバレル状
に、それぞれ歪ませているので、ここを通過した電子ビ
ームの断面形状は非円形に歪む。
螢光体スクリーン面は、通常横長すなわち電子ビーム
配列方向(水平方向)の辺が長い矩形状であるので、水
平方向周辺部での歪が特に大きくなる。
第4図は4極レンズ磁界と電子ビームとの関係の説明
図であって、1,2,3は電子ビーム、4は水平偏向磁界で
ある。
第5図はピンクッション磁界分布の水平偏向磁界と電
子ビームとの関係の説明図であって、6は2極磁界成
分、7は4極磁界成分、9は電子ビームである。
第6図はビームスポットの形状歪の説明図であって、
9Hは電子ビームの高輝度部(コアー部)、9Lは同じく低
輝度部(ヘイズ部)である。
第4図において、同図紙面の裏側から進行してきた3
本の電子ビーム1,2,3はピンクッション状分布の水平偏
向磁界4に入射することにより矢印5で示す方向への偏
向作用を受ける。すなわち、ピンクッション状分布の水
平偏向磁界4は、第5図の(a)に示すような2極磁界
成分6と、第5図の(b)に示すような4極磁界成分7
とから成ると考えることができ、2極磁界成分6が電子
ビーム9に対し矢印8で示す方向への偏向作用を与え
る。
4極磁界成分7は3本の電子ビームにセルフコンバー
ゼンス作用を与えるものであるが、1本の電子ビーム9
についてみると、水平方向に発散作用を、垂直方向に集
束作用をそれぞれ与えるがために、横長偏平の断面形状
となる。
ところで、前記発散作用は、電子ビーム偏向角度の増
大に伴い電子ビーム軌道が最大となることによる電子ビ
ームスポットのオーバフォーカスを打ち消す向きに作用
するので、インライン型カラー受像管では、電子ビーム
スポットの水平方向に関しては、偏向期間中、最適フォ
ーカス状態に保たれる。しかし、垂直方向に関しては、
前記集束作用が加わることによって著しくオーバフォー
カスの度合が増す。
その結果、螢光体スクリーン面の中央部に生成される
電子ビームスポットが第6図の(a)の9Cに示すような
円形となるのに対し、水平方向周辺部に生成される電子
ビームスポットは同図(b)に示すように、高輝度のコ
アー部9Hと低輝度のヘイズ部9Lとから成る非円形に歪
み、とくにヘイズ部9Lの垂直方向への大きな伸びがフォ
ーカス特性に悪影響を及ぼす。
そして、このような場合、従来のダイナミックフォー
カス方式を適用すると、この方式が主レンズのレンズ作
用を水平,垂直方向に関係なく均等に弱めるので、垂直
方向についてはヘイズ部9Lを除去しても、すでに最適フ
ォーカスとなっている水平方向はアンダーフォーカス状
態になり、水平方向の径が増大してしまう。
この結果、電子ビームスポットは著しく横長となり、
水平方向の解像度が低下する。
このような問題を解決し螢光体スクリーン面の全域に
おいて高い解像度を得ることができるようにした受像管
装置が特開昭62−58549号公報に開示されている。
第7図は上記公報に開示された受像管装置の電子銃の
説明図であって、(a)は電子銃の概略断面図、(b)
は第1集束電極の正面図、(c)は第2集束電極の正面
図であり、10a,10b,10cは陰極、110は制御電極、120は
加速電極、130は第1集束電極、140は第2集収束電極、
150は陽極であり、各符号に付したアルファベット小文
字はそれぞれの電子ビーム通過孔を示す。また、Cは電
子銃軸(管軸と一致)、LMは主レンズ、S1〜S4はサイド
電子ビームの電子銃軸(センター電子ビーム軸と一致)
との離軸距離である。
同図において、制御電極110と陽極150との間に、少な
くとも加速電極120,第1集束電極130および第2集束電
極140を管軸方向に順次配列し、第1集束電極130の第2
集束電極140側の端面に縦長の電子ビーム通過孔130e,13
0d,130fを、そして第2集収束電極140の第1集束電極13
0側の端面に横長の電子ビーム通過孔140a,140b,140cを
それぞれ設けている。
そして、第1集束電極130に一定の第1フォーカス電
圧を、陽極150に一定の高電圧を、第2集束電極140には
電子ビームの偏向角度の増大に伴い第1フォーカス電圧
よりも高い値に変化するダイナミック電圧を、それぞれ
印加する電圧印加手段を備える。
このように構成すると、水平偏向が0となる時点、つ
まり第1集束電極130および第2集束電極140がともに同
一電位となる時点では、両電極の電子ビーム通過孔が縦
長(水平方向と直角の方向−垂直方向−に長い)または
横長(水平方向に長い)であっても、これらの形状が電
子ビームに与える影響はほとんどない。
そして、第2集束電極140と陽極150との間に電位差が
生じて、ここに3個の主レンズLMが生成され、3本の電
子ビームが螢光体スクリーン面の中央部で最適フォーカ
スで集束する。水平偏向角度が増すと第2集束電極140
の電位が第1集束電極130の電位よりも高くなり、両電
極間に縦長の電子ビーム通過孔130e,130d,130f、および
横長の電子ビーム通過孔140a,140b,140cによる4極レン
ズ電界が生成される。
また、第2集束電極140と陽極150との電位差が減少す
るので、主レンズのレンズ作用が弱くなる。
第8図と第9図は4極レンズ電界が電子ビームに与え
る影響の説明図であって、これらの図では説明を簡単に
するために、1個の縦長の電子ビーム通過孔212を有す
る平板電極213と、1個の横長の電子ビーム通過孔214を
有する平板電極215とを対向配置し、それぞれにV1,V2
電位を与えた場合をしめしている。
同図において、V1<V2の電圧条件下で両電極間に生成
される4極レンズ電界は、第9図に示すように、中央部
に対して上下で正の電位となり、左右では負の電位とな
る。このため、電気力線は矢印216で示す方向に生じ、
電子ビーム217は矢印218で示す方向への引力および斥力
を受けて縦長の断面形状になる。
これは、偏向磁界を通過する電子ビームが第5図の
(b)に示した4極磁界成分により横長の断面形状にな
るのと逆であり、両者の相殺によって電子ビームの横長
偏平化を防止するこができる。
また、偏向角度の増大に伴って主レンズでの集束作用
が前記したように弱くなるので、電子ビームスポットの
偏向によるオーバフォーカス化も同時に防止できるので
あり、螢光体スクリーン面の周辺部においても径小にし
てかつ真円に近い電子ビームスポットを生成せしめるこ
とができる。
また、第7図において、第2集束電極140にダイナミ
ックフォーカス電圧を印加することによって3本の電子
ビームのコンバーゼンスにずれが生じ易くなる。この対
策として、同図(a)に示したように、制御電極110お
よび加速電極120の各サイド電子ビーム通過孔110b,110
c、120b,120cの電子銃からの離軸距離をS1、第1集束電
極130の加速電極120側端面におけるサイド電子ビーム通
過孔130b,130cの電子銃軸(センタービームと一致する
−また管軸と一致する)からの距離をS2、第1集束電極
130および第2集束電極140の相対向端面における各サイ
ド電子ビーム通過孔130e,130f、140b,140cの電子銃から
の離軸距離をS3、第2集収束電極140および陽極150の相
対向端面における各サイド電子ビーム通過孔140e,140
f、140b,140cの電子銃軸からの離軸距離をS4とすると
き、S4<S3<S1<S2の関係としている。
これにより、前記ダイナミック電圧の変化に対してサ
イド電子ビーム軌道軸は一定となり、偏向磁界の歪に起
因した電子ビームスポット歪とサイド電子ビームのミス
コンバーゼンスを極小に押さえることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来の技術においては、第2集束電極のダイナミ
ック電圧が変化する際、陰極から水平方向横一列に出射
された3本の電子ビームをスクリーン面上に集中させる
ために、制御電極と第1集束電極の間,第1集束電極と
第2集束電極の間,第2集束電極と加速電極の間の3本
の電子ビーム通過孔の間隔を各々変える手段を採ってい
る。
このため、各々の電極を組立るために電子ビーム通過
孔間隔S1,S2,S3,S4を合わせ、かつ第1集束電極の縦長
の電子ビーム通過孔,第2集束電極の横長電子ビーム通
過孔を合わせる特殊な電子銃組立治具を用いなければな
らず、その組立作業が著しく困難で量産にも適しないと
いう欠点がある。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、新規
な電極構成の主レンズを採用することによってスクリー
ン全域にわたって高い解像度かつ良好なコンバーゼンス
特性が得られると共に電極組立の容易なカラー受像管用
電子銃を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的は、一方向に配列された3本の電子ビームを
出射する3個の陰極と、これらの陰極に対向して、少な
くとも、制御電極、加速電極、集束電極、陽極とをこの
順で管軸方向に配置して成るカラー受像線管用電子銃に
おいて、前記集束電極は前記3個の陰極から出射する3
本の電子ビームを通過させるビーム通過孔を有する前記
加速電極側に配置した第1集束電極と前記陽極側に配置
した第2集束電極とから成り、前記第1集束電極は前記
第2集束電極に対向する面に3本の電子ビームを各別に
通過させる縦長のスリット孔を有し、前記第2集束電極
は前記第1集束電極に対向する面に3本の電子ビームを
各別に通過させる横長のスリット孔を有し、前記横長の
スリット孔の中の外側スリット孔は、その縦方向中心線
が前記縦長のスリット孔の中の対応する外側スリット孔
及び前記3個の陰極の中の対応する外側陰極の縦方向中
心線よりも中央スリット孔と逆方向に離心配置されてお
り、前記第2集束電極に3本の電子ビームの偏向角度の
増大に伴って漸次変化する電圧を印加するようにしたこ
とによって達成される。
〔作用〕
第1集束電極の電子ビーム通過孔に設けた3本の電子
ビームを各別に通過させる縦長のスリット孔と、第2集
束電極の電子ビーム通過孔に設けた3本の電子ビームを
各別に通過させる横長のスリット孔とによって4極レン
ズが形成される。
また、第2集束電極に設けた3個の横長のスリット孔
の中の外側スリット孔の縦方向中心線を、第1集束電極
に設けた対応する外側スリット孔及び3個の陰極の中の
対応する外側陰極の縦方向中心線よりも中央スリット孔
と逆方向に離心させるように構成したことにより、第2
集束電極にダイナミック電圧を印加した際のコンバーゼ
ンスを補正する電界が形成される。
このときのサイド電子ビーム通過孔の電子銃軸からの
距離は、制御電極,加速電極,第1集束電極,第2集電
極いずれも同じであり、陽極はサイド電子ビーム通過孔
の電子銃軸からの離軸距離を上記前段電極より大きくと
り、サイド電子ビームのコンバーゼンスを得ている。
以上のことから、各電極のサイド電子ビーム通過孔の
離軸距離を同じくすることができ、軸ずれのないインラ
イン型電子銃を容易に組立てることもできるとともに、
螢光体スクリーン面の全域にわたって高い解像度特性と
良好なコンバーゼンス特性を示すカラー受像管用電子銃
が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明によるカラー受像管用電子銃の一実施
例の説明図であって、(a)は電子銃の構造を示す断面
図、(b)は第1集束電極を(a)の矢印A方向からみ
たビーム通過孔の正面図、(c)は第2集束電極を
(a)の矢印B方向からみたビーム通過孔の正面図であ
って、K1,K2,K3は熱陰極(以下、単に陰極と称する)、
10は制御電極、20は加速電極、30は第1集束電極、40は
第2集束電極、50は陽極、34は第1の平板、44は第2の
平板、11,12,13、21,22,23、31a,32a,33a、31b,32b,33
b、35,36,37、41a,42a,43a、41b,42b,43b、45,46,57、5
1,52,53は電子ビーム通過孔、C−Cは電子銃軸(セン
タービームに一致)、CBはセンタービーム、SB1,SB2
サイドビームである。
同図において、水平方向一直線上に配列された陰極
K1,K2,K3と、制御電極10、加速電極20と、第1集束電極
30と、第2集束電極40および最終加速電極である陽極50
とでインライン型カラー受像管用電子銃を基本的に構成
している。
第1集束電極30は、第2集束電極40側の端面に3個の
円形の電子ビーム通過孔31a,32a,33aを有し、第2集束
電極40に対向してこの電子ビーム通過孔を形成する端面
に縦長のスリツト孔35,36,37から成る平板34を有してい
る。
また、第2集束電極40は、第1集束電極30側の端面に
3個の円形の電子ビーム通過孔41a,42a,43aを有し、こ
の電子ビーム通過孔を形成する端面に横長スリツト孔4
5,46,47から成る第2の平板を有している。この平板44
の両サイドスリツト孔45,47の中心は、センタースリツ
ト孔46の中心(管軸)からS3の距離にあり、円形の電子
ビーム通過孔41a,43aの中心に対してLだけ外側に離心
している。
また、陽極50側の端面には、3個の円形の電子ビーム
通過孔41b,42b,43bを有している。そして、陽極50の第
2集束電極40側の端面には3個の円形の電子ビーム通過
孔51,52,53が設けられており、サイド電子ビーム通過孔
の電子銃軸からの離軸距離S2は、前段電極である陰極
K1,K2,K3、制御電極10、加速電極20、第1集束電極30、
第2集束電極40のサイド電子ビーム通過孔の離軸距離S1
に対して、S2>S1の関係となっており、第2集束電極40
と陽極50との間で主レンズが形成され、サイド電子ビー
ムSB1,SB2を螢光体スクリーン面上に集中させるように
なっている。
なお、制御電極10および加速電極20は、それぞれ3個
の円形電子ビーム通過孔11,12,13、21,22,23を有し、第
1集束電極30の加速電極20側の端面には3個の円形の電
子ビーム通過孔31b,32b,33bが形成されている。
動作時に各電極に与えられる印加電圧は、陰極に50〜
170V、制御電極に0V、加速電極に400〜800Vを、第1集
束電極の電圧(Vf)として5〜8kV、陽極電圧(Eb)と
して25kVであり、第2集束電極には電子ビームの垂直,
水平偏向に同期して変化するダイナミック電圧(DVf)
が印加される。このダイナミック電圧(DVf)は、電子
ビームの偏向量が0の時第1集束電極の電位Vfと同等の
5〜8kVの電位が与えられ、電子ビーム偏向量が増すに
従って漸次上昇し、電子ビーム偏向量が最大の時第1集
束電極電圧Vfよりも0.4〜1kVだけ高い電位となる。
電子ビームの偏向量が零の時は、上記のように、第1
集束電極30,第2集束電極40との間に電位差がないた
め、第1集束電極内部のスリツト孔35,36,37と第2集束
電極40のスリツト孔45,46,47による電子ビームへの影響
はなく、電子ビームは第2集束電極40と陽極50との間の
主レンズにより、螢光体スクリーン面の中央部で最適フ
ォーカスで集中する。
電子ビームの偏向量が増すと、第2集束電極40の電位
が第1集束電極30のスリツト孔35,36,37と第2集束電極
40に設けたスリツト孔45,46,47とによつて4極レンズ電
界が形成されると共に、第2集束電極40と陽極50との電
位差が減少して主レンズによる集束作用が弱くなる。
第2図は第1図に示した電子銃の第1集束電極と第2
集束電極とによる4極レンズ電界作用の説明図であっ
て、(a)は第1集束電極30の部分正面図、(b)は第
2集束電極40の部分正面図である。
同図において、Fh,Fv,Fhh,Fvvは電子ビームに作用す
る力を、また第1図と同一符号は同一部分を示す。
第1集束電極30のスリツト孔35,36,37と第2集束電極
40のスリツト孔45,46,47とによって形成される電界は、
所謂4極レンズ電界であり、同図(a)の第1集束電極
30では垂直方向で緩やかな,水平方向できつい電位勾配
をもつ集束作用の電界が形成され、電子ビームは、Fh−
Fv(Fh>Fv)の力で水平方向に大きく集束される。ま
た、同図(b)の第2集束電極40のスリツト孔45,46,47
では、垂直方向できつく、水平方向ではゆるやかな電位
勾配をもつ発散作用の電界が形成され、Fvv−Fhh(Fhh
>Fvv)の力で垂直方向に大きく発散される。
このため、第1集束電極30と第2集束電極40との間で
電子ビームは垂直方向に縦長断面となり、偏向磁界を通
過する電子ビームが、前記第5図で説明したような4極
磁界成分によって水平方向に横長の断面形状に歪むのと
は逆の作用となり、第1集束電極と第2集束電極の両集
束電極による作用の相殺によって、電子ビームの横長偏
平化が防止される。
また、電子ビームの偏向量が増すに伴い、主レンズの
レンズ倍率が弱くなるので、偏向量を増加した電子ビー
ムが螢光体スクリーン面上でオーバフォーカスとなる度
合も軽減され、螢光体スクリーン面の中央部のみなら
ず、その周辺部においても最適フォーカスで集中させる
ことができ、かつ真円に近いビームスポットが得られ
る。
第3図は第1図に示した本発明による電子銃のコンバ
ーゼンスシステムの説明図であって、Fa,Fa′,Fbは電子
ビームに作用する力、第1図と同一部分には同一符号を
付してあり、(a)は螢光体スクリーン面中央部の偏向
時、(b)は螢光体スクリーン面のコーナ部での偏向時
を示す。
同図(a)において、螢光体スクリーン面中央部では
第1集束電極30の電位Vfが第2集束電極40の電位DVfと
同じなので(Vf=DVf<<<Eb)、電子ビームの偏向量
が零の時の陽極50でのサイド電子ビーム通過孔の電子銃
軸からの距離S2が第2集束電極40のサイド電子ビーム通
過孔の電子銃軸からの距離S1に対して外側に離心してい
るため、サイド電子ビームSB1は陽極50のサイド電子ビ
ーム通過孔51,53(53は図示せず)に形成される発散レ
ンズの内側(センタービームCB側)に通過するため、セ
ンタービームCB側にFaの力で曲げられ、螢光体スクリー
ン面上でセンタービームCBとコンバーゼンスする。
また、同図(b)において、電子ビームの偏向量増大
に伴い、第2集束電極40の電位DVfが第1集束電極30の
電位Vfより高くなると(Vf<DVf<<Eb)、第2集束電
極40と陽極50との電位差が少なくなり、陽極50のサイド
電子ビーム通過孔51,53(53は図示せず)でのサイド電
子ビームに作用する力は上記(a)におけるFaより弱く
なり、Fa′(Fa>Fa′)の力でセンタービームCB方向に
曲げられるので、サイド電子ビームSBはセンター電子ビ
ームCBに対して螢光体スクリーン面上でコンバーゼンス
しなくなる。このとき、第2集束電極40のサイドスリツ
ト孔45,47(47は図示しない)の中心が外側にずれてい
るため、サイド電子ビームSB1はサイドスリツト孔45,47
に形成される発散レンズの内側に通過し、センタービー
ムCB側にFbの力で曲げられる。
コンバーゼンス力Fbは、サイド電子ビーム通過孔の電
子銃軸からの距離S1と、サイドスリツト孔中心の電子銃
軸からの距離S3との距離の差L′を変えることによりコ
ントロールすることができる。
第2集束電極40の電位DVfの変化に対し、陽極電極50
のサイド電子ビーム通過孔51,53(53は図示せず)によ
りこの電子ビーム通過孔を通過するサイド電子ビームに
作用するセンター電子ビームCB方向への力Fa′と上記第
2集束電極40のサイドスリツト孔45,47による力Fbとに
より上記(a)における力Faの作用と同様の効果が生
じ、サイド電子ビームSB1は螢光体スクリーン面のコー
ナ部においてもセンター電子ビームCBとコンバーゼンス
することになる。
なお、上記実施例では、集束電極を第1集束電極と第
2集束電極の2つの集束電極に分割した場合について説
明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、集
束電極を3つ以上の集束電極に分割してもよく、少なく
とも2つの集束電極の互いに相対向する端面に各々縦長
のスリット孔と横長のスリット孔が形成された構成であ
ればよい。
このように、上記実施例によれば、電子ビームスポッ
ト径を径小かつほぼ真円のままで、すなわち解像度を低
下させることなく、螢光体スクリーン面の全面にわたっ
てセンター電子ビームとサイド電子ビームのコンバーゼ
ンスを取ることができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、螢光体スクリ
ーン面の全域において高い解像度特性と良好なコンバー
ゼンス特性をもつカラー受像管用電子銃を得ることがで
きるのみならず、電子銃を構成する各電極間のサイド電
子ビーム通過孔を同一軸上に配列することも可能とな
り、正確な軸合わせが容易であるため、組立の簡易化に
より製造歩留りおよび品質改善に大きく寄与する優れた
機能のカラー受像管用電子銃を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるカラー受像管用電子銃の一実施例
の説明図、第2図は第1図に示した電子銃の第1集束電
極と第2集束電極とによる4極レンズ電界作用の説明
図、第3図は第1図に示した本発明による電子銃のコン
バーゼンスシステムの説明図、第4図は4極レンズ磁界
と電子ビームとの関係の説明図、第5図はピンクッショ
ン磁界分布の水平偏向磁界と電子ビームとの関係の説明
図、第6図はビームスポットの形状歪の説明図、第7図
は従来技術の受像管用電子銃の説明図、第8図と第9図
は4極レンズ電界が電子ビームに与える影響の説明図で
ある。 10……制御電極、20……加速電極、30……第1集束電
極、34……第1の平板、40……第2集束電極、44……第
2の平板、50……陽極電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向に配列された3本の電子ビームを出
    射する3個の陰極と、これらの陰極に対向して、少なく
    とも、制御電極、加速電極、集束電極、陽極とをこの順
    で管軸方向に配置して成るカラー受像線管用電子銃にお
    いて、前記集束電極は前記3個の陰極から出射する3本
    の電子ビームを通過させるビーム通過孔を有する前記加
    速電極側に配置した第1集束電極と前記陽極側に配置し
    た第2集束電極とから成り、前記第1集束電極は前記第
    2集束電極に対向する面に3本の電子ビームを各別に通
    過させる縦長のスリット孔を有し、前記第2集束電極は
    前記第1集束電極に対向する面に3本の電子ビームを各
    別に通過させる横長のスリット孔を有し、前記横長のス
    リット孔の中の外側スリット孔は、その縦方向中心線が
    前記縦長のスリット孔の中の対応する外側スリット孔及
    び前記3個の陰極の中の対応する外側陰極の縦方向中心
    線よりも中央スリット孔と逆方向に離心配置されてお
    り、前記第2集束電極に3本の電子ビームの偏向角度の
    増大に伴って漸次変化する電圧を印加するようにしたこ
    とを特徴とするカラー受像線管用電子銃。
  2. 【請求項2】前記第2集束電極は、前記陽極に隣接配置
    されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー受
    像線管用電子銃。
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