JP3039948B2 - 光ファイバの製造方法 - Google Patents

光ファイバの製造方法

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真治 荒木
秀雄 鈴木
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、その表面に炭素被膜が形成された光ファ
イバの製造方法に関し、所定の濃度の原料ガスを用いて
炭素被膜を形成することにより、より優れた耐水素特性
および機械的強度を有する光ファイバを生産できるよう
にしたものである。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 石英系光ファイバは、水素と接触するとファイバ内に
拡散した水素分子の分子振動に起因する吸収損失が増大
する。さらにドーパントとして含有されているP2O5,GeO
2,B2O3などが水素と反応しOH基としてファイバガラス中
に取り込まれるため、OH基の吸収による伝送損失も増大
してしまう問題がある。
このような弊害に対処するため、水素吸収能を有する
液状の組成物を光ケーブル内に充填すること(特願昭61
−251808号)が考えられているが、その効果が不十分で
あるうえ、構造が複雑となって経済的にも問題がある。
このような問題を解決するため、最近化学気相成長法
(以下、CVD法と略称する)によって光ファイバ表面に
炭素被膜を形成し、これによって光ファイバの耐水素性
を向上させうることが発表されている。この製造方法
は、光ファイバ裸線表面にCVD法によって炭素被膜を形
成した後、紫外線硬化型樹脂や熱硬化型樹脂によって保
護被覆層を形成する方法である。
ところがこのような製造方法によって同じように製造
された光ファイバであっても、その耐水素特性や疲労特
性に大きな差異が生じる場合があった。
この発明は前記事情に鑑みてなされたもので、より優
れた耐水素特性および機械的強度を有する光ファイバを
製造できる製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明の光ファイバの製造方法では、化学気相成長
法で炭素被膜を形成する際に、原料ガス中の原料化合物
濃度を1.1〜1.9容積%に設定することによって前記目的
を達成した。
原料化合物の濃度が1.1容量%未満になると、得られ
る炭素被膜がクラスタサイズのばらつきの大きなものと
なる。そして得られる光ファイバの機械的強度のばらつ
きも大となる。さらに成膜速度が低下して不経済であ
る。他方濃度が1.9容量%を越えると、得られる炭素被
膜がクラスタサイズが大く、水分や水素ガスの透過防止
性能に劣るものとなるので、製造された光ファイバは機
械的強度および耐水素特性に劣るものとなる。
ここで原料ガスとは、化学気相成長法を実施する反応
管に供給されるガスで、少なくとも原料化合物とキャリ
アガスとが混合されてなるものである。
本発明の製造方法で用いる原料化合物は、揮発性を有
しかつ熱分解して炭素を生成する化合物であれば特に限
定されないが、形成される炭素被膜の性状およびその析
出速度の観点から炭素数15以下の炭化水素またはハロゲ
ン化炭化水素が好適である。また置換するハロゲン原子
としては、取り扱い性等の観点から塩素原子が好まし
い。具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ベン
ゼン、トルエン等のほか、これら化合物の水素原子を塩
素原子に置換したクロロメタン、クロロベンゼンなどを
挙げることができる。
また前記キャリアガスとしては、ヘリウムガス、アル
ゴンガス、水素ガスなど公知の種々のものを利用でき
る。
原料ガスには、この他にも塩素ガス等の希釈ガスを混
合することもできる。
この原料ガスの供給は、原料ガスの反応管内での流速
が40m/分〜80m/分程度となるように設定されることが望
まい。原料ガスの流速が40m/分未満になると形成される
炭素被膜が煤の堆積したようなものとなる。また流速が
80m/分を越えると、成膜速度が低下する不都合が生じ
る。CVD反応炉内の温度は、600℃以上に設定されること
が望ましい。これよりも温度が低いと、原料化合物の熱
分解が進行しない。またCVD反応炉に導入される際の光
ファイバ裸線の温度(予熱温度)は、1200〜1500℃の範
囲に設定されることが望ましい。予熱温度が1500℃を越
えると、石英で形成されている光ファイバ裸線の表面が
溶融状態になるので好ましくない。また予熱温度が1200
℃未満になると、CVD反応炉を通過する間に光ファイバ
裸線が原料化合物の熱分解が進行しない600℃未満まで
冷える恐れがあるので好ましくない。
[作用] この発明の製造方法では、前記濃度の原料ガスを用い
るので、原料化合物が気相において反応したとき粒径の
小さいカーボン粒が安定して発生する。この結果、光フ
ァイバ裸線上に、クラスタサイズが小くかつサイズのば
らつきも小さい炭素被膜を成膜できる。クラスタサイズ
の小さい炭素被膜は、水分や水素ガスの透過防止性能に
優れているので、光ファイバの耐水素性を向上できる。
そのうえクラスタサイズが小さくしかも安定している炭
素被膜が光ファイバ裸線上に成膜されると、光ファイバ
の機械的強度も改善される。
〔実施例〕
(実施例1) 第1図は、この発明の光ファイバの製造方法に好適に
用いられる光ファイバの製造装置の一例を示したもので
ある。第1図中、符号1は光ファイバ裸線である。光フ
ァイバ裸線1は光ファイバ母材(図示せず)を光ファイ
バ紡糸炉2内で加熱紡糸したもので、紡糸された光ファ
イバ裸線1は、冷却用ヘリウムが流通する冷却管12を経
てCVD反応炉3内へ導かれるようになっている。このCVD
反応炉3は、その内部にてCVD反応を進行させ光ファイ
バ裸線1表面に炭素被膜を形成するもので、反応管4と
発熱体5とで概略構成されている。反応管4は、内径50
mm、長さ900mmのほぼ円筒状のものである。この反応管
4の上部には、原料ガスを供給するための供給管6が設
けられており、下部には未反応ガス等を排気する排気管
7が設けられている。発熱体5には、赤外線を放射する
発熱抵抗体が用いられている。CVD反応炉3の反応管4
の下端には、反応炉3内の気密を保つガスシール機構8
が連設されている。このCVD反応炉3の下方には、樹脂
コート用ダイスポット9と硬化装置10とが連続して設け
られており、上記CVD反応炉3内で形成された炭素被膜
上に保護被膜層を形成できるようになっている。
この光ファイバ製造装置を用いて次のように光ファイ
バを製造した。
まず光ファイバ紡糸炉2に、GeO2がドープ材として含
浸されたコア部を有する外径30mmの単一モードファイバ
母材を設置した。この光ファイバ母材を2000℃に加熱し
20m/分の紡糸速度で外径125μmの単一モードファイバ
に紡糸した。そしてこの紡糸されたファイバ裸線1を、
冷却筒12で40〜60℃に冷却した後CVD反応炉3に導入し
て炭素被膜を形成した。
成膜条件は以下の通りである。
原料ガスは、ベンゼン化合物中にキャリアガスとして
のヘリウムガスを導入することによって発生させたベン
ゼン化合物濃度約10容量%のベンゼン/ヘリウム混合ガ
スを塩素ガスにより前記濃度まで希釈することによって
調製したものである。
上記反応炉3を通過し炭素被膜で被覆された光ファイ
バ裸線1を、ウレタンアクリレート樹脂液(ヤング率70
kg/mm2,伸び60%)が封入された樹脂コート用ダイスポ
ット9に挿通し、ついでUVランプを備えた硬化装置10に
より塗布された樹脂を硬化させて保護被覆層とし、外径
250μmの光ファイバとした。
(他の実施例および比較例) 塩素ガスによる希釈率を変えることにより原料ガス中
のベンゼン化合物濃度を変化させて光ファイバを作成し
た。他の条件は実施例1と同様である。各光ファイバを
製作した際の原料ガス濃度は、第1表に示す。
(試験1) 上述の如き条件で製造された光ファイバをそれぞれ1k
m取り、波長1.24μmにおける伝送損失を測定した。こ
の後、これらを直径150mmに巻いて束状とし、温度80
℃、水素分圧1atmの水素評価用加圧容器の中に48時間放
置した。この後、再度波長1.24μmにおける伝送損失を
測定して、水素による吸収損失の増加を調べた。結果を
第1表に示す。
(試験2) 製造した各光ファイバの引っ張り強度を測定した。引
っ張り試験の条件は、試験本数25本、ゲージ長3m、歪速
度10%/分、温度23℃、相対湿度50%とし、破断確率と
引っ張り強度のワイブルプロットを行い、50%破断確率
の引っ張り強度で評価した。この結果を第1表に併せて
示す。
(試験3) 製造された光ファイバの炭素被膜を走査型電子顕微鏡
で観察してクラスタサイズを測定した。結果を第1表に
記す。
原料ガス濃度が1.1容量%未満に設定された比較例1,2
の場合は、炭素被膜の付着速度が低下し、引っ張り試験
でのばらつきも大きい。また得られた炭素被膜のクラス
タサイズが大きくばらついていた。
また原料ガス濃度が2.0容量%以上に設定された比較
例3,4の場合は、炭素被膜のクラスタサイズが大きく、
光ファイバの耐水素特性が非常に劣っていた。
これに対して原料ガス濃度が1.1〜1.9容量%の範囲に
設定された実施例1〜5の場合は、クラスタサイズが小
さくしかも安定していた。そして耐水素特性および引っ
張り特性共に良好であった。
〔発明の効果〕 以上説明したようにこの発明の光ファイバの製造方法
は、濃度1.1〜1.9容積%の原料ガスを用いて炭素被膜を
形成する方法なので、原料化合物が気相において反応し
たとき粒径が小さくしかもばらつきの小さいカーボン粒
が発生する。この結果、水分や水素ガス透過防止性能に
優れ、しかも機械的強度の点でも優れた炭素被膜が光フ
ァイバ裸線上に形成される。よってこの発明の光ファイ
バの製造方法によれば、より優れた耐水素特性および機
械的強度を有する光ファイバを製造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で用いた光ファイバ製造装置を示す概
略構成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下道 毅 千葉県佐倉市六崎1440番地 藤倉電線株 式会社佐倉工場内 (72)発明者 荒木 真治 千葉県佐倉市六崎1440番地 藤倉電線株 式会社佐倉工場内 (72)発明者 鈴木 秀雄 千葉県佐倉市六崎1440番地 藤倉電線株 式会社佐倉工場内 (72)発明者 吉澤 信幸 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 25/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紡糸された光ファイバ裸線に炭素被膜を熱
    化学気相成長法で形成するに際し、原料化合物が1.1〜
    1.9容積%含まれた原料ガスを用いることを特徴とする
    光ファイバの製造方法。
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