JP3039032B2 - 真空電磁接触器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は高圧モータやコンデン
サなど電力機器の開閉と保護を行うヒューズ付引出形真
空電磁接触器に関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のヒューズ付引出形真空電磁
接触器の構成例を示す側面図である。真空容器内部に接
点を備えた真空バルブ１とこの真空バルブ１の下方に配
され真空バルブ１の接点を開閉駆動する図示されていな
い駆動装置とを収納する絶縁性のフレーム２が台車フレ
ーム３の上に搭載されている。台車フレーム３は車輪３
Ａを備え、図示されていない配電盤パネルへ出し入れ可
能に収納される。真空バルブ１の接点となる接触子には
それぞれ上部端子板８, 下部端子板１１が導電接続さ
れ、フレーム２を貫通して外部に引き出されている。下
部端子板１１の一方端は導体１０を介して断路接触子５
Ａに導電接続されている。また、上部端子板８の一方端
はＵ字状の接続導体９を介してヒューズクランプ７Ａに
導電接続されている。また、ヒューズ４がフレーム２の
上方に配され、ヒューズクランプ７Ａ, ７Ｂに保持され
ている。ヒューズクランプ７Ｂは導体６を介してもう一
つの断路接触子５Ｂに導電接続されている。さらに、導
体６, １０は台車フレーム３に固定された絶縁サボート
１２によって支持され、接地電位にある台車フレーム３
から絶縁されている。なお、断路接触子５Ａ, ５Ｂは、
台車フレーム３を配電盤パネル内へ引き入れたときに盤
内の図示されていない主回路導体を挟み込み、ヒューズ
４と真空バルブ１とを主回路に引き込むためのものであ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は輸送運搬時にその装置を落下させ
たり、又は衝撃を与えたりした場合に部品が損傷を受け
るという問題点があった。すなわち、従来の装置はＵ字
状の接続導体の一方端だけでヒューズの片側を支持して
いるので、ヒューズの片方が上下方向に大きく振動しや
すい構成であった。そのために、装置に落下や衝撃によ
る過大な荷重がかかったときに接続導体材自体が弾性限
界を超え、接続導体が変形したり、その曲がり部に亀裂
が生ずる場合があった。また、その結果として、ヒュー
ズがヒューズクランプから外れてしまうケースもあっ
た。

【０００４】この発明の目的は、輸送運搬中に装置が衝
撃を受けても接続導体が損傷を受けないようにすること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、真空容器内部に接点を備えた真
空バルブとこの真空バルブの接点を開閉する駆動装置と
を収納するフレームと、前記接点の接触子のそれぞれに
導電接続され前記フレームの上部, 下部を貫通してフレ
ームの外部に引き出される上部端子板, 下部端子板と、
前記フレームの上面の上方にこれと平行に延在されてそ
の一方端が前記上部端子板に導電接続され他方端がヒュ
ーズクランプに導電接続された接続導体と、このヒュー
ズクランプに取り付けられ前記フレームの上方に配され
たヒューズとにより構成されたものにおいて、前記接続
導体と前記フレームとの間に前記接続導体の他方端部を
下方から支持するストッパを設けるようにした。

【０００６】

【作用】この発明の構成によれば、接続導体とフレーム
との間に設けたストッパにより接続導体のヒューズクラ
ンプが取り付けられる側を下方から支持することによ
り、ストッパが接続導体の振れ止めとなり、装置が衝撃
を受けても接続導体が損傷を受けなくなる。

【０００７】また、接続導体のヒューズクランプが取り
付けられる側の端部をフレーム側に折り曲げてその端面
をフレーム上面に当接してストッパとし、これにより接
続導体の振れが止められ、装置が衝撃を受けても接続導
体が損傷を受けなくなる。

【０００８】

【実施例】以下この発明を実施例に基づいて説明する。
図１はこの発明の実施例にかかる真空電磁接触器の構成
を示す側面図である。真空バルブ１の上部周辺はフレー
ム２の側面が一部切り欠かれフレーム２の内部が示され
ている。ストッパー１４として、フレーム２の上面を貫
通して上方へ突出するボルトがその六角頭を上側にして
配され、真空バルブ１の上部に設けられた固定ナット１
３に固定されている。接続導体９がこのストッパー１４
の上端に当接するように構成されている。その他の構成
は図３のそれと同じなので、同じものには同一参照符号
を用いることにより詳細な説明は省略する。

【０００９】図１において、ストッパー１４が接続導体
９の振れ止めとなるので、装置が衝撃を受けても接続導
体は何の損傷も受けることはなく、また、ヒューズ４が
外れることもない。なお、ストッパー１４はボルトでな
くともよく、形鋼や絶縁性の棒でもよい。

【００１０】図２はこの発明の異なる実施例にかかる真
空電磁接触器の構成を示す側面図である。接続導体９０
の左端側がＬ字状に曲げることにより、接続導体９０自
信でストッパを形成し、その端面９０Ａをフレーム２の
上面に当接させて、接続導体の９０のヒューズクランプ
側の端部を下方から支持している。その他の構成は図３
のそれと同じである。

【００１１】図２において、接続導体９０の端部の折り
曲げ部がストッパとなり、接続導体９０自体の振れ止め
となるので、装置が衝撃を受けても接続導体９０は何の
損傷も受けることはなく、またヒューズが外れることも
ない。しかも、従来の装置に対して、接続導体端部を曲
げるだけなので部品点数を全く増やさないで改良するこ
とができる。なお、図示はされないが、図３において、
接続導体９はそのままの形状とし、接続導体９の左端部
の下面に突出物を取り付け、この突出物をストッパとし
てフレーム２に当接させる構成としてもよい。

【００１２】

【発明の効果】この発明は前述のように、接続導体とフ
レームとの間にストッパーを設け、このストッパーによ
り接続導体のヒューズクランプ側の端部を下方から支持
するようにしたので、装置が衝撃を受けても接続導体が
損傷を受けることがなく、またヒューズが外れるという
心配もなくなった。さらに、従来の装置に対して部品点
数を増やすことなしに、かつ簡単にその構成を改良する
ことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例にかかる真空電磁接触器の構
成を示す側面図

【図２】この発明の異なる実施例にかかる真空電磁接触
器の構成を示す側面図

【図３】従来の真空電磁接触器の構成例を示す側面図

【符号の説明】

１ 真空バルブ ２ フレーム ３ 台車フレーム ３Ａ 車輪 ４ ヒューズ ５Ａ 断路接触子 ５Ｂ 断路接触子 ６ 導体 １０ 導体 ７Ａ ヒューズクランプ ７Ｂ ヒューズクランプ ８ 上部端子板 １１ 下部端子板 ９ 接続導体 ９０ 接続導体 １２ 絶縁サポート １３ 固定ナット １４ ストッパー ９０Ａ 端面

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】真空容器内部に接点を備えた真空バルブと
   この真空バルブの接点を開閉する駆動装置とを収納する
   フレームと、前記接点の接触子のそれぞれに導電接続さ
   れ前記フレームの上部, 下部を貫通してフレームの外部
   に引き出される上部端子板、下部端子板と、前記フレー
   ムの上面の上方にこれと平行に延在されてその一方端が
   前記上部端子板に導電接続され他方端がヒューズクラン
   プに導電接続された接続導体と、このヒューズクランプ
   に取り付けられ前記フレームの上方に配されたヒューズ
   とにより構成されたものにおいて、前記接続導体と前記
   フレームとの間に前記接続導体の他方端部を下方から支
   持するストッパを設けたことを特徴とする真空電磁接触
   器。