JP3038479B2 - 植物のプロトプラストの形質転換法 - Google Patents

植物のプロトプラストの形質転換法

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    • C12N5/10Cells modified by introduction of foreign genetic material
    • C12N5/12Fused cells, e.g. hybridomas
    • C12N5/14Plant cells

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は植物の遺伝物質、特にプロトプラストを形質
転換する新規な方法、およびその方法によって得られた
植物生成物に関する。 植物材料に新しい遺伝情報を導入することにより、新
規および/または改良された性質を有する植物をつくる
ことができる。 世界の人口の急激な増加とそれに伴う食糧や原材料の
必要性の増大という観点から、植物貯蔵物質の抽出を高
めると共に有用植物の収穫を増加させること、および特
に栄養および医学分野の進歩は生物学研究の最も急がれ
る所である。これに関連して、次のような本質的な点が
例として挙げられる:病害や害虫と共に不適当な土壌や
気候条件に対する有用植物の抵抗性を強化すること;殺
虫剤、除草剤、殺菌剤、消毒剤のような植物保護剤に対
する抵抗性を高めること;および植物の栄養含量または
収穫量を有利に変化させること。このような望ましい効
果は、一般に、保護物質、有用たんぱく質または毒素の
誘導または生成増加によって得られる。植物の遺伝物質
にこのような影響を与えることは、例えば、従来の育種
法を利用せずに植物細胞に特別な外来の遺伝子を挿入す
ることによって実現できる。 遺伝学的に細菌感染植物を操作して植物細胞に新規な
DNA配列を導入することは多くの刊行文献に記載されて
いる。例えば、ネイチャー 303巻 209−213頁、1983
年(Nature Vol.303,209−213(1983));ネイチャー
304巻、183−187頁、1983年(Nature Vol.304,183−1
87(1983));サイエンティフィック アメリカン 24
8巻6号 50−59頁、1983年(Scientific American 248
(6),50−59(1983));イーエムビーオー ジャー
ナル 2巻6号、987−995頁、1983年(EMBO−Journal
2(6),987−995(1983));サイエンス 222巻 476
−482頁 1983年(Science 222,476−482(1983));
サイエンス 223巻、247−248頁、1984年(Science 22
3,247−248(1984));またはプロシーデングズ オブ
ナショナル アカデミー オブ サイエンス ユーエ
スエー 80巻、4803−4807頁、1983年(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 80,4803−4807(1983))。これらの刊行物
においては、植物に感染させる細菌の自然の性質を植物
細胞に新しい遺伝物質を挿入するために利用している。
現在までの所、このような挿入は、望ましくはアグロバ
クテリウム チュメファシエンス(Agrobacterium tum
efaciens)それ自身またはそのTi プラスミド、および
カリフラワー モザイク ウィルスを使用して行われて
いる。 これに対し、本発明の新規な方法は生物学的ベクター
を使用することなく遺伝子の直接導入を可能にする。病
原菌は公知の方法においてベクターとして使用されてき
た。本発明の方法は病原菌なしで行うため、病原菌の宿
主特異性からくる制限もない。新規な形質転換法を行っ
た植物の発育が、この方法により障害を受けることはな
い。 植物の遺伝物質を形質転換する方法に加えて、本発明
は、上記の方法によって得られる生成物、特にプロトプ
ラストおよびそれから誘導された植物材料、例えば細胞
および組織、特に上記のプロトプラストから生じた完全
な植物および遺伝的にそれと同一の子孫にも関する。 本発明の範囲内で、次のような定義を適用する: 遺伝子:発現シグナルにより両端を挟まれた構造遺伝
子 構造遺伝子:タンパク質がコードされたDNA配列 発現シグナル:プロモーターシグナルおよび終結シグ
ナル 植物発現シグナル:植物において機能する発現シグナ
ル プロモーターシグナル:転写を開始するシグナル 終結シグナル:転写を終結するシグナル エンハンサーシグナル:転写を促進するシグナル 複製シグナル:DNA複製を可能にするシグナル 組込みシグナル:遺伝子のゲノムDNAへの組込みを促
進するDNA配列 雑種遺伝子:不均一DNA配列、すなわち天然および合
成のDNA配列である異なった起源を持つDNA配列から構築
された遺伝子 キャリアーDNA:両端を遺伝子に挟まれた中性の(すな
わち遺伝子の機能に関与しない)DNA配列 分離された遺伝子:単一のたんぱく質をコードし、元
のDNAから分離されたDNA配列 NPT II遺伝子:トランスポソンTn5のネオマイシン
3′−ホスホトランスフェラーゼ遺伝子、タイプII〔エ
ス ジェイ ロトスタインおよびダブリュー エス レ
ズニコフ、セル 23巻、191−199頁、1981年(Rothstei
n,S.J.and W.S.Retznikoff,Cell 23,191−199(198
1))〕 ゲノムDNA:植物ゲノムのDNA(全体またはその一部) 本発明は植物の遺伝物質の形質転換のための新規な方
法に関し、その方法は植物に感染させる天然の系の助け
なしに遺伝子を植物細胞中に直接導入することを含む。 具体的には、(a)植物において発現される発現シグ
ナルにより両端を挟まれた構造遺伝子からなる外来DNA
であって、植物におけるTi−プラスミドの導入、組込み
または複製に必要である、アグロバクテリウム(Agroba
cterium)属のTi−プラスミドのDNA配列を伴わない該外
来DNAを、適当な媒体中でおよび植物プロトプラストが
上記DNAを取込み得る条件下で、上記植物プロトプラス
トと接触させ、 (b)上記DNAが上記プロトプラストに取り込まれるの
に十分な期間、上記DNAおよび上記プロトプラストを保
温し、 (c)上記DNAが安定な方式で植物ゲノムに取込まれ、
そこで発現され、複製されることからなる、外来DNAに
よる植物の遺伝物質(プロトプラスト)の形質転換方法
がある。したがって、この形質転換は無ベクター形質転
換である。この無ベクター形質転換において、挿入され
る外来遺伝子は植物の発現シグナルの調節下にある。植
物遺伝子の無ベクター形質転換は、植物細胞中へ挿入す
る外来遺伝子を受容体(レシピエント)(レセプター
プロトプラスト)として働く植物プロトプラストといっ
しょに好適な溶液に入れ、その遺伝子がプロトプラスト
によって取込まれるまで放置することによって実施する
ことが望ましい。 プロトプラストとして、単一植物種のもの、または種
の下の分類単位である系統単位のものを使用することが
望ましい。 外来遺伝子およびプロトプラストは溶液中に数秒乃至
数時間、望ましくは10乃至60分間、最も望ましくは30分
間の間放置することが好都合である。 本発明の方法は適用範囲が広い。したがって、もし、
植物において発現される、植物、動物、微生物または合
成起源の発現シグナルにより構造遺伝子がその両端を挟
まれているのであれば、植物起源、例えばゼイン遺伝子
〔ユー ワイナンド等、モレキュラー アンド ゼネラ
ル ゼネティックス182巻、440−444頁、1981年(Weina
nd,U.,et al.,Mol.Gen.Genet.182,440−444(198
1))〕、動物起源、例えばTPA遺伝子〔組織型プラスミ
ノーゲン 活性化因子遺伝子:ディー ペニカ等、ネイ
チャー 301巻、214−221頁、1983年(Pennica,D.,et a
l.,Nature 301,214−221(1983))〕、微生物起源、例
えばNPT II遺伝子、または合成起源、例えばインスリン
遺伝子〔ピー ステピーン等、ジーン 24巻、289−297
頁、1983年(Stepien,P.,et al.,Gene 24,289−297(19
83))〕のいかなる構造遺伝子をも植物の遺伝物質中に
導入することが可能である。 構造遺伝子からなり、発現シグナルにより両端を挟ま
れた導入される遺伝子は天然の遺伝子および雑種遺伝子
であってよい。本発明の方法において、その発現シグナ
ルが動物、特に植物または合成起源の遺伝子を使用する
ことが望ましい。このような遺伝子の例は次のようなも
のである: (a)天然の発現シグナルを持った構造遺伝子からなる
植物の完全な遺伝子; (b)合成起源の発現シグナルにより両端を挟まれた合
成起源の構造遺伝子からなる完全な合成遺伝子; (c)種々の植物種起源の構造および発現シグナルを持
つ、植物発現シグナルにより両端を挟まれた植物起源の
構造遺伝子; (d)合成起源の発現シグナルにより両端を挟まれた植
物起源の構造遺伝子; (e)植物起源の発現シグナルにより両端を挟まれた動
物、微生物または合成起源の構造遺伝子;または (f)合成起源の発現シグナルにより両端を挟まれた動
物または微生物起源の構造遺伝子。 植物起源、特に植物ウィルス起源の発現シグナルによ
り両端を挟まれた細菌起源の構造遺伝子が最も望まし
い。本発明の方法に使用するのに特に好適な発現シグナ
ルはカリフラワー モザイク ウィルスの遺伝子VIの発
現シグナルである。 雑種遺伝子は、それ自体公知の微生物学的手法によ
り、植物細胞で産生されるべきたんぱく質コーディング
の読み取りフレームを残して調製される。このような手
法は公知で、例えば次の刊行物に記載されている:「モ
レキュラー クローニング」、ティー マニアティス
イーエフ フリッシュ ジェイ サンブルック、コール
ド スプリング ハーバー ラボラトリー1982年(“Mo
lecular Cloning",Maniatis T.,Fritsh,E.F.and J.Samb
rook,Cold Spring Harbor Laboratory,1982)および
「リコンビナント DNA テクニックス」、アール エ
ル ロドリゲス およびアール シー タイト、アジソ
ン−ウェズリー パブリッシング カンパニー、ロンド
ン、アムステルダム、ドン ミルズ、オンタリオ、シド
ニー、東京、1983年(“Recombinant DNA Technigues",
Rodriguez,R.L.and R.C.Tait,Addison−Wesley Publich
ing Comp.,London,Amsterdam,Don Mills.Ontario,Sydne
y,Tokyo,1983)。 植物細胞のゲノムDNAに外来遺伝子を組込むために
は、構造遺伝子と植物発現シグナルからなる遺伝子は中
性DNA配列(キャリヤーDNA)により両端を挟まれている
ことが有利である。キャリアーDNAは2本の直鎖DNA鎖か
らなっていてよく、そのため植物細胞に挿入されるべき
構造は直鎖DNA分子となる。しかし、遺伝子形質転換の
ために調整したDNA配列は環状構造を持っていてもよい
(プラスミド構造)。このようなプラスミドは、発現シ
グナルを含む外来遺伝子がその中に組込まれるDNA鎖か
らなる。キャリアーDNAは合成起源であっても、適当な
制限酵素処理した天然のDNA配列から得たものでもよ
い。したがって、例えば、選ばれた制限酵素で開環され
た天然のプラスミドはキャリアーDNAとして使用するの
に好適である。 このようなプラスミドの例は容易に入手できるpUC8プ
ラスミド(ジェイ メシング およびジェイ ビエイ
ラ、ジーン 19巻、269−276頁、1982年(Messing,J.an
d J.Vieira,Gene 19,269−276,1982)に記載)である。
天然プラスミドのフラグメントもキャリアーDNAとして
使用できる。例えば、カリフラワー モザイク ウィル
スの遺伝子VIの欠損変異株である。 植物細胞の遺伝子形質転換の確率は種々の因子によっ
て上昇させることができる。すなわち、酵母の実験から
知られるように、成功した安定な遺伝子形質転換の数
は、 1) 細胞当りの新しい遺伝子のコピー数の増加と共
に、 2) 複製シグナルが新しい遺伝子と組合さった時に、
および 3) 組込まれたシグナルが新しい遺伝子と組合さった
時に増加する。 したがって、本発明の方法は、導入される遺伝子が植
物細胞中で有効な複製シグナルと、または植物細胞中で
有効な組込まれたシグナルと組合さっているか、または
両方のシグナルと組合さっている時に特に有利な適用と
なる。 植物細胞中での遺伝子の発現はメッセンジャーRNA配
列における遺伝子の転写頻度に依存する。したがって、
新しい遺伝子がこの転写を促進するエンハンサーシグナ
ルと組合さっていると有利である。特に利点のある方法
は植物において有効な複製、組込みおよびエンハンサー
シグナルと組合さった遺伝子を導入するものである。 もし導入される遺伝子が選択されたマーカー機能を持
つ場合、すなわち形質転換される植物細胞が特異な選択
条件下に非形質転換植物細胞から分離される場合には更
に手法的に有利である。この種のマーカー機能により、
植物の遺伝物質はマーカー特異性の選択法を可能にする
発現可能な遺伝子を含むことになり、植物細胞は微生物
学的手法によってカルスまたは完全な植物に再生させる
だけでよいという点で、本方法を効果的に実施できるこ
とになる。 プロトプラスト、細胞培養の細胞、植物組織の細胞、
花粉、花粉管、卵細胞、胚のうまたは発育の種々の段階
にある接合体や胚が形質転換の好適な出発物質である植
物細胞の代表例であるが、前処理なしに直接使用できる
ことからプロトプラストが望ましい。 分離した植物プロトプラスト、細胞または組織は、そ
れ自体公知の方法または公知法と類似の方法によって得
られる。 分離した細胞や組織を得るための好適な出発物質でも
ある分離した植物プロトプラストは、植物のいかなる部
分、例えば葉、胚、茎、花、根または花粉から得ること
ができる。葉のプロトプラストを使用するのが好まし
い。分離されたプロトプラストは細胞培養から得ること
もできる。プロトプラストの分離法は、例えばオー エ
ル ガンボルグ および エル アール ウェッター、
プラント ティッシュー カルチャー メソーズ1975
年、11−21頁(Gamborg,O.L.and Wetter,L.R.Plat Tiss
ue Culture Methods,1975,11−21)に記載されている。 植物細胞への新しい遺伝子の導入は、植物細菌や植物
のウィルス、あるいは昆虫や植物病原菌による導入のよ
うな植物感染の天然の系を使用せずに直接行う。外来遺
伝子とプロトプラストを好適な溶液に入れ、外来遺伝子
がプロトプラストに取込まれるまで放置することによ
り、導入されるべき遺伝子を使って直接形質転換するこ
とが望ましいような植物細胞の処理によってこれを実施
する。形質転換頻度は、このステップを、遺伝子導入の
微生物学的研究で使われる手法、例えばポリ−L−オル
ニチンまたはポリ−L−リジンによる処理、リポソーム
融合、DNAタンパク質複合体形成、プロトプラスト膜に
おける電荷の変化、微生物プロトプラストとの融合また
はリン酸カルシウム共沈澱および、特にポリエチレン
グリコール、熱処理(ヒート ショック)およびエレク
トロポレーションによる処理、更にはこれら三者組合せ
た処理のような手法と組合せることにより上昇させるこ
とができる。 外来遺伝子と受容体プロトプラストを入れる好適な溶
液はプロトプラスト培養に用いる浸透的に安定した培地
が望ましい。 個々の成分または成分群が異った数多くの培地がすで
に入手できる。しかし、すべての培地の成分は下記の原
則で一致している:約10mg/乃至数百mg/の濃度範囲
の無機イオンの群(硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、カリウ
ム、マグネシウム、鉄のようないわゆる大成分)、最高
濃度数mg/の無機イオンの群(コバルト、亜鉛、銅、
マンガンのようないわゆる小成分)および多くのビタミ
ン(例えばイノシトール、葉酸、サイアミン)、エネル
ギーおよび炭素源、例えばショ糖またはグルコース、更
に0.01乃至10mg/の濃度範囲でオーキシンやサイトカ
イニン類の天然または合成植物ホルモンの形の生育調節
剤が培地に含まれる。培地は糖アルコール(例えばマン
ニトール)または糖(例えばグルコール)または塩イオ
ン(例えばCaCl2)で更に浸透的に安定化され、また5.6
乃至6.5の範囲のpHに調節される。 公知の培地のより詳細な記載は、例えばエイチ コブ
リツ、メトーディシェ アスペクテ デア ツェル ウ
ント ゲベーベツューヒトウング バイ グラミネーン
ウンター ベゾンデレア ベリュックジヒティグング
デア ゲトライデ、クルチュールプフランツェ XXII
巻 1974年 93−157頁(Koblitz,H.,Methodishe Aspek
te der Zoll und Gewebezchtung bei Gramineen unte
r besonderer Bercksichtigung der Getreide,Kultur
pflanze XXII,1974,93−157)に見られる。 遺伝子形質転換の特に好適な手法は「ポリエチレン
グリコール処理」である。本発明の範囲内においては、
「ポリエチレン グリコール」なる語は物質のポリエチ
レン グリコール自身のみならず、プロトプラスト膜を
同様に変化させて、例えば細胞融合の分野で使用される
すべての物質の一般名として理解すべきである。したが
って、この語には、より長い鎖長を持つ他の多価アルコ
ール、例えばポリプロピレン グリコール(425乃至400
0g/モル)、ポリビニルアルコールまたはヒドロキシル
基が一部または完全にエーテル化された多価アルコー
ル、更に農業に一般に使用されて植物に耐えられる洗剤
も含まれており、これらは例えば下記の刊行物に記載さ
れている: 「マカチョンズ デタージェンツ アンド エマルシ
ファイアーズ アニュアル」エム シー パブリッシン
グ コーポレーション、リッジウッド ニュー ジャー
ジー、1981年(“McCutcheon's Detergents and Emulsi
fiers Annual"MC Publishing Corp.,Ridgewood New Jer
sy,1981);エイチ スタッシェ、「テンジド−タッシ
ェンブーフ」、カルル ハンザー フェアラーク、ミュ
ニヒ/ビェンナ、1981年(Stache,H.,“Tensid−Tasche
nbuch",Carl Hanser Verlag,Munich/Vienna,1981〕 もしポリエチレン グリコール自身を使用する場合に
は(実施例1乃至3,5および7のように)、1000乃至10,
000g/モル、望ましくは3000乃至8000g/モルの範囲の分
子量を持つポリエチレングリコールを使用することが望
ましい。 上記の物質の内、ポリエチレン グリコール自身を使
用することが望ましい。 上記の手法により10-5の実質的で再現性のある形質転
換頻度が実現する。しかし、この頻度を以下に詳細に記
載する適当な手法により大巾に改良することができる。 ポリエチレン グリコール処理において、その方法
は、例えばプロトプラストの懸濁液を培地に加え、次い
で通常はプラスミドとして使用する遺伝子をポリエチレ
ン グリコールと培地の混合物に加えるか、または、有
利には、プロトプラストと遺伝子(プラスミド)を最初
に培地に加え、次いでポリエチレン グリコールを加え
るようなものであってよい。 本発明の方法において、エレクトロポレーションと熱
処理も特に有利な手法であることがわかった。 エレクトロポレーション〔イー ノイマン等ザ イー
エムビーオー ジャーナル 7巻 841−845頁,1982年
(Neumann,E.et al.,The EMBO Journal ,841−845
(1982)〕においては、プロトプラストを浸透性のも
の、例えばマンニトール/マグネシウム溶液に移し、そ
のプロトプラスト懸濁液を2個の電極の間においたエレ
クトロポレーター室に入れる。懸悪液にコンデンサーを
放電することにより、プロトプラストは高圧で短時間の
電気衝撃を受ける。それにより、プロトプラスト膜の分
極が起り、膜に穴が開く。 熱処理の場合、プロトプラストを浸透性のもの、例え
ばマンニトール/塩化カルシウム溶液に懸濁し、この懸
濁液を小容器、例えば遠心分離用管に入れ、望ましくは
水浴で加熱する。加熱時間は選んだ温度に依存する。一
般に、その値は40℃,1時間から80℃,1秒の範囲内であ
る。最も良好な結果は45℃の温度、5分で得られる。懸
濁液を次いで室温またはそれ以下に冷却する。 細胞外ヌクレアーゼを不活性化することにより、形質
転換頻度を上昇させ得ることが知られている。この不活
性化は、植物が耐え得る二価陽イオン、例えばマグネシ
ウムあるいはカルシウムを使って行うことができ、また
望ましくは高いpH,最適pHは9乃至10.5で形質転換を行
うことによっても実施できる。 驚くべきことに、これらの種々の方法を選択的に使用
することにより、遺伝子工学の分野で長い間の目的であ
った形質転換頻度を非常に高めることが可能になる。 遺伝子形質転換において形質転換頻度が低ければ低い
ほど、莫大な数の非形質転換クローンの中の形質転換細
胞から新しいクローン化細胞を見い出すことはより困難
で時間のかかるものとなる。形質転換頻度が低い場合に
は、使用する遺伝子が選択的マーカー機能(例えば、特
定物質への耐性)を持つものでなければ、従来のスクリ
ーニング手法を使うことはほとんどまたは完全に不可能
である。したがって、マーカー機能のない遺伝子を使う
場合、形質転換頻度が低いと、時間と労力に莫大な投資
が必要となる。 マーカー機能のない遺伝子を使った形質転換において
は、形質転換頻度がパーセントのオーダー(約10-2)で
あるときのみ、従来のクローン細胞選択のスクリーニン
グ法を効果的に使用して成功する。以下に示すように、
本発明の方法により、この望ましい形質転換頻度を実現
することが可能となった。驚くべきことに、本発明の方
法において種々の手法を特異的に使用することにより従
来得られた形質転換頻度を1乃至2%まで非常に高める
ことができるようになった。 ポリエチレングリコール処理、エレクトロポレーショ
ンおよび熱処理のような他の手法を用いる前に、外来遺
伝子と受容体プロトプラストを合わせると、用いるステ
ップの順序が異る方法に比較して、形質転換頻度が約10
倍のオーダーで改良される。 エレクトロポレーションは5乃至10倍、熱処理は10倍
以上に形質転換頻度を改良する。 以下の手法の2乃至3種の組合せが有利であることが
わかった:ポリエチレングリコール処理、熱処理および
エレクトロポレーションで、外来遺伝子とプロトプラス
トを溶液に入れた後にこれらの手法を用いることにより
特に良好な結果が得られる。望ましい手法はポリエチレ
ングリコール処理の前に熱処理を行い、望みに応じて次
にエレクトロポレーションを行うことである。一般にエ
レクトロポレーションを加えると形質転換頻度が更に高
められる;しかし、熱処理とポリエチレングリコール処
理によって得られた結果が、エレクトロポレーションを
追加してももはや本質的に改良されない場合もある。こ
の手法をたがいに組合せることができるように、植物に
より耐えられる2価陽イオンを使用することおよび/ま
たはpH9乃至10.5で形質転換を行うことを、個々の手
法、および組合せた手法、望ましくはポリエチレングリ
コール処理、熱処理およびエレクトロポレーションを組
合せた手法と組合せることも可能である。数多くの組合
せの可能性により、本発明の方法をそれぞれの条件に良
く合うようにすることができる。 すでに存在する外来遺伝子と受容体プロトプラストの
組合せに続いて熱処理、ポリエチレングリコール処理お
よび、望みに応じてエレクトロポレーションの組合せに
より、10-2乃至10-3の形質転換頻度となる。 したがって、本発明の方法は、形質転換のための生物
学的ベクター、例えばカリフラワーモザイクウィルスま
たはアグロバクテリウム(Agrobacterium)を利用する
ことなしに、高形質転換頻度を実現する。 有利な方法において、例えば、プロトプラストをマン
ニトール溶液に入れ、このプロトプラスト懸濁液を遺伝
子の水溶液と混合する。プロトプラストをこの混合物中
で45℃、5分間加熱し、次いで10秒間で0℃に冷却す
る。次に、ポリエチレングリコール(分子量3000乃至80
00)を濃度が1乃至25%の範囲内、望ましくは約8%に
なるまで加える。注意深く十分に混合した後、処理をエ
レクトロポレーター中で行う。次いでプロトプラスト懸
濁液を培地で希釈し、プロトプラストを培養し始める。 本発明の方法はすべての植物、特にアンジオスペルメ
(Angiospermae)群およびジムノスペルメ(Gymnosperm
ae)群のものの形質転換に好適である。 ジムノスペルメ(Gymnospermae)の内、コニフェレ
(Coniferae)綱の植物が特に興味がある。 アンジオスペルメ(Angiospermae)の内、特に興味が
ある植物は落葉性の木や灌木に加えて下記の科の植物で
ある:ソラナシエ(Solanaceae),クルシフェレ(Cruc
iferae),コンポジテ(Compositae),リリアシエ(Li
liaceae),ビタシエ(Vitaceae),ケノポジアシエ(C
henopodiaceae),ルタシエ(Rutaceae),ブロメリア
シエ(Bromeliaceae),ルビアシエ(Rubiaceae),テ
アシエ(Theaceae),ムサシエ(Musaceae)またはグラ
ミニエ(Gramineae)およびレグミノセ(Leguminosae)
目,特にパピリオナシエ(Papilionaceae)科の植物で
ある。望ましい植物はソラナシエ(Solanaceae),クル
シフェレ(Cruciferae)およびグラミニエ(Graminea
e)科の代表的なものである。 特に挙げられるものはニコチアナ(Nicotiana),ペ
チュニア(Petunia),ヒオシアムス(Hyoscyamus),
ブラシカ(Brassica)およびロリウム(Lolium)種の植
物,例えばニコチアナ タバタム(Nicotiana tabacu
m),ニコチアナ プランバゲニフォリア(Nicotiana p
lumbagenifolia),ペチュニア ヒブリダ(Petunia hy
brida),ヒオシアムス ムチクス(Hyoscyamus muticu
s),ブラシカ ナパス(Brassica napus),ブラシカ
ラパ(Brassica rapa)およびロリウム マルチフロ
ルム(Loliun maltiflorum)のようなものである。 植物細胞の形質転換の分野においては、メイズ,コ
メ,コムギ,オオムギ,ライムギ,カラスムギおよびキ
ビのような栽培植物の高収率に特に興味が集中してい
る。 プロトプラストからの再生により産出されるすべての
植物は本発明の方法を利用して形質転換することができ
る。穀物をも含むグラミニエ(Gramineae)科(草)の
代表的なものを遺伝的に操作することは、現在までの所
不可能である。上記の直接遺伝子形質転換法で、穀物細
胞を含むグラミナシエ細胞を遺伝的に形質転換すること
は、今の所知られていない。総収量および作付面積は世
界的には少いものの、ソラナム(Solanum),ニコチア
ナ(Nicotiana),ブラシカ(Brassica),ベタ(Bet
a),ピスム(Pisum),フォゼオラス(Phaseolus),
グリシネ(Glycine),ヘリアンタス(Helianthus),
アリウム(Allium),コムギ,オオムギ,カラスムギ,
セタリア(Setaria),アブラナ,コメ,シドニア(Cyd
onia),ピラス(Pyrus),マラス(Malus),ルバス
(Rubus),フラガリア(Fragaria),プルナス(Prunu
s),アラキス(Arachis),セカレ(Secale),パニク
ム(Panicum),サカルム(Saccharum),コフィア(Co
ffea),カメリア(Camellia),ムサ(Musa),アナナ
ス(Ananas),ビティス(Vitis)またはシトラス(Cit
rus)属の栽培植物の形質転換は同様にして可能であり
望ましい。 形質転換した遺伝子の証明は、それ自体公知の方法、
例えば特にサザーンプロット分析および酵素活性試験を
含む交配分析および分子生物学試験により行う。 サザーンブロット分析は例えば次のようにして行うこ
とができる:形質転換した細胞またはプロトプラストか
ら分離したDNAを制限酵素で処理した後に1%アガロー
スゲルで電気泳動し、ニトロセルロース膜に移す〔イー
エム サザーン,ジャーナル オブ モレキュラー
バイオロジー 98巻 503−517頁,1975年(Southern,E.
M.,J.Mol.Biol.98,503−517(1975)〕。これを、その
存在を確かめたく、またニック翻訳(nick−translate
d)されたDNAとハイブリダイズする〔ダブリュー ジェ
イ リグビイ,エム ディークマン,シーローデスおよ
びピー バーグ,ジャーナル オブ モレキュラー バ
イオロジー 113巻 237−51頁,1977年(Rigby,W.J.,Di
eckmann,M.,Rhodes,C.and P.Berg,J.Mol.Biol.113,237
−51,(1977))〕(DNAの比活性5×108乃至10×108c.
p.m,/μg)。紙を65℃で3回、0.03Mクエン酸ナトリ
ウムと0.3M塩化ナトリウムの水溶液で1時間洗浄する。
ハイブリダイズされたDNAはX線フィルムを24乃至48時
間で黒化することにより見える。 酵素活性の試験−アミノグリコシドホスホトランスフ
ェラーゼ(カナマイシンを特異的にリン酸化する酵素)
の分析で詳細に説明する−は例えば次のようにして行う
ことができる:カルスまたは葉片(100乃至200mg)をエ
ッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離管中、20μの抽
出緩衝液の中で磨砕する。この緩衝液は、エルヘレラー
エストレア,エム ドブロック,イーメッセンス,ジェ
イ ピー ヘルナルスティーンズ,エム ファンモンタ
ギュおよびジェイ シエル,イーエムビーオー ジャー
ナル 2巻,987−995頁,1983年(Herrera−Estrella,
L.,DeBlock,M.,Messens,E.,Hernalsteens,J.−P.,VanMo
ntagu,M.and J.Schnell,EMBO J.,987−995(198
3))が使用したものを、血清アルブミンを除き、0.1M
ショ糖を加えることによって変えたものである。抽出物
を12000gで5分間遠心分離し、上清液にブロモフェノー
ルブルーを終濃度0.004%になるように加える。上清35
μ中のタンパク質を10%非変性ポリアクリルアミドゲ
ルで電気泳動して分画する。このゲルをカナマイシンと
γ−32P標識ATPを含むアガロースゲル層で覆い、反応さ
せて、リン酸化反応生成物をホワットマン(Whatman)p
81ホスホセルロース紙に移す。この紙を脱イオン水によ
り90℃で6回洗浄してからオートラジオグラフィーを行
う。 以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
これにより本発明の範囲を制限するものではない。ここ
には雑種遺伝子の構築および環状のキャリアーDNA配列
へのその挿入、上記雑種遺伝子の植物細胞への導入、形
質転換された植物細胞の選択および形質転換された植物
細胞からの完全な植物の再生、更にその遺伝的交配と分
子生物学的分析を記載する。 実施例において、本発明の方法を以下のように例示す
る: 1) CaMV遺伝子VIのプロモーターおよび終結シグナル
をNPT II遺伝子に加え、その遺伝子をpUC8プラスミドに
挿入し、この得られたキメラプラスミドを分離したタバ
コプロトプラストにポリエチレングリコール処理により
導入することによるNPT II遺伝子の導入によるタバコ植
物の形質転換により、 2) CaMV遺伝子VIのプロモーターと終結シグナルをNP
T II遺伝子に加え、この構築物をCaMV遺伝子VIの代りに
CaMVゲノムに挿入し、得られたキメラプラスミドを分離
したブラシカ(Brassica)プロトプラストにポリエチレ
ングリコール処理により導入することによるNPT II遺伝
子の導入によるブラシカ(Brassica)族植物の形質転換
により、および 3) CaMV遺伝子VIのプロモーターと終結シグナルをNP
T II遺伝子に加え、この遺伝子をpUC8プラスミドに挿入
し、得られたキメラプラスミドを分離したロリウム(Lo
lium)プロトプラストにポリエチレングリコール処理に
より導入することによるNPT II遺伝子の導入によるロリ
ウム(Lolium)族植物の形質転換による。 更にプロトプラストとNPT II遺伝子を合せた後に、熱
処理およびエレクトロポレーション、および熱処理、ポ
リエチレングリコール処理およびエレクトロポレーショ
ンの組合せた方法を行うことが形質転換に有利な効果を
持つことを例示する。 実施例1 NPT II遺伝子の導入によるニコチアナ タバクム シー
ブイ プチ ハバナ エスアール アイ(Nicotiana
tabacum c.v.Petit Havana SRI)の細胞の形質転換 a) pABD Iプラスミドの構築 自由に入手できるプラスミドpKm21およびpKm244〔イ
ー ベック等 ジーン 19巻 327−336頁、1982年(Be
ck,E.et al.,Gene 19,327−336(1982))〕をPst I制
限エンドヌクレアーゼを用いて切断する。組換えに使用
するプラスミドのフラグメントを0.8%アガロース ゲ
ルで電気泳動することにより精製する。ジーン 19巻
327−336頁、1982年(Gene 19,327−336(1982))にベ
ック等(Beck et al)によって記載されているように、
このフラグメントの組合せで得られたプラスミドpKm212
44はNPT II遺伝子の5′−および3′−Bal 31欠損の組
合せを含む。カリフラワーモザイク ウイルスのプロモ
ーターシグナルをプラスミド pKm21244のHind IIIフラ
グメントに加えるのはリンカー プラスミド pJPAXを
構築することによって行う。カップリング プラスミド
pJPAXはプラスミド pUC8とpUC9から得られる〔ジェ
イメッシングおよびジェイ ビエイラ,ジーン119巻、2
69−276頁1982年(Messing,J.and J.Vieira,Gene 119,2
69−276(1982))〕。プラスミドpUC9のリンカー配列
中10塩基対をHind IIIとSal I部位で制限酵素処理によ
り欠落させ、得られた結合性末端をポリメラーゼI Klen
ow フラグメントによる処理でふさぎ〔エイチ ジャコ
ブリン等、ヨーロピアン ジャーナル オブ バイオケ
ミストリー,45巻,623頁,1974年(Jacobson,H.et al.,Eu
r.J.Biochem.45,623,(1974))〕、そのポリヌクレオ
チド鎖をつないでHind III部位を修複する。8塩基対の
合成Xho Iリンカーをこの欠落したリンカー配列のSma I
部位に挿入する。プラスミドpUC8と修飾したプラスミド
pUC9の適当なXor IおよびHind IIIフラグメントの組換
えにより以下の制限部位配列を含む部分的に非対称なリ
ンカー配列も持ったプラスミドpJPAXを得る: EcoR I,SMa I,BamH I,Sal I,Pst I,Hind III,BamH I,
Xho IおよびEcoR I。CaMV遺伝子VIの5′−発現シグナ
ルとNPT II遺伝子のHind IIIフラグメントを合せること
は、CaMV VI遺伝子のプロモーター部分をPst IとHind I
II部位の間に挿入することによりプラスミドpJPAX上で
行う。このようにして得たプラスミドを単一のHind III
部位で制限切断し、プラスミドpKm21244のHind IIIフラ
グメントをこの制限部位に両方向に挿入してプラスミド
pJPAX CaKm+とpJPAX CaKm-を得る。NPT II雑遺伝子の
3′末端部位の近くにEcoR V部位をつくるために、プラ
スミドpJPAX CaKm+のBamH Iフラグメントをプラスミドp
BR327のBamH I部位に挿入し〔エックスソバロン等、ジ
ーン9巻、287−305頁、1980年(Soberon,X.et al.,Gen
e ,287−307(1980))〕、プラスミドpBR327CaKmを
得る。新しいDNA構築を含むこのプラスミドpBR327CaKm
のEcoR VフラグメントをCaMV遺伝子VIのEcoR V部位に置
き換え、プラスミドpUC8のSal部位でクローニングし、
それによりNPT II遺伝子のタンパク質をコードしたDNA
配列をカリフラワー モザイク ウイルス遺伝子VIの
5′−および3′−発現シグナルの制禦下におく。この
ようにして得られたプラスミドをそれぞれpABD IとpABD
IIと名付ける(第1図参照)。 b) プラスミドpABD Iの部分としてのNPT遺伝子の導
入によるニコチアナ タバクム シーブイ プチ ハバ
ナ エス アール アイ(Nicotiana tabacum c.v.Peti
t Havana SRI)プロトプラストのPEG処理による形質転
換 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸0.1mg/、1−ナフチ
ル酢酸1.0mg/および6−ベンジルアミノプリン0.2mg/
を含むK3培地〔ツアイトシュリフト フュール プフ
ランツェンフィジオロギー 78巻 453−455頁、1976年
(Z.Pflanzenphysiologie 78,453−455(1976));ミ
ューティションリサーチ 81巻 165−175頁、1981年
(Mutation Research 81(1981)165−175)参照〕1ml
にタバコ(Tabacco)プロロプラストを1ml当り2×106
の濃度で懸濁する。プロトプラストは、予じめpH5.8の
0.6モルショ糖中に浮遊させ、pH5.8の0.17M塩化カルシ
ウム中で沈降させること(100g、5分間)により酵素懸
濁液から得ておく。上記のプロトプラスト懸濁液に対
し、修飾(オートクレーブ後に再びpH5.8に調整)F培
地〔ネイチャー 296巻、72−74頁、1982年(Natuve,29
6,72−74(1982))〕中に分子量6000のポリエチレング
リコール(PEG)を40%に溶解した溶液0.5mlおよびプラ
スミドpABD I 15μgと仔牛胸腺DNA50μgを含む水溶液
65μを順番に加える。この混合物を時々攪拌しながら
26℃で30分間培養し、次いでF培地で段階希釈する。プ
ロトプラストを遠心分離(100gで5分間)で分離し、30
mlのK3培地に再懸濁する。径10cmのペトリ皿に10mlづつ
入れて24℃、遮光下に更に保温する。濃度は1ml当り6.3
×104プロトプラストである。3日後に各ペトリ皿の培
養液を0.3容量部の新鮮なK3培地で希釈し、24℃、3000
ルクスで更に4日間保温する。合計7日の後、プロトプ
ラストから生じたクローンをカナマイシン50mg/を含
み1%アガロースで固化した培地に埋め込み、ビーズ型
培養法により遮光下24℃で培養する〔プラント セル
リポート 2巻、244−247頁、1983年(Plant Cell Rep
orts,,244−247(1983))〕。培地は5日毎に同じ種
類の新鮮な栄養液で置換する。 c) カナマイシン耐性タバコ植物の再生 カナマイシン含有培地で3乃至4週間培養を継続後直
径2乃至3mmの耐性カルスを2,4−ジクロロフェノキシ酢
酸0.05mg/、1−ナフチル酢酸2mg/、6−ベンジル
アミノプリン0.1mg/、カイネチン0.1mg/およびカナ
マイシン75mg/を含む寒天固化LS培地〔フィジオロギ
ア プランタルム 18巻、100−127頁、1965年(Physio
l Plant 18,100−127(1965))〕に移す。カナマイシ
ン150mg/および6−ベンジルアミノプリン0.2mg/を
含むLS培地上に新芽を誘発させ、次いでT培地〔サイエ
ンス 163巻 85−87頁、1969年(Science 163,85−87
(1969))〕に根付かせることにより、カナマイシン耐
性ニコチアナ タバクム プチ ハバナ エス アール
アイ(Nicotiana tabacum Petit Havana SRI)植物を
得る。 d) 植物の遺伝物質におけるNPT II遺伝子の検出 形質転換細胞培養のカルスまたはそれから再生した植
物の葉組織の試料0.5gを1−エチレンジアミンN,N,N′,
N′−テトラ酢酸(EDTA)50mmol/、塩化ナトリウム0.
25mol/およびα,α,α−トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチルアミン ハイドロクロライド(TRIS−HCl)5
0mmol/を含むpH8の15%ショ糖溶液中、0℃で磨砕す
る。磨砕物を1000gで5分間遠心分離して粗核ペレット
を得、これをEDTA50mmol/とTRIS−HCl50mmol/を含
む15%ショ糖溶液にpH8.0で再懸濁する。ドデシル硫酸
ナトリウムを終濃度0.2%になるように加え、70℃に10
分間加熱する。20゜−25℃に冷却後、酢酸カリウムを混
合物に終濃度0.5mol/になるように加える。この混合
物を0℃で1時間置く。沈澱をミクロ遠心分離器で4
℃、15分間、遠心分離する。DNAを20゜−25℃で2.5容の
エタノールで上清から沈澱させる。分離したDNAをリボ
ヌクレアーゼA10μg/mlを含むTRIS−HCl10mmolの溶液に
溶解する。37℃で10分間反応させた後、プロテイナーゼ
Kを250μg/mlの濃度で加え、37℃で1時間反応を続け
る。プロテイナーゼKをフェノールとクロロフォルム/
イソアミルアルコール抽出で除去する。イソプロパノー
ルに溶解した酢酸ソーダの0.6モル溶液を0.6容量部加え
ることにより、DNAを水層から沈澱させ、これをTRIS−H
Cl10mmol/とEDTA5mmol/を含むpH7.5の溶液50μに
溶解する。この調製で実質的に50,000以上の塩基対を含
むDNA配列が得られる。EcoR Vエンドヌクレアーゼによ
るこのDNAの制限分解、NPT II遺伝子の放射性標識したH
ind IIIフラグメントとのハイブリダイゼイションおよ
びプラスミドpABD Iとの比較により、サザーン ブロッ
ト分析において、形質転換したニコチアナ タバクム
(Nicotiana tabacum)細胞の細胞核DNAにNPT II遺伝子
が存在することがわかる。 e) 形質転換した遺伝子の性的子孫への導入および正
常植物遺伝子として遺伝する証拠 この遺伝的に形質転換された植物(第一世代と子孫)
について、広範な遺伝学的交配分析と詳細な分子生物学
的研究(例えば植物ゲノムのDNAのサザーン ブロット
分析;アミノグリコシド ホスホトランスフェラーゼ、
すなわちカナマイシン特異リン酸化の酵素、の酵素活性
の研究)を行った結果、次のことがわかった: 1. 細菌の遺伝子は植物ゲノム中に安定して組込まれて
いる; 2. この遺伝子は正常には不変で常に交配した子孫に移
る; 3. その遺伝は自然の単一優性植物遺伝子に相当する; 4. DNAハイブリダイゼイションと酵素試験による分子
レベルの分析により遺伝学的交配分析の結果が確認され
る; 5. 遺伝的に形質転換された植物は処理中に正常で自然
の表現型を保持している、すなわち望ましくない修飾は
認められない。 プロトプラストに直接遺伝子を導入する本発明の方法
が特異的に植物物質を遺伝的に形質転換する最良の方法
であることをこれらの結果が示している。遺伝的形質転
換は安定しており、植物の遺伝型に望ましくない修飾は
起らない。ニコチアナ プルンバゲンフォリア(Nicoti
ana Plumbagenifolia)、ペチュニア ヒブリダ(Petun
ia hybrida)、ヒオシアムス ムチクス(Hyoscyamus m
uticus)およびブラシカ ナプス(Brassica napus)に
ついて形質転換を行うと同様の結果が得られることを以
下の実施例に記載する。 実施例2 NPT II遺伝子の導入によるブラシカ ラパシーブイ ジ
ャスト ライト(Brassica rapac.v.Just Right)細胞
の形質転換 a) プラスミドpCaMV 6Kmの構築 実施例1aに記載したプラスミドpBR327 CaKm+を制限酵
素EcoR Vで消化し、カナマイシン耐性遺伝子(NPT II)
を含むEcoR V制限フラグメントを使ってカリフラワー
モザイク ウイルスの遺伝子VIを含むプラスミドpCa20
−Bal IのEcoR Vフラグメントと置き換え、プラスミドp
CaMV 6Km(第2図)を得る。プラスミドCa20−Bal Iは
天然の欠損変異株CM4−184から得られるキメラCaMVプラ
スミドである。このプラスミドからは最初の5コドンと
翻訳停止記号TGA以外は遺伝子IIがすべて欠落してい
る。Xho Iカップリング成分を部位IIの停止コドン直線
に挿入した。 b) プラスミドpCaMV 6Kmの部分としてのNPT遺伝子の
導入によるブラシカ ラパシーブイ ジャスト ライト
(Brassica rapac.v.Jast Right)プロトプラストのPEG
処理による形質転換 ブラシカ ラパ(Brassica rapa)プロトプラストを
好適な浸透性物によって洗浄し、プロトプラスト83、プ
ロシーデングス エクスペリエンチア サプルメンタ
ム、ビルクホイゼル フェアラーグ、バーゼル、45巻
44−45頁、1983年(Proceedings Experientia Suppleme
ntum,Birkhuser Verlag,Basel,Vol.45(1983),44−4
5)にしたがって調製した培地に1ml当り5×106の濃度
に懸濁する。修飾F培地(pH5.8)(実施例1b参照)に
溶解した分子量6000の40%ポリエチレン グリコール
(PEG)をプロトプラスト懸濁液と終濃度13%PEGになる
ように混合する。エンドヌクレアーゼSal Iで消化した
プラスミドpCaMV 6Km 10μgと仔牛胸腺DNA 50μgを水
60μgに溶解した溶液を直ちにこの混合液に加える。時
々攪拌しながらこの混合物を20゜−25℃で30分間保つ。
次いで修飾F培地3×2ml(全部で6ml)および培地2×
2ml(全部で4ml)を5分間隔で加える。プロトプラスト
懸濁液を10cmペトリ皿に移し、培地を加えて全容20mlに
する。このプロトプラスト懸濁液を遮光下、26℃で45分
間置く。プロトプラストを100g、5分間遠心分離して分
離し、最初の液に採った後、アガロースゲル固化培地に
入れ、ビーズ型培養法〔プラント セル リポーツ 2
巻、244−247頁、1983年(Plant Cell Reports ,244
−247(1983))〕によって培養する。4日後の第1回
細胞分裂発現段階でカナマイシンを50mg/の濃度で培
養物に加える。アガロース部分の周囲の液体培地は4日
毎に新鮮なカナマイシン含有栄養液と取換える。4週間
後にカナマイシン耐性クローンを分離し、更にカナマイ
シン含有栄養液(50mg/)を毎週加えて培養を続け
る。 c) 植物の遺伝物質におけるNPT II遺伝子の検出 形質転換したブラシカ ラパ(Brassica rapa)細胞
の細胞核におけるNPT II遺伝子の存在は、実施例1d)に
記載したように、細胞核DNAを分離し、制限酵素分解し
てDNAフラグメントのハイブリダイゼイションすること
により検出することができる。 実施例3 ロリウム マルチフロルム(Lolium multiflorum)種の
イネ科植物プロトプラストの形質転換 ロリウム マルチフロルム(Lolium multiflorum)
(イタリア ライグラス)のプロトプラストをpH5.8の
0.4モル マンニトール1ml中に1ml当り2×106の濃度で
加える。この懸濁液に対し、修飾F培地(pH5.8)〔ネ
イチャー 296巻 72−74頁、1982年(Nature 296,72−
74(1982))〕に溶解した分子量6000の40%ポリエチレ
ン グリコール(PEG)0.5mlおよびプラスミドpABD I 1
5μgと仔牛胸腺DNA 50μgを含む水溶液65μを順番
に加える。この混合物を時々攪拌しながら26℃で30分間
置き、次いでネイチャー 296巻、72−74頁、1982年(N
ature 296(1982)72−74)に記載されたF培地で希釈
する。プロトプラストを遠心分離(100gで5分間)で分
離し、CC培地〔ポトリカス、ハームズ、レルツ、コーン
(ゼア メイズ リンネ(ZeaMays L.))の細胞培養プ
ロトプラストからのカルス形成、セオリティカル アン
ド アプライド ゼネティックス 54巻、209−214頁、
1979年(Potrykus,Harms,Lrz,Callus formation from
cell culture protoplasts of corn(Zea Mays L.),T
heor,Appl.Genet.54,209−214(1979))〕4mlに採り、
遮光下、24℃で保温する。14日後、生育した細胞培養を
同じ培地で抗生物質G−418(市販;ギブコ ヨーロッ
パプロダクト カタログ、カタログ番号0661811(GIBCO
EUROPE Product Catalogue,Catalogue No.0661811))
を含むものに移す。G−418は25mg/の濃度でロリウム
(Lolium)細胞に有毒であり、カナマイシン耐性の細菌
遺伝子を取り入れた細胞の生育のみが可能である。G−
418はイネ科細胞にカナマイシン自体より実質的に高い
活性を持つカナマイシン アナログである。耐性細胞コ
ロニーを寒天培地に移し(25ml/G−418を含み浸透性
物を含まない上記と同じ培地)、細胞コロニー当り新生
したものが数グラムの大きさになった後に、細菌遺伝子
の存在および遺伝子の生物学的活性を分析する。前者の
分析は細胞培養から分離したDNAと遺伝子の放射性標識D
NA試料とのハイブリダイゼイションで行う一方、後者は
放射性ATPを使ったカナマイシンのリン酸化により酵素
活性を検出して行う。両分子レベルの分析によりG−41
8で選択された細胞コロニーの遺伝学的形質転換の明瞭
な証明が得られた。これらの分析は、イネ科植物のプロ
トプラストの遺伝学的形質転換の第1の証明と、更に本
質的に草類のプロトプラストを上記の方法により遺伝学
的に操作できることの証明を含む。したがって、培養草
類、例えば穀類、を遺伝的に操作する可能性も示す。 実施例4 エレクトロポレーションによるNPT遺伝子導入によるニ
コチアナ タバクム(Nicotiana tabacum)の細胞培養
細胞の形質転換 ニコチアナ タバクム(Nicotiana tabacum)nia−11
5細胞株〔エイ ジェイ ミューラーおよびアール グ
レイフ、モレキュラー アンド ゼネラル ゼネティッ
クス 161巻、67−76頁、1978年(Mller,A.J.and R.
Grafe,Mol.Gen.Gent.161,67−76(1978))〕の硝酸レ
ダクターゼ欠損株の対数増殖相懸濁培養50mlから沈降に
よってプロトプラストを調製し、酵素溶液〔KOHでpH5.6
に調整した洗浄溶液(0.3Mマンニトール、0.04M塩化カ
ルシウムおよび0.5%2−(N−モルホリノ)エタンス
ルホン酸)に溶解した2%セルラーゼ オノズカ(Cell
ulase Onozuka)R−10、1%マゼロザイム(Mazerozy
m)R−10および0.5%ドリセラーゼ(Driselase)(ヘ
ミッシェ ファブリク シュバイツェルハレ、バーゼル
(Chemishe Fabrik Schweizerhalle,Basel))から入
手〕20mlに再懸濁した後、旋回シェーカーを使って24℃
で3時間保温する。次いでプロトプラストを100μmメ
ッシュ、篩を通して未消化の組織から分離する。等量の
0.6Mショ糖を加え、その懸濁液を100gで10分間遠心分離
する。表面に浮遊するプロトプラストを集めて洗浄液中
で沈降させることにより3回洗浄する。 形質転換をエレクトロポレーションにより行う。ダイ
アログ「ポレーター」(DialogR“Porator"(ダイアロ
グ ジーエムビーエイチ、ハルフストラーセ 34,4000
デュッセルトルフ、西ドイツ(Dialog GmbH,Harffst
r.34,4000 Dusseldorf,West Germany)から入手)のチ
ェインバーを70%エタノール、次いで100%エタノール
で洗浄して殺菌し、層状通風の送風機からの無菌空気流
で乾燥する。塩化マグネシウムで1.4キロオームの抵抗
値に調整した0.4mMマンニトール溶液にプロトプラスト
を1×106/mlに懸濁し、pABD I DNAを10μg/mlの濃度で
加える。このプロトプラスト懸濁液0.38mlづつを1000ボ
ルトまたは2000ボルトの放電に10秒間隔で3回処理す
る。AA−CH培地〔ケイ グリメリウス等、フィジオロギ
ア プランタルム 44巻、273−277頁、1978年(Glimel
ius,K.et al.,Physiol Plant 44,273−277(1978))の
AA培地〕のイノシトール濃度を100mg/に、ショ糖濃度
を34g/に高め、2−(3−メチル−2−ブテニル)ア
デニンを0.05ml/加え、アガロースの0.6%含量で固化
したもの(シー プラーク、エフエムシー コーポレー
ション、マリン コロイド ディビジョン、ポスト オ
フィス ボックス 308,ロックランド、メイン04841,ア
メリカ(Sea Plague,FMC Corp.,Marine Colloids Divis
ion,P.O.Box 308,Rockland,Maine 04841,USA))3ml中
にプロトプラストを1×105/mlの濃度で培養する。1週
間後、プロトプラストを含むアガロース層をカナマイシ
ン50mg/を含む液体AA−CH培地30mlに移す。液体培地
の半分を毎週同一組成の新鮮な培地で置き換えつつ3週
間後、形質転換された細胞コロニーが目で見えてくる。
カナマイシン含有培地に移して4週間後、カナマイシン
50mg/を含むAA培地(ケイグリメリウス等、フィジオ
ロギア プランタルム 44巻、273−277頁、1978年(Gl
imelius,K.et al.,Physiol.Plant.44,273−277(197
8);0.8%寒天)にこれらの細胞コロニーを移し、更に
培養と研究を続ける。形質転換成功をDNAハイブリダイ
ゼイションとアミノグリコシド ホスホトランスフェラ
ーゼの酵素活性の試験で確認する。 ブラシカ ラパ(Brassica rapa)とロリウム マル
チフロラム(Lolium multiflorum)のプロトプラストを
用いた同様の試験の結果、形質転換の成功を認めた。 実施例5 エレクトロポレーションによるNPT II遺伝子の導入によ
るニコチアナ タバクム(Nicotiana tabacum)細胞の
形質転換 エレクトロポレーターの調製は実施例4に、プロトプ
ラストの調製は実施例1に記載したようにして行う。 形質転換のために、ニコチアナ タバクム(Nicotian
a tabacum)のプロトプラストをマンニトール溶液(0.4
M、0.5%W/V 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
でpH5.6に緩衝化)に1.6×106/mlの濃度に再懸濁する。
プロトプラスト懸濁液の抵抗をポレーター チェインバ
ー(0.38ml)中で測定し、塩化マグネシウム溶液(0.3
M)で1乃至1.2キロオームに調整する。0.5mlづつを栓
をしたプラスチック管(5ml容)に入れ、そのそれぞれ
にまずpABD I(Sma Iで直鎖にした)8μgと仔牛胸腺D
NA20μgを含む水40μ、次いでポリエチレン グリコ
ール溶液(0.4Mマンニトール中に24%W/V)0.25mlを加
える。DNAの添加9分後に0.38mlをパルスチェインバー
に入れ、DNAの添加10分後、チェインバー中に存在する
プロトプラスト懸濁液を10秒間隔で3回の衝撃(1000−
2000ボルト)にさらす。処理した分を直径6cmのペトリ
皿に入れ、20℃で10分間置く。次いでシー プラク(Se
a Plague)アガロース0.7%W/Vを含むK3培地3mlを各ペ
トリ皿に加えて、ペトリ皿の内容物を十分に混合する。
各皿の内容物を固化させた後、遮光下に24℃で1日間培
養し、次いで光を当てて6日間置く。プロトプラストを
含むアガロースを四つに切り液体培地に入れる。次いで
ビーズ型培養法でプロトプラストを培養する。カナマイ
シンを用いた形質転換物質の選択で得たカルスおよびそ
れから再生した植物はNPT II遺伝子の生成物としてNPT
II酵素(アミノグリコシド ホスホトランスフェラー
ゼ)を含む。 エレクトロポレーションはエレクトロポレーションを
行わない方法に比較して形質転換頻度を5乃至10倍上昇
させた。ブラシカ ラパ シー ブイ ジャースト ラ
イト(Brassica rapa c.v.Just Right)およびロリウム
マルチフロラム(Lolium multiflorum)を使った同様
の試験も形質転換頻度を同じオーダーで上昇させる。 実施例6 熱処理によるNPT II遺伝子の導入によるニコチアナ タ
バクム(Nicotiana tabacum)細胞の形質転換 ニコチアナ タバクム(Nicotiana tabacum)の葉ま
たは細胞培養から分離したプロトプラストを実施例1お
よび4に記載したように分離し、前の実施例に記載した
ように浸透性培地に移す。プロトプラスト懸濁液を45℃
に5分間保ち、10秒間氷で冷却後、実施例1および4に
記載したようにプラスミドpABD Iを加える。熱処理はこ
の処理なしに行った形質転換に比較して形質転換頻度を
10倍以上高める。 実施例2および3に記載したプロトプラストおよびプ
ラスミドを用いた同様の試験も形質転換頻度を同じオー
ダーで高める。 実施例7 プロトプラストおよび遺伝子を最初のステップで合せ、
次いで処理を組み合せてNPT II遺伝子を導入することに
よる種々の植物細胞の形質転換 植物のプロトプラスト:ニコチアナ タバクム シーブ
イ プチ ハバナ エスアールアイ(Nicotiana tabacu
m c.v.Petit Havana SRI)(A) ブラシカ ラパ シーブイ ジャスト ライト(Bras
sica rapa c.v.Just Right)(B) およびロリウム マルチフロラム(Lolium maltiflor
um)(C) を実施例5に記載したように分離して浸透性培地に移
す。A)およびC)のプロトプラスト懸濁液をプラスミ
ドpABD I(実施例1a)と、B)のものはプラスミドpCaM
V 6Km(実施例2a)と、実施例1乃至3に記載したよう
に、しかしポリエチレン グリコールでの同時処理は行
わずに混合する。次いでプロトプラスト懸濁液を実施例
6に記載したように熱処理した後、実施例1乃至3に記
載したようにポリエチレン グリコール処理して、最後
に実施例5に記載したようにエレクトロポレーションを
行う。この方法における形質転換頻度は10-3乃至10-2
範囲、条件により1乃至2%である(実施例1乃至3に
おける形質転換頻度は約10-5のオーダーである)。もし
プロトプラストとプラスミドを合せた後、次に行う熱処
理、ポリエチレン グリコール処理およびエレクトロポ
レーションのステップを異った順序で行った場合、10-3
乃至10-2の範囲の結果が得られる。
【図面の簡単な説明】 第1図はプラスミドpABD IとpABD IIの構築を示す模式
図、 第2図はプラスミドPCaMV 6Kmの構築を示す模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バルバラ ホーン スイス国,4103 ボツツミンゲン,ター ルマツツヴエーグ 11 (72)発明者 レイモンド ダグラス シリト スイス国,4310 ラインフエルデン,コ ールプラツツヴエーグ 22 (72)発明者 トーマス ホーン スイス国,4103 ボツツミンゲン,ター ルマツツヴエーグ 11 (72)発明者 ミカエル ウイリアム サウル スイス国,4102 ビンニンゲン,ボルウ エルクストラーセ 60 (72)発明者 バクラフ マンダク スイス国,4058 バーゼル リーヘンス トラーセ 5/3 (56)参考文献 特開 昭58−146282(JP,A) Journal of Cellul ar Biochemistry,su ppl.7B(1983)p.268 The EMBO Journal, Vol.2,No.12(1983)p.2143 −2150 Science,Vol.223,No. 223(1984.Feb.)p.496−498 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 5/00 C12N 15/00 A01H 1/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.(a)植物において発現される発現シグナルにより
    両端を挟まれた構造遺伝子からなる外来DNAであって、
    植物におけるアグロバクテリウム(Agrobacteriumu)属
    のTi−プラスイドの導入、組込みまたは複製に必要であ
    る、前記Ti−プラスミドのDNA配列を伴わない該外来DNA
    を、植物プロトプラストによる上記DNAの取込みを可能
    にする、適当な媒体および条件下で、上記植物プロトプ
    ラストと接触させ;ここで上記外来DNAの導入は、エレ
    クトロポレーション、熱処理(ヒートショック)および
    ポリエチレン グリコール処理から選ばれた手法によ
    り、またはエレクトロポレーション、熱処理およびポリ
    エチレングリコール処理を含む手法の2種または3種の
    組合せにより行われる; (b)上記DNAが上記プロトプラストに取り込まれるの
    に十分な期間、上記DNAおよび上記プロトプラストを保
    温し; (c)上記DNAが安定な方式で植物ゲノムに取込まれ、
    そこで発現され、複製されることからなる外来DNAによ
    る植物プロトプラストの形質転換方法。 2.挿入するための外来遺伝子および受容体として作動
    する植物プロトプラストを好適な溶液中に入れ、遺伝子
    がプロトプラストに取込まれるまで放置しておくことを
    含む植物遺伝子の無ベクター形質転換のための特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 3.溶液として浸透的に安定化したプロトプラスト培養
    培地を使用する特許請求の範囲第2項記載の方法。 4.外来遺伝子とプロトプラストを数秒から数時間の期
    間溶液中に放置する特許請求の範囲第2項記載の方法。 5.構造部分が植物、動物、微生物、ウイルスまたは合
    成起源であり、発現シグナルが植物、動物または合成起
    源である遺伝子を使用することを含む特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 6.遺伝子を植物の複製シグナルと組合せる特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 7.遺伝子を植物の組込みシグナルと組合せる特許請求
    の範囲第1項記載の方法。 8.遺伝子を植物の複製シグナルおよび植物の組込みシ
    グナルと組合せる特許請求の範囲第1項記載の方法。 9.遺伝子をエンハンサー配列と組合せる特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 10.遺伝子を植物の複製シグナルおよびエンハンサー
    配列と組合せる特許請求の範囲第1項記載の方法。 11.遺伝子を植物の組込みシグナルおよびエンハンサ
    ー配列と組合せる特許請求の範囲第1項記載の方法。 12.遺伝子を植物の複製シグナル、植物の組込みシグ
    ナルおよびエンハンサー配列と組合せる特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 13.遺伝子導入をポリエチレン グリコール処理によ
    って行う特許請求の範囲第1項記載の方法。 14.遺伝子導入を熱処理によって行う特許請求の範囲
    第1項記載の方法。 15.遺伝子導入をエレクトロポレーションによって行
    う特許請求の範囲第1項記載の方法。 16.遺伝子導入をポリエチレン グリコール処理、熱
    処理およびエレクトロポレーションを含む手法の2種ま
    たは3種の組合せにより行う特許請求の範囲第1項記載
    の方法。 17.遺伝子導入をポリエチレン グリコール処理、熱
    処理およびエレクトロポレーションを含む手法の2種ま
    たは3種の組合せにより行い、この手法を外来遺伝子と
    プロトプラストを溶液中に入れた後に行う特許請求の範
    囲第16項記載の方法。 18.外来遺伝子とプロトプラストを溶液中に入れ、次
    いで得られた懸濁液に最初に熱処理を行い、次にポリエ
    チレン グリコール処理を行うことによって遺伝子導入
    を行う特許請求の範囲第17項記載の方法。 19.外来遺伝子とプロトプラストを溶液中に入れ、得
    られた懸濁液に最初に熱処理、次いでポリエチレン グ
    リコール処理、最後にエレクトロポレーションを行うこ
    とによって遺伝子導入を行う特許請求の範囲第17項記載
    の方法。 20.遺伝子導入を植物が耐えられる二価陽イオンの存
    在下に行う特許請求の範囲第1項記載の方法。 21.陽イオンがマグネシウムまたはカルシウム陽イオ
    ンである特許請求の範囲第20項記載の方法。 22.遺伝子導入を9乃至10.5のpHで行う特許請求の範
    囲第1項記載の方法。 23.プロトプラストがソラナシエ(Solanaceae)、ク
    ルシフェレ(Cruciferae)、コンポジテ(Composita
    e)、リリアシエ(Liliaceae)、ビタシエ(Vitacea
    e)、ケノポディアシエ(Chenopodiaceae)、ルタシエ
    (Rutaceae)、ブロメリアシエ(Bromeliaceae)、ルビ
    アシエ(Rubiaceae)、テアシエ(Theaceae)、ムサシ
    エ(Musaceae)またはグラミニエ(Gramineae)科また
    はレグミノセ(Leguminosae)目の植物のプロトプラス
    トである特許請求の範囲第1項記載の方法。 24.プロトプラストがソラナシエ(Solanaceae)、ク
    ルシフェレ(Cruciferae)およびグラミニエ(Graminea
    e)科の植物のプロトプラストである特許請求の範囲第2
    3項記載の方法。 25.プロトプラストから再生させることができる植物
    の形質転換のための特許請求の範囲第1項記載の方法。 26.CaMV遺伝子VIのプロモーターおよび終結シグナル
    をNPT II遺伝子に加え、この遺伝子をpCU8プラスミドに
    挿入し、得られたキメラ プラスミドを下記の群の植物
    の分離されたプロトプラストにポリエチレン グリコー
    ル処理により導入することを含む、NPT II遺伝子の導入
    によるニコチアナ タバクム(Nicotiana tabacum)、
    ニコチアナ プランバゲニフォリア(Nicotiana plumba
    genifolia)、ペチュニア ヒブリダ(Petunia hybrid
    a)、ヒオシアムス ムチクス(Hyoscyamus muticus)
    およびブラシカ ナプス(Brassica napus)からなる群
    から選ばれた植物の形質転換のための特許請求の範囲第
    1項記載の方法。 27.CaMV遺伝子VIのプロモーターおよび終結シグナル
    をNPT II遺伝子に加え、この遺伝子をpCU8プラスミドに
    挿入し、得られたキメラ プラスミドを分離されたタバ
    コ プロトプラストにポリエチレン グリコール処理に
    より導入することを含むNPT II遺伝子の導入によるタバ
    コ植物の形質転換のための特許請求の範囲第26項記載の
    方法。 28.CaMV遺伝子VIのプロモーターおよび終結シグナル
    をNPT II遺伝子に加え、この構築物をCaMV遺伝子VIの代
    りにCaMVゲノムに挿入し、得られたキメラ プラスミド
    を分離されたブラシカ(Brassica)プロトプラストにポ
    リエチレン グリコール処理により導入することを含む
    NPT II遺伝子の導入によるブラシカ(Brassica)族の植
    物の形質転換のための特許請求の範囲第1項記載の方
    法。 29.植物において発現される発現シグナルにより両端
    を挟まれた構造遺伝子からなる、植物ゲノムに安定に組
    み込まれた外来DNAを含む双子葉植物プロトプラストで
    あって、該外来DNAが植物におけるアグロバクテリウム
    属のTi−プラスミドの導入、組込みまたは複製に必要で
    ある、前記Ti−プラスミドのDNA配列を伴わない、双子
    葉植物プロトプラスト。 30.植物において発現される発現シグナルにより両端
    を挟まれた構造遺伝子からなる、植物ゲノムに安定に組
    み込まれた外来DNAを含む植物プロトプラストおよび細
    胞であって、該外来DNAが植物におけるアグロバクテリ
    ウム属のTi−プラスミドの導入、組込みまたは複製に必
    要である、前記Ti−プラスミドのDNA配列を伴わない、
    植物プロトプラストおよび細胞。 31.単子葉植物から誘導される請求項30記載の植物プ
    ロトプラストおよび細胞。
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