JP6448194B2 - シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、NogoBreceptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogoBreceptorを発現させた形質転換体、並びに該形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法 - Google Patents

シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、NogoBreceptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogoBreceptorを発現させた形質転換体、並びに該形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、Nogo B receptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogo B receptorを発現させた形質転換体、並びに該形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法に関する。
現在、工業用ゴム製品に用いられている天然ゴム(ポリイソプレノイドの1種)は、トウダイグサ科のパラゴムノキ(Hevea brasiliensis)や桑科植物のインドゴムノキ(Ficus elastica)などのイソプレノイド産生植物より採取することにより得られる。
現在、工業用ゴム製品に用いられている天然ゴムは、パラゴムノキをほぼ唯一の採取源としている。パラゴムノキは東南アジアや南米などの限られた地域でのみ生育可能な植物である。更に、パラゴムノキは、植樹からゴムの採取が可能な成木になるまでに7年程度を要し、また、天然ゴムを採取できる期間は20〜30年に限られる。今後、開発途上国を中心に天然ゴムの需要の増大が見込まれているが、上述の理由によりパラゴムノキによる天然ゴムの大幅な増産は困難である。そのため、天然ゴム資源の枯渇が懸念されており、パラゴムノキの成木以外の安定的な天然ゴムの供給源やパラゴムノキにおける天然ゴムの生産効率の改善が望まれている。
天然ゴムは、イソペンテニル二リン酸(IPP)を基本単位とし、シス−1,4−ポリイソプレン構造をとっており、天然ゴムの生合成にはその構造からシス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)が関係していると考えられている。例えば、パラゴムノキでは複数のCPTの存在が確認されており、Hevea Rubber transferase 1(HRT1)、Hevea Rubber transferase 2(HRT2)などが知られている(例えば、非特許文献1、2参照。)。また、タンポポの一種であるゴムタンポポ(Taraxacum brevicorniculatum)ではCPTの発現量を抑えることにより、ゴムの合成量が低下することが知られている(例えば、非特許文献3参照。)。
また、これまでに天然ゴムの生合成に関わるタンパク質の研究として、Rubber Elongation Factor(REF)、Small Rubber Particle Protein(SRPP)が注目されてきた(例えば、非特許文献4、5参照。)。しかしながら、これらのタンパク質とCPTとの関係は解明されていない。
他方、ヒトCPTにおけるドリコール生合成において、Nogo B receptor(NgBr)が関与していることが示唆されている(例えば、非特許文献6参照。)。
Rahaman他、BMC Genomics、2013年、第14巻 Asawatreratanakul他、EuropeanJournal of Biochemistry、2003年、第270巻、4671〜4680ページ Post他、Plant Physiology、2012年、第158巻、1406〜1417ページ Hillebrand他、PLoS ONE、2012年、第7巻 Priya他、Plant Cell Reports、2007年、第26巻、1833〜1838ページ K.D.Harrison他、The EMBO Journal、2011年、第30巻、2490〜2500ページ
上述のように、パラゴムノキの成木以外の安定的な天然ゴムの供給源の開発やパラゴムノキにおける天然ゴムの生産効率の改善が望まれているが、現状、天然ゴムの生合成機構、特にその調節機構には未解明の部分が多く、天然ゴムの大幅な増産のためにはまだまだ多くの工夫の余地がある。そのような中で、上記課題を解決するための一つのアプローチとして、天然ゴムの生合成においてCPTの活性の安定化及び増強を図ることにより天然ゴムの増産を目指す方法が考えられる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ポリイソプレノイドの生合成に関与していると見られているシス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、Nogo B receptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogo B receptorを発現させた形質転換体、並びに該形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、Nogo B receptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogo B receptorを発現させた形質転換体に関する。
上記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、植物由来であることが好ましい。
上記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、イソプレノイド産生植物由来であることが好ましい。
上記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、パラゴムノキ由来であることが好ましい。
上記Nogo B receptorをコードする遺伝子が、以下の[3]又は[4]に記載のDNAであることが好ましい。
[3]配列番号5で表される塩基配列からなるDNA
[4]配列番号5で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
上記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が、以下の[1]又は[2]に記載のDNAであることが好ましい。
[1]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
上記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が、以下の[1−1]又は[2−1]に記載のDNAであることが好ましい。
[1−1]配列番号1で表される塩基配列からなるDNA
[2−1]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
前記宿主が、イソプレノイド産生植物であることが好ましい。
本発明はまた、上記形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法に関する。
本発明の形質転換体は、シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)をコードする遺伝子、及び、Nogo B receptor(NgBr)をコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、CPT及びNgBrを発現させた形質転換体であるので、宿主内においてCPTとNgBrとが共発現することから、CPTの活性が安定化、増強されることが予想される。従って、該形質転換体では、CPTの触媒する反応の生成物の生合成量、ひいては、ポリイソプレノイドの生産性が向上するために、該形質転換体を用いてポリイソプレノイドの製造を行うことで、ポリイソプレノイドの製造量を増大できることが期待される。
酵母ツーハイブリット実験の結果を示す写真である。
本発明者は、ポリイソプレノイドの生産性の向上を目指して、種々の検討を行った。その中で、ポリイソプレノイド生合成において重要な役割を果たす酵素の一つと考えられるという理由から、シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)に着目した。ここで、ヒトにおいて、Nogo B receptor(NgBr)がCPTと相互作用してCPTの蛋白安定性を向上させ、ドリコール生合成活性を安定、増強化させている、という報告がなされている(非特許文献6)。このことから生物一般において、CPTの活性にNgBrが関与している可能性が考えられる。そこで本発明者は、CPT及びNgBrを発現させた形質転換体を作製した。そのような形質転換体ではCPTとNgBrとが共存することによって、CPTの活性が安定化、増強されることが予想され、CPTの触媒する反応の生成物の生合成量、ひいては、ポリイソプレノイドの生産性が向上して、ポリイソプレノイドの製造量を増大できることが期待できる。
本発明の形質転換体は、シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)をコードする遺伝子、及び、Nogo B receptor(NgBr)をコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、CPT及びNgBrを発現させた形質転換体である。
上記CPTをコードする遺伝子及び/又はNgBrをコードする遺伝子は、その由来は特に制限されないが、植物由来であることが好ましく、イソプレノイド産生植物由来であることがより好ましい。中でも、共にパラゴムノキ、ノゲシ、グアユール及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種のイソプレノイド産生植物由来であることが更に好ましく、特に好ましくは、共にパラゴムノキ由来であることである。
(シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)のアミノ酸配列)
CPTの具体例としては、下記[1]が挙げられる。
[1]配列番号2、4のいずれかの配列番号で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含む場合であっても本来持つ機能を有する場合があることが知られている。従って、上記CPTの具体例としては、下記[2]も挙げられる。
[2]配列番号2、4のいずれかの配列番号で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
ここで、本明細書において、配列番号2、4のいずれかで表される蛋白質が本来持つ機能とは、CPTが本来持つ機能、すなわち、イソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒する酵素活性である。
なお、上記酵素活性を維持するためには、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、好ましくは1若しくは複数個のアミノ酸、より好ましくは1〜58個のアミノ酸、更に好ましくは1〜44個のアミノ酸、更により好ましくは1〜29個のアミノ酸、特に好ましくは1〜15個のアミノ酸、最も好ましくは1〜6個のアミノ酸、より最も好ましくは1〜3個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含むアミノ酸配列であることが好ましい。
また、上記酵素活性を維持するためには、配列番号4で表されるアミノ酸配列において、好ましくは1若しくは複数個のアミノ酸、より好ましくは1〜57個のアミノ酸、更に好ましくは1〜43個のアミノ酸、更により好ましくは1〜29個のアミノ酸、特に好ましくは1〜15個のアミノ酸、最も好ましくは1〜6個のアミノ酸、より最も好ましくは1〜3個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含むアミノ酸配列であることが好ましい。
アミノ酸置換の例としては、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
また、蛋白質は、元のアミノ酸配列と配列同一性の高いアミノ酸配列を有する蛋白質も同様の機能を有する場合があることが知られている。従って、上記CPTの具体例としては、下記[3]も挙げられる。
[3]配列番号2、4のいずれかの配列番号で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
なお、本来持つ機能、すなわち上記酵素活性を維持するためには、配列番号2、4のいずれかの配列番号で表されるアミノ酸配列との配列同一性は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
アミノ酸配列や塩基配列の配列同一性は、Karlin and AltschulによるアルゴリズムBLAST[Pro. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 5873(1993)]やFASTA[Methods Enzymol., 183, 63 (1990)]を用いて決定することができる。
上記酵素活性を有する蛋白質であることを確認する方法としては、例えば、従来公知の方法を用いることができ、例えば、大腸菌などを用いて、目的の蛋白質をコードする遺伝子を導入した形質転換体により、目的蛋白質を発現させ、目的蛋白質の機能の有無をそれぞれの活性測定法により、活性測定等を行う方法が挙げられる。
なお、上記CPTとしては、
[1−1]配列番号2で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
[2−1]配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
[3−1]配列番号2で表されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
のいずれかであることが好ましい。上記CPTがこのような蛋白質であると、NgBrと相互作用することを本発明者は見出し、これによりCPTの活性がより安定化、増強されると予想される。
(Nogo B receptor(NgBr)のアミノ酸配列)
NgBrの具体例としては、下記[4]が挙げられる。
[4]配列番号6で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質
また、上述したように、蛋白質は、元のアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、又は付加を含む場合であっても本来持つ機能を有する場合があることが知られているので、上記NgBrの具体例としては、下記[5]も挙げられる。
[5]配列番号6で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含む配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
ここで、本明細書において、配列番号6で表される蛋白質が本来持つ機能とは、NgBrが本来持つ機能、すなわち、N末端側に有する1つ又は複数の膜貫通領域で膜に結合し、C末端側で他の蛋白質と相互作用する機能である。ただし、神経細胞中でのNogo B receptorの機能として、ミエリン阻害性蛋白質(例えば、Nogo Aなど)等と相互作用することでニューロンの成長円錐の虚脱及び神経突起伸長の阻害をもたらすシグナル伝達に関与することが知られているが、本明細書においては、当該シグナル伝達に関与する相互作用については上記配列番号6で表される蛋白質が本来持つ機能に含めないこととする。
なお、本来持つ機能、すなわち上記NgBrとしての機能を維持するためには、配列番号6で表されるアミノ酸配列において、好ましくは1若しくは複数個のアミノ酸、より好ましくは1〜52個のアミノ酸、更に好ましくは1〜39個のアミノ酸、更により好ましくは1〜26個のアミノ酸、特に好ましくは1〜13個のアミノ酸、最も好ましくは1〜6個のアミノ酸、より最も好ましくは1〜3個のアミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は付加を含むアミノ酸配列であることが好ましい。
アミノ酸置換の例としては、上記同様、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
また、上述したように、蛋白質は、元のアミノ酸配列と配列同一性の高いアミノ酸配列を有する蛋白質も同様の機能を有する場合があることが知られている。従って、上記NgBrの具体例としては、下記[6]も挙げられる。
[6]配列番号6で表されるアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ本来持つ機能を有する蛋白質
なお、本来持つ機能、すなわち上記NgBrとしての機能を維持するためには、配列番号6で表されるアミノ酸配列との配列同一性は、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。
NgBrとしての構造を有する蛋白質であることを確認する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、大腸菌などを用いて、目的の蛋白質をコードする遺伝子を導入した形質転換体により、目的蛋白質を発現させ、形質転換体を粉砕し、遠心分離により画分に分離した後、市販のAnti Nogo Receptor抗体(例えば、Millipore、GeneTexなど)を用いてウェスタンブロッティング法を行い、膜画分において強い発現を確認する方法などが挙げられる。
(シス型プレニルトランスフェラーゼ(CPT)をコードするDNA)
また、CPTをコードするDNAとしては、下記[1]又は[2]が挙げられる。
[1]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列からなるDNA
[2]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本来持つ機能を有する蛋白質をコードするDNA
ここで、本明細書において、配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列からなるDNAがコードする蛋白質が本来持つ機能とは、上述の配列番号2、4のいずれかで表される蛋白質が本来持つ機能と同様である。
ここでいう「ハイブリダイズする」とは、特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部にDNAがハイブリダイズする工程である。したがって、該特定の塩基配列を有するDNAまたは該DNAの一部の塩基配列は、ノーザンまたはサザンブロット解析のプローブとして有用であるか、またはPCR(Polymerase Chain Reaction)解析のオリゴヌクレオチドプライマーとして使用できる長さのDNAであってもよい。プローブとして用いるDNAとしては、少なくとも100塩基以上、好ましくは200塩基以上、より好ましくは500塩基以上のDNAをあげることができるが、少なくとも10塩基以上、好ましくは15塩基以上のDNAであってもよい。
DNAのハイブリダイゼーション実験の方法はよく知られており、例えばモレキュラー・クローニング第2版、第3版(2001年)、Methods for General and Molecular Bacteriology, ASM Press(1994)、Immunology methods manual, Academic press(Molecular)に記載の他、多数の他の標準的な教科書に従ってハイブリダイゼーションの条件を決定し、実験を行うことができる。
上記のストリンジェントな条件とは、例えばDNAを固定化したフィルターとプローブDNAとを50%ホルムアミド、5×SSC(750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%の硫酸デキストラン、および20μg/lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中で42℃で一晩、インキュベートした後、例えば約65℃の0.2×SSC溶液中で該フィルターを洗浄する条件をあげることができるが、より低いストリンジェント条件を用いることもできる。ストリンジェントな条件の変更は、ホルムアミドの濃度調整(ホルムアミドの濃度を下げるほど低ストリンジェントになる)、塩濃度および温度条件の変更により可能である。低ストリンジェント条件としては、例えば6×SSCE(20×SSCEは、3mol/lの塩化ナトリウム、0.2mol/lのリン酸二水素ナトリウム、0.02mol/lのEDTA、pH7.4)、0.5%のSDS、30%のホルムアミド、100μg/lの変性させたサケ精子DNAを含む溶液中で、37℃で一晩インキュベートした後、50℃の1×SSC、0.1%SDS溶液を用いて洗浄する条件をあげることができる。また、さらに低いストリンジェントな条件としては、上記した低ストリンジェント条件において、高塩濃度(例えば5×SSC)の溶液を用いてハイブリダイゼーションを行った後、洗浄する条件をあげることができる。
上記した様々な条件は、ハイブリダイゼーション実験のバックグラウンドを抑えるために用いるブロッキング試薬を添加、または変更することにより設定することもできる。上記したブロッキング試薬の添加は、条件を適合させるために、ハイブリダイゼーション条件の変更を伴ってもよい。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えばBLASTおよびFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメータに基づいて計算したときに、配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるDNAをあげることができる。
上記したDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが、所定の酵素活性を有する蛋白質をコードするDNAであることを確認する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、大腸菌などを用いて、目的の蛋白質をコードする遺伝子を導入した形質転換体により、目的蛋白質を発現させ、目的蛋白質の機能の有無をそれぞれの活性測定法により、活性測定等を行う方法が挙げられる。
なお、CPTをコードするDNAとしては、
[1−1]配列番号1で表される塩基配列からなるDNA
[2−1]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本来持つ機能を有する蛋白質をコードするDNA
のいずれかであることが好ましい。上記CPTをコードするDNAがこのような配列のDNAであると、発現するCPTがNgBrと相互作用することを本発明者は見出し、これによりCPTの活性がより安定化、増強されると予想される。
(Nogo B receptor(NgBr)をコードするDNA)
また、NgBrをコードするDNAとしては、下記[3]又は[4]が挙げられる。
[3]配列番号5で表される塩基配列からなるDNA
[4]配列番号5で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本来持つ機能を有する蛋白質をコードするDNA
ここで、本明細書において、配列番号5で表される塩基配列からなるDNAがコードする蛋白質が本来持つ機能とは、上述の配列番号6で表される蛋白質が本来持つ機能と同様である。
ここでいう「ハイブリダイズする」とは、上述したのと同様である。また、上記ストリンジェントな条件についても、上述したのと同様である。
上記したストリンジェントな条件下でハイブリダイズ可能なDNAとしては、例えばBLASTおよびFASTA等のプログラムを用いて、上記パラメータに基づいて計算したときに、配列番号5で表される塩基配列と少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上、特に好ましくは99%以上の配列同一性を有する塩基配列からなるDNAをあげることができる。
上記したDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAが、所定の構造を有する蛋白質をコードするDNAであることを確認する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、大腸菌などを用いて、目的の蛋白質をコードする遺伝子を導入した形質転換体により、目的蛋白質を発現させ、形質転換体を粉砕し、遠心分離により画分に分離した後、市販のAnti Nogo Receptor抗体(例えば、Millipore、GeneTexなど)を用いてウェスタンブロッティング法を行い、膜画分において強い発現を確認する方法などが挙げられる。
また、上記蛋白質のアミノ酸配列及び塩基配列を同定する方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、生育する植物から、Total RNAを抽出し、必要に応じてmRNAを精製し、逆転写反応によりcDNAを合成する。次に目的蛋白質に相当する既知の蛋白質のアミノ酸配列をもとに、縮重プライマーを設計し、RT−PCRを行い、部分的にDNA断片の増幅を行い、部分的に配列を同定する。次いで、RACE法などを行い、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定する。RACE法(Rapid Amplification of cDNA Ends法)とは、cDNAの塩基配列が部分的に把握されているときに、その既知領域の塩基配列情報を基にPCRを行って、cDNA末端までの未知領域をクローニングする方法で、cDNAライブラリーの作製を経ずに、PCR法によって全長のcDNAをクローニングすることができる方法である。
なお、縮重プライマーは、上記目的蛋白質と共通性の高い配列部位を有する植物由来の配列から作製することが好ましい。
また、上記蛋白質をコードする塩基配列が既知の場合には、その知られている塩基配列から開始コドンを含むプライマー及び終止コドンを含むプライマーを設計し、合成したcDNAを鋳型にしてRT−PCRを行うことで全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定することができる。
(形質転換体)
CPTをコードする遺伝子、及び、NgBrをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、CPT及びNgBrを発現するように形質転換された生物体(形質転換体)が得られる。そして、当該形質転換体では、CPT及びNgBrが共発現することとなるため、CPTの活性が安定化、増強されると予想される。その結果、形質転換体においてCPTの触媒する反応の生成物の生合成量、ひいては、ポリイソプレノイドの生産性が向上して、ポリイソプレノイドの製造量を好適に増大できるものと期待される。
次に、上記CPT及びNgBrを発現するように形質転換された生物体(形質転換体)の作製方法について簡単に説明するが、このような形質転換体は従来公知の方法により作製することができる。
上記形質転換体の作製方法として、具体的には、例えば、適当な発現ベクターのプロモーターの下流に、配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列を含むDNA及び配列番号5で表される塩基配列を含むDNAを適当な制限酵素等を用いて挿入し、組換え体DNAを作製する。そして、該組換え体DNAを該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、形質転換体を得ることができる。あるいは、プロモーターの下流に配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列を含むDNAを適当な制限酵素等を用いて挿入された発現ベクター、及び、プロモーターの下流に配列番号5で表される塩基配列を含むDNAを適当な制限酵素等を用いて挿入された発現ベクターを用いて組換え体DNAを作製し、該組換え体DNAを該発現ベクターに適合した宿主細胞に導入することにより、形質転換体を得ることもできる。
上記宿主(宿主細胞)としては、特に限定されず真核生物が好ましいが、微生物、酵母、動物細胞、昆虫細胞等、植物細胞等、目的とする遺伝子を発現できるものであればいずれも用いることができる。中でも、イソプレノイドを生合成できる生物でCPT及びNgBrを発現させることにより、ポリイソプレノイドの生産性の向上、ポリイソプレノイドの製造量の増大が特に期待できることから、宿主としては植物(より好ましくは、イソプレノイド産生植物)が好ましく、宿主細胞としては植物細胞(より好ましくは、イソプレノイド産生植物の植物細胞)が好ましい。このように、宿主が、イソプレノイド産生植物であることもまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記イソプレノイド産生植物としては、イソプレノイドを産生可能な植物であれば特に限定されず、例えば、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)等のHevea属;ノゲシ(Sonchus oleraceus)、オニノゲシ(Sonchus asper)、ハチジョウナ(Sonchus brachyotus)等のSonchus属;セイタカアワダチソウ(Solidago altissima)、アキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. asiatica)、ミヤマアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa)、キリガミネアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. leipcarpa f. paludosa)、オオアキノキリンソウ(Solidago virgaurea subsp. gigantea)、オオアワダチソウ(Solidago gigantea Ait. var. leiophylla Fernald)等のSolidago属;ヒマワリ(Helianthus annuus)、シロタエヒマワリ(Helianthus argophyllus)、ヘリアンサス・アトロルベンス(Helianthus atrorubens)、ヒメヒマワリ(Helianthus debilis)、コヒマワリ(Helianthus decapetalus)、ジャイアントサンフラワー(Helianthus giganteus)等のHelianthus属;タンポポ(Taraxacum)、エゾタンポポ(Taraxacum venustum H.Koidz)、シナノタンポポ(Taraxacum hondoense Nakai)、カントウタンポポ(Taraxacum platycarpum Dahlst)、カンサイタンポポ(Taraxacum japonicum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale Weber)、ロシアンタンポポ(Taraxacum koksaghyz)等のTaraxacum属;イチジク(Ficus carica)、インドゴムノキ(Ficus elastica)、オオイタビ(Ficus pumila L.)、イヌビワ(Ficus erecta Thumb.)、ホソバムクイヌビワ(Ficus ampelas Burm.f.)、コウトウイヌビワ(Ficus benguetensis Merr.)、ムクイヌビワ(Ficus irisana Elm.)、ガジュマル(Ficus microcarpa L.f.)、オオバイヌビワ(Ficus septica Burm.f.)、ベンガルボダイジュ(Ficus benghalensis)等のFicus属;グアユール(Parthenium argentatum)、アメリカブクリョウサイ(Parthenium hysterophorus)、ブタクサ(Parthenium hysterophorus)等のParthenium属;レタス(Lactuca serriola)、ベンガルボダイジュ等が挙げられる。なかでも、Hevea属、Sonchus属、Taraxacum属、及びParthenium属からなる群より選択される少なくとも1種の属に属する植物であることが好ましく、パラゴムノキ、ノゲシ、グアユール、及びロシアンタンポポからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
発現ベクターとしては、上記宿主細胞において自律複製可能ないしは染色体中への組込が可能で、上記組換え体DNAを転写できる位置にプロモーターを含有しているものを使用できる。
植物細胞を宿主細胞として用いる場合には、発現ベクターとしては、例えば、pBI系のベクター、pUC系のベクター、Tiプラスミド、タバコモザイクウイルスベクター等をあげることができる。
プロモーターとしては、植物細胞中で機能するものであればいずれのものを用いてもよく、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35Sプロモーター、イネアクチン1プロモーター、ノパリン合成酵素遺伝子プロモーター、タバコモザイクウィルスの35Sプロモーター、イネ由来アクチン遺伝子プロモーター等をあげることができる。
なお、イソプレノイド化合物が生合成される組織、例えば乳管に特異的に発現するプロモーターを持った発現ベクターを使用することが好ましい。イソプレノイドが生合成される組織に特異的に発現させることにより、植物の生長遅延などの弊害を抑制することが出来る。
組換えベクターの導入方法としては、宿主細胞にDNAを導入する方法であればいずれも用いることができ、例えば、アグロバクテリウム(Agrobacterium)を用いる方法(特開昭59−140885号公報、特開昭60−70080号公報、WO94/00977)、エレクトロポレーション法(特開昭60−251887号公報)、パーティクルガン(遺伝子銃)を用いる方法(特許第2606856号、特許第2517813号)等をあげることができる。
以上の方法等により、上記形質転換体(形質転換植物細胞)が得られる。
本発明はまた、CPTをコードする遺伝子及びNgBrをコードする遺伝子が導入されたイソプレノイド産生植物を提供するものでもある。該イソプレノイド産生植物は、形質転換植物細胞を有するイソプレノイド産生植物であれば特に限定されず、例えば、上述の方法で得られた形質転換植物細胞のみならず、その子孫又はクローン、さらにそれらを継代させて得られる子孫植物の全てを含む概念である。一旦、ゲノム内に上記DNAやベクターが導入された形質転換植物細胞が得られれば、該形質転換植物細胞から有性生殖、無性生殖、組織培養、細胞培養、細胞融合等により子孫又はクローンを得ることが可能である。また、該形質転換植物細胞やその子孫あるいはクローンから繁殖材料(例えば、種子、果実、切穂、塊茎、塊根、株、不定芽、不定胚、カルス、プロトプラスト等)を得て、それらを基に該イソプレノイド産生植物を量産することも可能である。
形質転換植物細胞から植物体を再生する方法は、例えば、ユーカリでは土肥らの方法(特願平11−127025号公報)、イネではFujimuraらの方法(Fujimuraら(1995), Plant Tissue Culture Lett.,vol.2:p74−)、トウモロコシではShillitoらの方法(Shillitoら(1989), Bio/Technology,vol.7:p581−)、ジャガイモではVisserらの方法(Visserら(1989), Theor.Appl.Genet.,vol.78:p589−)、シロイヌナズナではAkamaらの方法(Akamaら(1992), Plant Cell Rep.,vol.12:p7−)が知られており、当業者であれば、これらを参照して形質転換植物細胞から植物体を再生できる。
再生した植物体において、周知の手法を用いることで、目的の蛋白質遺伝子の発現を確認することが出来る。例えば、目的の蛋白質の発現をウエスタンブロット解析すればよい。
上記形質転換植物体から種子を得る方法としては、例えば、形質転換植物体を適当な培地において発根させ、その発根体を水分含有の土を入れたポットに移植する。適当な栽培条件下で生育させ、最終的に種子を形成させて、該種子を得る。また、種子から植物体を得る方法としては、例えば、前記のようにして得られた形質転換植物体由来の種子を、水分含有の土に播種し、適当な栽培条件下で生育させることにより植物体を得ることができる。
本発明では、CPTをコードする遺伝子及びNgBrをコードする遺伝子が導入されたイソプレノイド産生植物を使用してポリイソプレノイドの製造を行うことにより、ポリイソプレノイドの生産性を向上できることが期待される。具体的には、上述の方法で得られた形質転換植物細胞、形質転換植物細胞から得られたカルス、該カルスから再分化した細胞等を適当な培地で培養したり、形質転換植物細胞から再生された形質転換植物体、該形質転換植物体から得られた種子から得られた植物体等を適当な栽培条件下で生育させたりすることにより、ポリイソプレノイドを製造することができる。本発明の形質転換体は、導入された蛋白質によりCPTの活性が安定化、増強されるものと予想され、CPTの触媒する反応の生成物の生合成量、ひいては、ポリイソプレノイドの生産性が向上して、ポリイソプレノイドの製造量を増大できることが期待される。
なお、本明細書において、ポリイソプレノイドは、イソプレン単位(C)で構成された重合体の総称である。ポリイソプレノイドとしては、例えばモノテルペン(C10)、セスキテルペン(C15)、ジテルペン(C20)、セスタテルペン(C25)、トリテルペン(C30)、テトラテルペン(C40)、天然ゴムなどの重合体が挙げられる。また、本明細書において、イソプレノイドは、イソプレン単位(C)を有する化合物を意味し、ポリイソプレノイドをも含む概念である。
以上の説明の通り、本発明では、CPT及びNgBrを共発現させることになることから、CPTの活性が安定化、増強されるものと予想され、その結果、形質転換体においてCPTの触媒する反応の生成物の生合成量、ひいては、ポリイソプレノイドの生産性が向上して、ポリイソプレノイドの製造量を好適に増大できることが期待できる。このように、CPTをコードする遺伝子、及び、NgBrをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、CPT及びNgBrを発現させた形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法もまた、本発明の1つである。
なお、CPTとNgBrとを共存させてポリイソプレノイドの増産を図る方法としては、上述のような生体内でCPTとNgBrとを発現させた形質転換体を用いる方法の他に、細胞内から粗酵素を抽出して、CPT、NgBrを精製した後、試験管内で共存させる、といった生体外で共存させる方法も考えられる。
上記生体外でCPTとNgBrとを共存させる方法においてCPT、NgBrは、例えば、適当なベクターにCPTをコードする遺伝子及び/又はNgBrをコードする遺伝子を挿入した後、形質転換を行った大腸菌、酵母、植物体や無細胞系蛋白質発現システム等を利用して製造することができる。
上記生体外でCPTとNgBrとを共存させる方法において利用するCPTの由来は特に限定されないが、真核生物由来であることが好ましく、植物由来であることがより好ましく、イソプレノイド産生植物由来であることが更に好ましい。またその修飾状態も限定されず、リン酸化、メチル化、アセチル化、パルミトイル化、ミリストイル化、ファルネシル化、糖鎖付加、ユビキチン化などの酵素への修飾基の付加、またはジスルフィド基の酸化・還元やプロテアーゼによる構造変化を起こしたCPTであってもよい。
上記生体外でCPTとNgBrとを共存させる方法において利用するNgBrの由来は特に限定されないが、真核生物由来であることが好ましく、植物由来であることがより好ましく、イソプレノイド産生植物由来であることが更に好ましい。またその修飾状態も限定されず、リン酸化、メチル化、アセチル化、パルミトイル化、ミリストイル化、ファルネシル化、糖鎖付加、ユビキチン化などの酵素への修飾基の付加、またはジスルフィド基の酸化・還元やプロテアーゼによる構造変化を起こしたNgBrであってもよい。
ここで、上述したように、配列番号1で表される塩基配列からなるDNA、又は、配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本来持つ機能を有する蛋白質をコードするDNAによってコードされているCPTが、NgBrと相互作用する、ということを本発明者は見出したが、NgBrは更に当該CPT以外の第3の蛋白質とも相互作用することが考えられる。そのような相互作用の形態としては、例えば、次の2通りの形態などが考えられる。
(1)NgBrを介して上記CPT及び上記第3の蛋白質が相互作用する、すなわち、NgBr、上記CPT及び上記第3の蛋白質が同時に相互作用する。
(2)NgBrと上記CPTとの相互作用、及び、NgBrと上記第3の蛋白質との相互作用が個別に起こる。
なお、上記第3の蛋白質としては、Rubber Elongation Factor(REF)、Small Rubber Particle Protein(SRPP)、Farnesyl diphosphate(FPP)synthaseなどが挙げられるが、これらに限らない。
上記生体外でCPTとNgBrとを共存させる方法においては、CPT、NgBrに加えて、更に、他の酵素を追加して共存させてもよい。該酵素としては、ラテックス中に含まれる酵素として知られるRubber Elongation Factor(REF)、Small Rubber Particle Protein(SRPP)、Small GTP−binding protein、Hevein、β−1,3−Glucanase、Farnesyl diphosphate(FPP)synthase、Protease inhibitor proteinなどが挙げられる。中でも特に、NgBrと相互作用するREF等の酵素が好ましい。
上記生体外でCPTとNgBrとを共存させる方法において、CPT、NgBrに加えて、更に、追加して共存させることができるものとしては、酵素に限らず、反応後の生成物を取り込む役割を果たす膜であってもよい。膜の種類は特に限定されず、細胞膜やSmall Rubber Particleのような天然由来のものであってもよいし、リポソームのような人工的なものであってもよい。
上記膜を形成する脂質としては、脂質二分子膜を構成しうる脂質が使用でき、例えば、公知のグリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂質、コレステロール及びリン脂質等が挙げられる。
上記グリセロ糖脂質としては、例えば、スルホキシリボシルグリセリド、ジグリコシルジグリセリド、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、及びグリコシルジグリセリド等が挙げられる。また、上記スフィンゴ糖脂質としては、例えば、ガラクトシルセレブロシド、ラクトシルセレブロシド、及びガングリオシド等が挙げられる。
上記リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチン、及び水素添加リン脂質等の天然または合成のリン脂質が挙げられる。
上記ホスファチジルコリンとしては、大豆ホスファチジルコリン、卵黄ホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルフォスファチジルコリン、及びジステアロイルホスファチジルコリン等が挙げられる。
上記ホスファチジルエタノールアミンとしては、ジオレオイルフォスファチジルエタノールアミン、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、及びジステアロイルホスファチジルエタノールアミン等が挙げられる。
上記ホスファチジルセリンとしては、ジラウロイルホスファチジルセリン、ジミリストイルホスファチジルセリン、ジパルミトイルホスファチジルセリン、及びジステアロイルホスファチジルセリン等が挙げられる。
上記ホスファチジルグリセロールとしては、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、及びジステアロイルホスファチジルグリセロール等が挙げられる。
上記ホスファチジルイノシトールとしては、ジラウロイルホスファチジルイノシトール、ジミリストイルホスファチジルイノシトール、ジパルミトイルホスファチジルイノシトール、及びジステアロイルホスファチジルイノシトール等が挙げられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
〔クローニング〕
(目的蛋白質のアミノ酸配列及び塩基配列の同定)
パラゴムノキのラテックスからホットフェノール法により、Total RNAを抽出した。ラテックス6mLに100mM酢酸ナトリウム緩衝液6mL、10%SDS溶液1mLを添加し、さらに65℃で予温しておいた水飽和フェノールを12mL添加した。65℃で5分間インキュベートしたのち、ボルテックスで撹拌し、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った。遠心後、上清を新しいチューブに移し、フェノール:クロロホルム(1:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、クロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)溶液12mLを添加し、2分間振盪撹拌した。撹拌後、再度、室温、7000rpmで10分間遠心分離を行った後、上清を新しいチューブに移し、3M酢酸ナトリウム溶液1.2mLとイソプロパノール13mLを添加し、ボルテックスで撹拌した。Total RNAを沈殿させるために、−20℃で30分間インキュベートした。インキュベート後、4℃、15000rpmで10分間遠心し、上清を取除くことでTotal RNAの沈殿を回収した。回収したTotal RNAは70%エタノールで2度洗浄したのち、RNase freeの水で溶解させた。
回収したTotal RNAをもとに、cDNAを合成した。cDNAの合成はPrimeScript II 1st strand cDNA Synthesis Kit(Takara)の説明書に従って行った。
作製した1st strand cDNAを鋳型にCPTおよびNgBrの遺伝子の取得を行った。PCRはKOD−plus−Neo(TOYOBO)を使用し、説明書に従って行った。PCRは、98℃で10秒、58℃で30秒、68℃で1分を1サイクルとして、35サイクル行った。
CPTの遺伝子取得はプライマーとして、
プライマー1:5′−tttggccattacggccatggaattatacaacggtgagagg−3′
と、
プライマー2:5′−tttggccgaggcggccttattttaagtattccttatgtttc−3′
を使用した。
また、NgBrの遺伝子取得はプライマーとして、
プライマー3:5′−tttggccattacggccatggatttgaaacctggag−3′
と、
プライマー4:5′−tttggccgaggcggcctcatgtaccataattttgctgcac−3′
を使用した。
上述の方法により、CPTの遺伝子が2種類(HRT1、HRT2)、NgBrの遺伝子が1種類(NgBr)得られた。得られた3種類の遺伝子について、その配列を同定し、全長の塩基配列及びアミノ酸配列を同定した。HRT1の塩基配列を配列番号1に、HRT2の塩基配列を配列番号3に、NgBrの塩基配列を配列番号5に示した。また、HRT1のアミノ酸配列を配列番号2に、HRT2のアミノ酸配列を配列番号4に、NgBrのアミノ酸配列を配列番号6に示した。
(ベクターの構築)
上記計3種類の増幅、取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRT1、pGEM−HRT2、pGEM−NgBrを作製した。
(大腸菌の形質転換)
上記作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンとX−galを含むLB寒天培地上で培養し、青/白スクリーニング法によって目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス)を使用した。
回収したプラスミドに挿入された遺伝子の塩基配列に変異がないことをシークエンス解析により確認した。
〔CPTをコードする遺伝子及びNgBrをコードする遺伝子を発現させた形質転換酵母の作製〕
上記(ベクターの構築)で作成したベクターを鋳型としたPCRによって、酵母発現用ベクターに挿入するためのHRT1遺伝子、HRT2遺伝子、NgBr遺伝子を獲得した。
HRT1及びHRT2の遺伝子取得はプライマーとして、
プライマー5:5′−gacgcccgggaggccatgaa−3′
と、
プライマー6:5′−cagcttcctcccgggctttg−3′
を使用した。
また、NgBrの遺伝子取得はプライマーとして、
プライマー7:5′−tttctcgagatggatttgaaacctggagctg−3′
と、
プライマー8:5′−tttctcgagtgtaccataattttgctgcac−3′
を使用した。
上記取得したDNA断片にdA付加を行った後、pGEM−T Easy Vector System(Promega)を利用してpGEM−T Easy Vectorに挿入し、pGEM−HRT1 YE、pGEM−HRT2 YE、pGEM−NgBr YEを作製した。
上記(大腸菌の形質転換)に記載した方法と同様にして、上記作製したVectorを用いて大腸菌の形質転換、プラスミドの回収、塩基配列の確認を行った。そして、塩基配列に変異のないことが確認されたpGEM−HRT1 YE、pGEM−HRT2 YEを制限酵素SmaIで処理し、同様にSmaIで処理したpGK426に挿入して、pGK−HRT1、pGK−HRT2を作製した。
同様に、塩基配列に変異のないことが確認されたpGEM−NgBr YEを制限酵素XbaIで処理し、同様にXbaIで処理したpGK425に挿入して、pGK−NgBrを作製した。
上記作製したプラスミドを使用して、酵母SNH23−7D株の形質転換を行った。酵母の二重形質転換はPEG法を用いて行った。形質転換体はLeu、Uraを抜いたSD培地上で23℃で3日間培養することによって選別を行った。酵母の二重形質転換体は以下の組み合わせで作製した。
(1)SNH23−7D/pGK426、pGK425(遺伝子挿入なし)
(2)SNH23−7D/pGK−HRT1、pGK425(HRT1単独発現株)
(3)SNH23−7D/pGK−HRT2、pGK425(HRT2単独発現株)
(4)SNH23−7D/pGK−HRT1、pGK−NgBr(HRT1及びNgBrの共発現株)
(5)SNH23−7D/pGK−HRT2、pGK−NgBr(HRT2及びNgBrの共発現株)
なお、SNH23−7D/pGK426、pGK−NgBr(NgBr単独発現株)の形質転換体は得られなかった。
〔酵母ツーハイブリット法〕
上記〔クローニング〕で回収したプラスミドに挿入された目的遺伝子を酵母ツーハイブリット法用のプラスミドに挿入させるため、制限酵素SfiIで処理し、目的遺伝子の切り出しを行った。
(ベクターの構築)
上記切り出した遺伝子を酵母ツーハイブリット用のプラスミドにLigation high ver.2(TOYOBO)を利用して挿入した。酵母ツーハイブリット用のプラスミドはBait用にpBT3−SUC bait vectorを使用し、Prey用にpPR3−N prey vectorを使用した。Prey側にはHRT1又はHRT2を挿入し(pPR−HRT1、pPR−HRT2)、Bait側にはHRT1、HRT2又はNgBrを挿入した(pBT−HRT1、pBT−HRT2、pBT−NgBr)。
(大腸菌の形質転換)
上記酵母ツーハイブリット用に作製したVectorを用いて大腸菌DH5αの形質転換を行い、形質転換体はアンピシリンを含むLB寒天培地上で培養し、目的遺伝子を導入した大腸菌の選別を行った。
上記目的遺伝子を含むプラスミドで形質転換された大腸菌は、LB液体培地上で37℃で一晩培養したのち、菌体を回収し、プラスミドの回収を行った。プラスミドの回収はFast Geneプラスミドミニキット(日本ジェネティクス)を使用した。
(酵母の二重形質転換)
上記回収したプラスミドを使用して、酵母NMY−51株の形質転換を行った。酵母の二重形質転換はPEG法を用いて行った。形質転換体はTrp、Leuを抜いたSD培地上で30℃で三日間培養することによって選別を行った。酵母の二重形質転換体は下記表1に記載の組合せで行った。
上記酵母の二重形質転換体は、Trp、Leu、Ade、Hisを抜いたSD培地上で30℃で三日間培養することにより、酵母ツーハイブリット法によって酵素間相互作用を確認した。この実験では、Bait用プラスミドに導入された遺伝子にコードされる蛋白質と、Prey用プラスミドに導入された遺伝子にコードされる蛋白質との間に相互作用がある場合にのみ、酵母が選択培地上で育つことができるものである。
酵母ツーハイブリット法の評価結果は図1の通りである。図1(a)は、HRT1と、HRT2、NgBrとの相互作用の有無を確認した結果であり、図1(b)は、HRT2と、HRT1、NgBrとの相互作用の有無を確認した結果である。図1(a)においては、右上の画分から時計回りに上記表1における組み合わせNo.1、4、5、6、3に相当する結果を示しており、図1(b)においては、右上の画分から時計回りに上記表1における組み合わせNo.1、7、8、9、2に相当する結果を示している。
図1の評価結果から、図1(a)の上記表1における組み合わせNo.5の場合、すなわち、HRT1とNgBrとの組み合わせ、においてのみ相互作用が認められ、このことから、NgBrはラテックスに含まれるCPTの一つであるHRT1とは相互作用するが、HRT2とは相互作用しないことが分かった。このことからNgBrは全てのCPTと相互作用するわけではなく、特定のCPTと相互作用することがわかる。
この結果からNgBrとHRT1を組み合わせることによりHRT1の活性をより安定化・増強することができると考えられる。
1:pPR3NのPrey用プラスミドと、pBT3−SUCのBait用プラスミドとの組み合わせ
2:pPR3NのPrey用プラスミドと、pBT−HRT1のBait用プラスミドとの組み合わせ
3:pPR3NのPrey用プラスミドと、pBT−HRT2のBait用プラスミドとの組み合わせ
4:pPR−HRT1のPrey用プラスミドと、pBT3−SUCのBait用プラスミドとの組み合わせ
5:pPR−HRT1のPrey用プラスミドと、pBT−NgBrのBait用プラスミドとの組み合わせ
6:pPR−HRT1のPrey用プラスミドと、pBT−HRT2のBait用プラスミドとの組み合わせ
7:pPR−HRT2のPrey用プラスミドと、pBT3−SUCのBait用プラスミドとの組み合わせ
8:pPR−HRT2のPrey用プラスミドと、pBT−HRT1のBait用プラスミドとの組み合わせ
9:pPR−HRT2のPrey用プラスミドと、pBT−NgBrのBait用プラスミドとの組み合わせ
(配列表フリーテキスト)
配列番号1:パラゴムノキ由来のHRT1をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号2:パラゴムノキ由来のHRT1のアミノ酸配列
配列番号3:パラゴムノキ由来のHRT2をコードする遺伝子の塩基配列
配列番号4:パラゴムノキ由来のHRT2のアミノ酸配列
配列番号5:パラゴムノキ由来のNgBrをコードする遺伝子の塩基配列
配列番号6:パラゴムノキ由来のNgBrのアミノ酸配列
配列番号7:プライマー1
配列番号8:プライマー2
配列番号9:プライマー3
配列番号10:プライマー4
配列番号11:プライマー5
配列番号12:プライマー6
配列番号13:プライマー7
配列番号14:プライマー8

Claims (8)

  1. シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子、及び、Nogo B receptorをコードする遺伝子を宿主に導入することにより、該宿主において、シス型プレニルトランスフェラーゼ及びNogo B receptorを発現させ、
    前記宿主が、イソプレノイド産生植物である
    形質転換体。
  2. 前記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、植物由来である請求項1記載の形質転換体。
  3. 前記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、イソプレノイド産生植物由来である請求項2記載の形質転換体。
  4. 前記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子及び/又はNogo B receptorをコードする遺伝子が、パラゴムノキ由来である請求項3記載の形質転換体。
  5. 前記Nogo B receptorをコードする遺伝子が、以下の[3]又は[4]に記載のDNAである請求項1、2、3、又は4に記載の形質転換体。
    [3]配列番号5で表される塩基配列からなるDNA
    [4]配列番号5で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNA
  6. 前記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が、以下の[1]又は[2]に記載のDNAである請求項1、2、3、4、又は5に記載の形質転換体。
    [1]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列からなるDNA
    [2]配列番号1、3のいずれかの配列番号で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
  7. 前記シス型プレニルトランスフェラーゼをコードする遺伝子が、以下の[1−1]又は[2−1]に記載のDNAである請求項6記載の形質転換体。
    [1−1]配列番号1で表される塩基配列からなるDNA
    [2−1]配列番号1で表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつイソプレノイド化合物の鎖長をシス型に延長する反応を触媒する酵素活性を有する蛋白質をコードするDNA
  8. 請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載の形質転換体を用いたポリイソプレノイドの製造方法。
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