JP3038260U - ワイヤーソー用の多溝ローラー - Google Patents
ワイヤーソー用の多溝ローラーInfo
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- JP3038260U JP3038260U JP1996012771U JP1277196U JP3038260U JP 3038260 U JP3038260 U JP 3038260U JP 1996012771 U JP1996012771 U JP 1996012771U JP 1277196 U JP1277196 U JP 1277196U JP 3038260 U JP3038260 U JP 3038260U
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- groove roller
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- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ワイヤーソー用多溝ローラーの軸受け部の損
傷を防止し耐用期間の延長を図るとともに、使用時のロ
ーラーの温度上昇による加工精度の低下を解消する。 【解決手段】 多溝ローラーの主体をセラミックスで形
成し、ワイヤーソーの軸受け部に装着する軸部表面に金
属製スリーブを接着剤を用いて装着したワイヤーソー用
多溝ローラーとする。
傷を防止し耐用期間の延長を図るとともに、使用時のロ
ーラーの温度上昇による加工精度の低下を解消する。 【解決手段】 多溝ローラーの主体をセラミックスで形
成し、ワイヤーソーの軸受け部に装着する軸部表面に金
属製スリーブを接着剤を用いて装着したワイヤーソー用
多溝ローラーとする。
Description
【0001】
本考案は、複数の多溝ローラーを配置し、該多溝ローラーのワイヤー溝にワイ ヤーを巻き付け張設することにより多数のワイヤー列を形成し、シリコン、磁性 体、水晶等の被加工物に該ワイヤー列を砥粒と共に押しつけながら摺動させ、切 断又は溝入れ等の加工を行うワイヤーソーに用いる多溝ローラーに関するもので ある。
【0002】
従来のワイヤーソー用多溝ローラーは、主体部を金属で形成し、多溝部は、ナ イロン等の樹脂で形成されていた。現在は、多溝ローラーの精度向上、耐用寿命 をのばすために多溝ローラーの少なくとも多溝部をセラミックスにより形成され るものが考案されているが、該セラミックス製多溝ローラーにおいては、多溝ロ ーラーの軸部を含めてセラミックス化したものは、ワイヤーソーの軸受け(ロー ラーベアリング、ニードルベアリング等)に異常摩耗、異常音等が発生し問題と なる。そのため多溝部をセラミックスとし軸心や軸部を金属で構成したものも用 いられている。しかしセラミックスと金属とは熱膨張係数に差があるため、使用 中の温度上昇にともなう熱膨張差からセラミックスと金属との位置関係に狂いを 生じ加工精度が低下してしまう。
【0003】
ワイヤーソー用多溝ローラーは、ワイヤーソー装置の軸受け(ローラーベアリ ング、ニードルベアリング等)に、多溝ローラーの軸部を挿入することによりワ イヤーソー装置に軸支されている。該多溝ローラーの総ての部分がセラミックス で形成された場合は、金属製の軸受けにセラミックス製ローラーの軸部が挿入さ れることになる。一般にセラミックスの硬度は金属の硬度より大きく、長時間多 溝ローラーを回転させると金属製の軸受けが、セラミックスの軸部による磨耗を 受け、軸受けの磨滅による変形及び軸受けと軸部とのクリアランスが設計値より 大きくなって軸受けと軸にがたが生じる。
【0004】 このため、異常音が発生する問題、及びローラーの回転中心が変化し多溝ロー ラーが振れて回転し加工精度が低下するという問題があった。又、多溝ローラー を回転させるとワイヤーソーの軸受けとローラーの軸部に回転による摩擦熱を発 生するが、金属製の軸受けとセラミックス製の軸部では、熱膨張率が違うため該 軸受けと軸部のクリアランスの値が設計値から外れてしまい、摩擦熱の発生が前 述の軸受けの異常磨耗をさらに悪化させる原因となってしまう。
【0005】 一方、多溝ローラーの主体を金属で形成し、多溝部のみがセラミックスで形成 された多溝ローラーでは、すべてをセラミックスで形成された多溝ローラーと比 較して多溝部の耐磨耗性は変わらず、しかも軸受けの異常磨耗による異常音の発 生、ローラーの偏心による加工精度の低下の問題も発生しない。ところが、ワイ ヤーソーによる加工は、前述のようにワイヤーと砥粒とを被加工物に対して摺動 させながら切断を行う為に、ワイヤーと被加工物から多くの摩擦熱が発生する。
【0006】 この摩擦熱を除去しローラー部を一定温度に保つために、通常ワイヤーソー装 置には、砥液の恒温装置が取り付けられているが、加工部分や多溝ローラー等は 、加工前と加工途中とでは、摂氏5度程度の温度上昇が発生する。そのため多溝 ローラーの主体が金属で形成された場合には、金属がセラミックスより熱膨張率 が大きいので温度上昇により、多溝ローラーの金属製の主体部とセラミックス製 の多溝部の位置関係に狂いを生じ、被加工物の加工精度が低下してしまうという 課題があった。
【0007】
本考案は、ワイヤーソー装置に装着するための軸部を有するワイヤーソー用の 多溝ローラーにおいて、該多溝ローラーの主体部をセラミックスで形成し、該軸 部表面に金属製スリーブを接着剤を用いて装着したことを特徴とするワイヤーソ ー用の多溝ローラーである。
【0008】
多溝ローラーは、様々な構造によりワイヤーソーに取り付けられている。本考 案は、一端はワイヤーソーの軸受けに挿入する軸部を有し、他端にはワイヤーソ ーのローラー軸に嵌合する雌型テーパーとを有するワイヤーソー用の多溝ローラ ーに関するものである。
【0009】 以下、本考案の詳細について図1の実施例および多溝ローラーのワイヤーソー 装置の軸受けへの取り付け状態の1例を示す図2に基づいて説明する。図1にお いて多溝ローラー1の主体部1aは、アルミナで形成されていて、多数のワイヤ ー溝から形成されている溝部1cと、ワイヤーソーに軸支される軸部1bを有し ている。中心部には、軸方向の貫通孔1dが設けられ中空になっており、ワイヤ ーソーに多溝ローラーを取り付ける金具(ローラー軸)が貫通する。貫通孔1d の片端部には取り付け時の軸振れを防ぎ適切な取り付けが可能なようにテーパー 部1eが設けられている。
【0010】 この多溝ローラー主体部は、セラミックスで形成されるが、上記実施例のアル ミナに限定されるものではなく、その他炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア等が用 いられる。該多溝ローラーの軸部1bは、ワイヤーソーの軸受けに装着されるよ う多溝部分より小径になっており、該軸部1bの表面には、金属製スリーブ2が 取り付けられている。この金属製スリーブは、接着剤3によりローラー軸部1b に取り付けられている。
【0011】 金属製スリーブに用いられる金属として本実施例は、ワイヤーソー装置の軸受 けに使用されているものと同等の材質である高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)が 用いられているが、装着される軸受けに適合するものであれば特に限定されるも のではなく、その他の炭素鋼、ステンレス鋼、特殊鋼等や、場合によっては、ニ ッケル合金、銅合金、アルミニウム合金等が用いられる。
【0012】 さらに金属の種類や軸受けの構造及び取り付け方法に適合した寸法、形状のも のが多溝ローラー1の軸部1bに接着剤3を用いて装着される。接着剤3は、例 えばエポキシ系接着剤を用いる。接着後室温にて接着剤を硬化させる。金属製ス リーブの外周部を加工して金属製スリーブと多溝部の同心度の向上を図っても良 い。接着剤としてアルキル樹脂系やメラミン樹脂系のものを用いても良い。
【0013】 さらに、セラミックス部分に金属製スリーブを接着する場合において、接着性 を高めるため金属製スリーブとセラミックスの接着面をある程度荒く、例えば 20S以上とするとセラミックスと金属製スリーブとの接着強度は、より強力と なる。セラミックスと金属製スリーブのクリアランスは、10から100ミクロ ン程度である。
【0014】 図2に、本考案のワイヤーソー用の多溝ローラーをワイヤーソーの軸受けに取 り付ける際の1例をしめす。ワイヤーソーの多溝ローラー用の軸受け4としては 、ボールベアリング、ローラーベアリング、ニードルベアリング等の転がり軸受 けが用いられる。この際、多溝ローラー1の軸部1bの表面に接着剤3で装着さ れた金属スリーブ2の外側に該軸受け4がはめ込まれる。
【0015】 一方、該多溝ローラーの他の端部側(ワイヤーソーの支持体部材側)は、多溝 ローラー1のテーパー部1eにローラー軸5がはめ込められ、該ローラー軸5の 支持体側は、ワイヤーソーの多溝ローラー支持部材の軸受け部7に装着された支 持部材の軸受け6を介してワイヤーソーに支持されている。しかし、本考案の多 溝ローラーのワイヤーソーの軸受けへの取り付けは、図2に示す実施例に限定さ れるものではない。
【0016】 本考案において、ワイヤーソーに装着するための軸部を有するワイヤーソー用 の多溝ローラーにおいて、該多溝ローラーの主体部をセラミックスで形成し、該 軸部表面に金属製スリーブを接着剤を用いて装着する。これにより軸受けと軸部 は同等の硬さとなり、ワイヤーソーの長時間の運転によっても軸受けが軸部によ る磨耗を受けることはない。これによって、軸受けの磨滅による変形や、軸受け と軸部のクリアランスの増加もごくわずかとなり、軸受けと軸部のがたも発生し ない。その為異常音の発生が抑えられ、軸部の回転中心も狂わず多溝ローラーを 長時間安定して回転させることが出来る。さらに軸受けと軸部が金属同士のため 熱膨張率に大きな差がなく、軸受けと軸部のクリアランスの変化を小さくする事 が出来る。その結果ワイヤーソー軸の回転による摩擦熱の発生による影響も小さ くなる。さらに主体がセラミックスで形成されているため、主体が金属製の多溝 ローラーに較べて剛性が高く重量も軽く加工中の熱変化による多溝ローラーの変 形も少ない等セラミックスの本来の特長を十分に生かした多溝ローラーを提供す る事が出来る。
【0017】
本考案により、ワイヤーソー装置の軸受けの異常磨耗やワイヤーソー用の多溝 ローラーの軸部との熱膨張率の差による異常音の発生、多溝ローラーの回転中心 の狂いの発生を防止する事ができ、被加工物を安定した精度で長時間加工するこ とができる。さらに主体が金属製の多溝ローラーと比較して、多溝ローラーの剛 性が高く、重量も軽く、熱膨張率も小さいため被加工物の加工精度も良くなる。
【図1】本考案のワイヤーソー用の多溝ローラーの実施
例を示す説明図である。
例を示す説明図である。
【図2】本考案のワイヤーソー用の多溝ローラーをワイ
ヤーソーの軸受けに取り付け状態の一例を示す説明図で
ある。
ヤーソーの軸受けに取り付け状態の一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】1 ローラー 1a ローラー主体部 1b ローラー軸部 1c ワイヤー溝 1d 貫通孔 1e テーパー部 2 金属スリーブ 3 接着剤 4 軸受け 5 ローラー軸 6 支持部材の軸受け 7 支持部材の軸受け部
Claims (1)
- 【請求項1】 表面に複数のワイヤー溝を形成した多溝
部及びワイヤーソーの軸受けに装着するための軸部を有
するワイヤーソー用の多溝ローラーにおいて、該多溝ロ
ーラーの主体をセラミックスで形成し、該軸部表面に金
属製スリーブを接着剤により装着したことを特徴とする
ワイヤーソー用の多溝ローラー
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996012771U JP3038260U (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | ワイヤーソー用の多溝ローラー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1996012771U JP3038260U (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | ワイヤーソー用の多溝ローラー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3038260U true JP3038260U (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=43172946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1996012771U Expired - Lifetime JP3038260U (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | ワイヤーソー用の多溝ローラー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3038260U (ja) |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP1996012771U patent/JP3038260U/ja not_active Expired - Lifetime
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