JP3037382B2 - アンチスキツド制御装置 - Google Patents

アンチスキツド制御装置

Info

Publication number
JP3037382B2
JP3037382B2 JP2229779A JP22977990A JP3037382B2 JP 3037382 B2 JP3037382 B2 JP 3037382B2 JP 2229779 A JP2229779 A JP 2229779A JP 22977990 A JP22977990 A JP 22977990A JP 3037382 B2 JP3037382 B2 JP 3037382B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
acceleration
detecting means
detecting
skid control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2229779A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04110262A (ja
Inventor
哲規 矢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2229779A priority Critical patent/JP3037382B2/ja
Publication of JPH04110262A publication Critical patent/JPH04110262A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3037382B2 publication Critical patent/JP3037382B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 概 要 車体の前後方向の加速度を検出する前後加速度検出手
段および車体の横方向の加速度を検出する横加速度検出
手段を設け、これらの検出結果の加算値と、車輪速度検
出手段の検出結果の車輪速度とに基づいて、車輪と路面
との間の摩擦係数の判定や車体速度の演算などを行い、
これらの判定結果や演算結果に基づいて車輪の制動力を
制御する。
前記摩擦係数は、横方向の加速度が前後方向の加速度
より大きい旋回時には、特に内側となつている車輪に関
して小さく補正する。
このように旋回時における内側車輪と外側車輪との荷
重負担の違いに対応して摩擦係数の判定結果を補正し、
前記荷重負担の違いに対しても高精度なアンチスキツド
制御を実現し、制動距離の短縮を図る。
産業上の利用分野 本発明は、車輪と路面との間の摩擦係数が大きくなる
ように制動力を制御して、制動距離を短縮するアンチス
キツド制御装置に関する。
従来の技術 アンチスキツド制御装置は、車輪速度および車体速度
などに基づいて、車輪と路面との間の摩擦係数が大きく
なるように制動力を制御して、制動距離を短縮する装置
である。
したがつて、ブレーキペダルの踏込みによる制動操作
が行われ、車輪がロツクしかかつて、車輪と路面との間
のスリツプ率が大きくなると、制動油圧の減圧制御が行
われる。この減圧制御によつて車輪速度が回復すると、
再び制動油圧が増圧され、このような減圧/増圧動作お
よび保持動作が繰返されて、前記スリツプ率が小さくな
るように制動力が制御される。
前記減圧制御は、車輪速度が予め定めるスリツプ基準
以下となつた時点で開始される。前記スリツプ基準は、
典型的な従来技術では、たとえば4つの有輪の各車輪速
度の最大値や、加速度センサによつて検出される車体の
前後方向の加速度の積算値などから求められる車体速度
に基づいて決定されている。すなわち、たとえば前記車
体速度に予め定める係数、たとえば0.85が乗算されて求
められている。
発明が解決しようとする課題 したがつて上述の従来技術では、旋回時には、内側車
輪と外側車輪との回転半径の差によつて、各車輪毎に最
適な制御を行うことができないという問題がある。
すなわち、内側車輪は外側車輪に比べて回転半径が小
さいため、車輪速度が低く、このため同一のスリツプ基
準で減圧制御が行われてしまうと、内側車輪の制動油圧
は外側車輪に比べて緩め気味となる。したがつて制動距
離が延びてしまうとともに、車体が不安定である。
また一般に、アンチスキツド制御装置の制御系統は、
左右の各前輪と、後輪との3系統で構成されており、左
右の後輪のうち、低い方の車輪速度に基づいて、これら
左右の後輪が共に制御される、いわゆるセレクトロー制
御が行われ、車体の安定性の確保が図られている。した
がつて上述の従来技術では、旋回時には、左右両後輪
は、内側の後輪の車輪速度に基づいて減圧制御されるた
め、これによつてもまた制動距離が延びてしまう。
本発明の目的は、旋回時においても高精度なアンチス
キツド制御を行うことができるアンチスキツド制御装置
を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手
段と、 車体の前後方向の加速度を検出する前後加速度検出手
段と、 車体の横方向の加速度を検出する横加速度検出手段
と、 前記前後加速度検出手段および横加速度検出手段の検
出結果と、前記車輪速度検出手段の検出結果とから車輪
と路面との間の摩擦係数を判定し、かつ横方向の加速度
が前後方向の加速度よりも大きいときには、前記判定の
結果を小さく補正する判定手段と、 前記車輪速度検出手段の検出結果および判定手段の判
定結果に基づいて車輪の制動力の制御を行う制御手段と
を含むことを特徴とするアンチスキッド制御装置であ
る。
また本発明の前記判定手段は、前記前後方向の加速度
と横方向の加速度との加算値を前記摩擦係数の判定に使
用することを特徴とする。
さらにまた本発明は、車輪の回転速度を検出する車輪
速度検出手段と、 車体の加速度を検出する加速度検出手段と、 車体が旋回状態にあることを検出する旋回検出手段
と、 前記加速度検出手段の検出結果と、前記車輪速度検出
手段の検出結果とから車輪と路面との間の摩擦係数を判
定し、かつ前記旋回検出手段の検出結果に応答し、車体
が旋回状態にあるときには、前記判定の結果を小さく補
正する判定手段と、 前記車輪速度検出手段の検出結果および判定手段の判
定結果に基づいて車輪の制動力の制御を行う制御手段と
を含むことを特徴とするアンチスキツド制御装置であ
る。
また本発明の前記旋回検出手段は、車体の横方向の加
速度を検出する横加速度検出手段であることを特徴とす
る。
さらにまた本発明の前記判定手段は、前記補正を、旋
回時の内側の車輪に関して行うことを特徴とする。
作 用 本発明に従えば、車体の前後方向の加速度を前後加速
度検出手段によつて検出し、車体の横方向の加速度を旋
回検出手段である横加速度検出手段によつて検出する。
判定手段は、前記2つの加速度検出手段の検出結果を加
算するなどして、車体の走行方向の加速度を演算し、そ
の演算結果に基づいて車体速度などを求めるとともに、
少なくとも車輪と路面との間の摩擦係数の判定を行う。
また判定手段は、横方向の加速度が前後方向の加速度
より大きいときには、前記摩擦係数を、特に旋回時に内
側となつている車輪に関して小さく補正する。
前記判定手段での判定結果や演算結果は制御手段に与
えられており、この制御手段は前記判定結果や車体速度
などに基づいて、車輪速度検出手段によつて検出される
車輪の回転速度に対応して、車輪の制動力の制御を行
う。
したがつて、急制動急旋回時のように、車体の横方向
の加速度、すなわち旋回力が大きい場合であつても、内
側車輪と外側車輪との荷重負担に対応して前記摩擦係数
の判定結果を補正し、前記荷重負担の違いに対しても高
精度なアンチスキツド制御を行う。
実施例 第1図は、本発明の一実施例の原理を説明するための
機能ブロツク図である。車体の前後方向の加速度を検出
する前後加速度センサ3aからの出力は、入力処理部51a
を介して、車体速度演算部52および摩擦係数判定部53に
入力される。同様に、車体の横方向の加速度を検出し、
旋回検出手段である横加速度センサ3bからの出力は、入
力処理部51bを介して、前記車体速度演算部52および摩
擦係数判定部53に入力される。
車体速度演算部52および摩擦係数判定部53は、車体の
前後方向の加速度と、車体の横方向の加速度との和の加
速度を演算する。さらに車体速度演算部52は、こうして
求められた車体加速度を積算して、車体速度を演算し、
アンチスキツド制御部54へ出力する。
一方、各車輪には車輪速度センサ1a〜1dが設けられて
おり、これら各車輪速度センサ1a〜1dからの車輪速度信
号は、車輪速度演算部55で各車輪の車輪速度に変換され
た後、前記アンチスキツド制御部54に入力される。
また車輪速度演算部55からの出力は、前記摩擦係数判
定部53に入力されており、摩擦係数判定部53は、加速度
センサ3a,3bの出力から求められる前記車体加速度と、
車輪速度とから、車輪と路面との間の摩擦係数を判定
し、その判定結果をアンチスキツド制御部54へ出力す
る。
アンチスキツド制御部54は、たとえば前記車体速度演
算部52で求められた車体速度と、摩擦係数判定部53で求
められた摩擦係数とに対応してスリツプ基準を設定し、
前記車輪速度がこのスリツプ基準以下となると、後述す
るアクチユエータ13a〜13dに減圧信号を出力して、制動
油圧の減圧制御を行い、こうしてアンチスキツド制御が
実現される。
第2図は本発明が実施されるアンチスキツド制御装置
の電気的構成を示すブロツク図であり、第3図はそのア
ンチスキツド制御装置の制動油圧の配管経路図である。
各車輪34a〜34dに設けられている車輪速度センサ1a〜1d
は、車輪34a〜34dの回転速度をそれぞれ検出する。
これらの車輪速度センサ1a〜1dは、たとえば車輪軸に
固定された強磁性の検出板の周方向に、等間隔で多数の
切欠きと突起とを設け、その検出板の周近傍に設けられ
た電磁ピツクアツプ、または光センサなどによつて、車
輪の回転速度に比例した周波数の車輪速度信号を導出す
るように構成されている。これら車輪速度センサ1a〜1d
からの車輪速度信号は、アンチスキツド制御回路4内の
波形整形回路5a〜5dに与えられ、パルス信号に波形整形
された後、処理回路2に入力される。
前記加速度センサ3a,3b(以下、総称するときは参照
符3で示す)は、後述するように加速度に応じたレベル
のアナログ信号を出力する。これらの加速度センサ3か
らの出力信号は、それぞれアナログ/デジタル変換回路
6a,6b(総称するときは参照符6で示す)に与えられ、
デジタル値に変換された後、処理回路2に与えられ、不
要成分を除去するためのデジタルフイルタ処理が行われ
る。処理回路2は、これらの加速度センサ3および前記
車輪速度センサ1a〜1dからの出力に基づいて演算動作を
行い、アンチスキツド制御を行う。
処理回路2にはまた、ブレーキペダル30が踏込まれた
ことを検出するスイツチ7からの出力が、レベル変換回
路8によつて該アンチスキツド制御回路4内において適
合する電圧レベルに変換された後、入力される。このア
ンチスキツド制御回路4内の各回路には、電源スイツチ
10を介して入力されるバツテリ11からの電圧が、電源回
路9で安定化された後、供給される。
処理回路2は、上述のようにして入力された入力結果
に基づいて、後述する三位置電磁制御弁32a〜32dおよび
ホイールシリンダ33a〜33dによつて構成されるアクチユ
エータ13a〜13dを駆動制御し、アンチスキツド制御動作
を行う。すなわち、ソレノイドリレー駆動回路14を介し
てリレー15のリレーコイル15aを励磁し、これによつて
リレースイツチ15bが導通する。このリレースイツチ15b
を介して、前記各アクチユエータ13a〜13dの一方の入力
には、共通のハイレベルの電圧が印加される。これらの
アクチユエータ13a〜13dの他方の入力には、それぞれソ
レノイド駆動回路12a〜12dを介して、処理回路2からの
制御出力が与えられる。これによつて三位置電磁制御弁
32a〜32dは、後述するように制動油圧を増圧または減
圧、もしくは保持のいずれかの状態に制御する。
また処理回路2は、モータリレー駆動回路18を介し
て、リレー16のリレーコイル16aに出力を導出し、これ
によつてこのリレー16のリレースイツチ16bに接続され
る制動油圧発生のためのモータ17が駆動制御される。さ
らにまた処理回路2は、アンチスキツド制御に異常が発
生したときには、ランプ駆動回路20を介して警告灯19を
点灯する。
第3図を参照して、ブレーキペダル30が踏込まれる
と、マスターシリンダ31内に制動油圧が発生し、該制動
油圧は、管路P1〜P4を経由して前記三位置電磁制御弁32
a〜32dに供給され、さらに管路P5〜P8を介してホイール
シリンダ33a〜33dに供給される。これによつて、車輪34
a〜34dは制動され、車体速度は低下する。
車輪34a〜34dの回転速度は、車輪速度センサ1a〜1dに
よつてそれぞれ検出され、前記アンチスキツド制御回路
4に入力される。また、車体に固定されている加速度セ
ンサ3によつて検出された車体加速度を表す出力信号
も、アンチスキツド制御回路4に入力される。
アンチスキツド制御回路4は、アンチスキツド制御を
開始すべき条件を満たしていると判断すると、モータ17
によつて発生された制動油圧を、管路P9を介してマスタ
ーシリンダ31に与えるとともに、前記三位置電磁制御弁
32a〜32dを増圧、減圧、または保持のいずれかに制御
し、ホイールシリンダ33a〜33dの制動油圧を制御する。
これによつて、車輪34a〜34dのスリツプ率は、高い摩擦
制動力が路面に対して作用する値に制御される。
第4図は前記加速度センサ3の電気的構成を示すブロ
ツク図であり、第5図はその加速度センサ3による加速
度測定原理を説明するための図である。加速度センサ3
の加速度検出部41は、矢符Aで示される車体の走行方向
とは交差する方向において、相互に平行に配置される3
枚の金属板41a,41c,41bから構成されている。したがつ
て隣接する金属板41a,41c;41c,41bによつて2つのコン
デンサ41ac,41cbが構成される。
金属板41a,41bは固定されており、金属板41cは前記矢
符A方向に変位可能に構成されている。したがつて、矢
符A方向の加速度が加わつて金属板41cが変位すると、
コンデンサ41acの静電容量Cacと、コンデンサ41cbの静
電容量Ccbとは、第6図で示されるように変化する。
したがつて、この静電容量Cac,Ccbの変化から加速度
を検出することができる。上述のように構成された加速
度検出部41の一方のコンデンサ41acには、発振器42から
第7図(1)で示されるような矩形波パルスが印加さ
れ、他方のコンデンサ41cbには、前記矩形波パルスが反
転バツフア43で、第7図(2)で示されるように反転さ
れた後、印加される。
加速度検出部41の出力は、コンデンサ41ac,41cbの接
続点41eから導出され、増幅器44で、たとえば20dB程度
増幅された後、スイツチ45からローパスフイルタ(略
称、LPF)46を介して、前記アナログ/デジタル変換回
路6に導出される。
スイツチ45には、第7図(1)で示される前記発振器
42からの矩形波パルスが与えられており、該スイツチ45
はこのパルスがハイレベルであるときに導通し、ローレ
ベルであるときに遮断する。
したがつて、第7図(3)で示されるように、加速度
が加わつていない時刻t0以前では、前記接続点41eから
は0レベルの出力が導出され、加速度が加わつた時刻t0
以後では、その加速度に応じたレベルの出力が導出され
る。この出力は、スイツチ45において、発振器42からパ
ルスが導出されていない期間における出力、すなわち0
レベルの出力が遮断された後、LPF46で平滑化されて出
力される。
したがつて、JターンやUターンなどの急制動急旋回
が行われたときには、前後加速度センサ3aによつて検出
される車体の前後方向の加速度は、第8図(1)におい
て時刻t1で示される制動を開始した時点から負側に増加
し、時刻t2で示される旋回を開始した時点で回復に転
じ、車体の姿勢が90度変位した時刻t3において最小値と
なる。その後、再び旋回が終了する時刻t4まで増加し、
旋回が終了すると回復してゆく。
これに対して、横加速度センサ3bによつて検出される
車体の横方向の加速度は、第8図(2)で示されるよう
に、旋回を開始した前記時刻t2から増加してゆき、車体
の姿勢が90度変位した前記時刻t3で最大値となり、その
後旋回が終了する前記時刻t4まで減少してゆく。
したがつて本実施例では、第8図(1)で示される車
体の前後方向の加速度と、第8図(2)で示される横方
向の加速度との和の加速度に基づいて摩擦係数μの判定
を行い、その判定結果はたとえば第8図(3)において
参照符k1で示されるようになる。これに対して、車体の
前後方向の加速度のみで摩擦係数μの判定を行つた場合
には、高μ路であつても、第8図(3)において参照符
k2で示されるように、前記時刻t2〜t4間では、中μまた
は低μに誤判定してしまう。
したがつて、車体の前後方向および横方向の加速度の
和の加速度に基づいて摩擦係数μの判定を行う本発明に
従うアンチスキツド制御装置では、正確に高μ判定を行
うことができる。
なお上述のような摩擦係数μの判定は、以下のように
して行われる。すなわち、車体の前後方向の負の加速度
α1と、横方向の加速度α2との和の加速度α3が0.7G
(Gは重力加速度)以上であるときには高μ判定を行
い、前記0.7G未満であり、0.4G以上であるときには中μ
判定を行い、0.4G未満であり0.2G以上であるときには低
μ判定を行い、0.2G未満であるときには極低μ判定を行
う。
しかしながら旋回時には、内側車輪と外側車輪との間
に荷重負担のずれが生じる。したがつてたとえば車輪が
ロツクしかかつた場合、外側車輪は制動油圧を僅かに緩
めるだけで車輪速度が回復するのに対して、内側車輪は
減圧量を大きく設定しないと車輪速度がなかなか回復し
ない。
このため本実施例では、旋回状態であると判断された
ときには、上述のようにして求められた摩擦係数μを外
側車輪の制御に用い、内側車輪の制御には上述のように
して求められた摩擦係数μよりも一段下の摩擦係数μが
用いられる。すなわち、摩擦係数μの判定結果が高μで
あるときには、外側車輪はこの高μ判定に基づいて制御
を行い、これに対して内側車輪は中μ判定に基づいて制
御を行う。このようにして、荷重負担の違いを摩擦係数
μで補償している。
第9図は、各車輪34a〜34dに対する摩擦係数μの設定
動作を説明するためのフローチヤートである。ステツプ
m1では、前後加速度センサ3aによつて検出された車体の
前後方向の加速度α1が読込まれ、ステツプm2では横加
速度センサ3bによつて検出された横方向の加速度α2が
読込まれる。ステツプm3では、前記ステツプm1,m2で求
められた加速度α1,α2の和の加速度α3が求められ、
こうして車体の走行方向の加速度が求められる。ステツ
プm4では、前記ステツプm3で求められた加速度α3に基
づいて摩擦係数μの判定を行い、その判定結果を全ての
車輪34a〜34dの制御パラメータとして設定する。
ステツプm5では、横方向の加速度α2が前後方向の加
速度α1よりも大きいか否かが判断され、そうであると
き、すなわち急旋回が行われているときにはステツプm6
に移り、内側の車輪の摩擦係数μを前記ステツプm4で設
定された摩擦係数μよりも一段階だけ下の摩擦係数に再
設定して動作を終了し、そうでないとき、すなわち旋回
中でないときには直接動作を終了し、全ての車輪34a〜3
4dが前記ステップm4で設定された摩擦係数μに基づいて
制御される。
第10図は、アンチスキツド制御動作を説明するための
タイミングチヤートである。時刻t11でブレーキペダル3
0が踏込まれると、第10図(4)で示されるように、制
動油圧は上昇を開始する。これによつて車輪加速度が負
側に大きくなり、第10図(2)で示されるように時刻t1
2で予め定める減圧開始基準G11以下となり、さらに第10
図(1)において参照符l11で示されるように、車輪速
度が予め定めるスリツプ基準L11以下となると、その時
刻t13から、前記摩擦係数μに対応して、第10図(3)
で示されるように制動油圧の減圧制御が開始される。
前記スリツプ基準L11は、参照符l12で示され、たとえ
ば後述するようにして求められる車体速度Vsの85%に設
定される。また前記減圧制御は、減圧と保持とが短時間
で交互に切換えられるデユーテイ制御であつて、減圧パ
ルスのデユーテイは摩擦係数μが高い程、低く設定され
る。
前記減圧制御によつて車輪加速度および車輪速度が回
復し、車輪加速度が前記減圧開始基準G11を超えると、
その時刻t14において減圧制御が終了され、保持制御に
移る。しかしながら、車輪速度の落込みが大きかつたと
きには、前記減圧保持制御によつても車輪加速度は収束
せず、時刻t15において一旦減圧開始基準G12以上とな
り、時刻t16でピーク値となつた後、時刻t17で再び前記
増圧開始基準G12未満となる。このときアンチスキツド
制御回路4は、前記時刻t16における車輪加速度のピー
ク値と、前記摩擦係数μとに対応した減圧時間W2だけ制
動油圧を増圧制御する。
前記増圧時間W2は、前記摩擦係数μが高い程、また前
記時刻t16における車輪加速度のピーク値が高い程、長
く設定される。こうして前記車輪加速度が基準G11,G12
内となると、以後は時刻t18,t19で示されるように、予
め定める一定周期W11毎に制動油圧はパルス増圧され
る。
第11図は、アンチスキツド制御動作を説明するための
フローチヤートである。ステツプn1では、初期化処理が
行われ、ステツプn2では、たとえば5msec毎の予め定め
る演算動作タイミングとなつたか否かが判断され、演算
動作タイミングとなつた時点でステツプn3に移る。
ステツプn3では、前記各車輪速度センサ1a〜1dの検出
結果から、各車輪速度が演算される。ステツプn4では、
スイツチ7の出力からブレーキペダル30が踏込まれてい
るか否かが判断され、そうであるときにはステツプn5に
移り、前記ステツプn3で求められた各車輪速度のうちの
最大値が推定車体速度Vsiに設定され、そうでないとき
にはステツプn6に移り、前記各車輪速度のうちの最小値
が前記推定車体速度Vsiに設定される。
前記ステツプn4〜n6で、車輪と路面との間のスリツプ
による影響が除去された推定車体速度Vsiが求められた
後にはステツプn7に移り、前記ステツプm3で求められた
加速度α3が積算されて車体速度Vsが求められる。この
ようにして、アンチスキツド制御のためのパラメータが
求められるとステツプn8に移り、後述するような制動油
圧の制御が行われる。ステツプn9では、加速度せ差3の
異常判定が行われるとともに、その判定結果が異常であ
るときには、警告灯19を点灯して運転者への報知が行わ
れ、また前記車体速度Vsに推定車体速度Vsiを代入する
などのセルフセーフ処理が行われる。
第12図は、前記ステツプn8における制動油圧の制御動
作を詳細に説明するためのフローチヤートである。アン
チスキツド制御動作が実行されると、ステツプs1におい
て、現在アンチスキツド制御が実行されているか否かが
判断され、そうでないときにはステツプs2で、アンチス
キツド制御を開始すべき条件を満足しているか否かが判
断される。この制御開始条件とは、たとえば車輪34a〜3
4dがロツクした場合、あるいは車輪速度が前記予め定め
るスリツプ基準L11以下となつた場合などである。
前記アンチスキツド制御開始条件が満足されていると
きにはステツプs3に移り、処理回路2の予め定めるメモ
リ領域に、ホイールシリンダ33a〜33dに減圧動作を行わ
せるための減圧フラグがセツトされ、ステツプs4に移
る。前記ステツプs1において、すでにアンチスキツド制
御が行われているときには、直接ステツプs4に移る。ス
テツプs4では、アンチスキツド制御を終了すべき条件が
満足されているか否かが判断される。この制御終了条件
とは、たとえばブレーキペダル30の操作が解除された場
合、あるいは前記車体速度Vsが5km/h以下となつた場合
などである。
ステツプs4においてアンチスキツド制御終了条件が満
足されているとき、および前記ステツプs2においてアン
チスキツド制御開始条件が満足されていないときにはス
テツプs18に移り、アクチユエータ13a〜13dの三位置電
磁制御弁32a〜32dが増圧位置に設定され、アンチスキツ
ドは非制御とされる。したがつて、ブレーキペダル30の
踏込みによつてマスターシリンダ31内に生じた制動油圧
が、ホイールシリンダ33a〜33dに伝達され、通常の制動
動作が行われる。
前記ステツプs4において、アンチスキツド制御終了条
件が満足されていないときにはステツプs5に移り、ホイ
ールシリンダ33a〜33dの制動油圧の増減を制御するフラ
グの判定が行われる。アンチスキツド制御の開始時に
は、前記ステツプs3で示されるように、減圧フラグがセ
ツトされているため、ステツプs6に移る。ステツプs6で
は減圧制御を終了すべきか否かが判断され、そうでない
ときにはステツプs7で、前記摩擦係数μに対応したデユ
ーテイで減圧パルスのパルス幅制御が行われて、減圧出
力と保持出力との割合が変化される減圧制御が行われ
る。
また、前記ステツプs6において減圧制御を終了すべき
とき、すなわち車輪速度が回復し始めた時点ではステツ
プs8に移り、ホイールシリンダ33a〜33dの制動油圧を一
定に保つための保持フラグがセツトされ、ステツプs9に
移る。このようなアンチスキツド制御動作が繰返し行わ
れ、前記ステツプs5においてすでに保持フラグがセツト
されているときにも、このステツプs9に移る。ステツプ
s9では保持終了条件が満足されたかどうかが判断され、
そうでないときにはステツプs10で三位置電磁制御弁32a
〜32dが保持位置に設定されて保持制御が行われた後、
動作を終了する。
ステツプs9において、車輪速度が回復したと判定され
る保持終了条件が満足されていると、ステツプs11でホ
イールシリンダ33a〜33dの制動油圧を増圧させるための
増圧フラグがセツトされ、ステツプs12に移る。また前
記ステツプs5においてすでに増圧フラグがセツトされて
いるときには、直接ステツプs12に移る。このステツプs
12では増圧終了条件が満足されたか否かが判断され、そ
うでないときには、ステツプs13で前記三位置電磁制御
弁32a〜32dが増圧位置に設定されて増圧制御が行われた
後、動作を終了する。
この増圧制御は、前述のように、減圧制御によつて回
復した車輪加速度のピーク値と、前記ステツプm4または
m6でセツトされた摩擦係数μとに基づいて行われる。前
記増圧終了条件とは、たとえば車輪速度回復時に得られ
た車輪加速度によつて決定される増圧時間が経過した場
合などである。
前記ステツプs12において増圧終了条件が満足されて
いるときにはステツプs14に移り、ホイールシリンダ33a
〜33d内の制動油圧を緩やかに増圧するためのパルス増
圧フラグがセツトされてステツプs15に移る。また前記
ステツプs5においてパルス増圧フラグがすでにセツトさ
れているときには、直接ステツプs15に移る。このステ
ツプs15では、パルス増圧制御の終了条件が満足されて
いるか否かが判断され、そうでないときには、ステツプ
16で前記三位置電磁制御弁32a〜32dのパルス増圧制御が
継続されて動作を終了する。ステツプs15においてパル
ス増圧制御の終了条件が満足されているときには、ステ
ツプs17で減圧フラグがセツトされた後、前記ステツプs
7に移り減圧制御が行われる。
このように本発明に従うアンチスキツド制御装置で
は、車体の前後方向の加速度α1と、横方向の加速度α
2との和の加速度α3に基づいて摩擦係数μを判定する
ので、高μ路での急制動、急旋回時における摩擦係数μ
の誤判定を防止して、高精度なアンチスキツド制御を実
現することができる。
また横方向の加速度α2が前後方向の加速度α1より
も大きいときには、内側車輪の摩擦係数μを一段階だけ
低く補正するので、前記急制動、急旋回時のように旋回
力が大きい場合であつても、内側車輪と外側車輪との荷
重負担に対応した高精度なアンチスキツド制御を行うこ
とができる。これによつて制動距離を短縮することがで
きるとともに、車体の安定性を確保することができる。
なお上述の実施例では、急旋回が判定されたときに
は、内側車輪の摩擦係数μを一段階だけ低く補正したけ
れども、本発明の他の実施例として、外側車輪について
も内側車輪と同様に一段階だけ低い摩擦係数で制御を行
い、安定性を確保するようにしてもよい。
また上述の実施例では、車体の横方向の加速度α2が
前後方向の加速度α1より大きくなつた時点で車体が旋
回状態であると判定したけれども、本発明の他の実施例
として、前記旋回状態であるか否かの判定は、左右の車
輪速度の差などの他のパラメータに基づいて行われても
よい。
発明の効果 以上のように本発明によれば、車体の前後方向の加速
度と横方向の加速度との加算値と、車輪速度検出手段の
検出結果の車輪速度とに基づいて、車輪と路面との間の
摩擦係数を判定し、また横方向の加速度が前後方向の加
速度より大きいときには、旋回時に内側となつている車
輪に関して、前記判定された摩擦係数を小さく補正する
ので、旋回時における内側車輪と外側車輪との荷重負担
の違いに対応した高精度なアンチスキツド制御を行うこ
とができ、制動距離を短縮することができるとともに、
車体の安定性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の原理を説明するための機能
ブロツク図、第2図は本発明が実施されるアンチスキツ
ド制御装置の電気的構成を示すブロツク図、第3図はア
ンチスキツド制御装置の制動油圧の配管経路図、第4図
は加速度センサ3の電気的構成を示すブロツク図、第5
図は加速度センサ3の測定原理を説明するための図、第
6図は加速度センサ3の測定原理を説明するためのグラ
フ、第7図は加速度センサ3の測定原理を説明するため
の波形図、第8図は急制動急旋回時における加速度の変
化および摩擦係数μの判定結果を示すタイミングチヤー
ト、第9図は摩擦係数μの設定動作を説明するためのフ
ローチヤート、第10図はアンチスキツド制御動作を説明
するためのタイミングチヤート、第11図はアンチスキツ
ド制御動作を説明するためのフローチヤート、第12図は
制動油圧の制御動作を詳細に説明するためのフローチヤ
ートである。 1a〜1d……車輪速度センサ、2……処理回路、3a,3b…
…加速度センサ、4……アンチスキツド制御回路、13a
〜13d……アクチユエータ、51a、51b……入力処理部、5
2……車体速度演算部、53……摩擦係数判定部、54……
アンチスキツド制御部、55……車輪速度演算部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手
    段と、 車体の前後方向の加速度を検出する前後加速度検出手段
    と、 車体の横方向の加速度を検出する横加速度検出手段と、 前記前後加速度検出手段および横加速度検出手段の検出
    結果と、前記車輪速度検出手段の検出結果とから車輪と
    路面との間の摩擦係数を判定し、かつ横方向の加速度が
    前後方向の加速度よりも大きいときには、前記判定の結
    果を小さく補正する判定手段と、 前記車輪速度検出手段の検出結果および判定手段の判定
    結果に基づいて車輪の制動力の制御を行う制御手段とを
    含むことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】前記判定手段は、前記前後方向の加速度と
    横方向の加速度との加算値を前記摩擦係数の判定に使用
    することを特徴とする請求項第1項記載のアンチスキッ
    ド制御装置。
  3. 【請求項3】車輪の回転速度を検出する車輪速度検出手
    段と、 車体の加速度を検出する加速度検出手段と、 車体が旋回状態にあることを検出する旋回検出手段と、 前記加速度検出手段の検出結果と、前記車輪速度検出手
    段の検出結果とから車輪と路面との間の摩擦係数を判定
    し、かつ前記旋回検出手段の検出結果に応答し、車体が
    旋回状態にあるときには、前記判定の結果を小さく補正
    する判定手段と、 前記車輪速度検出手段の検出結果および判定手段の判定
    結果に基づいて車輪の制動力の制御を行う制御手段とを
    含むことを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】前記旋回検出手段は、車体の横方向の加速
    度を検出する横加速度検出手段であることを特徴とする
    請求項第3項記載のアンチスキッド制御装置。
  5. 【請求項5】前記判定手段は、前記補正を、旋回時の内
    側の車輪に関して行うことを特徴とする請求項第1項、
    第2項、第3項および第4項のいずれかに記載のアンチ
    スキッド制御装置。
JP2229779A 1990-08-30 1990-08-30 アンチスキツド制御装置 Expired - Fee Related JP3037382B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2229779A JP3037382B2 (ja) 1990-08-30 1990-08-30 アンチスキツド制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2229779A JP3037382B2 (ja) 1990-08-30 1990-08-30 アンチスキツド制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04110262A JPH04110262A (ja) 1992-04-10
JP3037382B2 true JP3037382B2 (ja) 2000-04-24

Family

ID=16897545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2229779A Expired - Fee Related JP3037382B2 (ja) 1990-08-30 1990-08-30 アンチスキツド制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3037382B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9550480B2 (en) 2011-10-21 2017-01-24 Autoliv Nissin Brake Systems Japan Co., Ltd. Vehicle brake hydraulic pressure control apparatus and road surface friction coefficient estimating device
JP5502052B2 (ja) * 2011-10-21 2014-05-28 日信工業株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04110262A (ja) 1992-04-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3319101B2 (ja) 車両の重力式加速度計
JP2623829B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH01249554A (ja) 四輪駆動車のアンチスキッド制御装置
US20150291156A1 (en) Turning characteristic estimating device for vehicle
JPH01249560A (ja) アンチスキッド制御装置
JPH02225169A (ja) 車両のアンチロック制御方法
JP3037382B2 (ja) アンチスキツド制御装置
JP2669651B2 (ja) 自動車の加速度センサの較正装置
JP2928890B2 (ja) 加速度センサ付アンチスキツド制御装置の加速度センサ異常検出装置
JP2707805B2 (ja) アンチスキッドブレーキ制御方法
JP2772838B2 (ja) 車両のアンチロック制御方法
JPH0415154A (ja) 車両のアンチロック制御方法
JPH04100766A (ja) アンチスキツド制御装置
JPH02151556A (ja) 車両の旋回運動制御装置
JP3487333B2 (ja) 車体速度推定装置
JP2811749B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2787480B2 (ja) 車両のアンチロック制御方法
JP2790519B2 (ja) アンチスキツド制御方式
JPH089319B2 (ja) アンチスキツド制御装置
JP3885492B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JP2670791B2 (ja) アンチロック制御方法
JPH03281465A (ja) アンチスキツド制御装置
JPH11190741A (ja) Gセンサの出力値を車輌の加減速度に変換する方法及びgセンサの異常検出方法
JP2765047B2 (ja) アンチスキッド制御装置
JPH08268249A (ja) 摩擦係数算出装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees