JP3037131B2 - アルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法 - Google Patents

アルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法

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JP3037131B2 JP8059609A JP5960996A JP3037131B2 JP 3037131 B2 JP3037131 B2 JP 3037131B2 JP 8059609 A JP8059609 A JP 8059609A JP 5960996 A JP5960996 A JP 5960996A JP 3037131 B2 JP3037131 B2 JP 3037131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミスラブの熱
間圧延の前処理を行うアルミスラブ用プッシャ炉の操炉
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミスラブの熱間圧延に際し
て、例えば図5に示すシュープッシャ式加熱炉で、加熱
(昇温),均熱,冷却(急冷→復熱),均熱等の工程に
よりアルミスラブ1に所定の熱履歴が与えられる。この
シュープッシャ式加熱炉は、複数のゾーン、図示する例
ではNo.1ゾーンからNo.7ゾーンまでの七つの独立
温度制御ゾーンに区画され、各ゾーンは複数の処理材、
図示する例では4個の処理材であるアルミスラブ1が位
置する空間を有するとともに、加熱手段と冷却手段とを
併有し、各ゾーン先端部に当該ゾーンの先頭処理材の材
料表面温度を検出する測温計を備えた構成からなり、温
度制御装置3により各ゾーンは加熱或いは冷却等の制御
がなされるようになっている。
【0003】そして、通常このシュープッシャ式加熱炉
では、次のような操業方法が採用されている。処理温度
に保持された炉内にシュー上に載置されたアルミスラブ
1を、順次、例えば5分毎に装入させ、炉内全域にアル
ミスラブ1が位置するか、当該ロットの全アルミスラブ
の装入が完了すると(1ロットが炉内に入り得るスラブ
量未満のときは炉内全域には充填されることはない)、
アルミスラブ1の装入を一旦停止させる。一方、各ゾー
ンの温度制御は、各ゾーンの先頭処理材の表面温度を測
温計により定期的に、例えば5分毎に測定を行う。ま
た、抽出可能な状態の可否は炉の最も抽出端に近いゾー
ンにおける先頭処理材が、復熱後の均熱温度、例えば目
標温度±5〜10℃に達することにより、当該ゾーンの
アルミスラブ群が復熱後の均熱状態であると判断して、
圧延開始信号を出力し抽出可能な状態とする。
【0004】そして、抽出作業の開始は、抽出スラブが
復熱後の均熱状態であることに加えて、炉内の各ゾーン
が急冷中の状態でないことが条件となり、抽出作業はこ
れらの2条件がすべて満足された時点で行われる。炉内
の各ゾーンが急冷中の状態でないことを条件とする理由
は、プッシャによる炉内の全アルミスラブの移動ととも
に行われる抽出作業に伴って、急冷中のゾーンでは、急
冷未完了状態のアルミスラブが復熱工程に移行するこ
と、および均熱中ゾーンでは、均熱未完了状態のアルミ
スラブが急冷工程に移行することが考えられ、急冷中の
ゾーンに進入または急冷中のゾーンから退去するスラブ
に関しては所望の熱履歴を得られるという検証ができな
くなるためである。一方、各ゾーンでの運転モードの変
更、即ち加熱から均熱或いは均熱から冷却さらには冷却
から均熱等の切り替えは、各ゾーンの先端部に設けた測
温計により先頭処理材の表面温度を測定して、当該ゾー
ンの先頭処理材が所定の表面温度に達したと判断される
時に実施している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の操業方法で
は、各ゾーンの先頭材の表面温度のみに基づき、即ち各
ゾーンの先頭処理材以外のアルミスラブの温度状態につ
いては何等考慮することなく、各ゾーンの運転モードの
切り替えを行っている。したがって、仮にNo.1ゾー
ンが急冷中であれば、No.1ゾーンの急冷が終了する
までは、No.7ゾーン(抽出端ゾーン)の処理材の処
理が終了していても、炉から処理材を抽出することがで
きず、抽出待ち時間が生じる。次に、具体的に説明す
る。今、各ゾーンにそれぞれ同一ロットの処理材(アル
ミスラブ)1が4個ずつ位置している状態で、装入間隔
を5分間、復熱時間を60分、各ゾーンの急冷開始時刻
差が20分で、急冷所要時間が各ゾーン同一とすれば、
No.7ゾーンの先頭処理材が復熱完了して抽出できる
状態になってから、No.1ゾーンが急冷完了し、処理
材の移動が開始可能となり、No.7ゾーンの先頭処理
材を抽出することができるようになるまで、20分×6
−60分=60分の待ち時間が生じる。
【0006】即ち、No.7ゾーンが復熱完了したとこ
ろであるから、No.7ゾーンについては、復熱開始
後、60分経過したことになる。同様に、No.6ゾー
ンについては、復熱開始後、40分経過し、No.5ゾ
ーンについては、復熱開始後、20分経過したところ
で、No.4ゾーンについては、復熱開始直後の状態に
ある。さらに、No.3ゾーンについては、復熱開始の
20分前の急冷中の状態で、No.2ゾーンについて
は、復熱開始の40分前の急冷中或は急冷前の状態で、
No.1ゾーンについては、復熱開始の60分前の急冷
中或は急冷前の状態にある。No.1ゾーンでの急冷が
完了して、復熱開始の状態にならない限り、No.7ゾ
ーンの抽出はできないため、前述したように60分待ち
ということになる。
【0007】ここに示した例の場合、先頭処理材が抽出
端ゾーンであるNo.7ゾーンの先頭位置(抽出端位
置)まですでに到達しているとして行ったものである
が、実操業においては必ずしもそうとは限らない。もし
も、先頭処理材の処理が終了した時点で他ロットの処理
中のゾーンも含めて、いずれかのゾーンが急冷に入った
とき、先頭処理材が最終ゾーンの先頭位置まで到達して
いなかった場合は、前述した待ち時間に加えて、さらに
先頭処理材が抽出端ゾーンの先頭位置まで移動するのに
要する時間が待ち時間となる。このように、従来の操炉
方法では、待ち時間が長くアルミスラブ用プッシャ炉の
稼働率が悪くなるという問題がある。本発明は、斯る従
来の問題をなくすことを課題としてなされたもので、待
ち時間を短縮し、稼働率の向上を可能としたアルミスラ
ブ用プッシャ炉の操炉方法を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、独立して温度制御して加熱、均熱、急
冷、復熱の内のいずれかの運転モードで稼動させる複数
ゾーンからなるアルミスラブ用プッシャ炉において、各
ゾーンにおける先頭処理材の上部、下部並びに側部の各
表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉温・対
流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基づ
き、当該ゾーンの各スラブの前記表面温度および内部温
度を推定するとともに、各ゾーンの先頭処理材の下表面
温度の実測値に基づき、この先頭処理材の前記表面温度
および内部温度を算出するステップ1と、処理材の材質
および寸法毎に、全処理工程における処理材の各部およ
び炉温について予め定めておいた温度プロフィールを記
憶させた処理条件テーブルにおける前記温度プロフィー
ルの内、各ゾーンの先頭処理材に対応する温度プロフィ
ールと測定した前記表面温度とを比較して、前記温度プ
ロフィール上の前記表面温度が実測表面温度に一致する
ように当該ゾーンの先頭処理材を含む全スラブに対する
前記温度プロフィールを補正し、この補正した温度プロ
フィールに基づいて前記各運転モード内における炉温制
御を実行するステップ2と、当該ゾーンのすべての処理
材の前記表面温度および内部温度をチェックして、これ
らの温度が予め定めた温度条件或は処理時間条件を満た
す状態となる最適タイミングで前記運転モードの切り替
えを行うステップ3とから構成した。
【0009】また、第2発明は、第1発明の構成に加え
て、処理材装入時、プッシャ炉に装入される全アルミス
ラブの温度プロフィールの各データを時系列的に並べ
て、各ゾーンの急冷開始時刻および急冷終了時刻を決定
するようにした。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態を図
面にしたがって説明する。本発明に係る操炉方法は、例
えば前述した図5に示すアルミスラブ用プッシャ炉に適
用される。図1は、温度制御装置3により制御される複
数ゾーンからなるアルミスラブ用プッシャ炉の任意の一
ゾーンの構成およびこれと温度制御装置3との関係を示
したもので、他のゾーンについても同様である。また、
このアルミスラブ用プッシャ炉自体は図5に示すアルミ
スラブ用プッシャ炉と実質的に同一である。プッシャ炉
11には、各ゾーン毎に加熱手段、冷却手段および測温
手段が設けてあり、図1の場合は、これらに相当するも
のとしてバーナ12,冷却ファン13および材料温度計
14と炉温検出部15が設けてある。
【0011】バーナ12により加熱された気体は循環フ
ァン16によりプッシャ炉11内とバーナ12との間を
循環するようになっている。冷却ファン13からの冷却
気体は冷却ダンパ20を経由してプッシャ炉11内に送
り込まれるようになっている。材料温度計14は、各ゾ
ーンの先頭処理材の表面温度を測定するもので、図示す
る例では表面温度測定時にのみ上昇するように、昇降可
能に、アルミスラブ1の下方に設けられ、先頭処理材の
下表面温度を測定している。温度制御装置3には、処理
材データ(形状と種類)の他に、材料温度計14からの
材料温度信号と炉温検出部15からの炉温信号とプッシ
ャ炉11の図示しない駆動制御装置からのアルミスラブ
1に関するトラッキング情報信号とが入力され、各アル
ミスラブ1の装入時からの熱履歴が記憶される。
【0012】また、温度制御装置3は、炉温調節計17
に対して炉温設定値を出力するとともに、可変速駆動装
置18に対して循環ファン16の回転数を決定させる制
御信号を出力する。そして、炉温調節計17は、炉温検
出部15から炉温信号を受けており、この炉温調節計1
7からの信号によりバーナ12への燃料流量または冷却
ダンパ20の開度、即ちスイッチ19を介して冷却ファ
ン13からの風量の調整がなされるようになっている。
さらに、温度制御装置3は、処理条件テーブルを有し、
この処理条件テーブルは、処理材材質および寸法毎に対
応して当該処理材の全処理工程における各部(下表面、
上表面および内部)および炉温の温度プロフィールを記
憶させたものである。
【0013】前記温度プロフィールは当該処理材の処理
材データ(材質,寸法およびヒートパターン等)に基づ
き当該処理材温度の挙動を予測するもので、この計算
は、以下の前提条件の下になされる。 同一ゾーンに
は、同一寸法のアルミスラブが全数装入されている。
計算の対象となっているゾーンおよび次ゾーンがアル
ミスラブの装入と同時に加熱される場合と、全ゾーンが
加熱温度になってからアルミスラブを装入する場合に分
ける。 急冷時の炉温カーブは、アルミスラブの寸法
毎に、予め決定されたいくつかのパターンから選択す
る。この炉温カーブは、各パターン内の最大サイズのア
ルミスラブの冷却を、炉の最大冷却能力で行ったときの
炉温の変化する態様を基本として決定する。 急冷時
に一定時間過冷却になった場合、例えば1ゾーン内のア
ルミスラブ数を4、アルミスラブの最短移動時間間隔を
5分とした場合、当該ゾーン急冷完了と同時にスラブの
移動が発生すれば、その後も5分毎にスラブの移動が発
生するので、スラブ移動開始前に当該ゾーン最後尾にあ
ったスラブは、次ゾーンに出るまで後行スラブの為の急
冷動作中のゾーンに存在する。即ち、その間(4−1)
×5分=15分間過冷却になることがあるので、この場
合の計算も併せて行い、処理必要時間としてはこの場合
の計算結果の所要時間を採用する。
【0014】図3(横軸:時間、縦軸:温度)はアルミ
スラブ表面温度と炉温との関係の一例を示し、曲線I
(実線)がアルミスラブ表面温度、例えば下表面温度、
曲線II(二点鎖線)が炉温を示している。また、図中A
は加熱、Bは第1均熱、Cは急冷、Dは復熱、Eは冷
却、Fは第2均熱の各工程を表している。なお、アルミ
スラブ各部の温度の計算は、例えば差分法・有限要素法
を用いて行うことができる。
【0015】次に、本発明に係るアルミスラブ用プッシ
ャ炉の操炉方法を図2を参照しつつ説明する。ステップ
1(S1)で、処理材装入時、装入されるアルミスラブ
について、この装入処理材の材質および寸法によって処
理条件テーブルから最近上値の温度プロフィールを検索
してこれを採用する。例えば、実際のアルミスラブの寸
法が1000×400×5500(単位:mm)であれば、当該寸
法に最も近くかつ実際のアルミスラブの寸法以上のテー
ブル値(例:1000×400×6000(mm))が最近上値
で、この場合は寸法1000×400×6000(mm)の温度プ
ロフィールを採用することになる。
【0016】そして、炉内に装入される全アルミスラブ
に対して、前記同様にしてアルミスラブの温度プロフィ
ールを決定し、これらの温度プロフィールの各データを
時系列的に並べ、各アルミスラブの急冷開始・終了時刻
を以下の如く定める。例えば、1ゾーン内の処理材であ
るアルミスラブ数を4とした場合、ロット毎に先頭から
4処理材毎にグループ分けし、先頭グループの先頭処理
材の急冷開始時刻を基準とし、例えば最短処理材移動時
間間隔を5分とした場合、後行グループはそれぞれ20
分ずつ遅れた時刻を急冷開始時刻とする。また、急冷終
了時刻をチェックし、同一ロット内の後行グループの急
冷終了時刻が先行グループの急冷終了時刻より早まる場
合は、先行グループの急冷終了時刻に合わせる。
【0017】ついで、アルミスラブの熱処理中は、アル
ミスラブを移動させるプッシャを制御する駆動部制御装
置から炉内処理材(アルミスラブ)の位置トラッキング
情報を受けつつ、各ゾーンにおける先頭処理材の実測し
た下表面温度および炉温・対流流体速度・アルミスラブ
装入時よりの熱履歴から、当該ゾーンにおける各アルミ
スラブの上部、下部並びに側部の各表面温度および内部
温度を推定する。炉内各ゾーンの先頭処理材の下表面温
度は一定時間毎に測定されており、この実測値に基づき
先頭処理材の上表面、側表面および内部の温度を計算に
より求める。そして、ステップ2(S2)で、先頭処理
材の処理条件テーブル上の下表面温度プロフィールと測
定した下表面温度実測値との間に差が発生した場合、先
頭処理材の処理条件テーブル上の時刻と先頭処理材の下
表面温度プロフィール上での下表面温度実測値の位置す
る時刻との差に相当する時間だけ、当該ゾーンの先頭処
理材を含む当該ゾーンの全処理材について実行スケジュ
ール(処理条件テーブル)を補正する。即ち、前記温度
プロフィール上の下表面温度が実測表面温度に一致する
ように当該ゾーンの先頭処理材を含む全スラブに対する
前記温度プロフィールを補正し、この補正した温度プロ
フィールに基づいて炉温制御を実行する。
【0018】例えば、先頭処理材の処理開始2時間後の
処理条件テーブル上の温度プロフィールから求める下表
面温度は300℃であるが、処理開始2時間後に測定し
た先頭処理材の下表面温度実測値が310℃であった場
合、下表面温度310℃に相当する処理条件テーブル上
の処理開始後の経過時間を参照する。そして、仮にその
経過時間が2時間5分であれば、当該ゾーンの先頭処理
材以外の処理材の推定温度として、処理条件テーブル上
の温度プロフィールの時間軸上の先頭処理材処理開始後
2時間5分の点の温度を採用する。
【0019】さらに、図4を参照して詳説する。図4に
おいて、曲線III(実線)は当該ゾーンの先頭処理材の
処理条件テーブル上の下表面温度プロフィール、曲線IV
(二点鎖線)は当該ゾーンの後行処理材の処理条件テー
ブル上の下表面温度プロフィールを示し、横軸上のt1
は前記先頭処理材,t2は後行材の炉装入時刻を示して
いる。そして、炉装入時刻t1からある時間経過したと
き、例えば時刻t3における先頭処理材の処理条件テー
ブル上の下表面温度がT31℃で、実測した先頭処理材の
下表面温度がT32℃であり、T31≠T32のとき、先頭処
理材の実行スケジュールを補正する。即ち、処理条件テ
ーブルの時間軸を進めまたは遅らせる。
【0020】つまり、先頭処理材の処理条件テーブル上
の下表面温度T32℃に相当する時刻t4を処理条件テー
ブルから抽出し、この時刻t4をt3と読みかえて、以
後、処理終了まで処理条件テーブル上の時刻データをす
べて時間(t3−t4)分だけずれた時刻のデータとなる
ように実行スケジュールを補正する。同様に、当該ゾー
ン内の先頭処理材以外の後行処理材についても、処理条
件テーブル上の時刻データをすべて時間(t3−t4)分
だけずれた時刻のデータとなるように実行スケジュール
を補正する。つまり、補正前の後行処理材の処理条件テ
ーブル上の下表面温度がT41℃であるとき、前記補正後
はT42℃に修正される。
【0021】さらに、ステップ3(S3)で、加熱から
均熱或いは急冷から復熱等の処理工程、即ち運転モード
の切り替えを行う。次に、この運転モードの切り替えに
ついて説明する。運転モードの切り替えは、当該ゾーン
のすべての処理材の温度をチェックして、かつ最適タイ
ミングを求め、そのタイミングで行う。具体的には、加
熱から均熱への切り替えはその時点の当該ゾーン内にお
ける全スラブの上部、下部並びに側部の各表面温度と内
部温度がそれぞれ所定の温度に達した時に行う。急冷か
ら復熱への切り替えは、その時点の当該ゾーン内の全ス
ラブの内部温度から現在を含め例えば5分刻みで以後3
0分後までの各タイミングにおいて急冷から復熱に切り
替えた場合の復熱完了時刻を予測し、現時点の復熱完了
予測時刻が最も早い場合に行う。その後、スラブ移動に
伴って前ゾーンから新たなスラブが各ゾーンに進入して
きたとき、それが異なる処理工程のゾーンからの移動で
あれば、再度前述のチェックを行う。そして、均熱中の
ゾーンにおいて進入してきたスラブの各部温度が均熱へ
の切り替え条件を満たしていないときは加熱に戻す。復
熱中ゾーンで現在時刻よりさらに後の時刻の方が復熱完
了予測時刻が早い場合は急冷に戻す。
【0022】このように、本発明に係る操炉方法では、
各ゾーンにおける先頭処理材の実測した下表面温度およ
び炉温・対流流体速度・アルミスラブ装入時よりの熱履
歴から、各ゾーンにおけるすべてのアルミスラブの上
部、下部並びに側部の各表面温度および内部温度を推定
している故に、処理工程の切り替えを最適タイミングで
行うことができ、急冷中のゾーンが存在していても、ア
ルミスラブの移動が可能となっている。
【0023】さらに、このアルミスラブ用プッシャ炉で
は、本発明に係る方法に加えて、ステップ4(S4)が
適用され、各ゾーンの最適コントロールが行われるよう
になっている。即ち、抽出時刻が処理条件テーブル上の
抽出可能時刻より一定時間以上遅れることが明らかな場
合は、循環ファン16、冷却ダンパ20を制御すること
により急冷時の冷風吹き込みによる炉温降下を制限し、
冷却による熱ロスを減少させることによって、省エネル
ギーが図られる。また、加熱・均熱中は炉内に冷風が吹
き込まないように冷却ダンパを制御することによって、
省エネルギーを図るのが望ましいが、炉温設定値の変更
時或いは炉温の偏差がプラスに大きくなったとき、即ち
炉温実測値が設定値を大きく上まったときは斯る制御を
解除し、炉温の制御性を損ねることは防止する。
【0024】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第1発
明によれば、独立して温度制御して加熱、均熱、急冷、
復熱の内のいずれかの運転モードで稼動させる複数ゾー
ンからなるアルミスラブ用プッシャ炉において、各ゾー
ンにおける先頭処理材の上部、下部並びに側部の各表面
温度を定期的に測定し、この測定値および炉温・対流流
体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基づき、当
該ゾーンの各スラブの前記表面温度および内部温度を推
定するとともに、各ゾーンの先頭処理材の下表面温度の
実測値に基づき、この先頭処理材の前記表面温度および
内部温度を算出するステップ1と、処理材の材質および
寸法毎に、全処理工程における処理材の各部および炉温
について予め定めておいた温度プロフィールを記憶させ
た処理条件テーブルにおける前記温度プロフィールの
内、各ゾーンの先頭処理材に対応する温度プロフィール
と測定した前記表面温度とを比較して、前記温度プロフ
ィール上の前記表面温度が実測表面温度に一致するよう
に当該ゾーンの先頭処理材を含む全スラブに対する前記
温度プロフィールを補正し、この補正した温度プロフィ
ールに基づいて前記各運転モード内における炉温制御を
実行するステップ2と、当該ゾーンのすべての処理材の
前記表面温度および内部温度をチェックして、これらの
温度が予め定めた温度条件或は処理時間条件を満たす状
態となる最適タイミングで前記運転モードの切り替えを
行うステップ3とから構成してある。
【0025】また、第2発明によれば、処理材装入時、
プッシャ炉に装入される全アルミスラブの温度プロフィ
ールの各データを時系列的に並べて、各ゾーンの急冷開
始時刻および急冷終了時刻を決定するようにしてある。
【0026】このため、炉内各ゾーンの熱処理工程(加
熱,均熱,急冷,復熱等)がいずれにあるかに拘わら
ず、アルミスラブの移動が可能となり、処理時間が短縮
され、生産性を向上させることが可能となる。また、炉
内全アルミスラブの温度を監視することで、各ゾーンの
温度制御を当該ゾーンに存在する全てのアルミスラブに
対しての作用を考慮して行えるため、表面温度の実測が
行われる各ゾーンの先頭処理材以外の、そしてこの先頭
処理材とは寸法および/または熱履歴の相違するアルミ
スラブが過昇温或いは過冷却されるのを防止でき、品質
の向上が可能となる等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る操炉方法が適用されるアルミ
スラブ用プッシャ炉とその温度制御装置との関係を示す
図である。
【図2】 図1に示す温度制御装置における処理内容を
示すブロック図である。
【図3】 アルミスラブ表面温度、炉温プロフィールの
一例を示す図である。
【図4】 先頭処理材の表面温度実測値から後行処理材
の表面温度を予測する方法を示す図である。
【図5】 アルミスラブ用プッシャ炉の平面レイアウト
の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミスラブ 3 温度制御装置 11 プッシャ炉 12 バーナ 13 冷却ファン 14 材料温度計 15 炉温検出部 16 循環ファン 17 炉温調節計 18 可変速駆動装置 19 スイッチ 20 冷却ダンパ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立して温度制御して加熱、均熱、急
    冷、復熱の内のいずれかの運転モードで稼動させる複数
    ゾーンからなるアルミスラブ用プッシャ炉において、 各ゾーンにおける先頭処理材の上部、下部並びに側部の
    各表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉温・
    対流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基づ
    き、当該ゾーンの各スラブの前記表面温度および内部温
    度を推定するとともに、各ゾーンの先頭処理材の下表面
    温度の実測値に基づき、この先頭処理材の前記表面温度
    および内部温度を算出するステップ1と、 処理材の材質および寸法毎に、全処理工程における処理
    材の各部および炉温について予め定めておいた温度プロ
    フィールを記憶させた処理条件テーブルにおける前記温
    度プロフィールの内、各ゾーンの先頭処理材に対応する
    温度プロフィールと測定した前記表面温度とを比較し
    て、前記温度プロフィール上の前記表面温度が実測表面
    温度に一致するように当該ゾーンの先頭処理材を含む全
    スラブに対する前記温度プロフィールを補正し、この補
    正した温度プロフィールに基づいて前記各運転モード内
    における炉温制御を実行するステップ2と、 当該ゾーンのすべての処理材の前記表面温度および内部
    温度をチェックして、これらの温度が予め定めた温度条
    件或は処理時間条件を満たす状態となる最適タイミング
    で前記運転モードの切り替えを行うステップ3とからな
    ることを特徴とするアルミスラブ用プッシャ炉の操炉方
    法。
  2. 【請求項2】 処理材装入時、プッシャ炉に装入される
    全アルミスラブの温度プロフィールの各データを時系列
    的に並べて、各ゾーンの急冷開始時刻および急冷終了時
    刻を決定することを特徴とする請求項1に記載のアルミ
    スラブ用プッシャ炉の操炉方法。
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JPS63140036A (ja) * 1986-12-02 1988-06-11 Toshiba Corp 連続加熱炉の総括熱吸収率同定装置
JPH01240620A (ja) * 1988-03-16 1989-09-26 Miyamoto Kogyosho:Kk ビレット調質方法とビレット調質炉

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