JPH09249917A - アルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法 - Google Patents

アルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法

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JPH09249917A
JPH09249917A JP5960996A JP5960996A JPH09249917A JP H09249917 A JPH09249917 A JP H09249917A JP 5960996 A JP5960996 A JP 5960996A JP 5960996 A JP5960996 A JP 5960996A JP H09249917 A JPH09249917 A JP H09249917A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 待ち時間を短縮し、稼働率の向上を可能とし
たアルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法を提供する。 【解決手段】 独立して温度制御する複数ゾーンからな
るアルミスラブ用プッシャ炉において、各ゾーンの先頭
材の表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉温
・対流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基
づき、当該ゾーンの各スラブの表面温度および内部温度
を推定するステップ1と、各ゾーンの先頭材の処理条件
テーブル上の温度プロフィールと測定した前記表面温度
とを比較して、設定温度プロフィール上の表面温度が実
測表面温度に一致するように当該ゾーンの先頭材を含む
全スラブに対する実行スケジュールを補正するステップ
2と、当該ゾーンのすべての処理材の温度をチェックし
て運転モードの切り替えを行うステップ3とから構成し
てある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミスラブの熱
間圧延の前処理を行うアルミスラブ用プッシャ炉の操炉
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミスラブの熱間圧延に際し
て、例えば図5に示すシュープッシャ式加熱炉で、加熱
(昇温),均熱,冷却(急冷→復熱),均熱等の工程に
よりアルミスラブ1に所定の熱履歴が与えられる。この
シュープッシャ式加熱炉は、複数のゾーン、図示する例
ではNo.1ゾーンからNo.7ゾーンまでの七つの独立
温度制御ゾーンに区画され、各ゾーンは複数の処理材、
図示する例では4個の処理材であるアルミスラブ1が位
置する空間を有するとともに、加熱手段と冷却手段とを
併有し、各ゾーン先端部に当該ゾーンの先頭材の材料表
面温度を検出する測温計を備えた構成からなり、温度制
御装置3により各ゾーンは加熱或いは冷却等の制御がな
されるようになっている。
【0003】そして、通常このシュープッシャ式加熱炉
では、次のような操業方法が採用されている。処理温度
に保持された炉内にシュー上に載置されたアルミスラブ
1を、順次、例えば5分毎に装入させ、炉内全域にアル
ミスラブ1が位置するか、当該ロットの全アルミスラブ
の装入が完了すると(1ロットが炉内に入り得るスラブ
量未満のときは炉内全域には充填されることはない)、
アルミスラブ1の装入を一旦停止させる。一方、各ゾー
ンの温度制御は、各ゾーンの先頭材の表面温度を測温計
により定期的に、例えば5分毎に測定を行う。また、抽
出可能な状態の可否は炉の最も抽出端に近いゾーンにお
ける先頭材が、復熱後の均熱温度、例えば目標温度±5
〜10℃に達することにより、当該ゾーンのアルミスラ
ブ群が復熱後の均熱状態であると判断して、圧延開始信
号を出力し抽出可能な状態とする。
【0004】そして、抽出作業の開始は、抽出スラブが
復熱後の均熱状態であることに加えて、炉内の各ゾーン
が急冷中の状態でないことが条件となり、抽出作業はこ
れらの2条件がすべて満足された時点で行われる。炉内
の各ゾーンが急冷中の状態でないことを条件とする理由
は、プッシャによる炉内の全アルミスラブの移動ととも
に行われる抽出作業に伴って、急冷中のゾーンでは、急
冷未完了状態のアルミスラブが復熱工程に移行するこ
と、および均熱中ゾーンでは、均熱未完了状態のアルミ
スラブが急冷工程に移行することが考えられ、急冷中の
ゾーンに進入または急冷中のゾーンから退去するスラブ
に関しては所望の熱履歴を得られるという検証ができな
くなるためである。一方、各ゾーンでの運転モードの変
更、即ち加熱から均熱或いは均熱から冷却さらには冷却
から均熱等の切り替えは、各ゾーンの先端部に設けた測
温計により先頭材の表面温度を測定して、当該ゾーンの
先頭材が所定の表面温度に達したと判断される時に実施
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、仮にN
o.1ゾーンが急冷中であれば、No.1ゾーンの急冷
が終了するまでは、No.7ゾーン(抽出端ゾーン)の
処理材の処理が終了していても、炉から処理材を抽出す
ることができず、抽出待ち時間が生じる。具体的に説明
すると、今、各ゾーンにそれぞれ同一ロットの処理材
(アルミスラブ)1が4個ずつ位置している状態で、装
入間隔を5分間、復熱時間を60分、各ゾーンの急冷開
始時刻差が20分および急冷所要時間が各ゾーン同一と
すれば、No.7ゾーンの先頭材が復熱完了して抽出で
きる状態になってから、No.1ゾーンが急冷完了し、
処理材の移動が開始できるまで、即ちNo.7ゾーンの
先頭材を抽出することができるまで、20分×6−60
分=60分の待ち時間が生じる。
【0006】ここに示した例の場合、先頭材が抽出端ゾ
ーンであるNo.7ゾーンの先頭位置(抽出端位置)ま
ですでに到達しているとして行ったものであるが、実操
業においては必ずしもそうとは限らない。もしも、先頭
材の処理が終了した時点で他ロットの処理中のゾーンも
含めて、いずれかのゾーンが急冷に入ったとき、先頭材
が最終ゾーンの先頭位置まで到達していなかった場合
は、前述した待ち時間に加えて、さらに先頭材が抽出端
ゾーンの先頭位置まで移動するに要する時間が待ち時間
となる。このように、従来の操炉方法では、待ち時間が
長く加熱炉の稼働率が悪くなるという問題がある。本発
明は、斯る従来の問題をなくすことを課題としてなされ
たもので、待ち時間を短縮し、稼働率の向上を可能とし
たアルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法を提供しようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、第1発明は、独立して温度制御する複数ゾーンから
なるアルミスラブ用プッシャ炉において、各ゾーンの先
頭材の表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉
温・対流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に
基づき、当該ゾーンの各スラブの表面温度および内部温
度を推定するステップ1と、各ゾーンの先頭材の処理条
件テーブル上の温度プロフィールと測定した前記表面温
度とを比較して、前記温度プロフィール上の表面温度が
実測表面温度に一致するように当該ゾーンの先頭材を含
む全スラブに対する実行スケジュールを補正するステッ
プ2と、当該ゾーンのすべての処理材の温度をチェック
して運転モードの切り替えを行うステップ3とから構成
した。
【0008】また、第2発明は、処理材装入時、プッシ
ャ炉に装入される全アルミスラブの温度プロフィールの
各データを時系列的に並べて、各ゾーンの急冷開始時刻
および急冷終了時刻を決定するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の一形態を図
面にしたがって説明する。本発明に係る操炉方法は、例
えば前述した図5に示すアルミスラブ用プッシャ炉に適
用される。図1、2は、温度制御装置3により制御され
る複数ゾーンからなるアルミスラブ用プッシャ炉の任意
の一ゾーンの構成およびこれと温度制御装置3との関係
を示したもので、他のゾーンについても同様である。ま
た、このアルミスラブ用プッシャ炉自体は図5に示すア
ルミスラブ用プッシャ炉と実質的に同一である。プッシ
ャ炉11には、各ゾーン毎に加熱手段、冷却手段および
測温手段が設けてあり、図1の場合は、これらに相当す
るものとしてバーナ12,冷却ファン13および材料温
度計14と炉温検出部15が設けてある。
【0010】バーナ12により加熱された気体は循環フ
ァン16によりプッシャ炉11内とバーナ12との間を
循環するようになっている。冷却ファン13からの冷却
気体は冷却ダンパ20を経由してプッシャ炉11内に送
り込まれるようになっている。材料温度計14は、各ゾ
ーンの先頭材の表面温度を測定するもので、図示する例
では表面温度測定時にのみ上昇するように、昇降可能
に、アルミスラブ1の下方に設けられ、先頭材の下表面
温度を測定している。温度制御装置3には、処理材デー
タ(形状と種類)の他に、材料温度計14からの材料温
度信号と炉温検出部15からの炉温信号とプッシャ炉1
1の図示しない駆動制御装置からのアルミスラブ1に関
するトラッキング情報信号とが入力される。
【0011】また、温度制御装置3は、炉温調節計17
に対して炉温設定値を出力するとともに、可変速駆動装
置18に対して循環ファン16の回転数を決定させる制
御信号を出力する。そして、炉温調節計17は、炉温検
出部15から炉温信号を受けており、この炉温調節計1
7からの信号によりバーナ12への燃料流量または冷却
ダンパ20の開度、即ちスイッチ19を介して冷却ファ
ン13からの風量の調整がなされるようになっている。
さらに、温度制御装置3は、処理条件テーブルを有し、
この処理条件テーブルは、処理材材質および寸法毎に対
応して当該処理材の全処理工程における各部(下表面、
上表面および内部)および炉温の温度プロフィールが記
憶されている。
【0012】前記温度プロフィールは当該処理材の処理
材データ(材質,寸法およびヒートパターン等)に基づ
き当該処理材温度の挙動を予測するもので、この計算
は、以下の前提条件の下になされる。 同一ゾーンには、同一寸法のアルミスラブが全数装
入されている。 計算の対象となっているゾーンおよび次ゾーンがア
ルミスラブの装入と同時に加熱される場合と、全ゾーン
が加熱温度になってからアルミスラブを装入する場合に
分ける。 急冷時の炉温カーブは、アルミスラブの寸法毎に、
予め決定されたいくつかのパターンから選択する。この
炉温カーブは、各パターン内の最大サイズのアルミスラ
ブの冷却を、炉の最大冷却能力で行ったときの炉温の変
化する態様を基本として決定する。 急冷時に一定時間過冷却になった場合、例えば1ゾ
ーン内のアルミスラブ数を4、アルミスラブの最短移動
時間間隔を5分とした場合、当該ゾーン急冷完了と同時
にスラブの移動が発生すれば、その後も5分毎にスラブ
の移動するので、スラブ移動開始前に当該ゾーン最後尾
にあったスラブは、次ゾーンに出るまで後行スラブの為
の急冷動作中のゾーンに存在する。即ち、その間(4−
1)×5分=15分間過冷却になることがあるので、こ
の場合の計算も併せて行い、処理必要時間としてはこの
所要時間を採用する。
【0013】図3(横軸:時間、縦軸:温度)はアルミ
スラブ表面温度と炉温との関係の一例を示し、曲線I
(実線)がアルミスラブ表面温度、曲線II(二点鎖線)
が炉温を示している。また、図中Aは加熱、Bは第1均
熱、Cは急冷、Dは復熱、Eは冷却、Fは第2均熱の各
工程を表している。なお、アルミスラブ各部の温度の計
算は、例えば差分法・有限要素法を用いて行うことがで
き、差分法の場合、以下の熱バランス式に基づき行われ
る。
【数1】 各記号の意味は以下の通りである。 A :伝熱面積(m2) CHC :対流伝熱熱伝達係数(J/m2・s・K) DL :メッシュ間隔(m) FK :熱伝導率(J/m・s・K) QC :対流伝熱量(J) QO :アルミスラブ内伝熱量(J) QR :輻射伝熱量(J) Tf :炉温(K) Tms :アルミスラブ表面温度(K) Tm(i) :アルミスラブ内部温度(K) V :メッシュ内体積(m3) Vf :強制対流流体速度(m/s) i :メッシュ順番 c :比熱(J/kg・K) δT :微小区間時間当たりの温度変化量(K) δt :微小区間時間(s) ρ :アルミスラブ密度(kg/m3) φcg :総括熱吸収率(対流加熱分を除く)
【0014】次に、本発明に係るアルミスラブ用プッシ
ャ炉の操炉方法を説明する。処理材装入時、装入される
アルミスラブの温度プロフィールは装入材の材質および
寸法によって処理条件テーブルから最近上値の温度プロ
フィールを検索してこれを採用する。例えば、実際のア
ルミスラブの寸法が1000×400×5500(単位:mm)で
あれば、当該寸法に最も近くかつ実際のアルミスラブの
寸法以上のテーブル値(例:1000×400×6000(m
m))が最近上値で、この場合は寸法1000×400×6000
(mm)の温度プロフィールを採用することになる(以
上、図2におけるステップ1(S1)に対応する)。そ
して、炉内に装入される全アルミスラブに対して、前記
同様にしてアルミスラブの温度プロフィールを決定し、
これらの温度プロフィールの各データを時系列的に並
べ、各アルミスラブの急冷開始・終了時刻を以下の如く
定める。例えば、1ゾーン内の処理材であるアルミスラ
ブ数を4とした場合、ロット毎に先頭から4処理材毎に
グループ分けし、先頭グループの先頭処理材の急冷開始
時刻を基準とし、例えば最短処理材移動時間間隔を5分
とした場合、後行グループはそれぞれ20分ずつ遅れた
時刻を急冷開始時刻とする。また、急冷終了時刻をチェ
ックし、同一ロット内の後行グループの急冷終了時刻が
先行グループの急冷終了時刻より早まる場合は、先行グ
ループの急冷終了時刻に合わせる(以上、図2における
ステップ2(S2)に対応する)。
【0015】ついで、アルミスラブの熱処理中は、アル
ミスラブを移動させるプッシャを制御する駆動部制御装
置から炉内処理材(アルミスラブ)の位置トラッキング
情報を受けつつ、各ゾーンにおける先頭材の実測した下
表面温度および炉温・対流流体速度・アルミスラブ装入
時よりの熱履歴から、当該ゾーンの各アルミスラブの表
面温度および内部温度を求める。炉内各ゾーンの先頭処
理材の下表面温度は一定時間毎に測定されており、この
実測値に基づき先頭処理材の上表面、側表面および内部
の温度を計算により求める。そして、先頭処理材の処理
条件テーブル上の下表面温度プロフィールと測定した下
表面温度実測値との間に差が発生した場合、先頭処理材
の処理条件テーブル上の時刻と先頭処理材の下表面温度
プロフィール上での下表面温度実測値の位置する時刻と
の差に相当する時間だけ、当該ゾーンの先頭処理材を含
む当該ゾーンの全処理材について実行スケジュール(処
理条件テーブル)を補正する。
【0016】例えば、先頭処理材の処理開始2時間後の
処理条件テーブル上の温度プロフィールから求める下表
面温度は300℃であるが、処理開始2時間後に測定し
た先頭処理材の下表面温度実測値が310℃であった場
合、下表面温度310℃に相当する処理条件テーブル上
の処理開始後の経過時間を参照する。そして、仮にその
経過時間が2時間5分であれば、当該ゾーンの先頭材以
外の処理材の推定温度として、処理条件テーブル上の温
度プロフィールの時間軸上の先頭材処理開始後2時間5
分の点の温度を採用する。
【0017】さらに、図4を参照して詳説する。図4に
おいて、曲線III(実線)は当該ゾーンの先頭材の処理
条件テーブル上の下表面温度プロフィール、曲線IV(二
点鎖線)は当該ゾーンの後行材の処理条件テーブル上の
下表面温度プロフィールを示し、横軸上のt1は前記先
頭材,t2は後行材の炉装入時刻を示している。そし
て、炉装入時刻t1からある時間経過したとき、例えば
時刻t3における先頭材の処理条件テーブル上の下表面
温度がT31℃で、実測した先頭材の下表面温度がT32
であり、T31≠T32のとき、先頭材の実行スケジュール
を補正する。即ち、処理条件テーブルの時間軸を進めま
たは遅らせる。
【0018】つまり、先頭材の処理条件テーブル上の下
表面温度T32℃に相当する時刻t4を処理条件テーブル
から抽出し、この時刻t4をt3に代えて現在時刻設定
し、以後、処理終了まで処理条件テーブル上の時刻デー
タをすべて時間(t3−t4)分だけずれた時刻のデータ
となるように実行スケジュールを補正する。同様に、当
該ゾーン内の先頭材以外の後行材についても、処理条件
テーブル上の時刻データをすべて時間(t3−t4)分だ
けずれた時刻のデータとなるように実行スケジュールを
補正する。つまり、補正前の後行材の処理条件テーブル
上の下表面温度がT41℃であるとき、前記補正後はT42
℃に修正される(以上、図2におけるステップ3(S
3)に対応する)。
【0019】次に、加熱から均熱或いは急冷から復熱等
の処理工程の切換えについて説明する。処理工程の切換
えは、当該ゾーンのすべての処理材の温度をチェックし
て、最適タイミングを求める。具体的には、加熱から均
熱への切換えはその時点の当該ゾーン内の全スラブの表
面温度と内部温度がそれぞれ所定の温度に達した時に行
う。急冷から復熱への切換えは、その時点の当該ゾーン
内の全スラブの内部温度から現在を含め例えば5分刻み
で以後30分後までの各タイミングにおいて急冷から復
熱に切換えた場合の復熱完了時刻を予測し、現時点の復
熱完了予測時刻が最も早い場合に行う。その後、スラブ
移動に伴って前ゾーンから新たなスラブが各ゾーンに進
入してきたとき、それが異なる処理工程のゾーンからの
移動であれば、再度前述のチェックを行う。そして、均
熱中のゾーンにおいて進入してきたスラブの各部温度が
均熱への切換え条件を満たしていないときは加熱に戻
す。復熱中ゾーンで現在時刻よりさらに後の時刻の方が
復熱完了予測時刻が早い場合は急冷に戻す。
【0020】なお、抽出時刻が処理条件テーブル上の抽
出可能時刻より一定時間以上遅れることが明らかな場合
は、急冷時の冷風吹き込みによる炉温降下を制限し、冷
却による熱ロスを減少させることによって、省エネルギ
ーを図ることが望ましい。また、加熱・均熱中は炉内に
冷風が吹き込まないように制御することによって、省エ
ネルギーを図るのが望ましいが、炉温設定値の変更時或
いは炉温の偏差がプラスに大きくなったとき、即ち炉温
実測値が設定値を大きく上まったときは斯る制御を解除
し、炉温の制御性を損ねることは防止しなければならな
い(以上、図2のおけるステップ4(S4)に対応す
る)。
【0021】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、第1発
明によれば、独立して温度制御する複数ゾーンからなる
アルミスラブ用プッシャ炉において、各ゾーンの先頭材
の表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉温・
対流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基づ
き、当該ゾーンの各スラブの表面温度および内部温度を
推定するステップ1と、各ゾーンの先頭材の処理条件テ
ーブル上の温度プロフィールと測定した前記表面温度と
を比較して、前記温度プロフィール上の表面温度が実測
表面温度と一致するように当該ゾーンの先頭材を含む全
スラブに対する実行スケジュールを補正するステップ2
と、当該ゾーンのすべての処理材の温度をチェックして
運転モードの切り替えを行うステップ3とから構成して
ある。
【0022】また、第2発明によれば、処理材装入時、
プッシャ炉に装入される全アルミスラブの温度プロフィ
ールの各データを時系列的に並べて、各ゾーンの急冷開
始時刻および急冷終了時刻を決定するようにしてある。
【0023】このため、炉内各ゾーンの熱処理工程(加
熱,均熱,冷却,復熱等)がいずれにあるかに拘わら
ず、アルミスラブの移動が可能となり、処理時間が短縮
され、生産性を向上させることが可能となる。また、炉
内全アルミスラブの温度を監視することで、各ゾーンの
温度制御を当該ゾーンに存在する全てのアルミスラブに
対しての作用を考慮して行えるため、表面温度の実測が
行われる各ゾーンの先頭材以外の、そしてこの先頭材と
は寸法および/または熱履歴の相違するアルミスラブが
過昇温或いは過冷却されるのを防止でき、品質の向上が
可能となる。さらに、炉内への冷風の吹き込みをきめ細
かく制御して、抽出時刻の遅延時、急冷時の冷風の吹き
込みを制限し、また基本的には加熱,均熱中に冷風が吹
き込まなくすることによって、省エネルギーが可能とな
る等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る操炉方法が適用されるアルミ
スラブ用プッシャ炉とその温度制御装置との関係を示す
図である。
【図2】 図1に示す温度制御装置における処理内容を
示すブロック図である。
【図3】 アルミスラブ表面温度、炉温プロフィールの
一例を示す図である。
【図4】 先行材の表面温度実測値から後行材の表面温
度を予測する方法を示す図である。
【図5】 アルミスラブ用プッシャ炉の平面レイアウト
の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 アルミスラブ 3 温度制御装置 11 プッシャ炉 12 バーナ 13 冷却ファン 14 材料温度計 15 炉温検出部 16 循環ファン 17 炉温調節計 18 可変速駆動装置 19 スイッチ 20 冷却ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27B 9/40 F27B 9/40 G01K 7/00 381 G01K 7/00 381L

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 独立して温度制御する複数ゾーンからな
    るアルミスラブ用プッシャ炉において、各ゾーンの先頭
    材の表面温度を定期的に測定し、この測定値および炉温
    ・対流流体速度・炉へのスラブ装入時からの熱履歴に基
    づき、当該ゾーンの各スラブの表面温度および内部温度
    を推定するステップ1と、各ゾーンの先頭材の処理条件
    テーブル上の温度プロフィールと測定した前記表面温度
    とを比較して、前記温度プロフィール上の表面温度が実
    測表面温度に一致するように当該ゾーンの先頭材を含む
    全スラブに対する実行スケジュールを補正するステップ
    2と、当該ゾーンのすべての処理材の温度をチェックし
    て運転モードの切り替えを行うステップ3とからなるこ
    とを特徴とするアルミスラブ用プッシャ炉の操炉方法。
  2. 【請求項2】 処理材装入時、プッシャ炉に装入される
    全アルミスラブの温度プロフィールの各データを時系列
    的に並べて、各ゾーンの急冷開始時刻および急冷終了時
    刻を決定することを特徴とする請求項1に記載のアルミ
    スラブ用プッシャ炉の操炉方法。
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