JP2000248315A - 鋼材の加熱方法 - Google Patents
鋼材の加熱方法Info
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- JP2000248315A JP2000248315A JP11052790A JP5279099A JP2000248315A JP 2000248315 A JP2000248315 A JP 2000248315A JP 11052790 A JP11052790 A JP 11052790A JP 5279099 A JP5279099 A JP 5279099A JP 2000248315 A JP2000248315 A JP 2000248315A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 炉内容積の改造を行なうことなしに、加熱炉
の加熱能力を向上させる。 【解決手段】 均熱目標温度よりも高い炉内設定温度で
加熱を開始するとともに、所定時間毎に炉内温度を温度
計4で測定し、測定した温度に基づき加熱している鋼材
1の最も昇熱が早い端部表面部の温度と最も昇熱が遅い
中央中心部の温度とを鋼材温度計算装置10により演算
し、演算した前記鋼材1の最も昇熱が早い端部表面部の
温度が、鋼材1の前記均熱目標温度に近い一定の温度に
達したときには、前記炉内設定温度を均熱目標温度に設
定変更し、かつ演算した前記鋼材1の最も昇熱が遅い中
央中心部の温度が均熱目標温度に達したときに、加熱を
終了する鋼材の加熱方法。
の加熱能力を向上させる。 【解決手段】 均熱目標温度よりも高い炉内設定温度で
加熱を開始するとともに、所定時間毎に炉内温度を温度
計4で測定し、測定した温度に基づき加熱している鋼材
1の最も昇熱が早い端部表面部の温度と最も昇熱が遅い
中央中心部の温度とを鋼材温度計算装置10により演算
し、演算した前記鋼材1の最も昇熱が早い端部表面部の
温度が、鋼材1の前記均熱目標温度に近い一定の温度に
達したときには、前記炉内設定温度を均熱目標温度に設
定変更し、かつ演算した前記鋼材1の最も昇熱が遅い中
央中心部の温度が均熱目標温度に達したときに、加熱を
終了する鋼材の加熱方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼材の品質を劣化させ
たり、無駄な燃料を使用することなしに、鋼材の加熱時
間が短縮できる加熱方法に関する。
たり、無駄な燃料を使用することなしに、鋼材の加熱時
間が短縮できる加熱方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来鋼材を加熱するときには、過剰な加
熱により鋼材の品質が劣化するのを防止するため、加熱
開始時から炉温の設定値を、鋼材の均熱目標温度と同じ
温度に設定して加熱している。
熱により鋼材の品質が劣化するのを防止するため、加熱
開始時から炉温の設定値を、鋼材の均熱目標温度と同じ
温度に設定して加熱している。
【0003】そして、鋼材が完全に均熱されたかどうか
の判断は、加熱した時間が経験から定められる標準の加
熱時間に到達しているか否かで判断されるか、測定した
炉内温度に基づき鋼材の温度を計算する機能をもたせ
て、鋼材が計算上均熱目標温度になったか否かで判断さ
れている。
の判断は、加熱した時間が経験から定められる標準の加
熱時間に到達しているか否かで判断されるか、測定した
炉内温度に基づき鋼材の温度を計算する機能をもたせ
て、鋼材が計算上均熱目標温度になったか否かで判断さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題】しかしながら、上述し
た従来の鋼材の加熱方法には、次のような問題点があ
る。
た従来の鋼材の加熱方法には、次のような問題点があ
る。
【0005】炉内設定温度は、加熱開始時から鋼材の均
熱目標温度に設定しているため、鋼材の温度が均熱目標
温度に到達するまでに時間がかかり、加熱炉で加熱処理
できる単位時間当たりの鋼材の量はかぎられてしまい、
これらの範囲を超えて鋼材を加熱する場合には、炉内容
積の拡張を行う等、加熱炉の鋼材装入能力を高める改造
が必要となり、拡張のためのスペースを確保したり、大
幅な設備改造のために費用がかさむことになる。
熱目標温度に設定しているため、鋼材の温度が均熱目標
温度に到達するまでに時間がかかり、加熱炉で加熱処理
できる単位時間当たりの鋼材の量はかぎられてしまい、
これらの範囲を超えて鋼材を加熱する場合には、炉内容
積の拡張を行う等、加熱炉の鋼材装入能力を高める改造
が必要となり、拡張のためのスペースを確保したり、大
幅な設備改造のために費用がかさむことになる。
【0006】この発明は、従来技術の上述のような問題
点を解消するためになされたものであり、過剰に加熱す
ることなしに加熱時間を短縮できるので、鋼材の品質を
劣化させることなしに、現有設備のままで鋼材の加熱処
理能力を向上させることができる鋼材の加熱方法を提供
することを目的としている。
点を解消するためになされたものであり、過剰に加熱す
ることなしに加熱時間を短縮できるので、鋼材の品質を
劣化させることなしに、現有設備のままで鋼材の加熱処
理能力を向上させることができる鋼材の加熱方法を提供
することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る鋼材の加
熱方法は、均熱目標温度よりも高い炉内設定温度で加熱
を開始するとともに、所定時間毎に炉内温度を測定し、
測定した温度に基づき加熱している鋼材の最も昇熱が早
い端部表面部の温度と最も昇熱が遅い中央中心部の温度
とを演算手段により演算し、演算した前記鋼材の最も昇
熱が早い端部表面部の温度が、鋼材の前記均熱目標温度
に近い一定の温度に達したときには、前記炉内設定温度
を均熱目標温度に設定変更し、かつ演算した前記鋼材の
最も昇熱が遅い中央中心部の温度が均熱目標温度に達し
たときに、加熱を終了するものである。
熱方法は、均熱目標温度よりも高い炉内設定温度で加熱
を開始するとともに、所定時間毎に炉内温度を測定し、
測定した温度に基づき加熱している鋼材の最も昇熱が早
い端部表面部の温度と最も昇熱が遅い中央中心部の温度
とを演算手段により演算し、演算した前記鋼材の最も昇
熱が早い端部表面部の温度が、鋼材の前記均熱目標温度
に近い一定の温度に達したときには、前記炉内設定温度
を均熱目標温度に設定変更し、かつ演算した前記鋼材の
最も昇熱が遅い中央中心部の温度が均熱目標温度に達し
たときに、加熱を終了するものである。
【0008】本発明の鋼材の加熱方法においては、鋼材
の加熱開始時において、炉内設定温度を鋼材の均熱目標
温度よりも高い温度に設定して加熱するので、均熱目標
温度に到達するまでの昇熱時間を短縮することができ
る。
の加熱開始時において、炉内設定温度を鋼材の均熱目標
温度よりも高い温度に設定して加熱するので、均熱目標
温度に到達するまでの昇熱時間を短縮することができ
る。
【0009】また、測定した炉内温度に基づき鋼材の最
も昇熱が早い端部表面部の温度を推定し、その温度が均
熱目標温度近傍に達した時点で、炉内設定温度を均熱目
標温度に設定変更するので、鋼材が過剰に加熱されるこ
とはなく、鋼材の品質を劣化させることはない。
も昇熱が早い端部表面部の温度を推定し、その温度が均
熱目標温度近傍に達した時点で、炉内設定温度を均熱目
標温度に設定変更するので、鋼材が過剰に加熱されるこ
とはなく、鋼材の品質を劣化させることはない。
【0010】さらには、測定した炉内温度に基づき鋼材
の最も昇熱が遅い中央中心部の温度を推定し、その温度
が均熱目標温度に達した時点で、加熱を終了するので、
燃料を無駄に使用することはない。
の最も昇熱が遅い中央中心部の温度を推定し、その温度
が均熱目標温度に達した時点で、加熱を終了するので、
燃料を無駄に使用することはない。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参
照して説明する。図1は本発明の実施の形態の鋼材の加
熱方法における制御系統を示す制御系統図である。鋼材
1は加熱炉2内において、加熱炉2の両側の側壁2aに
設けられた燃焼器3により加熱されるが、加熱中の加熱
炉2の炉内温度が、加熱炉2の天井2bに配置された温
度計4により測定される。
照して説明する。図1は本発明の実施の形態の鋼材の加
熱方法における制御系統を示す制御系統図である。鋼材
1は加熱炉2内において、加熱炉2の両側の側壁2aに
設けられた燃焼器3により加熱されるが、加熱中の加熱
炉2の炉内温度が、加熱炉2の天井2bに配置された温
度計4により測定される。
【0012】そして、測定された温度信号は制御装置5
に送られ、あらかじめ炉温設定器6により設定されてい
る炉温と実測温度との炉温偏差が把握され、この炉温偏
差値と燃料流量検出器7から送られてくる燃料流量の信
号とから、燃料流量調整弁8の開度をどの程度変更すれ
ばよいかを演算し、その演算結果に基づき、燃料流量調
整弁8の開度を変更し、炉温偏差をなくすような燃料の
最適流量を設定するようにしている。
に送られ、あらかじめ炉温設定器6により設定されてい
る炉温と実測温度との炉温偏差が把握され、この炉温偏
差値と燃料流量検出器7から送られてくる燃料流量の信
号とから、燃料流量調整弁8の開度をどの程度変更すれ
ばよいかを演算し、その演算結果に基づき、燃料流量調
整弁8の開度を変更し、炉温偏差をなくすような燃料の
最適流量を設定するようにしている。
【0013】また、炉温の実測値をある時間毎に記録
し、そのデータを用いて鋼材1の少なくとも2点以上の
部位について温度の推定を行うために、炉温データ収集
装置9および炉温デ−タに基づき鋼材の温度を計算する
鋼材温度計算装置10も備わっている。
し、そのデータを用いて鋼材1の少なくとも2点以上の
部位について温度の推定を行うために、炉温データ収集
装置9および炉温デ−タに基づき鋼材の温度を計算する
鋼材温度計算装置10も備わっている。
【0014】本発明の加熱方法においては、図2の加熱
経過時間と温度との関係を示すグラフのように、鋼材1
の加熱開始時において、鋼材1の均熱目標温度よりも高
い温度に炉温を設定し、鋼材1を加熱することで、鋼材
1の昇熱時間を従来よりも短くなるようにするととも
に、前記炉温データ収集装置9と鋼材温度計算装置10
により、最も昇熱の早い鋼材1の端部表面部の温度を計
算し、鋼材1の端部の計算温度が均熱目標温度に近づい
たとき、炉温の設定温度を鋼材1の均熱目標温度と同じ
温度となるように設定変更を行い、鋼材1の端部の温度
が均熱目標温度を超えるような過加熱を防止するととも
に、鋼材1に品質上の欠陥が発生するのを防止するよう
にしている。
経過時間と温度との関係を示すグラフのように、鋼材1
の加熱開始時において、鋼材1の均熱目標温度よりも高
い温度に炉温を設定し、鋼材1を加熱することで、鋼材
1の昇熱時間を従来よりも短くなるようにするととも
に、前記炉温データ収集装置9と鋼材温度計算装置10
により、最も昇熱の早い鋼材1の端部表面部の温度を計
算し、鋼材1の端部の計算温度が均熱目標温度に近づい
たとき、炉温の設定温度を鋼材1の均熱目標温度と同じ
温度となるように設定変更を行い、鋼材1の端部の温度
が均熱目標温度を超えるような過加熱を防止するととも
に、鋼材1に品質上の欠陥が発生するのを防止するよう
にしている。
【0015】また、同じく前記炉温データ収集装置9と
鋼材温度の計算装置10を用いて、最も昇熱速度が遅い
鋼材1の中央中心部(鋼材1の幅方向中央部における板
厚方向中心部)の温度についても計算し、この計算温度
が均熱目標温度になった時点で加熱を終了し、むだな燃
料の消費を防止するようにしている。
鋼材温度の計算装置10を用いて、最も昇熱速度が遅い
鋼材1の中央中心部(鋼材1の幅方向中央部における板
厚方向中心部)の温度についても計算し、この計算温度
が均熱目標温度になった時点で加熱を終了し、むだな燃
料の消費を防止するようにしている。
【0016】具体例で説明すると、鋼材1の均熱目標温
度が600℃、均熱目標温度範囲が均熱目標温度の±1
0℃としたとき、従来の加熱方法においては、加熱開始
時から炉温の設定温度を600℃にして加熱しているの
で、板厚80mmの鋼材1を加熱する場合には、図3
(a)の鋼材1の断面図および図3(b)の鋼材1の平
面図に示す、最も昇熱が早い鋼材1の端部表面部Aおよ
び最も昇熱が遅い鋼材1の中央中心部Bの温度は、図4
のグラフに示すような昇熱曲線で上昇する。鋼材端部表
面部Aは、鋼材1の上面及び下面の2面より加熱される
だけではなく、鋼材1の両側面からも加熱されるので、
最も昇熱が早い部位であり、この部位は90分で均熱目
標温度に達する。
度が600℃、均熱目標温度範囲が均熱目標温度の±1
0℃としたとき、従来の加熱方法においては、加熱開始
時から炉温の設定温度を600℃にして加熱しているの
で、板厚80mmの鋼材1を加熱する場合には、図3
(a)の鋼材1の断面図および図3(b)の鋼材1の平
面図に示す、最も昇熱が早い鋼材1の端部表面部Aおよ
び最も昇熱が遅い鋼材1の中央中心部Bの温度は、図4
のグラフに示すような昇熱曲線で上昇する。鋼材端部表
面部Aは、鋼材1の上面及び下面の2面より加熱される
だけではなく、鋼材1の両側面からも加熱されるので、
最も昇熱が早い部位であり、この部位は90分で均熱目
標温度に達する。
【0017】一方、鋼材1の中央中心部Bは、鋼材1の
側面からの加熱の影響を最も受けない部位で、鋼材1の
上面及び下面の2面よりの加熱のみとなり、最も昇熱が
遅い部位となり、鋼材1が均熱目標温度に達するまでに
160分の時間を要することになる。
側面からの加熱の影響を最も受けない部位で、鋼材1の
上面及び下面の2面よりの加熱のみとなり、最も昇熱が
遅い部位となり、鋼材1が均熱目標温度に達するまでに
160分の時間を要することになる。
【0018】すなわち、鋼材1全体が均熱目標温度に達
するまでの所要時間は160分であり、昇熱が遅い部位
Bの昇熱時間をいかに短縮するかが重要な課題である。
するまでの所要時間は160分であり、昇熱が遅い部位
Bの昇熱時間をいかに短縮するかが重要な課題である。
【0019】本発明の鋼材の加熱方法においては、鋼材
1の均熱目標温度が600℃、均熱目標温度範囲が60
0℃±10℃で、板厚80mmの鋼材1を加熱するとき
には、例えば、加熱初期の炉温設定を鋼材1の均熱目標
温度よりも高い650℃に設定して加熱を行う。このよ
うに、加熱開始時の設定炉温が650℃と従来と比べて
高いため、図5のグラフに示すように、鋼材1の端部表
面部Aが均熱目標温度井範囲の下限である590℃に達
するのに、52分と図4に示した場合と比べ大幅に短縮
され、かつ鋼材1の中央中心部Bも、135分と従来と
比べ昇熱速度が改善される。
1の均熱目標温度が600℃、均熱目標温度範囲が60
0℃±10℃で、板厚80mmの鋼材1を加熱するとき
には、例えば、加熱初期の炉温設定を鋼材1の均熱目標
温度よりも高い650℃に設定して加熱を行う。このよ
うに、加熱開始時の設定炉温が650℃と従来と比べて
高いため、図5のグラフに示すように、鋼材1の端部表
面部Aが均熱目標温度井範囲の下限である590℃に達
するのに、52分と図4に示した場合と比べ大幅に短縮
され、かつ鋼材1の中央中心部Bも、135分と従来と
比べ昇熱速度が改善される。
【0020】鋼材1の均熱目標温度を越えた設定温度で
鋼材1の加熱を継続すると、均熱目標温度範囲を超えて
しまうため、図1に示す炉温データ収集装置9及び鋼材
温度計算装置10により、図3に示す鋼材1の端部表面
部A及び中央中心部Bについての温度を計算する。この
とき、最も昇熱が早い鋼材1の端部表面部Aの計算温度
が均熱目標温度範囲の下限590℃となった時点で、炉
温設定器6および制御装置5に信号を送り、炉温設定を
650℃から均熱目標温度の600℃に変更する。
鋼材1の加熱を継続すると、均熱目標温度範囲を超えて
しまうため、図1に示す炉温データ収集装置9及び鋼材
温度計算装置10により、図3に示す鋼材1の端部表面
部A及び中央中心部Bについての温度を計算する。この
とき、最も昇熱が早い鋼材1の端部表面部Aの計算温度
が均熱目標温度範囲の下限590℃となった時点で、炉
温設定器6および制御装置5に信号を送り、炉温設定を
650℃から均熱目標温度の600℃に変更する。
【0021】これにより均熱目標温度範囲を超えて加熱
するといった過加熱の防止が可能となる。
するといった過加熱の防止が可能となる。
【0022】次に鋼材1が均熱目標温度に達したか否か
の判断を行うが、最も昇熱が遅くなる鋼材1の中央中心
部Bの温度が、均熱目標温度に達したかどうかで判断す
る。すなわち炉温データ収集装置9及び鋼材温度計算装
置10により、鋼材1の中央中心部Bについて計算した
温度が、均熱目標温度範囲に入ったかどうかで判断す
る。
の判断を行うが、最も昇熱が遅くなる鋼材1の中央中心
部Bの温度が、均熱目標温度に達したかどうかで判断す
る。すなわち炉温データ収集装置9及び鋼材温度計算装
置10により、鋼材1の中央中心部Bについて計算した
温度が、均熱目標温度範囲に入ったかどうかで判断す
る。
【0023】この場合、均熱目標温度範囲に到達する時
間は135分となり、加熱初期の炉温設定を従来より高
くすることで、図4に示した従来加熱の結果と比べ、加
熱時間が25分、比率で約16%短縮したことが判る。
間は135分となり、加熱初期の炉温設定を従来より高
くすることで、図4に示した従来加熱の結果と比べ、加
熱時間が25分、比率で約16%短縮したことが判る。
【0024】しかし、炉温設定を650℃から600℃
へ変更しても、実際の炉温がこれに追従して図5に示し
たようなステップ状の変化をすることは難しく、実際に
は炉内耐火物等の熱慣性により図6のような炉温変化と
なる。
へ変更しても、実際の炉温がこれに追従して図5に示し
たようなステップ状の変化をすることは難しく、実際に
は炉内耐火物等の熱慣性により図6のような炉温変化と
なる。
【0025】実際の炉温は図6のように650℃から6
00℃に変化するのに例えば△Tの遅れ時間を要するた
め、図5のように炉温の変更タイミングを最も昇熱が早
い鋼材1の端部表面部Aの計算温度が均熱目標温度範囲
の下限である590℃となった時点で行うと、△Tの遅
れ時間が長い場合、鋼材1の均熱目標温度の範囲を超え
た過加熱となる可能性がある。
00℃に変化するのに例えば△Tの遅れ時間を要するた
め、図5のように炉温の変更タイミングを最も昇熱が早
い鋼材1の端部表面部Aの計算温度が均熱目標温度範囲
の下限である590℃となった時点で行うと、△Tの遅
れ時間が長い場合、鋼材1の均熱目標温度の範囲を超え
た過加熱となる可能性がある。
【0026】例えば図6のように、炉温を650℃から
600℃に変更するタイミングを、最も昇熱が早い鋼材
1の端部表面部Aの計算温度が、均熱目標温度範囲の下
限よりも低い、例えば570℃となった時点で行うよう
にすることも必要であり、この場合、設定炉温を変更す
るタイミングは加熱開始から58分、鋼材1全体が均熱
目標温度範囲に達する時間は139分となる。これを、
図4に示す従来の加熱方法と比較すると、加熱時間が2
1分、比率で約13%の短縮効果が得られる。
600℃に変更するタイミングを、最も昇熱が早い鋼材
1の端部表面部Aの計算温度が、均熱目標温度範囲の下
限よりも低い、例えば570℃となった時点で行うよう
にすることも必要であり、この場合、設定炉温を変更す
るタイミングは加熱開始から58分、鋼材1全体が均熱
目標温度範囲に達する時間は139分となる。これを、
図4に示す従来の加熱方法と比較すると、加熱時間が2
1分、比率で約13%の短縮効果が得られる。
【0027】こうした設定炉温の変更のタイミングは、
△Tの遅れ時間の長さすなわち炉の熱慣性によって異な
り、その程度によって設定炉温を変更するタイミングが
異なってくる。したがって、鋼材1の端部表面部Aの計
算温度が、何度になった時点で設定炉温を変更するか
は、加熱炉毎にその熱慣性に基づいて決定する必要があ
る。
△Tの遅れ時間の長さすなわち炉の熱慣性によって異な
り、その程度によって設定炉温を変更するタイミングが
異なってくる。したがって、鋼材1の端部表面部Aの計
算温度が、何度になった時点で設定炉温を変更するか
は、加熱炉毎にその熱慣性に基づいて決定する必要があ
る。
【0028】鋼材1の均熱目標温度が600℃、均熱目
標温度範囲が均熱目標温度の±10℃の加熱を要する鋼
材1で、加熱初期の炉温設定を鋼材1の均熱目標温度よ
りも高い650℃で加熱を行い、設定炉温を変更するタ
イミングを、図6のように最も昇熱が早い鋼材1の端部
表面部Aの計算温度が570℃となった時点とし、以降
は炉温の設定を均熱目標温度600℃で行うとしたとき
に、鋼材1の温度が均熱目標温度に達するまでの加熱時
間を、また比較のため、従来の加熱開始時から炉温を6
00℃に設定して鋼材1の加熱を行ったときに、鋼材1
の温度が均熱目標温度に達するまでの加熱時間を、鋼材
1の板厚毎に図7のグラフに示す。
標温度範囲が均熱目標温度の±10℃の加熱を要する鋼
材1で、加熱初期の炉温設定を鋼材1の均熱目標温度よ
りも高い650℃で加熱を行い、設定炉温を変更するタ
イミングを、図6のように最も昇熱が早い鋼材1の端部
表面部Aの計算温度が570℃となった時点とし、以降
は炉温の設定を均熱目標温度600℃で行うとしたとき
に、鋼材1の温度が均熱目標温度に達するまでの加熱時
間を、また比較のため、従来の加熱開始時から炉温を6
00℃に設定して鋼材1の加熱を行ったときに、鋼材1
の温度が均熱目標温度に達するまでの加熱時間を、鋼材
1の板厚毎に図7のグラフに示す。
【0029】板厚によって加熱時間の短縮効果は異なる
が、従来の加熱方式と比べて、所要加熱時間の比率で約
10〜14%の短縮効果が得られることがわかる。すな
わち、単位時間当たりに加熱する鋼材の処理量を増加す
る必要がある場合には、図6に述べたような加熱方法を
採用することにより、加熱炉の拡張工事を行うことな
く、現有の炉設備のままで、加熱炉の単位時間当たりの
加熱能力を向上させることが可能となる。
が、従来の加熱方式と比べて、所要加熱時間の比率で約
10〜14%の短縮効果が得られることがわかる。すな
わち、単位時間当たりに加熱する鋼材の処理量を増加す
る必要がある場合には、図6に述べたような加熱方法を
採用することにより、加熱炉の拡張工事を行うことな
く、現有の炉設備のままで、加熱炉の単位時間当たりの
加熱能力を向上させることが可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明により、過剰な加熱により品質を
劣化させたり、むだに燃料を消費することなしに、鋼材
の加熱時間を短くすることができ、加熱炉の単位時間当
たりの加熱能力が向上する。
劣化させたり、むだに燃料を消費することなしに、鋼材
の加熱時間を短くすることができ、加熱炉の単位時間当
たりの加熱能力が向上する。
【図1】本発明の実施の形態の鋼材の加熱方法における
制御系統を示す制御系統図である。
制御系統を示す制御系統図である。
【図2】加熱経過時間と温度との関係を示すグラフであ
る。
る。
【図3】鋼材の温度計算部位を示す説明図であり、
(a)はの鋼材の断面図、(b)は平面図である。
(a)はの鋼材の断面図、(b)は平面図である。
【図4】従来の加熱方法における昇熱曲線のグラフであ
る。
る。
【図5】本発明の実施の形態の鋼材の加熱方法における
昇熱曲線のグラフである。
昇熱曲線のグラフである。
【図6】本発明の実施の形態の鋼材の加熱方法において
加熱炉の熱慣性が影響している状態を示した昇熱曲線の
グラフである。
加熱炉の熱慣性が影響している状態を示した昇熱曲線の
グラフである。
【図7】鋼材の板厚と均熱目標温度に到達するまでの時
間との関係を示すグラフである。
間との関係を示すグラフである。
1 鋼材 2 加熱炉 3 燃焼器 4 温度計 5 制御装置 6 炉温設定器 7 燃料流量検出器 8 燃料流量調整弁 9 炉温データ収集装置 10 鋼材温度計算装置 A 鋼材の端部表面部 B 鋼材の中央中心部
Claims (1)
- 【請求項1】 均熱目標温度よりも高い炉内設定温度で
加熱を開始するとともに、所定時間毎に炉内温度を測定
し、測定した温度に基づき加熱している鋼材の最も昇熱
が早い端部表面部の温度と最も昇熱が遅い中央中心部の
温度とを演算手段により演算し、演算した前記鋼材の最
も昇熱が早い端部表面部の温度が、鋼材の前記均熱目標
温度に近い一定の温度に達したときには、前記炉内設定
温度を均熱目標温度に設定変更し、かつ演算した前記鋼
材の最も昇熱が遅い中央中心部の温度が均熱目標温度に
達したときに、加熱を終了することを特徴とする鋼材の
加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11052790A JP2000248315A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼材の加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11052790A JP2000248315A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼材の加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000248315A true JP2000248315A (ja) | 2000-09-12 |
Family
ID=12924642
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11052790A Pending JP2000248315A (ja) | 1999-03-01 | 1999-03-01 | 鋼材の加熱方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2000248315A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014119216A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Osaka Gas Co Ltd | 加熱装置の温度制御方法及び加熱装置 |
CN116622977A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-08-22 | 大连新瑞晨自动化科技有限公司 | 基于双目标轨迹的加热炉钢坯升温过程控制方法 |
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1999
- 1999-03-01 JP JP11052790A patent/JP2000248315A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014119216A (ja) * | 2012-12-18 | 2014-06-30 | Osaka Gas Co Ltd | 加熱装置の温度制御方法及び加熱装置 |
CN116622977A (zh) * | 2023-03-13 | 2023-08-22 | 大连新瑞晨自动化科技有限公司 | 基于双目标轨迹的加热炉钢坯升温过程控制方法 |
CN116622977B (zh) * | 2023-03-13 | 2024-02-02 | 大连新瑞晨自动化科技有限公司 | 基于双目标轨迹的加热炉钢坯升温过程控制方法 |
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