JP3036902B2 - 金属水素化物蓄電池の充電方法 - Google Patents
金属水素化物蓄電池の充電方法Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素を可逆的に吸蔵及
び放出することのできる水素吸蔵合金を負極に備えた金
属水素化物蓄電池の充電方法に関するものである。
び放出することのできる水素吸蔵合金を負極に備えた金
属水素化物蓄電池の充電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からよく用いられている蓄電池とし
ては、ニッケルーカドミウム蓄電池の如きアルカリ蓄電
池、あるいは鉛蓄電池等がある。近年、これらの電池よ
り軽量、且つ高容量で高エネルギー密度となる可能性の
あるということで、水素吸蔵合金から構成される水素吸
蔵合金電極を負極に備えた金属水素化物蓄電池が注目さ
れている。
ては、ニッケルーカドミウム蓄電池の如きアルカリ蓄電
池、あるいは鉛蓄電池等がある。近年、これらの電池よ
り軽量、且つ高容量で高エネルギー密度となる可能性の
あるということで、水素吸蔵合金から構成される水素吸
蔵合金電極を負極に備えた金属水素化物蓄電池が注目さ
れている。
【0003】この種電池の負極に用いられる水素吸蔵合
金としては、例えば特開昭63ー21750号公報及び
特開昭62ー246259号公報等に記載されるような
希土類系水素吸蔵合金があり、この組成を改良すること
により、充放電特性の向上が図られている。
金としては、例えば特開昭63ー21750号公報及び
特開昭62ー246259号公報等に記載されるような
希土類系水素吸蔵合金があり、この組成を改良すること
により、充放電特性の向上が図られている。
【0004】又、正極としては、ニッケルーカドミウム
蓄電池に用いられている焼結式ニッケル極等が用いられ
ている。
蓄電池に用いられている焼結式ニッケル極等が用いられ
ている。
【0005】このような構成の金属水素化物蓄電池は、
負極を構成している水素吸蔵合金が、空気中の酸素と反
応し、容易にその表面が酸化されて不活性化する性質を
有するため、組立が終了した時点では負極は不活性な状
態になっている。また、水素吸蔵合金は、アルカリ水溶
液により腐食され易いという性質を有するため、長期に
わたって電池が放置された場合においても、負極は不活
性な状態になっている。
負極を構成している水素吸蔵合金が、空気中の酸素と反
応し、容易にその表面が酸化されて不活性化する性質を
有するため、組立が終了した時点では負極は不活性な状
態になっている。また、水素吸蔵合金は、アルカリ水溶
液により腐食され易いという性質を有するため、長期に
わたって電池が放置された場合においても、負極は不活
性な状態になっている。
【0006】このような状態の電池を、特公昭52−5
691号公報に示されるような従来から行われてきた一
定電流によって充電すると、負極は充電効率が低い状態
にあるため、水素吸蔵合金電極の表面から水素ガスが発
生し、電池の内部圧力が上昇する。また、この電池の内
部圧力の上昇によって、電池に併設されている安全弁が
作動し、電池の寿命も短くなることもある。
691号公報に示されるような従来から行われてきた一
定電流によって充電すると、負極は充電効率が低い状態
にあるため、水素吸蔵合金電極の表面から水素ガスが発
生し、電池の内部圧力が上昇する。また、この電池の内
部圧力の上昇によって、電池に併設されている安全弁が
作動し、電池の寿命も短くなることもある。
【0007】そして、この傾向は組立直後に電池を充放
電により活性化する際に、一定電流による充電を行う場
合に、特に強かった。
電により活性化する際に、一定電流による充電を行う場
合に、特に強かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点に
鑑みなされたものであって、充電方法を改良することに
より、水素吸蔵合金を負極に備えた金属水素化物蓄電池
の充電効率を高め、電池の活性度を高めると共に、電池
の充放電サイクル寿命を改良しようとするものである。
鑑みなされたものであって、充電方法を改良することに
より、水素吸蔵合金を負極に備えた金属水素化物蓄電池
の充電効率を高め、電池の活性度を高めると共に、電池
の充放電サイクル寿命を改良しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の金属水素化物蓄
電池の充電方法は、水素吸蔵合金を負極とする電池の定
電流充電中に一回以上、一時的に充電を休止または充電
電流値を減少させるとともに、前記充電休止時または充
電電流値の減少時以外の充電時間が0.1分以上持続して
いることを特徴とするものであり、前記充電電流の最少
電流値を、最大電流値の80%以下とすることで、より一
層の効果を得ることができる。
電池の充電方法は、水素吸蔵合金を負極とする電池の定
電流充電中に一回以上、一時的に充電を休止または充電
電流値を減少させるとともに、前記充電休止時または充
電電流値の減少時以外の充電時間が0.1分以上持続して
いることを特徴とするものであり、前記充電電流の最少
電流値を、最大電流値の80%以下とすることで、より一
層の効果を得ることができる。
【0010】
【作用】金属水素化物蓄電池の充電は、水素吸蔵合金が
電気化学的に水素を吸蔵する吸蔵反応によって行われ、
この吸蔵反応は、負極表面で発生した原子状の水素が水
素吸蔵合金の内部に拡散することで進行する。また、水
素吸蔵合金は水素の吸蔵及び放出反応が深いほど、即
ち、水素吸蔵合金の単位当りの水素吸蔵及び放出量が多
いほど活性化され易いという性質を有している。したが
って、電池の充電及び放電の際に、水素吸蔵合金に少し
でも多くの水素を吸蔵させ放出させると、水素吸蔵合金
内への水素の拡散反応が速くなり、電気化学的な反応も
スムーズに進み、充電効率の改良、すなわち放電容量の
増大が図れる。
電気化学的に水素を吸蔵する吸蔵反応によって行われ、
この吸蔵反応は、負極表面で発生した原子状の水素が水
素吸蔵合金の内部に拡散することで進行する。また、水
素吸蔵合金は水素の吸蔵及び放出反応が深いほど、即
ち、水素吸蔵合金の単位当りの水素吸蔵及び放出量が多
いほど活性化され易いという性質を有している。したが
って、電池の充電及び放電の際に、水素吸蔵合金に少し
でも多くの水素を吸蔵させ放出させると、水素吸蔵合金
内への水素の拡散反応が速くなり、電気化学的な反応も
スムーズに進み、充電効率の改良、すなわち放電容量の
増大が図れる。
【0011】しかしながら、電池の製造時、あるいは長
期放置後など、水素吸蔵合金の表面に酸化膜が存在する
場合には、充電時に負極表面で発生した原子状の水素が
合金内部に拡散する充電反応が阻害される。また、電池
の製造直後、すなわち水素吸蔵合金が製造されて一度も
水素を吸蔵していない状態、あるいは充放電のサイクル
数が少ない状態の時には、合金製造時に発生する合金内
のひずみによって、水素吸蔵合金の結晶格子が無秩序に
配列しているため、この結晶格子内に水素がスムーズに
拡散し難くなっている。
期放置後など、水素吸蔵合金の表面に酸化膜が存在する
場合には、充電時に負極表面で発生した原子状の水素が
合金内部に拡散する充電反応が阻害される。また、電池
の製造直後、すなわち水素吸蔵合金が製造されて一度も
水素を吸蔵していない状態、あるいは充放電のサイクル
数が少ない状態の時には、合金製造時に発生する合金内
のひずみによって、水素吸蔵合金の結晶格子が無秩序に
配列しているため、この結晶格子内に水素がスムーズに
拡散し難くなっている。
【0012】このように、水素吸蔵合金の表面付近に酸
化膜が存在している場合、または結晶格子が無秩序な配
列になっている場合には、水素吸蔵合金内部への水素の
拡散が阻害されるため、単に一定電流で電池を充電する
だけでは、水素原子が合金内部に拡散する速度より、合
金表面に水素原子が発生する速度の方が速くなり、合金
の表面に存在する水素濃度が上昇する。そして、このよ
うな状態で更に電池を一定電流で充電し続けると、合金
表面から水素ガスが発生し電池の内部圧力が上昇する。
化膜が存在している場合、または結晶格子が無秩序な配
列になっている場合には、水素吸蔵合金内部への水素の
拡散が阻害されるため、単に一定電流で電池を充電する
だけでは、水素原子が合金内部に拡散する速度より、合
金表面に水素原子が発生する速度の方が速くなり、合金
の表面に存在する水素濃度が上昇する。そして、このよ
うな状態で更に電池を一定電流で充電し続けると、合金
表面から水素ガスが発生し電池の内部圧力が上昇する。
【0013】これに対して、本発明の充電方法によっ
て、充電中に1回以上、充電を休止させるか、または充
電電流値を減少させることにより、水素吸蔵合金内部へ
の水素の吸蔵及び拡散を著しく改良することができる。
て、充電中に1回以上、充電を休止させるか、または充
電電流値を減少させることにより、水素吸蔵合金内部へ
の水素の吸蔵及び拡散を著しく改良することができる。
【0014】すなわち、負極の充電時に、水素吸蔵合金
内部に水素が拡散する速度は、合金表面の水素濃度が合
金内部より高く、その水素濃度の差が大きいほど速くな
る。また、前記不規則に配列した合金格子は、合金内へ
の水素の吸蔵及び放出を繰り返すことにより規則的に配
列し、水素が合金内部にスムーズに進入し易くなる。
内部に水素が拡散する速度は、合金表面の水素濃度が合
金内部より高く、その水素濃度の差が大きいほど速くな
る。また、前記不規則に配列した合金格子は、合金内へ
の水素の吸蔵及び放出を繰り返すことにより規則的に配
列し、水素が合金内部にスムーズに進入し易くなる。
【0015】したがって、水素吸蔵合金表面で水素濃度
が一時的に高くなり、水素原子の合金内部への進入速度
が十分に速くなった時点で、充電電流値を減少させて、
水素原子が合金内部に拡散する速度を、合金表面に水素
原子が発生する速度より速くし、合金表面の水素濃度を
低下させることによって、合金表面の水素濃度が上昇し
過ぎて水素ガスが発生することが抑制できると共に、充
電した電気量を水素ガスの発生に使うことなく、損失な
く蓄えることができる。
が一時的に高くなり、水素原子の合金内部への進入速度
が十分に速くなった時点で、充電電流値を減少させて、
水素原子が合金内部に拡散する速度を、合金表面に水素
原子が発生する速度より速くし、合金表面の水素濃度を
低下させることによって、合金表面の水素濃度が上昇し
過ぎて水素ガスが発生することが抑制できると共に、充
電した電気量を水素ガスの発生に使うことなく、損失な
く蓄えることができる。
【0016】更に、充電電流値を大きくしたときに、急
速に合金表面の水素濃度が上昇して、合金内への水素原
子の拡散速度が速くなり、充電電流を小さくしたときに
合金表面の水素濃度が徐々に低下することになるため、
上記充電電流値の増減を繰り返すことによって、合金表
面の水素濃度を比較的高い状態に維持でき、水素を効率
よく合金内に吸蔵することが可能となるため、合金格子
の不規則な配列も比較的早期に解消でき、充電効率が向
上する。
速に合金表面の水素濃度が上昇して、合金内への水素原
子の拡散速度が速くなり、充電電流を小さくしたときに
合金表面の水素濃度が徐々に低下することになるため、
上記充電電流値の増減を繰り返すことによって、合金表
面の水素濃度を比較的高い状態に維持でき、水素を効率
よく合金内に吸蔵することが可能となるため、合金格子
の不規則な配列も比較的早期に解消でき、充電効率が向
上する。
【0017】このように、合金表面と内部の間において
水素の濃度勾配を一時的に設けることにより、合金内部
への水素の拡散をよりスムーズに行うことが可能とな
り、水素吸蔵合金の単位当りの水素吸蔵及び放出量が多
くなって、前記電池製造直後の合金格子の不規則性が早
期に解消できると共に、合金の活性化が進み、この電池
の放電特性、特に水素吸蔵合金電極の活性度を明確に示
す低温放電特性を向上させることができる。
水素の濃度勾配を一時的に設けることにより、合金内部
への水素の拡散をよりスムーズに行うことが可能とな
り、水素吸蔵合金の単位当りの水素吸蔵及び放出量が多
くなって、前記電池製造直後の合金格子の不規則性が早
期に解消できると共に、合金の活性化が進み、この電池
の放電特性、特に水素吸蔵合金電極の活性度を明確に示
す低温放電特性を向上させることができる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明と比較例との対比に言及し、
詳述する。まず、金属水素化物蓄電池の組立方法の一例
を示す。
詳述する。まず、金属水素化物蓄電池の組立方法の一例
を示す。
【0019】負極の水素吸蔵合金として、希土類系水素
吸蔵合金であるLaNi2Co3を粉砕して微粉化したも
のを用い、この合金粉末95重量部に、結着剤としての
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージ
ョンを5重量部添加し、均一に混合することによりPT
FEを繊維化させる。これに水を加えてペースト状と
し、ニッケルメッキを施したパンチングメタル芯体の両
面に前記ペーストを貼り付け水素吸蔵合金電極である負
極を得る。
吸蔵合金であるLaNi2Co3を粉砕して微粉化したも
のを用い、この合金粉末95重量部に、結着剤としての
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージ
ョンを5重量部添加し、均一に混合することによりPT
FEを繊維化させる。これに水を加えてペースト状と
し、ニッケルメッキを施したパンチングメタル芯体の両
面に前記ペーストを貼り付け水素吸蔵合金電極である負
極を得る。
【0020】正極はニッケルーカドミウム電池等に用い
られている公知の焼結式ニッケル極を採用した。
られている公知の焼結式ニッケル極を採用した。
【0021】これらの正極及び負極を、耐アルカリ性を
有するセパレータと共に捲回し、渦巻電極体を得、電池
缶にこの電極体を挿入した後、アルカリ電解液を注入
し、封口を行い、密閉して公称容量1000mAhの金
属水素化物蓄電池を組み立てた。 [実験1]このようにして得られた電池を、以下の条件
で充放電を3回繰り返し行い、活性化を行った。
有するセパレータと共に捲回し、渦巻電極体を得、電池
缶にこの電極体を挿入した後、アルカリ電解液を注入
し、封口を行い、密閉して公称容量1000mAhの金
属水素化物蓄電池を組み立てた。 [実験1]このようにして得られた電池を、以下の条件
で充放電を3回繰り返し行い、活性化を行った。
【0022】充電は、図1に示すように、I1mAの電
流でT1分間の充電と、I2mAの電流でT2分間の充電
とを、交互に連続的に繰り返して合計16時間充電する
ものである。これらの電流値及び時間を表1に示した。
また、何れの場合も、平均充電電流は(I1×T1+I2
×T2)/(T1+T2)で計算した値が、100mAで
一定になるように設定した。
流でT1分間の充電と、I2mAの電流でT2分間の充電
とを、交互に連続的に繰り返して合計16時間充電する
ものである。これらの電流値及び時間を表1に示した。
また、何れの場合も、平均充電電流は(I1×T1+I2
×T2)/(T1+T2)で計算した値が、100mAで
一定になるように設定した。
【0023】放電は、前記充電の後、200mAの電流
値で1.0Vになるまでまで放電するものである。
値で1.0Vになるまでまで放電するものである。
【0024】
【表1】
【0025】このようにして活性化を行った電池A乃至
Gの活性度を比較するために、25℃雰囲気下で100
mAの電流で16時間充電を行った後、電池を0℃雰囲
気下で十分冷却し、その後、1000mAの電流で1.
0Vになるまで放電し、放電容量と作動電圧を比較し
た。その結果を表2に示す。
Gの活性度を比較するために、25℃雰囲気下で100
mAの電流で16時間充電を行った後、電池を0℃雰囲
気下で十分冷却し、その後、1000mAの電流で1.
0Vになるまで放電し、放電容量と作動電圧を比較し
た。その結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表2より明らかなように、電池を組立てた
後、充放電により活性化する場合においては、本発明方
法による電池A乃至Fは、従来の定電流充電による電池
Gと比較して、低温放電時の放電容量及び作動電圧が高
くなっており、この効果はI 2/I1が80%以下の時に
その効果が大になっている。
後、充放電により活性化する場合においては、本発明方
法による電池A乃至Fは、従来の定電流充電による電池
Gと比較して、低温放電時の放電容量及び作動電圧が高
くなっており、この効果はI 2/I1が80%以下の時に
その効果が大になっている。
【0028】これらは前述したように、充電時の電流値
が低くなった際に、水素吸蔵合金表面で一時的に高くな
った水素濃度が拡散により低下することに起因している
と考えられる。その結果、負極から発生する水素量が減
少し、充放電時により多くの水素が吸蔵され、放出され
ることにより、電池、特に負極の活性化に大きく寄与し
たものと考えられる。
が低くなった際に、水素吸蔵合金表面で一時的に高くな
った水素濃度が拡散により低下することに起因している
と考えられる。その結果、負極から発生する水素量が減
少し、充放電時により多くの水素が吸蔵され、放出され
ることにより、電池、特に負極の活性化に大きく寄与し
たものと考えられる。
【0029】尚、充電電流値の大小は、電流密度の強弱
となって働き、水素の合金内部への拡散を外部から押し
進めたことも考えられる。 [実験2]上記充電方法により活性化した電池を、10
00mAの電流で電池の公称容量の200%を充電し、
この時の電池内部の圧力を表3に示す。
となって働き、水素の合金内部への拡散を外部から押し
進めたことも考えられる。 [実験2]上記充電方法により活性化した電池を、10
00mAの電流で電池の公称容量の200%を充電し、
この時の電池内部の圧力を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表3より明らかなように、本発明方法A乃
至Fにより活性化を行った電池は、従来方法Gによる電
池よりも負極の活性化が進んでおり、電池の内部圧力が
低く抑えられている。
至Fにより活性化を行った電池は、従来方法Gによる電
池よりも負極の活性化が進んでおり、電池の内部圧力が
低く抑えられている。
【0032】この原因としては、本発明方法により活性
化した電池は、負極の充電効率が高くなっており、高率
充電時において負極より発生する水素ガスの量が少なく
なったことと、過充電時に正極より発生する酸素ガスを
負極において消費する速度が速くなったことが考えられ
る。 [実験3]上記活性化方法により活性化した電池を、1
Aの電流で90分間充電した後、室温において、1Aの
電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電するという条
件でサイクル試験を行った。図2に電池の容量変化を、
図3にサイクル中の重量減少を夫々示す。 図2及び図
3より明かなように、本発明方法A乃至Fにより活性化
を行った電池は、従来方法Gによる電池よりも、サイク
ル中の重量減少も少なく、サイクル寿命も長くなってい
る。これは、前述したように、充電中の電池内部圧力が
低下したため、弁作動の頻度が低下し重量減少が抑制さ
れたためと思われる。 [実験4]上記従来方法Gにより活性化した電池を、夫
々上記A乃至Gの活性化方法による充電を1回行った
後、0℃雰囲気下において、1Aの電流で電池電圧が
1.0Vになるまで放電し、このときの放電容量と作動
電圧を表4に示す。
化した電池は、負極の充電効率が高くなっており、高率
充電時において負極より発生する水素ガスの量が少なく
なったことと、過充電時に正極より発生する酸素ガスを
負極において消費する速度が速くなったことが考えられ
る。 [実験3]上記活性化方法により活性化した電池を、1
Aの電流で90分間充電した後、室温において、1Aの
電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電するという条
件でサイクル試験を行った。図2に電池の容量変化を、
図3にサイクル中の重量減少を夫々示す。 図2及び図
3より明かなように、本発明方法A乃至Fにより活性化
を行った電池は、従来方法Gによる電池よりも、サイク
ル中の重量減少も少なく、サイクル寿命も長くなってい
る。これは、前述したように、充電中の電池内部圧力が
低下したため、弁作動の頻度が低下し重量減少が抑制さ
れたためと思われる。 [実験4]上記従来方法Gにより活性化した電池を、夫
々上記A乃至Gの活性化方法による充電を1回行った
後、0℃雰囲気下において、1Aの電流で電池電圧が
1.0Vになるまで放電し、このときの放電容量と作動
電圧を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4より、組立後の活性化処理を従来方法
Gで行った電池においても、本発明方法A乃至Fによる
充電を行えば、電池の活性化が進み、低温放電特性が向
上することが確認できる。故に、本発明方法の充電によ
る活性度向上効果は、電池の製造時のみならず、通常の
使用時での充電においても有効である。 [実験5]上記従来方法Gにより活性化した電池を、6
0℃で1カ月間放置した。その後、冷却して室温下にお
いて、実験4と同一条件で充放電を行い、低温放電特性
を測定した。その結果を表5に示す。
Gで行った電池においても、本発明方法A乃至Fによる
充電を行えば、電池の活性化が進み、低温放電特性が向
上することが確認できる。故に、本発明方法の充電によ
る活性度向上効果は、電池の製造時のみならず、通常の
使用時での充電においても有効である。 [実験5]上記従来方法Gにより活性化した電池を、6
0℃で1カ月間放置した。その後、冷却して室温下にお
いて、実験4と同一条件で充放電を行い、低温放電特性
を測定した。その結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】金属水素化物蓄電池は、長期放置、特に高
温放置により不活性化が進み低温放電特性が低下する
が、表5より明らかなように、高温放置後においても本
発明方法の充電を行えば、充電中の弁作動によって電池
の重量減少が生じることを抑制でき、加えて、電池の低
温放電特性をも向上させることができる。
温放置により不活性化が進み低温放電特性が低下する
が、表5より明らかなように、高温放置後においても本
発明方法の充電を行えば、充電中の弁作動によって電池
の重量減少が生じることを抑制でき、加えて、電池の低
温放電特性をも向上させることができる。
【0037】尚、上記実施例では、希土類系の水素吸蔵
合金として、LaNi2Co3を用いたが、これ以外のM
mNi3CoMn等の希土類系の水素吸蔵合金、Ti−
Ni系、Ti−Mn系、Ti−Fe系、Mg−Ni系、
Ti−Zr系、Zr−Mn系水素吸蔵合金を用いても、
同様の効果が期待できる事は言うまでもない。
合金として、LaNi2Co3を用いたが、これ以外のM
mNi3CoMn等の希土類系の水素吸蔵合金、Ti−
Ni系、Ti−Mn系、Ti−Fe系、Mg−Ni系、
Ti−Zr系、Zr−Mn系水素吸蔵合金を用いても、
同様の効果が期待できる事は言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上、詳述した如く、定電流充電中に1
回以上、一時的に充電を休止または充電電流値を減少さ
せるとともに、前記充電休止時または充電電流値の減少
時以外の充電時間が0.1分以上持続させて充電する本発
明の充電方法で、金属水素化物蓄電池を充電することに
より、負極の充電効率を向上させ、活性度を高められる
と共に、充放電によるサイクル寿命が著しく改良するこ
とができる。
回以上、一時的に充電を休止または充電電流値を減少さ
せるとともに、前記充電休止時または充電電流値の減少
時以外の充電時間が0.1分以上持続させて充電する本発
明の充電方法で、金属水素化物蓄電池を充電することに
より、負極の充電効率を向上させ、活性度を高められる
と共に、充放電によるサイクル寿命が著しく改良するこ
とができる。
【図1】充電電流の模式図である。
【図2】充放電サイクルの経過に伴う電池容量の変化を
示す図面である。
示す図面である。
【図3】充放電サイクルの経過に伴う電池の重量減少を
示す図面である。
示す図面である。
A〜F 本発明方法により活性化した電池 G 従来方法により活性化した電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/42 - 10/48 H01M 4/26
Claims (2)
- 【請求項1】 水素を可逆的に吸蔵及び放出することの
できる水素吸蔵合金を負極とする電池の充電方法におい
て、定電流充電中に1回以上、一時的に充電を休止また
は充電電流値を減少させるとともに、前記充電休止時ま
たは充電電流値の減少時以外の充電時間が0.1分以上持
続していることを特徴とする金属水素化物蓄電池の充電
方法。 - 【請求項2】 前記充電電流の最少電流値が最大電流値
の80%以下であることを特徴とする請求項1記載の金属
水素化物蓄電池の充電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3171275A JP3036902B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 金属水素化物蓄電池の充電方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3171275A JP3036902B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 金属水素化物蓄電池の充電方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP3171275A Expired - Fee Related JP3036902B2 (ja) | 1991-07-11 | 1991-07-11 | 金属水素化物蓄電池の充電方法 |
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US6270535B1 (en) * | 1998-09-04 | 2001-08-07 | Moltech Power Systems, Inc. | Method of forming CoOOH and NiOOH in a NiMH electrochemical cell and an electrochemical cell formed thereby |
-
1991
- 1991-07-11 JP JP3171275A patent/JP3036902B2/ja not_active Expired - Fee Related
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