JP3036679U - 便座と便座カバーの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 便座の内周面を包被せずにその内端部を便座
の上面における内端位置で固定するようにした便座カバ
ーを、特にその内端部を便座に対して容易に取付けでき
るようにする。 【解決手段】 便座１の中央開口部３の周囲の座板内端
部における複数箇所に通孔４を穿設すると共に、座板２
の裏面側で上記通孔４の近傍に切り込み７を有する支持
片６を設け、又、便座カバー８において上記便座１の通
孔４と対応する位置にその通孔４に挿通可能な単線の取
付紐９を設けると共に、その取付紐９の先端部に上記便
座１における支持片６の切り込み７に対する係止部１１
を設け、便座カバー８の外端部には便座１の外周部を抱
持する折曲掛止部１３を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は便座と便座カバーの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の便座カバーは、便座の上面に被せられて、その内端部が便座の内周面を 包被して掛止し、又、その外端部が便座の外周面を包被して掛止する構造となっ ていた。しかしながら、便座の内周面は中心開口部の周囲に位置しているので小 水等が付着しやすく、ここを包被している便座カバーの内端部が汚れやすく洗濯 等が面倒であった。

【０００３】 そこで、便座カバーの内端部が便座の上面における内端位置まで覆うようにし て、便座の内周面は便座カバーで包被せずに露出したままにする便座カバーが考 案され、例えば登録実用新案第３０２１７４９号公報などに開示されている。し かしながら、この公知例の場合、便座カバーを便座に取付けるために、特に便座 カバーの内端部を固定する手段として、便座カバーの内端部にリング状のゴム紐 を取付けると共に、便座にそのゴム紐を挿通させる孔部と、その下面にゴム紐を 引掛ける係止部とを設ける構成を採っているが、そのゴム紐がリング状を呈して いるので、孔部に対して挿通しにくいという問題があり、便座カバーの取付けに 手間取るという不満がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の課題は、便座の内周面を包被せずにその内端部を便座の上面における 内端位置で固定するようにした便座カバーを、特にその内端部を便座に対して容 易に取付けできるようにすることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題は本考案によって、すなわち、便座１の中央開口部３の周囲の座板 内端部における複数箇所に通孔４を穿設すると共に、座板２の裏面側で上記通孔 ４の近傍に切り込み７を有する支持片６を設け、又、便座カバー８において上記 便座１の通孔４と対応する位置にその通孔４に挿通可能な単線の取付紐９を設け ると共に、その取付紐９の先端部に上記の便座１における支持片６の切り込み７ に対する係止部１１を設け、又、便座カバー８の外端部に便座１の外周部を抱持 する折曲掛止部１３を設けたことを特徴とする便座と便座カバーの取付構造によ って解決することができる。

【０００６】 なお、上記の便座と便座カバーの取付構造において、便座１の通孔４に対する 取付紐９の挿通をより容易化するために、取付紐９の先端部に係止部１１として パイプ１０を取付ける構成とするのが好ましい。

【０００７】 また、上記の便座と便座カバーの取付構造において、取付紐９の先端部を折り 返してその先端縁の少し内側位置を縫着した紐返し部１４を係止部１１として設 けることも可能である。

【０００８】 また、上記の課題は、便座１の中央開口部３の周囲の座板内端部における複数 箇所に通孔４を穿設すると共に、座板２の裏面側に内孔部が上記の通孔４と連通 する筒部１５を突設し、又、便座カバー８において上記便座１の通孔４と対応す る位置にその通孔４及び筒部１５に挿通可能な単線の取付紐９を設けると共に、 その取付紐９の先端部に筒部１５を通過してからその軸線を傾斜させることによ り筒部１５の開口縁に係止可能な釦１６を取付け、又、便座カバー８の外端部に 便座１の外周部を抱持する折曲掛止部１３を設けたことを特徴とする便座と便座 カバーの取付構造によっても解決することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、図示した本考案の実施例について説明する。まず、図１乃至図５に示し た実施例から説明する。図１は便座１の裏面を示したもので、この便座１は座板 ２の中央開口部３の周囲の内端部における複数箇所に通孔４を穿設すると共に、 座板２の裏面側において上記の通孔４の近傍に位置する補強用リブ５の一部に支 持片６を突設して、その支持片６に切り込み７を設けている。なお、この便座１ は小児用で、大人用の便座に着脱可能としたものであるが、その着脱機構は省略 した。また、小児用に限定するものでもなく、大人用の便座でも構わない。

【００１０】 便座カバー８の内端部の裏面側で、上記の便座１に設けた通孔４と対応する位 置には、図２に示すように、ゴム製の取付紐９を設けると共に、その取付紐９の 先端外周部にパイプ１０を取付けている。このパイプ１０の外径は通孔４の内径 より小さく、パイプ１０及び取付紐９は通孔４に挿通可能となっている。

【００１１】 通孔４に挿通されて便座１の裏面側へ貫出したパイプ１０と取付紐９は、図３ に示すように、支持片６の切り込み７に取付紐９を嵌入させて、パイプ１０を支 持片６に対し係止させることにより固定される。すなわち、パイプ１０の外径は 支持片６の切り込み７の幅より寸法が大きくなっていて、このパイプ１０が係止 部１１となっている。なお、取付紐９にパイプ１０を取付けたのは、通孔４に取 付紐９を挿通しやすくするため、すなわち、パイプ１０によって取付紐９をガイ ドするためである。

【００１２】 図４及び図５は便座カバー８を便座１に取付けた状態を示したものである。便 座カバー８の内端部は上記のように取付紐９とパイプ１０を通孔４に挿通してか ら、その取付紐９を切り込み７に嵌入させ、かつパイプ１０を支持片６に係止す ることにより固定しているが、便座カバー８の外端部には、その周縁部に沿って 環状にゴム紐１２を取付けた折曲掛止部１３を設けて、その折曲掛止部１３によ り便座１の外周部を抱持させて固定している。

【００１３】 次に、図６は他の実施例を示したものである。この実施例は、取付紐９の先端 部に上記実施例におけるパイプ１０のような部材を取付けずに、取付紐９の先端 部を折り返してその先端縁の少し内側位置を縫着した紐返し部１４だけを設け、 その紐返し部１４を支持片６に対する係止部１１となしたものである。その他の 構造は上記実施例と同一である。

【００１４】 次に、図７も他の実施例を示したものである。この実施例は、便座１の裏側に その内孔部が通孔４と連通する筒部１５を突設し、又、便座カバー８には通孔４ と筒部１５に挿通可能な取付紐９を設けると共に、その取付紐９の先端部に筒部 １５を通過してからその軸線を傾斜させることにより筒部１５の開口縁に係止可 能な円柱状の釦１６を取付けたものである。その他の構造は上記実施例と同一で ある。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の便座と便座カバーの取付構造は上記の通りであり、まず請求項１に記 載したように、取付紐９を通孔４に通してから支持片６の切り込み７に嵌入し、 かつ係止部１１を支持片６に係止する構成とすることによって、便座カバー８の 内端部を便座１に対し簡単且つ確実に固定することができる。特に、取付紐９が 単線で上記公知例のようにリング状ではないので、通孔４に対する取付紐９の挿 通作業が極めて容易化し、便座１に対し便座カバー８を手間取らずに迅速に取り 付けできるという効果がある。 また、請求項２に記載したように、取付紐９にパイプ１０を取付ければ、その パイプ１０が取付紐９をガイドするので、取付紐９の挿通作業がより容易化する という利点がある。 また、請求項３に記載したように、取付紐９の先端部を折り返してその先端縁 の少し内側位置を縫着した紐返し部１４を係止部１１として設ければ、上記のパ イプ１０のような部材が不要となる利点がある。 また、請求項４に記載したように、便座１の座板２の裏面側に内孔部が上記の 通孔４と連通する筒部１５を突設し、又、便座カバー８の取付紐９の先端部に筒 部１５を通過してからその軸線を傾斜させることにより筒部１５の開口縁に係止 可能な釦１６を取付ければ、上記の支持片６や切り込み７を成形しなくてすむと いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】便座の底面図である。

【図２】便座カバーを便座に取り付ける前の両者の内端
部の斜視図である。

【図３】便座カバーの内端部を便座の内端部に固定した
状態の斜視図である。

【図４】便座に便座カバーを取付けた状態の底面図であ
る。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】便座カバーの取付紐に形成した紐返し部を便座
の支持片に係止した状態の斜視図である。

【図７】便座カバーの取付紐の釦を便座の筒部に係止し
た状態の断面図である。

【符号の説明】

１ 便座 ２ 座板 ３ 中央開口部 ４ 通孔 ５ リブ ６ 支持片 ７ 切り込み ８ 便座カバー ９ 取付紐 １０ パイプ １１ 係止部 １２ ゴム紐 １３ 折曲掛止部 １４ 紐返し部 １５ 筒部 １６ 釦

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便座１の中央開口部３の周囲の座板内端
   部における複数箇所に通孔４を穿設すると共に、座板２
   の裏面側で上記通孔４の近傍に切り込み７を有する支持
   片６を設け、又、便座カバー８において上記便座１の通
   孔４と対応する位置にその通孔４に挿通可能な単線の取
   付紐９を設けると共に、その取付紐９の先端部に上記の
   便座１における支持片６の切り込み７に対する係止部１
   １を設け、又、便座カバー８の外端部に便座１の外周部
   を抱持する折曲掛止部１３を設けたことを特徴とする便
   座と便座カバーの取付構造。
2. 【請求項２】 取付紐９の先端部に係止部１１としてパ
   イプ１０を取付けた請求項１記載の便座と便座カバーの
   取付構造。
3. 【請求項３】 取付紐９の先端部を折り返してその先端
   縁の少し内側位置を縫着した紐返し部１４を係止部１１
   として設けた請求項１記載の便座と便座カバーの取付構
   造。
4. 【請求項４】 便座１の中央開口部３の周囲の座板内端
   部における複数箇所に通孔４を穿設すると共に、座板２
   の裏面側に内孔部が上記の通孔４と連通する筒部１５を
   突設し、又、便座カバー８において上記便座１の通孔４
   と対応する位置にその通孔４及び筒部１５に挿通可能な
   単線の取付紐９を設けると共に、その取付紐９の先端部
   に筒部１５を通過してからその軸線を傾斜させることに
   より筒部１５の開口縁に係止可能な釦１６を取付け、
   又、便座カバー８の外端部に便座１の外周部を抱持する
   折曲掛止部１３を設けたことを特徴とする便座と便座カ
   バーの取付構造。