JP3036352B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JP3036352B2 JP3036352B2 JP6096193A JP9619394A JP3036352B2 JP 3036352 B2 JP3036352 B2 JP 3036352B2 JP 6096193 A JP6096193 A JP 6096193A JP 9619394 A JP9619394 A JP 9619394A JP 3036352 B2 JP3036352 B2 JP 3036352B2
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- amount
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- organic impurities
- phthalocyanine
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用感光体に関
し、特にその構成材料として感光体材料であるフタロシ
アニン顔料を有する電子写真用感光体に関するものであ
る。
し、特にその構成材料として感光体材料であるフタロシ
アニン顔料を有する電子写真用感光体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般的に、有機感光体(以下OPCと記
す)は、無機感光体に比べ分子設計により種々の波長に
高感度な材料を合成できること、無公害であること、生
産性、経済性に優れまた安価であること等の特徴を有し
ているためこれまで活発な研究開発が行われ、最近は多
くのものが実用化されてきている。
す)は、無機感光体に比べ分子設計により種々の波長に
高感度な材料を合成できること、無公害であること、生
産性、経済性に優れまた安価であること等の特徴を有し
ているためこれまで活発な研究開発が行われ、最近は多
くのものが実用化されてきている。
【0003】そして、従来のOPCの課題とされていた
耐久性や感度の面でも著しい改良がなされ、現在、電子
写真用感光体の主力となってきている。
耐久性や感度の面でも著しい改良がなされ、現在、電子
写真用感光体の主力となってきている。
【0004】具体的には、OPCは、通常、光を吸収し
てキャリアーを発生させる電荷発生層(以下CGLと記
す)と発生したキャリアーを移動させる電荷移動層(以
下CTLと記す)との2重構造を有し、その高感度化が
計られている。
てキャリアーを発生させる電荷発生層(以下CGLと記
す)と発生したキャリアーを移動させる電荷移動層(以
下CTLと記す)との2重構造を有し、その高感度化が
計られている。
【0005】そして、CGLに使用される材料(以下C
GMと記す)としては、各種ペリレン系化合物、各種フ
タロシアニン系化合物、チアピロリウム系化合物、アン
スアンスロン化合物、スクアリリウム系化合物、ビスア
ゾ系化合物、トリアゾ顔料、アズレニウム色素等の種々
の有機材料が検討されている。
GMと記す)としては、各種ペリレン系化合物、各種フ
タロシアニン系化合物、チアピロリウム系化合物、アン
スアンスロン化合物、スクアリリウム系化合物、ビスア
ゾ系化合物、トリアゾ顔料、アズレニウム色素等の種々
の有機材料が検討されている。
【0006】一方、CTLに使用される材料(以下CT
Mと記す)としては、各種ヒドラゾン系化合物、オキサ
ゾール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、アリー
ルアミン化合物等が開発されてきている。
Mと記す)としては、各種ヒドラゾン系化合物、オキサ
ゾール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、アリー
ルアミン化合物等が開発されてきている。
【0007】これらの材料は、バインダー高分子と共に
比較的簡単な塗布法で、ドラムやベルト等の基板上に形
成される。
比較的簡単な塗布法で、ドラムやベルト等の基板上に形
成される。
【0008】このような目的に使用されるバインダー高
分子としては、ポリエステル高分子、ポリカーボネート
高分子、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂等が実現
されてきている。
分子としては、ポリエステル高分子、ポリカーボネート
高分子、アクリル樹脂、アクリルスチレン樹脂等が実現
されてきている。
【0009】さて、一般に、従来の2層構造では、高感
度化のためCGLは0.1〜1ミクロンの厚さで塗布さ
れ、一方、CTLは、10〜30ミクロンの厚さで塗布
される。
度化のためCGLは0.1〜1ミクロンの厚さで塗布さ
れ、一方、CTLは、10〜30ミクロンの厚さで塗布
される。
【0010】このときその強度、耐刷性等の理由から、
CGLは基板側に、CTLは表面側に形成されるのが普
通である。
CGLは基板側に、CTLは表面側に形成されるのが普
通である。
【0011】このような構成においては、CTMが正孔
の移動により作動するもののみ実用化されているので、
その2層感光体は負帯電方式となる。
の移動により作動するもののみ実用化されているので、
その2層感光体は負帯電方式となる。
【0012】また、一方では、CGLとCTLと2層に
分離されていない単層型が提案されている。
分離されていない単層型が提案されている。
【0013】通常は、この層では、電荷発生と電荷移動
の役目を果たす感光材が、一様に分散されている。
の役目を果たす感光材が、一様に分散されている。
【0014】そして、帯電に関しては、電荷移動が、電
子によるか正孔によるかにより、帯電特性は、正か負に
なり、正帯電の場合には、帯電時のオゾンの発生が、負
帯電と比較して非常に小さいためオゾンの発生が低減化
された電子写真プロセスが実現できる。
子によるか正孔によるかにより、帯電特性は、正か負に
なり、正帯電の場合には、帯電時のオゾンの発生が、負
帯電と比較して非常に小さいためオゾンの発生が低減化
された電子写真プロセスが実現できる。
【0015】以上ようなOPCの構成材料で基本となる
CGM、感光材等としては、顔料が用いられている。
CGM、感光材等としては、顔料が用いられている。
【0016】そして、その顔料の結晶型や粒形、残留不
純物の影響により感光特性が大きく異なることが知られ
ている。
純物の影響により感光特性が大きく異なることが知られ
ている。
【0017】最近では、レ−ザあるいはLEDを光源と
して用いる場合が多いが、光吸収特性で600〜800
nmで吸収係数の高い顔料として、フタロシアニンが多
く扱われてきている。
して用いる場合が多いが、光吸収特性で600〜800
nmで吸収係数の高い顔料として、フタロシアニンが多
く扱われてきている。
【0018】このフタロシアニンについては、無金属フ
タロシアニンに加えて多くの金属フタロシアニンの、O
PCへの適用化が提案されている。
タロシアニンに加えて多くの金属フタロシアニンの、O
PCへの適用化が提案されている。
【0019】例として、最近では、チタニルフタロシア
ニンのある結晶型のものが非常に高感度のOPCを提供
することが知られてきている。
ニンのある結晶型のものが非常に高感度のOPCを提供
することが知られてきている。
【0020】ところで、フタロシアニン顔料に含有され
る不純物としては、有機物ばかりでなく、無機物もある
ことが知られている。
る不純物としては、有機物ばかりでなく、無機物もある
ことが知られている。
【0021】無機物としては、反応容器等からの金属あ
るいは金属酸化物、例えばFe、Ni、Al、Si等が
報告されている例がある。
るいは金属酸化物、例えばFe、Ni、Al、Si等が
報告されている例がある。
【0022】また、金属フタロシアニンを合成する際に
は、ハロゲン化合物を使用するので、ハロゲンイオン、
あるいはハロゲン化物の含有が知られている。
は、ハロゲン化合物を使用するので、ハロゲンイオン、
あるいはハロゲン化物の含有が知られている。
【0023】無機物については、OPCの電気的な特性
を考慮すると、できる限り少ないほうがよいということ
でppmオ−ダ−まで低減化が図られている。
を考慮すると、できる限り少ないほうがよいということ
でppmオ−ダ−まで低減化が図られている。
【0024】一方、有機不純物については、有機顔料状
態のものから精製することは、フタロシアニン顔料は、
一般に有機溶剤等に不溶なため、有機結晶の精製法の常
法の再結晶法等は用いられないために生じる。
態のものから精製することは、フタロシアニン顔料は、
一般に有機溶剤等に不溶なため、有機結晶の精製法の常
法の再結晶法等は用いられないために生じる。
【0025】つまり、顔料状態での結晶型を無視すれ
ば、昇華精製法で不純物をある程度少なくすることがで
きるが、結晶型を保ちつつ不純物を少なくすることは困
難であるとされている。
ば、昇華精製法で不純物をある程度少なくすることがで
きるが、結晶型を保ちつつ不純物を少なくすることは困
難であるとされている。
【0026】よって、望む特性の顔料を、再現性よく、
つまり合成ロットでばらつきなく、合成するのは、克服
が困難であると考えられている。
つまり合成ロットでばらつきなく、合成するのは、克服
が困難であると考えられている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】つまり、従来から、積
層または単層のOPCの構成材料で基本となるCGM、
感光材等として、有機顔料が用いられている。
層または単層のOPCの構成材料で基本となるCGM、
感光材等として、有機顔料が用いられている。
【0028】積層タイプの場合は、CGMとしてCGL
に用いられ、単層タイプの場合は樹脂層に一様に分散さ
れた状態で用いられるが、どちらのタイプにおいても、
その顔料の結晶型や粒形、残留不純物の影響により感光
特性が大きく左右されることが知られている。
に用いられ、単層タイプの場合は樹脂層に一様に分散さ
れた状態で用いられるが、どちらのタイプにおいても、
その顔料の結晶型や粒形、残留不純物の影響により感光
特性が大きく左右されることが知られている。
【0029】ここで、感光体の感光機構の基本プロセス
としては、光照射後、電荷発生、電荷注入、電荷移動の
3プロセスがあるが、顔料の種類や結晶の違いによって
大きく左右されるのは、電荷発生の効率である。
としては、光照射後、電荷発生、電荷注入、電荷移動の
3プロセスがあるが、顔料の種類や結晶の違いによって
大きく左右されるのは、電荷発生の効率である。
【0030】一方、有機不純物としては、電荷移動や安
定性のほうに大きく影響をする。積層タイプの場合は、
機能分離型となり、CGLの膜厚が単層タイプと比較し
て薄いため、電荷移動や安定性に対する影響度は小さい
が、単層タイプでは、電荷移動のプロセスが、有機顔料
の不純物の性質により、特に、大きく影響を受ける。
定性のほうに大きく影響をする。積層タイプの場合は、
機能分離型となり、CGLの膜厚が単層タイプと比較し
て薄いため、電荷移動や安定性に対する影響度は小さい
が、単層タイプでは、電荷移動のプロセスが、有機顔料
の不純物の性質により、特に、大きく影響を受ける。
【0031】従って、顔料の結晶型を制御しながら、か
つ不純物等も低減化し、感光特性の向上あるいは安定化
を図ると同時に、これらの諸特性を再現性よく合成する
ことが、大きな課題になっている。
つ不純物等も低減化し、感光特性の向上あるいは安定化
を図ると同時に、これらの諸特性を再現性よく合成する
ことが、大きな課題になっている。
【0032】本発明の目的は、有機顔料に含まれる有機
不純物を所定量に制御して結晶型の制御を行うことによ
り、最終的な顔料として、不純物が所定量以下に制御さ
れた結晶が得られるようにし、このような有機顔料を用
いることにより感光特性の向上及び安定化の図られた電
子写真用感光体を提供することを目的とするものであ
る。
不純物を所定量に制御して結晶型の制御を行うことによ
り、最終的な顔料として、不純物が所定量以下に制御さ
れた結晶が得られるようにし、このような有機顔料を用
いることにより感光特性の向上及び安定化の図られた電
子写真用感光体を提供することを目的とするものであ
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機不純物量
を所定量以下に制御処理を行い、かつある結晶型に制御
することにより目的とする特性をもつフタロシアニン顔
料を用いた電子写真用感光体である。
を所定量以下に制御処理を行い、かつある結晶型に制御
することにより目的とする特性をもつフタロシアニン顔
料を用いた電子写真用感光体である。
【0034】
【作用】本発明による有機不純物量が所定量以下に制御
され、かつ結晶型がある型に制御された顔料を用いるこ
とにより、有機感光体の感光特性の向上と安定化が図る
ことが可能となる。
され、かつ結晶型がある型に制御された顔料を用いるこ
とにより、有機感光体の感光特性の向上と安定化が図る
ことが可能となる。
【0035】
【実施例】本発明の具体的な実施例について説明をする
前に、感光体中の不純物について詳細に考察する。
前に、感光体中の不純物について詳細に考察する。
【0036】不純物のうち無機物については、原料の段
階で酸等を用いてppmオ−ダ−まで低減できる。とこ
ろが、有機不純物については原料の再結晶などの不純物
除去などを行っても、結晶転移などの化学的処理をする
ごとに不純物を副次的に生成してしまう。
階で酸等を用いてppmオ−ダ−まで低減できる。とこ
ろが、有機不純物については原料の再結晶などの不純物
除去などを行っても、結晶転移などの化学的処理をする
ごとに不純物を副次的に生成してしまう。
【0037】例えば、フタロシアニン顔料の結晶転移に
用いられるアシッドペースト法や無機不純物を除去する
ための酸処理では、フタロシアニンが酸化分解等を起こ
し、副生成物としてフタルイミド、無水フタル酸、フタ
ル酸等を生じてしまう。
用いられるアシッドペースト法や無機不純物を除去する
ための酸処理では、フタロシアニンが酸化分解等を起こ
し、副生成物としてフタルイミド、無水フタル酸、フタ
ル酸等を生じてしまう。
【0038】不純物によっては感光体の特性にあまり影
響しないものもあるが、これら有機不純物は合成過程や
精製処理工程を経ることにより、質の変化と量の変化を
同時に生じてしまい、副生成した不純物が特性に影響す
る場合もある。
響しないものもあるが、これら有機不純物は合成過程や
精製処理工程を経ることにより、質の変化と量の変化を
同時に生じてしまい、副生成した不純物が特性に影響す
る場合もある。
【0039】また、精製処理方法によっては、結晶転移
に影響を与えるような不純物ができ目的とする結晶型が
得られない場合さえある。
に影響を与えるような不純物ができ目的とする結晶型が
得られない場合さえある。
【0040】従って、感光体の感光特性や結晶転移に悪
影響を及ぼす有機不純物をある量以下に押さえることが
重要な課題となる。
影響を及ぼす有機不純物をある量以下に押さえることが
重要な課題となる。
【0041】さて、有機顔料中の有機不純物は一般に有
機顔料そのものより熱分解あるいは昇華をおこしやす
い。そこで、熱重量分析により含有する有機不純物量を
測定することができる。
機顔料そのものより熱分解あるいは昇華をおこしやす
い。そこで、熱重量分析により含有する有機不純物量を
測定することができる。
【0042】図1に、x型無金属フタロシアニンの室温
から400℃の範囲までの熱重量変化を測定した一例を
模式的に示す。
から400℃の範囲までの熱重量変化を測定した一例を
模式的に示す。
【0043】図1を参照すると、150℃付近から重量
減少が観察され、その減少の変化は温度に対して不連続
な変化であり、150℃から350℃の温度域におい
て、大きな重量減少を示している。
減少が観察され、その減少の変化は温度に対して不連続
な変化であり、150℃から350℃の温度域におい
て、大きな重量減少を示している。
【0044】これは、この温度範囲で、ある特定な有機
不純物の熱分解、あるいは昇華を生じるものと考えられ
る。
不純物の熱分解、あるいは昇華を生じるものと考えられ
る。
【0045】しかし、この高温下においては、フタロシ
アニン顔料自身が昇華する可能性があるため、一度40
0℃まで昇温して測定した試料を、再度測定した。その
結果を図2に示す。
アニン顔料自身が昇華する可能性があるため、一度40
0℃まで昇温して測定した試料を、再度測定した。その
結果を図2に示す。
【0046】図2を参照すると、350℃以上では重量
減少は0.1重量%以下であった。よって、図1に示さ
れる350℃以下の重量減少は、フタロシアニン以外の
有機不純物の影響によるものであると考えられる。
減少は0.1重量%以下であった。よって、図1に示さ
れる350℃以下の重量減少は、フタロシアニン以外の
有機不純物の影響によるものであると考えられる。
【0047】そして、数々の熱重量分析をおこなった結
果、含有する有機不純物は大きく分けて3種の温度範囲
に限定されることがわかった。
果、含有する有機不純物は大きく分けて3種の温度範囲
に限定されることがわかった。
【0048】1つめは、150℃以下に沸点を有する溶
媒(合成・精製過程で使用されるもの)や水分子であ
り、2つめは、150℃から270℃の範囲に沸点・昇
華点をもつフタルイミド、無水フタル酸、フタル酸等の
分子、そして、3つめは、270℃以上に沸点をもつ
か、あるいは熱分解を生ずるこれらの縮合反応物やフタ
ロニトリルの2量体、3量体である。
媒(合成・精製過程で使用されるもの)や水分子であ
り、2つめは、150℃から270℃の範囲に沸点・昇
華点をもつフタルイミド、無水フタル酸、フタル酸等の
分子、そして、3つめは、270℃以上に沸点をもつ
か、あるいは熱分解を生ずるこれらの縮合反応物やフタ
ロニトリルの2量体、3量体である。
【0049】そして、熱重量分析の結果と、熱重量分析
をした顔料を用いて作製した電子写真感光体の特性の測
定において、含有する有機不純物量が1重量%を境にし
て、不純物量の感光特性に対する影響が変わることを見
いだした。
をした顔料を用いて作製した電子写真感光体の特性の測
定において、含有する有機不純物量が1重量%を境にし
て、不純物量の感光特性に対する影響が変わることを見
いだした。
【0050】つまり、不純物量が1重量%以上のフタロ
シアニン顔料においては、その量が少なくなればなる
程、作製した感光体の感光体特性及び安定性は向上す
る。
シアニン顔料においては、その量が少なくなればなる
程、作製した感光体の感光体特性及び安定性は向上す
る。
【0051】しかし、その量が1重量%以下のものを用
いた場合、感光体の感光特性及び安定性については、ば
らつきはあるが、基本的に高感度・高安定性のものが得
られる傾向を有するようになるのである。
いた場合、感光体の感光特性及び安定性については、ば
らつきはあるが、基本的に高感度・高安定性のものが得
られる傾向を有するようになるのである。
【0052】さて、ここで用いたx型無金属フタロシア
ニンは、一般に、化学的に合成したβ型フタロシアニン
を用いて、酸で溶解後再沈処理してα型とした後、機械
的摩砕力でx型への結晶型に転移することにより得るこ
とができたものである。
ニンは、一般に、化学的に合成したβ型フタロシアニン
を用いて、酸で溶解後再沈処理してα型とした後、機械
的摩砕力でx型への結晶型に転移することにより得るこ
とができたものである。
【0053】そこで、このような結晶転移の工程を経る
場合に、各結晶型における有機不純物の質・量が各々変
化し、それらが最終的な感光体の感光特性、安定性に影
響を与えていることが考えられる。
場合に、各結晶型における有機不純物の質・量が各々変
化し、それらが最終的な感光体の感光特性、安定性に影
響を与えていることが考えられる。
【0054】従って、各結晶型における有機不純物量の
最終的な感光特性への影響をも検討をした。
最終的な感光特性への影響をも検討をした。
【0055】その結果、β型、α型各々の結晶型におい
て含有する有機不純物量が変化し、最終的なx型の感光
特性、安定性に影響していることがわかった。
て含有する有機不純物量が変化し、最終的なx型の感光
特性、安定性に影響していることがわかった。
【0056】具体的には、まず、β型での有機不純物量
を1重量%以下にしておくことが重要であり、この条件
下では、感光特性及び安定性に優れた電子写真感光特性
をえることができた。
を1重量%以下にしておくことが重要であり、この条件
下では、感光特性及び安定性に優れた電子写真感光特性
をえることができた。
【0057】しかし、なんらかの原因で、次段のα型の
結晶型において含有する有機不純物量が1重量%を越え
ると、特性が劣化することが希に発生してしまい、歩留
まりが悪化することも判明した。
結晶型において含有する有機不純物量が1重量%を越え
ると、特性が劣化することが希に発生してしまい、歩留
まりが悪化することも判明した。
【0058】そこで、次に重要なのは、α型の結晶型に
おいて含有する有機不純物量を1重量%以内に抑えるこ
とが重要である。
おいて含有する有機不純物量を1重量%以内に抑えるこ
とが重要である。
【0059】そして、更に、最終のx型の結晶型におい
て含有する有機不純物量をも1重量%以内に抑えれば、
きわめて良好な感光特性及び安定性を有する感光体を歩
留まりよく実現することができる。
て含有する有機不純物量をも1重量%以内に抑えれば、
きわめて良好な感光特性及び安定性を有する感光体を歩
留まりよく実現することができる。
【0060】さて、今度は、更に詳細に、有機不純物質
の影響について、図1にみられるような3種の熱重量減
少領域において検討してみる。
の影響について、図1にみられるような3種の熱重量減
少領域において検討してみる。
【0061】ここで、図1は、x型の場合の熱重量の変
化を示すが、β型、α型ともに類似の化合物であるか
ら、同様の熱重量変化特性を有すると考えられる。
化を示すが、β型、α型ともに類似の化合物であるか
ら、同様の熱重量変化特性を有すると考えられる。
【0062】その結果、図1に見られるような熱重量変
化がある場合に、室温から150℃の範囲における熱重
量減少よりも、高温側の150℃から350℃間の熱重
量減少の原因となる有機不純物の影響が大きいことがわ
かった。
化がある場合に、室温から150℃の範囲における熱重
量減少よりも、高温側の150℃から350℃間の熱重
量減少の原因となる有機不純物の影響が大きいことがわ
かった。
【0063】そして、β型、α型の各結晶型においても
同様の検討を行い、x型同様、150℃から350℃の
温度範囲の重量減少量の影響が大きいことがわかった。
同様の検討を行い、x型同様、150℃から350℃の
温度範囲の重量減少量の影響が大きいことがわかった。
【0064】これらの場合、150℃から350℃間の
範囲で熱重量減少の原因となる有機不純物の量を0.8
重量%以下に抑えることが効果的であった。
範囲で熱重量減少の原因となる有機不純物の量を0.8
重量%以下に抑えることが効果的であった。
【0065】更に、図1に見られるような熱重量変化が
ある場合に、室温から270℃の範囲における熱重量減
少よりも、より高温側の270℃から350℃間の熱重
量減少の原因となる有機不純物の影響が大きいことがわ
かった。
ある場合に、室温から270℃の範囲における熱重量減
少よりも、より高温側の270℃から350℃間の熱重
量減少の原因となる有機不純物の影響が大きいことがわ
かった。
【0066】そして、β型、α型の各結晶型においても
同様の検討を行い、x型同様、270℃から350℃の
温度範囲の重量減少量の影響が大きいことがわかった。
同様の検討を行い、x型同様、270℃から350℃の
温度範囲の重量減少量の影響が大きいことがわかった。
【0067】これらの場合、150℃から270℃の範
囲よりも高温側の270℃から350℃間の範囲で熱重
量減少の原因となる有機不純物の量を0.6重量%以下
に抑えることが効果的であった。
囲よりも高温側の270℃から350℃間の範囲で熱重
量減少の原因となる有機不純物の量を0.6重量%以下
に抑えることが効果的であった。
【0068】同様に、他の結晶型の無金属フタロシアニ
ンや、金属フタロシアニン、例えば、チタニルフタロシ
アニン、銅フタロシアニンの合成に対しても同じ傾向が
見られる。
ンや、金属フタロシアニン、例えば、チタニルフタロシ
アニン、銅フタロシアニンの合成に対しても同じ傾向が
見られる。
【0069】金属フタロシアニンは、出発原料としては
フタロニトリルを用い、これに金属塩化物あるいは金属
アルコキシド加えて合成し、結晶制御を、無金属フタロ
シアニンの場合と同様に酸処理や機械的剪断力の操作に
より行うが、金属塩化物を用いた場合には無機不純物と
して、塩素の残留が感光特性にまず大きく影響すること
が知られている。
フタロニトリルを用い、これに金属塩化物あるいは金属
アルコキシド加えて合成し、結晶制御を、無金属フタロ
シアニンの場合と同様に酸処理や機械的剪断力の操作に
より行うが、金属塩化物を用いた場合には無機不純物と
して、塩素の残留が感光特性にまず大きく影響すること
が知られている。
【0070】塩素以外に生成される有機不純物は、無金
属フタロシアニンの場合と同様であり、感光特性への影
響も、最終型をx型に代表して説明した無金属フタロシ
アニンの場合と同様に現れることがわかった。
属フタロシアニンの場合と同様であり、感光特性への影
響も、最終型をx型に代表して説明した無金属フタロシ
アニンの場合と同様に現れることがわかった。
【0071】以下に、本発明の具体的な実施例について
詳細に説明する。 (実施例1)本実施例は、無金属フタロシアニンとし
て、x型無金属フタロシアニン(以下xH2Pcと略
す)を合成した実施例である。
詳細に説明する。 (実施例1)本実施例は、無金属フタロシアニンとし
て、x型無金属フタロシアニン(以下xH2Pcと略
す)を合成した実施例である。
【0072】まず、フタロニトリルを出発原料として用
い、塩基性溶媒中でβ型H2Pcを合成する。
い、塩基性溶媒中でβ型H2Pcを合成する。
【0073】その後、硫酸に溶解後水中に滴下してα型
H2Pcを合成する。そして、それをボ−ルミリング処
理により結晶転移を行ってxH2Pcを合成する。
H2Pcを合成する。そして、それをボ−ルミリング処
理により結晶転移を行ってxH2Pcを合成する。
【0074】このように合成されたxH2Pcとポリエ
ステル(東洋紡績(株)製、バイロン200、以下PE
Tと略す)を、1:4の比でテトラヒドロフランに溶解
し、十分に攪拌混合を行った。
ステル(東洋紡績(株)製、バイロン200、以下PE
Tと略す)を、1:4の比でテトラヒドロフランに溶解
し、十分に攪拌混合を行った。
【0075】この結果得られた溶液をアルミ製基板上に
ディップ法で塗布し、これを120℃の雰囲気下に1時
間放置し加熱乾燥処理を行い、感光体を作製した。
ディップ法で塗布し、これを120℃の雰囲気下に1時
間放置し加熱乾燥処理を行い、感光体を作製した。
【0076】感光体の感光特性の測定は、まず不純物量
の異なったβ型H2Pcを各々10個用意し、それらか
ら合成されたxH2Pcを用いて作製した感光体の感光
特性を各々測定し、各不純物量に対応した10個の感光
特性値の平均を取った。
の異なったβ型H2Pcを各々10個用意し、それらか
ら合成されたxH2Pcを用いて作製した感光体の感光
特性を各々測定し、各不純物量に対応した10個の感光
特性値の平均を取った。
【0077】測定に用いた装置は、川口電機(株)製E
PA−8100型ペーパーアナライザーを用い、タング
ステンによる白色光が照射して、正帯電による光感度
(半減露光量:E1/2)を測定し、併せて帯電と露光の
繰り返し試験における感度と表面電位の安定性について
も検討を行った。具体的には、初期表面電位を700V
に帯電を行った後、5000回を帯電と露光を繰り返し
た後の初期電位からの低下した電位と感度変化量で評価
を行った。この測定の内容は、以下の実施例でも同様で
ある。
PA−8100型ペーパーアナライザーを用い、タング
ステンによる白色光が照射して、正帯電による光感度
(半減露光量:E1/2)を測定し、併せて帯電と露光の
繰り返し試験における感度と表面電位の安定性について
も検討を行った。具体的には、初期表面電位を700V
に帯電を行った後、5000回を帯電と露光を繰り返し
た後の初期電位からの低下した電位と感度変化量で評価
を行った。この測定の内容は、以下の実施例でも同様で
ある。
【0078】なお、有機不純物量については、熱重量分
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
【0079】この測定結果を(表1)に示す。
【0080】
【表1】
【0081】本実施例によれば、β型H2Pcにおける
有機不純物量が1重量%以下になると、感度も良好で、
かつそのバラツキも小さく、更に繰り返し試験での特性
の安定性も向上し、充分な実用的特性を満たす感光体を
得ることができることがわかる。
有機不純物量が1重量%以下になると、感度も良好で、
かつそのバラツキも小さく、更に繰り返し試験での特性
の安定性も向上し、充分な実用的特性を満たす感光体を
得ることができることがわかる。
【0082】(実施例2)本実施例では、更に、β型の
H2Pcの有機不純物量のみならず、α型H2Pcの有機
不純物量の影響についても測定を行なった。
H2Pcの有機不純物量のみならず、α型H2Pcの有機
不純物量の影響についても測定を行なった。
【0083】本実施例においても、実施例1と同様の手
順で、xH2Pcを合成し、感光体を作製した。
順で、xH2Pcを合成し、感光体を作製した。
【0084】感光体の感光特性の測定は、まず不純物量
の異なったβ型H2Pcとそれに対応しかつ異なった不
純物量を有するα型H2Pcの組み合せからなる化合物
を各々10個用意し、それらから合成されたxH2Pc
を用いて作製した感光体の感光特性を各々測定し、各1
0個の感光体毎についての感光特性値の平均を取った。
の異なったβ型H2Pcとそれに対応しかつ異なった不
純物量を有するα型H2Pcの組み合せからなる化合物
を各々10個用意し、それらから合成されたxH2Pc
を用いて作製した感光体の感光特性を各々測定し、各1
0個の感光体毎についての感光特性値の平均を取った。
【0085】この測定結果を(表2)に示す。
【0086】
【表2】
【0087】本実施例によれば、β型H2Pcにおける
不純物量とα型H2Pcにおける有機不純物量が共に1
重量%以下になると、更に感度も良好で、繰り返し試験
での特性の安定性も向上した感光体を得ることができ
る。
不純物量とα型H2Pcにおける有機不純物量が共に1
重量%以下になると、更に感度も良好で、繰り返し試験
での特性の安定性も向上した感光体を得ることができ
る。
【0088】(実施例3)本実施例では、更に、β型、
α型のH2Pcの有機不純物量のみならず、xH2Pcの
有機不純物量の影響についても測定を行なった。
α型のH2Pcの有機不純物量のみならず、xH2Pcの
有機不純物量の影響についても測定を行なった。
【0089】本実施例においても、実施例1と同様の手
順で、xH2Pcを合成し、感光体を作製した。
順で、xH2Pcを合成し、感光体を作製した。
【0090】感光体の感光特性の測定は、まず各々不純
物量の異なったβ型H2Pc、α型H2Pc、xH2Pc
の組み合せに対応したxH2Pcを各10個用意し、こ
れらのxH2Pcから作製した感光体の感光特性を各々
測定し、各10個の感光体毎についての感光特性値の平
均を取った。
物量の異なったβ型H2Pc、α型H2Pc、xH2Pc
の組み合せに対応したxH2Pcを各10個用意し、こ
れらのxH2Pcから作製した感光体の感光特性を各々
測定し、各10個の感光体毎についての感光特性値の平
均を取った。
【0091】この測定結果を(表3)に示す。
【0092】
【表3】
【0093】本実施例によれば、β型H2Pcにおける
不純物量とα型H2Pcにおける有機不純物量に加え、
更にxH2Pcの有機不純物量が、共に1重量%以下に
なると、より感度も良好で、繰り返し試験での特性の安
定性も向上した感光体を得ることができる。
不純物量とα型H2Pcにおける有機不純物量に加え、
更にxH2Pcの有機不純物量が、共に1重量%以下に
なると、より感度も良好で、繰り返し試験での特性の安
定性も向上した感光体を得ることができる。
【0094】(実施例4)本実施例では、xH2Pcの
状態で、室温から150℃までと、150℃から350
℃までの温度範囲おいて、各々熱重量減少量に対応して
有機不純物量を見積った場合に、それらの有機不純物量
の組み合せに対応した感光体を各10個用意して感光特
性を測定し、各10個の感光体毎に平均を取った。
状態で、室温から150℃までと、150℃から350
℃までの温度範囲おいて、各々熱重量減少量に対応して
有機不純物量を見積った場合に、それらの有機不純物量
の組み合せに対応した感光体を各10個用意して感光特
性を測定し、各10個の感光体毎に平均を取った。
【0095】なお、本実施例においても、実施例1と同
様の手順でxH2Pcを合成し、感光体を作製した。
様の手順でxH2Pcを合成し、感光体を作製した。
【0096】この測定結果を(表4)に示す。
【0097】
【表4】
【0098】本実施例によれば、xH2Pcに含まれる
有機不純物を1重量%以下に抑える(その前の各結晶型
も同様に抑えてある)だけでなく、150℃から350
℃までの温度範囲おける熱重量減少量に対応した有機不
純物量を0.8重量%以下に抑えることにより、より感
度も良好で、繰り返し試験での特性の安定性も向上した
感光体を得ることができる。
有機不純物を1重量%以下に抑える(その前の各結晶型
も同様に抑えてある)だけでなく、150℃から350
℃までの温度範囲おける熱重量減少量に対応した有機不
純物量を0.8重量%以下に抑えることにより、より感
度も良好で、繰り返し試験での特性の安定性も向上した
感光体を得ることができる。
【0099】なお、本実施例では、xH2Pcに代表し
て述べたが、他の結晶型でも同様の結果となることを確
認している。
て述べたが、他の結晶型でも同様の結果となることを確
認している。
【0100】(実施例5)本実施例では、xH2Pcの
状態で、室温から350℃までの温度範囲の内、更に異
なる温度範囲において、つまり室温から270℃まで
と、270℃から350℃までについて検討した。
状態で、室温から350℃までの温度範囲の内、更に異
なる温度範囲において、つまり室温から270℃まで
と、270℃から350℃までについて検討した。
【0101】そこで、室温から270℃までの温度範囲
と270℃から350℃までの温度範囲の各々の熱重量
減少量に対応して有機不純物量を見積った場合に、それ
らの有機不純物量の組み合せに対応した感光体を各10
個用意して感光特性を測定し、各10個の感光体毎に平
均を取った。
と270℃から350℃までの温度範囲の各々の熱重量
減少量に対応して有機不純物量を見積った場合に、それ
らの有機不純物量の組み合せに対応した感光体を各10
個用意して感光特性を測定し、各10個の感光体毎に平
均を取った。
【0102】なお、本実施例においても、実施例1と同
様の手順でxH2Pcを合成し、感光体を作製した。
様の手順でxH2Pcを合成し、感光体を作製した。
【0103】この測定結果を(表5)に示す。
【0104】
【表5】
【0105】本実施例によれば、xH2Pcに含まれる
有機不純物を1重量%以下に抑える(その前の結晶型も
同様に抑えてある)だけでなく、270℃から350℃
までの温度範囲おける熱重量減少量に対応した有機不純
物量を0.6重量%以下に抑えることにより、より感度
も良好で、繰り返し試験での特性の安定性も向上した感
光体を得ることができる。
有機不純物を1重量%以下に抑える(その前の結晶型も
同様に抑えてある)だけでなく、270℃から350℃
までの温度範囲おける熱重量減少量に対応した有機不純
物量を0.6重量%以下に抑えることにより、より感度
も良好で、繰り返し試験での特性の安定性も向上した感
光体を得ることができる。
【0106】なお、本実施例では、xH2Pcに代表し
て述べたが、他の結晶型でも同様の結果となることを確
認している。
て述べたが、他の結晶型でも同様の結果となることを確
認している。
【0107】(実施例6)本実施例では、実施例1のx
H2Pcと同様な手順を経て作製されたτ型無金属フタ
ロシアニンについて、実施例4と同様な温度範囲での不
純物量に関して感光特性の影響をみた。
H2Pcと同様な手順を経て作製されたτ型無金属フタ
ロシアニンについて、実施例4と同様な温度範囲での不
純物量に関して感光特性の影響をみた。
【0108】そこで、室温から150℃までの温度範囲
と150℃から350℃までの温度範囲の各々の熱重量
減少量に対応して有機不純物量を見積った場合に、それ
らの有機不純物量の組み合せに対応した感光体を各10
個用意して感光特性を測定し、各10個の感光体毎に平
均を取った。
と150℃から350℃までの温度範囲の各々の熱重量
減少量に対応して有機不純物量を見積った場合に、それ
らの有機不純物量の組み合せに対応した感光体を各10
個用意して感光特性を測定し、各10個の感光体毎に平
均を取った。
【0109】この測定結果を(表6)に示す。
【0110】
【表6】
【0111】本実施例によれば、τ型無金属フタロシア
ニンに含まれる有機不純物を1重量%以下に抑えるだけ
でなく、150℃から350℃までの温度範囲おける熱
重量減少量に対応した有機不純物量を0.8重量%以下
に抑えることにより、より感度も良好で、繰り返し試験
での特性の安定性も向上した感光体を得ることができ
る。
ニンに含まれる有機不純物を1重量%以下に抑えるだけ
でなく、150℃から350℃までの温度範囲おける熱
重量減少量に対応した有機不純物量を0.8重量%以下
に抑えることにより、より感度も良好で、繰り返し試験
での特性の安定性も向上した感光体を得ることができ
る。
【0112】なお、本実施例においては、150℃から
350℃までの温度範囲について述べたが、270℃か
ら350℃の温度範囲についても0.6重量%以下に有
機不純物を抑えることにより、良好な感度と特性安定性
に優れた感校対を得ることができる。
350℃までの温度範囲について述べたが、270℃か
ら350℃の温度範囲についても0.6重量%以下に有
機不純物を抑えることにより、良好な感度と特性安定性
に優れた感校対を得ることができる。
【0113】(実施例7)本実施例では、銅フタロシア
ニンについて検討した。
ニンについて検討した。
【0114】まず、β型銅フタロシアニンを用い、これ
をミリングによりα型に結晶転移したα型銅フタロシア
ニンを合成し、以下、実施例1と同様の手順で感光体を
作製した。
をミリングによりα型に結晶転移したα型銅フタロシア
ニンを合成し、以下、実施例1と同様の手順で感光体を
作製した。
【0115】感光体の感光特性の測定は、まず不純物量
の異なったβ型銅フタロシアニンを各々10個用意し、
それらから合成されたα型銅フタロシアニンを用いて作
製した感光体の感光特性を各々測定し、各不純物量に対
応した10個の感光特性値の平均を取った。
の異なったβ型銅フタロシアニンを各々10個用意し、
それらから合成されたα型銅フタロシアニンを用いて作
製した感光体の感光特性を各々測定し、各不純物量に対
応した10個の感光特性値の平均を取った。
【0116】なお、有機不純物量については、熱重量分
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
【0117】この測定結果を(表7)に示す。
【0118】
【表7】
【0119】本実施例によれば、β型銅フタロシアニン
における有機不純物量が1重量%以下になると、感度も
良好で、かつそのバラツキも小さく、更に繰り返し試験
での特性の安定性も向上し、充分な実用的特性を満たす
感光体を得ることができることがわかる。
における有機不純物量が1重量%以下になると、感度も
良好で、かつそのバラツキも小さく、更に繰り返し試験
での特性の安定性も向上し、充分な実用的特性を満たす
感光体を得ることができることがわかる。
【0120】そして、本実施例においても、更に、α型
銅フタロシアニンの有機不純物量をも1重量%以下に抑
えることにより、より感光特性や安定性を向上させるこ
とができた。
銅フタロシアニンの有機不純物量をも1重量%以下に抑
えることにより、より感光特性や安定性を向上させるこ
とができた。
【0121】(実施例8)本実施例では、チタニルフタ
ロシアニンについて検討した。
ロシアニンについて検討した。
【0122】まず、四塩化チタンとフタロニトリルから
作られた所定の結晶型のチタニルフタロシアニンからミ
リング処理により高感度結晶型(一般的にY型と呼ばれ
ている)のチタニルフタロシアニンを合成し、以下、実
施例1と同様の手順で感光体を作製した。
作られた所定の結晶型のチタニルフタロシアニンからミ
リング処理により高感度結晶型(一般的にY型と呼ばれ
ている)のチタニルフタロシアニンを合成し、以下、実
施例1と同様の手順で感光体を作製した。
【0123】感光体の感光特性の測定は、まず不純物量
の異なった所定型のチタニルフタロシアニンを各々10
個用意し、それらから合成されたY型チタニルフタロシ
アニンを用いて作製した感光体の感光特性を各々測定
し、各不純物量に対応した10個の感光特性値の平均を
取った。
の異なった所定型のチタニルフタロシアニンを各々10
個用意し、それらから合成されたY型チタニルフタロシ
アニンを用いて作製した感光体の感光特性を各々測定
し、各不純物量に対応した10個の感光特性値の平均を
取った。
【0124】なお、有機不純物量については、熱重量分
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
析を室温から400℃まで行って、室温から350℃ま
での減少量と見積った。
【0125】この測定結果を(表8)に示す。
【0126】
【表8】
【0127】本実施例によれば、最終型の前段階のチタ
ニルフタロシアニンにおける有機不純物量が1重量%以
下になると、感度も良好で、かつそのバラツキも小さ
く、更に繰り返し試験での特性の安定性も向上し、充分
な実用的特性を満たす感光体を得ることができることが
わかる。
ニルフタロシアニンにおける有機不純物量が1重量%以
下になると、感度も良好で、かつそのバラツキも小さ
く、更に繰り返し試験での特性の安定性も向上し、充分
な実用的特性を満たす感光体を得ることができることが
わかる。
【0128】そして、本実施例においても、更に、Y型
チタニルフタロシアニンの有機不純物量をも1重量%以
下に抑えることにより、より感光特性や安定性を向上さ
せることができた。
チタニルフタロシアニンの有機不純物量をも1重量%以
下に抑えることにより、より感光特性や安定性を向上さ
せることができた。
【0129】
【発明の効果】以上のように、本発明は、感光体の感光
体材料の有機不純物量を制御することにより、感光特性
の向上とバラツキの低減化が図られ、かつ特性の安定化
を得ることができるものである。
体材料の有機不純物量を制御することにより、感光特性
の向上とバラツキの低減化が図られ、かつ特性の安定化
を得ることができるものである。
【図1】x型無金属フタロシアニンの熱重量減少の測定
例を示す図
例を示す図
【図2】x型無金属フタロシアニンの熱重量減少の測定
例を示す図
例を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 景子 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番 1号 松下技研株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−128887(JP,A) 特開 平5−86302(JP,A) 特開 平4−255764(JP,A) 特開 平3−250060(JP,A) 特開 平3−250059(JP,A) 特開 平4−320271(JP,A) 特開 平3−39969(JP,A) 特開 平2−53789(JP,A) 特開 平4−162046(JP,A) 特開 平1−172459(JP,A) 特開 平6−293769(JP,A) 特開 平7−82504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/06
Claims (11)
- 【請求項1】 無金属フタロシアニンのβ型における有
機不純物量が、1.0重量%以下に制御された後、合成
されたx型無金属フタロシアニンを用いた電子写真用感
光体。 - 【請求項2】 更に、β型から転移処理をしたα型での
有機不純物量が1.0重量%以下に制御された後、合成
されたx型無金属フタロシアニンを用いた請求項1記載
の電子写真用感光体。 - 【請求項3】 更に、α型から転移処理をしたx型での
有機不純物量が1.0重量%以下に制御されたx型無金
属フタロシアニンを用いた請求項2記載の電子写真用感
光体。 - 【請求項4】 無金属フタロシアニンのτ型における有
機不純物量が、1.0重量%以下に制御されたτ型無金
属フタロシアニンを用いた電子写真用感光体。 - 【請求項5】 銅フタロシアニンの最終結晶型の前段階
の結晶型の有機不純物量が、1.0重量%以下に制御さ
れた後、前記最終結晶型の銅フタロシアニンを用いた電
子写真感光体。 - 【請求項6】 更に、銅フタロシアニンの最終結晶型の
有機不純物量が、1.0重量%以下に制御された前記最
終結晶型の銅フタロシアニンを用いた請求項5記載の電
子写真感光体。 - 【請求項7】 チタニルフタロシアニンの最終結晶型の
前段階の結晶型の有機不純物量が、1.0重量%以下に
制御された後、前記最終結晶型のチタニルフタロシアニ
ンを用いた電子写真感光体。 - 【請求項8】 更に、チタニルフタロシアニンの最終結
晶型の有機不純物量が、1.0重量%の範囲に制御され
た前記最終結晶型のチタニルフタロシアニンを用いた請
求項7記載の電子写真感光体。 - 【請求項9】 フタロシアニン顔料の最終結晶型及びそ
の前段階の結晶型で含有する有機不純物量が、各々1.
0重量%以下に制御されて合成された前記最終結晶型の
フタロシアニン顔料を用いる電子写真用感光体。 - 【請求項10】 150℃以上での熱重量減少量に対応
した有機不純物量が0.8重量%以下である請求項1か
ら9のいずれか記載の電子写真用感光体。 - 【請求項11】 270℃以上での熱重量減少量に対応
した有機不純物量が0.6重量%以下である請求項1か
ら10のいずれか記載の電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6096193A JP3036352B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6096193A JP3036352B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 電子写真用感光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07301932A JPH07301932A (ja) | 1995-11-14 |
JP3036352B2 true JP3036352B2 (ja) | 2000-04-24 |
Family
ID=14158475
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6096193A Expired - Lifetime JP3036352B2 (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3036352B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001181525A (ja) * | 1999-12-27 | 2001-07-03 | Dainippon Ink & Chem Inc | 銅フタロシアニンセミクルードおよび銅フタロシアニンクルード |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP6096193A patent/JP3036352B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07301932A (ja) | 1995-11-14 |
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