JP3035385B2 - カメラの露光制御装置 - Google Patents

カメラの露光制御装置

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JP3035385B2
JP3035385B2 JP3218672A JP21867291A JP3035385B2 JP 3035385 B2 JP3035385 B2 JP 3035385B2 JP 3218672 A JP3218672 A JP 3218672A JP 21867291 A JP21867291 A JP 21867291A JP 3035385 B2 JP3035385 B2 JP 3035385B2
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東 宮沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば手ブレによる
撮影画像の乱れを簡易に軽減するカメラの露光制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの手ブレによる撮影画
像への影響を最小限に抑える技術として、たとえば手ブ
レを単振動とみなし、ブレのピーク付近(変位量の最も
少ない所)でシャッタレリーズを許可するようにしたも
のが提案されている。その一例として、特開昭63−5
3531号公報には、位相シフトフィルタを用いてブレ
のピーク位置を求める方法が示されている。
【0003】また、特開昭64−86122号公報に、
単振動の演算式にブレの測定値を代入して係数を求める
ことにより、次にブレがピークになる時期を検出する方
法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
においては、手ブレを単振動とみなして処理するように
なっていた。しかしながら、手ブレは実際には単振動で
はなく、もっと複雑な動きをするものであるため、もと
もと単振動での近似には無理があった。
【0005】また、少なくともピークからピークまでの
半周期分の測定時間がないと次のピークを検出できない
ため、シャッターレリーズのタイムラグが大きくなる。
つまりブレの周波数が仮に2Hzだとしても最短時間で次
のピークを検出できるのは測定の開始から0.5sec 後
ということになる。
【0006】この発明は上記した欠点に鑑みなされたも
ので、簡単な構成でありながら複雑な動きのブレにも対
応でき、しかも検出にかかるタイムラグを短かくして、
ブレによる撮影画像への影響を最小限に抑えることが可
能なカメラの露光制御装置を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明のカメラの露光制御装置にあっては、カ
メラのブレ量を所定の検出間隔で繰り返し検出する検出
手段と、少なくとも被写体輝度値とフィルム感度値とに
基いて露光時間を求める露光時間演算手段と、上記検出
手段で検出した値を繰返して記憶可能な記憶手段と、上
記検出手段で検出された値と、上記記憶手段に記憶され
ている前回検出された値とに基いて、所定時間後に露光
動作を開始した場合の上記露光時間内におけるブレ量を
予測する予測演算手段と、上記予測演算手段の出力に応
答して上記所定時間後の露光動作開始の可否を決定する
決定手段とから構成されている。なお、この構成におい
て、上記「検出手段」、「露光時間演算手段」、「記憶
手段」、「予測演算手段」及び「決定手段」は、後述す
る図1及び図5に示す実施例では、「ブレ量検知部
1」、「シャッタ速度決定部2」、「記憶部4」、「ブ
レ量演算部5」、「シャッタ許可判定部6」がそれぞれ
対応している。
【0008】
【作用】この発明は、上記した手段により、撮影画像に
影響しないブレの状態で露光動作を開始できるようにな
るため、ブレによる撮影画像への影響を許容できる範囲
に軽減することが可能となるものである。
【0009】
【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して説明する。図1は、この発明にかかるカメラの露
光制御装置の基本概念を示すものである。
【0010】このカメラの露光制御装置は、撮影者の手
ブレなどによるブレ量を検知するブレ量検知部1と、測
光結果などからシャッタ速度(露光時間)を決定するシ
ャッタ速度決定部2と、上記ブレ量検知部1からのブレ
量を上記シャッタ速度決定部2からのシャッタ速度をも
とに加工するデータ加工部3と、このデータ加工部3で
加工されたプレデータ(ブレ補正値)を記憶する記憶部
4と、今回のブレデータと上記記憶部4に記憶された前
回のブレデータとからシャッタ開口中の総ブレ量を予測
するブレ量演算部5と、このブレ量演算部5での予測ブ
レ量と上記シャッタ速度決定部2からのシャッタ速度と
にもとづいてシャッタの開口の許可を判定するシャッタ
許可判定部6と、上記ブレ量検知1、上記記憶部4およ
び上記ブレ量演算部5の動作タイミングを制御する基準
時間発生部7とから構成されている。
【0011】すなわち、このカメラの露光制御装置で
は、ブレ量をシャッタ速度で加工した今回のブレデータ
と前回のブレデータとから露光中の総ブレ量を予測し、
シャッタ速度との関連により、撮影画像に影響しない許
容できる範囲のブレに対してはシャッタの開口を許可す
るようになっている。ここで、手ブレを例に、ブレがど
のようなものであるかを具体例をあげて説明する。図2
および図3は、実際の手ブレをモニタしたときの代表的
な例をそれぞれ示すものである。ここでは、レンズの焦
点距離fを100mmとし、そのときのフィルム面上での
実際のブレ量を示している。
【0012】図2は比較的ブレがひどい場合の例であ
り、同図(a)には時間軸に対するx、y方向のブレ
を、同図(b)にはそのブレのx、y面上での軌跡を示
している。
【0013】図3は慎重なレリーズによってブレが少な
い場合の一例であり、同じく、同図(a)には時間軸に
対するx、y方向のブレを、同図(b)にはそのブレ
x、y面上での軌跡を示している。
【0014】ここに示したブレはほんの一例であるが、
これらの図からも明らかなように、手ブレには規則性が
なく、ランダムな動き(ブレ方)となっている。決し
て、単振動などで近似できるものではないことが分か
る。
【0015】図4は、ブレの一例を便宜的に一方向の変
位として示したものであり、以下、この図を用いてブレ
による撮影画像への影響を軽減するための考え方につい
て説明する。
【0016】たとえば、シャッタ速度が1/125の場
合について考えると、シャッタの開口時間は8msであ
る。このときのブレの許容量を30μm と仮定すると、
どのタイミングでシャッタを切っても良いことがわか
る。すなわち、シャッタの開口時間中にブレが30μm
以上変位することがないため、どのタイミングでもシャ
ッタを切ることができる。
【0017】ところが、シャッタ速度が1/30になる
と、シャッタの開口時間は約33msとなる。この時間の
間でブレの変位が30μm 以下となるのは、たとえば図
示A1 ,A2 の範囲となっている。したがって、シャッ
タを切れるタイミングも限られてくる。
【0018】同様に、シャッタ速度が1/60のときに
はA,Aの範囲よりも広い範囲でシャッタを切るこ
とができるし、逆にシャッタ速度が1/15のときには
その範囲はもっと狭くなり、いくら待っても変位が30
μm以下にはならない、つまりシャッタを切れるタイミ
ングが現れないかもしれない。
【0019】以上のことから、シャッタ速度と関連して
シャッタの開口のタイミングを決定すれば良いことと、
ブレの影響を軽減するためには何もブレのピークをまた
ずとも、図示A1 の範囲のようなブレの傾きが比較的安
定しているところでシャッタを切れば良いことが分か
る。勿論、シャッタ速度が速い場合には、ブレの傾きが
比較的大きいところでシャッタを切ることもできる。次
に、以上の考え方を前提に、この実施例の詳細について
さらに説明する。
【0020】図5において、ブレ量検知部1は、後述す
る基準時間発生部からのタイミング信号にしたがってた
とえば眼球の黒目の位置を検知することによってカメラ
との相対位置を求める眼球位置検知部1a、この眼球位
置検知部1aからの眼球位置検知出力(ブレ出力)を上
記のタイミング信号に同期させて記憶する第1記憶部1
b、およびこの第1記憶部1bで記憶されている前回の
ブレ出力と上記眼球位置検知部1aからの今回のブレ出
力との差、つまりブレ量mを求める減算部1cとから構
成されている。
【0021】シャッタ速度決定部2は、フィルムのDX
コードを読み取るDX読取部2aと、測光を行う測光部
2bと、上記DX読取部2aのDXコードと上記測光部
2bの測光値とをもとに露出演算を行ってシャッタ速度
Sを決定する露出演出部2cとから構成されている。レ
リーズSW11は、半押しの状態で第1(1st)レリ
ーズ信号を、全押しの状態で第2(2nd)レリーズ信
号を発生するものである。ズーム位置検出部12は、ズ
ームレンズの焦点距離Fを検出するものである。
【0022】手ブレ警告部13は、上記シャッタ速度決
定部2からのシャッタ速度Sと上記ズーム位置検出部1
2からの焦点距離fとにより手ブレの発生する可能性を
判断し、これを上記レリーズSW11からの1stレリ
ーズ信号の供給タイミングに合わせて撮影者に報知する
ものである。この手ブレ警告部13では、通常、シャッ
タ速度Sが焦点距離fの逆数1/fよりも大きくなる
(1/f<S)と、音やファインダ内の発光ダイオード
を点灯させて慎重なレリーズを指示するようになってい
る。
【0023】シャッタタイミング発生部14は、上記レ
リーズSW11からの2ndレリーズ信号を受け、手ブ
レを考慮しない通常のシーケンスでのシャッタ開信号を
発生するものである。
【0024】データ加工部3は、上記ブレ量検知部1か
らのブレ量mと上記シャッタ速度決定部2からのシャッ
タ速度はSをもとに、m×S/Δtなる演算を行うもの
である。すなわち、単位時間あたりのブレ量を実際の露
光時間をもとに補正することにより、データの加工が施
される。なお、上記演算式におけるΔtは、上記タイミ
ング信号の出力される間隔、つまりサンプリング時間で
ある。
【0025】第2記憶部15は、前述の図1に示した記
憶部4に相当するものであり、上記データ加工部3で加
工されたブレデータを上記のタイミング信号に同期させ
て記憶するものである。
【0026】ブレ量演算部5は、上記のタイミング信号
に同期させて、上記第2記憶部15に記憶されている前
回のブレデータと上記加工部3からの今回のブレデータ
とにより、シャッタ開口中の総ブレ量を予測するもので
ある。
【0027】シャッタ許可判定部6では、上記シャッタ
タイミング発生部14からのシャッタ開信号の供給後
に、上記ブレ量演算部5からの予測ブレ量を上記シャッ
タ速度決定部2からのシャッタ速度Sと関連させて評価
し、手ブレの影響が許容できる範囲におちつくまでシャ
ッタの開口タイミングを遅らせるようになっている。
【0028】シャッタ制御部16は、上記シャッタ許可
判定部6からのシャッタ開許可信号を受けることによ
り、上記シャッタ速度決定部2からのシャッタ速度Sに
したがってシャッタの開口動作を制御するものである。
【0029】基準時間発生部7は、所定のサンプリング
時間(Δt)ごとにタイミング信号を出力することによ
り、上記した眼球位置検知部1a、第1記憶部1b、ブ
レ量演算部5、および第2記憶部15の動作タイミング
をそれぞれ制御するものである。図6は、上記した眼球
位置検知部1aの構成例を示すものである。
【0030】同図(a)において、投受光部11 はこれ
に接続された発光タイオード12 の弱赤外光を眼球13
に向けて投光させるとともに、その受光範囲eからの反
射光をフォトトランジスタ14 を介して受光することに
より、黒目の位置を上記基準時間発生部7からのタイミ
ング信号に同期させて検知するものである。この場合、
眼球13 の黒目と白目との割合に応じて、フォトトラジ
スタ14 で受光する光の強度に差が出ることから、黒目
の位置(ブレ出力)を容易に検知することができる。
【0031】また、同図(b)は、眼球位置検知部1a
の他の構成例を示すもので、上記投受光部11 の出力と
ズーム位置検出部12からの焦点距離fとにより、実際
のフィルム面上のブレに相当するような値(ブレ出力)
がアンプ部15 より得られるようにしたものである。
【0032】一般に、身体や頭が多少動いたとしても、
露光中における人間の目は見ている被写体を追従するこ
とから、目の位置を被写体に対する絶対位置として利用
できる。すなわち、カメラのファインダ付近に眼球の黒
目の位置を検出するセンサを設けることにより、このセ
ンサ出力をブレ位置データとして利用しようとするもの
である。
【0033】なお、ここでは、眼球13 上に受光範囲e
として示したような位置を検知するようにしているた
め、検知位置が1カ所でも、x、y方向のすべての移動
成分を検知することが可能である。また、検知位置を増
すことにより、もっと検知の精度を上げることができる
のは勿論である。
【0034】この実施例では、ブレ出力を得るものとし
て、発光ダイオードとフォトトランジスタとを用いるよ
うにしたが、ブレを検知するためのセンサとしては他に
加速度センサや、CCD(charge−couple
d device)を利用したAF(automati
c focusing)センサを用いることもできる。
次に、予測ブレ量を求めるための演算方法について説明
する。図7は、ブレ量からブレの周波数成分を解析した
結果を示すものである。ここでは、焦点距離fが100
mm程度のズームレンズを使用した場合を例に示してい
る。
【0035】この図からも分かるように、ブレ周波数の
ほとんどは数Hzの成分であり、大きなブレ量となるのは
4Hz以下程度の周波数の場合と考えて良い。それ以上の
周波数の場合には、ブレ量はあまり大きくはならない。
【0036】つまり、ブレ波形は単振動波形ではない
が、ブレに影響を与える波形として考えれば、数Hz以下
の単振動波形の部分を組み合せた波形として考えれば良
い。周波数の高いブレ波形はそれほど大きい振幅を持た
ないから、無視しても問題はないからである。そこで、
ブレ波形としては、実際に問題となる周波数のブレ波形
として、振幅が実際より大きめな波形を想定してブレ量
を予測すれば、だいたい実際のブレ量は予測量よりも少
なくなる。図8は、周波数Fが約3.5Hz程度で、焦点
距離fが100mmのレンズを使用した場合の、かなり大
きなブレ出力の波形を示している。図8において、Δt
は前述のタイミング信号の出力される間隔(サンプリン
グ時間)であり、8msとなっている。
【0037】また、miはi回目のブレ量であり、単位
フィルム面上でのブレ変位としてある。すなわち、mi
−1は前回、mi−2は前前回のブレ量であり、mi+
1は次回、mi+2は次次回のブレ量である。
【0038】ブレ量に影響を与える周波数は、数Hz以下
なので数Hzよりもかなり速いサンプリング(ここでは8
ms)でブレ量を測定すれば、次回のブレ量は直線近似又
は問題となる周波数の中で大きめな周波数(ここでは
3.5Hzとした)で大きめなブレ量の単振動波形として
近似しても実際のブレ量と大きく異ならない。図9は、
予測ブレ量の求め方を具体例を上げて示すものである。
ここでは、今回のブレ量をi回目として説明する。
【0039】同図(a)は、シャッタ速度Sが1/12
5の場合の例である。この場合、S=1/125=8ms
という関係から、Δt=Sとなる。したがって、前回の
ブレ量mi−1と今回のブレ量miより予測される次回
のブレ量mi+1は、図に破線で示す量となる。また、
Δt=Sという関係により、このmi+1で示す量が予
測ブレ量となる。
【0040】同図(b)は、シュッタ速度Sが1/60
の場合の例である。この場合、S=16msなので、S=
2Δtとなる。したがって、通常では、次回のブレ量m
i+1と次次回のブレ量mi+2との予測から、(mi
+1)+(mi+2)が予測ブレ量として求められる。
【0041】しかし、前記したデータ加工部3にてm×
S/Δtの演算が施されるとすると、各ブレ量は同図
(c)のように加工される。すなわち、上記m×S/Δ
t=m×16/8=2mなる演算により、今回および前
回の各ブレ量を2mi=Mi、2mi−1=Mi−1と
すると、これらのブレデータMi、Mi−1からMi+
1なる量が予測できる。この総ブレ量Mi+1は、上記
した図(b)の予測ブレ量(mi+1)+(mi+2)
におおよそ等しいことが分かる。このように、m×S/
Δtの演算式を用いてブレ量mを加工した場合には、予
測が簡単に行えるようになる。
【0042】同図(d)は、シャッタ速度Sが1/25
0の場合の例である。この場合、S=4msからS=1/
2Δtとなるので、8ms後の予測ブレ量mi+1を1/
2倍したのが求めようとする総ブレ量Mi+1となる。
この総ブレ量Mi+1を、上記した演算式を利用して予
測した結果が同図(e)の例である。
【0043】以上のように、ブレ量検知部1の出力であ
るブレ量mを加工して予測すると、サンプリング時間Δ
tとは無関係に総ブレ量Mi+1を求めることができ
る。つまりブレ量の加工を行うと、シャッタ速度Sに関
係なく、簡単にブレ量を予測することができる。
【0044】ここまでは、シャッタの開口を許可してか
ら実際にシャッタが開口するまでのタイムラグがない場
合を想定して説明したが、現実には、上記タイムラグが
存在する。同図(f)は、シャッタ開口の許可から実際
にシャッタが開口するまでのタイムラグを8msとし、シ
ャッタ速度Sを1/125とした場合の例である。この
図からも明らかなように、タイムラグが8msの場合に
は、次次回のブレ量mi+2を予測すれば良いことが分
かる。シャッタ速度Sが異なる場合(1/125以外の
場合)でも、同様にして、簡単にブレ量の予測が行える
ことは勿論である。また、タイムラグが8msでない場合
には、その時間に合わせた予測を行えば良いので、タイ
ムラグの時間に関係なく本発明は適用できる。次に、予
測ブレ量を求める方法として、ファジィ推論を用いた場
合について説明する。前述したように、ブレには規則性
がないので、総ブレ量を予測する方法としてはファジィ
推論が適している。図10は、メンバシップ関数の一例
を示すものである。同図(a)は、前件部メンバシップ
関数であり、横軸に加工されたブレデータを示してい
る。ただし、単位はセンサの出力電圧などでも良い。
【0045】また、図中のNB(ネガティブビッグ)、
NM(ネガティブミディアム)、NS(ネガティブスモ
ール)、Z(ゼロ)、PS(ポジティブスモール)、P
M(ポジティブミディアム)、PB(ポジティブビッ
グ)は、それぞれのメンバシップ関数のラベルである。
【0046】同図(b)は、後件部メンバシップ関数で
あり、横軸に予測ブレ量を示している。また、図中のZ
(ゼロ)、S(スモール)、M(ミディアム)、MB
(ミディアムビッグ)、B(ビッグ)、BB(ビッグビ
ッグ)、LB(ラージビッグ)は、同じく、それぞれの
メンバシップ関数のラベルである。図11は、MIN−
MAX−重心法による推論ルールの一例を示すものであ
る。
【0047】ここでは、最も簡単な例として、前述の図
9(a)〜(e)に示した、シャッタ開信号の出力から
実際にシャッタの開口が開始されるまでのタイムラグを
「0」としてルールが作成されている。現実的には、タ
イムラグを考慮したルールを作成する必要がある。
【0048】このルールでは、たとえば、前回のブレデ
ータがNMで、今回のブレデータがNMなら、予測ブレ
量はMBである(ケース(1) )、前回ブレデータがNS
で、今回のブレデータがNMなら、予測ブレ量はBであ
る(ケース(2) )、前回ブレデータがNMで、今回のブ
レデータがNSなら、予測ブレ量はZである(ケース
(3) )、前回のブレデータがNSで、今回のブレデータ
がNSなら、予測ブレ量はSである(ケース(4) )とな
っている。他のルールも上記した4つのケースと同様で
あり、空白とされているのはルールのないところであ
る。また、この限りではなく、他のルールを作ることも
可能である。
【0049】ここで、たとえば前回のブレデータが−3
5μm 、今回のブレデータが22μm のときに、上記し
たケース(1) 〜(4) の各ルールが使用される。他のルー
ルは、前回、今回のブレデータがいずれのメンバーシッ
プ関数にもかからないため、使用されない。以下に、上
記したブレデータの入力を例に、推論の手順について図
12を参照して説明する。この場合、ルール1〜4は、
上述の各ケースの(1) 〜(4) のそれぞれに相当する。す
なわち、それぞれのルール1〜4の前回のデータとして
−35が入力され、それぞれのルール1〜4の今回のデ
ータとして−22が入力される。
【0050】そして、前回のデータまたは今回のデータ
とメンバシップ関数との交点の小さい方のデータによ
り、それぞれのルール1〜4の後件部のメンバシップ関
数が縮められる(MIN推論)。続いて、縮められた後
件部のメンバシップ関数が合成され、推論の結果が求め
られる(MAX推論)。この後、推論結果の重心Gを求
めると13μm となり、これが予測ブレ量として得られ
る。このように、ファジイ推論では、簡単に予測ブレ量
を求めることができる。当然のことながら、ファジイ推
論は、ハードウェアまたはソフトウェアのどちらで行う
ことも可能である。予測ブレ量の求め方としては、上述
したようなファジイ推論に限らず、直線近似を行って簡
易的に求めることもできる。図13は、前述の図9の
(c)を例に、直線近似による求め方を示すものであ
る。
【0051】すなわち、Mi−Mi−1=ΔMiとする
と、予測ブレ量はMi+1=Mi+ΔMiにより簡単に
求めることができる。ただし、ΔMiは±の記号付きで
ある。予測の結果に精度を必要としない場合には、この
直線近似の方法で対応するようにしても良い。次に、シ
ャッタ許可判定部6について説明する。図14は、判定
のためのシャッタ速度Sと最大まち時間との関係を示す
ものである。
【0052】すなわち、所定時間以上まってもブレが安
定する見込みがないシャッタ秒時(ここでは、約1/1
5)にあっては、所定時間(たとえば、約0.5sec)の
経過後に、シャッタを強制的に開口するためのシャッタ
開許可信号を出力するようになっている。
【0053】また、所定以上のシャッタ速度Sにおいて
は、ブレる心配がないことから、予測ブレ量とは無関係
に、シャッタタイミング発生部14からのシャッタ開信
号の供給と同時にシャッタ開許可信号が出力される。
【0054】中間のシャッタ秒時では、それぞれのシャ
ッタ秒時に応じた最大まち時間が経過されるまでブレが
安定するのを待つ、つまりシャッタ開許可信号の出力が
延期される。これにより、安定する可能性がないのに必
要以上にタイムラグを延ばしたり、必要もないのに予測
ブレ量を乱用するのを防止できる。なお、図中の実線は
ズームレンズの焦点距離fが100mmのときの制御直線
であり、破線はf=60mmのときの制御直線である。
【0055】勿論、焦点距離fに応じてもっと多くの制
御直線を持たせることもできるし、基準となる制御直線
をその焦点距離fに応じてシフト演算するようにしても
良い。このような判定は、カメラに内蔵されたマイクロ
コンピュータ(例えば、CPU)のプログラムなどによ
って簡単に実現できる。また、所定時間以上たったら、
シャッタ開許可信号を出さずに、レリーズをロックする
ための警告信号を出力するようにしても良い。図15は
以上ような本発明をマイクロコンピュータ(CPU)を
用いて実現した具体例を示すものであり、ここでは本発
明に関係するもののみ示している。
【0056】CPUは、カメラ全体のシーケンスコント
ロールを実行する。R1、R2は、2段レリーズスイッ
チで、R1がファーストレリーズスイッチ、R2がカセ
ンドレリーズスイッチである。ブレセンサ101は、C
PUの要求によりブレ量を出力するものであり、前記し
た通り、発光ダイオードとフォトトランジスタを組み合
せたもの、加速センサ、CCDセンサなどを使用するこ
とが考えられる。測光部102は、被写体の明るさを測
定するセンサである。
【0057】ズーム位置検出部103は、ズームの焦点
距離fを検出するものであり、絶対位置エンコーダや、
P、I.などのパルスをカウントして相対的に位置を演
算するものを使用することが考えられる。
【0058】AFセンサ104は、一眼レフカメラでは
TTL位相差方式のCCDセンサ、レンズシャッタでは
アクテブAF方式の赤外投光PSD受光のものを使用す
ることが考えられる。DX読み取り部105は、図示し
ないカメラ本体のパトローネ室におけるDX接片であ
る。PCVは、警告音を発生するセラミック発振子であ
る。
【0059】モータドライバー106に接続されている
モータは、絞りモータMd、レンズ駆動モータMl、ミ
ラーアップモニタMmである。なおこれは一眼レフカメ
ラの場合でレンズシャッタの場合Md,Mmはないもの
と考えれば良い。シャッタ107は、プランジャーやモ
ータなどで制御されるがいずれにしてもシャッタ駆動部
108により駆動される。図16は図5のブロック図を
そのままCPUで実現した場合のフローチャートであ
る。まずR1がオンになるとこのフローチャートがスタ
ートする。図16は一眼レフカメラでの例である。
【0060】まずDX、ズーム位置、測光値を読み込
み、露出演算を行なう(ステップS1〜S4)。ステッ
プS4での露出演算でシャッタ速度が演算されるので、
ズームの焦点距離の逆数1/fよりシャッタ速度が遅い
場合、PCVで警告音を出し撮影者に注意をうながす
(ステップS5,S6)。これは警告を与えることによ
り、撮影者にブレが生じないように注意して撮影しても
らいたいためである。もちろんPCVでなくファインダ
ー内のLEDなどで警告をしても良いことは言うまでも
ない。次に、コンテニアスAFモードの場合は次のAF
シーケンスを繰り返し、そうでないシングルAFの場合
はレリーズ後一回のみ次のAFシーケンスを実行する
(ステップS8)。AFシーケンスはAF測距部より測
距値を読み込み、AF演算によりレンズ繰出し量を決定
しレンズ駆動するものである(ステップS9〜S1
1)。
【0061】次にR2がオンしていれば撮影シーケンス
に移る。R2がオンしていない場合はR1がオフするま
で所定時間おきに上記サイクルをくりかえす(ステップ
S13、S14)。撮影シーケンスでは「ブレ量評価」
サブルーチンでブレ量測定、及びシャッタ許可の判定が
行なわれる(ステップS15)。後で詳しく説明する
が、ここではシャッタ許可の判定がOKになった時サブ
ルーチンが終了する。図5のシャッタタイミング発生部
14の信号はここでは、「ブレ量評価」サブルーチンの
直前ということになる。
【0062】シャッタ許可判定がOKになった後シャッ
タ絞り込み、ミラーアップの後シャッタが駆動される
(ステップS16〜S18)。本来であれば、ミラーア
ップ後「ブレ評価」サブルーチンを実行した方が、シャ
ッタ駆動までのタイムラグが少なくて良いのであるが、
最大0.5sec くらいの判定時間が必要な場合があるの
で撮影者に不安感を持たせない為、この順番にした。ま
た最近のカメラ装置では、シャッタ絞り込み、ミラーア
ップは同時駆動されており、合せて数10msのタイムラ
グしかないのでこの順番でも良い。その後フィルム巻上
げしてレリーズシーケンスを終る(ステップS19)。
【0063】図17は、レンズシャッターカメラのレリ
ーズシーケンスの例である。この例において図16と異
なるのは、コンテニアスAFモードがないのと、R2の
後AFレンズ駆動をしていることである。この場合当然
ながらシャッタが絞りを兼ねているのでミラーアップ、
シャッタ絞りのステップはない。
【0064】この場合シャッタタイミング発生はレンズ
駆動終了後ということになる。レンズシャッタの場合
「ブレ量評価」サブルーチンの後すぐシャッタ駆動でき
るので評価後のタイムラグがないことから、本発明をよ
り有効に使用することができる。次に「ブレ量評価」サ
ブルーチンの例を3種類説明する。図18は、図5に沿
った「ブレ量評価」サブルーチンである。まずシャッタ
速度を変数Sに入れ、SよりCPUのROMテーブルな
どより加工データSKを抽出する(ステップS21、S
22)。
【0065】S−SKのテーブルは例えば図19に示す
ようになる。この発明ではブレ量測定のサンプリング速
度が8msなので、シャッタ速度1/125と合ってい
る。すなわちS=1/125のときのSK=1である。
当然、サンプリング速度が異なる場合はブレセンサの感
度などにより、それに合わせて図19のテーブルを作成
すれば良いことは言うまでもない。次にブレセンサより
ブレデータを読み込む(ステップS23)。
【0066】ここでフローチャートには示していないが
センサが位置情報や、信号の絶対量として出力するよう
なタイプのものであれば前回測定した値と引き算してブ
レ量を求める。ブレ量を変数NMに入れる(ステップS
24)。ここで測定が一回目であれば、NMをSKを掛
けた後OMに入れ測定のサンプリング時間8ms後に再度
ブレ量を測定する(ステップS26)。
【0067】つまり、NMは今回のブレ量を、OMは前
回のブレ量を記憶する変数である。一回目でない場合
は、上記求めたSKによりSK×NMより実際のブレ量
相当のデータになおす(ステップS27)。
【0068】次にOMとNMより予測ブレ量を演算する
(ステップS28)。2回目の場合NMにはすでにSK
が掛けてあるのでそのまま演算できる。次にブレ量をカ
メラの焦点距離により補正する(ステップS29)。焦
点距離が長いほどカメラのブレに対し、フィルム面のブ
レ量がきいてくるからである。補正の方法は、単に、ブ
レ量が焦点距離f0 に相当するとすればf/f0 を掛け
れば良い。もちろん、TTLAFセンサなどをブレセン
サとして使用する場合はすでに焦点距離情報も含まれて
いるブレ量となるので、ズーム値補正は必要ない。
【0069】次に上記補正したブレ量が所定値以下かど
うかを判断し、以下ならリターン(すなわちシャッタ開
動作に移る)する(ステップS30)。所定値以下でな
い場合はNMをOMに移し、(2回目以後のNMは、す
でにSKが掛けられている)8msごとにブレ量を測定
し、上記をくりかえす(ステップS31、S32)。
【0070】図20はブレ量評価の第2実施例である。
この例において、図18と異なるところは、ブレ量演算
を測定したままのブレ量をもとに行ない、演算後にSK
を掛けることのみである(ステップS28′)。したが
って、NM、OMには常に測定されたままのブレ量が入
力される。
【0071】図21はブレ量評価の第3実施例である。
この例において、図20と異なるところは、ブレ量にS
Kを掛けずにサンプリングタイム8msつまりS=1/1
25のときのブレ量としてズーム補正し、シヤッター速
度により許容ブレ量をテーブルから引いてくることであ
る(ステップS33)。テーブルは例えば図22に示す
ようなものを使用することが考えられる。図22は1/
125を基準として、単純に作成したものであるが、例
えば図23に示すように、シャッタ速度が遅くなるほど
実際の許容ブレ量を緩やかにして作成することも考えら
れる。図24は、上記したシャッタ許可判定部6の他の
構成例を示すものである。
【0072】図24において、最大まち時間決定部61
は、前記したズーム位置検出部12からの焦点距離fと
シャッタ速度決定部2からのシャッタ速度Sとにより、
最大まち時間を決定するものである。この場合、前述の
図14に示したようなテーブルを持たせることなどによ
り簡単に実現できる。
【0073】許容ブレ量決定部62は、上記焦点距離f
と上記シャッタ速度Sとから許容ブレ量を決定するもの
である。この場合、たとえば図25に示すような、焦点
距離fと許容ブレ量とに対するシャッタ速度Sの関係を
パラメータとして記憶するなどにより実現可能である。
【0074】最小値記憶部63は、前述のブレ量演算部
5から供給される予測ブレ量のうちの最小値を、前述し
た基準時間発生部7からのタイミング信号に同期させて
記憶するものである。
【0075】カウンタ64は、前述のシャッタタイミン
グ発生部14からのシャッタ開信号の供給にともなっ
て、前記基準時間発生部7からのタイミング信号をカウ
ントするものである。比較部65は、最大まち時間決定
部61からの最大まち時間とカウンタ64の出力とを比
較するものである。
【0076】期待ブレ量決定部66は、上記比較部65
の出力、つまり最大まち時間に達するまでのサンプリン
グ時間ごとに、上記最小値記憶部63に記憶されている
予測ブレ量をもとに期待ブレ量を決定するものである。
この期待ブレ量は、たとえば上記予測ブレ量の最小値の
1.2倍以下ならば許容するというようにして決定され
る。
【0077】マルチプレクサ67は、上記比較部65よ
りカウンタ64の出力が最大まち時間に達していない旨
の信号が供給された場合には、図25の制御曲線をもと
に上記許容ブレ量決定部62で決定された許容ブレ量を
選択し、最大まち時間を経過した場合には、上記期待ブ
レ量決定部66で決定された期待ブレ量を選択するよう
になっている。
【0078】減算部68は、上記マルチプレクサ67の
出力とブレ量演算部5からの予測ブレ量との減算を行
い、その結果が所定値以下の場合にシャッタ開許可信号
を発生するものである。
【0079】すなわち、このシャッタ許可判定部6で
は、まず、焦点距離fとシャッタ速度Sとから最大まち
時間と許容ブレ量とが決定される。そして、最大まち時
間に満たない場合には、許容ブレ量が選択されて予測ブ
レ量と減算される。この減算結果が所定値以下の場合に
は、シャッタの開口が許可される。一方、最大まち時間
を過ぎた場合には、期待ブレ量が選択されて予測ブレ量
と減算されることになる。
【0080】したがって、このような構成によれば、最
大まち時間を過ぎても今までのブレ量を評価することが
でき、期待できる最小のブレ量のときにシャッタを開口
することが可能となるものである。上記したように、撮
影画像に影響しないブレの状態で露光動作を開始するよ
うにしている。
【0081】すなわち、ブレ出力をシャッタ速度とサン
プリング時間とで加工した今回と前回のブレデータをも
とにシャッタ開口中の総ブレ量を予測し、この予測結果
にもとづいてシャッタの開口のタイミングを制御するよ
うにしている。これにより、予測を簡単に、かつ短時間
で処理できるようになるとともに、複雑な動きのブレに
も容易に対応できるようになる。したがって、簡単な構
成でありながら、最短のタイムラグで、手ブレの影響を
許容できる範囲に軽減することが可能となるものであ
る。
【0082】図26は、図24をマイクロコンピュータ
を用いて実現した場合のフローチャートである。この例
においてサブルーチン名は「シャッタ許可判定」とされ
ているが、前記図16および図17の「ブレ量評価」サ
ブルーチンが実行されるときに本サブルーチンをかわり
に実行すれば良い。#1〜#6のステップが図24に対
応するステップで他のステップは図19のままである。
もちろん図21、図22のフローチャートで実行しても
良いことは言うまでもない。まず、図14の表などを基
に最大まち時間を決定する(ステップ#1)。次に図2
5などの表より焦点距離に対する許容ブレ量を決定した
後、タイマーをスタートさせる(ステップ#2、#
3)。
【0083】その後は「ブレ量評価」サブルーチンとほ
とんど同じステップを実行する。異なることは、8msご
とに、今まで測定した中で最少のブレ量を記憶するステ
ップ#4があることと、最大まち時間経過後は、許容ブ
レ量を前記記憶された最少のブレ量に係数nをかけた値
に変更することである(ステップ#5、#6)。これに
より、最大まち時間後は、撮影者のブレ量は少なくなら
ないと判断し、シャッタを許可することができる。
【0084】図27は、図26をより簡単に実施した例
である。この例において、図26と異なるところは、ブ
レ許容量はシャッタ速度、ズーム位置に関係なく一定と
し、最大まち時間も0.5sec と固定したことである
(ステップ#7)。
【0085】また0.5sec 経過した場合は、無条件で
シャッタ許可を行なうフローとしている。ブレはレリー
ズスイッチを押すときの振動にかなり依存しているの
で、レリーズを押してからだいたい0.5sec 後くらい
に、撮影者の熟練度にあったブレ量に安定するからであ
る。ここでは最大まち時間を0.5sec としたが、他の
時間に設定しても良いことは言うまでもない。
【0086】図28はブレ量検知部1からのブレ量デー
タを直接的にまたは記憶部4a、4bに通して今回、前
回、前々回のデータをもとにファジィ演算部5aでブレ
量を予測する実施例である。7は図1のそれに相当する
基準時間発生部である。
【0087】今回、前回のデータをもとにファジィ推論
する例は図10〜図12を基に既に説明した。但し、こ
の場合は入力が2点しかなかったので前述した様に、例
えば3.5Hzで最大ブレ量100μm という様に前提条
件をつけて推論する必要があった。
【0088】これを図28の様に3点入力にすれば、近
似曲線的な予測をすることができる。メンバーシップ関
数や推論方法などは前述した拡張として考えれば良いの
で特に説明はしない。ファジィ演算部5aは、本発明者
などがすでに提案している特開平2−224029号や
特願平2−068639号などの技術を用いれば容易に
実現できる。図29はブレ評価部109の機能をCPU
から外してハードウェアで実施した例であり、その他は
図15と同様である。
【0089】CPUは図16、図17に示したような
「ブレ量評価」サブルーチンのステップで、ブレ評価部
109に評価指示を出し、この評価が承認されるとき次
のステップに進むということで良いので、フローチャー
トは省略する。ブレ評価部109は図28に示したよう
な構成で実現することができる。
【0090】なお、上記実施例においては、手ブレによ
るブレを例にとって説明したが、これに限らず、たとえ
ば車載カメラなどの振動によるブレの影響を簡易に軽減
するものにも適用できる。その他、この発明の要旨を変
えない範囲において、種々変形実施可能なことは勿論で
ある。
【0091】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、予測が簡単に、かつ短時間で処理できるようになる
ため、簡単な構成でありながら複雑な動きのブレにも対
応でき、しかも検出にかかるタイムラグを短くして、ブ
レによる撮影画像への影響を最小限に抑えることが可能
なカメラの露光制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示すカメラの露光制御装
置の基本構成図である。
【図2】ブレがひどい場合のモニタ波形図である。
【図3】ブレが少ない場合のモニタ波形図である。
【図4】ブレの一例を便宜的に一方向の変位として示す
図である。
【図5】図1の構成をより詳細に示すブロック図であ
る。
【図6】眼球位置検知部の一例を示す構成図である。
【図7】ブレ量からブレの周波数成分を解析した結果を
示す図である。
【図8】予測ブレ量の演算動作を説明するために示すブ
レ出力の波形図である。
【図9】予測ブレ量の求め方を具体例をあげて示す図で
ある。
【図10】ファジィ推論を用いて予測ブレ量を求める場
合のメンバシップ関数の一例を示す図である。
【図11】ファジィ推論を用いて予測ブレ量を求める場
合のMIN−MAX−重心法による推論ルールの一例を
示す図である。
【図12】ファジィ推論を用いて予測ブレ量を求める場
合の推論の手順を示す図である。
【図13】直線近似による予測ブレ量の求め方を説明す
るために示す図である。
【図14】シャッタ許可判定のためのシャッタ速度と最
大まち時間との関係を示す図である。
【図15】図1の実施例をCPUを用いて実現した例を
示すブロック図である。
【図16】図5のブロック図をCPUを用いて実現した
場合のフローチャートを示す図である。
【図17】レンズシャッタカメラのレリーズシーケンス
を示すフローチャートである。
【図18】図5に沿ったブレ量評価のサブルーチンを示
すフローチャートである。
【図19】シャッタ速度の変数Sと加工データSKとの
ROMテーブルを示す図である。
【図20】ブレ量評価の第2実施例を示すフローチャー
トである。
【図21】ブレ量評価の第3実施例を示すフローチャー
トである。
【図22】シャッタ速度と許容ブレ量との関係を単純に
テーブル化して示す図である。
【図23】シャッタ速度と許容ブレ量との関係を緩慢に
テーブル化して示す図である。
【図24】シャッタ許可判定部の他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図25】許容ブレ量の決定に用いられる焦点距離と許
容ブレ量とに対するシャッタ速度の関係を示す図であ
る。
【図26】図24の構成をCPUを用いて実現した場合
のフローチャートを示す図である。
【図27】図26のフローをより簡単に実施する場合の
フローチャートである。
【図28】ブレ量を3点入力に基いてファジィ推論によ
り予測する実施例を示す腰部の構成図である。
【図29】ブレ評価部をハードウェアで実施する場合の
構成図である。
【符号の説明】
1…ブレ量検出部、1a…眼球位置検知部、2…シャッ
タ速度決定部、3…データ加工部、4…記憶部、5…ブ
レ量演算部、6…シャッタ許可判定部、7…基準時間発
生部、11…レリーズSW、12…ズーム位置検出部、
13…手ブレ警告部、14…シャッタタイミング発生
部、16…シャッタ制御部。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラのブレ量を所定の検出間隔で繰り
    返し検出する検出手段と、 少なくとも被写体輝度値とフィルム感度値とに基いて露
    光時間を求める露光時間演算手段と、 上記検出手段で検出した値を繰返して記憶可能な記憶手
    段と、 上記検出手段で検出された値と、上記記憶手段に記憶さ
    れている前回検出された値とに基いて、所定時間後に露
    光動作を開始した場合の上記露光時間内におけるブレ量
    を予測する予測演算手段と、 上記予測演算手段の出力に応答して上記所定時間後の露
    光動作開始の可否を決定する決定手段とを具備すること
    を特徴とするカメラの露光制御装置。
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JP3757573B2 (ja) * 1997-09-09 2006-03-22 コニカミノルタフォトイメージング株式会社 振れ補正機能付きカメラ
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