JPH11242253A - 手ぶれ補正機能付きカメラおよびカメラの手ぶれ補正方法 - Google Patents

手ぶれ補正機能付きカメラおよびカメラの手ぶれ補正方法

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JPH11242253A
JPH11242253A JP10363580A JP36358098A JPH11242253A JP H11242253 A JPH11242253 A JP H11242253A JP 10363580 A JP10363580 A JP 10363580A JP 36358098 A JP36358098 A JP 36358098A JP H11242253 A JPH11242253 A JP H11242253A
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camera
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camera shake
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JP10363580A
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Toru Nishida
徹 西田
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真撮影時にカメラに回転方向成分を有する
手ぶれが生じても、焦点距離の大小と被写体距離の遠近
に拘らず常に手ぶれ写真の発生を効果的に防止する。 【構成】 レリーズスイッチ21を押して写真撮影する
際にカメラに生じる手ぶれは、加速度計およびサンプリ
ング回路でなる第1、第2の手ぶれ検出部6A,6Bで
一定時間毎に検出され、演算手段10で一定時間毎に角
速度データωk に変換された上、記憶手段11に記憶さ
れる。さらに、演算手段10は、この今回の角速度デー
タωkおよび前回の加速度データωk-1に、AF回路16
で得られた被写体距離データDxとズーム位置検出回路
19で得られた焦点距離データZpxとを加味して予測
されたぶれ補正データBLzpを演算する。このデータ
BLzpに基づいてフィルム面2上での手ぶれによる像
位置の移動を打ち消す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、手ぶれ補正機能付きカ
メラに関し、より詳しくは、カメラ本体に生じる手ぶれ
を検出し、このときの検出値に基づいてフィルム面上の
像移動を打消すようにした手ぶれ補正機能付きカメラお
よびカメラの手ぶれ補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、手ぶれ補正機能付きカメラ(以
下「カメラ」と略称する)は、焦点距離可変撮影光学系
にズームレンズを用いた場合を例にすれば、図22およ
び図23に示すように、カメラ本体に一体に、またはレ
ンズマウントを介して着脱自在にそれぞれ撮影光学系1
が設けられ、その光軸Oの後方にフィルム面2が位置さ
れている。この撮影光学系1は、複数枚のレンズで形成
されるフォーカスレンズ群3と複数枚のレンズで形成さ
れるズームレンズ群4を有していて、この光路中に補正
用光学部材5が介挿されている。
【0003】そして、フォーカスレンズ群3は、図示し
ない制御回路の出力であるフォーカス指令信号Dfで合
焦駆動され、ズームレンズ群4は、ズーム指令信号Dz
でズーミングが行われ、補正用光学部材5は、手ぶれ補
正指令信号Daで手ぶれ補正駆動が行われるようになっ
ている。次に、フォーカスレンズ群3、ズームレンズ群
4、補正用光学部材5のそれぞれがどのように駆動され
るかについて説明すると、この例の場合、フォーカスレ
ンズ群3は、図23に示されるように、焦点距離が望遠
側にされるに伴って前方側に変位し、また被写体距離が
至近側にされるに伴って前方側に変位する。
【0004】ズームレンズ群4は、図23に示されるよ
うに、焦点距離が望遠側にされるに伴って前方側に変位
し、同様に補正用光学部材5もズームレンズ群4が望遠
側に駆動されるに伴って前方側に変位されるようになっ
ている。次に、手ぶれ補正指令信号Daの具体的な形態
について説明する。カメラ本体に生じる手ぶれの振動が
図24に示すように、振幅が0を境に±方向に移動する
略正弦波状の特性aであった場合、手ぶれを補正するに
は、先ずカメラ本体に設けられた手ぶれ検出部で極く短
い期間に速度Vを検出し、このときの検出データに基づ
いてぶれ変化量データBk (図25参照)を演算して求
める。
【0005】このぶれ変化量データBk に基づいて手ぶ
れ補正指令信号Daを求め、補正用光学部材5を手ぶれ
による移動を打消す方向に駆動させることによってフィ
ルム面2上での像移動をなくすようにしている。しかし
ながら、補正後の動きとしては、符号b(図24,図2
5)で示すように常に遅れるようになってしまう。
【0006】即ち、図25に拡大して示すように複数回
に亘るぶれ検出時点t−2It,t−It,t,t+I
t(ただしIt:各回における積分時間)のそれぞれに
得られるぶれ検出値に基づいて各回のぶれ変化量データ
k ,Bk-1 を求め、このぶれ変化量データBk ,B
k-1 からカメラ移動速度データVk ,V k-1を求め、こ
のデータVk ,V k-1に基づいて手ぶれ補正指令信号D
aを生成しているのである。従って、フィルム面上での
像の動きとしては、図26に示すようにぶれ量特性eに
対する補正量特性dで補正された場合の補正後特性fと
なる。このために手ぶれ補正としては、カメラ本体のぶ
れ量に対して約1/4程度の改善効果しか得られない。
【0007】これを改善するために、補正光学系を駆動
する際にカメラ本体の手ぶれの振動を収束せしめるよう
に補正用光学部材への駆動回路に対する入力を制御する
ようにしたものがある。具体的には、例えば特開平1−
300221号公報に開示されているように補正用光学
部材への駆動回路の増幅率をぶれ検出部の出力に応じて
可変させているもの、即ち、カメラ本体の手ぶれ振動を
収束せしめるように変化させているものがある。
【0008】また、上述のように電気的手段、即ち駆動
回路の増幅率を可変する手段を用いて手ぶれ振動を収束
させる他の手段としては、同公報に開示されているよう
に、カメラ本体の手ぶれを検出するための振動センサの
剛性を、手ぶれ振動を収束せしめるように可変すること
によって手ぶれ補正を改善しているものもある。一方、
ぶれ補正駆動量は、被写体距離の大小によってその絶対
量が変化するものであり、このことを図27を用いて説
明する。
【0009】カメラ本体Pの後方寄りの内部にフィルム
面2を有し、前方寄りの内部に主点Qを有する撮影光学
系Rにおいて、カメラ本体Pが光軸Oに対して上方に距
離y 1 だけ動いたとすると、点A1 に対する結像点は、
点A1 と点B2 を結んだ直線とフィルム面2との交点A
3 になる。なお、上述の点B2 は、主点Qの垂直線と光
軸Oとの交点B1 から距離y1 だけ上方の点である。
【0010】一方、カメラ本体Pの初期位置(移動前位
置)における点A1 の結像点は、点A2 であり、この点
2 はカメラ移動後のフィルム面2においては、点A4
(点A2 から距離y1 だけ上方に移動した点)に相当す
るので、カメラ本体Pが上方に距離y1 だけ移動したと
いうことはフィルム面2を基準に考えれば点A4 が点A
3 に移動したのと同じになる。
【0011】ここで、カメラ本体Pが上方に距離y1
け移動しても結像位置が移動しないようにする方法を考
えると、点A1 と点A4 を結ぶ直線と主点Q位置との交
点B 3 に撮影光学系を移動させるように調整すれば良い
ことになる。この移動量(点B2 と点B3 の差距離)を
距離y2 とし、主点Qからフィルム面2までの距離をx
1 とし、点A1 から主点Qまでの距離をx2 とすれば、 y1 /(x1 +x2 )=(y1 −y2 )/x2 が成立し、距離y2 は、 y2 ={x1 /(x1 +x2 )}・y1 となる。従って、距離y2 は、距離x2 (被写体距離)
の影響を受けることになる。よって、上述の図22以降
の図面に示す手ぶれ補正指令信号Daを被写体距離デー
タを用いて修正することが望ましいことになる。
【0012】一方、撮影光学系における焦点距離に応じ
てカメラ本体のフィルム面に与える手ぶれの影響の度合
が異なるのである。即ち、焦点距離が広角側になるに伴
い画角が広くなるために手ぶれ許容値が大きくなり、逆
に、望遠側になるに伴い画角が狭くなるためにその許容
値が小さくなるのである。これに伴って、手ぶれを補正
するための補正駆動量そのものが変化することになる。
従って、上述説明した手ぶれ補正指令信号Daを、焦点
距離に応じて修正することが望ましいことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来のカメラにおいて
は、手ぶれ検出を行い、この検出結果に基づいて補正用
光学部材の駆動量を演算し、この演算の結果に基づいて
補正用光学部材を駆動させているために、次のような問
題が生じている。即ち、手ぶれ検出時点と演算終了時点
と駆動時点との間に時間的な遅れ(図24の符号c参
照)が必然的に生じてしまうために、ある程度の手ぶれ
は改善されるものの、手ぶれ補正系に生じる遅れのため
に補正不足量が常に生じてしまうという難点がある。
【0014】このような従来の方式であっても、カメラ
に生じる手ぶれの絶対量が比較的に小さい場合には、こ
の補正不足量も、小さいために従来装置における補正手
段で実質的な不具合が生じないものの、手ぶれの絶対量
が大きい場合には、常に大きな補正不足量が生じてしま
うことになる。また、撮影光学系における焦点距離によ
って実際に必要とされるぶれ補正量が変化するのに、即
ち、カメラ自体のぶれ量が同一であっても焦点距離が大
きくなるほど、フィルム面上での像位置の移動が大きく
なるのに拘らず、この対策が講じられておらず、割合に
ラフな制御しか行われていない。
【0015】例えば、撮影光学系における焦点距離の変
化幅が広角の35ミリから望遠の70ミリ程度のものと
して、例えば、手ぶれ補正の駆動を最もシビアな条件で
ある最望遠側を基準にして行った場合、撮影光学系の焦
点距離が広角側にあるときには必要以上の手ぶれ補正が
行われてしまうためにぶれ補正駆動が的確に行われず、
全体的な精度を向上させることができない。また、撮影
時における被写体距離によって実際に必要とされるぶれ
補正量が変化するのに、即ち、カメラ自体のぶれ量が同
一であっても被写体距離が小さくなる程(至近側になる
程)フィルム面上での像位置の移動が大きくなるのに拘
らず、この対策が講じられておらず、割合にラフな制御
しか行われていない。
【0016】より具体的には、撮影時における被写体距
離のうち最も多く出現するであろう距離を基準にして、
このときの手ぶれ補正駆動量で補正用光学部材の駆動が
行われているために、被写体距離の至近から無限遠の間
のすべてにわたって満足したぶれ補正を行うことができ
なかった。
【0017】ところで、カメラに生じる手ぶれは、単純
な直線運動をしているのではなく、回転運動も加わって
いることが一般的である。そして、カメラ本体の手ぶれ
によって生じるフィルム面上での像位値の移動を補正す
るための前提としては、加速度センサー等を用いて手ぶ
れに基づく速度データと加速度データを求め、この各デ
ータからぶれ補正駆動量を演算し、その量に対応するぶ
れ補正駆動を行ない、手ぶれの打ち消しを行っている。
【0018】しかし、このような前提では、手ぶれの方
向が垂直方向成分のみの直線運動である場合には別段の
問題が生じないものの、手ぶれの方向に回転運動の成分
が含まれている場合には正確な手ぶれ補正を行なうこと
ができないという問題がある。
【0019】本発明は、上述の問題を解消するためにな
されたもので、その目的とするところは、カメラに生じ
る手ぶれに回転運動の成分があったときにその絶対量が
小さい場合は勿論のこと大きな場合であっても手ぶれを
有効適切に補正し、また、焦点距離可変撮影光学系にお
いて、如何なる焦点距離が設定されたとしてもまた、被
写体が如何なる距離に位置していたとしても、手ぶれを
有効適切に補正し、撮影された写真にぶれが生じないカ
メラを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1の発明においては、カメラ本体の複数個
所のそれぞれに所定間隔を隔てて固定され、カメラ本体
のそれぞれの個所に生じる加速度を検出する複数個の加
速度センサと、これら複数個の加速度センサの出力端に
それぞれ接続され、各加速度センサの出力をそれぞれ微
小なサンプリング間隔でサンプリングを行い且つそのサ
ンプリング出力を一定時間積分して複数の時点毎にぶれ
変化量デ−タを得る複数個のサンプリング回路と、これ
ら複数個のサンプリング回路からそれぞれ複数時点で出
力される上記ぶれ変化量デ−タと上記複数の加速度セン
サ間の上記所定距離デ−タとに基づき上記カメラ本体の
手ぶれに対応した角速度デ−タを演算する第1の演算手
段と、この第1の演算手段から複数時点で時系列的に出
力される角速度データを今回データと前回データとして
時系列的に格納する記憶手段と、上記第1の演算手段か
ら出力される今回の角速度データと上記記憶手段から時
系列的に出力される前回の角速度データに基づいて次回
の予測角速度データを予測演算する第2の演算手段と、
この第2の演算手段から出力される予測角速度データに
基づいて上記カメラ本体のフィルム面上での像移動デー
タを演算する第3の演算手段と、この第3の演算手段で
得られた上記像移動データと別途求められた焦点距離デ
ータと被写体距離データとに基づきカメラ本体の手ぶれ
によるフィルム面上での像位置の移動を補正予測するた
めのぶれ補正データを演算する第4の演算手段と、を具
備することを特徴としたものである。
【0021】また、上述の目的を達成するために、請求
項2の発明においては、カメラ本体の複数個所のそれぞ
れに所定間隔を隔てて固定され、カメラ本体のそれぞれ
の個所に生じる加速度を検出する複数個の加速度センサ
と、これら複数個の加速度センサの出力端にそれぞれ接
続され、各加速度センサの出力をそれぞれ微小なサンプ
リング間隔でサンプリングを行い且つそのサンプリング
出力を一定時間積分して複数の時点毎にぶれ変化量デ−
タを得る複数個のサンプリング回路とを用い、これら複
数個のサンプリング回路からそれぞれ複数時点で出力さ
れる上記ぶれ変化量データと上記複数の加速度センサ間
の上記所定距離データとに基づき上記カメラ本体の手ぶ
れに対応した角速度データを上記複数時点で第1の演算
手段で演算する第1の演算ステップと、上記複数時点で
時系列的に上記第1の演算手段から出力される上記角速
度データを今回データとして第1の記憶手段に格納する
第1の記憶ステップと、上記第1の演算手段から上記第
1の記憶手段が次回の角速度データを受け入れたとき、
上記第1の記憶手段から出力される今回のデータを前回
の角速度データとして第2の記憶手段に格納する第2の
記憶ステップと、上記第1の演算手段から出力される今
回の角速度データと、上記第2の格納手段から出力され
る前回の角速度データとに基づき次回の予測角度データ
を第2の演算手段で予測演算する第2の演算ステップ
と、上記第2の演算手段から出力される上記予測角速度
データに基づき上記カメラ本体のフィルム面上での予測
像移動データを第3の演算手段で演算する第3の演算ス
テップと、からなることを特徴としたものである。
【0022】
【作用】加速度センサは、カメラ本体の複数個所のそれ
ぞれに所定間隔を隔てて固定され、カメラ本体のそれぞ
れの個所に生じる加速度を検出し、これら複数個の加速
度センサの出力端にそれぞれ接続された複数個のサンプ
リング回路は、各加速度センサの出力をそれぞれ微小な
サンプリング間隔でサンプリングを行い且つそのサンプ
リング出力を一定時間積分して複数の時点毎にぶれ変化
量デ−タとして出力する。これら複数個のサンプリング
回路からそれぞれ複数時点で出力される上記ぶれ変化量
デ−タと上記複数の加速度センサ間の上記所定距離デ−
タとに基づき第1の演算手段で上記カメラ本体の手ぶれ
に対応した角速度デ−タを演算し、この第1の演算手段
から複数時点で時系列的に出力される角速度データを今
回データと前回データとして時系列的に記憶手段に格納
し、上記第1の演算手段から出力される今回の角速度デ
ータと上記記憶手段から時系列的に出力される前回の角
速度データに基づいて次回の予測角速度データを第2の
演算手段で予測演算し、この第2の演算手段から出力さ
れる予測角速度データに基づいて上記カメラ本体のフィ
ルム面上での像移動データを第3の演算手段で演算し、
この第3の演算手段で得られた上記像移動データと別途
求められた焦点距離データと被写体距離データとに基づ
きカメラ本体の手ぶれによるフィルム面上での像位置の
移動を補正予測するためのぶれ補正データを第4の演算
手段で演算する。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図21を
用いて詳細に説明する。本発明の第1実施例の回路構成
を示す図1および図1の一部を詳細を示す図2におい
て、コンパクトカメラに見られるようにカメラ本体に一
体化され、または、レンズマウント等を介して着脱自在
に設けられた撮影光学系1の光軸O上にフィルム面2が
位置している。この撮影光学系1は、複数枚のレンズで
形成されるフォーカスレンズ群3と複数枚のレンズで形
成されるズームレンズ群4と、これらの2つのレンズ群
3,4の光軸を手ぶれに応じて補正するための補正用光
学部材5とで構成されている。
【0024】また、カメラ本体には、手ぶれ検出部6が
固定されている。この手ぶれ検出部6は、カメラ本体内
に所定の距離rfix (後述する)だけ離れて複数、この
例では2つ、即ち、第1、第2の手ぶれ検出部6A,6
Bで形成されている。この第1の手ぶれ検出部6Aは、
図2に詳しく示すように第1のぶれセンサ6aとサンプ
リング回路6bで構成されている。また第2の手ぶれ検
出部6Bも、同様に第2のぶれセンサ6cとサンプリン
グ回路6dで構成されている。そして、ぶれセンサ6
a,6cは、例えば半導体型の加速度センサを用いるこ
とができ、サンプリング回路6b,6dは、所定の時間
毎にサンプリングを行うことによってぶれセンサ6a,
6cの各出力を積分するものである。
【0025】一方、フォーカスレンズ群3およびズーム
レンズ群4のそれぞれには、フォーカスおよびズームを
電動で行うためのフォーカスモータ7、ズームモータ8
が設けられ、補正用光学部材5には、この補正用光学部
材5を光軸Oに直交する方向に駆動するためのぶれ補正
アクチュエータ9が設けられている。また、第1のぶれ
センサ6aの出力端は、サンプリング回路6bの入力端
に接続され、更に、第2のぶれセンサ6cの出力端は、
サンプリング回路6dの入力端に接続され、これらサン
プリング回路6b,6dの出力端、即ち手ぶれ検出部6
の2つの出力端は、演算手段10の入力端に接続され、
この演算手段10には、記憶手段11が接続されてい
る。
【0026】さらに、フォーカスモータ7、ズームモー
タ8、ぶれ補正アクチュエータ9のそれぞれには、フォ
ーカス駆動回路12、ズーム駆動回路13、アクチュエ
ータ駆動回路14が接続されている。
【0027】さらに、カメラ本体内に設けられた各部を
複合的に制御するための指令を出すためのCPU15が
設けられ、このCPU15には、測距を行い自動合焦駆
動させるためのAF回路16が接続されている。このA
F回路16は、例えば図3に示すようにアクテイブ方式
のものを用いることができる。
【0028】即ち、カメラ本体(図示せず)から距離D
なる場所に位置する被写体OJに向けて赤外発光ダイオ
ードLEDの光を投光レンズL1 を用いて投光し、この
ときに被写体OJからの反射光を、投光レンズL1 と発
光ダイオードLEDで形成される投光部に対して基線長
Sを隔てて配置されている受光レンズL2 を介して位置
センサ、例えばPSD(ポジション・センシティブ・デ
バイス)で受光させる。
【0029】この位置センサPSDは、受光レンズL2
の有する焦点距離f上に配置され、その長さがcに設定
されている。従って、被写体OJで反射されるスポット
光は、位置センサPSDの基準点から距離dなる点に結
像されることになり、この位置センサPSDの出力電流
1 ,I2 の関係は、下式のようになる。 I1 ∝(C/2)−d=(C/2)−(f/D)・S I2 ∝(C/2)+d=(C/2)+(f/D)・S よって、I2 /I1 ={(C/2)+(f/D)・S}/{(C/2)−(f/ D)・S} =(C・D+2f・S)/(C・D−2f・S) つまり、被写体距離の逆数(1/D)に対応した出力I
2 /I1 が生じることになるので、このI2 /I1 を、
AF回路16の出力、即ち被写体距離データDxとする
ことができる。このようなAF回路16の出力端、即ち
被写体距離データDxの送出端は、AFデータ変換回路
17の第1入力端に接続され、このAFデータ変換回路
17の出力端、即ち、フォーカス駆動データDfxの送
出端は、フォーカス駆動回路12の第1制御端に接続さ
れている。このフォーカス駆動回路12の第2制御端に
は、フォーカスモータ7の回転に応じてパルス数データ
Pixを生成するフォトインタラプタ18の出力端が接
続されている。
【0030】一方、撮影光学系1には、ズームレンズ群
4の現在の位置を検出してズーム位置データを得るため
のズーム位置検出回路19が設けられ、このズーム位置
検出回路19の出力端、即ちズーム位置データZpxの
送出端は、AFデータ変換回路17の第2入力端に接続
されると共に、上述のズーム駆動回路13の第1制御端
に接続されている。このズーム駆動回路13の第2制御
端には、CPU15の出力端、即ちズーム駆動量データ
Z′の送出端が接続されている。
【0031】また、CPU15には、測光回路20が接
続され、所望の測光制御を実行することができるように
なっている。さらに、このCPU15の各入力端には、
レリーズを起動させるためのレリーズスイッチ21と測
光を開始させるための測光スイッチ22とズーミングを
行わせるためのズームスイッチ23もそれぞれ接続され
ている。さらに、フィルム巻上げ、シャッタチャージ等
の一連の動作をさせるための給送モータ24が設けら
れ、この給送モータ24は、CPU15の出力端に接続
された給送駆動回路25を介してCPU15からの給送
指令に応じて回転が制御されるようになっている。
【0032】なお、符号26は、CPU15に所定のプ
ログラムを実行させるための固定的なデータや各種制御
を行うに必要なデータを一時的に格納するためのメモリ
である。さて、上述の演算手段10の基本構成は、図2
に詳しく示すように第1ないし第5の演算回路10aな
いし10eを順次に直列的に接続したものであり、記憶
手段11は、第1の記憶手段としての第1のメモリ11
aと第2の記憶手段としての第2のメモリ11bを有し
ている。
【0033】第1の演算回路10aは、第1および第2
の手ぶれ検出部6Aおよび6Bの各出力B1k およびB
k に基づき角速度データωk をωk =f(B1k ,B
k )として求めるものである。また、第2の演算回路
10bは、第1の演算回路10aで求められた角速度デ
ータωk と第2のメモリ11bから送出される(前回
の)角速度データωk-1 に基づき次回を予測した角速度
データωk+1 を、ωk+1 =f(ωk ,ωk-1 )として求
めるものである。
【0034】更に、第3の演算回路10cは、第2の演
算回路10bで求められた次回の角速度データωk+1
基づきフィルム面上での予測像移動データVF をVF
f(ωk+1 )として求めるものである。
【0035】第4の演算回路10dは、第3の演算回路
10cで得られた予測像移動データVF とAF回路16
から出力される被写体距離データDxとから、ぶれ補正
基準駆動データBLwide、即ち、 BLwide=f(VF ,Dx) を求めるものである。第5の演算回路10eは、第4の
演算回路10dで得られたぶれ補正基準駆動データBL
wideとズーム位置検出回路19で得られたズーム位
置データZpxとから、ぶれ補正量データBLzp、即
ち、 BLzp=f(BLwide,Zpx) を求めるものである。
【0036】そして、この第4および第5の演算回路1
0dおよび10eで、第4の演算手段が構成される。即
ち、第4の演算手段は、上記第3の演算回路10cで得
られた予測像移動データVF と、ズーム位置検出回路1
9で得られたズーム位置データZpxとAF回路16で
得られた被写体距離データDxとに基づき、カメラ本体
1の手ぶれによるフィルム面上での像位置の移動をぶれ
補正アクチュエータ9を駆動して補正するためのぶれ補
正量データBLzpを演算するものである。一方、上述
の第1のメモリ11aの入力端は、第1の演算回路10
aの出力端に接続され、第1のメモリ11aの出力端
は、第2のメモリ11bの入力端に接続されている。こ
の第2のメモリ11bの出力端は、第2の演算回路10
bの第2入力端に接続されている。
【0037】また、このような第1および第2のメモリ
10aおよび10bで、記憶手段11を構成している。
この記憶手段11は、第1の演算回路10aから複数時
点で出力される角速度データωk を時系列的に格納する
もので、複数時点で時系列的に角速度データωk-1 ,ω
k を出力できるようになっている。
【0038】次に、以上のように構成された本実施例に
係る手ぶれ補正機能付きカメラにおける手ぶれ補正動作
を、図4ないし図8に示すフローチャートを用いて説明
する。
【0039】図4に示すフローチャートのステップS0
において、メインスイッチがオンされると、回路各部に
電源供給がなされると共にメモリ26に格納された所定
のプログラムを実行すべく回路各部がイニシャライズさ
れ、次のステップS1に移行し、カメラ本体1をホール
ディングしたか否かをグリップへの手指の接触の有無に
置き換えて検知する。
【0040】そして、ステップS1がNOの場合には、
そのままの回路状態を保持し、YESになったときに次
のステップS2に移行する。すると、CPU15から手
ぶれ検出部6に制御信号Iが送出され、第1および第2
のぶれセンサ6aおよび6cとサンプリング回路6bお
よび6dが作動し、手ぶれ検出のためのサンプリング動
作が開始される。
【0041】第1および第2のぶれセンサ6aおよび6
cのそれぞれの出力として得られる出力(加速度に対応
した出力)A1x およびA2x のうち、出力A1k の場
合を例にすれば、図9に示すように第1のぶれセンサ6
aの出力A1x をサンプリング間隔Stで一定期間It
だけ積分した速度データとしてのディメンジョンで与え
られる。すなわち、第1のぶれセンサ6aの出力A1k
をスタートポイントSから微小なサンプリング間隔St
で、例えば32回のサンプリングを行い、一定の期間I
tだけ積分すると、次式に示すようなぶれ変化量データ
が得られる。
【0042】
【数1】 また、出力A2k においても同様にしてサンプリングが
行われているものである。
【0043】上述の第1のぶれセンサ6aの出力A1k
を32点でサンプリング回路6bを用いてサンプリング
してA11(1) +A11(2) +A11(3) ……A11(3
2) のように加算(積分)していき、その出力をB11
とする。また、第2のぶれセンサ6cの出力A2k も同
様にA21(1) +A21(2) +A21(3) ……A2 1(3
2) のように加算していき、その出力をB21 とする。
【0044】ここで、第1のぶれセンサ6aの出力を加
算したデータを速度V11 とし、第2のぶれセンサ6c
の出力を加算したデータを速度V21 とすれば、 V11 =B11 , V21 =B21 になる。
【0045】更に、第1、第2のぶれセンサ6a,6c
を32点毎にサンプリングして加算するとB12 ,B2
2 が得られる。これと速度V12 ,V22 の関係は、 V12 =V11 +B12 V22 =V12 +B22 となる。
【0046】更に、第1、第2のぶれセンサ6a,6c
の出力をk回に亘って加算して行くと速度V1kは、図
10に示すように V1k =V1k-1 +B1k となり、速度V2k の場合にも同様にして、 V2k =V2k-1 +B2k となる。このようにして行われるサンプリングが開始さ
れ、次のステップS3に移行する。このステップS3
は、オフセットデータを収集するものである。
【0047】ここで、オフセットデータを何のために求
めるのかというと、カメラ本体に生じる手ぶれに対応す
るぶれ変化量データB1k ,B2k は、加速度が0のと
きの第1、第2のぶれセンサ6a,6cの出力A1k
A2k に対する差として求められるのであり、このため
に複数得られた各回の出力B11 ,B12 ……B1k
ら下記の式に示すようにオフセットデータBoffse
tを差し引く必要があるからである。
【0048】
【数2】
【0049】また、出力B21 ,B22 ……B2k にお
いても同様にしてオフセットデータが差し引かれるもの
である。
【0050】このようにして、オフセットデータが求め
られた後に次のステップS4に移行し、レリーズ釦が半
押しであるか否かが判断されNOの場合には、ステップ
S3に戻され、YESの場合には、次のステップS5に
移行し、ズーム位置検出回路19で得られたズーム位置
データZpxが格納され、CPU15からの指令に基づ
き測光回路20が作動し、測光と露出演算が行われる。
【0051】引き続いて、ステップS6に移行し、第1
および第2のぶれセンサ6a,6cのそれぞれのぶれの
大きさをチェックするためのデータB1oL(t),B2
oL(t)がチェックデータB1ok,B2okとズーム
位置データZpxとから、B1oL(t)=f(B1o
k,Zpx)また、B2oL(t)=f(B2ok,Zp
x)として求められる。
【0052】そして、次のステップS7に移行し、上述
のデータB1oL(t)が所定の基準データC1 に等しい
かまたは大きいかの判断が行われ、NOの場合には次の
ステップS8に移行し、上述のデータB2oL(t)が所
定の基準データC2 に等しいかまたは大きいか否かの判
断が行われ、NOの場合には次のステップS9に移行
し、フォーカスモータ7が回転中である旨のフラグ、即
ちMf フラグを“1”にセットして図5に示すフローチ
ャートのステップS17と図7に示すステップS50に
並列的に移行される。一方、ステップS7またはステッ
プS8でYESの場合には、カメラ本体の手ぶれ量が補
正不可能な程に大きいので、撮影者が意図的にカメラ本
体を移動、例えば高速移動する被写体を流し撮りする等
の場合であると判断し、手ぶれ補正を行わないことと
し、ステップS10に移行させる。
【0053】このステップS10は、CPU15から禁
止信号Iを手ぶれ検出部6に送出し、サンプリング回路
6b,6dのサンプリング動作を停止させるものであ
る。そして次のステップS11に移行し撮影用の測光と
測距を行う。
【0054】この際にAF回路16で得られた被写体距
離データDxは、AFデータ変換回路17に入力され、
先程のズーム位置検出回路19で得られたズーム位置デ
ータZpxの内容を加味(詳細は後述)し、フォーカス
駆動データDfxが求められる。
【0055】次のステップS12においてフォーカスモ
ータ7が駆動開始される。そして、次のステップS13
でDfx−Pix=0であるか否かの判断が行われる。
この判断は、実際にフォーカス駆動させる際、上記フォ
ーカス駆動データDfxとフォーカスモータ7がステッ
プ駆動される毎にフォトインタラプタ18に生じるステ
ップ数データ(累積データ)Pixとが等しくなったか
否かを判断するもので、より具体的にはフォーカス駆動
すべきステップ数だけフォーカスモータ7がステップ駆
動されたか否かを判断するものである。
【0056】ステップS13でNOの間は、フォーカス
モータ7のステップ駆動が継続して行われ、YESの場
合には、フォーカス駆動が完了したものと判断し、ステ
ップS14でフォーカスモータ7の駆動停止がなされ
る。
【0057】次のステップS15でレリーズスイッチ2
1がONされたか否かが判断され、NOの場合にはその
まま待機し、YESの場合には次のステップS16に移
行しシャッタが開にされ、フィルム露光が開始されシャ
ッタ適正露光時間後、閉とされフィルム露光が完了して
図7に示すステップS49に移行し、給送駆動回路25
を介して給送モータ24が駆動され、フィルム巻上げ、
シャッタチャージ等が行われ次回のフィルム露光に備え
られる。
【0058】さて、上述のステップS7,S8でNOと
判断されたとき、即ち、手ぶれの量が所定値以下である
と判断されたときには、次のステップS9でフォーカス
モータフラグMf が“1”にセットされ、次に図5に示
すステップS17からステップS31と、図6に示すス
テップS32からステップS44と、図8に示すステッ
プS45からステップS49でなる第1系統、図7に示
すステップS50からステップS54でなる第2系統が
並列的に実行されることになる。
【0059】次ず、第1系統について説明すると、図5
に示すステップS17において行われるオフセットデー
タの算出は、上述のステップS3で行われたオフセット
データの収集によって得られたサンプリングデータを平
均化してオフセットデータBoffsetの平均値を求
めるものである。
【0060】次に、ステップS18に移行しk=1,ω
0=0(ただし、kは、32個でなるサンプリングを行
う回数、ω0は、角速度データωにおける初回のデータ
である)と設定する。
【0061】ここでω0=0としているのは、手ぶれ補
正を行う際に一連の手ぶれ検出をスタートさせる直前の
角速度データω(詳細は後述)は、カメラの構える向き
や手持ちの状態が現在の状態と同一であるという保証が
無くこのデータを基準にしても無意味であるのでこれを
除くためである。
【0062】そして、次のステップS19で上述のステ
ップS2と同様に32個のポイントにおける各データA
k(1)〜A1k(32)とA2k(1)〜A2k(3
2)がサンプリングされ、次のステップS20において
ぶれ変化量データB1k が次式のようにして求められ
る。
【0063】
【数3】
【0064】そして、次のステップS21で角速度デー
タωk が求められる。この角速度データωk は、図11
に示すように仮定点O0から距離r1 なる位置に設けら
れた第1のぶれセンサ6aと仮定点O0から距離r2
る位置に設けられた第2のぶれセンサ6cのそれぞれの
速度をV1,V2とし、第1、第2のぶれセンサ6a,
6cの固定距離をrfix とすれば、 V1k =r1 ωk , V2k =r2 ωk となる。
【0065】また、rfix =r1 −r2 であるので、こ
れらの関係より、 ωk =(V1k −V2k )/rfix =(B1k −B2
k )/rfix となる。このような角速度データωk が第1の演算回路
10aで求められるのである。
【0066】そして、次のステップS22に移行し、予
測角速度データωk+1 が ωk+1 =f(ωk ,ωk-1 ) ωk-1 :前回の角速度データ として求められる。
【0067】この演算は、演算手段10を形成する第2
の演算回路10bで行われ、この詳細は、先ず、この今
回の角速度データωk が第1のメモリ11aに格納され
る。
【0068】そして、第1のメモリ11aに格納された
今回のωk は、第1の演算回路10aにサンプリング回
路6a,6cから送出される次回のωk を受け入れたと
きには、前回のωk-1 とされて第1のメモリ11aから
第2のメモリ11bに格納され、今回のωk-1 について
も、今回のVk が、第1の演算回路10aにサンプリン
グ回路6a,6cから送出される次回のωk を受け入れ
たときには、前回のω k-1 とされて第2のメモリ11b
から第2の演算回路10bに入力される。従って、ω
k+1 =f(ωk ,ωk-1 )の演算を行うことができるの
である。
【0069】この演算は、図12に示すように現時点t
からItだけ後の時点t+Itの予測角速度データω
k+1 を、今回データωk と前回データωk-1 から一次予
測、即ちωkとωk-1の延長線上の位置を演算することに
よって行われるのである。
【0070】このようにして第1の演算回路10a、第
1、第2のメモリ11a,11bで予測角速度データω
k+1 が求められると、次のステップS23に移行し、フ
ィルム面上での予測像移動データVF が第3の演算回路
10cで求められる。
【0071】即ち、図11に示すように第1、第2のぶ
れセンサ6a,6cのそれぞれに速度V1k ,V2k
生じたときにフィルム面上に生じる像移動データVF
は、 VF =(r1 +zL)ωk ={(V1k /ω)+zL} =V1k +V1k +zL・ω となる。
【0072】この式は、第1、第2のぶれセンサ6a,
6cの取付軸とフィルム面の中心軸が一致している場合
のものであり、現実には両者を一致させることが不可能
であり、わずかの距離yLだけずれているために誤差が
生じるが、実際には無視できる値である。上述のように
して像移動データVF が第3の演算回路10cで求めら
れ、次のステップS24に移行する。
【0073】このステップS24においては、フォーカ
スモータフラグMf が“0”、即ちフォーカスモータ7
が停止中であるか否かが判断され、駆動中のときはNO
に分岐し、ステップS26に移行しk=k+1のように
インクリメントされて、ステップS19に戻され、ステ
ップS19からステップS23が再び実行される。
【0074】ステップS24でフォーカスモータ7が停
止中のときは、YESに分岐し、次のステップS25に
移行し、 k=kmfs +C2 (kmfs :AF終了時のkの値) の判断が行われる。
【0075】この判断を行っている理由は、フォーカス
モータ7を駆動し、合焦時点でモータを停止した直後の
手ぶれ検出部6の出力には、モータ停止に伴うショック
成分が存在し、この成分を予測演算に用いると正確な予
測駆動を行わせることができないためにAF終了時のk
の値(kmfs )より更にC2 個(例えば5)なるサンプ
リングの後まで待機させるためである。
【0076】そして、ステップS25でYESの場合に
は、次のステップS27に移行し、レリーズスイッチ2
1がONであるか否かが判断され、ONされていない場
合にはステップS26でインクリメントされてステップ
S19からステップS23までが再度に亘って実行され
る。
【0077】ステップS27がYESの場合には、ステ
ップS28に移行し、BLwide=f(VF ,Dx)
が演算され、次にステップS29でBLzp=f(BL
wide,Zpx)の演算が行われ、次のステップS3
0でBLzpをBLに変換することが行われる。
【0078】次に、上述のステップS28〜S30にお
ける各種の演算と変換について詳しく説明する。先ず、
演算手段10の出力(第5の演算回路10eの出力)で
あるぶれ補正用データBLzpと撮影光学系の焦点距離
との関係、具体的にはズーム位置データZpxとの間の
関係としては、同一の手ぶれ量であっても焦点距離が長
い程にフィルム面上での像位置移動が大きくなるという
関係がある。
【0079】そこで、撮影光学系における基準ズーム位
置をWIDE(広角)側として、このときのぶれ補正用
データを基準ぶれ補正用データBLwideとすれば、
ぶれ補正量データBLzpは、 BLzp=f(BLwide,Zpx) で表わされる。
【0080】なお、ズーム位置データZpxが現実の焦
点距離変化に対してリニアな関係でなかった場合には近
似演算を用いて BLzp=BLwide×f(Zpx) ただし、 f(Zpx)=a0 +a1 Zpx または f(Zpx)=a0 +a1 Zpx+a2 Zpx2 という形態を用いればよい。
【0081】ここで、a0 ,a1 ,a2 は、所定の定数
である。さて、上述の基準ぶれ補正用データBLwid
eとフィルム面上での予測像移動データVF との間に
は、ステップS28にも示されるようにBLwide=
f(VF ,Dx)が成立するのであり、この場合の被写
体距離データDxの必要性については、既に図27を用
いて説明したが、像移動データVF を基準ぶれ補正用デ
ータBLwideに変換する場合にも被写体距離データ
Dxが必要ということになり、上述のステップS28に
示すようにBLwide=f(VF ,Dx)が必要とさ
れる。
【0082】なお、被写体距離データDxが距離x2
(図27参照)の変化に対してリニアな関係でなかった
場合には、厳密な演算を行うために複雑な演算回路を用
いることは好ましくないので、一般的には上述のズーム
位置データZpxにおける近似演算による補正の場合と
同様にして、 BLwide=VF ×f(Dx) ただし、 f(Dx)=b0 +b1 Dx または f(Dx)=b0 +b1 Dx+b2 Dx2 という形態の近似演算を行えばよいことになる。
【0083】なお、符号b0 ,b1 ,b2 は、所定の定
数である。一方、像移動速度データVF は、フィルム面
上での結像位置の移動速度であると上述したが、これを
現在の移動速度のまま用いると上述のように応答遅れが
生じてしまう。このことは既に説明したが、次式のよう
に表わすことができる。
【0084】
【数4】
【0085】または、 VF =f(ωk ,ωk-1 ) ということになる。
【0086】さて、第2の演算回路10bは、今回のデ
ータωk と前回のデータωk-1 とに基づいて手ぶれ予測
補正をするものであり、具体的には、本実施例において
は、手ぶれの状態が図13に示す特性dのように波状の
ものであった場合、その動きに追従するぶれ補正駆動が
符号eで示すようになる。
【0087】即ち、図12に拡大して示すように現在時
点tにおける速度と時点tより1回当りの積分時間It
だけ前の時点t−Itにおける点の速度とから時点tよ
り1回当りの積分時間Itだけ先の時点t+Itにおけ
る点の速度を予測する、換言すれば時点t+Itにおけ
る点の速度を直線近似で求めるものである。
【0088】なお、2つの特性は、完全に一致すること
が望ましいものの、現実にはぶれの変化が略正弦波状で
予測が直線近似で求められているためにわずかの誤差成
分が生じることとなるが、この量は通常の場合は、無視
できる程度であり、特に問題は生じない。
【0089】従ってステップS29で第5の演算回路1
0eを用いてぶれ補正量データBLzpが求められる
と、このデータBLzpは、次のステップS30でぶれ
補正駆動データBLに変換され、次のステップS31に
移行し、ぶれ補正アクチュエータ6が駆動される。
【0090】この駆動は、具体的には、アクチュエータ
駆動回路14で行われる。このぶれ補正駆動データBL
は、手ぶれ検出部6で求められたぶれ変化量データB1
k,B2k を複数回に亘って求め、これに基づいて角速
度データωk を求め、所定の予測時点(本実施例におい
ては積分間隔Itの後の時点)におけるぶれ補正量を予
測演算して得られたもので、予測時点における手ぶれ量
に対応した量となっている。
【0091】従って、予測時点において手ぶれを補正す
るためには、手ぶれを打消すようにぶれ補正量データB
Lzpを、位相を反転させたぶれ補正駆動データBLに
変換するのである。
【0092】従って、ステップS30において、ぶれ補
正量データBLzpが、ぶれ補正駆動データBLに変換
され、次のステップS31でぶれ補正アクチュエータ9
が駆動され、補正用光学部材5が光軸Oに直交する方向
に移動されることによって手ぶれ予測補正が行われる。
【0093】そして、図6に示す次のステップS32で
シャッタが開とされ、次のステップS33でシャッタ秒
時Ssからサンプリング間隔Itの時間が差引かれ、こ
の差し引かれた時間Ssが次のステップS34で0以下
であるか否かが判断され、NOの場合には再びサンプリ
ングを行わせるために、次のステップS35でサンプリ
ングの回数kがインクリメントされる。
【0094】そして、ステップS36からステップS4
0が上述のステップS19からステップS23と同様に
行われ、さらにステップS41からステップS44が上
述のステップS28からステップS31と同様に行われ
ステップS44でぶれアクチュエータ駆動が行われた後
にステップS33に戻され、ステップS33でシャッタ
秒時からサンプリング間隔Itを差し引いた時間Ssが
求められ、次のステップS34で時間Ssが0以下であ
るか否かの判断がなされ、NOである場合には上述同様
にステップS35からステップS44が再び行われる。
【0095】これらのステップS33からステップS4
4の繰返しは、ステップS34で行われる判断で「Ss
<0?」がYESとなるまで行われ、言い換えればシャ
ッタが開かれている間は、ぶれ検出に基づいてぶれ予測
補正が繰返し行われることになる。
【0096】ステップS34でYESになった場合に
は、図8に示すステップS45に移行し、シャッタが閉
にされた後に、次のステップS46に移行し、ぶれ補正
アクチュエータ9がぶれ補正の方向とは逆の方向に駆動
され初期位置に戻すように駆動される。次のステップS
47で、CPU15から送出される禁止信号Iによって
アクチュエータ駆動回路14の作動が停止されぶれ補正
アクチュエータ9が停止される。
【0097】次にステップS48においても上述同様に
してCPU15から送出される禁止信号Iによって手ぶ
れ検出部6のサンプリング回路6b,6dが作動を停止
し次のステップS49に移行し、次回の撮影に備えてフ
ィルム巻上げ、シャッタチャージ等のフィルム給送が行
われ、一連の手ぶれ予測補正のシーケンスにおける第1
系統の動作が完了する。
【0098】一方、第2系統の動作は、上述のステップ
S8においてフォーカスモータフラグが“1”になると
図7に示すステップS50に移行し、測光回路20がC
PU15からの指令に基づいて制御されて測光を行い、
その測定値に基づいた適正露光値に対応するシャッタ秒
時と絞り値が求められる。
【0099】これと同時的にAF回路16が、CPU1
5からの指令に基づいて制御されて測距を行い、このと
きに得られる被写体距離データDxをAFデータ変換回
路17によってフォーカス駆動データDfxに変換し、
次のステップS51でこのデータDfxによってフォー
カス駆動される。
【0100】次に、ステップS52に移行し、Dfx−
Pix=0であるか否かの判断が行われる。
【0101】この判断は、実際にフォーカス駆動させる
際のフォーカスモータ7の駆動ステップ数に対応したフ
ォーカス駆動量データDfxとフォーカスモータ7がス
テップ駆動される毎にフォトインタラプタ18に生じる
ステップ数データPixの累積値とが等しいか否かを判
断するもので、より具体的には、フォーカス駆動すべき
ステップ数だけフォーカスモータ7がステップ駆動され
たか否かを判断するものである。
【0102】そして、ステップS52でNOの場合に
は、フォーカスモータ7のステップ駆動が引き続き行わ
れ、YESの場合には、フォーカス駆動が完了したもの
と判断し、次のステップS53でフォーカスモータ7の
駆動停止がなされる。
【0103】次のステップS54ではフォーカスモータ
フラグMf を“0”、即ち、モータ停止状態にすると共
に、AF終了時のkの値、即ちkmfs がkにセットさ
れ、前述のような第1系統のフローが並列的に実行さ
れ、ぶれ補正、フィルム露光等が行われることに備えら
れる。
【0104】従って、今まで説明した第1実施例におい
ては、2系統の手ぶれ検出を所定の間隔(サンプリング
間隔It)毎に行い、これらから角速度を求め、今回に
得られた角速度データωk と前回に得られたぶれ角速度
データωk-1 との2種のデータに基づいて予測演算を行
っているために、図12および図13に示すように手ぶ
れ振動が現在(今回)時点tと前回時点t−Itの角速
度データωkとωk-1に基づいて次回時点t+Itにおけ
る角速度量ωk+1を直線近似で求めているために、次回
時点t+Itにおけるぶれ振動と略等しい位置にぶれ補
正を行うことができる。
【0105】従って、フィルム面上での像の動きは、図
13に示すように略正弦波状の補正量特性dに対するぶ
れ量特性eが略等しいものとなり、補正量特性dで補正
した場合、特性fに示すように極くわずかの補正不足量
が残留するのみである。この補正不足量は、極くわずか
であるので、実質的な悪影響を生じることは無い。
【0106】また、焦点距離を検出して得られるズーム
位置データZpxに基づいてぶれ補正駆動の修正を行っ
ているために、全ての焦点距離位置において高精度のぶ
れ補正を行うことができる。
【0107】また、被写体距離を検出して得られる被写
体距離データDxに基づいてぶれ補正駆動の修正を行っ
ているために、至近から無限遠にわたる被写体距離の間
で高精度のぶれ補正を行うことができる。
【0108】以上の実施例は、手ぶれを打消すべく行わ
れる予測演算が2種のデータ、即ち今回に得られた角速
度データωk と前回に得られた角速度データωk-1 との
データに基づいて行われているために追従性の優れた手
ぶれ補正を行うことができ、一般的条件では略満足でき
るカメラとすることができるのである。
【0109】ところで、より高度で更に優れた手ぶれ補
正を行う必要がある場合、例えば、比較的に大きな焦点
距離を有する望遠レンズを使用する等、よりシビアな条
件の場合には、以下に説明する第2実施例の如く構成す
れば良い。即ち、本発明の第2実施例を図14ないし図
21を用いて説明する。
【0110】図14は、本発明の第2実施例の回路構成
を示すもので、図15は、図14中の一部を詳細に示す
回路図で上述の図1および図2に示す構成と異なる部分
は、演算手段30と記憶手段31のみであり、重複説明
をさけるために、同一部分には同一符号を付すにとどめ
る。
【0111】演算手段30の基本構成は、第1ないし第
5の演算回路30aないし30eを順次に直列的に接続
したものであり、記憶手段31は、第1,第2,第3の
メモリ31a,31b,31cを有している。
【0112】即ち、第1の演算回路30aは、上述の第
1の演算回路10a(図2参照)と同一である。
【0113】第2の演算回路30bは、 ωk+1 =f(ωk ,ωk-1 ,ωk-2 ) ただし、 ωk :(今回の)角速度データ ωk-1 :(前回の)角速度データ ωk-2 :(前々回の)角速度データ ωk+1 :予測(次回の)角速度データ を演算するもので、第3ないし第5の演算回路30c,
30d,30eは、上述の第3ないし第5の演算回路1
0c,10d,10e(図2参照)と同一である。
【0114】一方、上述の第1のメモリ31aの入力端
には、第1の演算回路30aの出力端が接続され、この
第2のメモリ31bの出力端は、第2の演算回路30b
の入力端に接続されている。
【0115】さらに、第1のメモリ31aの出力端は、
第2のメモリ31bの入力端に接続され、この第2のメ
モリ31bの出力端は、第2の演算回路30bの入力端
に接続されていると共に第3のメモリ31cの入力端に
接続されている。
【0116】次に、以上のように構成された第2実施例
に係る手ぶれ補正機能付きカメラにおける手ぶれ補正動
作を説明する。
【0117】図16ないし図20に示すフローチャート
は、本実施例の動作を示すもので、上述の第1実施例に
おけるフローチャート(図4ないし図8)と同一部分が
多くあり、重複説明をさけるために同一動作を行う場合
の説明を省略し、異なる動作をする部分のみについて説
明する。
【0118】図16および図17に示すステップP1か
らステップP21までと、図19に示すステップP50
からステップP54までは、上述の第1実施例における
ステップS1〜S21,S50〜S54の動作と同一で
ある。従って、ステップP21までが上述の第1実施例
と同様に実行された後にステップP22に移行する。
【0119】第1の演算回路30aで求められた角速度
データωk から予測(次回の)角速度データωk+1 をω
k+1 =f( ωk ,ωk-1 ,ωk-2 )として求めるもの
である。
【0120】この詳細は、今回のωk が第1のメモリ3
1aに格納される。そして第1のメモリ31aに格納さ
れた今回のωk は、第1の演算回路30aにサンプリン
グ回路6b,6dから送出される次回のB1k ,B2k
を受け入れたときには、前回のωk-1 とされ、第1のメ
モリ31aから第2のメモリ31bに入力されると同時
に第2の演算回路30bに入力される。
【0121】また、第2のメモリ31bに格納された前
回のωk-1 は、第1の演算回路30aにサンプリング回
路6b,6dから送出される次回のB1k ,B2k を受
け入れたときに、前々回のωk-2 とされ、第2のメモリ
31bから第2の演算回路30bに入力される。
【0122】そして、次のステップP23に移行し、上
述のステップS23(図5参照)と同様に予測(次回
の)像移動データVF が求められる。そして次のステッ
プP24に移行する。このステップP24は、フォーカ
スモータフラグMf が“0”、即ち、フォーカスモータ
7が停止中であるか否かを判断するものである。このス
テップP24とこれ以降のステップP31までと図18
に示すステップP32からステップP44までの動作
は、上述の第1実施例におけるステップS24〜S44
(図5,6参照)と同一である。
【0123】一方、ステップP34で「Ss<0?」が
YESになった場合には、図20に示すステップP45
に移行し、シャッタが閉にされた後に次のステップP4
6に移行し、ぶれ補正アクチュエータ9がぶれ補正の方
向とは逆の方向に駆動され初期位置に戻すように駆動さ
れ、次のステップP47でCPU15から送出される禁
止信号Iによってアクチュエータ駆動回路14の作動が
停止され、ぶれ補正アクチュエータ9が停止される。
【0124】次にステップP48においても、図8に示
した上述のステップS48における場合と同様にしてC
PU15から送出される禁止信号Iによって手ぶれ検出
部6のサンプリング回路6b,6dが作動を停止し、次
のステップP49に移行し、次回の撮影に備えてフィル
ム巻上げ、シャッタチャージ等のフィルム給送が行わ
れ、一連の手ぶれ予測補正のシーケンスにおける第1系
統の動作が完了する。
【0125】一方、第2系統の動作は、図7に示した上
述の第1実施例におけるステップS50からステップS
54までと同様にステップP50からステップP54と
して行われることになる。
【0126】従って、今まで説明した第2実施例におい
ては、2系統の手ぶれ検出を所定の間隔(サンプリング
間隔It)毎に行い、これから角速度を求め今回に得ら
れた角速度データωk と前回に得られた角速度データω
k-1 と前々回に得られた角速度データωk-2 との3種の
データに基づいて予測演算を行っているために、手ぶれ
状態が図21に示す特性のように波状のものであった場
合、その動きに追従するぶれ補正駆動が得られる。
【0127】そして、図21に示すように現在時点tに
おける点の角速度データωk と時点tより1回当りの積
分時間Itだけ前の時点t−Itにおける点の角速度デ
ータωk-1 と2Itだけ前の時点t−2Itにおける点
の角速度データωk-2 とから、時点tよりItだけ先の
時点t+Itにおける点の角速度ωk+2を曲線近似で求
めようとするものである。
【0128】即ち、時点t−2Itと時点t−Itの2
時点における各角速度データとから求まる、時点tにお
ける角速度と実際の角速度との間の差から時点tからI
tの先の時点t+Itにおける速度を予測するのであ
る。これを式にすると ωk+1 =3ωk −3ωk-1 +ωk-2 となる。
【0129】即ち、前回(時点t−It)の角速度デー
タωk-1 と前々回(時点t−2It)の角速度データω
k-2 のそれぞれを、第1および第2のメモリ31a,3
1bに一時的に格納しておき、この格納データと今回
(時点t)の角速度データωkとを用いて時点t+It
における角速度データωk+1 を算出し、この予測された
角速度データωk+1 に基づいていわゆる曲線近似を用い
た予測を行ってぶれ補正を行っている。
【0130】従って、この第2実施例においては、上述
の第1実施例に比してより高速で高精度なぶれ補正を行
うことができるので、従来、不可能とされていた手持ち
での望遠撮影が可能となる。
【0131】なお、本発明は、上述の実施例に限定され
ることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形
実施をすることができることは勿論である。
【0132】例えば、補正用光学部材としては、上述の
例のみならず、くさび形のプリズムを光軸に直交して配
置し、ぶれ補正を行う際にそれを上下動させるようにし
てもよい。
【0133】また、上述した実施例は、予測演算を行う
際に必要なデータとして複数回のそれぞれにおけるデー
タを用いているが、その際に上述の第1実施例のように
前回と今回データの2回であったり、第2実施例のよう
に前々回データと前回データと今回データの3回であっ
たりしても良く、またこれ以上の回数であっても良い。
この回数の選択は、測定間隔の大小や必要とされる手ぶ
れ補正精度の大小や製造コスト等に応じて任意に決める
ことができる。
【0134】本発明に係るカメラは、上述の第1および
第2実施例で説明したように撮影光学系の焦点距離が最
も広角側の場合を基準にし、現在のズーム位置データZ
pxにおける補正を行っているが、この例に限定される
ことなく、基準としている焦点距離を望遠側に設定した
り、広角と望遠の間に設定したりしてもよい。
【0135】また、ズーム位置検出手段は、上述の第1
および第2実施例で説明したようにズームレンズ群の移
動を検出することによってズーム位置データを得ている
が、補正用光学部材の移動を検出することによってズー
ム位置を得るようにしてもよい。
【0136】また、焦点距離可変撮影光学系の具体例と
しては、上述の第1、第2実施例に示すようなズームレ
ンズのみならず、バリフォーカルレンズであったり、連
続的な焦点距離変化をしないで段階的な変化をする二焦
点式レンズ等であってもよい。
【0137】また、上述の各実施例においては、被写体
距離データDxと焦点距離データZpxとのそれぞれに
よる補正を施している。この具体的な手段としては、第
4の演算回路10d,30dを用いて被写体距離データ
Dxによる補正を施し、第5の演算回路10e,30e
を用いて焦点距離データZpxによる補正を施してい
る。
【0138】しかし、本発明は、これに限定されること
なく、被写体距離データDxによる補正を第5の演算回
路10e,30eを用いて行い、焦点距離データZpx
による補正を第4の演算回路10d,30dを用いて行
うようにしても良い。
【0139】また、補正用光学部材は、フォーカスレン
ズ群やズームレンズ群の一部又は全てであってもよい
し、フォーカスレンズ群とズームレンズ群が独立して存
在する必要性もない。
【0140】また、上述の第1および第2実施例におい
ては、被写体距離データを被写体距離の至近から無限遠
の間に連続的に得るようになっているが、至近から無限
遠の間に数段階にわたって得るようにしてもよい。
【0141】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、カメラ操
作者の手ぶれの大小に拘わらず、また、その手ぶれが連
続的に生じている場合であってもタイミングの遅れがな
く、効果的にその手ぶれを打ち消すような補正を行ない
得る手ぶれ補正機能付カメラおよびカメラの手ぶれ補正
方法を提供することができる。
【0142】特に、請求項1の発明に係るカメラによれ
ば、被写体距離データと焦点距離データを加味してカメ
ラ本体の手ぶれによるフィルム面上での像位置の移動を
補正予測するための補正データを得るようにしているの
で、焦点距離可変撮影光学系において、如何なる焦点距
離が設定されたとしても、また被写体が如何なる距離に
位置していたとしても、手ぶれを有効適切に補正し、撮
影された写真に手ぶれが生じないカメラを提供すること
ができる。
【0143】また、撮影光学系における現在の焦点距離
データおよび被写体距離データによってぶれ補正データ
を修正するようにしてあるので、可変焦点距離の全域お
よび至近から無限遠の間の全域に亘って、それぞれ高い
精度でぶれ補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における回路構成を示すブ
ロック図である。
【図2】図1中の回路の一部の詳細を示すブロック図で
ある。
【図3】図1の実施例に含まれるAF回路の動作を説明
するための原理図である。
【図4】第1実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図5】第1実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図6】第1実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図7】第1実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図8】第1実施例の動作を説明するためのフローチャ
ートである。
【図9】第1実施例におけるサンプリング動作を説明す
るための波形図である。
【図10】第1実施例に含まれる手ぶれ検出部の速度と
ぶれ変化量の関係を示す証明図である。
【図11】第1実施例に含まれる2つのぶれセンサの出
力からカメラ本体の角速度データが得られることを説明
するための説明図である。
【図12】第1実施例における手ぶれ補正の状態を示す
波形図である。
【図13】第1実施例における手ぶれ補正後の手ぶれ量
を示す波形図である。
【図14】本発明に係る手ぶれ補正機能付きカメラの第
2実施例における回路構成を示すブロック図である。
【図15】図14中の回路の一部の詳細を示すブロック
図である。
【図16】第2実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図17】第2実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図18】第2実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図19】第2実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図20】第2実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図21】第2実施例における手ぶれ補正の動作状態を
示す波形図である。
【図22】従来の手ぶれ補正機能付きカメラの動作を概
念的に示す光路図である。
【図23】従来の手ぶれ補正機能付きカメラの動作を説
明するために、レンズの移動軌跡線図と共に概念的に示
す光路図である。
【図24】従来の手ぶれ補正機能付きカメラの補正動作
を示す波形図である。
【図25】図24の一部拡大図である。
【図26】従来のカメラの手ぶれ補正装置における手ぶ
れ補正後の手ぶれ量の時間的変化を示す波形図である。
【図27】手ぶれと結像点の変化の関係を説明するため
の光路図である。
【符号の説明】
1 撮影光学系 2 フィルム面 3 フォーカスレンズ群 4 ズームレンズ群 5 補正用光学部材 6,6A,6B 手ぶれ検出部 6a,6c ぶれセンサ 6b,6d サンプリング回路 7 フォーカスモータ 8 ズームモータ 9 ぶれ補正アクチュエータ 10,30 演算手段 10a,30a 第1の演算回路 10b,30b 第2の演算回路 10c,30c 第3の演算回路 10d,30d 第4の演算回路 10e,30e 第5の演算回路 11,31 記憶手段 11a,31a 第1のメモリ 11b,31b 第2のメモリ 31c 第3のメモリ 12 フォーカス駆動回路 13 ズーム駆動回路 14 アクチュエータ駆動回路 15 CPU 16 AF回路 17 AFデータ変換回路 18 フォトインタラプタ 19 ズーム位置検出回路 20 測光回路 21 レリーズスイッチ 22 測光スイッチ 23 ズームスイッチ 24 給送モータ 25 給送駆動回路 26 メモリ O 光軸 P カメラ本体 Q 主点 R 撮影光学系 L1 投光レンズ L2 受光レンズ OJ 被写体 LED 発光ダイオード PSD 位置センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カメラ本体の複数個所のそれぞれに所定
    間隔を隔てて固定され、カメラ本体のそれぞれの個所に
    生じる加速度を検出する複数個の加速度センサと、これ
    ら複数個の加速度センサの出力端にそれぞれ接続され、
    各加速度センサの出力をそれぞれ微小なサンプリング間
    隔でサンプリングを行い且つそのサンプリング出力を一
    定時間積分して複数の時点毎にぶれ変化量デ−タを得る
    複数個のサンプリング回路と、これら複数個のサンプリ
    ング回路からそれぞれ複数時点で出力される上記ぶれ変
    化量デ−タと上記複数の加速度センサ間の上記所定距離
    デ−タとに基づき上記カメラ本体の手ぶれに対応した角
    速度デ−タを演算する第1の演算手段と、 この第1の演算手段から複数時点で時系列的に出力され
    る角速度データを今回データと前回データとして時系列
    的に格納する記憶手段と、 上記第1の演算手段から出力される今回の角速度データ
    と上記記憶手段から時系列的に出力される前回の角速度
    データに基づいて次回の予測角速度データを予測演算す
    る第2の演算手段と、 この第2の演算手段から出力される予測角速度データに
    基づいて上記カメラ本体のフィルム面上での像移動デー
    タを演算する第3の演算手段と、 この第3の演算手段で得られた上記像移動データと別途
    求められた焦点距離データと被写体距離データとに基づ
    きカメラ本体の手ぶれによるフィルム面上での像位置の
    移動を補正予測するためのぶれ補正データを演算する第
    4の演算手段と、 を具備することを特徴とする手ぶれ補正機能付きカメ
    ラ。
  2. 【請求項2】 カメラ本体の複数個所のそれぞれに所定
    間隔を隔てて固定され、カメラ本体のそれぞれの個所に
    生じる加速度を検出する複数個の加速度センサと、これ
    ら複数個の加速度センサの出力端にそれぞれ接続され、
    各加速度センサの出力をそれぞれ微小なサンプリング間
    隔でサンプリングを行い且つそのサンプリング出力を一
    定時間積分して複数の時点毎にぶれ変化量デ−タを得る
    複数個のサンプリング回路とを用い、 これら複数個のサンプリング回路からそれぞれ複数時点
    で出力される上記ぶれ変化量データと上記複数の加速度
    センサ間の上記所定距離データとに基づき上記カメラ本
    体の手ぶれに対応した角速度データを上記複数時点で第
    1の演算手段で演算する第1の演算ステップと、上記複
    数時点で時系列的に上記第1の演算手段から出力される
    上記角速度データを今回データとして第1の記憶手段に
    格納する第1の記憶ステップと、 上記第1の演算手段から上記第1の記憶手段が次回の角
    速度データを受け入れたとき、上記第1の記憶手段から
    出力される今回のデータを前回の角速度データとして第
    2の記憶手段に格納する第2の記憶ステップと、 上記第1の演算手段から出力される今回の角速度データ
    と、上記第2の格納手段から出力される前回の角速度デ
    ータとに基づき次回の予測角度データを第2の演算手段
    で予測演算する第2の演算ステップと、 上記第2の演算手段から出力される上記予測角速度デー
    タに基づき上記カメラ本体のフィルム面上での予測像移
    動データを第3の演算手段で演算する第3の演算ステッ
    プと、 からなるカメラの手ぶれ補正方法。
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CN113992842A (zh) * 2021-10-08 2022-01-28 上海艾为电子技术股份有限公司 抖动角度、距离的检测方法和系统、电子设备、芯片

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