JP3339191B2 - ブレ補正機能付カメラ - Google Patents
ブレ補正機能付カメラInfo
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- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04N—PICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
- H04N23/00—Cameras or camera modules comprising electronic image sensors; Control thereof
- H04N23/60—Control of cameras or camera modules
- H04N23/68—Control of cameras or camera modules for stable pick-up of the scene, e.g. compensating for camera body vibrations
- H04N23/681—Motion detection
- H04N23/6811—Motion detection based on the image signal
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- H04N23/682—Vibration or motion blur correction
- H04N23/685—Vibration or motion blur correction performed by mechanical compensation
- H04N23/687—Vibration or motion blur correction performed by mechanical compensation by shifting the lens or sensor position
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Signal Processing (AREA)
- Adjustment Of Camera Lenses (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラや電子ス
チルカメラ等に係り、特に、撮影時における手ブレの発
生等によって生じるカメラ本体と被写体像との相対的な
ブレを補正する機能を備えたカメラに関するものであ
る。
チルカメラ等に係り、特に、撮影時における手ブレの発
生等によって生じるカメラ本体と被写体像との相対的な
ブレを補正する機能を備えたカメラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のカメラにはCCD等の
固体撮像素子が用いられているが、この固体撮像素子に
よる像ブレ検出の精度は、被写体の輝度分布に依存して
いる。逆に、固体撮像素子の受光面上の被写体の輝度分
布を解析することにより、像ブレ検出の精度はある程度
予測できる。そこで、像ブレ検出の精度が充分に高いと
予測された固体撮像素子の一部の領域のみを用いて像ブ
レ検出を行えば、少ないデータ数、演算量で高い検出精
度が得られる。ここで重要なのは検出精度の予測を正確
に行うことである。
固体撮像素子が用いられているが、この固体撮像素子に
よる像ブレ検出の精度は、被写体の輝度分布に依存して
いる。逆に、固体撮像素子の受光面上の被写体の輝度分
布を解析することにより、像ブレ検出の精度はある程度
予測できる。そこで、像ブレ検出の精度が充分に高いと
予測された固体撮像素子の一部の領域のみを用いて像ブ
レ検出を行えば、少ないデータ数、演算量で高い検出精
度が得られる。ここで重要なのは検出精度の予測を正確
に行うことである。
【0003】ところで、この種のカメラによる撮影時に
おいて手ブレ等の補正を行う従来の技術的手段として
は、例えば特開昭63−166369号公報に開示され
ているように、画面内を複数のブロックに分割し、その
各ブロック毎に像移動量を求め、画面全体のベクトルを
決定するもの(第1従来例)や、特公平3−65509
号公報に示されているように、複数の動体検出素子を設
け、これら動体検出素子のそれぞれについて像移動量を
算出したうえ、加算平均して動体検出を行うもの(第2
従来例)、さらに、特開平1−264372号公報に示
されているように、映像信号に基づいてブレ検出する装
置において、映像信号中の高周波成分または鮮鋭度が所
定値を超えたときにのみブレ検出を行い、所定値以下の
ときにはブレ検出または補正をしないというもの(第3
従来例)が開示されている。
おいて手ブレ等の補正を行う従来の技術的手段として
は、例えば特開昭63−166369号公報に開示され
ているように、画面内を複数のブロックに分割し、その
各ブロック毎に像移動量を求め、画面全体のベクトルを
決定するもの(第1従来例)や、特公平3−65509
号公報に示されているように、複数の動体検出素子を設
け、これら動体検出素子のそれぞれについて像移動量を
算出したうえ、加算平均して動体検出を行うもの(第2
従来例)、さらに、特開平1−264372号公報に示
されているように、映像信号に基づいてブレ検出する装
置において、映像信号中の高周波成分または鮮鋭度が所
定値を超えたときにのみブレ検出を行い、所定値以下の
ときにはブレ検出または補正をしないというもの(第3
従来例)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1従来例の場合、像移動量の演算は全てのブロックに対
して行われるものであり、一部のブロックのみを用いる
ものではないため、必然的に演算量が大きくなり、大容
量のメモリを要する等の不都合が生じる。また、第2従
来例では、演算は全ての動体検出素子に対して行われる
ことになるため、第1従来例と同様の問題点が残る。さ
らに、第3従来例の場合、映像信号の高周波成分または
鮮鋭度を用いて検出領域を選択するものであり、被写体
の輝度変化の方向は像ブレ検出のためのファクターとし
て用いられていない。
1従来例の場合、像移動量の演算は全てのブロックに対
して行われるものであり、一部のブロックのみを用いる
ものではないため、必然的に演算量が大きくなり、大容
量のメモリを要する等の不都合が生じる。また、第2従
来例では、演算は全ての動体検出素子に対して行われる
ことになるため、第1従来例と同様の問題点が残る。さ
らに、第3従来例の場合、映像信号の高周波成分または
鮮鋭度を用いて検出領域を選択するものであり、被写体
の輝度変化の方向は像ブレ検出のためのファクターとし
て用いられていない。
【0005】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、像ブレを検出する固体撮像素子の受
光面上に結像した被写体像の輝度変化の方向を用いてブ
レ検出の精度を予測し、検出精度が充分に高いと予測さ
れた固体撮像素子の一部の領域のみを用いてブレ検出す
るブレ補正機能付カメラを提供することを目的とするも
のである。
てなされたもので、像ブレを検出する固体撮像素子の受
光面上に結像した被写体像の輝度変化の方向を用いてブ
レ検出の精度を予測し、検出精度が充分に高いと予測さ
れた固体撮像素子の一部の領域のみを用いてブレ検出す
るブレ補正機能付カメラを提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のブレ補正機能付カメラは、被写体像を結像さ
せるための光学系と、被写体像の光を電気信号に変換す
る固体撮像素子と、前記固体撮像素子の出力に基づいて
カメラ本体と被写体像との相対的なブレを検出するブレ
検出手段と、前記ブレ検出手段の検出したブレ量によっ
てカメラ本体と被写体像との相対的なブレを補正するブ
レ補正手段とを含むものとし、且つ、前記固体撮像素子
は複数の所定領域を有しており、前記ブレ検出手段は、
前記所定領域各々における被写体像の輝度変化の方向に
基づいて像ブレ量演算の2次元の補間演算精度の優劣を
決定する要素を算出することにより前記固体撮像素子の
一部の前記所定領域を指定し、その一部の前記所定領域
に対応する出力のみを使ってブレを検出する機能を有す
るものとしている。
に本発明のブレ補正機能付カメラは、被写体像を結像さ
せるための光学系と、被写体像の光を電気信号に変換す
る固体撮像素子と、前記固体撮像素子の出力に基づいて
カメラ本体と被写体像との相対的なブレを検出するブレ
検出手段と、前記ブレ検出手段の検出したブレ量によっ
てカメラ本体と被写体像との相対的なブレを補正するブ
レ補正手段とを含むものとし、且つ、前記固体撮像素子
は複数の所定領域を有しており、前記ブレ検出手段は、
前記所定領域各々における被写体像の輝度変化の方向に
基づいて像ブレ量演算の2次元の補間演算精度の優劣を
決定する要素を算出することにより前記固体撮像素子の
一部の前記所定領域を指定し、その一部の前記所定領域
に対応する出力のみを使ってブレを検出する機能を有す
るものとしている。
【0007】
【作用】上記構成によると、像ブレを検出する固体撮像
素子の検出精度を予測するのに、撮像素子の受光面上に
結像した被写体像の輝度変化の方向を用いているため、
正確な検出精度の予測が可能となるだけでなく、充分に
検出精度が高いと予測された固体撮像素子の一部の所定
領域のみを用いて像ブレ検出を行うことによって、少な
い演算量でより高精度な像ブレ検出が可能となる。
素子の検出精度を予測するのに、撮像素子の受光面上に
結像した被写体像の輝度変化の方向を用いているため、
正確な検出精度の予測が可能となるだけでなく、充分に
検出精度が高いと予測された固体撮像素子の一部の所定
領域のみを用いて像ブレ検出を行うことによって、少な
い演算量でより高精度な像ブレ検出が可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るブレ補正機能付カメラの
実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施例
の手ブレ補正システムの全体構成を示している。この図
に示すように、本実施例のカメラは、カメラ本体1内
に、被写体像を結像させるための光学系2、この光学系
2に設けられた補正レンズG1、G2を駆動する駆動回
路3a、3b、及びカメラ本体1と被写体像との相対的
なブレ量を検出するブレ検出系を含み、このブレ検出系
から与えられた縦横のブレ量によってカメラ本体1と被
写体像との相対的なブレを補正するように駆動回路3
a、3bを制御するμCOM4とを具備している。
実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は本実施例
の手ブレ補正システムの全体構成を示している。この図
に示すように、本実施例のカメラは、カメラ本体1内
に、被写体像を結像させるための光学系2、この光学系
2に設けられた補正レンズG1、G2を駆動する駆動回
路3a、3b、及びカメラ本体1と被写体像との相対的
なブレ量を検出するブレ検出系を含み、このブレ検出系
から与えられた縦横のブレ量によってカメラ本体1と被
写体像との相対的なブレを補正するように駆動回路3
a、3bを制御するμCOM4とを具備している。
【0009】次に、図2〜図12を参照しながらブレ検
出系の内容を説明する。図2において、ブレ検出センサ
5はエリアセンサであって、受光面上の光学的な像情報
を積分して電気信号に変換する撮像部6、撮像部6から
出力される電気信号を増幅する出力アンプ7、撮像部6
の積分時間と出力アンプ7のゲインを制御するための照
度モニタ8、そして駆動回路9により構成されている。
出系の内容を説明する。図2において、ブレ検出センサ
5はエリアセンサであって、受光面上の光学的な像情報
を積分して電気信号に変換する撮像部6、撮像部6から
出力される電気信号を増幅する出力アンプ7、撮像部6
の積分時間と出力アンプ7のゲインを制御するための照
度モニタ8、そして駆動回路9により構成されている。
【0010】撮像部6の受光面はI×J画素で構成さ
れ、隣接する(M+4)×(N+4)画素で構成されたK×
L個の検出ブロックが設定されている。駆動回路9は照
度モニタ8の出力あるいはブレ検出センサ制御部10か
らの制御信号に応じて撮像部6の積分時間を制御し、照
度モニタ8の出力に応じて出力アンプ7のゲインを制御
するほか、ブレ検出センサ制御部10からの制御信号に
応じて撮像部6とA/D変換器11へクロックを供給す
る。
れ、隣接する(M+4)×(N+4)画素で構成されたK×
L個の検出ブロックが設定されている。駆動回路9は照
度モニタ8の出力あるいはブレ検出センサ制御部10か
らの制御信号に応じて撮像部6の積分時間を制御し、照
度モニタ8の出力に応じて出力アンプ7のゲインを制御
するほか、ブレ検出センサ制御部10からの制御信号に
応じて撮像部6とA/D変換器11へクロックを供給す
る。
【0011】検出系レンズ20は焦点距離fdの単焦点レ
ンズであり、ブレ検出センサ5の受光面上に被写体像を
結像する。ブレ検出センサ5から出力される電気信号
(被写体像情報)はA/D変換器11に入力されてデジ
タル値の二次元画像データに変換され、さらにブレ量検
出部13に入力される。ブレ量検出部13は、画像デー
タメモリ14、基準データメモリ15、参照データメモ
リ16、像ブレ量メモリ17、演算部18により構成さ
れており、入力された画像データは画像データメモリ1
4に記憶される。
ンズであり、ブレ検出センサ5の受光面上に被写体像を
結像する。ブレ検出センサ5から出力される電気信号
(被写体像情報)はA/D変換器11に入力されてデジ
タル値の二次元画像データに変換され、さらにブレ量検
出部13に入力される。ブレ量検出部13は、画像デー
タメモリ14、基準データメモリ15、参照データメモ
リ16、像ブレ量メモリ17、演算部18により構成さ
れており、入力された画像データは画像データメモリ1
4に記憶される。
【0012】演算部18は、画像データメモリ14に記
憶された画像データから基準データあるいは参照データ
を抽出して基準データメモリ15あるいは参照データメ
モリ16へ記憶し、所定の比較演算と予測演算を行って
ブレ検出センサ5の受光面上の被写体像の時間経過に伴
う移動量(像ブレ量)を算出する。算出された像ブレ量
(縦方向ブレ量と横方向ブレ量)は像ブレ量メモリ17
に記憶され、図1に示す係数変換部19に引き渡され
る。
憶された画像データから基準データあるいは参照データ
を抽出して基準データメモリ15あるいは参照データメ
モリ16へ記憶し、所定の比較演算と予測演算を行って
ブレ検出センサ5の受光面上の被写体像の時間経過に伴
う移動量(像ブレ量)を算出する。算出された像ブレ量
(縦方向ブレ量と横方向ブレ量)は像ブレ量メモリ17
に記憶され、図1に示す係数変換部19に引き渡され
る。
【0013】次に、ブレ検出の方法について説明する
が、本実施例ではI=68、J=52、M=4、N=
4、K=6、L=4とする。図3はブレ検出センサ5の
受光面の模式図である。図中の小さい正方形が画素を、
太線で囲まれた正方形が検出ブロックを表している。図
中、左下端のブロックをB1.1、右上端のブロックをB
6.4、左下端の画素をP1.1、右上端の画素をP68.52と
する。ブロックBk.e(1≦k≦6、1≦e≦4)は隣接
する8×8個の画素Pi.j(8*(k−1)+11≦i≦
8*(k−1)+18、8*(e−1)+11≦j≦8*
(e−1)+18)で構成される。
が、本実施例ではI=68、J=52、M=4、N=
4、K=6、L=4とする。図3はブレ検出センサ5の
受光面の模式図である。図中の小さい正方形が画素を、
太線で囲まれた正方形が検出ブロックを表している。図
中、左下端のブロックをB1.1、右上端のブロックをB
6.4、左下端の画素をP1.1、右上端の画素をP68.52と
する。ブロックBk.e(1≦k≦6、1≦e≦4)は隣接
する8×8個の画素Pi.j(8*(k−1)+11≦i≦
8*(k−1)+18、8*(e−1)+11≦j≦8*
(e−1)+18)で構成される。
【0014】ブレ検出の手順の概要を説明すると、ブ
レ検出センサ5により被写体像の積分(1回目)を行い、
その出力をA/D変換して得られた画像データを画像デ
ータメモリ14に記憶する。画像データメモリ14に
記憶された画像データを用い、検出ブロック毎に基準デ
ータとしての適性を判定する演算を行う。適当なブロッ
クが存在すれば、基準データとして抽出して基準データ
メモリ15に記憶し、存在しなければ前記に戻る。
レ検出センサ5により被写体像の積分(1回目)を行い、
その出力をA/D変換して得られた画像データを画像デ
ータメモリ14に記憶する。画像データメモリ14に
記憶された画像データを用い、検出ブロック毎に基準デ
ータとしての適性を判定する演算を行う。適当なブロッ
クが存在すれば、基準データとして抽出して基準データ
メモリ15に記憶し、存在しなければ前記に戻る。
【0015】ブレ検出センサ5により被写体像の積分
(2回目以降)を行い、出力をA/D変換して得られた画
像データを画像データメモリ14に記憶する。画像デ
ータメモリ14に記憶された画像データから参照データ
を抽出して参照データメモリ16に記憶し、基準データ
から見た参照データの像ブレ量を算出し、像ブレ量メモ
リ17に記憶する。
(2回目以降)を行い、出力をA/D変換して得られた画
像データを画像データメモリ14に記憶する。画像デ
ータメモリ14に記憶された画像データから参照データ
を抽出して参照データメモリ16に記憶し、基準データ
から見た参照データの像ブレ量を算出し、像ブレ量メモ
リ17に記憶する。
【0016】像ブレ量メモリ17に記憶された複数の
像ブレ量データを用いて、像ブレ量演算や補正レンズG
1、G2の駆動により生じる像ブレ補正のタイムラグを
打ち消すような(像ブレ量)予測演算を行う。算出さ
れた(予測)像ブレ量を像ブレ量メモリ17に記憶し、
係数変換部19に引き渡す。前記に戻る、の順序と
なる。
像ブレ量データを用いて、像ブレ量演算や補正レンズG
1、G2の駆動により生じる像ブレ補正のタイムラグを
打ち消すような(像ブレ量)予測演算を行う。算出さ
れた(予測)像ブレ量を像ブレ量メモリ17に記憶し、
係数変換部19に引き渡す。前記に戻る、の順序と
なる。
【0017】ここで演算部18が行う演算処理には、
(1) 像ブレ量演算、(2) 画像データ処理、(3) 検出
ブロックの選択(基準データの抽出)、(4) 参照デー
タの抽出、(5) (像ブレ量)予測演算、等がある。次
に、これらの各演算処理について説明する。
(1) 像ブレ量演算、(2) 画像データ処理、(3) 検出
ブロックの選択(基準データの抽出)、(4) 参照デー
タの抽出、(5) (像ブレ量)予測演算、等がある。次
に、これらの各演算処理について説明する。
【0018】(1) 像ブレ量演算 ここでは一例として、M×N画素分の画像データS
m.n(m,nは整数、1≦m≦M、1≦n≦N)からなる
基準データと、(M+H1+H2+2)×(N+V1+V
2+2)画素分の画像データRm.n(m,nは整数、−H
1≦m≦M+H2+1、−V1≦n≦N+V2+1)か
らなる参照データとを用い、図4を参照しながら説明す
る。図4(A)に示す基準データのS1.1、図4(B)に示
す参照データのR-H1.-V1がそれぞれ図中左下端の画素
に対応する画像データであり、SM.N、RM+H2+1.N+V2+1
が右上端の画素に対応する画像データである。
m.n(m,nは整数、1≦m≦M、1≦n≦N)からなる
基準データと、(M+H1+H2+2)×(N+V1+V
2+2)画素分の画像データRm.n(m,nは整数、−H
1≦m≦M+H2+1、−V1≦n≦N+V2+1)か
らなる参照データとを用い、図4を参照しながら説明す
る。図4(A)に示す基準データのS1.1、図4(B)に示
す参照データのR-H1.-V1がそれぞれ図中左下端の画素
に対応する画像データであり、SM.N、RM+H2+1.N+V2+1
が右上端の画素に対応する画像データである。
【0019】また、ブレ検出センサ5の受光面上での像
ブレ量を、画素の一辺の長さを単位とした横方向の像ブ
レ量x(図中、右方向が正)と、縦方向の像ブレ量y(上
方向が正)とを用いて(x,y)で表すものとする。そし
て、基準データSm,n(1≦m≦M、1≦n≦N)と参
照データの一部Rm,n(x+1≦m≦x+M、y+1≦n
≦N、x,yは整数、−H1−e≦x≦H2+1、−V
1−e≦y≦V2+1)とが一致するならば、基準デー
タから見た参照データの像ブレ量が(x,y)であると考
える。
ブレ量を、画素の一辺の長さを単位とした横方向の像ブ
レ量x(図中、右方向が正)と、縦方向の像ブレ量y(上
方向が正)とを用いて(x,y)で表すものとする。そし
て、基準データSm,n(1≦m≦M、1≦n≦N)と参
照データの一部Rm,n(x+1≦m≦x+M、y+1≦n
≦N、x,yは整数、−H1−e≦x≦H2+1、−V
1−e≦y≦V2+1)とが一致するならば、基準デー
タから見た参照データの像ブレ量が(x,y)であると考
える。
【0020】
【数1】
【0021】さらに、基準データと参照データとの一致
度を示す値として、上記数式1により相関値を定義す
る。つまり、H(xo,yo)=0ならば、像ブレ量は
(xo,yo)である。そして、xがxoから遠ざかるほ
ど、yがyoから遠ざかるほど、相関値H(x,y)は大
きい値となる。
度を示す値として、上記数式1により相関値を定義す
る。つまり、H(xo,yo)=0ならば、像ブレ量は
(xo,yo)である。そして、xがxoから遠ざかるほ
ど、yがyoから遠ざかるほど、相関値H(x,y)は大
きい値となる。
【0022】ここで、像ブレ量が(xo,yo)のときの相
関値H(x,y)の分布の様子を等高線で表したものを図
5に示す。実際にはx,yは整数なので相関値が得られ
るのは図中の格子点上だけであるが、格子間にも相関値
が存在するものと想定し、相関値が等しくなると考えら
れる点を等高線で結んで表現している。
関値H(x,y)の分布の様子を等高線で表したものを図
5に示す。実際にはx,yは整数なので相関値が得られ
るのは図中の格子点上だけであるが、格子間にも相関値
が存在するものと想定し、相関値が等しくなると考えら
れる点を等高線で結んで表現している。
【0023】図5においては、実際には存在しない相関
値H(xo,yo)を0と想定しているが、座標(xo,yo)
に最も近い格子点(xmin,ymin)上の相関値H(xmin,
ymin)が、実際に存在する相関値としては最小となると
考えられる。つまり、−H1−e≦x≦H2+1、−V
1−e≦y≦V2+1の整数x,yについて相関値H
(x,y)を算出し、その最小値H(xmin,ymin) を探
すことにより、像ブレ量(xo,yo)の近似値(xmin,y
min)が得られる。この演算を相関演算と呼ぶ。
値H(xo,yo)を0と想定しているが、座標(xo,yo)
に最も近い格子点(xmin,ymin)上の相関値H(xmin,
ymin)が、実際に存在する相関値としては最小となると
考えられる。つまり、−H1−e≦x≦H2+1、−V
1−e≦y≦V2+1の整数x,yについて相関値H
(x,y)を算出し、その最小値H(xmin,ymin) を探
すことにより、像ブレ量(xo,yo)の近似値(xmin,y
min)が得られる。この演算を相関演算と呼ぶ。
【0024】次に、補間演算について説明する。補間演
算とは、例えば図5中の格子点上の相関値のみを用い
て、相関値が0になると想定される座標(xo,yo)を算
出する演算である。相関演算だけでは像ブレ量(xo,y
o)の近似値(xmin,ymin)しか算出できず、高精度なブ
レ検出、ブレ補正は不可能である。高精度なブレ検出、
ブレ補正には補間演算が不可欠であると言える。
算とは、例えば図5中の格子点上の相関値のみを用い
て、相関値が0になると想定される座標(xo,yo)を算
出する演算である。相関演算だけでは像ブレ量(xo,y
o)の近似値(xmin,ymin)しか算出できず、高精度なブ
レ検出、ブレ補正は不可能である。高精度なブレ検出、
ブレ補正には補間演算が不可欠であると言える。
【0025】まず、前述の相関演算により像ブレ量の近
似値として(xmin,ymin)、言い換えれば参照データ内
で基準データと最も一致度の高い部分として、Rmin(x
min+1≦m≦M+xmin、ymin+1≦n≦N+ymin)
が得られたとする。補間演算にはこれよりも少し広い範
囲の参照データRmin(xmin≦m≦M+xmin+1、y
min≦n≦N+ymin+1)が必要となる。そのため、−
H1≦xmin≦H2、−V1≦ymin≦V2となり、相関
演算では−H1≦x≦H2、−V1≦y≦V2の整数
x,yについて相関値H(x,y)を算出することにな
る。
似値として(xmin,ymin)、言い換えれば参照データ内
で基準データと最も一致度の高い部分として、Rmin(x
min+1≦m≦M+xmin、ymin+1≦n≦N+ymin)
が得られたとする。補間演算にはこれよりも少し広い範
囲の参照データRmin(xmin≦m≦M+xmin+1、y
min≦n≦N+ymin+1)が必要となる。そのため、−
H1≦xmin≦H2、−V1≦ymin≦V2となり、相関
演算では−H1≦x≦H2、−V1≦y≦V2の整数
x,yについて相関値H(x,y)を算出することにな
る。
【0026】これらの画像データを用い、まず直線y=
ymin+v(v=−1,0,1)上で相関値が最小になる
と想定される座標(xv,ymin+v)を算出する。そのた
めに新たな相関値として、下記数式2を定義する。そし
て、x=xmin−1、xmin、xmin+1について相関値
Hx0(x,ymin+v)を算出し、その最小値Hx0(x
minv,ymin+v)を得る。次に、下記数式3で都合3つ
のデータを算出する。そして下記数式4を用いて直線y
=ymin+v上での補間演算を行い、xvの値を算出し、
直線y=ymin+v上で相関値が最小になると想定され
る座標(xv,ymin+v)を算出する。
ymin+v(v=−1,0,1)上で相関値が最小になる
と想定される座標(xv,ymin+v)を算出する。そのた
めに新たな相関値として、下記数式2を定義する。そし
て、x=xmin−1、xmin、xmin+1について相関値
Hx0(x,ymin+v)を算出し、その最小値Hx0(x
minv,ymin+v)を得る。次に、下記数式3で都合3つ
のデータを算出する。そして下記数式4を用いて直線y
=ymin+v上での補間演算を行い、xvの値を算出し、
直線y=ymin+v上で相関値が最小になると想定され
る座標(xv,ymin+v)を算出する。
【0027】
【数2】
【0028】
【数3】
【0029】
【数4】
【0030】次に、直線x=xmin+h(h=−1,0,
1)上で相関値が最小になると想定される座標(xmin+
h,yh)を算出する。そのために下記数式5によりHx
と同様にして、Hyを定義する。そして、y=ymin−
1,y=ymin,y=ymin+1について相関値Hy0(x
min+h,y)を算出し、その最小値Hy0(xmin+h,
yminh)を得る。
1)上で相関値が最小になると想定される座標(xmin+
h,yh)を算出する。そのために下記数式5によりHx
と同様にして、Hyを定義する。そして、y=ymin−
1,y=ymin,y=ymin+1について相関値Hy0(x
min+h,y)を算出し、その最小値Hy0(xmin+h,
yminh)を得る。
【0031】
【数5】
【0032】
【数6】
【0033】
【数7】
【0034】次に、上記数式6で都合3つのデータを算
出する。そして上記数式7を用いて直線x=xmin+h
上での補間演算を行い、yhの値を算出し、直線x=x
min+h上で相関値が最小になると想定される座標(x
min+h,yh)を算出する。以上の(一次元の)補間演算
により、図6に示すように、6本の直線上で相関値が最
小になると想定される座標 (x-1,ymin−1)、(x0,y
min)、(x1,ymin+1)、(xmin−1,y-1)、(xmin,y
0)、(xmin+1,y1)が得られる。
出する。そして上記数式7を用いて直線x=xmin+h
上での補間演算を行い、yhの値を算出し、直線x=x
min+h上で相関値が最小になると想定される座標(x
min+h,yh)を算出する。以上の(一次元の)補間演算
により、図6に示すように、6本の直線上で相関値が最
小になると想定される座標 (x-1,ymin−1)、(x0,y
min)、(x1,ymin+1)、(xmin−1,y-1)、(xmin,y
0)、(xmin+1,y1)が得られる。
【0035】次に、二次元の補間演算について図7を用
いて説明する。相関値が0になると想定される座標
(xo,yo)が、4本の直線x=xmin,x=xmin+h,
y=ymin,y=ymin+v(h=±1、v=±1) に囲
まれた領域に存在している。そして、各直線上で相関値
が最小と想定される座標が、(xmin,y0)、(xmin+h,
yh)、(x0,ymin)、(xv,ymin+v)である。
いて説明する。相関値が0になると想定される座標
(xo,yo)が、4本の直線x=xmin,x=xmin+h,
y=ymin,y=ymin+v(h=±1、v=±1) に囲
まれた領域に存在している。そして、各直線上で相関値
が最小と想定される座標が、(xmin,y0)、(xmin+h,
yh)、(x0,ymin)、(xv,ymin+v)である。
【0036】ここで、(xmin,y0)と(xmin+h,yh)と
を通る直線1及び(x0,ymin)と(xv,ymin+v)とを通
る直線2は座標(xo,yo)の付近を通ると考える。そし
て、近似的には2本の直線1,2の交点と座標(xo,
yo)とが一致すると考える。つまり、下記数式8による
直線1,2の交点の座標を用いて数式9により求められ
た値をxo、yoの近似値とする。
を通る直線1及び(x0,ymin)と(xv,ymin+v)とを通
る直線2は座標(xo,yo)の付近を通ると考える。そし
て、近似的には2本の直線1,2の交点と座標(xo,
yo)とが一致すると考える。つまり、下記数式8による
直線1,2の交点の座標を用いて数式9により求められ
た値をxo、yoの近似値とする。
【0037】
【数8】
【0038】
【数9】
【0039】また、このようにして算出された座標
(xo,yo)は、4本の直線x=xmin,x=xmin+h,
y=ymin,y=ymin+v(h=±1、v=±1)に囲ま
れた領域に存在するはずであるから、 h=1のとき、 xmin ≦xo≦xmin+1 h=−1のとき、 xmin−1≦xo≦xmin v=1のとき、 ymin ≦yo≦ymin+1 v=−1のとき、 ymin−1≦yo≦ymin を満足しなければならない。したがって、これらを満足
しない場合は、座標(xo,yo)は算出不可能であると考
える。
(xo,yo)は、4本の直線x=xmin,x=xmin+h,
y=ymin,y=ymin+v(h=±1、v=±1)に囲ま
れた領域に存在するはずであるから、 h=1のとき、 xmin ≦xo≦xmin+1 h=−1のとき、 xmin−1≦xo≦xmin v=1のとき、 ymin ≦yo≦ymin+1 v=−1のとき、 ymin−1≦yo≦ymin を満足しなければならない。したがって、これらを満足
しない場合は、座標(xo,yo)は算出不可能であると考
える。
【0040】図6に戻って、6つの(x-1,ymin−1)、
(x0,ymin)、(x1,ymin+1)、(xmin−1,y-1)、
(xmin,y0)、(xmin+1,y1)が存在する場合、図7に
示すように、h=v=1、h=1,v=−1、h
=−1,v=1、h=v=−1の4つの組み合わせが
得られる。この場合、〜のそれぞれについて座標
(xo,yo)を算出し、さらに、 4つとも算出不可能:座標(xo,yo)は算出不可能 1つが 算出可能 :算出可能な1つが座標(xo,yo) 複数が 算出可能 :複数の座標を加算平均して座標
(xo,yo)を算出 とする。このようにして基準データから見た参照データ
の像ブレ量(xo,yo)が高精度で算出される。
(x0,ymin)、(x1,ymin+1)、(xmin−1,y-1)、
(xmin,y0)、(xmin+1,y1)が存在する場合、図7に
示すように、h=v=1、h=1,v=−1、h
=−1,v=1、h=v=−1の4つの組み合わせが
得られる。この場合、〜のそれぞれについて座標
(xo,yo)を算出し、さらに、 4つとも算出不可能:座標(xo,yo)は算出不可能 1つが 算出可能 :算出可能な1つが座標(xo,yo) 複数が 算出可能 :複数の座標を加算平均して座標
(xo,yo)を算出 とする。このようにして基準データから見た参照データ
の像ブレ量(xo,yo)が高精度で算出される。
【0041】(2) 画像データ処理 ブレ検出センサ5の出力をA/D変換して得られた二次
元の画像データには、像ブレ量演算の精度を悪化させる
ような低周波成分やノイズ成分が含まれている。そこ
で、高精度なブレ検出を可能とするために、画像データ
メモリ14に記憶された画像データに対して特定の演算
処理を行い、演算精度を悪化させるような成分を低減さ
せる必要がある。
元の画像データには、像ブレ量演算の精度を悪化させる
ような低周波成分やノイズ成分が含まれている。そこ
で、高精度なブレ検出を可能とするために、画像データ
メモリ14に記憶された画像データに対して特定の演算
処理を行い、演算精度を悪化させるような成分を低減さ
せる必要がある。
【0042】本実施例では、図8(A)に示すように、隣
接する5個の画素Pi.j-1、Pi-1.j、Pi.j、Pi+1.j、
Pi.j+1に対応する画像データDi.j-1、Di-1.j、
Di.j、Di+1.j、Di.j+1を用いて、1つの処理データ
Gi.jを算出している。
接する5個の画素Pi.j-1、Pi-1.j、Pi.j、Pi+1.j、
Pi.j+1に対応する画像データDi.j-1、Di-1.j、
Di.j、Di+1.j、Di.j+1を用いて、1つの処理データ
Gi.jを算出している。
【0043】例えば、図8(B)に示すように、隣接する
8×8個の画素Pi.jで構成されたブロックBk.1の画像
データDi.j(8*(k−1)+11≦i≦8*(k−1)
+18、8*(e−1)+11≦j≦8*(e−1)+1
8)に対して特定の演算処理(画像データ処理)を行うこ
とにより、6×6個の処理データGi.j(8*(k−1)+
12≦i≦8*(k−1)+17、8*(e−1)+12≦
j≦8*(e−1)+17)が得られる(但しブロックB
k.1の四隅の画素に対応する画像データは用いない)。
8×8個の画素Pi.jで構成されたブロックBk.1の画像
データDi.j(8*(k−1)+11≦i≦8*(k−1)
+18、8*(e−1)+11≦j≦8*(e−1)+1
8)に対して特定の演算処理(画像データ処理)を行うこ
とにより、6×6個の処理データGi.j(8*(k−1)+
12≦i≦8*(k−1)+17、8*(e−1)+12≦
j≦8*(e−1)+17)が得られる(但しブロックB
k.1の四隅の画素に対応する画像データは用いない)。
【0044】この場合、演算式としては、下記数式10
等を使用する。このような画像データ処理により、演算
精度を悪化させるような成分が低減し、高精度なブレ検
出が可能となる。
等を使用する。このような画像データ処理により、演算
精度を悪化させるような成分が低減し、高精度なブレ検
出が可能となる。
【0045】
【数10】
【0046】(3) 検出ブロックの選択(基準データの
抽出) 本実施例では、ブレ検出センサ5の受光面上に6×4個
の検出ブロックが設定されている。これらのブロック毎
に基準データとしての適性を判定する演算を行い、基準
データとして適当なブロックを選択する。これにより像
ブレ量演算精度に優れるブロックのみが選択され、少な
い演算量で高い演算精度を得ることができる。また、複
数の検出ブロック、言い換えれば広いブレ検出エリアを
持つことにより、像ブレ量演算精度に優れるブロックが
存在する確率が高くなり、より高精度なブレ検出が可能
となる。
抽出) 本実施例では、ブレ検出センサ5の受光面上に6×4個
の検出ブロックが設定されている。これらのブロック毎
に基準データとしての適性を判定する演算を行い、基準
データとして適当なブロックを選択する。これにより像
ブレ量演算精度に優れるブロックのみが選択され、少な
い演算量で高い演算精度を得ることができる。また、複
数の検出ブロック、言い換えれば広いブレ検出エリアを
持つことにより、像ブレ量演算精度に優れるブロックが
存在する確率が高くなり、より高精度なブレ検出が可能
となる。
【0047】基準データとしての適性、すなわち像ブレ
量演算精度の優劣について、一例として画像データS
m.n(m,nは整数、1≦m≦M、1≦n≦N)からなる
基準データを用いて説明する。演算精度の優劣を決定す
る要素として、まず、コントラストが考えられる。そこ
で、基準データの横方向のコントラストHCと縦方向の
コントラストVCとを下記数式11により定義する。そ
して、コントラストHC、VCの大きい基準データは、
像ブレ量演算における各種の相関値も大きくなる。その
ため画像データに含まれるノイズ成分の影響を受けにく
く、演算精度が高くなる。
量演算精度の優劣について、一例として画像データS
m.n(m,nは整数、1≦m≦M、1≦n≦N)からなる
基準データを用いて説明する。演算精度の優劣を決定す
る要素として、まず、コントラストが考えられる。そこ
で、基準データの横方向のコントラストHCと縦方向の
コントラストVCとを下記数式11により定義する。そ
して、コントラストHC、VCの大きい基準データは、
像ブレ量演算における各種の相関値も大きくなる。その
ため画像データに含まれるノイズ成分の影響を受けにく
く、演算精度が高くなる。
【0048】
【数11】
【0049】次に、像ブレ量演算の二次元の補間演算精
度の優劣を決定する要素として (xmin,y0)と(xmin+
h,yh)とを通る直線1及び(x0,ymin)と(xv,ymin+
v)とを通る直線2の交わる角度を考える。2本の直線
の交わる角度が90°のときに最も演算精度が高くなる
と考えられる。その場合は、 (直線1の傾き)*(直線2の傾き)=−1 である。これを変形して、 (yh−y0)/h+(xv−x0)/v=0 を得る。
度の優劣を決定する要素として (xmin,y0)と(xmin+
h,yh)とを通る直線1及び(x0,ymin)と(xv,ymin+
v)とを通る直線2の交わる角度を考える。2本の直線
の交わる角度が90°のときに最も演算精度が高くなる
と考えられる。その場合は、 (直線1の傾き)*(直線2の傾き)=−1 である。これを変形して、 (yh−y0)/h+(xv−x0)/v=0 を得る。
【0050】この式の左辺をA(h,v)で表現する。|
A(h,v)|が小さいほど2本の直線の交わる角度が9
0°に近く、演算精度が高くなると考えられる。さら
に、演算精度の優劣を決定する要素として|A(h,v)
|の総和 A=|A(1,1)|+|A(1,−1)|+|A(−1,1)|+|A
(−1,−1)| を定義する。
A(h,v)|が小さいほど2本の直線の交わる角度が9
0°に近く、演算精度が高くなると考えられる。さら
に、演算精度の優劣を決定する要素として|A(h,v)
|の総和 A=|A(1,1)|+|A(1,−1)|+|A(−1,1)|+|A
(−1,−1)| を定義する。
【0051】この要素Aを、基準データのみを用いて模
擬的に算出するために、基準データによる自己相関演算
を行う。なお、これには少し広い範囲のデータS
m,n(m,nは整数、0≦m≦M+1、0≦n≦N+1)
が必要となる。この場合、隣接する(M+4)×(N+4)
画素で構成される検出ブロックの画像データは、画像デ
ータ処理により(M+2)×(N+2)個の処理データに変
換される。この処理データを用いて基準データとしての
適性を判定する演算を行い、基準データとして適当であ
ると判定されると、処理データのうちのM×N個が基準
データとして抽出される。
擬的に算出するために、基準データによる自己相関演算
を行う。なお、これには少し広い範囲のデータS
m,n(m,nは整数、0≦m≦M+1、0≦n≦N+1)
が必要となる。この場合、隣接する(M+4)×(N+4)
画素で構成される検出ブロックの画像データは、画像デ
ータ処理により(M+2)×(N+2)個の処理データに変
換される。この処理データを用いて基準データとしての
適性を判定する演算を行い、基準データとして適当であ
ると判定されると、処理データのうちのM×N個が基準
データとして抽出される。
【0052】基準データによる自己相関演算について説
明する。まず、直線y=v(v=±1)上で相関値が最小
になると想定される座標(xv,v)を算出する。そのた
めに新たな相関値として、下記数式12によりSxを定
義する。そして、x=−1、0、1について相関値Sx
0(x,v)を算出し、その最小値Sx0(xminv,v)を得
る。
明する。まず、直線y=v(v=±1)上で相関値が最小
になると想定される座標(xv,v)を算出する。そのた
めに新たな相関値として、下記数式12によりSxを定
義する。そして、x=−1、0、1について相関値Sx
0(x,v)を算出し、その最小値Sx0(xminv,v)を得
る。
【0053】
【数12】
【0054】次に、数式13で3つのデータを算出す
る。そして数式14を用いて直線y=v上での補間演算
を行い、xvを算出し、直線y=v上で相関値が最小に
なると想定される座標(xv,v)を算出する。
る。そして数式14を用いて直線y=v上での補間演算
を行い、xvを算出し、直線y=v上で相関値が最小に
なると想定される座標(xv,v)を算出する。
【0055】
【数13】
【0056】
【数14】
【0057】次に、直線x=h(h=±1)上で相関値が
最小になると想定される座標(h,yh)を算出する。そ
のためにSxと同様に、下記数式15によりSyを定義
する。そして、y=−1、0、1について相関値Sy
0(h,y)を算出し、その最小値Sy0(h,yminh)を得
る。
最小になると想定される座標(h,yh)を算出する。そ
のためにSxと同様に、下記数式15によりSyを定義
する。そして、y=−1、0、1について相関値Sy
0(h,y)を算出し、その最小値Sy0(h,yminh)を得
る。
【0058】次に、下記数式16で3つのデータを算出
する。そして下記数式17を用いて直線x=h上での補
間演算を行い、yhの値を算出し、直線x=h上で相関
値が最小になると想定される座標(h,yh)を算出す
る。
する。そして下記数式17を用いて直線x=h上での補
間演算を行い、yhの値を算出し、直線x=h上で相関
値が最小になると想定される座標(h,yh)を算出す
る。
【0059】また、直線x=0及び直線y=0上で相関
値が最小となる座標は(0,0)であり、x0=y0=0で
ある。このようにして基準データのみを用いた自己相関
演算により、図9に示すように、x-1,x0,x1,
y-1,y0,y1が模擬的に算出される。これらを用い
て、二次元の補間演算精度の優劣を決定する要素Aは、 A=|y1+x1|+|y1−x-1|+|y-1−x1|+|
y-1+x-1| と表される。
値が最小となる座標は(0,0)であり、x0=y0=0で
ある。このようにして基準データのみを用いた自己相関
演算により、図9に示すように、x-1,x0,x1,
y-1,y0,y1が模擬的に算出される。これらを用い
て、二次元の補間演算精度の優劣を決定する要素Aは、 A=|y1+x1|+|y1−x-1|+|y-1−x1|+|
y-1+x-1| と表される。
【0060】
【数15】
【0061】
【数16】
【0062】
【数17】
【0063】このようにして基準データの横方向のコン
トラストHCと縦方向のコントラストVC、像ブレ量演
算の二次元の補間演算精度の優劣を決定する要素Aを検
出ブロック毎に算出し、HC及びVCが大きく、Aが小
さいブロックを選択し、基準データとして抽出する。こ
のような検出ブロックの選択により、少ない演算量で高
精度なブレ検出が可能となる。
トラストHCと縦方向のコントラストVC、像ブレ量演
算の二次元の補間演算精度の優劣を決定する要素Aを検
出ブロック毎に算出し、HC及びVCが大きく、Aが小
さいブロックを選択し、基準データとして抽出する。こ
のような検出ブロックの選択により、少ない演算量で高
精度なブレ検出が可能となる。
【0064】(4) 参照データの抽出 前記(1)像ブレ量演算の項で示したように、M×N画素
分の画像データからなる基準データと、(M+2S+2)
×(N+2S+2)個の画像データからなる参照データと
で像ブレ量演算を行うと、おおよそ−S−e≦x≦S+
1、−S−e≦y≦S+1の範囲でブレ量(x,y)が得
られる。つまり、参照データのデータ数が多いほど大き
なブレ量に対応できる。しかし、参照データのデータ数
が多いほど演算量は増大し、像ブレ補正のタイムラグが
大きくなり、高精度なブレ補正が不可能となる。そこ
で、像ブレ量演算の演算量を必要最小限とし、尚且つ大
きなブレ量にも対応可能な参照データを抽出する必要が
ある。
分の画像データからなる基準データと、(M+2S+2)
×(N+2S+2)個の画像データからなる参照データと
で像ブレ量演算を行うと、おおよそ−S−e≦x≦S+
1、−S−e≦y≦S+1の範囲でブレ量(x,y)が得
られる。つまり、参照データのデータ数が多いほど大き
なブレ量に対応できる。しかし、参照データのデータ数
が多いほど演算量は増大し、像ブレ補正のタイムラグが
大きくなり、高精度なブレ補正が不可能となる。そこ
で、像ブレ量演算の演算量を必要最小限とし、尚且つ大
きなブレ量にも対応可能な参照データを抽出する必要が
ある。
【0065】この参照データの抽出について説明する。
例えば、隣接する8×8画素で構成されたブロックB
k,1が検出ブロックとして選択され、4×4個の処理デ
ータ Gi,j(8*(k−1)+13≦i≦8*(k−1)+
16、8*(e−1)+13≦j≦8*(e−1)+16)
が基準データメモリ15に記憶されているとする。この
基準データからみたブレ検出センサ5のn回目の積分に
より得られた参照データの像ブレ量が(xn,yn)であっ
たとする。そして、次のn+1回目の積分により得られ
る参照データの像ブレ量を(xn+1,yn+1)だと仮定す
る。n回目の積分とn+1回目の積分の間でのブレ検出
センサ5の受光面上での被写体像の移動量を(xs,ys)
とすると、xn+1=xn+xs、yn+1=yn+ysである。
例えば、隣接する8×8画素で構成されたブロックB
k,1が検出ブロックとして選択され、4×4個の処理デ
ータ Gi,j(8*(k−1)+13≦i≦8*(k−1)+
16、8*(e−1)+13≦j≦8*(e−1)+16)
が基準データメモリ15に記憶されているとする。この
基準データからみたブレ検出センサ5のn回目の積分に
より得られた参照データの像ブレ量が(xn,yn)であっ
たとする。そして、次のn+1回目の積分により得られ
る参照データの像ブレ量を(xn+1,yn+1)だと仮定す
る。n回目の積分とn+1回目の積分の間でのブレ検出
センサ5の受光面上での被写体像の移動量を(xs,ys)
とすると、xn+1=xn+xs、yn+1=yn+ysである。
【0066】ここで(xs,ys)の範囲を−s≦xs≦
s、−s≦ys≦sとすると、(xn+1,yn+1)の範囲は
xn−s≦xn+1≦xn+s、yn−s≦yn+1≦yn+sで
表すことができる。これを変形すると、 INT(xn−s)≦xn+1<INT(xn+s)+1 INT(yn−s)≦yn+1<INT(yn+s)+1 となる(図10参照、なお、INT(x)はxの小数点以
下を切り捨て、整数化する関数である)。
s、−s≦ys≦sとすると、(xn+1,yn+1)の範囲は
xn−s≦xn+1≦xn+s、yn−s≦yn+1≦yn+sで
表すことができる。これを変形すると、 INT(xn−s)≦xn+1<INT(xn+s)+1 INT(yn−s)≦yn+1<INT(yn+s)+1 となる(図10参照、なお、INT(x)はxの小数点以
下を切り捨て、整数化する関数である)。
【0067】この範囲の像ブレ量を算出するには、処理
データGi,j(8*(k−1)+INT(xn−s)+13≦
i≦8*(k−1)+INT(xn+s)+17、8*(e−
1)+INT(yn−s)+13≦j≦8*(e−1)+IN
T(yn+s)+17)からなる参照データを抽出すればよ
い。
データGi,j(8*(k−1)+INT(xn−s)+13≦
i≦8*(k−1)+INT(xn+s)+17、8*(e−
1)+INT(yn−s)+13≦j≦8*(e−1)+IN
T(yn+s)+17)からなる参照データを抽出すればよ
い。
【0068】また、INT(a+b)−INT(a−b)=
INT(2*b)またはINT(2*b)+1であるから、
参照データとして必要なデータ数は最大でも(INT(2
*s)+6)×(INT(2*s)+6)個である。そして、
基準データを、下記数式18で表されるものとして、S
m.n(1≦m≦4、1≦n≦4)に置き換え、参照データ
を下記数式19で表されるものとして、Rm.n(−IN
T(xn+0.5)+INT(xn−s)+1≦m≦INT(xn
+s)−INT(xn+0.5)+5,−INT(yn+0.5)+
INT(yn−s)+1≦n≦INT(yn+s)−INT
(yn+0.5)+5)に置き換える。
INT(2*b)またはINT(2*b)+1であるから、
参照データとして必要なデータ数は最大でも(INT(2
*s)+6)×(INT(2*s)+6)個である。そして、
基準データを、下記数式18で表されるものとして、S
m.n(1≦m≦4、1≦n≦4)に置き換え、参照データ
を下記数式19で表されるものとして、Rm.n(−IN
T(xn+0.5)+INT(xn−s)+1≦m≦INT(xn
+s)−INT(xn+0.5)+5,−INT(yn+0.5)+
INT(yn−s)+1≦n≦INT(yn+s)−INT
(yn+0.5)+5)に置き換える。
【0069】
【数18】
【0070】
【数19】
【0071】これらのデータを用いて上記(1)に示した
像ブレ量演算を行い、像ブレ量(xo,yo)を算出する。
そして、n+1回目の積分により得られた参照データの
像ブレ量として(INT(xn+0.5)+xo,INT(yn
+0.5)+yo)を得る。このような参照データの抽出に
より、像ブレ量演算の演算量を必要最小限とし、尚且つ
大きなブレ量にも対応可能となる。
像ブレ量演算を行い、像ブレ量(xo,yo)を算出する。
そして、n+1回目の積分により得られた参照データの
像ブレ量として(INT(xn+0.5)+xo,INT(yn
+0.5)+yo)を得る。このような参照データの抽出に
より、像ブレ量演算の演算量を必要最小限とし、尚且つ
大きなブレ量にも対応可能となる。
【0072】(5) (像ブレ量)予測演算 まず、像ブレ検出・補正の簡単な流れ(横方向のみ)を図
11に示す。xnはブレ検出センサ5のn回目の積分に
より得られた参照データの像ブレ量である。この参照デ
ータはn回目の積分の積分中心時刻tnにおける被写体
像情報であると考えられるから、像ブレ量xnは時刻tn
における像ブレ量である。このとき、画像データの読出
しや像ブレ量演算のタイムラグにより、像ブレ量xnは
時刻tn+te1において算出され、係数変換部19に引
き渡される。
11に示す。xnはブレ検出センサ5のn回目の積分に
より得られた参照データの像ブレ量である。この参照デ
ータはn回目の積分の積分中心時刻tnにおける被写体
像情報であると考えられるから、像ブレ量xnは時刻tn
における像ブレ量である。このとき、画像データの読出
しや像ブレ量演算のタイムラグにより、像ブレ量xnは
時刻tn+te1において算出され、係数変換部19に引
き渡される。
【0073】さらに、補正レンズ駆動等のタイムラグに
より、時刻tn+te1+te2において、像ブレ量xnの補
正が完了する。そのため、時刻tn+te1+te2におけ
る像ブレ量と、像ブレ量xnの差とがブレ補正残りとし
て発生し、高精度なブレ補正が不可能となる。そこでブ
レ検出・補正のタイムラグを打ち消すような像ブレ量の
予測演算が必要となる。
より、時刻tn+te1+te2において、像ブレ量xnの補
正が完了する。そのため、時刻tn+te1+te2におけ
る像ブレ量と、像ブレ量xnの差とがブレ補正残りとし
て発生し、高精度なブレ補正が不可能となる。そこでブ
レ検出・補正のタイムラグを打ち消すような像ブレ量の
予測演算が必要となる。
【0074】図12を参照しながら、像ブレ量の予測演
算の内容を説明する。図中のxn、xn-1、xn-2、…
…、xn-9はそれぞれブレ検出センサ5のn回目、n−
1回目、n−2回目、……、n−9回目の積分により得
られた参照データの像ブレ量であり、それぞれの積分中
心時刻tn、tn-1、tn-2、……、tn-9における像ブレ
量である。これらのデータを用いて時刻tn+te1+t
e2における像ブレ量を予測する。
算の内容を説明する。図中のxn、xn-1、xn-2、…
…、xn-9はそれぞれブレ検出センサ5のn回目、n−
1回目、n−2回目、……、n−9回目の積分により得
られた参照データの像ブレ量であり、それぞれの積分中
心時刻tn、tn-1、tn-2、……、tn-9における像ブレ
量である。これらのデータを用いて時刻tn+te1+t
e2における像ブレ量を予測する。
【0075】
【数20】
【0076】まず、上記数式20により、現在の像ブレ
速度としてのv1を算出する。ここで時刻tn、tn-1間
で像ブレ速度を算出しないのは、分母(時間)を大きくと
ることにより像ブレ速度の検出精度を向上させるためで
ある。これを用いて時刻tn+te1+te2における予測
像ブレ量pxを、 px=xn+v1*(te1+te2) として算出する。
速度としてのv1を算出する。ここで時刻tn、tn-1間
で像ブレ速度を算出しないのは、分母(時間)を大きくと
ることにより像ブレ速度の検出精度を向上させるためで
ある。これを用いて時刻tn+te1+te2における予測
像ブレ量pxを、 px=xn+v1*(te1+te2) として算出する。
【0077】この演算式は像ブレ速度が一定であるとい
う前提に基づいている。像ブレ速度の変化が大きい場合
や、タイムラグ(te1+te2)が大の場合は、速度変化
(加速度)も考慮して、下記数式21から得られる過去
の像ブレ速度v2を用いて、下記数式22を用いて現在
の像ブレ加速度aを算出する。
う前提に基づいている。像ブレ速度の変化が大きい場合
や、タイムラグ(te1+te2)が大の場合は、速度変化
(加速度)も考慮して、下記数式21から得られる過去
の像ブレ速度v2を用いて、下記数式22を用いて現在
の像ブレ加速度aを算出する。
【0078】
【数21】
【0079】
【数22】
【0080】これらを用いて時刻tn+te1+te2にお
ける予測像ブレ量pxを、 px=xn+v1*(te1+te2)+a*(te1+te2)2/
2 として算出する。この演算式を用いると、像ブレ速度の
変化が大きい場合や、タイムラグ(te1+te2)が大の場
合にも、高精度な像ブレ量の予測演算が可能となる。
ける予測像ブレ量pxを、 px=xn+v1*(te1+te2)+a*(te1+te2)2/
2 として算出する。この演算式を用いると、像ブレ速度の
変化が大きい場合や、タイムラグ(te1+te2)が大の場
合にも、高精度な像ブレ量の予測演算が可能となる。
【0081】また、被写体が高輝度なため、ブレ検出セ
ンサ5の積分時間が短くなり、積分中心時刻tn、
tn-1、tn-2、……、tn-9の間隔が短くなる場合や、
像ブレ速度や像ブレ加速度の検出を更に高精度に行いた
い場合は、現在の像ブレ速度v1を下記数式23から、
また、過去の像ブレ速度を下記数式24から、さらに、
現在の像ブレ加速度aを下記数式25から算出すればよ
い。
ンサ5の積分時間が短くなり、積分中心時刻tn、
tn-1、tn-2、……、tn-9の間隔が短くなる場合や、
像ブレ速度や像ブレ加速度の検出を更に高精度に行いた
い場合は、現在の像ブレ速度v1を下記数式23から、
また、過去の像ブレ速度を下記数式24から、さらに、
現在の像ブレ加速度aを下記数式25から算出すればよ
い。
【0082】
【数23】
【0083】
【数24】
【0084】
【数25】
【0085】このように、被写体の輝度が変化して積分
中心時刻の間隔(像ブレ検出間隔)が変化したり、ズーム
等により撮影レンズの焦点距離が変化して要求される像
ブレ検出精度のレベルが変化したりしても、最適と判断
される像ブレ量の予測演算式を採用することによって対
応することができる。
中心時刻の間隔(像ブレ検出間隔)が変化したり、ズーム
等により撮影レンズの焦点距離が変化して要求される像
ブレ検出精度のレベルが変化したりしても、最適と判断
される像ブレ量の予測演算式を採用することによって対
応することができる。
【0086】以上に示したような像ブレ量予測演算によ
り、ブレ検出・補正のタイムラグを打ち消すような高精
度なブレ補正を行うことが可能となる。
り、ブレ検出・補正のタイムラグを打ち消すような高精
度なブレ補正を行うことが可能となる。
【0087】次に、上記のようなブレ検出系の機能を備
えた本実施例の手ブレ補正システムの全体構成について
説明する。図1に戻って、検出系は、被写体からの光を
検出系レンズ20を通してブレ検出センサ5に結像させ
る。ブレ検出センサ5では結像した被写体情報を電気信
号に変換し、ブレ検出センサ制御部10からの信号によ
り、被写体情報の電気信号をA/D変換器11を通して
ブレ量検出部13に入力する。
えた本実施例の手ブレ補正システムの全体構成について
説明する。図1に戻って、検出系は、被写体からの光を
検出系レンズ20を通してブレ検出センサ5に結像させ
る。ブレ検出センサ5では結像した被写体情報を電気信
号に変換し、ブレ検出センサ制御部10からの信号によ
り、被写体情報の電気信号をA/D変換器11を通して
ブレ量検出部13に入力する。
【0088】ブレ量検出部13では、ブレ補正駆動直前
の被写体情報を基準データとして記憶しておき、ブレ補
正駆動中、A/D変換器11を通じて入力される被写体
情報を参照データとし、基準データと参照データとを所
定の比較演算を行うことによってブレ補正レンズG1、
G2を駆動させるためのブレ量データを出力する。ブレ
量データはカメラ本体1が上下方向(紙面に対して垂直
方向)にブレた量を示す縦方向ブレ量と、カメラ本体1
が左右方向に示す横方向ブレ量の2つのデータがある。
の被写体情報を基準データとして記憶しておき、ブレ補
正駆動中、A/D変換器11を通じて入力される被写体
情報を参照データとし、基準データと参照データとを所
定の比較演算を行うことによってブレ補正レンズG1、
G2を駆動させるためのブレ量データを出力する。ブレ
量データはカメラ本体1が上下方向(紙面に対して垂直
方向)にブレた量を示す縦方向ブレ量と、カメラ本体1
が左右方向に示す横方向ブレ量の2つのデータがある。
【0089】係数変換部19は次のような働きを有して
いる。すなわち、ブレ量検出部13からの縦方向ブレ量
データと、横方向のブレ量データは、温度センサTのデ
ータとともに係数変換部19に入力される。係数変換部
19では、実際にブレ補正レンズG1、G2が縦方向ブ
レ量、横方向ブレ量を適正に補正するために必要な各補
正レンズG1、G2の移動目標位置に関するデータに変
換する。
いる。すなわち、ブレ量検出部13からの縦方向ブレ量
データと、横方向のブレ量データは、温度センサTのデ
ータとともに係数変換部19に入力される。係数変換部
19では、実際にブレ補正レンズG1、G2が縦方向ブ
レ量、横方向ブレ量を適正に補正するために必要な各補
正レンズG1、G2の移動目標位置に関するデータに変
換する。
【0090】また、この係数変換部19によって次のよ
うな手ブレ補正に関する誤差要因を吸収し、手ブレ補正
の精度を高める。すなわち、カメラの個体差によって
ブレ量に対するレンズ目標位置の比例係数が異なる誤
差、カメラの経時変化によって比例係数が変化する誤
差、温度変化によって各レンズや電気的な特性が変わ
ることにより比例係数が変化する誤差、検出系の縦方
向ブレ量、横方向ブレ量の各ブレ方向と、補正レンズG
1、G2の移動方向が異なるため発生する誤差で、カメ
ラの組立時に発生する方向のずれと後述する補正レンズ
G1、G2の駆動メカニズム構成により発生するものが
ある。
うな手ブレ補正に関する誤差要因を吸収し、手ブレ補正
の精度を高める。すなわち、カメラの個体差によって
ブレ量に対するレンズ目標位置の比例係数が異なる誤
差、カメラの経時変化によって比例係数が変化する誤
差、温度変化によって各レンズや電気的な特性が変わ
ることにより比例係数が変化する誤差、検出系の縦方
向ブレ量、横方向ブレ量の各ブレ方向と、補正レンズG
1、G2の移動方向が異なるため発生する誤差で、カメ
ラの組立時に発生する方向のずれと後述する補正レンズ
G1、G2の駆動メカニズム構成により発生するものが
ある。
【0091】なお、係数変換部19の変換に関するデー
タはカメラの個体差や、経時的変化があるので、E2P
ROM等に保持しておく。
タはカメラの個体差や、経時的変化があるので、E2P
ROM等に保持しておく。
【0092】駆動系は、補正レンズG1、G2の駆動回
路3a、3bを備えている。すなわち、係数変換部19
からの補正レンズG1のブレ補正目標位置データ部21
aと、補正レンズG2のブレ補正目標位置データ部21
bのデータは、それぞれG1駆動回路3a、G2駆動回
路3bにより補正レンズG1、G2を各目標位置まで移
動させる。
路3a、3bを備えている。すなわち、係数変換部19
からの補正レンズG1のブレ補正目標位置データ部21
aと、補正レンズG2のブレ補正目標位置データ部21
bのデータは、それぞれG1駆動回路3a、G2駆動回
路3bにより補正レンズG1、G2を各目標位置まで移
動させる。
【0093】G1駆動回路3aは位置検出センサPの信
号により補正レンズG1の位置を読み取り、フィードバ
ックによってアクチュエータAaを駆動し、G1をブレ
補正目標位置に移動させる。G2駆動回路3bも同様に
補正レンズG2を移動させる。位置検出センサPa,P
bの出力はまた、A/D変換器22を通じてμCOM4
に取り込まれ、補正レンズG1、G2の現在位置を確認
するためのデータをG1、G2現在位置データ部23で
発生する。
号により補正レンズG1の位置を読み取り、フィードバ
ックによってアクチュエータAaを駆動し、G1をブレ
補正目標位置に移動させる。G2駆動回路3bも同様に
補正レンズG2を移動させる。位置検出センサPa,P
bの出力はまた、A/D変換器22を通じてμCOM4
に取り込まれ、補正レンズG1、G2の現在位置を確認
するためのデータをG1、G2現在位置データ部23で
発生する。
【0094】光学系について述べると、補正レンズG1
をほぼ紙面と垂直方向、補正レンズG2をほぼ紙面の横
方向に移動することによって、各移動量に応じて被写体
からの光路を光軸と垂直な方向に曲げることができる。
露光中に、前述の駆動系によって各レンズを移動し、手
ブレによる被写体像のブレを補正し、常にフィルム面上
では被写体像は止まった状態となることで、長い露光時
間でもブレのない写真が可能となる。なお、24はカバ
ーガラスである。
をほぼ紙面と垂直方向、補正レンズG2をほぼ紙面の横
方向に移動することによって、各移動量に応じて被写体
からの光路を光軸と垂直な方向に曲げることができる。
露光中に、前述の駆動系によって各レンズを移動し、手
ブレによる被写体像のブレを補正し、常にフィルム面上
では被写体像は止まった状態となることで、長い露光時
間でもブレのない写真が可能となる。なお、24はカバ
ーガラスである。
【0095】次に、手ブレ補正システム全体のシーケン
スを図13を参照しながら説明する。ステップ#5でメ
インスイッチを入れると、ステップ#10で係数変換部
19が係数更正処理を行う。これは検出系のブレ量から
各補正レンズの移動目標位置に変換するときの変換係数
をカメラの経時変化によって発生する変換誤差をなくす
ように更正するものである。
スを図13を参照しながら説明する。ステップ#5でメ
インスイッチを入れると、ステップ#10で係数変換部
19が係数更正処理を行う。これは検出系のブレ量から
各補正レンズの移動目標位置に変換するときの変換係数
をカメラの経時変化によって発生する変換誤差をなくす
ように更正するものである。
【0096】次に、ステップ#15でレリーズが押され
たとき、ステップ#20で検出系によるブレ量データの
算出を開始する。まず、ブレ検出センサ5から被写体情
報を取り込み、基準データとして記憶しておく。そし
て、その後、ブレ検出センサ制御部10からの信号で、
後の露光終了まで連続して被写体情報の取り込みを行
い、参照データとしてブレ量データの算出を行う。
たとき、ステップ#20で検出系によるブレ量データの
算出を開始する。まず、ブレ検出センサ5から被写体情
報を取り込み、基準データとして記憶しておく。そし
て、その後、ブレ検出センサ制御部10からの信号で、
後の露光終了まで連続して被写体情報の取り込みを行
い、参照データとしてブレ量データの算出を行う。
【0097】ブレ量データの算出を行いながら、次の処
理として、ステップ#25でレンズ系止OFF、そし
て、ステップ#30で各補正レンズの移動目標をレンズ
が移動可能な範囲のほぼ中心となるような初期位置への
駆動のための信号を発生させる。次に、各補正レンズG
1、G2が検出系のブレ量データに従って駆動するよう
に、検出系のブレ量データから係数変換部を通して得ら
れる各レンズ移動目標データをG1、G2各駆動回路3
a、3bに送る。
理として、ステップ#25でレンズ系止OFF、そし
て、ステップ#30で各補正レンズの移動目標をレンズ
が移動可能な範囲のほぼ中心となるような初期位置への
駆動のための信号を発生させる。次に、各補正レンズG
1、G2が検出系のブレ量データに従って駆動するよう
に、検出系のブレ量データから係数変換部を通して得ら
れる各レンズ移動目標データをG1、G2各駆動回路3
a、3bに送る。
【0098】μCOM4では、補正レンズG1,G2の
現在位置のデータを得るので、現在位置と目標位置の差
の絶対値(現在の補正後残り誤差)がわかる。ステップ#
35で補正レンズは止まっている状態から駆動を開始す
ると、始めは現在位置が目標位置に追従しない(すなわ
ち、現在の補正残り誤差が大きい)期間があり、この期
間中に露光を開始すると、手ブレ補正機能がうまくいか
ない。そこで、ステップ#40で現在の補正残り誤差が
小さく安定するまで露光開始を待つ駆動系追従完了ルー
チンを通る。
現在位置のデータを得るので、現在位置と目標位置の差
の絶対値(現在の補正後残り誤差)がわかる。ステップ#
35で補正レンズは止まっている状態から駆動を開始す
ると、始めは現在位置が目標位置に追従しない(すなわ
ち、現在の補正残り誤差が大きい)期間があり、この期
間中に露光を開始すると、手ブレ補正機能がうまくいか
ない。そこで、ステップ#40で現在の補正残り誤差が
小さく安定するまで露光開始を待つ駆動系追従完了ルー
チンを通る。
【0099】現在の補正残り誤差が小さく安定すると、
ステップ#45で露光を開始し、図示しない測光回路な
どに従って所定時間、露光する。露光中は、検出系から
のブレ量データに従って駆動系によって手ブレを補正す
るよう手ブレ補正レンズを動かすとともに、手ブレ補正
レンズの現在位置と目標位置の差の絶対値をモニターし
ておく。この絶対値の露光中の最大値あるいは平均値を
露光中の補正後残り誤差として保持しておく。ステップ
#50で露光が終了した後、ステップ#55#60で検
出系、駆動系の処理を終了し、ステップ#65でブレ補
正レンズG1、G2が動くのを止めるためレンズ系止を
ONする。
ステップ#45で露光を開始し、図示しない測光回路な
どに従って所定時間、露光する。露光中は、検出系から
のブレ量データに従って駆動系によって手ブレを補正す
るよう手ブレ補正レンズを動かすとともに、手ブレ補正
レンズの現在位置と目標位置の差の絶対値をモニターし
ておく。この絶対値の露光中の最大値あるいは平均値を
露光中の補正後残り誤差として保持しておく。ステップ
#50で露光が終了した後、ステップ#55#60で検
出系、駆動系の処理を終了し、ステップ#65でブレ補
正レンズG1、G2が動くのを止めるためレンズ系止を
ONする。
【0100】ステップ#70で前述の露光中の補正後残
り誤差は、露光中に手ブレが急激に変化した等のため、
十分補正できないとき、大きな値となり得る。この場
合、ステップ#75で露光された写真には、手ブレが残
った写真となるので、そのことを使用者に警告表示等で
知らせる。
り誤差は、露光中に手ブレが急激に変化した等のため、
十分補正できないとき、大きな値となり得る。この場
合、ステップ#75で露光された写真には、手ブレが残
った写真となるので、そのことを使用者に警告表示等で
知らせる。
【0101】次に、補正レンズ駆動装置の機械的構成及
び動作について図14〜図22を参照しながら説明す
る。図14〜図16は本実施例の補正レンズ駆動装置の
基本となる構成として、説明の簡単化のために1枚のレ
ンズGの駆動ユニットを示している。補正レンズGを支
持する玉枠25は回転軸26によって軸支されており、
補正レンズGの外側を回転中心として回転可能に構成さ
れている。また、回転軸26は保持筒27に固定されて
いる。28は規制部材であって、保持筒27との間に玉
枠25の被駆動部分25aを挟むことで、玉枠25の光
軸方向の不要な動きを規制している。
び動作について図14〜図22を参照しながら説明す
る。図14〜図16は本実施例の補正レンズ駆動装置の
基本となる構成として、説明の簡単化のために1枚のレ
ンズGの駆動ユニットを示している。補正レンズGを支
持する玉枠25は回転軸26によって軸支されており、
補正レンズGの外側を回転中心として回転可能に構成さ
れている。また、回転軸26は保持筒27に固定されて
いる。28は規制部材であって、保持筒27との間に玉
枠25の被駆動部分25aを挟むことで、玉枠25の光
軸方向の不要な動きを規制している。
【0102】29は保持筒27に支持されたアクチュエ
ータであって、撮影光路外に配置され、玉枠25を回転
軸26回りに駆動するもので、その外形の一部は補正レ
ンズGの外形よりも光軸側へ入り込んでいる。保持筒2
7は玉枠25の回転範囲を制限する部分27a、27b
を有している。Lはマスターレンズである。
ータであって、撮影光路外に配置され、玉枠25を回転
軸26回りに駆動するもので、その外形の一部は補正レ
ンズGの外形よりも光軸側へ入り込んでいる。保持筒2
7は玉枠25の回転範囲を制限する部分27a、27b
を有している。Lはマスターレンズである。
【0103】玉枠25は非撮影時には付勢スプリング3
0によって回転範囲規制部分27aに押し付けられてお
り、また、撮影時には常にアクチュエータ29によって
所定の位置へ移動させられる。アクチュエータ29の駆
動力はピニオン31と玉枠25の被駆動部分25aとの
係合によって玉枠25に伝達される。なお、玉枠25の
被駆動部分の内径部25bとピニオン31との係合は、
図17に示すようにギア連結によるもの、あるいは図1
8に示すように、該玉枠25の被駆動部分の内径部25
bとピニオン31の摩擦力によるもののいずれをも選択
することができる。
0によって回転範囲規制部分27aに押し付けられてお
り、また、撮影時には常にアクチュエータ29によって
所定の位置へ移動させられる。アクチュエータ29の駆
動力はピニオン31と玉枠25の被駆動部分25aとの
係合によって玉枠25に伝達される。なお、玉枠25の
被駆動部分の内径部25bとピニオン31との係合は、
図17に示すようにギア連結によるもの、あるいは図1
8に示すように、該玉枠25の被駆動部分の内径部25
bとピニオン31の摩擦力によるもののいずれをも選択
することができる。
【0104】図19〜図21は、上記構成のレンズ駆動
ユニットを2組使用した本実施例の駆動装置の構成を示
している。これらの図に示すように、2組の駆動ユニッ
ト32a、32bは、それぞれの補正レンズ移動方向が
互いに略直交し、且つ、各駆動ユニット32a、32b
のレンズ中心が、補正レンズ移動可能範囲の中央にレン
ズを置いたときに、レンズ中心が光軸と一致するように
前後に重なる状態で配置されている。
ユニットを2組使用した本実施例の駆動装置の構成を示
している。これらの図に示すように、2組の駆動ユニッ
ト32a、32bは、それぞれの補正レンズ移動方向が
互いに略直交し、且つ、各駆動ユニット32a、32b
のレンズ中心が、補正レンズ移動可能範囲の中央にレン
ズを置いたときに、レンズ中心が光軸と一致するように
前後に重なる状態で配置されている。
【0105】また、カメラ横位置で、一方の補正レンズ
G1またはG2の移動方向が鉛直に他方の補正レンズG
2またはG1の移動方向が水平になるように組み立てら
れている。さらに、機構中、重量の大きいレンズユニッ
ト、つまり慣性モーメントの大きいレンズユニットの移
動方向は省電力化を図るために、鉛直方向に設定してい
る。
G1またはG2の移動方向が鉛直に他方の補正レンズG
2またはG1の移動方向が水平になるように組み立てら
れている。さらに、機構中、重量の大きいレンズユニッ
ト、つまり慣性モーメントの大きいレンズユニットの移
動方向は省電力化を図るために、鉛直方向に設定してい
る。
【0106】なお、上記とは若干、異なる構成として、
例えば図22に示すように、別の態様のアクチュエータ
29’とこれに駆動される玉枠等の被駆動部分の係合の
形を採用したものも実施可能である。
例えば図22に示すように、別の態様のアクチュエータ
29’とこれに駆動される玉枠等の被駆動部分の係合の
形を採用したものも実施可能である。
【0107】ここで補正レンズの位置制御のための演算
について述べる。図23(A)に基本位置にある前側の補
正レンズG1を、同図(B)に同じく後側の補正レンズG
2を示している。この状態においては、前側補正レンズ
G1の中心軸33aと、その回転軸26aとを結ぶ直線
と、後側補正レンズG2の中心軸33bと、その回転軸
26bとを結ぶ直線とは、それぞれカメラの水平軸、垂
直軸と一致しており、さらに、図23では各補正レンズ
G1,G2がそれぞれ独立して描かれてはいるが、両方
の補正レンズG1,G2の中心軸33a、33bは一致
している。
について述べる。図23(A)に基本位置にある前側の補
正レンズG1を、同図(B)に同じく後側の補正レンズG
2を示している。この状態においては、前側補正レンズ
G1の中心軸33aと、その回転軸26aとを結ぶ直線
と、後側補正レンズG2の中心軸33bと、その回転軸
26bとを結ぶ直線とは、それぞれカメラの水平軸、垂
直軸と一致しており、さらに、図23では各補正レンズ
G1,G2がそれぞれ独立して描かれてはいるが、両方
の補正レンズG1,G2の中心軸33a、33bは一致
している。
【0108】そして、この状態における前側補正レンズ
G1の中心軸33aと、後側補正レンズG2の中心軸3
3bの位置を、カメラの水平軸及び垂直軸上での座標を
用いて、それぞれ(0,0)、(0,0)と定義する。ま
た、両者G1,G2の回転軸26a、26bと中心軸3
3a、33bは平行であり、補正レンズG1,G2は互
いに平行な、つまり中心軸33a、33bと垂直な面内
を移動する。
G1の中心軸33aと、後側補正レンズG2の中心軸3
3bの位置を、カメラの水平軸及び垂直軸上での座標を
用いて、それぞれ(0,0)、(0,0)と定義する。ま
た、両者G1,G2の回転軸26a、26bと中心軸3
3a、33bは平行であり、補正レンズG1,G2は互
いに平行な、つまり中心軸33a、33bと垂直な面内
を移動する。
【0109】それぞれのレンズ玉枠25a、25bには
LED34a、34bが取り付けられ、そのLED34
a、34bの現在位置をモニタするためのPSD(Posit
ionSensitive Device)35a、35bが、その受光面が
補正レンズG1,G2が移動する面と平行となるように
保持筒27に固定されている。なお、図23ではPSD
35a、35bが大きく強調されて描かれている。
LED34a、34bが取り付けられ、そのLED34
a、34bの現在位置をモニタするためのPSD(Posit
ionSensitive Device)35a、35bが、その受光面が
補正レンズG1,G2が移動する面と平行となるように
保持筒27に固定されている。なお、図23ではPSD
35a、35bが大きく強調されて描かれている。
【0110】また、補正レンズG1、G2が基本位置に
あるとき、レンズの回転軸26a、26bとLED34
a、34bの中心とを結ぶ直線と、PSD35a、35
bの検出方向は垂直であり、さらにLED34a、34
bの照射光はPSD35a、35bの中心に投光され
る。このときのPSD35a、35b上でのLED34
a、34bの投光位置をPSD35a、35bの検出方
向に平行な座標軸を用いて0と定義する。
あるとき、レンズの回転軸26a、26bとLED34
a、34bの中心とを結ぶ直線と、PSD35a、35
bの検出方向は垂直であり、さらにLED34a、34
bの照射光はPSD35a、35bの中心に投光され
る。このときのPSD35a、35b上でのLED34
a、34bの投光位置をPSD35a、35bの検出方
向に平行な座標軸を用いて0と定義する。
【0111】さらに、補正レンズG1,G2の回転軸2
6a、26bからそれぞれのレンズの中心軸33a、3
3bまでの距離はそれぞれr1,r2であり、補正レンズ
G1,G2の回転軸からそれぞれのPSD35a、35
bの中心までの距離はそれぞれe1,e2である。
6a、26bからそれぞれのレンズの中心軸33a、3
3bまでの距離はそれぞれr1,r2であり、補正レンズ
G1,G2の回転軸からそれぞれのPSD35a、35
bの中心までの距離はそれぞれe1,e2である。
【0112】図24に、時計の回転とは逆方向に前側補
正レンズG1がθ、後側補正レンズG2がδ回転した状
態を示している。この状態における前側補正レンズG1
の中心軸33aの位置(x1,y1)、後側補正レンズG2
の中心軸33bの位置(x2,y2)はそれぞれ、 x1=r1*(cosθ−1)、y1=r1*sinθ x2=−r2*sinδ、 y2=r2*(cosδ−1) である(但し、−45°<θ<45°、−45°<δ<45°)。
正レンズG1がθ、後側補正レンズG2がδ回転した状
態を示している。この状態における前側補正レンズG1
の中心軸33aの位置(x1,y1)、後側補正レンズG2
の中心軸33bの位置(x2,y2)はそれぞれ、 x1=r1*(cosθ−1)、y1=r1*sinθ x2=−r2*sinδ、 y2=r2*(cosδ−1) である(但し、−45°<θ<45°、−45°<δ<45°)。
【0113】また、このときの補正レンズG1のLED
34aのPSD35a上での投光位置p1、及び補正レ
ンズG2のLED34bのPSD35b上での投光位置
p2はそれぞれ、 p1=e1*sinθ=e1/r1*y1 p2=e2*sinδ=−e2/r2*x2 である(θの正方向とp1の正方向、δの正方向とp2の
正方向は同一とする)。
34aのPSD35a上での投光位置p1、及び補正レ
ンズG2のLED34bのPSD35b上での投光位置
p2はそれぞれ、 p1=e1*sinθ=e1/r1*y1 p2=e2*sinδ=−e2/r2*x2 である(θの正方向とp1の正方向、δの正方向とp2の
正方向は同一とする)。
【0114】そして、補正レンズG1、G2による被写
体像の補正は、光軸を垂直軸回りにθx、水平軸回りに
θy曲げることにより行われる。補正角度θx、θyは補
正レンズG1の中心軸33aの位置(x1,y1)と補正係
数k1、補正レンズG2の中心軸33bの位置(x2,
y2)と補正係数k2を用いて補正角度θx,θyは、 θx=k1*x1+k2*x2 =k1*r1*(cosθ−1)−k2*r2*sinδ θy=k1*y1+k2*y2 =k1*r1*sinθ+k2*r2*(cosδ−1) で表される。そして、上記の式を変形して、下記数式2
6を得る。このように補正角度θx,θyから、補正レン
ズG1の中心軸33aの位置(x1,y1)、補正レンズG
2の中心軸33bの位置(x2,y2)が算出される。
体像の補正は、光軸を垂直軸回りにθx、水平軸回りに
θy曲げることにより行われる。補正角度θx、θyは補
正レンズG1の中心軸33aの位置(x1,y1)と補正係
数k1、補正レンズG2の中心軸33bの位置(x2,
y2)と補正係数k2を用いて補正角度θx,θyは、 θx=k1*x1+k2*x2 =k1*r1*(cosθ−1)−k2*r2*sinδ θy=k1*y1+k2*y2 =k1*r1*sinθ+k2*r2*(cosδ−1) で表される。そして、上記の式を変形して、下記数式2
6を得る。このように補正角度θx,θyから、補正レン
ズG1の中心軸33aの位置(x1,y1)、補正レンズG
2の中心軸33bの位置(x2,y2)が算出される。
【0115】
【数26】
【0116】ここで、これらの数式を簡略化するための
近似を考える。高次の近似式を用いるほど演算精度は高
くなるが、演算量は増加する。ここでは下記数式27で
示される4次の近似式を用い、4次以上の項を切り捨
て、下記数式28によりx1,y1,x2,y2の値を得
る。また、この近似値に対応するLED34a、34b
のPSD35a、35b上での投光位置p1,p2は下記
数式29で示される値となる。
近似を考える。高次の近似式を用いるほど演算精度は高
くなるが、演算量は増加する。ここでは下記数式27で
示される4次の近似式を用い、4次以上の項を切り捨
て、下記数式28によりx1,y1,x2,y2の値を得
る。また、この近似値に対応するLED34a、34b
のPSD35a、35b上での投光位置p1,p2は下記
数式29で示される値となる。
【0117】
【数27】
【0118】
【数28】
【0119】
【数29】
【0120】つまり、補正レンズG1,G2のLED3
4a、34bのPSD35a、35b上での投光位置を
上記p1,p2となるようにレンズ位置を制御することに
より、光軸を垂直軸回りにほぼθx、水平軸回りにほぼ
θy曲げることができる。
4a、34bのPSD35a、35b上での投光位置を
上記p1,p2となるようにレンズ位置を制御することに
より、光軸を垂直軸回りにほぼθx、水平軸回りにほぼ
θy曲げることができる。
【0121】例えば、r1=r2=20mm、k1=−k2=
k、θx=±2*k、θy=±2*kのとき、G1の中心
軸とG2の中心軸の位置は、下記表1に示されるように
なる。これに対して、上記近似式(数式27)を用いてP
SD上でのLEDの投光位置p1,p2を制御すると、下
記表2のようになる。また、r1=r2=20mm、k1=−
k2/2=k、θx=±4*k、θy=±2*kのとき、
G1の中心軸とG2の中心軸の位置は、下記表3に示さ
れるようになる。これに対して、上記近似式(数式27)
を用いてPSD上でのLEDの投光位置p1,p2を制御
すると、下記表4のようになる。
k、θx=±2*k、θy=±2*kのとき、G1の中心
軸とG2の中心軸の位置は、下記表1に示されるように
なる。これに対して、上記近似式(数式27)を用いてP
SD上でのLEDの投光位置p1,p2を制御すると、下
記表2のようになる。また、r1=r2=20mm、k1=−
k2/2=k、θx=±4*k、θy=±2*kのとき、
G1の中心軸とG2の中心軸の位置は、下記表3に示さ
れるようになる。これに対して、上記近似式(数式27)
を用いてPSD上でのLEDの投光位置p1,p2を制御
すると、下記表4のようになる。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
【表3】
【0125】
【表4】
【0126】つまり、r1=r2=20mmのとき、x2=±
2mm、y1=±2mm程度の範囲であれば、3次の近似式
によりx2、y1は約10μmの精度で制御され、その誤
差は数μm程度の範囲となる。これ以上の精度が必要で
あれば、更に高次の近似式を用いればよいし、精度があ
まり重要視されないのなら、1〜2次の近似式を用いれ
ばよい。このようにして、必要とされる補正レンズの制
御精度に応じた次数の近似式を用いることにより、比較
的少ない演算量で補正レンズの位置制御を行うことが可
能となる。
2mm、y1=±2mm程度の範囲であれば、3次の近似式
によりx2、y1は約10μmの精度で制御され、その誤
差は数μm程度の範囲となる。これ以上の精度が必要で
あれば、更に高次の近似式を用いればよいし、精度があ
まり重要視されないのなら、1〜2次の近似式を用いれ
ばよい。このようにして、必要とされる補正レンズの制
御精度に応じた次数の近似式を用いることにより、比較
的少ない演算量で補正レンズの位置制御を行うことが可
能となる。
【0127】引き続き、補正レンズ位置の制御について
説明する。図25は補正レンズ駆動回路としての制御ブ
ロックの回路構成を示している(一方向のブロック図の
み)。この駆動制御ブロックはμCOM4内で演算され
たカメラブレ量に対応して、補正レンズG1,G2を駆
動させる。μCOM4内で演算され、係数変換部19で
変換された補正レンズG1、G2の目標位置データはD
/Aコンバータ36を通して駆動制御サーボ回路に入力
される(xt)。また、実際、補正レンズG1、G2の位
置情報は、後述のPSDにより回路内に出力される
(xn)。
説明する。図25は補正レンズ駆動回路としての制御ブ
ロックの回路構成を示している(一方向のブロック図の
み)。この駆動制御ブロックはμCOM4内で演算され
たカメラブレ量に対応して、補正レンズG1,G2を駆
動させる。μCOM4内で演算され、係数変換部19で
変換された補正レンズG1、G2の目標位置データはD
/Aコンバータ36を通して駆動制御サーボ回路に入力
される(xt)。また、実際、補正レンズG1、G2の位
置情報は、後述のPSDにより回路内に出力される
(xn)。
【0128】図25において、微分器37、38にてx
t、xnの位置情報を微分することにより目標速度vt、
実駆動速度vnが出力される。ゲイン発生器39、40
にて位置偏差δx=xt−xn、速度偏差δv=vt−vn
に最適なゲインAp1,Av1を設定して、モータ制御電圧
E=Ep+Evを出力する。最適なゲインAp1,Av1と
は例えば応答性が高く且つ発振する可能性が低いゲイン
である。
t、xnの位置情報を微分することにより目標速度vt、
実駆動速度vnが出力される。ゲイン発生器39、40
にて位置偏差δx=xt−xn、速度偏差δv=vt−vn
に最適なゲインAp1,Av1を設定して、モータ制御電圧
E=Ep+Evを出力する。最適なゲインAp1,Av1と
は例えば応答性が高く且つ発振する可能性が低いゲイン
である。
【0129】ゲイン発生器39、40の出力をモータド
ライバ41で電圧/電流変換し、モータに通電すること
により、モータ42が駆動され、イナーシャJ43に対
して駆動力Tが発生する。その駆動力Tによりモータ4
2がdw/dtで角加速された結果、伝達系44を通し
てレンズが加速度aを得て動き出す。その動作情報を位
置信号としてPSD35で取り出すことにより、xtと
xnの偏差がなくなるようにフィードバック制御を行っ
ている。
ライバ41で電圧/電流変換し、モータに通電すること
により、モータ42が駆動され、イナーシャJ43に対
して駆動力Tが発生する。その駆動力Tによりモータ4
2がdw/dtで角加速された結果、伝達系44を通し
てレンズが加速度aを得て動き出す。その動作情報を位
置信号としてPSD35で取り出すことにより、xtと
xnの偏差がなくなるようにフィードバック制御を行っ
ている。
【0130】図26は位置検出センサPの構成を示して
いる。この位置検出センサPはLED34とスリット4
5及びPSD35により構成されている。なお、同図は
説明を簡単にするために、本実施例構成とは僅かに相違
している。まず、この駆動系の駆動原理を述べると、ア
クチュエータ29はムービングコイル方式であり、コイ
ル46に流す電流Iと、磁気回路47の磁束密度B、コ
イルの有効巻線長LによりF=ηIBL(η≒0.9の効
率係数)の駆動力を発生する。
いる。この位置検出センサPはLED34とスリット4
5及びPSD35により構成されている。なお、同図は
説明を簡単にするために、本実施例構成とは僅かに相違
している。まず、この駆動系の駆動原理を述べると、ア
クチュエータ29はムービングコイル方式であり、コイ
ル46に流す電流Iと、磁気回路47の磁束密度B、コ
イルの有効巻線長LによりF=ηIBL(η≒0.9の効
率係数)の駆動力を発生する。
【0131】この駆動力によって、ガイド軸48、49
に沿って上下方向に手ブレ補正レンズGは動作その補正
レンズGの上にはLED34とスリット45が一体で搭
載されており、補正レンズGの動作に対応して移動す
る。すなわち、スリット45から放出される光が補正レ
ンズGの動作と同じである。その光の移動を固定側のP
SD35で検出する方式である。
に沿って上下方向に手ブレ補正レンズGは動作その補正
レンズGの上にはLED34とスリット45が一体で搭
載されており、補正レンズGの動作に対応して移動す
る。すなわち、スリット45から放出される光が補正レ
ンズGの動作と同じである。その光の移動を固定側のP
SD35で検出する方式である。
【0132】ここで、図27により、一次元検出用PS
Dの位置検出原理を説明する。PSDの中心より右側に
x離れた位置に光の重心が当たっている場合、各極から
得られる出力電流と、x、Lの関係は下記数式30に示
す関係となる。また、その電流を電流/電圧変換した電
圧Vx1,Vx2を用いても、下記数式31の関係を得るこ
とが可能である。ここで、Vx1+Vx2を固定した場合、
Vx1',Vx2'とxとの関係は下記数式32となる。本実
施例ではこの原理を利用している。
Dの位置検出原理を説明する。PSDの中心より右側に
x離れた位置に光の重心が当たっている場合、各極から
得られる出力電流と、x、Lの関係は下記数式30に示
す関係となる。また、その電流を電流/電圧変換した電
圧Vx1,Vx2を用いても、下記数式31の関係を得るこ
とが可能である。ここで、Vx1+Vx2を固定した場合、
Vx1',Vx2'とxとの関係は下記数式32となる。本実
施例ではこの原理を利用している。
【0133】
【数式30】
【0134】
【数式31】
【0135】
【数式32】
【0136】次に、図28に示した駆動制御ICの説明
に入るが、その前に駆動制御系に与えられた目標スペッ
クを下記表5に示す。これは手ブレ補正カメラとして、
トータルでフィルム面上のブレを60μmの幅以下に抑
えるために、駆動制御系に与えられた目標スペックであ
る。
に入るが、その前に駆動制御系に与えられた目標スペッ
クを下記表5に示す。これは手ブレ補正カメラとして、
トータルでフィルム面上のブレを60μmの幅以下に抑
えるために、駆動制御系に与えられた目標スペックであ
る。
【0137】表5において、総移動量±2mm(光軸上)
は、±1.5°の手ブレを補正させるために移動しなけれ
ばならない移動量である。すなわち、レンズが2mm動作
したときに補正レンズを通る光が1.5°屈折される。光
軸上の総移動量±2mm(4mm幅)と、位置検出部の総移動
量±1mm(2mm幅)が異なるのは、本実施例が図29に示
す補正レンズ部の構成を採用しているためである。
は、±1.5°の手ブレを補正させるために移動しなけれ
ばならない移動量である。すなわち、レンズが2mm動作
したときに補正レンズを通る光が1.5°屈折される。光
軸上の総移動量±2mm(4mm幅)と、位置検出部の総移動
量±1mm(2mm幅)が異なるのは、本実施例が図29に示
す補正レンズ部の構成を採用しているためである。
【0138】
【表5】
【0139】図29にしたがって、その利点を述べる。
まず、この補正レンズGの駆動原理であるが、この手ブ
レ補正レンズGは左右方向のブレを補正するレンズであ
って、その動きを実線図と1点鎖線図で示している。ま
た、スムーズに動くことを優先させるためにレンズ回転
中心を軸として回転駆動するメカニズムとなっている。
光軸中心はレンズ回転中心より2Rの距離だけ離れてお
り、位置検出部はRの距離だけ離れている。この構成で
光軸中心の移動量x1と、位置検出部の移動量x2の関係
はレンズが角度θだけ回転する場合、x1=2Rtanθ、
x2=Rtanθであり、故に、x2=(1/2)x1となる。
まず、この補正レンズGの駆動原理であるが、この手ブ
レ補正レンズGは左右方向のブレを補正するレンズであ
って、その動きを実線図と1点鎖線図で示している。ま
た、スムーズに動くことを優先させるためにレンズ回転
中心を軸として回転駆動するメカニズムとなっている。
光軸中心はレンズ回転中心より2Rの距離だけ離れてお
り、位置検出部はRの距離だけ離れている。この構成で
光軸中心の移動量x1と、位置検出部の移動量x2の関係
はレンズが角度θだけ回転する場合、x1=2Rtanθ、
x2=Rtanθであり、故に、x2=(1/2)x1となる。
【0140】したがって、光軸上で±1.5°(移動量で±
2mm)の手ブレ補正をする場合でも、位置検出部Pでの移
動量は±1mmとなる。±1mm(2mm幅)の位置を検出するた
めには、位置検出部Pの取付精度を考えた場合でも、1
×3.5mm程度のPSDを使用すれば、充分な検出幅を得
ることができる。
2mm)の手ブレ補正をする場合でも、位置検出部Pでの移
動量は±1mmとなる。±1mm(2mm幅)の位置を検出するた
めには、位置検出部Pの取付精度を考えた場合でも、1
×3.5mm程度のPSDを使用すれば、充分な検出幅を得
ることができる。
【0141】図28に戻って、駆動制御ICの各ブロッ
クの役割を説明する。この制御用ICはG1レンズ補正
用と、G2レンズ補正用を同一チップ上に搭載した型に
なっている。入力信号を与える側としてμCOM4で演
算されたゲインに対応した電圧をモータに与えるデバイ
スとしてモータドライブ用IC50が配置されており、
駆動用モータMa、Mbを回転させて各補正レンズG
1、G2を駆動する。
クの役割を説明する。この制御用ICはG1レンズ補正
用と、G2レンズ補正用を同一チップ上に搭載した型に
なっている。入力信号を与える側としてμCOM4で演
算されたゲインに対応した電圧をモータに与えるデバイ
スとしてモータドライブ用IC50が配置されており、
駆動用モータMa、Mbを回転させて各補正レンズG
1、G2を駆動する。
【0142】駆動制御用ICの上側がG1レンズ補正
用、下側がG2レンズ補正用であり、ほぼ同一の構成と
なっているので、G2レンズ補正用の下側を中心に説明
する。なお、図28において、G1レンズ補正用の上側
の構成には、下側の同一構成と末尾符号のみbからaに
代えて付している。
用、下側がG2レンズ補正用であり、ほぼ同一の構成と
なっているので、G2レンズ補正用の下側を中心に説明
する。なお、図28において、G1レンズ補正用の上側
の構成には、下側の同一構成と末尾符号のみbからaに
代えて付している。
【0143】最初に位置検出部について説明する。51
bはポジションセンサ用のLEDであり、スリットを通
して、PSD52bに光を放射する。PSD52bはそ
の光を受けるものであり、PSD逆バイアス発生部53
bによって逆バイアス電圧が印加されている。
bはポジションセンサ用のLEDであり、スリットを通
して、PSD52bに光を放射する。PSD52bはそ
の光を受けるものであり、PSD逆バイアス発生部53
bによって逆バイアス電圧が印加されている。
【0144】Ib1,Ib2はG2レンズの位置に対応した
電流であり、I/V変換器54b、55bにて電流/電
圧変換して電圧に変換される(Vb1,Vb2)。次に、Vb1
+Vb2を一定にするために、加算器56bにてVb1+V
b2の信号を得る。57bはLED電流制御ブロックであ
り、Vbt=Vb1+Vb2が所定値、例えば−5Vから変化
すれば、その差に対応した電流をLEDドライブ電流に
加算または減算させることにより、LED51bの光
量、すなわちVbtを一定に保つ。
電流であり、I/V変換器54b、55bにて電流/電
圧変換して電圧に変換される(Vb1,Vb2)。次に、Vb1
+Vb2を一定にするために、加算器56bにてVb1+V
b2の信号を得る。57bはLED電流制御ブロックであ
り、Vbt=Vb1+Vb2が所定値、例えば−5Vから変化
すれば、その差に対応した電流をLEDドライブ電流に
加算または減算させることにより、LED51bの光
量、すなわちVbtを一定に保つ。
【0145】Gb{Vbt−(−5)}+Ie0=Ie 但し、Ie0:PSDの光電流の総和が−5Vとなるため
のLEDドライブ用の基準電流、 Ie:実際のLEDドライブ電流、 Gb:電圧差(光電流差)に対するゲイン。
のLEDドライブ用の基準電流、 Ie:実際のLEDドライブ電流、 Gb:電圧差(光電流差)に対するゲイン。
【0146】減算器58bでは、Vbtが一定になってい
ることから前記数式31の原理を利用してVb1−Vb2を
求めることでG2レンズの位置情報を得る。59bは目
標位置電圧信号Vbxtと実際のレンズ位置電圧信号Vbxn
の対応をとるための電圧変換(V/V変換)部であり、V
/V変換部59bを通った後の信号が補正レンズG2の
位置情報信号−Vbxnとなっている。
ることから前記数式31の原理を利用してVb1−Vb2を
求めることでG2レンズの位置情報を得る。59bは目
標位置電圧信号Vbxtと実際のレンズ位置電圧信号Vbxn
の対応をとるための電圧変換(V/V変換)部であり、V
/V変換部59bを通った後の信号が補正レンズG2の
位置情報信号−Vbxnとなっている。
【0147】次に、目標位置信号の出力について述べる
と、μCOM4からの目標位置信号はD/Aコンバータ
60、S/H部(サンプルホールド部)61a、61
b、LPF62a、62bを通してVaxt,Vbxt
の目標位置信号として回路上に伝達される。
と、μCOM4からの目標位置信号はD/Aコンバータ
60、S/H部(サンプルホールド部)61a、61
b、LPF62a、62bを通してVaxt,Vbxt
の目標位置信号として回路上に伝達される。
【0148】ここで、本実施例の手ブレ補正の全体的な
流れを確認すると、手ブレ補正1回のサイクルは、図3
0のフローチャートに示すように、ステップ#105で
手ブレ補正動作スタート後、ステップ#110でブレ量
検出を行い、ステップ#115で予測駆動演算を行う。
また、ステップ#120で係数変換部19を通って、補
正レンズG1、G2の補正目標位置axt,bxtが各
々求められ、その結果をステップ#125で駆動制御回
路に出力するシーケンスとなっている。
流れを確認すると、手ブレ補正1回のサイクルは、図3
0のフローチャートに示すように、ステップ#105で
手ブレ補正動作スタート後、ステップ#110でブレ量
検出を行い、ステップ#115で予測駆動演算を行う。
また、ステップ#120で係数変換部19を通って、補
正レンズG1、G2の補正目標位置axt,bxtが各
々求められ、その結果をステップ#125で駆動制御回
路に出力するシーケンスとなっている。
【0149】このシーケンスにおいて、手ブレ補正を実
現させるためには、手ブレ駆動制御回路にD/Aコンバ
ータを2つ搭載して、次の検出結果が演算されるまで、
その出力を保持しておく方法は容易に考えられる。しか
し、総移動量4mm(位置検出部で2mm)の間を1/100
0の精度で検出し、位置制御精度として1/250の性
能を達成するためには、1/250の出力精度では不充
分である。
現させるためには、手ブレ駆動制御回路にD/Aコンバ
ータを2つ搭載して、次の検出結果が演算されるまで、
その出力を保持しておく方法は容易に考えられる。しか
し、総移動量4mm(位置検出部で2mm)の間を1/100
0の精度で検出し、位置制御精度として1/250の性
能を達成するためには、1/250の出力精度では不充
分である。
【0150】この結果、出力用D/Aコンバータの精度
としては最低でも1/1000の精度が求められる。こ
の精度を満足するD/Aコンバータは最低で10bit且
つ単調増加性があるタイプか、あるいは12bit以上の精
度のタイプとなる。この場合、10bit以上のD/Aコ
ンバータは高コスト且つIC化した場合の面積が大きい
という問題点が発生する。本実施例のS/H回路を使う
タイプでは、このような問題点を解決することが可能と
なる。
としては最低でも1/1000の精度が求められる。こ
の精度を満足するD/Aコンバータは最低で10bit且
つ単調増加性があるタイプか、あるいは12bit以上の精
度のタイプとなる。この場合、10bit以上のD/Aコ
ンバータは高コスト且つIC化した場合の面積が大きい
という問題点が発生する。本実施例のS/H回路を使う
タイプでは、このような問題点を解決することが可能と
なる。
【0151】そのシーケンスを図31のフローチャート
に示す。これは図30における目標位置信号出力の内容
を詳細に説明するものである。ステップ#205でこの
サブルーチンがコールされると、ステップ#210で補
正レンズG1に対してデータを出力するために、S/H
回路61aをサンプリング状態にセットする。
に示す。これは図30における目標位置信号出力の内容
を詳細に説明するものである。ステップ#205でこの
サブルーチンがコールされると、ステップ#210で補
正レンズG1に対してデータを出力するために、S/H
回路61aをサンプリング状態にセットする。
【0152】次に、ステップ#215でD/Aコンバー
タに対してG1補正レンズの目標位置であるaxtのデ
ィジタル信号を出力する。この結果、10bitD/Aコ
ンバータ60を通った後、S/H回路61aを通ってL
PF62aに伝達され、高周波成分がカットされてVa
xtの目標位置を示す電圧信号としてG1用モータゲイ
ン設定部63a〜67aに出力される。
タに対してG1補正レンズの目標位置であるaxtのデ
ィジタル信号を出力する。この結果、10bitD/Aコ
ンバータ60を通った後、S/H回路61aを通ってL
PF62aに伝達され、高周波成分がカットされてVa
xtの目標位置を示す電圧信号としてG1用モータゲイ
ン設定部63a〜67aに出力される。
【0153】ステップ#220はaxt信号を正しく設
定するためのS/H回路61aの出力安定待ちである。
次に、ステップ#225でS/H回路61aをホールド
状態に設定する。これにより次回S/H回路61aをサ
ンプリング状態に設定するまでは目標位置信号はVax
tのまま保持される。次に、補正レンズG2に目標位置
データVbxtを出力する。
定するためのS/H回路61aの出力安定待ちである。
次に、ステップ#225でS/H回路61aをホールド
状態に設定する。これにより次回S/H回路61aをサ
ンプリング状態に設定するまでは目標位置信号はVax
tのまま保持される。次に、補正レンズG2に目標位置
データVbxtを出力する。
【0154】ステップ#230〜ステップ#245まで
は、ステップ#210〜ステップ#225までの操作を
G2のS/H回路61b、LPF62bに対して実行し
ている。その結果、目標位置データVbxtがG2用モ
ータゲイン設定部63b〜67bに出力されて、次の目
標位置が演算されるまではVbxtは保持される。
は、ステップ#210〜ステップ#225までの操作を
G2のS/H回路61b、LPF62bに対して実行し
ている。その結果、目標位置データVbxtがG2用モ
ータゲイン設定部63b〜67bに出力されて、次の目
標位置が演算されるまではVbxtは保持される。
【0155】次に、ゲイン設定回路について説明する。
目標位置信号電圧Vbxt、現在位置信号電圧Vbxn
に対して、加算回路65bで位置偏差を演算して最適な
ゲインGbxをV/V回路66bで設定する。一方、微
分回路63bを通った目標位置信号は、目標速度信号V
vtbに変換され、微分回路64bでは−Vvnbが出
力される。速度差信号に最適なゲインGbvをV/V回
路67bで設定してドライブIC50に電圧信号として
伝達する。ここでの最適なゲインGbx、Gbvとは、
目標スペック以内の応答遅れで高速に応答し、且つ、外
乱が入った場合でも発振しないゲインである。
目標位置信号電圧Vbxt、現在位置信号電圧Vbxn
に対して、加算回路65bで位置偏差を演算して最適な
ゲインGbxをV/V回路66bで設定する。一方、微
分回路63bを通った目標位置信号は、目標速度信号V
vtbに変換され、微分回路64bでは−Vvnbが出
力される。速度差信号に最適なゲインGbvをV/V回
路67bで設定してドライブIC50に電圧信号として
伝達する。ここでの最適なゲインGbx、Gbvとは、
目標スペック以内の応答遅れで高速に応答し、且つ、外
乱が入った場合でも発振しないゲインである。
【0156】経時変化等の変化を補正するための補正係
数KM、Lについて説明する。この補正係数はメカニカ
ルな経時変化、回路信号の経時変化等によって目標位置
信号と、実際の補正レンズの位置が変化した場合でも、
目標位置信号を自動的に補正して正しいレンズ位置にレ
ンズを制御する変換係数である。
数KM、Lについて説明する。この補正係数はメカニカ
ルな経時変化、回路信号の経時変化等によって目標位置
信号と、実際の補正レンズの位置が変化した場合でも、
目標位置信号を自動的に補正して正しいレンズ位置にレ
ンズを制御する変換係数である。
【0157】図32に補正レンズG1の補正係数の関係
を示す。ePa,eMaは補正範囲の中心からメカニカルな
当たり位置までの距離であり、今回の場合は、epa=+
2mm、ema=−2mmとなっている。axt1は+側のメカ
ニカル当たり位置ePaに達したときにD/Aより回路に
出力されている。目標位置信号axt2は−側のメカニカ
ル当たり位置eMaに達したときの目標位置信号である。
ePa、eMa、axt1、axt2の関係より、実際に制御した
い位置axnと目標位置としてD/Aより出力する信号a
xtは下記数式33により表すことが可能となる。
を示す。ePa,eMaは補正範囲の中心からメカニカルな
当たり位置までの距離であり、今回の場合は、epa=+
2mm、ema=−2mmとなっている。axt1は+側のメカ
ニカル当たり位置ePaに達したときにD/Aより回路に
出力されている。目標位置信号axt2は−側のメカニカ
ル当たり位置eMaに達したときの目標位置信号である。
ePa、eMa、axt1、axt2の関係より、実際に制御した
い位置axnと目標位置としてD/Aより出力する信号a
xtは下記数式33により表すことが可能となる。
【0158】
【数33】
【0159】経時変化補正係数の具体的な求め方につい
て説明する。図33、図34に全体的な流れを示す。本
実施例では、(1) カメラの電源がON状態に設定された
場合と(ステップ#305)、(2)所定時間スリープ状態
(低消費電力化のために眠った状態)になった後の起動時
(ステップ#310)に経時変化変換係数を求める構成と
なっている。
て説明する。図33、図34に全体的な流れを示す。本
実施例では、(1) カメラの電源がON状態に設定された
場合と(ステップ#305)、(2)所定時間スリープ状態
(低消費電力化のために眠った状態)になった後の起動時
(ステップ#310)に経時変化変換係数を求める構成と
なっている。
【0160】(1)または(2)の起動後、μCOM4を起動
し、μCOM出力の安定待ちをする(ステップ#31
5、#320)。次に、レンズを停止状態に保ったまま
で、PSDの出力電圧(実際にはA/Dコンバータの出
力)がほぼ安定した出力を出すまで待つ(ステップ#32
5)、その後補正レンズG1、G2の経時変化補正係数
を測定する(ステップ#330、#335)。
し、μCOM出力の安定待ちをする(ステップ#31
5、#320)。次に、レンズを停止状態に保ったまま
で、PSDの出力電圧(実際にはA/Dコンバータの出
力)がほぼ安定した出力を出すまで待つ(ステップ#32
5)、その後補正レンズG1、G2の経時変化補正係数
を測定する(ステップ#330、#335)。
【0161】図35に補正レンズG1の経時変化補正係
数の詳細な求め方を示す。このサブルーチンがコールさ
れると、最初は+方向の終端を求めるためシーケンスを
実行する。axt1に1mmを設定し、その値をD/Aより
出力する(ステップ#405、#410)。実際にレン
ズが駆動されて目標位置に到達するまでの10msの時間
待ちの後、A/Dコンバータより実際の位置信号を入力
する(ステップ#415、#420)。
数の詳細な求め方を示す。このサブルーチンがコールさ
れると、最初は+方向の終端を求めるためシーケンスを
実行する。axt1に1mmを設定し、その値をD/Aより
出力する(ステップ#405、#410)。実際にレン
ズが駆動されて目標位置に到達するまでの10msの時間
待ちの後、A/Dコンバータより実際の位置信号を入力
する(ステップ#415、#420)。
【0162】この値を変数mに入力し、前回の目標位置
(この場合では1/1000mm小さい値)を出力したときのA/
D値nと比較する(ステップ#425、#430)。前回
の値nと今回の値mが等しい場合は、その位置を終端と
判定して−側の終端の検出に移るが、値が異なる場合は
未だ終端に到達していないので、mをnに代入し、a
xt1に1/1000mmを加算してD/Aの出力信号とするシー
ケンスを繰り返す(ステップ#435、#440)。
(この場合では1/1000mm小さい値)を出力したときのA/
D値nと比較する(ステップ#425、#430)。前回
の値nと今回の値mが等しい場合は、その位置を終端と
判定して−側の終端の検出に移るが、値が異なる場合は
未だ終端に到達していないので、mをnに代入し、a
xt1に1/1000mmを加算してD/Aの出力信号とするシー
ケンスを繰り返す(ステップ#435、#440)。
【0163】次に、+側の終端に到達した後の−側の終
端での処理について説明する。基本的には+終端の場合
と同様である。axt2に−1mmを代入し、axt2をD/A
より出力する(ステップ#445、#450)。時間待ち
10msの後、A/Dコンバータよりaxn2信号を入力し、
mに代入して前回の目標位置信号のときの値nと同一で
あれば終端と判定する。等しくなければ未だ終端ではな
いので、axt2信号に(axt2−1/1000) を代入してD/
Aコンバータより出力するループを繰り返す(ステップ
#455〜#480)。−側の終端に到達した後は、前
記数式33に示すLa,KMaを求めるためにステップ#
485、#490の演算を実行する。この処理を終えて
ステップ#495でリターンする。
端での処理について説明する。基本的には+終端の場合
と同様である。axt2に−1mmを代入し、axt2をD/A
より出力する(ステップ#445、#450)。時間待ち
10msの後、A/Dコンバータよりaxn2信号を入力し、
mに代入して前回の目標位置信号のときの値nと同一で
あれば終端と判定する。等しくなければ未だ終端ではな
いので、axt2信号に(axt2−1/1000) を代入してD/
Aコンバータより出力するループを繰り返す(ステップ
#455〜#480)。−側の終端に到達した後は、前
記数式33に示すLa,KMaを求めるためにステップ#
485、#490の演算を実行する。この処理を終えて
ステップ#495でリターンする。
【0164】図36に補正レンズG2の経時変化補正係
数の詳細な求め方を示す。流れとしては図35に示す補
正レンズG1の場合とほぼ同一であるので、重複を避け
るために説明は省略するが、このサブルーチンにより下
記数式34に示す通り、Lb,KMbが算出される。
数の詳細な求め方を示す。流れとしては図35に示す補
正レンズG1の場合とほぼ同一であるので、重複を避け
るために説明は省略するが、このサブルーチンにより下
記数式34に示す通り、Lb,KMbが算出される。
【0165】
【数34】
【0166】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるとき
は、像ブレを検出する固体撮像素子の検出精度を予測す
るのに、撮像素子の受光面上に結像した被写体像の輝度
変化の方向を用いることにより、正確な検出精度の予測
が可能となった。そして、充分に検出精度が高いと予測
された固体撮像素子の一部の所定領域のみを用いて像ブ
レ検出を行うことにより、少ない演算量でより高精度な
像ブレ検出が可能となった。
は、像ブレを検出する固体撮像素子の検出精度を予測す
るのに、撮像素子の受光面上に結像した被写体像の輝度
変化の方向を用いることにより、正確な検出精度の予測
が可能となった。そして、充分に検出精度が高いと予測
された固体撮像素子の一部の所定領域のみを用いて像ブ
レ検出を行うことにより、少ない演算量でより高精度な
像ブレ検出が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るブレ補正機能付カメラの実施例
における手ブレ補正システムの全体構成を模式的に示す
ブロック図。
における手ブレ補正システムの全体構成を模式的に示す
ブロック図。
【図2】 ブレ検出系の構成を模式的に示すブロック
図。
図。
【図3】 ブレ検出センサの受光面を示す模式図。
【図4】 基準データ及び参照データの画像データを示
す模式図。
す模式図。
【図5】 像ブレ量の相関値の分布の様子を等高線で表
した模式図。
した模式図。
【図6】 一次元の補間演算によって得られた座標を示
す模式図。
す模式図。
【図7】 二次元の補間演算を説明するための模式図。
【図8】 複数の画素から単の一データを算出する演算
を説明するための模式図。
を説明するための模式図。
【図9】 基準データのみを用いた自己相関演算により
2線の座標を模擬的に算出する演算を説明するための模
式図。
2線の座標を模擬的に算出する演算を説明するための模
式図。
【図10】 参照データの抽出時における演算を説明す
るための模式図。
るための模式図。
【図11】 像ブレ検出、補正の流れの一例を示す線
図。
図。
【図12】 像ブレ量と時間との関係の一例を示す線
図。
図。
【図13】 手ブレ補正システム全体のシーケンスを示
すフローチャート。
すフローチャート。
【図14】 駆動装置の基本となる駆動ユニットの構成
を概略的に示す縦断側面図。
を概略的に示す縦断側面図。
【図15】 補正レンズの支持機構を示す正面図。
【図16】 その縦断側面図。
【図17】 玉枠とピニオンとの係合の一態様を示す斜
視図。
視図。
【図18】 玉枠とピニオンとの係合の他の態様を示す
斜視図。
斜視図。
【図19】 本実施例のレンズ駆動装置を示す正面図。
【図20】 図19における切断線X−Xに沿う断面
図。
図。
【図21】 図19における切断線Y−Yに沿う断面
図。
図。
【図22】 レンズ駆動装置の変形例を示す斜視図。
【図23】 基本位置における前後の補正レンズの状態
を示す正面図。
を示す正面図。
【図24】 反時計回り方向に回転した前後両方の補正
レンズの状態を示す正面図。
レンズの状態を示す正面図。
【図25】 駆動制御ブロックを示す回路図。
【図26】 位置検出センサの構成を示す正面図。
【図27】 一次元検出用PSDの位置検出原理を説明
するための模式図。
するための模式図。
【図28】 駆動制御ICを示すブロック図。
【図29】 補正レンズ部の構成を示す正面図。
【図30】 参照データの抽出時における演算を説明す
るための模式図。
るための模式図。
【図31】 手ブレ補正のサイクルを示すフローチャー
ト。
ト。
【図32】 目標位置信号出力のサブルーチンを示すフ
ローチャート。
ローチャート。
【図33】 経時変化補正係数の求め方を示す模式図。
【図34】 経時変化補正係数の求め方を示すフローチ
ャート。
ャート。
【図35】 前側補正レンズの経時変化補正係数の求め
方のサブルーチンを示すフローチャート。
方のサブルーチンを示すフローチャート。
【図36】 後側補正レンズの経時変化補正係数の求め
方のサブルーチンを示すフローチャート。
方のサブルーチンを示すフローチャート。
1 カメラ本体 2 光学系 3a,3b 駆動回路 4 μCOM 5 ブレ検出センサ 6 撮像部 12 検出系レンズ 19 係数変換部 G1,G2 補正レンズ P 位置検出センサ
フロントページの続き (72)発明者 林 宏太郎 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大 阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−292973(JP,A) 特開 平5−130489(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/232
Claims (1)
- 【請求項1】 被写体像を結像させるための光学系と、
被写体像の光を電気信号に変換する固体撮像素子と、前
記固体撮像素子の出力に基づいてカメラ本体と被写体像
との相対的なブレを検出するブレ検出手段と、前記ブレ
検出手段の検出したブレ量によってカメラ本体と被写体
像との相対的なブレを補正するブレ補正手段とを含むブ
レ補正機能付カメラであって、前記固体撮像素子は複数
の所定領域を有しており、前記ブレ検出手段は、前記所
定領域各々における被写体像の輝度変化の方向に基づい
て像ブレ量演算の2次元の補間演算精度の優劣を決定す
る要素を算出することにより前記固体撮像素子の一部の
前記所定領域を指定し、その一部の前記所定領域に対応
する出力のみを使ってブレを検出することを特徴とする
ブレ補正機能付カメラ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18505894A JP3339191B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | ブレ補正機能付カメラ |
US08/512,646 US6407771B1 (en) | 1994-08-08 | 1995-08-08 | Camera having an image shift detecting function |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18505894A JP3339191B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | ブレ補正機能付カメラ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0851566A JPH0851566A (ja) | 1996-02-20 |
JP3339191B2 true JP3339191B2 (ja) | 2002-10-28 |
Family
ID=16164073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18505894A Expired - Fee Related JP3339191B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | ブレ補正機能付カメラ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6407771B1 (ja) |
JP (1) | JP3339191B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
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JP3757573B2 (ja) * | 1997-09-09 | 2006-03-22 | コニカミノルタフォトイメージング株式会社 | 振れ補正機能付きカメラ |
US6137956A (en) * | 1997-10-02 | 2000-10-24 | Minolta Co., Ltd. | Shake detecting/correcting device for use in an optical apparatus and a shake detecting/correcting method |
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US8289399B2 (en) * | 2004-08-09 | 2012-10-16 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | System and method for image capture device |
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JP4840426B2 (ja) * | 2008-09-24 | 2011-12-21 | ソニー株式会社 | 電子機器、ぼけ画像選別方法及びプログラム |
JP5121674B2 (ja) * | 2008-11-04 | 2013-01-16 | キヤノン株式会社 | 撮像装置 |
KR101593999B1 (ko) * | 2009-10-30 | 2016-02-15 | 삼성전자주식회사 | 카메라의 흔들림 보정장치 |
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CN115514896B (zh) * | 2022-11-01 | 2023-04-07 | 季华实验室 | 面阵相机像移补偿方法、装置、系统与可读存储介质 |
Family Cites Families (17)
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---|---|---|---|---|
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