JP2666456B2 - 自動焦点調節機能付きのカメラ - Google Patents

自動焦点調節機能付きのカメラ

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JP2666456B2
JP2666456B2 JP1031815A JP3181589A JP2666456B2 JP 2666456 B2 JP2666456 B2 JP 2666456B2 JP 1031815 A JP1031815 A JP 1031815A JP 3181589 A JP3181589 A JP 3181589A JP 2666456 B2 JP2666456 B2 JP 2666456B2
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正隆 浜田
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賢司 石橋
寿夫 糊田
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ミノルタ株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動焦点調節機能付きのカメラに関するも
のであり、AF1眼レフカメラに特に適するものである。 (従来の技術) 従来、自動焦点調節機能付きのカメラにおいて、前回
と今回のデフォーカス方向が同一であるときには、被写
体が動いていると判定し、被写体の速度に合わせてレン
ズを駆動する追随制御を行うことが提案されている(特
開昭62−125311号公報)。しかしながら、この従来例に
あっては、今回の焦点検出結果が異常又は不明である場
合の対策については開示されていない。 (発明が解決しようとする問題点) 自動焦点調節機能付きのカメラは、基本的には、最初
に焦点が合ったところで焦点調節がロックされるワンシ
ョットAFモードを装備している。このワンショットAFモ
ードを用いる場合には、焦点が合うまではシャッターが
切れないフォーカス優先レリーズモードが併用されるこ
とが多い。ところで、ワンショットAFモードでフォーカ
ス優先レリーズモードを用いている場合においても、な
お、被写体にピントが合わない場合がある。これは、例
えば被写体が遠近方向に動いている場合には、レリーズ
するまでに被写体が合焦位置からずれるからである。 そこで、上述の従来技術のように、複数回の焦点検出
を行い、被写体が動体(動的被写体)であると判定され
たときには、被写体の移動速度を算出し、今回のデフォ
ーカス量と被写体の移動速度とから、次回焦点検出図に
おける焦点位置を予測し、予定焦点位置へレンズ駆動を
行う追随モードを採用することが提案されている。この
追随モードを用いれば、レンズ駆動後の焦点検出結果は
デフォーカス量がほぼゼロとなるはずである。しかしな
がら、撮影者の手振れ等により動体が焦点検出エリアか
ら外れると、デフォーカス量が著しく大きくなったり、
焦点検出不能となる場合がある。このような場合にレリ
ーズ要求があったときには、今回のデフォーカス量が異
常又は不明であるために、正しい追随制御を行うことが
できず、シャッターチャンスを逃す恐れがあった。 本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、被写体の移動速度に合わせて
レンズ駆動を行う追随モードを備えた自動焦点調節機能
付きのカメラにおいて、シャッターチャンスを逃す恐れ
を少なくし、常に合焦状態に近い写真を撮影可能とする
ことにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明にあっては、上記の問題点を解決するために、
第1図に示すように、焦点を合わせるべき被写体に対す
るレンズの焦点状態を検出し、デフォーカス量を示す信
号を出力する焦点検出手段(1)と、複数回のデフォー
カス量を用いて被写体の移動速度を算出する移動速度算
出手段(2)と、今回のデフォーカス量と被写体の移動
速度から次回の焦点検出時にデフォーカス量をゼロとす
るためのレンズ駆動量を算出するレンズ駆動量算出手段
(3)と、前記レンズ駆動量に応じてレンズ駆動を行う
レンズ駆動手段(4)とを備えるカメラにおいて、レン
ズ駆動量算出手段(3)は、焦点検出手段(1)により
検出されたデフォーカス量が所定値よりも大きいとき、
又は焦点検出手段(1)による焦点検出が不可能なとき
に、所定回数までは、今回の焦点検出結果は合焦状態と
みなしてレンズ駆動量を算出すると共に、所定回数以上
であれば、被写体の移動速度に基づくレンズ駆動は行わ
ないことを特徴とするものである。 なお、焦点検出手段(1)の焦点検出結果に基づいて
被写体が合焦か否かを判定する合焦判定手段(5)と、
被写体が合焦であると判定されたときに、レリーズ要求
を許可するレリーズ許可手段(6)とを更に備えること
が好ましい。 ただし、第1図は本発明の構成を機能的にブロック化
して示した説明図であり、後述の実施例においては、手
段(1)乃至(6)の全部又は一部をマイクロコンピュ
ータのプログラムによって実現している。 (作用) 以下、本発明の作用を第1図により説明する。焦点検
出手段(1)では、焦点を合わせるべき被写体に対する
レンズの焦点状態を検出し、焦点状態を示すデフォーカ
ス量DFを出力する。このデフォーカス量DFは、その大き
さが焦点ずれ量を表し、その符号が焦点ずれの方向を示
すような信号である。移動速度算出手段(2)では、複
数回のデフォーカス量を用いて被写体の移動速度Vを算
出する。この被写体の移動速度と今回のデフォーカス量
とから、レンズ駆動量算出手段(3)により、次回の焦
点検出時にデフォーカス量をゼロとするためのレンズ駆
動量を算出する。このレンズ駆動量に応じて、レンズ駆
動手段(4)は、レンズを駆動する。ところで、撮影者
の手振れ等により動体が焦点検出エリアから外れると、
焦点検出手段(1)により検出されたデフォーカス量が
所定値よりも大きくなったり、焦点検出手段(1)によ
る焦点検出が不可能となることがある。このような場合
には、今回のデフォーカス量が異常又は不明であるとい
うことになるが、本発明では、追随制御によって主被写
体に対してはピントが合っているはずであるという考え
から、所定回数までは、今回の焦点検出結果は合焦状態
と仮定して、レンズ駆動量算出手段(3)でレンズ駆動
量を算出し、レンズ駆動を継続する。したがって、主被
写体の移動速度が変化していなければ、常に合焦状態を
保つことができる。 また、所定回数以上、今回のデフォーカス量が異常又
は不明である状態が続けば、被写体の移動速度に基づく
レンズ駆動は行わない。 本発明はこのように作用するので、今回の焦点検出が
異常又は不能であっても、追随制御を継続しながら、レ
リーズ要求に応えることができ、したがって、シャッタ
ーチャンスを逃す恐れが少なく、常に合焦状態に近い写
真を撮影することが可能である。 なお、本発明は常にレリーズ要求が許可されているこ
とを前提としているが、合焦判定手段(5)とレリーズ
許可手段(6)を更に付け加えて、合焦判定手段(5)
により合焦と判定されれば、レリーズ許可手段(6)に
よりレリーズ要求を許可するように構成すれば、撮影さ
れた写真は常に合焦状態であることが保証される。 本発明のさらに詳細な構成及び動作については、以下
に述べる実施例の説明において一層明らかとされる。実
施例においては、第8図の#71のステップによりレンズ
駆動量算出手段(3)を実現しており、今回のデフォー
カス量が異常又は不明であるときに、今回のデフォーカ
ス量をゼロに設定する処理は、同図の#76,#77,#89の
ステップにより実現している。また、第9図の#95のス
テップにより移動速度算出手段(2)を実現している。 (実施例) 第2図は本発明の一実施例に係るカメラのハードウェ
アを示すブロック図である。図において、(21)はカメ
ラのAF制御用のマイクロコンピュータ(以下、マイコン
と称す)である。(22)はAF用のCCDイメージセンサで
あり、マイコン(21)より積分開始信号φICGを受信す
ると積分を開始し、積分終了後、各画素の出力をA/D変
換してマイコン(21)へ送信する。マイコン(21)はCC
Dイメージセンサ(22)より送信される各画素の出力を
基に演算を行い、被写体像の焦点のずれ量(デフォーカ
ス量)を算出する。マイコン(21)は被写体のデフォー
カス量を算出した後、これをゼロとするようにレンズの
駆動を行う。ここで、レンズの駆動量とデフォーカス量
の関係を示す変換係数kはレンズによって異なっている
ため、変換係数kは各レンズ内に組み込まれたレンズ回
路(25)に記憶されている。マイコン(21)はレンズ回
路(25)より変換係数kの値を読み込み、算出されたデ
フォーカス量に変換係数kを乗ずることにより、レンズ
駆動に要するパルス数を算出する。マイコン(21)はレ
ンズ駆動用のAFモータ制御部(23)に対し、算出された
パルス数を送信し、AFモータ制御部(23)はレンズ駆動
用のAFモータ(24)に対し、マイコン(21)から送信さ
れたパルス数分の駆動を行わせる。 (26)は表示部であり、第3図に示される図形の表示
がなされる。第3図において、LED(26A)は合焦、合焦
不能の表示を行う。すなわち、デフォーカス量が算出さ
れ、レンズ駆動後、合焦していた場合には、LED(26A)
は緑色に点灯し、撮影者に合焦を告知する。また、後述
する理由によりデフォーカス量が算出されなかった場合
には、LED(26A)は赤色に点滅し、撮影者に合焦不能を
告知する。さらに、LED(26B)及び(26C)は本実施例
におけるカメラの撮影モードの切り換えを示す表示であ
る。被写体が静止している場合には、合焦後焦点位置は
固定され、フォーカスロックモードの撮影となり、LED
(26B)が点灯する。一方、被写体が動いている場合に
は、被写体の動きを追随し、常に合焦状態を保つ追随モ
ードの撮影となり、LED(26C)が点灯する。 第2図において、(S1)はレリーズ釦(図示せず)が
第1ストロークまで押下されるとONになるスイッチであ
る。スイッチ(S1)がONになると、後述の割り込みポー
ト(INT1)による割り込み処理が実行され、AF動作が行
われる。また、(S2)は、レリーズ釦が第1ストローク
よりも深い第2ストロークまで押下されるとONになるス
イッチである。スイッチ(S2)がONになると、後述の割
り込みポート(INT2)による割り込み処理が実行され、
レリーズ動作が実行される。この割り込みポート(INT
2)による割り込みはプログラムにより禁止される場合
がある。そこで、スイッチ(S2)はマイコン(1)の入
力ポート(IP2)にも接続されており、割り込みポート
(INT2)による割り込みが禁止されている場合にもマイ
コン(21)が入力ポート(IP2)をスキャンすることに
より、撮影者がレリーズ要求を行っているか否かを判定
可能としている。(S3)はミラーアップスイッチであ
り、このスイッチは撮影レンズを通ってきた光を撮影者
がファインダーにて観察できるようにカメラのボディ内
に配置されたミラー(図示せず)が、フィルム面への露
光時に上記撮影レンズを通ってきた光をフィルム面に到
達させるべく、撮影光路から完全に退避した時にONにな
るスイッチであり、撮影終了後のシャッター機構(図示
せず)のチャージにより、OFF状態にリセットされる。 (27)は被写体の輝度が低い場合に被写体に照射する
赤外光(補助光)を発光するLEDであり、補助光制御部
(28)によって制御される。マイコン(21)は被写体の
輝度が低いと判断した時に、補助光制御部(28)に対
し、補助光の発光信号を出力すると共に、CCDイメージ
センサ(22)に対して積分開始信号φICGを出力し、積
分が終了した時点で、補助光制御部(28)に対して出力
していた補助光の発光信号を停止する。これによってCC
Dイメージセンサ(22)は低輝度時には補助光を用いてC
CD積分を行う。(29)は後述の動的被写体について焦点
位置の変化速度を算出するためのタイマーであり、前述
のスイッチ(S1)のONによるAFスタート時にゼロにクリ
アされ、その後、定常的にタイマー値TMが増加し、AFス
タート以降の時間をモニターすることが可能となってい
る。以上で、ハードウェアについての説明を終了する。 続いて、本実施例のアルゴリズムについて説明する。
本実施例においては、静止被写体と動的被写体の判別を
行い、「フォーカスロックモード」と「追随モード」と
いう2つの撮影モードを自動的に切り換えるようにして
いる。以下、各撮影モードについて概説する。 まず、撮影モードとして、「フォーカスロックモー
ド」を設定している場合は、被写体をファインダー内の
所定の場所(以下フォーカスフレームと称す)に把られ
て、このフォーカスフレームにおける被写体像のデフォ
ーカス量を求め、被写体像が合焦するようにレンズ駆動
が行われる。一般の撮影に際しては、撮影者が焦点を合
わせようとする被写体が、前記ファインダー内のフォー
カスフレームとは異なる場所に位置するようにフレーミ
ングしたい場合も少なくない。このような場合には、ま
ず、撮影者は焦点を合わせようとする被写体をフォーカ
スフレーム内に位置するようにレンズの方向を振って、
AF動作を行わせた後、この焦点位置を変化させることな
く、フレーミングを行うことが必要となる。「フォーカ
スロックモード」は、このような場合に、合焦後の焦点
位置を変化させずにレリーズが行われるモードである。 本実施例においては、もう1つの撮影モードとして
「追随モード」を備えている。これは撮影者が撮影しよ
うとする被写体が動いている場合に対応する撮影モード
である。被写体が動いている場合には、フォーカスフレ
ーム上で検出される被写体のデフォーカス量は刻々と変
化する。この変化がフィルム面における被写界深度内に
収まる程度の小さなものであれば問題はないが、被写界
深度を越えるデフォーカス量変化があった場合には、刻
々と変化するデフォーカス量に応じて刻々と焦点位置を
変化させるべく被写体を追随する必要が生ずる。本実施
例においては、このように被写体が動く場合には「追随
モード」を設定し、刻々と変化する被写体像の結像位置
を常に追随し、常に合焦状態を保持するようにしてい
る。また「追随モード」では、撮影者がレリーズボタン
を押した場合に、レリーズボタンの押下タイミングから
実際にシャッター幕が走行してフィルム面上に露光され
るタイミングまでのタイムラグ(時間遅れ)も考慮し、
フィルム面上に露光されるタイミングに被写体像が合焦
しているようにデフォーカス量の予測を行い、レンズ駆
動を行う予測制御の手法も含まれている。この「追随モ
ード」を備えたことにより、被写体が動いている場合に
も常に合焦した写真が得られるものである。 以下、詳細なフローチャートにより詳説する。レリー
ズ釦が第1ストロークまで押下され、スイッチ(S1)が
ONすると、第4図に示したAFスタートのフローが実行さ
れる。以下の説明において、記号“#”はプログラムの
ステップを意味するものとする。#1において、割り込
みポート(INT2)からの割り込みを禁止することによっ
て、レリーズ釦が第2ストロークまで押下されて、レリ
ーズ要求があってもレリーズルーチンがコールされない
ようにしている。続いて、#2でマイコン(21)はデフ
ォーカス量をレンズ駆動のためのパルス数に換算する際
の交換係数(k)を、第2図に示すレンズ回路(25)か
ら入力する。続いて、#3で後述の測距時刻をモニター
するためのタイマー(29)をリセットしている。さら
に、#4にて焦点検出演算を行う。 第11図には焦点検出演算のサブルーチンを示す。#10
8でタイマー値TMを読み込み、#109でメモリー値TM′と
して後述のCCD積分の開始時刻をマイコン(21)内のメ
モリに格納する。続いて、#110で低輝度フラグの判定
を行っている。被写体の輝度が低い場合には、CCDイメ
ージセンサ(22)に十分な光が照射されないため、前述
の補助光を被写体に照射するが、その補助光照射の必要
性を低輝度フラグで判定する。AFスタート直後は低輝度
フラグはクリアされているので、#111の補助光発光は
スキップされ、#112のCCD積分を行う。CCDイメージセ
ンサ(22)は、焦点検出演算を行うための被写体の情報
を得るためのイメージセンサであり、積分を行うことで
各画素に被写体の輝度情報が蓄積される。#113ではCCD
イメージセンサ(22)における各画素のデータをマイコ
ン(21)に取り込むデータダンプ処理が行われる。以
下、#114〜#116の相関計算、補間計算、ピントずれピ
ッチ算出は、周知の焦点検出演算のフローを示したもの
である。以上の処理が#4の焦点検出演算サブルーチン
で行われる。 #4にて焦点検出演算を行った際、その結果の信頼性
が乏しかった場合には焦点検出不能となる。#5でその
判定を行う。もし、ここで焦点検出が不能であった場合
は#501へ進み、そうでなかった場合は#11へ進む。#5
01へ進んだ場合は、ここで低輝度か否かのチェックを行
う。最初に焦点検出演算に先立ち、CCD積分を行った場
合には補助光を発光していないため、被写体輝度が低
く、焦点検出が不能である場合がある。#501で低輝度
と判定され、かつ、#6で低輝度フラグがセットされて
いない場合は#7へ進み、低輝度フラグをセットして#
4へ戻り、今度は補助光を発光してCCD積分を行う。一
方、#501で低輝度と判定されなかった場合、あるいは
#6で低輝度フラグがセットされ、補助光を使用してCC
D積分が行われていた場合は、被写体像のコントラスト
が低いローコン状態であると判定される。この場合は#
8へ進む。#8ではレンズ位置をスキャンさせながら焦
点検出演算を繰り返すローコンスキャンを過去に行った
かどうかの判定を行っているが、最初にこのルーチンへ
入った場合は、#8にてNOと判定され、#9でローコン
スキャンを開始する。#8にて既にローコンスキャンを
終了していた場合には、#10でローコン表示を行い、撮
影者に焦点検出が不能であることを告知する。これは第
3図に示すLED(26A)を赤色点滅表示して行う。 #5で焦点検出が可能と判定された場合は#11へ進
む。#11では低輝度フラグの判定を行っている。補助光
を使用する場合と使用しない場合では前述のCCD積分時
間が異なるため、後述のようにデフォーカス量を繰り返
し算出する時のサンプリング周期T0を変える必要があ
る。このため、#12,#13で夫々のサンプリング周期T0
を設定している。#14では焦点検出演算の結果からデフ
ォーカス量を算出している。#15でこのデフォーカス量
が合焦範囲内であるか否かを判定し、合焦範囲内であれ
ば#441以降のAFモード判定ルーチンへ進み、デフォー
カス量が合焦範囲外であれば#16以降のフローへ進む。
通常、AFスタート時にはレンズの位置は定まっていない
ため、合焦範囲内にある場合は少なく、#16以降へ進
む。 #16では、#14で算出したデフォーカス量と#2で入
力した変換係数kよりレンズ駆動のためのパルス数を算
出する。続いて#17でレンズ駆動を行い、#16で算出さ
れたパルス数分のレンズ駆動が行われる。この後、被写
体の状態検出を行うためのルーチンへ突入する。#18で
はカウンタCN1をゼロにクリアしている。このカウンタC
N1は#19以降のルーチンで合焦判定を何回行ったかをカ
ウントするためのカウンタである。 #19のサブルーチンで再び焦点検出演算を行ってい
る。#20で検出不能であった場合は焦点が検出されるま
で#19を繰り返す。焦点検出がなされた場合、#21でデ
フォーカス量を算出し、#22でカウンタCN1の値を1つ
増し、#23で合焦判定を行っている。この時、被写体が
静止しているか、あるいは、動いていてもその焦点位置
変化が遅い場合には#21で算出したデフォーカス量は合
焦範囲内にあり、#24へ進む。ここでカウンタCN1の値
が1の場合、すなわち#17における1回のレンズ駆動で
合焦した場合は、#441以降のAFモード判定ルーチンへ
進む。しかし、#23の合焦判定で合焦していなかった場
合は、被写体像の焦点位置がレンズ駆動中に変化した
か、あるいは、焦点検出精度が低く、デフォーカス量が
ばらついているとみなされ、#30以降のルーチンへ進
む。 #30,#31によりカウンタCN1の値が1の場合にはレン
ズ駆動は過去1回となり、#41にて再びレンズ駆動のた
めのパルス数を算出した後、#42でレンズ駆動を行う。
この後、#43で時間待ちを行った後、#19以降の動作を
繰り返す。ここで時間待ちを行うのは、像の焦点位置が
時間的に変化する被写体に対し、その動く速度を後述の
方法で検出する際に焦点検出の時間間隔が短い場合に
は、速度検出が精度良く行われないからである。#19の
サブルーチン中でCCDの積分開始時刻TM′はマイコン(2
1)内のメモリーに格納されているため、#43でタイマ
ー値TMがTM≧T0+TM′に達するまで、時間待ちを行う。
#19〜#22の演算を繰り返した後、#23で再び合焦判定
を行う。 #23で合焦と判定された場合はカウンタCN1の値は2
となっているため、#24ではCN1=1でないと判断さ
れ、#25でマイコン(21)の入力ポート(IP2)のスキ
ャンを行い、レリーズ要求の有無を判定する。ここで、
レリーズ要求が無かった場合には、AFモード判定ルーチ
ンへ進む。レリーズ要求が有った場合には、この要求に
素早く対応するために、#26〜#29の処理を行った後に
レリーズルーチンへ進む。#26では前回得たデフォーカ
ス量DFbの符号と、今回得たデフォーカス量DFaの符号が
等しいか否かを判定する。デフォーカス量DFa,DFbの符
号が等しいということは、被写体像の焦点位置が同一方
向にずれることであるため、前回デフォーカス量DFbと
今回デフォーカス量DFaが同符号であれば被写体が動い
ていると判断され、#27でその速度Vを算出した後、#
28で被写体の動きを追随する追随モードのフラグをセッ
トし、#29でレリーズ許可し、レリーズルーチンへ突入
する。#27の被写体速度の算出では、今回算出したデフ
ォーカス量DFaを今回と前回の焦点検出の時間間隔(ta
−tb)で割り、さらにその値を(1/2)倍している。こ
れは算出されたデフォーカス量にばらつきがあった場合
に予想される被写体速度Vを実際よりも速く見積もって
しまうことがないように被写体速度を1/2の重みで算出
するためである。実際には、今回デフォーカス量DFaが
合焦範囲内にあるため、被写体の移動速度はそれほど大
きくなく、追随の速度はこれで十分である。一方、#26
で今回デフォーカス量DFaと前回デフォーカス量DFbの符
号が逆の場合は、被写体像の焦点位置が逆方向にずれた
ことになるので、被写体が同一方向に動いているとはみ
なされず、追随は行わずにレリーズ動作を行う。 次に、#23の合焦判定でカウンタCN1の値が2の時に
非合焦であった場合には、#30の判定により#37へ処理
が移る。#37では今回デフォーカス量DFaと前回デフォ
ーカス量DFbの符号の比較を行っている。ここで、同一
符号であれば、被写体が同一方向へ動いていると判定さ
れ、#38以降へ進む。また、逆符号であれば被写体が同
一方向へ動いているとは判定されないため、レンズ駆動
は行わずに#43へ進む。#38ではレリーズ要求があるか
否かを判定し、レリーズ要求があれば#39で被写体速度
Vを算出し、#40で追随モードのフラグをセットし、追
随モードのルーチンへ進む。#39の速度算出では、今回
デフォーカス量DFaを焦点検出の時間間隔(ta−tb)で
割り、さらに(1/2)倍している。これは前述の場合と
同様であるが、ここでは、今回デフォーカス量DFaは合
焦範囲外であり、被写体の速度Vが大きいため、直ちに
レリーズ動作へ移ることはせず、一旦後述の追随モード
へ入り、ここで被写体の速度Vを正確に算出してからレ
リーズルーチンへ入るようになされている。 一方、#38でレリーズ要求がない場合は#41へ進み、
レンズ駆動のためのパルス数を算出し、#42でレンズ駆
動を行い、#43へ進む。#43〜#22の処理を繰り返した
後、#23で再び合焦判定を行う。ここで合焦していた場
合は、#24以下の処理へ進み、非合焦であった場合はカ
ウンタCN1の値は3になっているため、#30,#31ではい
ずれもNOと判定され、#32の判定に進む。#32で3回の
デフォーカス量の符号が一致していた場合には、#33で
3回のデフォーカス量の絶対値が全て1mm以内であるか
否かを判定している。デフォーカス量の絶対値が1mmを
越えるものであった場合には、他の被写体の測距を行っ
た可能性が大きいため、#41以降へ進み、再度焦点検出
を繰り返す。#32,#33で両方ともYESの場合は被写体の
焦点検出が3回とも正常で、かつ、被写体が同一方向に
動いていると判断され、#34でその速度V=(DFa−DF
b)/(ta−tb)を算出した後、#35で追随モードのフ
ラグをセットし、追随モードへ移行する。また、#32で
3回のデフォーカス量が同符号でなかった場合は、#36
で今回デフォーカス量DFaと前回デフォーカス量DFbの符
号が同一かどうかを判定し、#36で今回デフォーカス量
DFaと前回デフォーカス量DFbの符号が一致している場合
は、#41,#42で再度レンズ駆動を行った後、#43以降
へ進み、被写体の判別を繰り返す。また、#36で今回デ
フォーカス量DFaと前回デフォーカス量DFbの符号が一致
していない場合は、焦点検出の精度が低く、デフォーカ
ス量がばらついていると判断され、平均モードIIへ突入
する。 第10図は、平均モードIIのフローを示している。#99
においてデフォーカス量DFとして、今回デフォーカス量
DFa、前回デフォーカス量DFb、及び、前々回デフォーカ
ス量DFcの平均値DF=(DFa+DFb+DFc)/3を算出してい
る。#100でこのデフォーカス量DFが合焦範囲内にある
かどうかを判定し、合焦している場合は#101で合焦表
示を行い、#102でレリーズ許可した後、平均モードI
に移行する。平均モードIにおいては、第7図の#66の
ように平均補正フラグをセットした後、#67のようにフ
ォーカスロック表示を行い、レリーズ待ちとなる。一
方、#100で各々のデフォーカス量のばらつきが大き
く、平均のデフォーカス量が合焦範囲を越える場合があ
る。この場合は#103でレンズ駆動のためのパルス数を
算出し、#104で所定位置までレンズを駆動した後、#1
05で再度焦点検出演算を行っている。#106で焦点検出
が不能であった場合は、焦点が検出されるまで#105の
焦点検出演算を繰り返す。焦点が検出された場合は#10
7でデフォーカス量を算出し、#99に戻り、平均デフォ
ーカス量が合焦範囲に入るまで#99〜#107の処理を繰
り返す。 以上、デフォーカス量の算出後、予定焦点位置までの
レンズ駆動を行い、合焦していない場合は、被写体像の
結像位置の移動速度が速く、レンズ駆動が追い付かない
か、あるいは、デフォーカス量算出の精度が低いため、
デフォーカス量がばらついているかのどちらかであると
みなし、追随モードか平均モードかの判定を行う方法に
ついて述べた。また、同時にレリーズ要求が判定の最中
に発生した場合のシーケンスも述べた。 被写体の移動速度が速い場合には上述の方法で追随モ
ードの判定が可能であるが、被写体の速度が遅い場合に
は、予定焦点位置までのレンズ駆動によるタイムラグが
あっても合焦ゾーンから抜けず、#23で合焦と判定され
ることがある。このため、#23の合焦判定後においても
#441以降のAFモード判定ルーチンで追随モードの判定
を行っている。以下、このAFモード判定について説明す
る。 #441では、AFモード判定のルーチンに入ったことを
示すフラグ(AFMF)をセットする。#44では合焦表示を
行い、撮影者に合焦したことを告知する。また、合焦時
には割り込みポート(INT2)による割り込みの禁止を解
除し、常にレリーズを受け付け、レリーズ要求があった
時には、即座にレリーズ動作が行われるようになされて
いる。続いて、#46でカウンタCN2をクリアしている。
カウンタCN2はAFモード判定のための焦点検出の回数を
示す。#47で焦点検出演算を行い、#48で焦点検出不能
と判定される場合は、元々の被写体のコントラストが低
いか、あるいは、合焦後に撮影しようとする被写体とは
焦点位置が大きく異なる別の被写体の焦点検出演算を行
った場合等が考えられ、#55へ進む。#48で焦点が正常
に検出された場合は、#481でデフォーカス量DFの算出
を行う。#49で|DF|>1mmとなった場合は、合焦後、撮
影しようとする被写体と焦点位置が異なる別の被写体の
焦点検出を行ったと考えられるため、#55へ進む。#55
〜#57はこのような正規でない焦点検出演算が行われた
場合の処理を行う。#55では、まず、前回無視フラグの
チェックを行う。前回無視フラグは連続して正規でない
焦点検出が行われたかどうかを判定するためのフラグで
あり、最初はこのフラグはリセットされており、#55の
判定でNOとなり、#56に進む。#56では、次に正規でな
い焦点検出が行われた場合に、#55でYESとなるよう
に、前回無視フラグをセットする。#55でYESとなった
場合には、2回続けて正規でない焦点検出が行われたこ
とになるので、この時は#571でAFモード判定ルーチン
から抜け出したとしてフラグ(AFMF)をリセットし、#
57でフォーカスロック表示を行い、レリーズ待ちとな
る。 ここで、2回続けて正規でない焦点検出が行われた場
合に限っているのは、以下の理由による。動いている被
写体を追随モードで撮影する場合には、被写体を常にフ
ォーカスフレーム内に追随する必要があるが、撮影者の
手振れ等により被写体がフォーカスフレームから逸脱す
る場合がある。このため、1回正規でない焦点検出がな
された場合はこれを無視する。しかし、これが2回連続
した場合には、撮影者が意図的に被写体をフォーカスフ
レーム外に逸脱させたと判断される。これは、撮影者が
被写体に対し合焦させた後に構図を決めるためにカメラ
を振るフォーカスロック撮影だからである。このため、
2回続けて正規でない焦点検出がなされた場合は、AFモ
ードとしてフォーカスロックモードの判定がなされ、フ
ォーカスロックの表示を行い、レリーズ待ちとなる。 #48,#49でいずれもNOと判定された場合は被写体は
変わってもおらず、かつ、デフォーカス量も確実に算出
されたと判断され、#50へ進む。#50では前回無視フラ
グをチェックしている。ここで、前回無視フラグがセッ
トされていれば、前回正規の焦点検出演算がなされなか
ったということになり、#51で前々回デフォーカス量DF
cと今回デフォーカス量DFaの平均を求めることで前回デ
フォーカス量DFbを補間して算出している。続いて、#5
2で前回無視フラグをクリアし、#53へ進む。一方、#5
0で前回無視フラグがセットされていなければ補間の必
要はないため、そのまま#53へ進む。#53ではカウンタ
CN2をカウントアップし、#54でカウンタCN2の値が4と
なるまで、#47〜#54を繰り返す。カウンタCN2の値が
3以下の場合には、#541でタイマー値TMがメモリー値T
M′からT0だけ増えるまで時間待ちを行う。 4回の焦点検出演算の終了後、#581でAFモード判定
を示すフラグ(AFMA)をリセットして、#58へ処理が進
む。#58で4回のデフォーカス量の符号が全て同じで、
かつ、デフォーカス量が単調変化しており、さらに、#
59〜#61において連続した2回のデフォーカス量の差の
絶対値がすべて所定の判定閾値a以上と判定された場合
は、被写体が動いているものとみなし、追随モードへ移
行する。この時には、追随時の初期速度としてV=(DF
a−DFc)/(ta−tc)を設定し、#63で追随モードフラ
グをセットして追随モードに入る。この際、速度Vを今
回デフォーカス量DFaと前々回デフォーカス量DFcから算
出しているのは、焦点検出の時間間隔(ta−tc)が長い
方が算出精度が向上し、また、データが新しい程、追随
モード突入時の初期速度Vが、より正確に算出されるた
めである。 一方、#58で4回のデフォーカス量が全て同符号でな
い、あるいは、単調変化でなかった場合は、#64で各デ
フォーカス量の安定性を2回の焦点検出のデフォーカス
量の差の符号が交互に変化したか否かで判定し、YESの
場合にはデフォーカス量DFの算出が不安定であるとみな
し、#65以下の平均処理を行う。#65ではデフォーカス
量として今回デフォーカス量DFa、前回デフォーカス量D
Fb、前々回デフォーカス量DFcの3回のデフォーカス量
の平均を真のデフォーカス量とし、#66で平均補正フラ
グをセットし、#67でフォーカスロック表示を行い、レ
リーズ待ちとなる。一方、#64でデフォーカス量が交互
に変化していない場合、あるいは、#59〜#61の判定
で、連続したデフォーカス量の差の絶対値が所定の判定
閾値aよりも小さい場合があったときには被写体は動か
ず、また、デフォーカス量の算出も精度良く行われたと
みなされ、平均処理等は行われず、#67へ進み、フォー
カスロック表示を行って、レリーズ待ちとなる。 以上で、AFのスタートからAFモードの判定が完了する
までのルーチンについての説明を終了する。 続いて、追随モードに入った後のシーケンスについて
説明する。第8図において、まず、#68で追随モード表
示を行い、撮影者に追随モードに入ったことを告知す
る。次に、#69でカウンタCN3に2を代入している。カ
ウンタCN3は追随モードから脱出する際の判定に用いら
れる。#70ではカウンタCN4,CN5をクリアしている。カ
ウンタCN4は追随モード突入後の焦点検出演算で正規の
焦点検出が行われなかった回数をカウントするためのカ
ウンタで、カウンタCN5は正規の焦点検出が行われた回
数をカウントするためのカウンタである。#71では被写
体の移動速度Vと焦点検出演算の周期T0を乗じた値を最
新のデフォーカス量DFaに加え、次回焦点検出時におけ
るレンズ駆動を行わなかった場合の予定デフォーカス量
DF′を算出している。この予定デフォーカス量DF′に基
づいて、#72によりレンズ駆動のためのパルス数を算出
し、#73でレンズ駆動を行う。#74でタイマー値TMが最
新の焦点検出演算時のメモリー値TM′に焦点検出周期T0
を加えた値に達するまで時間待ちを行う。本来なら#71
での周期T0にはレンズ駆動時間を含めた予測周期T0′を
使用すべきであるが、ここでは議論を簡単にするために
T0≒T0′とし、レンズ駆動時間をほとんどないものとし
ておく。#73のレンズ駆動では、レンズ駆動を行わなか
った場合の予定デフォーカス量DF′の分だけレンズ駆動
を行うため、#75で焦点検出演算を行った際には、デフ
ォーカス量は概略ゼロとして算出されることになる。#
76で焦点検出が不能であったか否かの判定を行ってい
る。前述のように撮影者の手振れ等のため正規の焦点検
出がなされなかった場合には、#89へ進む。また、#76
で正規の焦点検出がなされた場合には、#761でデフォ
ーカス量DFを算出するが、得られたデフォーカス量の絶
対値|DF|が#77で1mm以上と判定された場合は、やはり
前述のように正規の焦点検出がなされなかったと判定さ
れ、#89へ進む。#89では焦点検出演算の結果として今
回のデフォーカス量DFaをゼロに設定してしまってい
る。これは前述のように今回の焦点検出演算時にはデフ
ォーカス量が概略ゼロとなるようにレンズ駆動がなされ
ているためである。さらに、#90で正規でない焦点検出
演算の回数をカウントするカウンタCN4の値を1つ増し
ている。これは、後述のように度々正規でない焦点検出
演算が行われた場合には、#87でこの追随モードから抜
け出すようにするためである。#77で|DF|<1mmと判定
された場合は#78へ進む。#78では今回の被写体位置と
前回の被写体位置との差をデフォーカス量差ΔDFとして
算出している。 第13図は、デフォーカス量差ΔDFの算出方法を説明す
るための図である。第13図において、DFa原点は今回の
焦点検出時のレンズ位置であり、DFb原点は前回の焦点
検出時のレンズ位置である。前回の焦点検出時刻tbにお
いては、TFb原点にレンズが位置していたので、前回デ
フォーカス量DFbを生じていたものである。前回レンズ
駆動用のデフォーカス量DFb′は、前回の焦点検出時刻t
bから今回の焦点検出時刻taまでの経過時間(ta−tb)
と被写体速度Vを乗じて得た被写体の予測移動量を前回
デフォーカス量DFbを加えて求められる。したがって、
今回の焦点検出時刻taにおいては、レンズ位置はDFa原
点に達しているが、被写体は実際には予測位置からは外
れており、今回デフォーカス量DFaを生じている。この
場合、前回焦点検出時刻tbにおける被写体位置から今回
焦点検出時刻taにおける被写体位置までのデフォーカス
量差ΔDFは、図から明らかなように、今回デフォーカス
量DFaに前回レンズ駆動用のデフォーカス量DFb′を加
え、さらに前回デフォーカス量DFbを減ずることによっ
て得られる。 #79にて、このデフォーカス量差ΔDFと移動速度Vの
符号の比較を行っている。符号が異なる場合は、移動速
度Vとして算出した方向とは逆方向に被写体が動いてい
るということであり、正規の焦点検出がなされなかった
とみなされ、#88でカウンタCN4の値を1つ増してい
る。また、#80でデフォーカス量の絶対値が所定の判定
閾値b以上であった場合にも実際測定されたデフォーカ
ス量が予想されたデフォーカス量と大きく異なるという
ことであり、前述の場合と同様に、正規の焦点検出がな
されなかったとみなされ、#88へ進む。#79,#80でい
ずれもYESと判定された場合は#81へ進み、正規な焦点
検出が行われた回数を示すカウンタCN5の値を1つ増
す。 #82でカウンタCN5の値が5になっていなければ#87
へ進む。#87ではカウンタCN3とCN4の比較を行ってい
る。最初は#69の初期設定によってカウンタCN3の値は
2となっており、このカウンタCN3の値を、正規でない
焦点検出の回数を示すカウンタCN4の値と比較してい
る。すなわち、ここでは、カウンタCN4の値が2以上の
場合、YESと判定され、#871でレリーズ禁止として再び
AFモード判定へ戻り、これを繰り返す。これは誤って追
随モードに入った場合に、カウンタCN4の値とカウンタC
N3の値を比較し、追随モードから抜け出すことを可能と
するためである。 一方、#82でカウンタCN5の値が5となった場合に、
#83で低輝度フラグのチェックを行う。前述のように、
低輝度フラグがセットされている場合は補助光を発光し
てCCD積分を行うが、補助光を使用すると消費電力が大
きくなるため、無制限に焦点検出演算を行うのは望まし
くない。このため、カウンタCN5の値が5に達した所で
追随モードから抜け出すようになっている。低輝度フラ
グがセットされていた場合には#91で合焦判定を行い、
合焦していれば#92でレリーズを許可した後、#94でフ
ォーカスロック表示を行い、追随モードで終了してフォ
ーカスロックモードになったことを撮影者に告知する。 また、合焦していなければ、#93でレリーズ禁止とし
て再びAFモード判定へ戻る。一方、補助光を使用しない
場合には、消費電力の心配がないため追随モードを継続
する。#84でカウンタCN3の値を1つ増している。さら
に、#85,#86でカウンタCN4,CN5をクリアしている。カ
ウンタCN3は前述の#87の追随モードから脱出する際の
パラメータである。このカウンタCN3は追随モードに入
ってからの経過時間(焦点検出回数)に応じて増加する
ため、#87の追随モードから抜け出す条件は徐々に厳し
くなる。すなわち追随モードに入ってからの経過時間が
長くなれば、確実に被写体が動いていることになり、撮
影者の手振れ等で正規でない焦点検出の回数が多くなっ
ても追随を続ける制御がなされる。 #87で追随モードから抜けないという判定がなされた
場合には、#95で新たに追随速度Vを算出している。#
95では、追随速度Vの算出精度を向上させるために、今
回の被写体位置と前々回の被写体位置の差(デフォーカ
ス量差ΔDF)を焦点検出の時間間隔(ta−tc)で割って
移動速度Vとしている。 第14図は、上記デフォーカス量差ΔDFの算出方法を説
明するための図である。第14図において、DFa原点は今
回の焦点検出時のレンズ位置であり、DFb原点は前回の
焦点検出時のレンズ位置であり、DFc原点は前々回の焦
点検出時のレンズ位置である。前々回の焦点検出時刻tc
においては、DFc原点にレンズが位置していたので、前
々回デフォーカス量DFcを生じていたものである。前々
回レンズ駆動用のデフォーカス量DFc′は、前々回の焦
点検出時刻tcから前回の焦点検出時刻tbまでの経過時間
(tb−tc)と被写体速度Vcを乗じて得た被写体の予測移
動量を前々回デフォーカス量DFcに加えて求められる。
したがって、前回の焦点検出時刻tbにおいては、レンズ
位置はDFb原点に達しているが、被写体は実際には予測
位置からは外れており、前回デフォーカス量DFbを生じ
ている。前回レンズ駆動用のデフォーカス量DFb′は、
前回の焦点検出時刻tbから今回の焦点検出時刻taまでの
経過時刻(ta−tb)と被写体速度Vbを乗じて得た被写体
の予測移動量を前回デフォーカス量DFbに加えて求めら
れる。したがって、今回の焦点検出時刻taにおいては、
レンズ位置はDFa原点に達しているが、被写体は実際に
は予測位置からは外れており、今回デフォーカス量DFa
を生じている。この場合、前々回焦点検出時刻tcにおけ
る被写体位置から今回焦点検出時刻taにおける被写体位
置までのデフォーカス量差ΔDFは、図から明らかなよう
に、今回デフォーカス量DFaに前回レンズ駆動用のデフ
ォーカス量DFb′と前々回レンズ駆動用のデフォーカス
量DFc′を加え、さらに前々回デフォーカスDFcを減ずる
ことによって得られる。つまり、デフォーカス量差ΔDF
は、 ΔDF=DFa−DFc+DFb′+DFc′ となる。上式のデフォーカス量差ΔDFを、焦点検出の時
間間隔(ta−tc)で割ることによって追随速度Vを算出
している。この後、#96で合焦判定を行い、合焦してい
れば#97でレリーズを許可し、合焦していなければ#98
でレリーズを禁止し、#71からの処理を繰り返す。レリ
ーズ許可の場合、レリーズ要求があれば、レリーズルー
チンがコールされ、レリーズ動作が行われる。 最後に、レリーズルーチンについて説明する。まず、
第12図の#117にて、平均補正フラグがセットされてい
るか否か判定している。ここで平均補正フラグがセット
されている場合には#121へ進み、算出されたデフォー
カス量からレンズ駆動のためのパルス数を算出し、#12
2でレンズ駆動を行い、#123で入力ポート(IP3)をモ
ニターし、ミラーアップを確認した後、#124でレンズ
駆動を停止させた後、シャッター走行を行っている。#
117で平均補正フラグがセットされていない場合は、#1
18で追随モードフラグがセットされているか否かを判定
している。ここで、追随モードフラグがセットされてい
なければ、#125でレリーズがAFモード判定中に行われ
たか否かをフラグ(AFMF)により判定する。このフラグ
(AFMF)がセットされていれば、#126で上記判定モー
ド中に被写体が動いている可能性があるので、これを補
正すべく、上記判定中に得られたデフォーカス量の平均
をとって、この量を駆動すべくステップ#121に進む。
例えば、2回焦点検出を行い、2回のデフォーカス量
(DF1,DF2)が得られれば、DF=(DF1+DF2)/2とす
る。上記フラグ(AFMF)がセットされていないときはレ
ンズ駆動は行われず、#123以降へ進む。#118で追随モ
ードフラグがセットされていた場合は、#119へ進む。
#119ではタイムラグτを算出している。タイムラグτ
は最新の焦点検出演算時から、実際にシャッター走行が
行われるまでの時間である。#120で被写体移動速度V
とタイムラグτを乗じた値を最新のデフォーカス量DFa
に加え、シャッター走行時の予定デフォーカス量DF′を
算出している。#121でレンズ駆動のためのパルス数を
算出し、#122でレンズ駆動を行い、シャッター走行時
の予定焦点位置までレンズを駆動する。以下、#123,#
124の処理を行った後、シャッター走行を行う。これに
より、シャッター走行時に合焦するような制御が行われ
る。露出制御については本発明とは関係がないので説明
を省略する。 (発明の効果) 本発明にあっては、上述のように、今回のデフォーカ
ス量と被写体の移動速度から次回の焦点検出時にデフォ
ーカス量をゼロとするためのレンズ駆動量を算出して、
レンズ駆動を行う追随モードを備えた自動焦点調節機能
付きのカメラにおいて、今回のデフォーカス量が異常又
は不明であるときには、所定回数までは、今回の焦点検
出結果は合焦状態とみなして、追随制御を継続するよう
にしたから、シャッターチャンスを逃す恐れを少なく
し、常に合焦状態に近い写真を撮影することができると
いう効果がある。また、所定回数以上、今回のデフォー
カス量が異常又は不明である状態が続けば、被写体の移
動速度に基づくレンズ駆動は行わないので、不必要に追
随制御が継続されることは防止できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の基本構成を示すブロック図、第2図は
本発明の一実施例のブロック回路図、第3図は同上に用
いる表示部の正面図、第4図乃至第12図は同上の動作説
明のためのフローチャート、第13図及び第14図は同上の
動作説明図である。 (1)は焦点検出手段、(2)は移動速度算出手段、
(3)はレンズ駆動量算出手段、(4)はレンズ駆動手
段、(5)は合焦判定手段、(6)はレリーズ許可手段
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 潤 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 石橋 賢司 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 糊田 寿夫 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 大塚 博司 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭62−253107(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.焦点を合わせるべき被写体に対するレンズの焦点状
    態を検出し、デフォーカス量を示す信号を出力する焦点
    検出手段と、複数回のデフォーカス量を用いて被写体の
    移動速度を算出する移動速度算出手段と、今回のデフォ
    ーカス量と被写体の移動速度から次回の焦点検出時にデ
    フォーカス量をゼロとするためのレンズ駆動量を算出す
    るレンズ駆動量算出手段と、前記レンズ駆動量に応じて
    レンズ駆動を行うレンズ駆動手段とを備えるカメラにお
    いて、レンズ駆動量算出手段は、焦点検出手段により検
    出されたデフォーカス量が所定値よりも大きいとき、又
    は焦点検出手段による焦点検出が不可能なときに、所定
    回数までは、今回の焦点検出結果は合焦状態とみなして
    レンズ駆動量を算出すると共に、所定回数以上であれ
    ば、被写体の移動速度に基づくレンズ駆動は行わないこ
    とを特徴とする自動焦点調節機能付きのカメラ。 2.焦点検出手段の焦点検出結果に基づいて被写体が合
    焦か否かを判定する合焦判定手段と、被写体が合焦であ
    ると判定されたときに、レリーズ要求を許可するレリー
    ズ許可手段とを更に備えることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の自動焦点調節機能付きのカメラ。
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