JP3034861B2 - グロ―放電発光分光分析装置 - Google Patents

グロ―放電発光分光分析装置

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JP3034861B2
JP3034861B2 JP11042894A JP4289499A JP3034861B2 JP 3034861 B2 JP3034861 B2 JP 3034861B2 JP 11042894 A JP11042894 A JP 11042894A JP 4289499 A JP4289499 A JP 4289499A JP 3034861 B2 JP3034861 B2 JP 3034861B2
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文夫 平本
正実 桑原
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理学電機工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、試料をスパッタ
リングしながら、発生した光を分光器で分析するグロー
放電発光分光分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】気体圧力が500〜1300Pa程度の
アルゴン(Ar)雰囲気中で、二つの電極間に直流また
は高周波の高電圧を印加すると、グロー放電が起こり、
Arイオンが生成される。生成したArイオンは高電界
で加速され、陰極表面に衝突し、そこに存在する物質を
たたき出す。この現象をスパッタリングと呼ぶが、スパ
ッタされた粒子(原子、分子、イオン)はプラズマ中で
励起され、基底状態に戻る際にその元素に固有の波長の
光を放出する。この発光を分光器で分光して元素を同定
する分析法が、グロー放電発光分光分析方法と呼ばれて
いる。
【0003】このグロー放電発光分光分析方法を具現化
した従来の分析装置では、グロー放電管として、図7に
示すような中空陽極型のグリムグロー放電管31が一般
的に用いられている。このグリムグロー放電管31は、
支持ブロック(試料6が当接される支持部であって、こ
の従来例では同時に陰極である)32と陽極ブロック3
3とが、絶縁部であるテフロンワッシャ34を介して接
合されている。陽極ブロック33には、中空陽極管33
dが一体形成されており、この陽極管33dは、テフロ
ンワッシャ34を貫通して、試料6の分析面(表面)6
aに近接している。この試料6は、その分析面6aにお
ける分析すべき部位を囲む環状形状となったOリングな
どのシール部材11を介して、支持ブロック32に気密
状態で押し付けられる。
【0004】こうして、試料6により陽極管33dを収
納する支持ブロック32の内方空間(グロー放電空間)
Vの開口部を密閉し、この内方空間Vを、図示しない真
空排気装置(減圧手段)により、第1および第2真空排
気孔33b,33cから真空引きするようになってい
る。さらに、陽極ブロック33は、アルゴンガス供給孔
33aを有しており、管内Vがアルゴンの希ガス雰囲気
(500〜1300Pa)とされている。
【0005】このグロー放電管31は、陽極管33dと
試料6との間に、陽極ブロック33と支持ブロック32
とを介して電源部(給電手段)12により高電圧を印加
してグロー放電を発生させるとともに、一般に銅からな
る支持ブロック32を通じ試料6に負電圧を印加し、グ
ロー放電の発生により生成されるアルゴンの陽イオンを
試料の分析面6aに衝突させて、試料6をスパッタリン
グするものである。また、冷却液Kを、支持ブロック3
2の冷却液導入路32aからジャケット32b内に導入
して冷却液排出路32cまで送給することにより、支持
ブロック32を介し試料6と陽極管33dを冷却してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなグ
ロー放電管31を用いた従来のグロー放電発光分光分析
装置では、陽極管33dが消耗して交換を要する場合
や、試料6の所望の分析部位の大きさに合わせて陽極管
33dの内径を変更したい場合に、陽極管33dをグロ
ー放電管31から取り外すべく、グロー放電管31を分
解しなければならず、また、組立において、テフロンワ
ッシャ34の厚さ等により、支持ブロック32において
試料の分析面6aが当接される面32dと陽極管先端面
33eとの間隙を、その都度調整しなければならず(い
わゆるギャップ調整)、時間と手間と熟練を要してい
た。
【0007】そこで本発明は、陽極管の交換が容易で、
ギャップ調整も不要なグロー放電発光分光分析装置を提
供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るグロー放電発光分光分析用
装置は、まず、試料に対し電圧が引加される陽極管と試
料が当接される支持部とを有するグロー放電管と、陽極
管が収納される内方空間を真空引きする減圧手段と、陽
極管と試料との間に電圧を印加してグロー放電を発生さ
せる給電手段とを備えたグロー放電発光分光分析装置に
おいて、前記支持部が絶縁部であり、前記グロー放電管
が、陽極管を有する陽極ブロックと、前記支持部と、そ
の支持部と分離した陰極ブロックとからなる。そして、
前記陽極ブロックが、陽極ブロック本体と陽極ブロック
ユニット部とからなり、その陽極ブロックユニット部と
前記支持部がユニットとして一体に形成され、しかも、
そのユニットにおいて、前記陽極管先端面と試料の分析
面が当接される面との間隙があらかじめ調整されてい
る。さらに、単一の前記陽極ブロック本体に、複数の前
記ユニットの一つが選択して取り付けられる。
【0009】請求項1の装置によれば、陽極ブロック
が、単一の陽極ブロック本体と、それに選択して取り付
けられる複数のユニットにおける陽極ブロックユニット
部とからなり、しかも、各ユニットにおいて、あらかじ
めギャップ調整がなされているので、陽極管の交換が容
易で、交換にあたりギャップ調整も不要である。
【0010】請求項2に係るグロー放電発光分光分析装
置は、請求項1の装置において、前記陽極ブロック本体
が、前記ユニットを着脱自在に取り付けるためのばね部
材で押圧される係合子を有し、一方、その係合子に係合
する係合部を、前記ユニットが外周に有している。請求
項2の装置によれば、かかる係合子および係合部によ
り、ユニットの交換すなわち陽極管の交換がいっそう容
易になる。
【0011】請求項3に係るグロー放電発光分光分析装
置は、請求項1または2の装置において、操作者の指示
に応じて作動し、前記ユニットを前記陽極ブロック本体
に選択的に取り付ける自動交換手段を備えている。請求
項3の装置によれば、かかる自動交換手段により、ユニ
ットの交換すなわち陽極管の交換を自動化でき、なおい
っそう容易になる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態のグ
ロー放電発光分光分析装置を図面にしたがって説明す
る。まず、この装置の構成について説明する。この装置
では、図6に示すように、グロー放電を利用したスパッ
タリングにより元素に固有の波長の光を発生するグリム
グロー放電管21から放出されて、窓13aを透過した
光Sが、分光器13内に入射する。分光器13は、窓1
3aのほか、入射スリット24、この入射スリット24
から入射した光Sを波長に応じて異った回折角度で回折
する回折格子26、回折光を通過させる出射スリット2
7および回折光の強度を測定する光電子増倍管28を備
えている。
【0013】また、この装置は、図1に示すようなグロ
ー放電管21を備えている。このグロー放電管21は、
まず、試料6に対して電圧が印加される陽極管4aを有
する陽極ブロック1と、試料6が当接される支持部5
(本実施形態では同時にポリイミド、ベスペル等の樹脂
からなる絶縁部である)と、その支持部5と分離した
(別体の)陰極ブロック7とからなる。ここで、陽極ブ
ロック1は、分光室13の窓13aの下方に固定される
陽極ブロック本体2と、後述するユニット3の一部であ
る陽極ブロックユニット部4とからなる。なお、本実施
形態では、試料6は、半導体ウエハのような略円板状の
ものとして図示しているが、本発明の適用は、このよう
な試料に限定されるものではない。
【0014】陽極ブロックユニット部4と支持部5は、
例えば周方向3か所においてスペーサ8を挟んでボルト
9で連結され、ユニット3として一体に形成され、その
ユニット3において、陽極管先端面4bと試料6の分析
面6aが当接される面5aとの間隙がスペーサ8の厚み
によりあらかじめ調整されている。なお、この間隙は、
ユニット3の各部品4,5の寸法精度が十分であれば、
厚みの異なるスペーサ8等を用いなくても単に組み上げ
るだけで適切な大きさとなるが、このような場合もここ
でいう「あらかじめ調整されている」に含まれるものと
する。また、周方向とは、陽極管4aの中心軸について
の周方向である。
【0015】さらに、この装置では、単一の陽極ブロッ
ク本体2に対し、ユニット3は複数あり、試料6の分析
すべき部位の大きさ等に応じてそのうちの一つが選択し
て取り付けられる。(図1は、選択されたひとつのユニ
ット3Aが陽極ブロック本体2に取り付けられている状
態の部分断面を示す)。そのため、まず、陽極ブロック
本体2は、ユニット3を着脱自在に取り付けるためのス
プリングプランジャを周方向に3つ有している。ここ
で、スプリングプランジャとは、筒状のケースの開口端
部に、内部のばねで押圧される球(係合子)10を突出
させたものである。具体的には、球10が陽極管4aの
中心軸に向くスプリングプランジャを周方向に3つ有す
る段付きのリング状部材2a(銅等からなる)が、下方
から図示しないボルト等で取り付けられている。一方、
ユニット3は、陽極ブロックユニット部4の基部(上
部)の外周に、その球10に係合する段部(係合部)3
aを有している。
【0016】陽極ブロック本体2は、ユニット3とのシ
ール性を高めるため、Oリング11を有している。ユニ
ット3も、陽極ブロック本体2および試料6とのシール
性を高めるため、Oリング11を有している。また、陽
極ブロック本体2とユニット3は、互いに連通する真空
排気路2b,3bを有し、それらが陽極管4aが収納さ
れる内方空間Vに連通することにより、内方空間Vは、
陽極ブロック本体2の真空排気孔2cから図示しない減
圧手段により真空引きされる。なお、陽極ブロック本体
2は、図示しないアルゴンガス供給孔を有しており、内
方空間Vがアルゴンの希ガス雰囲気(500〜1300
Pa)とされる。さらに、本実施形態の装置は、陽極管
4aと試料6との間に、陽極ブロック本体2(陽極ブロ
ック1)と陰極ブロック7を介して電圧を印加してグロ
ー放電を発生させる給電手段12を備えている。
【0017】また、本実施形態の装置は、ユニット3の
交換や、支持部5に当接された試料6に陰極ブロック7
を導通接触させるため、図2の正面図に示すようにロボ
ットハンド(自動交換手段)15を備えている。ロボッ
トハンド15は、基台15a、基台15aに対し左右方
向に移動する水平移動体15b、水平移動体15bに対
し上下移動する上下移動体15c、上下移動体15cに
対し回動する回動体15d、ならびに回動体15d先端
部に設けられ開閉し、ユニット3、陰極ブロック7を把
持するするハンド部15e等からなる。水平移動体15
b、上下移動体15cは、例えばボールねじ、エアシリ
ンダーによりそれぞれ水平、上下に駆動される。なお、
ハンド部15eは、ユニット3や陰極ブロック7を把持
しやすい形状に形成されている。
【0018】一方、ロボットハンド15の基台15aの
上方で、陽極ブロック本体2の左右に、第1ストッカー
16と、第2ストッカー17が設けられている。第1ス
トッカー16は、1点鎖線の高さに前記スプリングプラ
ンジャ(図示せず)を有し、陽極ブロック本体2がユニ
ット3(3A)を保持した(図1)のと同様に、複数の
ユニット3A,3B,3Cを保持する(図2では、ユニ
ット3Aは、陽極ブロック本体2に取り付けられてい
る。)。なお、迅速、正確な分析のためにユニット3の
表面は清浄であることが望ましいので、第1ストッカー
16においては、保持するユニット3の酸化防止、塵埃
付着防止および吸湿防止のために、アルゴンガス等の不
活性ガス雰囲気とするか、または真空引きすることが望
ましい。また、第2ストッカー17も、1点鎖線の高さ
に前記スプリングプランジャ10(図示せず)を有し、
陰極ブロック7を同様に保持する。このために、陰極ブ
ロック7は、下部の外周に、スプリングプランジャの球
に係合するV型(図1)の係合溝7aを有している。
【0019】次に、この装置の動作について説明する。
今、陽極ブロック本体2に例えばあるユニット3Cが取
り付けられており、他のユニット3A,3B、陰極ブロ
ック7は、それぞれ第1ストッカー16、第2ストッカ
ー17に保持されているとする。これに対し、分析した
い試料6の所望の部位の大きさに、今すでに陽極ブロッ
ク本体2に取り付けられているユニット3Cの陽極管4
aの内径が適合する場合には、ユニット3の交換の必要
はないが、それが適合せず、他の例えばユニット3Aの
陽極管4aの内径が適合する場合には、図示しない入力
手段からその旨を装置に入力する。
【0020】すると、ロボットハンド15は、その旨す
なわち操作者の指示に応じて作動し、ユニット3Cをハ
ンド部15eで把持して、下方へ引く。これにより、ス
プリングプランジャの球10が、ユニット3Cの係合段
部3aにより外側へ押しやられ、係合が解かれ、ユニッ
ト3Cが陽極ブロック本体2から取り外される。ロボッ
トハンド15は、そのように取り外したユニット3Cを
ハンド部15eで把持しつつ、第1ストッカー16の右
部下方まで移動させ、上昇させる。すると、第1ストッ
カー16のスプリングプランジャの球(図示せず)が、
ユニット3Cの係合段部3aの下で内側に突出して係合
し、ユニット3Cが第1ストッカー16の右部に保持さ
れ図2に示す状態となる。
【0021】続けてロボットハンド15は、ハンド部1
5eを開いてユニット3Cの把持を解き、ハンド部15
eをわずかに下降させて、第1ストッカー16の左部下
方まで移動させる。そして、上昇させたハンド部15e
を閉じて、ユニット3Aを把持する。以降、ロボットハ
ンド15は、ユニット3Cを陽極ブロック本体2から取
り外して第1ストッカー16に保持させたのと同様に、
ユニット3Aを第1ストッカー16から外して陽極ブロ
ック本体2に取り付ける。
【0022】このように、本実施形態の装置によれば、
陽極ブロック1が、単一の陽極ブロック本体2と、それ
に選択して取り付けられる複数のユニット3における陽
極ブロックユニット部4とからなり、しかも、各ユニッ
ト3においてあらかじめギャップ調整がなされているの
で、試料6の分析すべき所望の部位の大きさ等に応じ
て、陽極管4aの交換が容易で、交換にあたりギャップ
調整も不要である。さらに、交換時の脱着をボルト等に
よらず、スプリングプランジャの球(係合子)10およ
びユニットの係合段部3a(図1)により、しかも、ロ
ボットハンド15でその交換を自動化したので、ユニッ
ト3の交換すなわち陽極管4aの交換がいっそう容易で
ある。
【0023】なお、この交換は、試料6の分析すべき所
望の部位の大きさに合わせて陽極管4aの内径を変更し
たい場合のみならず、陽極管4aが消耗して交換を要す
る場合等にも行われる。さらに、同じ部位について、最
初は大径の陽極管4aで極表層をゆっくりとスパッタリ
ングして精密に分析し、その後小径の陽極管4aに交換
してスパッタリングの速度を上げ、短時間に深層部まで
分析するような場合にも行われる。また、この交換は、
ロボットハンド15によらず、操作者が手作業で行うこ
ともできる。
【0024】さて、上述したように、適切なユニット3
Aが陽極ブロック本体2に取り付けられたら、操作者
は、試料6の分析したい所望の部位が、陽極管4a(こ
の場合は陽極ブロック本体2に取り付けられているユニ
ット3Aの陽極管4a)に対向するよう位置させて、試
料の分析面6aをユニット3Aの支持部5に下方から水
平に当接させる(図1に示す状態)。そして、図示しな
い減圧手段により図1の内方空間Vが真空引きされ、ア
ルゴンの希ガス雰囲気(500〜1300Pa)にされ
ると、試料の分析面6aが、背面6eにかかる大気圧に
より、シール部材11を介して支持部5に押し付けら
れ、密着する。なお、本実施形態では、試料の分析面6
aが水平になるような状態で支持部5に当接させたが、
本発明は、これに限定されず、例えば、試料の分析面が
鉛直になるような状態で支持部に当接させてもよい。
【0025】次に、図2のロボットハンド15は、陰極
ブロック7を、第2ストッカー17から支持部5に当接
された試料6の下方まで移動させ、試料6に当接させて
試料6を保持する。このように、本実施形態の装置によ
れば、支持部5が絶縁部である場合に、ロボットハンド
15により、支持部5に当接された試料6への陰極ブロ
ック7の導通接触、試料6の保持についても自動化でき
る。
【0026】そして、図1の陽極管4aと試料6との間
に、陽極ブロック本体2(陽極ブロック1)と陰極ブロ
ック7を介して、給電手段12により数百〜数千ボルト
の高電圧を印加すると、グロー放電を生じ、アルゴンの
陽イオンが生成される。このArイオンにより試料6が
スパッタリングされ、発生した光Sは、窓13aを透過
し、図6の入射スリット24を通して、分光器13の回
析格子26に向かう。この回析格子26は、所定の波長
の光を回析させ、出射スリット27を通して、光電子増
倍管28に入射させる。光電子増倍管28は入射した光
の強度を測定する。すなわち、試料6の所望の部位の分
析がなされる。なお、陰極ブロック7は、中段部が絶縁
体で上下が導体(金属)で形成された3段構造になって
おり、図1に示すように電源部(給電手段)12はその
上段部に導通するのに対し、図2に示すようにロボット
ハンド15は中段部から下を把持するので、ロボットハ
ンド15には、高電圧がかかるおそれはない。
【0027】所望の部位の分析が終わると、ロボットハ
ンド15は、陰極ブロック7を、支持部5に当接された
試料6の下方から第2ストッカー17の下方まで移動さ
せ、第2ストッカー17に保持されるよう上昇させる。
陰極ブロック7が第2ストッカー17に保持されると、
ロボットハンド15は、ハンド部15eを開いて陰極ブ
ロック7の把持を解き、図2に実線で示す初期状態に戻
る。
【0028】この後、減圧手段による内方空間V(図
1)の減圧を解いて、試料6を支持部5から離すが、同
試料6の別の所望の部位、または別試料6の所望の部位
を続けて分析したい場合は、上述したユニット3の交換
からの手順を繰り返す。ユニット3の交換が必要ない場
合には、試料6の支持部5への当接からの手順を繰り返
す。なお、続けての分析においてユニット3の交換が必
要ない場合には、ロボットハンド15は、陰極ブロック
7を第2ストッカー17に保持させる必要はなく、陰極
ブロック7を把持したまま、試料6の支持部5への当接
の障害にならないように適切な位置に退避していればよ
い。
【0029】次に、本発明の第2実施形態のグロー放電
発光分光分析装置について説明する。前記第1実施形態
の装置においては、ユニット3は、陽極管4aの軸方向
に移動させられることにより、陽極ブロック本体2や第
1ストッカー16に着脱された(図2)。これに対し、
第2実施形態の装置においては、ユニット43は、陽極
管44a(図3)の軸方向に直交する方向に移動させら
れることにより、陽極ブロック本体42や第1ストッカ
ー56に着脱される(図4)。その他の点では、第1実
施形態の装置と同様であるので説明を省略する。具体的
には、以下の点で、第1実施形態の装置と異なる。な
お、図3は、図4のグロー放電管61を左方から見た断
面図である。
【0030】第2実施形態の装置のグロー放電管61に
おいては、図3に示すように、陽極ブロック本体42
は、ユニット43が載置されるレール部42dを前後
(図3では右左)に有している。レール部42dは、図
3の紙面垂直方向に延びている。また、陽極ブロック本
体42は、ユニット43を着脱自在に取り付けるための
スプリングプランジャを、前側に中心向きに1つ有して
いる。スプリングプランジャは、前述したように、内部
のばねで押圧される球(係合子)10を突出させてい
る。
【0031】一方、ユニット43においては、陽極ブロ
ック本体42のレール部42dに載置されてそれよりも
上に位置するユニット43の基部(上部)は、略直方体
で、その前面(図3では右面)に、スプリングプランジ
ャの球10に係合する凹部(係合部)43aを有してい
る。スプリングプランジャおよび対応する係合凹部43
aは、複数設けてもよいし、後側に設けてもよい。ま
た、例えば、スプリングプランジャをレール部42dに
おいて下方から上向きに設け、対応する係合凹部を、ユ
ニット43においてレール部42dに載る基部(上部)
の下面に設けてもよい。なお、陽極ブロック本体42
は、陽極ブロックユニット部44と連なる結合部42a
を有している。また、陽極ブロック本体42は、装着さ
れるユニット43の係合凹部43aにスプリングプラン
ジャの球10が突出して係合したときに、ユニット43
の基部(上部)の右面(図3では紙面奥の面)に当接す
る内壁面を有している。さらに、陽極ブロック本体42
は、ユニット43とのシール性を高めるため、ユニット
43は、試料6とのシール性を高めるため、それぞれO
リング11を有している。
【0032】また、図4に示す第1ストッカー56A,
56Bは、図5の断面図に示すように、前記陽極ブロッ
ク本体42(図3)の下部と同様に、ユニット43が載
置されるレール部56dを前後(図5では右左)に有し
ている。レール部56dは、図5の紙面垂直方向に延び
ている。また、第1ストッカー56は、ユニット43を
着脱自在に取り付けるためのスプリングプランジャを、
前側に中心向きに1つ有している。スプリングプランジ
ャは、前述したように、内部のばねで押圧される球(係
合子)10を突出させている。
【0033】次に、第2実施形態の装置の動作について
説明する。図4の陽極ブロック本体42に例えばあるユ
ニット43Bが取り付けられており、他のユニット43
Aに交換する場合には、図示しない入力手段からその旨
を装置に入力する。すると、ロボットハンド15は、そ
の旨すなわち操作者の指示に応じて作動し、ユニット4
3Bをハンド部15eで把持して、左方へ移動させる。
これにより、スプリングプランジャの球10が、ユニッ
ト43Bの係合凹部43a(図3)から外れて係合が解
かれ、ユニット43Bがレール部42d(図3)の上
で、図4の左方(図3の手前)へスライドして、陽極ブ
ロック本体42から取り外される。
【0034】ロボットハンド15は、そのように取り外
したユニット43Bをハンド部15eで把持しつつ、第
1ストッカー56Aを回避するため下降し、第1ストッ
カー56Bの左方の下方まで移動させ、上昇させる。そ
して、所定の高さにて、ユニット43Bを右方へ移動さ
せると、ユニット43Bがレール部56d(図5)の上
で右方へスライドして、第1ストッカー56Bの右側の
内壁に当接すると同時に、第1ストッカー56Bのスプ
リングプランジャの球10(図5)が、ユニット43B
の係合凹部43aで内側に突出して係合し、ユニット4
3Bが第1ストッカー56Bに位置決めされ保持されて
図4に示す状態となる。
【0035】続けてロボットハンド15は、ハンド部1
5eを開いてユニット43Bの把持を解き、ハンド部1
5eをわずかに下降させて、第1ストッカー56Aの下
方まで移動させる。そして、上昇させたハンド部15e
を閉じて、ユニット43Aを把持する。以降、ロボット
ハンド15は、ユニット43Bを陽極ブロック本体42
から取り外して第1ストッカー56Bに保持させたのと
同様に、ユニット43Aを第1ストッカー56Aから外
して陽極ブロック本体42に取り付ける。
【0036】このように、第2実施形態の装置によって
も、陽極ブロック41が、単一の陽極ブロック本体42
と、それに選択して取り付けられる複数のユニット43
における陽極ブロックユニット部44とからなり、しか
も、各ユニット43においてあらかじめギャップ調整が
なされているので、試料6の分析すべき所望の部位の大
きさ等に応じて、陽極管44aの交換が容易で、交換に
あたりギャップ調整も不要である。さらに、交換時の脱
着をボルト等によらず、スプリングプランジャの球(係
合子)10およびユニットの係合凹部43a(図3)に
より、しかも、ロボットハンド15でその交換を自動化
したので、ユニット43の交換すなわち陽極管44aの
交換がいっそう容易である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のグロー放
電発光分光分析装置によれば、陽極ブロックが、単一の
陽極ブロック本体と、それに選択して取り付けられる複
数のユニットにおける陽極ブロックユニット部とからな
り、しかも、各ユニットにおいて、あらかじめギャップ
調整がなされているので、陽極管の交換が容易で短時間
で行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のグロー放電発光分光分
析装置のグロー放電管を示す部分縦断面図である。
【図2】同上の分析装置を示す正面図である。
【図3】本発明の第2実施形態のグロー放電発光分光分
析装置のグロー放電管を示す部分縦断面図である。
【図4】同上の分析装置を示す正面図である。
【図5】同上の分析装置の第1ストッカーを示す縦断面
図である。
【図6】第1、第2実施形態の分析装置の分光器を示す
正面図である。
【図7】従来のグロー放電発光分光分析装置のグロー放
電管を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,41…陽極ブロック、2,42…陽極ブロック本
体、3,43…ユニット、3a,43a…係合部、4,
44…陽極ブロックユニット部、4a.44a…陽極
管、4b,44b…陽極管先端面、5,45…支持部、
5a,45a…ユニットにおいて試料の分析面が当接さ
れる面、6…試料、6a…試料の分析面、7…陰極ブロ
ック、10…係合子(スプリングプランジャの球)、1
2…給電手段、15…ロボットハンド、21,61…グ
ロー放電管、V…内方空間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/62 - 21/74 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に対し電圧が引加される陽極管と試
    料が当接される支持部とを有するグロー放電管と、 前記陽極管が収納される内方空間を真空引きする減圧手
    段と、 前記陽極管と試料との間に電圧を印加してグロー放電を
    発生させる給電手段とを備えたグロー放電発光分光分析
    装置において、 前記支持部が絶縁部であり、 前記グロー放電管が、陽極管を有する陽極ブロックと、
    前記支持部と、その支持部と分離した陰極ブロックとか
    らなり、 前記陽極ブロックが、陽極ブロック本体と陽極ブロック
    ユニット部とからなり、 その陽極ブロックユニット部と前記支持部がユニットと
    して一体に形成され、そのユニットにおいて、前記陽極
    管先端面と試料の分析面が当接される面との間隙があら
    かじめ調整されており、 単一の前記陽極ブロック本体に、複数の前記ユニットの
    一つが選択して取り付けられることを特徴とするグロー
    放電発光分光分析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記陽極ブロック本体が、前記ユニットを着脱自在に取
    り付けるためのばね部材で押圧される係合子を有し、 その係合子に係合する係合部を、前記ユニットが外周に
    有しているグロー放電発光分光分析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 操作者の指示に応じて作動し、前記ユニットを前記陽極
    ブロック本体に選択的に取り付ける自動交換手段を備え
    たグロー放電発光分光分析装置。
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