JP3034758B2 - 魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ベ−ルを釣糸放出状
態位置と釣糸巻取状態位置に反転自在とした魚釣用スピ
ニングリ−ルのベ−ル反転装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ハンドル操作に連動回転するロ−
タ−に釣糸案内部を有するベ−ルを、ねじりコイルスプ
リングや圧縮コイルスプリングで釣糸巻取状態位置と釣
糸放出状態位置とに振分け付勢支持するようにしたもの
が例えば、実公昭61−6761号公報で知られている。更
に実公平５−5886号公報では、操作レバ−を引くこと
により、ベ−ルを釣糸巻取状態位置から釣糸放出状態位
置に反転できるように構成して、釣糸放出の一連の操作
性の向上を図った例が知られている。又、釣糸巻取状態
位置にあるベ−ルを下方に押した後、離すことにより、
ベ−ルを釣糸放出状態位置に自動反転する構成が実開
昭63−177166号公報で知られているが、これも上記同様
釣糸放出の一連の操作性が向上する。しかしながら、前
記、、では、釣糸放出後のベ−ルの巻取状態への
復帰操作は、釣竿を一方の手で握持保持して、他方の手
でハンドルを回転してロ−タ−を回転させるか、また
は、直接手でベ−ルを反転させる作業をすることにな
り、釣場での巻取復帰操作を迅速かつ容易に行えない欠
点がある。又、前記では、ベ−ルが釣糸放出状態位置
方向に発条で付勢されて、この位置では係止されていな
いので、キャスティング動作の衝撃でベ−ルが釣糸巻取
状態位置に反転して糸切れが起こる問題点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、釣糸放出後のベ−ルの巻取状態への復帰操作は、
ハンドルを回転してロ−タ−を回転させるか、または、
直接手でベ−ルを反転させる作業をすることになり、釣
場での巻取復帰操作を迅速かつ容易に行えないことであ
る。

【０００４】本発明の目的は前記欠点に鑑み、ベ−ルが
釣糸放出状態位置から釣糸巻取状態位置に敏速かつ容易
に復帰操作される魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転
装置を提供することである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、請求項１の発明は、釣糸巻取状態位置
方向に付勢されベ−ルが取り付けられた一対のベ−ル支
持部材を一対のベ−ル支持腕に夫々支持し、前記一方の
ベ−ル支持腕内のベ−ル支持部材に作動杆の一端部を取
付け、前記ベ−ル支持腕に前記ベ−ルの釣糸放出解放案
内溝と釣糸巻取復帰案内溝と該両案内溝を連結し前記ベ
−ルを釣糸放出状態で係止する係止部を有する釣糸放出
状態係止案内溝とで逆ハ−ト状案内溝を形成し、該逆ハ
−ト状案内溝の隣接する各案内溝を案内溝間に段差を生
ずるように形成し、前記作動杆の他端部に設けられた係
合突部をベ−ルの釣糸巻取位置においては前記釣糸放出
解放案内溝の始端部に、ベ−ルの釣糸放出位置において
は前記釣糸放出状態係止案内溝の係止部に夫々係合位置
させ、釣糸放出状態にあるベ−ルを更に解放方向に押動
することにより、係止状態を解除して前記係合突部を前
記釣糸巻取復帰案内溝に沿って前記釣糸放出解放案内溝
の始端部に戻して前記ベ−ルを釣糸巻取状態に復帰可能
としたことを要旨とするものである。請求項２の発明
は、他方のベ−ル支持腕内のベ−ル支持部材に復帰作動
杆の一端部を取付け、前記復帰作動杆の他端部に中間部
材の一端部を係合し、該中間部材の他端部をベ−ル支持
腕の内周から中心方向に突出し、リ−ル本体の前部に発
条で付勢された復帰作動部材を回動自在に取付け、前記
中間部材の他端部に該復帰作動部材を臨ませ、中間部材
と復帰作動部材との衝合で前記他方のベ−ル支持部材を
反転復帰してベ−ルを釣糸放出状態位置から釣糸巻取状
態位置に反転復帰することを要旨とするものである。

【０００６】

【作用】請求項１に係わる魚釣用スピニングリ−ルのベ
−ル反転装置によれば、第２の作動杆４と逆ハ−ト状案
内溝５の反転装置の構成で、ベ−ル22が引き上げられて
離されると、ワンタッチでベ−ル22とベ−ル支持部材1
7、18が釣糸放出状態位置から釣糸巻取状態位置に復帰
される。ベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が実線の釣糸
巻取状態位置と２点鎖線の釣糸放出状態位置に反転させ
て係止されると、係合突部28はベ−ル22とベ−ル支持部
材17、18が実線の釣糸巻取状態位置では釣糸放出解放案
内溝5aの始端部ａ位置で係止され、２点鎖線の釣糸放出
状態位置では釣糸放出状態係止案内溝5cの係止部5dに係
止されるので、ベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が振動
を受けても実線の釣糸巻取状態位置と２点鎖線の釣糸放
出状態位置が移動することがない。請求項２に係わる魚
釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装置によれば、ロ−
タ−２が回転されて中間部材７の他端部7bが復帰作動部
材８のノック部8aに衝合してベ−ル支持部材17とベ−ル
22が実線の釣糸巻取状態位置に復帰される時、復帰作動
部材８が発条34で付勢されていると、中間部材７と復帰
作動部材８の衝撃が発条34で吸収される。

【０００７】

【実施例】以下、図示の一実施例によって本発明を説明
すると、図１は魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装
置の一方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截された側
面図、図２は魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面
図、図３は魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装置の
他方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截された側面
図、図４は一方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截さ
れた要部拡大断面側面図、図５（ａ）は図２のロ−タ−
の上側の要部拡大断面側面図で、（ｂ）は図２のロ−タ
−の下側の要部拡大断面側面図、図６は逆ハ−ト状案内
溝を拡大図示した一方のベ−ル支持腕の要部平面図、図
７は逆ハ−ト状案内溝の展開断面側面図、図８は他方の
ベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截された要部拡大断面
側面図、図９はロ−タ−を縦断面で図示した魚釣用スピ
ニングリ−ルの正面図と要部拡大正面図である。

【０００８】図１から図３で魚釣用スピニングリ−ル
は、リ−ル本体１の前部1aから前側に突出した駆動筒軸
10の外周に歯車11、12が回り止め嵌合され、その前側に
ロ−タ−２の軸筒部2aが回り止め嵌合されてナット13で
固定されている。ロ−タ−２は駆動筒軸10に設けられた
図示しないピニオンと噛合する駆動歯車を介してハンド
ル14の回転に連動して回転されるように支持されてい
る。前記駆動筒軸10内に嵌合されて突出されたスプ−ル
軸15の先端部にスプ−ル16が支持され、スプ−ル16はハ
ンドル14の回転に連動して前後に往復動される。ロ−タ
−２には大径の筒部2bと筒部2bの後側から外側に突出さ
れると共に前側に突出された一対のベ−ル支持腕2c、2d
が形成されて一対のベ−ル支持腕2c、2dの内周側に夫々
一対のベ−ル支持部材17、18がネジ軸19、20で回動自在
に取り付けられている。

【０００９】ベ−ル支持部材17には釣糸案内部21が取り
付けられると共に、ベ−ル支持部材18と釣糸案内部21の
間にベ−ル22が取り付けられている。ベ−ル支持部材17
の軸部の外側にはト−ションバネ23が巻回されている。
ト−ションバネ23の一端はベ−ル支持腕2cに、他端はベ
−ル支持部材17に夫々係止され、ベ−ル22は２点鎖線の
釣糸放出状態位置から実線の釣糸巻取状態位置方向に付
勢されている。

【００１０】ベ−ル反転装置は、第１のベ−ル22とベ−
ル支持部材17、18を実線の釣糸巻取状態位置から２点鎖
線の釣糸放出状態位置方向に反転する反転操作レバ−３
の構成と、第２のベ−ル22とベ−ル支持部材17、18を実
線の釣糸巻取状態位置から２点鎖線の釣糸放出状態位置
に反転させて係止する作動杆４とベ−ル支持腕2c内側に
形成された逆ハ−ト状案内溝５の構成と、第３のベ−ル
22とベ−ル支持部材17、18を２点鎖線の釣糸放出状態位
置から実線の釣糸巻取状態位置に復帰操作するベ−ル支
持腕2d内側の復帰作動杆６と中間部材７と復帰作動部材
８の構成とに分けて説明する。

【００１１】第１のベ−ル22とベ−ル支持部材17、18を
実線の釣糸巻取状態位置から２点鎖線の釣糸放出状態位
置方向に反転する反転操作レバ−３の構成は図１、図４
のように、ベ−ル支持腕2cの両側に突出部2e、2fが形成
されて反転操作レバ−３の両側がビス軸24で回動自在に
支承されている。反転操作レバ−３の支承側の内側には
図１、図２、図４、図５（ａ）のように、下方に向けて
押圧部3aが形成されている。反転操作レバ−３の先端指
掛け部3bはベ−ル支持部材17の先端の前方で上側に突出
されている。ベ−ル支持部材17の上側にはピン25が植設
又は一体形成されている。ピン25はベ−ル支持腕2cの上
部の透孔2gを貫通して上方に突出され、反転操作レバ−
３の押圧部3aに臨まされている。

【００１２】第２のベ−ル22とベ−ル支持部材17、18を
実線の釣糸巻取状態位置から２点鎖線の釣糸放出状態位
置に反転させて係止する作動杆４とベ−ル支持腕2c内側
に形成された逆ハ−ト状案内溝５の構成は図１、図４、
図５（ａ）のように、ベ−ル支持腕2c内のベ−ル支持部
材17に固定されたピン軸26に作動杆４の一端部4aの透孔
が回動自在に嵌合されてＥリング27で抜け止めされてい
る。作動杆４の他端部4bには係合突部28が固定されて係
合突部28は逆ハ−ト状案内溝５に嵌められている。作動
杆４には板バネ９が添設されて板バネ９の一端はＵ字形
の切欠き9aに形成されてピン軸26が挿入されている。板
バネ９の他端はピン29で作動杆４に固定され、係合突部
28は板バネ９で逆ハ−ト状案内溝５内に付勢されてい
る。

【００１３】逆ハ−ト状案内溝５は図１、図２、図４、
図５（ａ）、図６のように、夫々略孤状の釣糸放出解放
案内溝5aと釣糸巻取復帰案内溝5bと、これら両案内溝を
連結する鈎形の釣糸放出状態係止案内溝5cとで構成され
ると共に、釣糸放出状態係止案内溝5cの鈎形位置の凹部
を係止部5dとし、これら各案内溝5a、5b、5cの溝の深さ
は図７のように夫々最も深い釣糸放出解放案内溝5aの始
端部ａから最終端部ｄに向けて浅く形成されて順次隣接
する案内溝の始端部ｂ、ｃ、ａに段差5e〜5gを持って接
続され、各段差で溝に嵌められた係合突部28の逆方向へ
の移動が阻止されている。

【００１４】第３のベ−ル22とベ−ル支持部材17、18を
２点鎖線の釣糸放出状態位置から実線の釣糸巻取状態位
置に復帰操作するベ−ル支持腕2d内側の復帰作動杆６と
中間部材７と復帰作動部材８の構成は図２、図３、図５
（ｂ）、図８、図９のように、復帰作動杆６は前部６′
と後部６″で構成されてベ−ル支持腕2d内のベ−ル支持
部材18に固定されたピン軸30に復帰作動杆６の前部６′
の一端部6aの透孔が回動自在に嵌合されている。復帰作
動杆６の前部６′の他端部6bは後部６″の穴6cに挿入さ
れている。後部６″はベ−ル支持腕2dに一体又は植設さ
れたピン軸2hに回動自在に嵌合されてＥリング31で抜け
止めされている。後部６″の他端部6dには係合凹部が形
成されている。

【００１５】ベ−ル支持腕2dにはロ−タ−２の中心方向
に向かう貫通孔2iが穿設されて貫通孔2iの中に中間部材
７が挿入されてピン軸32に回動自在に支承されている。
中間部材７の一端部7aは復帰作動杆６の後部６″の他端
部6dの係合凹部に挿入され、他端部7bはベ−ル支持腕2d
の内周から中心方向に突出されている。リ−ル本体１の
前部1aにはピン軸33で復帰作動部材８が回動自在に支承
され発条34で図９で反時計方向に付勢されている。復帰
作動部材８はカム状ノック部8aと度当り腕部8bが形成さ
れている。リ−ル本体１の前部1aには発条34の係止ピン
35と度当り腕部8bの度当りピン36が植設されている。

【００１６】反転操作レバ−３の動作は、ベ−ル22とベ
−ル支持部材17、18を実線の釣糸巻取状態位置から２点
鎖線の釣糸放出状態位置方向に反転する時、反転操作レ
バ−３の先端指掛け部3bに手の指が掛けられて図２の２
点鎖線のように引き上げられると、押圧部3aでベ−ル支
持部材17の上側のピン25が前側に押されてベ−ル支持部
材17が図１、図４で時計方向に回動される。この回動で
作動杆４は図１、図４で実線位置から２点鎖線位置に後
退移動される。この後退移動で逆ハ−ト状案内溝５の釣
糸放出解放案内溝5aの始端部ａに位置した係合突部28が
釣糸放出状態係止案内溝5cに移動され、反転操作レバ−
３の引き上げ操作が終了すると、ト−ションバネ23でベ
−ル支持部材17が反時計方向に付勢されているので、係
合突部28が鈎形の係止部5dに係止されてベ−ル支持部材
17は２点鎖線の釣糸放出状態位置となる。

【００１７】ベ−ル支持部材17が２点鎖線の釣糸放出状
態位置から実線の釣糸巻取状態位置に手動操作で戻され
る操作は、図１で２点鎖線の釣糸放出状態位置にあるベ
−ル22が手の指で引き上げられて離される。引き上げら
れた時、ベ−ル支持部材17が時計方向に移動されるの
で、係合突部28が係止部5dから離れて対壁に当り、釣糸
放出状態係止案内溝5cから釣糸巻取復帰案内溝5bに移動
される。その後ベ−ル22から手の指が離されると、係合
突部28は釣糸巻取復帰案内溝5bの中を移動して釣糸放出
解放案内溝5aの始端部ａ位置となり、ベ−ル支持部材17
とベ−ル22は実線の釣糸巻取状態位置に復帰される。

【００１８】ベ−ル支持部材17が２点鎖線の釣糸放出状
態位置から実線の釣糸巻取状態位置にハンドル14の回転
で自動的に戻される操作は、ハンドル14が釣糸の巻取方
向に回転されるとロ−タ−２が図９で時計方向に回転さ
れる。ベ−ル支持部材17が２点鎖線の釣糸放出状態位置
にある時、図３、図８、図９で復帰作動杆６と中間部材
７は２点鎖線の位置にある。ロ−タ−２が回転される
と、中間部材７の他端部7bが復帰作動部材８のノック部
8aに衝合して中間部材７の回動で実線の位置に移動され
る。この移動で復帰作動杆６が回動されてベ−ル支持部
材17とベ−ル22が実線の釣糸巻取状態位置に復帰され
る。

【００１９】第２の作動杆４と逆ハ−ト状案内溝５の反
転装置の構成で、ベ−ル22が引き上げられて離される
と、ワンタッチでベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が釣
糸放出状態位置から釣糸巻取状態位置に復帰される。ベ
−ル22とベ−ル支持部材17、18が実線の釣糸巻取状態位
置と２点鎖線の釣糸放出状態位置に反転させて係止され
ると、係合突部28はベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が
実線の釣糸巻取状態位置では釣糸放出解放案内溝5aの始
端部ａ位置で係止され、２点鎖線の釣糸放出状態位置で
は釣糸放出状態係止案内溝5cの係止部5dに係止されるの
で、ベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が振動を受けても
実線の釣糸巻取状態位置と２点鎖線の釣糸放出状態位置
が移動することがない。ロ−タ−２が回転されて中間部
材７の他端部7bが復帰作動部材８のノック部8aに衝合し
てベ−ル支持部材17とベ−ル22が実線の釣糸巻取状態位
置に復帰される時、復帰作動部材８が発条34で付勢され
ていると、中間部材７と復帰作動部材８の衝撃が発条34
で吸収される。

【００２０】前記のように魚釣用スピニングリ−ルのベ
−ル反転装置が構成されると、釣糸放出状態位置でベ−
ル22が引き上げられて離されると、ベ−ル22とベ−ル支
持部材17、18が釣糸巻取状態位置にワンタッチで復帰さ
れてキャステング後に敏速にかつ極めて容易に復帰操作
がなされる。ベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が実線の
釣糸巻取状態位置と２点鎖線の釣糸放出状態位置に反転
させて係止されると、係合突部28はベ−ル22とベ−ル支
持部材17、18が実線の釣糸巻取状態位置では釣糸放出解
放案内溝5aの始端部ａ位置で係止され、２点鎖線の釣糸
放出状態位置では釣糸放出状態係止案内溝5cの係止部5d
に係止されるので、ベ−ル22とベ−ル支持部材17、18が
振動を受けても実線の釣糸巻取状態位置と２点鎖線の釣
糸放出状態位置が移動することがない。ベ−ル22とベ−
ル支持部材17、18が振動等で移動しないと、キャステン
グ動作の衝撃でベ−ル22が釣糸巻取状態位置に反転しな
いので糸切れが起こらない。ロ−タ−２が回転されて中
間部材７の他端部7bが復帰作動部材８のノック部8aに衝
合してベ−ル支持部材17とベ−ル22が実線の釣糸巻取状
態位置に復帰される時、復帰作動部材８が発条34で付勢
されていると、中間部材７と復帰作動部材８の衝撃が発
条34で吸収されて衝撃が少なく軽快にハンドル回転で自
動復帰が出来る。

【００２１】前記説明では、第２の反転装置に第１の反
転装置と第３の反転装置を組み合わせて図示したが、第
２の反転装置の実施で第１の反転装置と第３の反転装置
を省略し、手動で実線の釣糸巻取状態位置から２点鎖線
の釣糸放出状態位置にベ−ル22を反転させてもよく、他
の反転装置を組み合わせてもよい。前記説明で、第３の
反転装置の実施で第１の反転装置を省略してもよく、
又、他の反転装置を組み合わせてもよい。前記説明で
は、一対のベ−ル支持腕2c、2dの内周側に夫々一対のベ
−ル支持部材17、18が回動自在に支承されたが、一対の
ベ−ル支持腕の外側に夫々一対のベ−ル支持部材を回動
自在に支承してもよい。

【００２２】

【発明の効果】本発明は前述のように構成されたから、
請求項１によれば、釣糸放出状態位置で更にベールが引
き上げられて離されると、ベールとベール支持部材が釣
糸放出状態係止案内溝の係止部から解除され、バネの付
勢力により釣糸巻取状態位置にワンタッチで復帰されて
キャスティング後に敏速にかつ極めて容易に復帰操作が
なされる。ベールとベール支持部材が実線の釣糸巻取状
態位置と２点鎖線の釣糸放出状態位置に反転させて係止
されると、係合突部はベールとベール支持部材が実線の
釣糸巻取状態位置では釣糸放出解放案内溝の始端部位置
で係止され、２点鎖線の釣糸放出状態位置では釣糸放出
状態係止溝の係止部に係止されるので、ベールとベール
支持部材が振動を受けても釣糸巻取状態位置と釣糸放出
状態位置が移動することがなくなり、キャスティング動
作の衝撃でベールが釣糸巻取状態位置に反転しないので
糸切れが起こらない。

【図面の簡単な説明】

【図１】魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装置の一
方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截された側面図で
ある。

【図２】魚釣用スピニングリ−ルの要部断面側面図であ
る。

【図３】魚釣用スピニングリ−ルのベ−ル反転装置の他
方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截された側面図で
ある。

【図４】一方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截され
た要部拡大断面側面図である。

【図５】（ａ）は図２のロ−タ−の上側の要部拡大断面
側面図で、（ｂ）は図２のロ−タ−の下側の要部拡大断
面側面図である。

【図６】逆ハ−ト状案内溝を拡大図示した一方のベ−ル
支持腕の要部平面図である。

【図７】逆ハ−ト状案内溝の展開断面側面図である。

【図８】他方のベ−ル支持腕のカバ−の一部が破截され
た要部拡大断面側面図である。

【図９】ロ−タ−を縦断面で図示した魚釣用スピニング
リ−ルの正面図と要部拡大正面図である。

【符号の説明】

１ リ−ル本体 1a 前部 ２ ロ−タ− 2c、2d ベ−ル支持腕 ４ 作動杆 4a 一端部 4b 他端部 ５ 逆ハ−ト状案内溝 5a 釣糸放出解放案内溝 5b 釣糸巻取復帰案内溝 5c 釣糸放出状態係止案内溝 5d 係止部 5e〜5g 段差 ａ 始端部 ６ 復帰作動杆 6a 一端部 6d 他端部 ７ 中間部材 7a 一端部 7b 他端部 ８ 復帰作動部材 17、18 ベ−ル支持部材 22 ベ−ル 28 係合突部 34 発条

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】釣糸巻取状態位置方向に付勢バネのバネ力
   により付勢され、ベールが取付けられた一対のベール支
   持部材を一対のベール支持腕に夫々支持し、前記一方の
   ベール支持腕内のベール支持部材に作動杆の一端部を取
   付け、前記ベール支持腕に前記ベールの釣糸放出解放案
   内溝と釣糸巻取復帰案内溝と該両案内溝を連結し前記ベ
   ールを釣糸解放状態で係止する係止部を有する釣糸解放
   状態係止案内溝とで逆ハート状案内溝を形成し、該逆ハ
   ート状案内溝の隣接する各案内溝を案内溝間に段差を生
   ずるように形成し、前記作動杆の他端部に設けられた係
   合突部をベールの釣糸巻取位置においては前記釣糸放出
   解放案内溝の始端部に、ベールの釣糸放出位置において
   は前記釣糸放出状態係止溝の係止部に夫々係合位置さ
   せ、釣糸放出状態にあるベールを更に解放方向に押動す
   ることにより、係止状態を解除して前記係合突部を前記
   釣糸巻取復帰案内溝に沿って前記釣糸放出解放案内溝の
   始端部に戻して前記ベールを釣糸巻取状態に前記付勢バ
   ネのバネ力により復帰可能としたことを特徴とする魚釣
   用スピニングリ−ル。