JP3034711B2 - タリウム系超電導体薄膜の製造装置 - Google Patents
タリウム系超電導体薄膜の製造装置Info
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- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリングによる
タリウム系超電導体薄膜の製造装置に関する。
タリウム系超電導体薄膜の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図2は、例えば「スパッタリング現象」
(金原粲著、東京大学出版会)150頁に示された従来
のスパッタリング装置の概念図である。図において、
(1)は真空容器、(2)は基板、(3)はターゲッ
ト、(4)はガス導入口、(5)は高周波または高圧電
源である。
(金原粲著、東京大学出版会)150頁に示された従来
のスパッタリング装置の概念図である。図において、
(1)は真空容器、(2)は基板、(3)はターゲッ
ト、(4)はガス導入口、(5)は高周波または高圧電
源である。
【0003】従来のスパッタリング法では、スパッタリ
ング装置は図2のように構成され、真空容器(1)を真
空ポンプを用いて減圧し、その後ガス導入口(4)より
アルゴン等のスパッタリングガスを導入し、数10mm
Torrの圧力とする。そこでターゲット(3)に高周
波または高電圧を加えると、真空容器内で放電が生じ、
プラズマ中のイオンがターゲット表面に衝突し、ターゲ
ット材料の粒子が放出される。この粒子が基板上に堆積
し、基板上にターゲット材料と同組成の物質からなる薄
膜が形成される。なお、酸化物薄膜を形成する場合に
は、スパッタリングガスとして酸素または酸素とアルゴ
ンの混合ガス等が用いられる。
ング装置は図2のように構成され、真空容器(1)を真
空ポンプを用いて減圧し、その後ガス導入口(4)より
アルゴン等のスパッタリングガスを導入し、数10mm
Torrの圧力とする。そこでターゲット(3)に高周
波または高電圧を加えると、真空容器内で放電が生じ、
プラズマ中のイオンがターゲット表面に衝突し、ターゲ
ット材料の粒子が放出される。この粒子が基板上に堆積
し、基板上にターゲット材料と同組成の物質からなる薄
膜が形成される。なお、酸化物薄膜を形成する場合に
は、スパッタリングガスとして酸素または酸素とアルゴ
ンの混合ガス等が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のス
パッタリング法では、基板上にタリウム系超電導体の薄
膜を形成するには、ターゲットとしてタリウム系超電導
体と同組成となるように調製された混合粉末の焼結体を
用い、スパッタリングガスとして酸素またはアルゴンと
酸素との混合ガス等を用いる必要があった。ところが、
タリウムを含む物質で良質なターゲットを製造すること
は困難である。
パッタリング法では、基板上にタリウム系超電導体の薄
膜を形成するには、ターゲットとしてタリウム系超電導
体と同組成となるように調製された混合粉末の焼結体を
用い、スパッタリングガスとして酸素またはアルゴンと
酸素との混合ガス等を用いる必要があった。ところが、
タリウムを含む物質で良質なターゲットを製造すること
は困難である。
【0005】この理由はタリウムやタリウム酸化物の蒸
気圧が非常に高いことに起因している。すなわち、ター
ゲットの焼結作業中にタリウムやタリウム酸化物が蒸発
し、ターゲットから離脱してしまうため、タリウム組成
が小さくなってしまい、目的のタリウム組成を維持する
ことが困難だからである。また、たとえターゲットが製
造できても、同じ理由でスパッタリングによる薄膜形成
中にもタリウムやタリウム酸化物が薄膜から離脱し、薄
膜中のタリウム組成が小さくなってしまうという問題点
があった。
気圧が非常に高いことに起因している。すなわち、ター
ゲットの焼結作業中にタリウムやタリウム酸化物が蒸発
し、ターゲットから離脱してしまうため、タリウム組成
が小さくなってしまい、目的のタリウム組成を維持する
ことが困難だからである。また、たとえターゲットが製
造できても、同じ理由でスパッタリングによる薄膜形成
中にもタリウムやタリウム酸化物が薄膜から離脱し、薄
膜中のタリウム組成が小さくなってしまうという問題点
があった。
【0006】このため、よい超電導特性を示す薄膜を得
るためには、薄膜形成後に基板を高タリウム雰囲気中で
熱処理するなどの後加工が必要であった。この熱処理に
は800℃程度の高温が必要であり、これがタリウム系
超電導薄膜を半導体等と組み合わせたデバイス材料とし
て用いることを困難にしていた。
るためには、薄膜形成後に基板を高タリウム雰囲気中で
熱処理するなどの後加工が必要であった。この熱処理に
は800℃程度の高温が必要であり、これがタリウム系
超電導薄膜を半導体等と組み合わせたデバイス材料とし
て用いることを困難にしていた。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
なされたものであり、ターゲットとしてタリウムを含有
しない材料を用いることができ、更にスパッタリングの
みでタリウム濃度の高い高品質な超電導体薄膜を形成
し、後熱処理の不要なタリウム系超電導体薄膜を製造す
ることのできるタリウム系超電導体薄膜の製造装置を提
供することを目的としている。
なされたものであり、ターゲットとしてタリウムを含有
しない材料を用いることができ、更にスパッタリングの
みでタリウム濃度の高い高品質な超電導体薄膜を形成
し、後熱処理の不要なタリウム系超電導体薄膜を製造す
ることのできるタリウム系超電導体薄膜の製造装置を提
供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るタリウム系
超電導体薄膜の製造装置は、スパッタリング装置と、ス
パッタリングガスを供給するための加熱したタリウムま
たはタリウム化合物に 酸素または酸素と他の物質との混
合ガスの気流を接触させてタリウム酸化物を発生させる
ことからなるタリウム酸化物ガス発生装置とを備えるこ
とを特徴とする。
超電導体薄膜の製造装置は、スパッタリング装置と、ス
パッタリングガスを供給するための加熱したタリウムま
たはタリウム化合物に 酸素または酸素と他の物質との混
合ガスの気流を接触させてタリウム酸化物を発生させる
ことからなるタリウム酸化物ガス発生装置とを備えるこ
とを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の製造装置によれば、加熱したタリウム
またはタリウム化合物に酸素または酸素と他の物質との
混合ガスの気流を接触させてタリウム酸化物を発生させ
ることからなるタリウム酸化物ガス発生装置から供給さ
れるスパッタリングガス中にタリウム酸化物が含まれて
いるので、スパッタリングの際のタリウムが基板上の薄
膜と化合し、タリウム系超電導体薄膜が形成される。こ
れにより、ターゲットの構成物質にタリウムを含まない
ものを用いても、基板上にタリウム系超電導体薄膜を形
成できる。
またはタリウム化合物に酸素または酸素と他の物質との
混合ガスの気流を接触させてタリウム酸化物を発生させ
ることからなるタリウム酸化物ガス発生装置から供給さ
れるスパッタリングガス中にタリウム酸化物が含まれて
いるので、スパッタリングの際のタリウムが基板上の薄
膜と化合し、タリウム系超電導体薄膜が形成される。こ
れにより、ターゲットの構成物質にタリウムを含まない
ものを用いても、基板上にタリウム系超電導体薄膜を形
成できる。
【0010】また、スパッタリングが上記のように制御
された必要十分な高タリウム雰囲気中で行われるため、
形成されたタリウム系超電導体薄膜からのタリウムの離
脱がなく、高品質なタリウム系超電導体薄膜が形成でき
る。これにより薄膜形成後の熱処理が不要となり、タリ
ウム系超電導体薄膜をデバイス材料として利用する道が
開かれる。
された必要十分な高タリウム雰囲気中で行われるため、
形成されたタリウム系超電導体薄膜からのタリウムの離
脱がなく、高品質なタリウム系超電導体薄膜が形成でき
る。これにより薄膜形成後の熱処理が不要となり、タリ
ウム系超電導体薄膜をデバイス材料として利用する道が
開かれる。
【0011】本発明装置を図を用いて更に説明する。本
発明のタリウム系超電導体薄膜の製造装置の一実施態様
として、後述の実施例において詳述する図1に記載する
ような、図2に示すスパッタリング装置に、タリウム酸
化物ガスを簡易に製造できるタリウム酸化物ガス発生装
置を備えた構成のもので、この装置を使用することによ
りガス状のタリウム酸化物を用意する必要はなくなり、
取り扱い易い固体状のタリウムを原料とすることができ
る。
発明のタリウム系超電導体薄膜の製造装置の一実施態様
として、後述の実施例において詳述する図1に記載する
ような、図2に示すスパッタリング装置に、タリウム酸
化物ガスを簡易に製造できるタリウム酸化物ガス発生装
置を備えた構成のもので、この装置を使用することによ
りガス状のタリウム酸化物を用意する必要はなくなり、
取り扱い易い固体状のタリウムを原料とすることができ
る。
【0012】この実施態様によれば、タリウム酸化物ガ
ス発生装置からガス導入口(4)を介してタリウム酸化
物(Tl2O、Tl2O3)ガスを真空容器(1)内に導
入し、タリウムを含有するターゲット(3)を用いてス
パッタリングを行うことで、基板(2)上にタリウム系
超電導体薄膜を形成することができる。
ス発生装置からガス導入口(4)を介してタリウム酸化
物(Tl2O、Tl2O3)ガスを真空容器(1)内に導
入し、タリウムを含有するターゲット(3)を用いてス
パッタリングを行うことで、基板(2)上にタリウム系
超電導体薄膜を形成することができる。
【0013】なお、形成されるタリウム系超電導体薄膜
中のタリウムの組成はスパッタリングガスの圧力やスパ
ッタリングガス中のタリウム酸化物の割合を調節するこ
とで任意に制御することができる。
中のタリウムの組成はスパッタリングガスの圧力やスパ
ッタリングガス中のタリウム酸化物の割合を調節するこ
とで任意に制御することができる。
【0014】また、上述の実施態様では、ターゲット
(3)としてタリウムを含む材料を用いたが、もちろん
ターゲットとしてタリウムを含まないものを用いても、
本発明の効果が損なわれるものではなく、ターゲット材
料としてタリウムを含んだものを用いるものと同様にタ
リウム系超電導体薄膜を形成できる。
(3)としてタリウムを含む材料を用いたが、もちろん
ターゲットとしてタリウムを含まないものを用いても、
本発明の効果が損なわれるものではなく、ターゲット材
料としてタリウムを含んだものを用いるものと同様にタ
リウム系超電導体薄膜を形成できる。
【0015】
【実施例】実施例1. 図1は、本発明のタリウム系超電導体薄膜の製造装置の
一実施態様を示すもので、(1)〜(5)は上記スパッ
タリング装置と全く同一のものである。本実施態様は、
タリウム酸化物ガスを簡易に製造する装置をスパッタリ
ング装置に組み込んだ構成のものである。すなわち、ガ
ス導入口(9)及びガス排出口(10)を有する容器
(6)中に金属タリウムの粒子(7)を入れ、容器
(6)をヒータ(8)で加熱しながらガス導入口(9)
より酸素ガスを導入するものである。容器(6)中に導
入された酸素ガスは、加熱された金属タリウム(7)と
反応し、タリウム酸化物を生成する。このタリウム酸化
物がガス排出口(10)より真空容器(1)内に排出さ
れ、スパッタリングガスとして作用する。この装置によ
れば、ガス状のタリウム酸化物を用意する必要がなく、
取り扱い易い固形状のタリウムを原料とすることができ
る。
一実施態様を示すもので、(1)〜(5)は上記スパッ
タリング装置と全く同一のものである。本実施態様は、
タリウム酸化物ガスを簡易に製造する装置をスパッタリ
ング装置に組み込んだ構成のものである。すなわち、ガ
ス導入口(9)及びガス排出口(10)を有する容器
(6)中に金属タリウムの粒子(7)を入れ、容器
(6)をヒータ(8)で加熱しながらガス導入口(9)
より酸素ガスを導入するものである。容器(6)中に導
入された酸素ガスは、加熱された金属タリウム(7)と
反応し、タリウム酸化物を生成する。このタリウム酸化
物がガス排出口(10)より真空容器(1)内に排出さ
れ、スパッタリングガスとして作用する。この装置によ
れば、ガス状のタリウム酸化物を用意する必要がなく、
取り扱い易い固形状のタリウムを原料とすることができ
る。
【0016】なお、この実施態様に用いたヒータ(8)
の加熱温度は200〜600℃、酸素ガスの圧力は1〜
100mmTorr、金属タリウムと酸素ガスとの接触
時間は1〜20秒である。
の加熱温度は200〜600℃、酸素ガスの圧力は1〜
100mmTorr、金属タリウムと酸素ガスとの接触
時間は1〜20秒である。
【0017】なお、上述の実施態様では、容器(6)中
に金属タリウムの粒子を入れるものとしたが、それ以外
にも金属タリウムの粉末や焼結体、あるいはタリウムと
他の物質との化合物を同様な形状にしたものを用いるこ
とができる。更に、容器(6)に導入するガスとして酸
素だけでなく、酸素と他の物質、例えばアルゴンやキセ
ノン等の希ガスとの混合ガスを用いてもよいことはいう
までもない。また、容器(6)の設置場所は、図1に示
された例に限定されるものではなく、真空容器(1)と
独立に設置したり、真空容器(1)の内部に設置しても
かまわないことは勿論である。
に金属タリウムの粒子を入れるものとしたが、それ以外
にも金属タリウムの粉末や焼結体、あるいはタリウムと
他の物質との化合物を同様な形状にしたものを用いるこ
とができる。更に、容器(6)に導入するガスとして酸
素だけでなく、酸素と他の物質、例えばアルゴンやキセ
ノン等の希ガスとの混合ガスを用いてもよいことはいう
までもない。また、容器(6)の設置場所は、図1に示
された例に限定されるものではなく、真空容器(1)と
独立に設置したり、真空容器(1)の内部に設置しても
かまわないことは勿論である。
【0018】参考例1. 図1に示すスパッタリングガスとしてのタリウム酸化物
を簡易に製造するタリウム酸化物ガス発生装置を組み込
んだスパッタリング装置によるタリウム系超電導体薄膜
の形成を実証するため、以下の条件でスパッタリングを
行った。基板:MgO(100)、基板サイズ:10m
m×10mm、ターゲット:Ba2Ca2Cu2Ox、ター
ゲットサイズ:直径30mm、導入ガス:O2、ガス流
量:20SCCM、ガス圧力:300mTorr、容器
(6)内の固体:顆粒状タリウム金属、固体の重量:2
5g、容器(6)の加熱温度:400℃、高周波電力1
3.56MHz、100W、反応時間:10時間。スパ
ッタリングの結果、次のような薄膜が得られた。 膜厚(nm) 600 膜組成比(Tl:Ba:Ca:Cu) 2:2:2:3 臨界温度(K) 120 上記のように、タリウム酸化物を簡易に製造する装置を
組み込んだスパッタリング装置を用いて、金属タリウム
と酸素ガスを使用してタリウム系超電導体薄膜を形成で
きた。
を簡易に製造するタリウム酸化物ガス発生装置を組み込
んだスパッタリング装置によるタリウム系超電導体薄膜
の形成を実証するため、以下の条件でスパッタリングを
行った。基板:MgO(100)、基板サイズ:10m
m×10mm、ターゲット:Ba2Ca2Cu2Ox、ター
ゲットサイズ:直径30mm、導入ガス:O2、ガス流
量:20SCCM、ガス圧力:300mTorr、容器
(6)内の固体:顆粒状タリウム金属、固体の重量:2
5g、容器(6)の加熱温度:400℃、高周波電力1
3.56MHz、100W、反応時間:10時間。スパ
ッタリングの結果、次のような薄膜が得られた。 膜厚(nm) 600 膜組成比(Tl:Ba:Ca:Cu) 2:2:2:3 臨界温度(K) 120 上記のように、タリウム酸化物を簡易に製造する装置を
組み込んだスパッタリング装置を用いて、金属タリウム
と酸素ガスを使用してタリウム系超電導体薄膜を形成で
きた。
【0019】参考例2. 上記参考例1における、容器(6)内の固体として金属
タリウムに代えてタリウム化合物を用い、導入ガスとし
て酸素に代えて酸素と他のガスの混合物を用いてもタリ
ウム系超電導体薄膜が形成できることを確かめるため、
図1に示す装置を用い、以下の条件でスパッタリングを
行った。基板:MgO(100)、基板サイズ:10m
m×10mm、ターゲット:Ba2Ca2Cu2Ox、ター
ゲットサイズ:直径30mm、導入ガス:O2+Ar、
ガス流量:20SCCM、ガス圧力:400mTor
r、Ar分率:25%、容器(6)内の固体:顆粒状タ
リウム酸化物(Tl2O)、固体の重量:25g、容器
(6)の加熱温度:400℃、高周波電力13.56M
Hz、100W、反応時間:10時間。スパッタリング
の結果、次のような薄膜が得られた。 膜厚(nm) 800 膜組成比(Tl:Ba:Ca:Cu) 2:2:2:3 臨界温度(K) 120 上記のように、容器(6)内の固体として金属タリウム
に代えてタリウム化合物を用い、導入ガスとして酸素に
代えて酸素と他のガスの混合物を用いてもタリウム系超
電導体薄膜が形成できた。
タリウムに代えてタリウム化合物を用い、導入ガスとし
て酸素に代えて酸素と他のガスの混合物を用いてもタリ
ウム系超電導体薄膜が形成できることを確かめるため、
図1に示す装置を用い、以下の条件でスパッタリングを
行った。基板:MgO(100)、基板サイズ:10m
m×10mm、ターゲット:Ba2Ca2Cu2Ox、ター
ゲットサイズ:直径30mm、導入ガス:O2+Ar、
ガス流量:20SCCM、ガス圧力:400mTor
r、Ar分率:25%、容器(6)内の固体:顆粒状タ
リウム酸化物(Tl2O)、固体の重量:25g、容器
(6)の加熱温度:400℃、高周波電力13.56M
Hz、100W、反応時間:10時間。スパッタリング
の結果、次のような薄膜が得られた。 膜厚(nm) 800 膜組成比(Tl:Ba:Ca:Cu) 2:2:2:3 臨界温度(K) 120 上記のように、容器(6)内の固体として金属タリウム
に代えてタリウム化合物を用い、導入ガスとして酸素に
代えて酸素と他のガスの混合物を用いてもタリウム系超
電導体薄膜が形成できた。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する: タリウム酸化物を含むスパッタリングガスを製造する装
置として本発明の装置に組み込まれたタリウム酸化物ガ
ス発生装置を使用と、ガス状のタリウム酸化物を用意す
る必要がなく、取り扱い易い固体状のタリウムを用いる
ことができる。
ているので、以下に記載するような効果を奏する: タリウム酸化物を含むスパッタリングガスを製造する装
置として本発明の装置に組み込まれたタリウム酸化物ガ
ス発生装置を使用と、ガス状のタリウム酸化物を用意す
る必要がなく、取り扱い易い固体状のタリウムを用いる
ことができる。
【図1】本発明の一実施態様を示す装置の概略図であ
る。
る。
【図2】従来のスパッタリング装置を示す断面図であ
る。
る。
1 真空容器、2 基板、3 ターゲット、4 ガス導
入口、5 高圧または高周波電源、6 容器、7 固体
状タリウム、8 ヒータ、9 ガス導入口、10 ガス
排出口。
入口、5 高圧または高周波電源、6 容器、7 固体
状タリウム、8 ヒータ、9 ガス導入口、10 ガス
排出口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 39/24 ZAA H01L 39/24 ZAAB (56)参考文献 特開 平4−74704(JP,A) 特表 平7−505114(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00
Claims (1)
- 【請求項1】 スパッタリング装置と、スパッタリング
ガスを供給するための加熱したタリウムまたはタリウム
化合物に酸素または酸素と他の物質との混合ガスの気流
を接触させてタリウム酸化物を発生させることからなる
タリウム酸化物ガス発生装置とを備えることを特徴とす
るタリウム系超電導体薄膜の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4305545A JP3034711B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | タリウム系超電導体薄膜の製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4305545A JP3034711B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | タリウム系超電導体薄膜の製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157196A JPH06157196A (ja) | 1994-06-03 |
JP3034711B2 true JP3034711B2 (ja) | 2000-04-17 |
Family
ID=17946454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4305545A Expired - Fee Related JP3034711B2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | タリウム系超電導体薄膜の製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3034711B2 (ja) |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP4305545A patent/JP3034711B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06157196A (ja) | 1994-06-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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R350 | Written notification of registration of transfer |
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