JP3034694B2 - 香味料 - Google Patents

香味料

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JP3034694B2
JP3034694B2 JP4186181A JP18618192A JP3034694B2 JP 3034694 B2 JP3034694 B2 JP 3034694B2 JP 4186181 A JP4186181 A JP 4186181A JP 18618192 A JP18618192 A JP 18618192A JP 3034694 B2 JP3034694 B2 JP 3034694B2
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達也 河辺
源壮 長浜
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寳酒造株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は香味料に関し、更に詳し
くは、担子菌の培養物を含有する飲食品用の香味料に関
する。
【0002】
【従来の技術】香味料は、わが国では古くから様々な飲
食品に使用されており、化学的合成品、天然抽出品共に
数多くのものが製造されている。最近では消費者の嗜好
の多様化、高級化及び本物指向に伴い、天然物由来の香
味料がより強く求められる傾向にあるが、天然物から抽
出される香味料は香気強度等の点から経済的に使用が困
難な問題がある。また、天然物から抽出される香味料の
香気特性は、当然のことながら原料物質の香気に近いも
のであり、原料物質の香気をそのまま利用したい場合に
は好都合なものであるが、より対象飲食品に適した複雑
な香気を求める場合には不十分なものである。
【0003】一方、天然物の香気成分は一般に複雑なも
のであり、化学的手法だけでそれを再現することは困難
である。特に微生物によって生産される発酵香気成分に
関しては、未だ合成法では満足な品質のものが製造され
ていないのが現状である。微生物を香味料の生産に利用
しようとする試みは古くからなされており、特に酵母や
乳酸菌は発酵食品の香気形成に直接関与する微生物であ
ることから、それらを用いた発酵食品香気の生産に関す
る研究が多くみられる。また、微生物の1種である担子
菌の香気成分については、マツタケオール(1-octen-3-
ol)が最もよく知られた化合物であり、それを中心とし
たキノコ香気の効率的な生産方法についてさかんに検討
がなされている(例えば、特開昭64−16567
号)。ところで、担子菌はキノコ香気のみならず非常に
複雑な香りを生成するものであるが、その能力を香味料
生産に応用しようとする試みはなされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、天然物由
来で、かつ天然抽出型香味料よりもさらに良質な飲食品
用香味料に対する要望は強いにもかかわらず、未だ十分
満足できる品質のものは生産されていないのが現状であ
る。本発明はこのような現状にかんがみてなされたもの
であり、その目的は、香味成分の生産能力の高い担子菌
を利用して、香味料として従来にない高品質のものを提
供することにある。
【0005】本発明を概説すると、本発明は飲食品用の
香味料に関し、ヒダナシタケ目多孔歯科タマチョレイタ
ケ属タマチョレイタケの培養物から得られる、香りの主
成分が芳香族揮発性成分のうちのベンズアルデヒドであ
り、かつ桂皮様香を有する物を含有することを特徴とす
る。本発明においては、該培養物が、芳香族揮発性成分
の前駆物質を添加して培養を行った培養物であることが
好適である。
【0006】本発明者らは、天然型香味料を提供するた
め、種々の担子菌培養物をスクリーニングした結果、タ
マチョレイタケ属の担子菌が芳香族揮発性成分を多量に
生産し、該培養物が香味料として有用であることを見出
し、本発明を完成した。本発明で使用する担子菌は、ヒ
ダナシタケ目多孔菌科タマチョレイタケ属に属し、ベン
ズアルデヒドを主成分とし、そのほかにベンジルアルコ
ール及び2−フェニルエタノールの芳香族揮発性成分の
少なくとも1種を生産する能力のあるものであれば良
く、例えば、タマチョレイタケ(Polyporus tuberaste
r)がある。
【0007】タマチョレイタケの培養方法としては固体
培養でも、液体培養でも良く、使用する菌株、培地組成
などによって異なり一概には決められないが、培養方法
としては液体培養がより好適であり、また、これらタマ
チョレイタケの培養のための培地としては、菌が資化で
きる炭素源、窒素源を含有するものであれば特に限定さ
れず、例えば、炭素源として、グルコース、シュークロ
ース、デキストリン又は糖蜜など、窒素源として、ペプ
トン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、硝酸塩類又は
アンモニウム塩類などを挙げることができる。また、菌
の生育を速めるために無機塩類を必要に応じて添加して
もよい。さらに、芳香族揮発性成分の前駆物質(例え
ば、フェニルアラニン、チロシンなどのアミノ酸やリグ
ニン分解物など)を培地に添加することは、得られるフ
レーバー成分量を高めることに好適な手段であるが、必
ずしも必要な要件ではない。
【0008】培養条件としては、液体培養の場合、例え
ば20〜40℃で1〜60日間振とう培養する、あるい
は、ジャーファーメンターを使用して20〜40℃、
0.3〜2.5vvm程度の通気量で1〜60日間かく
はん培養する、というような方法が一般的なものであ
る。本発明の香味料は、ベンズアルデヒドを主成分と
し、そのほかにベンジルアルコール及び2−フェニルエ
タノールの芳香族揮発性成分の少なくとも1種を含み、
該香味料中には、上述のタマチョレイタケの培養物が含
有される。
【0009】培養物としては、培養菌糸体を含有するも
のでも、含有しないものでもよく、例えば、培養菌糸
体、培養菌糸体よりの抽出物又は培養上澄液等、目的の
芳香族揮発性成分を含有するものであればよい。例え
ば、菌糸体が生育し、培養が終了した培養物より、常法
通り、吸引ろ過又は遠心分離等の方法で菌糸体を分離
し、培養液体を芳香族揮発性成分による芳香に富んだ液
体の香味料として得ることができる。
【0010】得られる香味料中の芳香族化合物の種類及
び量は菌株、培地組成などによって異なるが、何れの場
合もベンズアルデヒド、ベンジルアルコール又は2−フ
ェニルエタノール等が主成分となり、華やかで若干桂皮
様香を感じさせる独特の芳香を呈する。
【0011】得られた液体の香味料は、前記のようにそ
のままでも十分使用可能なものであるが、使用目的に応
じて濃縮、乾燥などの処理を施すことができる。また、
他の香味料や食品材料と混合して使用することも差し支
えない。
【0012】例えば、タマチョレイタケ属担子菌とし
て、タマチョレイタケ(ATCC20544)の液体培
養を行い、培養終了物の遠心分離を行い、遠心上澄を液
体香味料として調製する。また、該香味料に例えばサイ
クロデキストリンを添加し、噴霧乾燥を行うことによっ
て、粉末香味料を調製することができる。該香味料は食
用きのこのタマチョレイタケ由来であり、安全性に問題
はない。
【0013】次に、該培養物の製造及び香気成分分析例
を示す。先ず、グルコース2.0W/V%(以下W/V
%を%と略述する)、ポリペプトン0.5%、麦芽エキ
ス0.3%、酵母エキス0.3%、リン酸1カリウム
0.05%、硫酸マグネシウム7水和物0.05%及び
フェニルアラニン0.02%の液体培地でタマチョレイ
タケ(ATCC20544)を培養した。得られた培養
物のエーテル抽出物を、ガスクロマトグラフ(内径0.
25mm× 長さ50mの溶融石英キャピラリーカラ
ム、液相はPEG20M使用)及びガスクロマトグラフ
−質量分析計で分析したところ、全香気成分の内、ベン
ズアルデヒドが61.0V/V%、ベンジルアルコール
が0.3V/V%、2−フェニルエタノールが2.0V
/V%を占め、該抽出液は高品質の桂皮様の香味を呈す
るものであった。
【0014】本発明における香味料の使用対象食品は特
に限定されないが、アイスクリーム、キャンディ又はガ
ムなどの菓子類や清涼飲料水などが好適な対象である。
本発明における香味料の添加量は、該香味料の香味成分
の濃度や使用対象食品によるが、例えば培養物を濃縮、
乾燥した香味料の粉末品では0.1〜10.0W/W
%、液体の形態では0.3〜30.0W/W%が好適で
ある。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0016】実施例1 バッフル付き2リットル容マイヤーフラスコにグルコー
ス2%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、
麦芽エキス0.3%、リン酸1カリウム0.05%、硫
酸マグネシウム7水和物0.05%を含有する培地0.
7リットルを入れ、120℃で20分間殺菌した。これ
に、予め同様の培地で生育させておいたタマチョレイタ
ケ(ATCC20544)の前培養液0.1リットルを
無菌的に添加し、30℃で13日間振とう培養した(回
転数100rpm)。培養終了後、常法通りろ紙ろ過を
行って菌体を除去して得た培養液は、ベンズアルデヒ
ド、ベンジルアルコール等の芳香族成分を主成分とし、
微かに発酵臭を供った桂皮様の華やかな香りを示す、菓
子類に好適な品質のものであった。
【0017】実施例2 30リットル容ジャーファーメンターに実施例1と同じ
培地18リットルとフェニルアラニン0.02%を入
れ、120℃で20分間殺菌した。これに、実施例1と
同様に培養したタマチョレイタケ培養液0.8リットル
を無菌的に添加し、30℃で10日間通気かくはん培養
した(通気量1vvm、回転数120rpm)。培養終
了後、常法通り遠心分離を行って菌体を分離した。得ら
れた培養液にサイクロデキストリン(塩水港精糖「デキ
シーパールK−100」)2kgを添加し、かくはん溶
解後、噴霧乾燥を行って薄褐色の粉末2.8kgを得
た。該粉末の水溶液は実施例1よりもさらに華やかな香
りの強いものであった。
【0018】実施例3 アイスクリーム 市販のバニラアイスクリームに実施例1の香味液を2.
0W/W%添加混合して、無添加区と官能検査により比
較検討したところ、添加区の方が桂皮様の香味があり好
ましかった。
【0019】実施例4 ドロップ 砂糖810g及びグルコース165gを水600mlに
加熱溶解させ、145〜150℃で煮つめ、更に減圧下
で水分2W/W%になるまで加熱濃縮し、これにクエン
酸11g、少量の着色料と実施例2で得られた香味料粉
末15gを混合し、常法に従って成形することによりド
ロップを得た。得られたドロップは桂皮様の香味の好ま
しい製品であった。
【0020】実施例5 チューインガム ガムベース2kgを柔らかくなる程度に加熱溶解し、こ
れに砂糖6kg、結晶ブドウ糖1.9kg、少量の着色
料及び実施例2で得られた香味料粉末0.4kgを混合
し、常法によりロールで練り合わせ、成形することによ
ってチューインガムを得た。得られたチューインガムは
桂皮様の香味の好ましい製品であった。
【0021】実施例6 ミルクチョコレート カカオバター0.7kg、砂糖3.5kg、粉乳2.8
kg及び実施例2で得られた香味料粉末35gを混合
し、レファイナーを通して粒度を下げた後、混練機に入
れ50℃で2日間練り上げた。次いで、常法により成型
機に流し込み、成型固化することにより製品とした。得
られたチョコレートは桂皮様の香味の好ましい製品であ
った。
【0022】実施例7 ゼリー 砂糖1.5kg、クエン酸ナトリウム30g、寒天10
0g及び水7リットルを加熱混合し、80℃に10分間
保った後、これにプルーンエキス(水分30W/W%)
1kg、クエン酸30gを少量の水に溶解した水溶液、
及び実施例2で得られた香味料粉末100gを混合して
均一にした。次いで、60〜70℃にて容器に充てん
し、製品とした。得られたゼリーは桂皮様の香味の好ま
しい製品であった。
【0023】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
香味料は、飲食品に従来にない良質の香味を付加するこ
とを可能とした点で、顕著な効果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−87095(JP,A) 特公 昭50−33148(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/22 - 1/237 A23L 1/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒダナシタケ目多孔歯科タマチョレイタ
    ケ属タマチョレイタケの培養物から得られる、香りの主
    成分が芳香族揮発性成分のうちのベンズアルデヒドであ
    り、かつ桂皮様香を有する物を含有することを特徴とす
    る飲食品用香味料。
  2. 【請求項2】 該培養物が、芳香族揮発性成分の前駆物
    質を添加して培養を行った培養物である請求項1に記載
    の飲食品用香味料。
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JP2010263835A (ja) * 2009-05-15 2010-11-25 Yaegaki Hakko Giken Kk 組成物および同組成物を含有する飲食品

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