JP3033801B2 - 薄膜への不純物拡散方法 - Google Patents

薄膜への不純物拡散方法

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JP3033801B2 JP4307348A JP30734892A JP3033801B2 JP 3033801 B2 JP3033801 B2 JP 3033801B2 JP 4307348 A JP4307348 A JP 4307348A JP 30734892 A JP30734892 A JP 30734892A JP 3033801 B2 JP3033801 B2 JP 3033801B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜への不純物拡散方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜への不純物の拡散は、薄膜を
試料に堆積したのち、薄膜表面から熱により不純物を拡
散させるか、イオン注入のように不純物のイオンにエネ
ルギーを与えて薄膜中に打ち込む方法で行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらの方法に
より薄膜に不純物を拡散させる方法では、薄膜の厚みが
薄くなると不純物拡散のばらつきや、下地の損傷等の問
題があった。つまり、薄膜表面から熱により不純物を拡
散させる方法では、最表面に成長する酸化膜や汚染物質
が拡散を妨げ、均一な不純物拡散ができない問題点があ
る。
【0004】また、イオン注入による不純物イオンの拡
散は、注入後の分布が薄膜の膜厚よりも大きくなり、不
純物分布がばらつくことや、段差によるかげの部分で注
入されない領域が発生すること、さらに下地が注入イオ
ンにより損傷を受けることなどの問題点があった。
【0005】本発明は上記の課題に鑑みなされたもので
あって、薄膜を損傷することなく、薄膜中に均一な分布
で不純物を拡散することができる薄膜への不純物拡散方
法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(i)
試料表面に不純物の拡散を阻害する膜を形成する工程(i
i)該膜に、該膜上に形成する半導体膜中に拡散させるべ
き不純物元素又はその化合物を含有する雰囲気中で、一
定量の不純物元素又はその化合物を付着させる工程、(i
ii) 前記薄膜上に半導体薄膜を形成する工程、(iv)熱処
理により前記不純物元素又はその化合物を半導体薄膜に
拡散させる工程を含むことを特徴とする薄膜への不純物
拡散方法が提供される。また、本発明によれば、(i)
試料表面に、不必要な不純物の拡散を阻害する第1膜を
形成し、さらに、該第1膜上に、不必要な不純物及び不
純物の拡散を阻害する第2膜を形成することにより不純
物の拡散を阻害する膜を積層膜として形成する工程、(i
i)該第2膜に、該第2膜上に形成する半導体膜中に拡散
させるべき不純物元素又はその化合物を含有する雰囲気
中で、一定量の不純物元素又はその化合物を付着させる
工程、(iii) 前記薄膜上に半導体薄膜を形成する工程、
(iv)熱処理により前記不純物元素又はその化合物を半導
体薄膜に拡散させる工程を含むことを特徴とする薄膜へ
の不純物拡散方法が提供される。
【0007】本発明における試料とは、半導体装置等の
半導体基板や半導体基板上にトランジスタやキャパシタ
等の素子、あるいは配線等を形成するために絶縁膜や電
極材料等を堆積したもの等を意味する。また、その試料
表面に形成する「不純物の拡散を阻害する膜」とは、単
層膜又は積層膜として形成される膜であり、ボロン、リ
ン、砒素等の不純物(半導体中でドーパントとして機能
する不純物)が、その膜内に拡散しないような膜、ある
いはこのような不純物(半導体中でドーパントとして機
能する不純物)及び不必要な(形成予定の半導体膜中に
混入することが望ましくない)不純物の双方が、その膜
内に拡散しないような膜を意味する。不純物の拡散を阻
害する膜としては、特に限定されるものではないが、例
えば、SiO2 等の酸化膜やSiN等の窒化物等をあげ
ることができる。好ましくはSiO2 膜である。この場
合の膜厚は材料により適宜選択して用いることができる
が、好ましくは5nm程度以上である。SiO2 膜の場
合、その形成方法は公知の方法、例えば、SiCl4
はSiH4 と酸素ガス等とを用いるCVD法等により形
成することができる。また、特に大気中の不純物の混入
を防止するために、SiO2 の原料ガスのみを含む雰囲
気中でSiO2 膜を形成するか、あるいは、まず、大気
中でSiO2 膜を任意の膜厚に形成したのち、SiO2
の原料ガスのみを含む雰囲気中で、さらにSiO2 膜を
膜厚5nm程度以上形成してもよい。
【0008】また、本発明においては、不純物の拡散を
阻害する膜を形成したのち、その膜上に形成する半導体
薄膜中に拡散させるべき不純物元素又はその化合物を含
有する雰囲気中で、一定量の不純物元素又はその化合物
を付着させる。この場合の不純物元素又はその化合物と
しては、通常半導体中に不純物としてドーピングされる
ものであれば特に限定されるものでなく、ボロン、リ
ン、砒素等あるいはそれらの化合物等を挙げることがで
きる。これら不純物元素又はその化合物を含む雰囲気と
しては、不純物元素又はその化合物のみが1×10-12
〜1×10-9モル/リットルで含有する雰囲気である。
この雰囲気の圧力は1atom程度が好ましく、その温
度は0〜300℃程度の範囲が好ましい。また、試料を
この雰囲気中に導入する時間は5分間程度が好ましく、
これによって、上記膜表面に1×1010〜1×1013
/cm2 程度の不純物元素又はその化合物を付着させ
る。
【0009】そして、上記のように表面に不純物元素又
はその化合物を付着させた膜上に、半導体薄膜を形成す
る。半導体薄膜としては、電極や配線等に用いられるも
のであれば特に限定されるものではなく、ダイアモン
ド、GaAs、ZnS等を用いることができるが、ポリ
シリコンが好ましい。ポリシリコン薄膜を形成する場
合、公知の方法、例えば、Si2 6 又はSiH4 とN
2 ガス等とを用いるCVD法等により形成することがで
きる。その場合、ポリシリコン薄膜は上記工程から引き
続き気密容器中で行うことが好ましい。ポリシリコン薄
膜の膜厚は0.1μm程度が好ましい。また、ポリシリ
コン薄膜を積層したのち、さらにポリシリコン薄膜を被
覆するように、膜厚5nm程度以上の絶縁膜、例えばS
iO2 膜等を形成してもよい。
【0010】次いで、熱処理を行う。この熱処理は大気
中あるいは酸化性又は不活性雰囲気下、圧力1atom
程度、800〜1000℃程度の温度範囲で30分間程
度行うことが好ましい。なお、本発明においては、上記
(i)〜(iv)の工程を既知の成分の気体を含有する気密
容器内で行うことが最も好ましい。
【0011】
【作用】本発明の薄膜への不純物拡散方法によれば、試
料表面に不純物の拡散を阻害する膜を形成する工程、該
膜に、該膜上に形成する半導体膜中に拡散させるべき不
純物元素又はその化合物を含有する雰囲気中で、一定量
の不純物元素又はその化合物を付着させる工程、前記薄
膜上に半導体薄膜を形成する工程、熱処理により前記不
純物元素又はその化合物を半導体薄膜に拡散させる工程
とを含むので、一定量の不純物元素又はその化合物が、
不純物の拡散を阻害する膜上に均一に付着されることと
なる。そして、この不純物が、該膜上に形成された半導
体薄膜に、その後の熱処置によって欠陥を与えることな
く均一に拡散する。
【0012】
【実施例】本発明の薄膜への不純物拡散方法の実施例を
図面に基づいて説明するが、本発明は以下の実施例に限
定されない。
【0013】実施例1 まず、SiO2 膜を介してポリシリコン2が形成された
シリコン基板1上に、不純物の拡散を阻害する膜として
膜厚0.1μm程度のSiO2 膜3を形成する。そし
て、ボロン(図1のB)を2μg/m3 含有する雰囲気
5中に、室温で1分間晒すことにより、SiO2 膜3の
表面に約1×1012個/cm2 のボロンを付着させる
(図1)。
【0014】次いで、SiO2 膜3上にSiH4 及びN
2 を用いて、気相分解法によりポリシリコン4を、膜厚
100nm程度堆積する(図2)。さらに、950℃の
温度で30分間アニール処理を行う。これにより、Si
2 膜3に付着していたボロンがポリシリコン4中に1
×1017個/cm3 の濃度で均一に拡散する(図3)。
【0015】このように形成すると、半導体薄膜である
ポリシリコン4中に均一に不純物元素であるボロンが拡
散されることとなる。
【0016】実施例2 まず、実施例1と同様に、SiO2 膜を介してポリシリ
コン2が形成されたシリコン基板1上に、まず、膜厚
0.1μm程度のSiO2 膜3aを形成する。この際、
SiO2 膜3a表面には雰囲気中からの汚染物質が付着
しやすいため、不必要な不純物(図4のC)が付着して
いる(図4)。
【0017】次いで、密閉された状態のなかで、SiH
4 及びN2 Oを用いた気相成長法により、SiO2 膜3
a上に、さらに不純物の拡散を阻害する膜として膜厚
0.1μm程度のSiO2 膜3bを形成する(図5)。
この際のSiO2 膜3bは、密閉された状態で形成され
たため、不純物の付着が極めて少なくすることができ
る。
【0018】そして、ボロンを2μg/m3 含有する雰
囲気5中に、室温で1分間晒すことにより、SiO2
3bの表面に約1×1012個/cm2 のボロンを付着さ
せる(図6)。さらに、SiO2 膜3b上にSiH4
びN2 を用いて、気相分解法によりポリシリコン4を、
膜厚100nm程度堆積した後、引き続きSiO2 膜3
cを積層した(図7)。
【0019】その後、950℃の温度で30分間アニー
ル処理を行う。これにより、SiO 2 膜3bに付着して
いたボロンがポリシリコン膜4中に1×1017個/cm
3 の濃度で均一に拡散する(図8)。このように形成す
ると、不純物の拡散を阻害する膜3bの形成以降の工程
を、成分が既知の雰囲気中で行うために不必要な不純物
が半導体薄膜4に接することなく、半導体薄膜4の品質
を低下させずに、所望の不純物を均一に拡散することが
できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の薄膜への不純物拡散方法によれ
ば、試料表面に不純物の拡散を阻害する膜を形成する工
程、該膜に、該膜上に形成する半導体膜中に拡散させる
べき不純物元素又はその化合物を含有する雰囲気中で、
一定量の不純物元素又はその化合物を付着させる工程、
前記薄膜上に半導体薄膜を形成する工程、熱処理により
前記不純物元素又はその化合物を半導体薄膜に拡散させ
る工程とを含むので、一定量の不純物元素又はその化合
物が、不純物の拡散を阻害する膜上に付着されることと
なる。そして、この不純物が、その後の熱処理により、
該膜上に形成された半導体薄膜に欠陥を与えることなく
均一に拡散させることができる。従って、薄膜中への不
純物拡散方法として、産業に大きく寄与することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第一
の実施例を示す製造工程図。
【図2】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第一
の実施例を示す製造工程図。
【図3】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第一
の実施例を示す製造工程図。
【図4】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第二
の実施例を示す製造工程図。
【図5】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第二
の実施例を示す製造工程図。
【図6】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第二
の実施例を示す製造工程図。
【図7】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第二
の実施例を示す製造工程図。
【図8】本発明に係わる薄膜への不純物拡散方法の第二
の実施例を示す製造工程図。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 ポリシリコン 3,3a,3b,3c 不純物の拡散を阻害する膜 4 半導体膜(ポリシリコン膜) 5 不純物元素又はその化合物を含有する雰囲気 B ボロン C 不必要な不純物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/22 H01L 21/225 H01L 21/205

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)試料表面に不純物の拡散を阻害す
    る膜を形成する工程 (ii)該膜に、該膜上に形成する半導体膜中に拡散させる
    べき不純物元素又はその化合物を含有する雰囲気中で、
    一定量の不純物元素又はその化合物を付着させる工程、 (iii) 前記薄膜上に半導体薄膜を形成する工程、 (iv)熱処理により前記不純物元素又はその化合物を半導
    体薄膜に拡散させる工程を含むことを特徴とする薄膜へ
    の不純物拡散方法。
  2. 【請求項2】 (i)試料表面に、不必要な不純物の拡
    散を阻害する第1膜を形成し、さらに、該第1膜上に、
    不必要な不純物及び不純物の拡散を阻害する第2膜を形
    成することにより不純物の拡散を阻害する膜を積層膜と
    して形成する工程、 (ii)該第2膜に、該第2膜上に形成する半導体膜中に拡
    散させるべき不純物元素又はその化合物を含有する雰囲
    気中で、一定量の不純物元素又はその化合物を付着させ
    る工程、 (iii) 前記薄膜上に半導体薄膜を形成する工程、 (iv)熱処理により前記不純物元素又はその化合物を半導
    体薄膜に拡散させる工程を含むことを特徴とする薄膜へ
    の不純物拡散方法。
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