JP3032765U - 送電線把持クランプ用ゴムインサート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 架空送電線のスペーサーの先端に取り付けら
れ送電線を把持するためのクランプにおけるゴムインサ
ートで、位置決めがし易く、高所作業が有利に行なえ、
ゴムインサートを構成する半体間でずれの起こらないゴ
ムインサートを提供する。 【解決手段】 架空送電線を挿入し、周囲にアーマロッ
ドを巻付けて把持するクランプ用のゴムインサートであ
って、二つ割りの半体が組合わされたときに嵌め合いに
よりダンベル状となるゴムインサートであって、その膨
大部に嵌合用凹凸部を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、架空送電線のクランプにおける送電線を直接把持するゴムインサ ートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来公知の架空送電線の把持クランプでは、架空送電線１をゴムインサート１ １の内部に挿通し、その表面にアーマーロッド２を巻きつけて架空送電線１を強 固に固定し、かくした外部に吊り金具４及び締め付け金具５をボルト６及びナッ ト（図示せず）で固定していた。又、取付け金具自体は改良型もあるが、ゴムイ ンサートの内外の構成は略同様である。 このゴムインサート１１は図１に示すように、通常長手方向に二つ割れである が、内部に架空送電線の挿通通路１０を有し、外部にアーマーロッド２を巻きつ けるゴムインサートであって、合体した外形が両端に大径部１２ａ，１２ａを有 し、中央を小径部１２ｂを有する裁端ダンベル形状を構成するものである。 そして、従来使用されていたゴムインサートは、図３（イ）、（ロ）に示すよ うに、単に前記図１で示したものが長手方向に中央で切断した形の半体をゴムモ ールドで成形して得たものであるから、これを、架空送電線の相間スペーサーの 取付け端の把持クランプに使用する場合問題があった。なお、図３において図１ と同一部分には同一符号が付されているので説明を省略する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、このような構造のゴムインサートを用いて送電線のスペーサー端に 把持クランプを取り付ける場合、例えば、図４に示すように、架空送電線１をゴ ムインサート１１の中心の挿通路１０内に挿通し、ゴムインサート１１の外部に は架空送電線１に巻きつけたアーマーロッド２をここにも巻きつけて、ゴムイン サート１１の小径部１２ｂの合体した箇所を中心として吊り金具４を取付け、そ の周囲に締め付け金具５を設け、その頂部では相間スペーサーの取付け端を挿入 して、ボルト６と図示してないナットで締め付け固定するようになっていた。 なお、相間スペーサー及びナットは図示を省略してある。 このような取付け作業は、部品点数の多い高所作業ということもあって、必要 とする多数の部品を携行して、時に片手で支え、片手で取り付けるということも 起こり、なかなか自由がきかず、前記ゴムインサートが二つ割れ構造であること から送電線に向い合わせで取り付けるとき、長手方向に位置がずれる可能性があ る。また、このゴムインサートの取付け後にアーマーロッドを取り付けるが、そ の際前記ゴムインンサートが脱落しないように必ず片手で把持していなければな らないため、作業がかなり困難で、ゴムインサート半体を正確に組み合わせられ ないことも生じがちであった。 このゴムインサートが正確に取付けられないと、相間スペーサーの把持構造全 体が設計どおり行かないことになり、安全で容易に組み立てられるゴムインサー トの出現が長い間待望されていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の如き実情に鑑み、鋭意検討の結果なされたもので、その概要は 以下のとおりである。 請求項１の考案は、合体したときの外形は両端が大径部１２ａ，１２ａで、中 央が小径部１２ｂである裁端ダンベル形状となる長手方向の二つ割れの半体１１ ａ，１１ｂからなるゴム成形体１１であって、その突き合わせ面には両端の大径 部１２ａ，１２ａに雌雄の嵌着用凹部１４ａ，凸部１４ｂを設けて嵌着により一 体化するようにしてなることを特徴とする送電線把持クランプ用ゴムインサート であり、請求項２の考案は、上記二つ割れの半体１１ａ，１１ｂのそれぞれの大 径部１２ａ，１２ａに、それぞれ長手方向の一方が凹部１４ａで他方が凸部１４ ｂであるように構成された請求項１記載の送電線把持クランプ用ゴムインサート を提供するものである。 すなわち、二つ割れの半体からなるゴム成形体である点は従来と同様であるが 、しかしながら、両端の大径部に雌雄の嵌着用凹凸部を設けて、取付けに当たり 極めて容易に一体構造に組立てられるようにした点で従来の問題点を極めて容易 に解決した。このような構成とすることにより送電線把持用ゴムインサートを取 り付けるに当たり、その取付け作業が極めて容易にできるようになった。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案は、図２（イ）、（ロ）に示すように、内部に架空送電線の挿通通路１ ０を有し、外部にアーマーロッドを巻きつけるゴムインサート１１であって、合 体した外形が両端に大径部１２ａ，１２ａを有し、中央を小径部１２ｂを有する 裁端ダンベル形状となる長手方向の二つ割れの半体１１ａ，１１ｂからなるゴム 成形体１１であって、その突き合わせ面の両端の大径部１２ａ，１２ａに雌雄の 嵌着機構すなわち嵌着用凹部１４ａ，凸部１４ｂを設けて嵌着一体化しうるよう にしたことを特徴とする送電線把持クランプ用ゴムインサートである。 そして、好ましくは、二つ割れの半体１１ａ，１１ｂのそれぞれの大径部１２ ａ，１２ａに、それぞれ長手方向の一方が凹部１４ａで他方が凸部１４ｂである ように構成された構造とすることにより、単一のゴム成形体の半体をモールドで 製造し、組み合わせて使用することができるから量産に適し、極めて廉価に提供 することができる。

【０００６】

【考案の効果】

本考案のゴムインサートを用いるときは、送電線の吊り金具を取り付けるに際 し、前記した雌雄の嵌着機構すなわち嵌着用凹部１４ａ，凸部１４ｂによって一 体化できるので、この凹凸がゴムインサートの位置決めを兼ねることとなり、い つも同じ状態で組立てができ、かつ凹凸が相互に係止状態を容易に構成するので 、送電線に組立て使用しても脱落するおそれがなく、特に、アーマーロッドの構 成に際して、片手で支える必要がないので、安全で高所作業を容易に実施するこ とができる。 なお、最近送電線の把持金具自体を改良し、例えば締め付け金具を用いない等 種々の提案があるが、ゴムインサートを用いての取付け構造は変更することがな い提案であることから、如何なる種類の把持金具にも適用して効果を奏すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ゴムインサートの組立構造を示し、（イ）は正
面図、（ロ）は（イ）のＡＡ線断面図

【図２】本考案のゴムインサートの構造を示し、（イ）
は正面図、（ロ）は（イ）のＢＢ線断面図

【図３】従来のゴムインサートの構造を示し、（イ）は
正面図、（ロ）は（イ）のＣＣ線断面図

【図４】ゴムインサートを用いた送電線把持クランプの
一例の取付け状態の要部を示す金具の右半分を省略した
正面図。

【符号の説明】

１ 架空送電線 ２ アーマーロッド ４ 吊り金具本体 ５ 締め付け金具 ６ 六角ボルト １０ 送電線挿入通路 １１ ゴムインサート １１ａ，１１ｂ ゴムインサート半体 １２ａ 大径部 １２ｂ 小径部 １４ａ 凹部 １４ｂ 凸部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に架空送電線の挿通通路１０を有
   し、外部にアーマーロッド２を巻きつけるゴムインサー
   トであって、合体したときの外形は両端が大径部１２
   ａ，１２ａで、中央が小径部１２ｂである裁端ダンベル
   形状となる長手方向の二つ割れの半体１１ａ，１１ｂか
   らなるゴム成形体１１であって、その突き合わせ面には
   両端の大径部１２ａ，１２ａに雌雄の嵌着用凹部１４
   ａ，凸部１４ｂを設けて嵌着により一体化するようにし
   てなることを特徴とする送電線把持クランプ用ゴムイン
   サート。
2. 【請求項２】 二つ割れの半体１１ａ，１１ｂのそれぞ
   れの大径部１２ａ，１２ａに、それぞれ長手方向の一方
   が凹部１４ａで他方が凸部１４ｂであるように構成され
   た請求項１記載の送電線把持クランプ用ゴムインサー
   ト。