JP3032527B1 - 窯業系建築板の製造方法及び窯業系建築板 - Google Patents

窯業系建築板の製造方法及び窯業系建築板

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JP3032527B1 JP11116590A JP11659099A JP3032527B1 JP 3032527 B1 JP3032527 B1 JP 3032527B1 JP 11116590 A JP11116590 A JP 11116590A JP 11659099 A JP11659099 A JP 11659099A JP 3032527 B1 JP3032527 B1 JP 3032527B1
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Abstract

【要約】 【課題】 方透けの発生しない窯業系建築板を生産効率
良く製造することができる窯業系建築板の製造方法,及
び窯業系建築板を提供すること。 【解決手段】 意匠面101の上に塗料層13を設けて
なると共に,意匠面101に上面が比較的起伏の激しい
凸部11とその間に設けられた凹部12とを有してなる
窯業系建築板1を製造する方法。意匠面101に凸部1
1と凹部12とを有してなる基板10を準備し,意匠面
101の全面に下塗塗料をスプレーすることにより下塗
層2を設ける。下塗層2の上に,多数のビーズ6を混入
させた中塗塗料をスプレーすることにより多数のビーズ
6が散在した中塗層3を設ける。凸部11における中塗
層3の上に上塗塗料をロールコーティングすることによ
り上塗層4を設ける。意匠面101の全面にスプレーに
よりクリヤー層5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,意匠面に良質な塗料層を有する
窯業系建築板の製造方法,及び窯業系建築板に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,意匠面の上に塗料層を設けてな
ると共に,上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部
とその間に設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板
を製造する方法として以下のような方法がある。
【0003】即ち,図6に示すごとく,意匠面901に
上面が比較的起伏の激しい凸部91とその間に設けられ
た凹部92とを有してなる窯業系建築板9の基板90を
準備する。次いで,該窯業系建築板9の上記意匠面90
1の全面に下塗塗料(シーラー)をスプレーすることに
より下塗層82を設ける。次いで,該下塗層82の上
に,凹部色の中塗塗料をスプレーすることにより中塗層
83を設ける。
【0004】次いで,図6(A)に示すごとく,上記凸
部91における上記中塗層83の上に凸部色の上塗塗料
840をロールコータ99により塗装する。これによ
り,図6(B)に示すごとく,上塗層84を設ける。次
いで,上記意匠面901の全面にクリヤー塗料をスプレ
ーすることによりクリヤー層を設けることにより上記多
段の塗料層を上記基板90の意匠面901に形成する。
【0005】これにより,中塗層83の凹部色と上塗層
84の凸部色が,それぞれ上記凹部92と凸部91の表
面に発現されるツートン塗装の窯業系建築板9を得る。
なお,図6(A)において,符号98は,ロールコータ
99に回動当接することにより,上塗塗料840を所定
量供給しつつ保持するためのドクターロールである。
【0006】
【解決しようとする課題】しかし,上記窯業系建築板9
の製造方法には,以下の問題がある。即ち,図6に示す
ごとく,上記窯業系建築板9の凸部91の上面は完全な
平坦面ではなく,微小凹部911を有する。そのため,
図6(B)に示すごとく,上記凸部91の上面の形状に
よっては,上記上塗塗料840をロールコーティングす
る際に,上記微小凹部911に上記上塗塗料840が充
分に塗装されない。それ故,上記中塗層83が見えてし
まう,いわゆる「方透け」の不具合が生ずる。その結果
として,所望の色彩の意匠面901を有する窯業系建築
板9を製造することが困難であった。
【0007】かかる問題を解決する方法として,上記上
塗塗料中の顔料成分を増加させる方法が考えられるが,
耐候性に劣る(例えば,変退色性能において2年程度の
差が出る)と共に,仕上り製品にチョーキング(粉が出
る不具合現象)が発生するという問題がある。また,上
記上塗塗料のロールコーティングの回数を増やすことも
考えられるが,生産効率,製造コストの面から不利とな
る。
【0008】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,方透けの発生しない窯業系建築板を生産
効率良く製造することができる窯業系建築板の製造方
法,及び窯業系建築板を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,意匠面の
上に塗料層を設けてなると共に,上記意匠面に上面が比
較的起伏の激しい凸部とその間に設けられた凹部とを有
してなる窯業系建築板を製造する方法において,上記意
匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその間に設けら
れた凹部とを有してなる窯業系建築板の基板を準備し,
該窯業系建築板の上記意匠面の全面に下塗塗料をスプレ
ーすることにより下塗層を設け,次いで,該下塗層の上
に,多数のビーズを混入させた中塗塗料をスプレーする
ことにより多数のビーズが散在した中塗層を設け,次い
で,上記凸部における上記中塗層の上に上塗塗料をロー
ルコーティングすることにより上塗層を設け,次いで,
上記意匠面の全面にクリヤー塗料をスプレーすることに
よりクリヤー層を設けることにより上記塗料層を形成す
ることを特徴とする窯業系建築板の製造方法がある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,上
記下塗層の上に,多数のビーズを混入させた中塗塗料を
スプレーすることにより多数のビーズが散在した中塗層
を設けることである。即ち,上記中塗層を形成した後に
は,上記多数のビーズが上記中塗層の中に散在すると共
に表面にも多数露出している。そして,その上から上記
上塗塗料をロールコーティングすることにより上記上塗
層を形成する。なお,「比較的起伏の激しい」とは,例え
ば高低差が1.0〜3.5mm程度の起伏を有すること
をいう。
【0011】次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記窯業系建築板の製造方法においては,多数のビーズ
を混入させた中塗塗料をスプレーすることにより多数の
ビーズが散在した中塗層を設ける。該中塗層には,上記
多数のビーズが散在すると共に表面にも多数露出してお
り,その表面はザラザラとした鮫肌状となっている。そ
して,その上にロールコーティングにより上記上塗層を
形成する。
【0012】そのため,上記上塗塗料の塗装は,上記中
塗層の鮫肌状の表面に塗装することとなり,塗料が付着
し易く,密着性もよい。それ故,上記凸部の上面に微小
凹部が存在する場合でも,その微小凹部にも確実に上塗
塗料がコーティングされる。これにより,出来上がった
製品に,中塗層が見えるという方透けの不具合が発生す
るおそれがない。
【0013】また,上記製造方法によれば,特にコーテ
ィングの回数を増やしたり,塗布量を増やす必要もない
ので,生産効率もよい。なお,上記中塗層は上記のごと
くスプレー法を用いて形成するため,上記微小凹部にも
確実に塗布される。
【0014】以上のごとく,本発明によれば,方透けの
発生しない窯業系建築板を,生産効率良く製造すること
ができる窯業系建築板の製造方法を提供することができ
る。
【0015】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記ビーズは,上記中塗塗料に5〜20重量%混入させて
あることが好ましい。これにより,上記中塗層に上記上
塗塗料が一層確実に塗装されるため,方透けの不具合を
一層確実に防ぐことができる。上記ビーズの上記中塗塗
料に対する混入量が5重量%未満の場合には,本発明の
効果が充分に発揮されないおそれがある。一方,上記混
入量が20重量%を超える場合には,中塗塗料の粘度,
チクソ性,ビーズ沈降による貯蔵の安定性が低下し,確
実な塗装が行えないおそれがある。
【0016】次に,請求項3に記載の発明のように,意
匠面の上に塗料層を設けてなると共に,上記意匠面に上
面が比較的起伏の激しい凸部とその間に設けられた凹部
とを有してなる窯業系建築板を製造する方法において,
上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその間に
設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板の基板を準
備し,該窯業系建築板の上記意匠面の全面に下塗塗料及
び中塗塗料を順次スプレーすることにより下塗層及び中
塗層を設け,次いで,上記凸部における上記中塗層の上
に,多数のビーズを混入させた第1上塗塗料をロールコ
ーティングして第1上塗層を設けた後,第2上塗塗料を
ロールコーティングして第2上塗層を設けることにより
上塗層とし,次いで,上記意匠面の全面にクリヤー塗料
をスプレーすることによりクリヤー層を設けることによ
り上記塗料層を形成することを特徴とする窯業系建築板
の製造方法がある。
【0017】本製造方法において,最も注目すべきこと
は,上記凸部における上記中塗層の上に,多数のビーズ
を混入させた第1上塗塗料をロールコーティングして第
1上塗層を設けた後,第2上塗塗料をロールコーティン
グして第2上塗層を設けることにより上塗層とすること
にある。
【0018】なお,上記第2上塗塗料には,ビーズが混
入していても混入していなくてもよい。また,形成後の
上記上塗層は,塗装方法によっては,上記第1上塗層と
第2上塗層に明確に分れない場合もある。そのため,上
記第2上塗塗料にビーズを混入させないときでも,形成
後には上記上塗層全体にビーズが散在することもあり得
る。
【0019】次に,本製造方法の作用効果につき説明す
る。上記第1上塗塗料の塗装後において,上記第1上塗
層の表面には上記ビーズが露出しており,その表面は鮫
肌状となっている。
【0020】上記第1上塗塗料の塗装においては,上記
窯業系建築板の意匠面の凸部の上面に微小凹部がある場
合,その微小凹部には充分ではなくとも多少の第1上塗
塗料は塗装される。そのため,上記請求項1における中
塗層の場合と同様に,上記第1上塗層の表面には上記ビ
ーズが露出し,その表面は鮫肌状になる。
【0021】それ故,その上に塗装する上記第2上塗塗
料を確実に付着させ,上記微小凹部においても充分に上
記第2上塗塗料を塗布することができる。そのため,方
透けの不具合を発生するおそれがない。また,本製造方
法においては上記ビーズは第1上塗塗料に混入させるた
め,上記窯業系建築板の凹部にはビーズが残らない。そ
のため,上記凹部においては,上記中塗層の色彩が上記
ビーズに妨げられることなく明確に発現されるという利
点がある。
【0022】以上のごとく,本製造方法によれば,方透
けの発生しない窯業系建築板を生産効率良く製造するこ
とができる窯業系建築板の製造方法を提供することがで
きる。
【0023】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記ビーズは,上記第1上塗塗料に3〜20重量%混入さ
せてあることことが好ましい。これにより,上記第2上
塗塗料が一層確実に塗装されるため,方透けの不具合を
一層確実に防ぐことができる。
【0024】上記ビーズの上記第1上塗塗料に対する混
入量が3重量%未満の場合には,本発明の効果が充分に
発揮されないおそれがある。一方,上記混入量が20重
量%を超える場合には,第1上塗塗料の粘度,チクソ
性,ロール循環の安定性が低下し,確実な塗装が行えな
いおそれがある。
【0025】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記ビーズの直径は10μm〜80μmであることが好ま
しい。これにより,上記第2上塗塗料が一層確実に塗装
されるため,方透けの不具合を一層確実に防ぐことがで
きる。
【0026】上記ビーズの直径が10μm未満の場合に
は,第1上塗層のビーズ露出量が少ないため,本発明の
効果が充分に発揮されないおそれがある。一方,上記直
径が80μmを超える場合には,上記中塗層の表面或い
は上記第1上塗層の表面が必要以上に粗い鮫肌状とな
り,本発明の効果が充分に発揮されないおそれがある。
【0027】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記ビーズは,無色透明,有色透明,白色,淡色,又は上
記上塗塗料と同系色のいずれかであることを特徴とする
窯業系建築板であることが好ましい。これにより,上記
窯業系建築板の意匠面に上記ビーズが目立つことがな
く,外観性が向上する。
【0028】次に,請求項7に記載の発明のように,意
匠面の上に塗料層を設けてなると共に,上記意匠面に上
面が比較的起伏の激しい凸部とその間に設けられた凹部
とを有してなる窯業系建築板において,上記塗料層は,
上記意匠面の全面に順次設けた下塗層及び中塗層と,上
記凸部における上記中塗層の上に設けた上塗層と,該上
塗層の上を含めた上記意匠面の全面に設けたクリヤー層
とからなり,かつ,上記中塗層には,多数のビーズが散
在してなることを特徴とする窯業系建築板がある。
【0029】上記窯業系建築板において,最も注目すべ
きことは,上記中塗層には,多数のビーズが散在してい
ることである。これにより,上記中塗層における上記上
塗層との境界にも,多数のビーズが存在する。そのた
め,上記上塗層が上記中塗層に確実に塗装され,方透け
の不具合が発生しない窯業系建築板を得ることができ
る。
【0030】次に,請求項8に記載の発明のように,意
匠面の上に塗料層を設けてなると共に,上記意匠面に上
面が比較的起伏の激しい凸部とその間に設けられた凹部
とを有してなる窯業系建築板において,上記塗料層は,
上記意匠面の全面に順次設けた下塗層及び中塗層と,上
記凸部における上記中塗層の上に設けた上塗層と,該上
塗層の上を含めた上記意匠面の全面に設けたクリヤー層
とからなり,かつ,上記上塗層には,多数のビーズが散
在してなることを特徴とする窯業系建築板がある。
【0031】この場合には,上記請求項3に記載の発明
の説明で述べた作用効果により,方透けが発生せず,か
つ上記凹部においては上記中塗層の色彩が明確に発現さ
れる窯業系建築板を提供することができる。
【0032】次に,請求項9に記載の発明のように,上
記上塗層は,多数のビーズが散在した下層の第1上塗層
と,上層の第2上塗層とからなることとすることもでき
る。上記第2上塗層としては,ビーズが混入されていな
い塗料により形成されていてもよいし,ビーズが混入さ
れた塗料でもって形成されていてもよい。例えば,第2
上塗層が,ビーズが混入されていない塗料でもって形成
されているものとする場合には,上記第1上塗塗料をロ
ールコーティングした後,ある程度乾燥させてから第2
上塗塗料をロールコーティングすればよい。このように
することで,第2上塗層の表面には,ビーズが露出する
ことはなくなる。
【0033】また,第2上塗層が,ビーズが混入された
塗料により形成されているものとする場合には,上記第
1上塗塗料をロールコーティングした後,乾燥せずに,
いわゆる,ウェット・オン・ウェットの加工方法によ
り,第2上塗塗料をロールコーティングすればよい。こ
の場合,第1及び第2の上塗塗料のビーズ含有率を統一
させることで,結局,同一上塗塗料を前後2か所で使用
する加工形態とすることができる。そのため,塗料管理
が楽になると共に,第2上塗層の塗料と第1上塗層の塗
料との馴染みがよくなる。ただし,第2上塗層の表面に
は,ビーズが露出することになるので,そのような外観
風合でもよい場合に限られる。
【0034】次に,請求項10に記載の発明のように,
上記ビーズの直径は10μm〜80μmであることが好
ましい。これにより,上記上塗塗料が一層確実に塗装さ
れるため,方透けの不具合を一層確実に防ぐことができ
る。
【0035】次に,請求項11に記載の発明のように,
上記ビーズは,無色透明,有色透明,白色,淡色,又は
上記上塗塗料と同系色のいずれかであることが好まし
い。これにより,上記窯業系建築板の意匠面に上記ビー
ズが目立つことがなく,外観性が向上する。
【0036】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる窯業系建築板の製造方法に
つき,図1〜図3を用いて説明する。本例は,図1
(D)に示すごとく,意匠面101の上に塗料層13を
設けてなると共に,上記意匠面101に上面が比較的起
伏の激しい凸部11とその間に設けられた凹部12とを
有してなる窯業系建築板1を製造する例である。
【0037】本例においては,まず上記意匠面101に
上面が比較的起伏の激しい凸部11とその間に設けられ
た凹部12とを有してなる,窯業系建築板1の基板10
を準備する。そして,該窯業系建築板1の上記意匠面1
01の全面に下塗塗料(シーラー)をスプレーすること
により下塗層2を設ける(図1(A))。
【0038】次いで,該下塗層2の上に,多数のビーズ
6を混入させた中塗塗料をスプレーすることにより多数
のビーズ6が散在した中塗層3を設ける(図1
(B))。次いで,上記凸部11における上記中塗層3
の上に上塗塗料をロールコーティング(図6(A)参
照)することにより上塗層4を設ける(図1(C))。
次いで,上記意匠面101の全面にクリヤー塗料をスプ
レーすることによりクリヤー層5を設けることにより上
記塗料層13を上記基板10の意匠面101に形成する
(図1(D))。これにより,上記基板10とその意匠
面101の上に塗料層13を設けてなる窯業系建築板1
が得られる(図1(D))。
【0039】上記製造方法においては,図2に示すごと
く,上記下塗層2の上に,多数のビーズ6を混入させた
中塗塗料をスプレーすることにより多数のビーズ6が散
在した中塗層3を設ける。即ち,上記中塗層3を形成し
た後には,図2,図3に示すごとく,上記多数のビーズ
6が上記中塗層3の中に散在すると共に表面31にも多
数露出している。
【0040】その後,乾燥処理を経て,上記表面31の
上から上記上塗塗料をロールコーティングすることによ
り上記上塗層4を形成する(図1(C),図2)。ま
た,上記ビーズ6は,直径10〜80μmの無色透明又
は凸部色と同系の淡色のものであり,上記中塗塗料に5
〜20重量%混入させてある。また,上記ビーズ6の材
質は,メチルメタアクリレートポリマー或いはアクリロ
ニトリルを主成分とする球状のものである。
【0041】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記窯業系建築板1の製造方法においては,多数のビーズ
6を混入させた中塗塗料をスプレーすることにより多数
のビーズ6が散在した中塗層3を設ける(図1(B),
図2)。
【0042】即ち,上記中塗層3を形成した後には,図
2,図3に示すごとく,上記多数のビーズ6が上記中塗
層3の中に散在すると共に表面31にも多数露出してお
り,該表面31はザラザラとした鮫肌状となっている。
そして,その上に,上記上塗塗料をロールコーティング
することにより上記上塗層4を形成する(図1(C),
図2)。
【0043】そのため,上記上塗塗料の塗装は,上記中
塗層3の鮫肌状の表面31に塗装することとなり,塗料
が付着し易く,密着性もよい。それ故,図2に示すごと
く,上記凸部11の上面に微小凹部111が存在する場
合でも,その微小凹部111にも確実に上塗塗料がコー
ティングされる。これにより,出来上がった製品に,中
塗層3が見えるという方透けの不具合が発生するおそれ
がない。
【0044】また,本例の製造方法によれば,特にコー
ティングの回数を増やしたり,塗布量を増やす必要もな
いので,生産効率もよい。なお,上記中塗層3は上記の
ごとくスプレー法を用いて形成するため,上記微小凹部
111にも確実に塗布される。
【0045】また,上記ビーズ6は,上記中塗塗料に5
〜20重量%混入させてあるため,上記中塗層3の表面
31に上記上塗塗料が一層確実に塗装されるため,方透
けの不具合を一層確実に防ぐことができる。
【0046】また,上記ビーズ6の直径は10μm〜8
0μmであるため,上記上塗塗料が一層確実に塗装さ
れ,方透けの不具合を一層確実に防ぐことができる。ま
た,上記ビーズ6は無色透明又は凹部色と同系の淡色で
あるため,上記窯業系建築板1の意匠面101に上記ビ
ーズ6が目立つことがなく,外観性が向上する。
【0047】以上のごとく,本例によれば,方透けの発
生しない窯業系建築板を生産効率良く製造することがで
きる窯業系建築板の製造方法,及び窯業系建築板を得る
ことができる。なお,上記ビーズは上塗塗料の色により
近い色を使用すると隠蔽性が増し,より一層方透けの防
止効果を期待できる。
【0048】実施形態例2 本例は,図4,図5に示すごとく,上塗塗料を2回塗布
するものであり,下層の第1上塗層41に上記ビーズ6
を散在させた窯業系建築板1を製造する例である。
【0049】本例においては,上記意匠面101に上面
が比較的起伏の激しい凸部11とその間に設けられた凹
部12とを有してなる,窯業系建築板1の基板10を準
備する(図4)。そして,該窯業系建築板11の上記意
匠面101の全面に,下塗塗料及び中塗塗料を順次スプ
レーすることにより下塗層2及び中塗層3を設ける(図
4(A))。
【0050】その後,乾燥処理を経て,上記凸部11に
おける上記中塗層3の上に,多数のビーズ6を混入させ
た第1上塗塗料をロールコーティングして第1上塗層4
1を設ける。これを乾燥処理した後,上記ビーズ6の混
入しない第2上塗塗料をロールコーティングして第2上
塗層42を設けることにより上塗層4とする(図4
(B),(C))。
【0051】次いで,上記意匠面101の全面にクリヤ
ー塗料をスプレーすることによりクリヤー層5を設ける
(図4(D))。これにより上記塗料層13を上記基板
10の意匠面101に形成する。また,上記ビーズ6
は,上記第1上塗塗料に3〜20重量%混入させてあ
る。その他は,実施形態例1と同様である。
【0052】次に,本例の作用効果につき説明する。上
記第1上塗塗料の塗装後において,上記第1上塗層41
の表面411に上記ビーズ6が露出しており,その表面
411は鮫肌状となっている(図5)。
【0053】上記第1上塗塗料の塗装においては,図5
に示すごとく,上記窯業系建築板1の意匠面101の凸
部11の上面に微小凹部111がある場合,その微小凹
部111には充分ではなくとも多少の第1上塗塗料は塗
装される。そのため,上記請求項1における中塗層の場
合と同様に,上記第1上塗層41の表面411には上記
ビーズ6が露出し,その表面41は鮫肌状になる(図
5)。
【0054】それ故,その上に塗装する上記第2上塗塗
料を確実に付着させ,上記微小凹部111においても充
分に塗布することができる(図5)。そのため,方透け
の不具合が発生するおそれがない。また,本例において
は上記ビーズ6は第1上塗塗料に混入させるため,上記
窯業系建築板1の凹部12にはビーズ6が残らない。そ
のため,上記凹部12においては,上記中塗層3の色彩
が上記ビーズ6に妨げられることなく明確に発現される
という利点がある。
【0055】また,上記ビーズ6は,上記第1上塗塗料
に3〜20重量%混入させてあるため,上記第2上塗塗
料が一層確実に塗装され,方透けの不具合を一層確実に
防ぐことができる。その他,実施形態例1と同様の作用
効果を有する。
【0056】なお,上記実施形態例2において,上記第
1上塗層のみならず,第2上塗層にビーズを混入させる
ようにしてもよい。即ち,上記第1上塗塗料をロールコ
ーティングした後に,乾燥処理を行なうことなく,引き
続き第2上塗塗料のロールコーティングに移行する。こ
れにより,第1上塗塗料中のビーズが上記第2上塗塗料
に転移する。この場合には,工数が削減され,塗装管理
がし易いという,作業面における大きな利点がある。
【0057】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,方透け
の発生しない窯業系建築板を生産効率良く製造すること
ができる窯業系建築板の製造方法,及び窯業系建築板を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,窯業系建築板の製造方
法の説明図。
【図2】実施形態例1における,窯業系建築板の塗料層
の断面図。
【図3】実施形態例1における,中塗層の表面付近の断
面拡大図。
【図4】実施形態例2における,窯業系建築板の製造方
法の説明図。
【図5】実施形態例2における,窯業系建築板の塗料層
の断面図。
【図6】従来例における,(A)窯業系建築板の上塗層
の形成方法,(B)形成後の上塗層を表す断面図。
【符号の説明】
1...窯業系建築板, 10...基板, 101...意匠面, 11...凸部, 111...微小凹部, 12...凹部, 13...塗料層, 2...下塗層, 3...中塗層, 31...表面, 4...上塗層, 41...第1上塗層, 411...表面, 42...第2上塗層, 5...クリヤー層, 6...ビーズ,

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 意匠面の上に塗料層を設けてなると共
    に,上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその
    間に設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板を製造
    する方法において,上記意匠面に上面が比較的起伏の激
    しい凸部とその間に設けられた凹部とを有してなる窯業
    系建築板の基板を準備し,該窯業系建築板の上記意匠面
    の全面に下塗塗料をスプレーすることにより下塗層を設
    け,次いで,該下塗層の上に,多数のビーズを混入させ
    た中塗塗料をスプレーすることにより多数のビーズが散
    在した中塗層を設け,次いで,上記凸部における上記中
    塗層の上に上塗塗料をロールコーティングすることによ
    り上塗層を設け,次いで,上記意匠面の全面にクリヤー
    塗料をスプレーすることによりクリヤー層を設けること
    により上記塗料層を形成することを特徴とする窯業系建
    築板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ビーズは,上記
    中塗塗料に5〜20重量%混入させてあることを特徴と
    する窯業系建築板の製造方法。
  3. 【請求項3】 意匠面の上に塗料層を設けてなると共
    に,上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその
    間に設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板を製造
    する方法において,上記意匠面に上面が比較的起伏の激
    しい凸部とその間に設けられた凹部とを有してなる窯業
    系建築板の基板を準備し,該窯業系建築板の上記意匠面
    の全面に下塗塗料及び中塗塗料を順次スプレーすること
    により下塗層及び中塗層を設け,次いで,上記凸部にお
    ける上記中塗層の上に,多数のビーズを混入させた第1
    上塗塗料をロールコーティングして第1上塗層を設けた
    後,第2上塗塗料をロールコーティングして第2上塗層
    を設けることにより上塗層とし,次いで,上記意匠面の
    全面にクリヤー塗料をスプレーすることによりクリヤー
    層を設けることにより上記塗料層を形成することを特徴
    とする窯業系建築板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記ビーズは,上記
    第1上塗塗料に3〜20重量%混入させてあることを特
    徴とする窯業系建築板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記ビーズの直径は10μm〜80μmであることを特
    徴とする窯業系建築板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記ビーズは,無色透明,有色透明,白色,淡色,又は
    上記上塗塗料と同系色のいずれかであることを特徴とす
    る窯業系建築板の製造方法。
  7. 【請求項7】 意匠面の上に塗料層を設けてなると共
    に,上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその
    間に設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板におい
    て,上記塗料層は,上記意匠面の全面に順次設けた下塗
    層及び中塗層と,上記凸部における上記中塗層の上に設
    けた上塗層と,該上塗層の上を含めた上記意匠面の全面
    に設けたクリヤー層とからなり,かつ,上記中塗層に
    は,多数のビーズが散在してなることを特徴とする窯業
    系建築板。
  8. 【請求項8】 意匠面の上に塗料層を設けてなると共
    に,上記意匠面に上面が比較的起伏の激しい凸部とその
    間に設けられた凹部とを有してなる窯業系建築板におい
    て,上記塗料層は,上記意匠面の全面に順次設けた下塗
    層及び中塗層と,上記凸部における上記中塗層の上に設
    けた上塗層と,該上塗層の上を含めた上記意匠面の全面
    に設けたクリヤー層とからなり,かつ,上記上塗層に
    は,多数のビーズが散在してなることを特徴とする窯業
    系建築板。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記上塗層は,多数
    のビーズが散在した下層の第1上塗層と,上層の第2上
    塗層とからなることを特徴とする窯業系建築板。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか一項におい
    て,上記ビーズの直径は10μm〜80μmであること
    を特徴とする窯業系建築板。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれか一項におい
    て,上記ビーズは,無色透明,有色透明,白色,淡色,
    又は上記上塗塗料と同系色のいずれかであることを特徴
    とする窯業系建築板。
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