JP3032470B2 - 光パルス試験器 - Google Patents

光パルス試験器

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JP3032470B2
JP3032470B2 JP8172466A JP17246696A JP3032470B2 JP 3032470 B2 JP3032470 B2 JP 3032470B2 JP 8172466 A JP8172466 A JP 8172466A JP 17246696 A JP17246696 A JP 17246696A JP 3032470 B2 JP3032470 B2 JP 3032470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定ファイバに
対して光源から光パルスを供給し、この光パルスの供給
に伴って被測定ファイバから戻ってくる後方散乱光及び
フレネル反射光を光−電気変換し、信号処理して波形表
示することにより、被測定ファイバの損失や障害点等の
各種測定を行う光パルス試験器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被測定ファイバに対して光源から光パル
スを供給し、この光パルスの供給に伴って被測定ファイ
バから戻ってくる後方散乱光及びフレネル反射光を光−
電気変換し、信号処理して波形表示することにより、被
測定ファイバの損失や障害点等の各種測定を行う装置と
して光パルス試験器は既に知られている。
【0003】図3はこの種の光パルス試験器のブロック
構成図である。光パルス試験器は、タイミング発生部3
1、発光部32、光結合器33、受光部34、増幅部3
5、A/Dコンバータ部36、加算回路部37、演算制
御部38、表示部39を備えて概略構成される。
【0004】この光パルス試験器では、タイミング発生
部31からの信号で駆動される発光部32の光源より出
射された光は光結合器33を介して被測定ファイバ40
に供給される。そして、この光に伴って被測定ファイバ
40より反射される後方散乱光を再び光結合器33を介
して受光部34で受光し、増幅部35で所定の増幅率で
増幅してA/Dコンバータ部36へと導く。A/Dコン
バータ部36は、増幅部35の出力を所定のサンプリン
グ周期でサンプリングした後、このサンプリングされた
各データを加算回路部37に供給する。加算回路部37
では、サンプリングされた各データを所定時間加算して
アベレージング処理する。このアベレージング処理され
た各データは演算制御部38に供給される。演算制御部
38では、アベレージング処理された各データに基づい
て各種測定に関する演算がなされ、その結果が表示部3
9に表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光パル
ス試験器の光結合器33としては、従来、受動素子によ
る3dBカプラや能動素子による光スイッチ等が用いら
れていた。
【0006】しかしながら、光結合器33として3dB
カプラを用いた場合には、原理上、測定時において往復
で6dB、実際には7dB程度の損失があり、十分なダ
イナミックレンジを得ることができなかった。
【0007】又、光結合器33としてAOスイッチやE
Oスイッチ等の光スイッチを用いた場合には、往復損失
が3dBカプラに比べて3〜5dB程度と低く抑えるこ
とができる反面、能動素子のために駆動電力を消費して
安定性に欠けるとともに、装置が大型化してコストが嵩
むという問題があった。
【0008】ところで、上記3dBカプラや光スイッチ
に代わるものとして光サーキュレータがある。この光サ
ーキュレータは、受動素子で構成されるものなので、安
定性に優れ、往復損失も2dB(原理的には0に近づけ
ることができる)以内と低く、3dBカプラに比べてダ
イナミックレンジを2.5dB以上向上させることがで
きる。
【0009】しかしながら、上記光サーキュレータを光
パルス試験器の光結合器33として用いた場合には、光
源として使用可能な波長帯が限定されるという問題があ
った。例えば1.55μm帯用に設計された光サーキュ
レータを1.31μm帯の光パルス試験器に適用し、光
サーキュレータを構成する一部品として1/2波長板を
使用した場合を例にとって説明する。
【0010】1/2波長板を使用した場合、波長の違い
によって偏光状態が直線偏光から楕円偏光へと変化する
という特性があるので、波長1.55μmでは直線偏光
が保たれても、波長1.31μmでは偏光状態が直線偏
光から楕円偏光に変化する。このため、挿入損失及び偏
波依存性が増大し、ある偏波成分の光が漏れてダイナミ
ックレンジの低下を招くことになる。又、受光される後
方散乱光の偏波リップルも増大して安定した測定が行え
ないという問題が生じる。具体的な数値を示すと、波長
1.31μmの光を入射させた場合、被測定ファイバと
の間の往復で約10dBの損失があり、理想的な光サー
キュレータに比べてダイナミックレンジが5dB低下
し、約3dBの偏波リップルを生じる。
【0011】そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであって、受光に関する損失を無くして偏波リ
ップルを生じることなく十分なダイナミックレンジによ
る安定した測定が行える光パルス試験器を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による請求項1の光パルス試験器は、異なる
波長からなる複数の発光手段2と、該発光手段からの光
の供給に伴う被測定ファイバ1からの反射光を受光する
受光手段7と、前記複数の発光手段における一つの発光
手段を発光駆動する駆動手段4と、入射光を直交する2
つの成分の光に変換する偏光ビームスプリッタ14,1
5と、入射光の偏光面を所定角度回転させるファラデー
素子18と、入射光の偏光面を予め設定された偏光角度
で回転させる旋光子20とを有し、前記発光手段からの
光を前記被測定ファイバに導くとともに、該被測定ファ
イバからの反射光を前記受光手段に導く光サーキュレー
タ5と、前記駆動手段で発光駆動される一つの発光手段
の波長の光が前記光サーキュレータに入射されたとき
に、その光の波長における前記旋光子の偏光回転角と前
記ファラデー素子の回転角の和が90°となるように該
ファラデー素子に印加される磁界を前記駆動手段で発光
駆動される一つの発光手段の波長に応じて制御する制御
手段6とを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項1の光パルス試験器において、前記
旋光子20は、前記複数の発光手段2における一つの波
長の光の偏光面に対する偏光回転角が45°に設定され
ており、前記制御手段6は、前記旋光子における偏光回
転角が45°となる波長以外の波長で前記発光手段が発
光駆動されたときに、該波長における前記旋光子の偏光
回転角と前記ファラデー素子18の回転角の和が90°
となるように該ファラデー素子に印加される磁界を制御
する構成としてもよい。
【0014】請求項1又は2記載の光パルス試験器にお
いて、前記複数の発光手段において使用される波長を選
択設定し、その旨を示す波長選択信号を出力する波長選
択手段を備えており、前記駆動手段及び前記制御手段は
該波長選択手段からの波長選択信号に基づいて動作する
構成としてもよい。
【0015】本発明によれば、受光に関する損失が無く
なり、従来のように受光手段が受光する被測定ファイバ
からの反射光に偏波リップルが生じることもない。この
結果、十分なダイナミックレンジにより安定した測定を
行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明による光パルス試験
器の一実施の形態を示す図である。光パルス試験器は、
被測定ファイバ1の損失や障害点等の各種測定を行うも
ので、発光部2、波長選択部3、タイミング発生部4、
光サーキュレータ5、偏光角度制御部6、受光部7、増
幅部8、A/Dコンバータ部9、加算回路部10、演算
制御部11、表示部12を備えて概略構成されている。
【0017】発光部2は、光源として異なる2つの波長
帯の発光素子を備えている。具体的には、図1に示すよ
うに、1.55μmの波長帯をなす発光素子(例えばL
D:Laser Diode )による第1光源2aと、1.31μ
mの波長帯をなす発光素子による第2光源2bとを備え
ている。第1光源2aの光軸と第2光源2bの光軸の交
点上にはダイクロイックミラー2cが配設されている。
ダイクロイックミラー2cは、第1光源2aからの光を
そのまま通過させて光サーキュレータ5側に導き、第2
光源2bからの光を90°反射させて光サーキュレータ
5側に導いている。
【0018】発光部2は、後述する波長選択部3からの
波長選択信号の波長と一致する波長帯の光源のみがタイ
ミング発生部4からのタイミング信号により駆動され
る。そして、第1光源2aが駆動されたときには、波長
1.55μmの光がダイクロイックミラー2cをそのま
ま通過して光サーキュレータ5に対し周期的に供給され
る。これに対し、第2光源2bが駆動されたときには、
波長1.31μmの光がダイクロイックミラー2cで9
0°反射されて光サーキュレータ5に対し周期的に供給
される。
【0019】波長選択部3は、使用する波長を選択指定
するもので、表示部7における表示画面上の不図示のソ
フトキーの操作により所望の波長を選択している。ここ
では、発光部2における第1光源2aの1.55μm、
第2光源2bの1.31μmのいずれか一方の波長が表
示画面上のソフトキーの入力により選択指定される。そ
して、このキー入力に基づく波長選択信号をタイミング
発生部4及び偏光角度制御部6にそれぞれ出力してい
る。
【0020】タイミング発生部4は、発光部2、A/D
コンバータ部9、加算回路部10の個々のタイミングを
とりながら各部を駆動するための信号を発生している。
具体的には、水晶発振器のクロック信号を分周した信号
によって発光部2、A/Dコンバータ部9、加算回路部
10がそれぞれ駆動される。尚、発光部2に対するタイ
ミング信号の出力は、波長選択部3からの波長選択信号
の波長と一致する波長帯の光源(第1光源2a又は第2
光源2b)に対してのみなされる。
【0021】光サーキュレータ5は、光の直交した偏波
成分を反射と透過によって分離合成する2つの偏光ビー
ムスプリッタ14,15、入射光を90°反射させる2
つの反射ミラー16,17、ファラデー素子18、駆動
用コイル19、旋光子20を備えて構成される。第1偏
光ビームスプリッタ14は、第1光源2aの光軸上に配
設されている。第1反射ミラー16は、第1光源2aの
光軸と直交する第1偏光ビームスプリッタ14の光軸上
に配設されている。
【0022】第2偏光ビームスプリッタ15は、第1光
源2aの光軸と平行な第1反射ミラー16の光軸上で、
第1偏光ビームスプリッタ14の対角に位置して配設さ
れている。第2反射ミラー17は、第1光源2aの光軸
と、この第1光源2aの光軸と直交する第2偏光ビーム
スプリッタ15の光軸との交点上で、第1反射ミラー1
6の対角に位置して配設されている。尚、第1偏光ビー
ムスプリッタ15における第1反射ミラー16の位置に
反射面を形成するとともに、第2偏光ビームスプリッタ
15における第2反射ミラー17の位置に反射面を形成
する構成とすれば、各反射ミラー16,17の構成を省
くことができる。
【0023】ファラデー素子18と旋光子20とは、第
1偏光ビームスプリッタ14と第2反射ミラー17との
間の光軸と、第1反射ミラー16と第2偏光ビームスプ
リッタ15との間の光軸とに跨がって配設されている。
このファラデー素子18及び旋光子20では、偏光ビー
ムスプリッタ14(又は15)で分離される水平成分の
光と垂直成分の光の偏光面を所定の偏光回転角で回転さ
せている。駆動用コイル19は、ファラデー素子18の
磁界を変化させるためのもので、ファラデー素子18の
外周に配設されている。
【0024】ファラデー素子18は、駆動用コイル19
に電流が流れて磁界が印加されると、その磁界の方向と
平行に結晶内を伝搬する直線偏光の偏光面を所定角度回
転させている(例えば、Y3 Fe5 12結晶を用いた近
赤外用小形光アイソレータOQE78−58 岩村他参
照)。その際の回転角は、磁界の強さと伝搬距離とに比
例している。さらに説明すると、ファラデー効果による
偏光面の回転角θは、ファラデー回転係数をF,通過長
をL,通過方向の磁化成分をM,飽和磁化をMsとした
場合、θ=F・L(M/Ms)…(1)で表わされる。
【0025】このため、ファラデー素子18に用いるフ
ァラデー材料としては、ファラデー回転係数(ベルデ定
数)が大きく、かつ透明なもの、例えば飽和磁化(4π
Ms)が600のBi置換ガーネット厚膜、飽和磁化が
1780のYIG単結晶等のガーネット系の結晶が用い
られる。尚、ファラデー材料としてBi置換ガーネット
厚膜を使用した場合には、YIG単結晶に比べて飽和磁
化が小さいため、駆動用コイル19を小さくでき、より
小さな磁界で大きな回転角を得ることができる。
【0026】上記構成によるファラデー素子18は、発
光部2における第1光源2a、第2光源2bのいずれか
の波長における回転角が45°となるように磁界の強さ
と伝搬距離が設定されている。ここでは、波長1.55
μmにおける回転角が45°となるように、その設定が
なされている。
【0027】旋光子20は、光学的に活性である結晶で
構成され、この結晶の光学軸に平行に入射された直線偏
光の偏光面を所定角度回転させて結晶内を伝搬させてい
る。旋光子20による回転角Ψ〔deg〕は、伝搬距離
Lに比例し、波長λの2乗にほぼ反比例しており、水晶
の場合には、Ψ={(7.19×106 ×λ2 )×L}
/(λ2 −92.62 2 …(2)で表せる。
【0028】さらに説明すると、旋光子20は、発光部
2における第1光源2a、第2光源2bのいずれかの波
長に合わせて設計されている。ここでは、波長1.55
μmで45°の偏光回転角を得るため、上記式(2)に
より伝搬距離が15mmに設定されている。したがっ
て、波長1.31μmの光が旋光子20に入射された場
合、設定された伝搬距離15mmを上記式(2)に代入
して求めると、そのときの偏光回転角が63.3°とな
る。
【0029】偏光角度制御部6は、波長選択部3からの
波長選択信号に基づいて駆動用コイル19に流れる電流
を可変制御し、ファラデー素子18に印加される磁界
(式(1)におけるM)を変化させ、ファラデー素子1
8における回転角を可変制御している。具体的には、上
述したように光サーキュレータ5が1.55μm帯用に
設計されている場合、波長選択部3より1.31μmを
示す波長選択信号が入力されると、1.31μm帯での
旋光子20の偏光回転角とファラデー素子18の回転角
との和が90°になるように、駆動用コイル19に流れ
る電流を可変し、ファラデー素子18に印加される磁界
を変化させている。すなわち、波長1.31μmの場
合、旋光子20における偏光回転角が63.3°なの
で、ファラデー素子18の回転角が26.7°となるよ
うに駆動用コイル19に流れる電流が可変される。
【0030】受光部7は、受光感度の高い受光素子、例
えばAPD(Avalanche Photodiode)が用いられてお
り、発光部2より供給される光に伴って被測定ファイバ
1から反射される後方散乱光及びフレネル反射光を再度
光サーキュレータ5を介して第1偏光ビームスプリッタ
14より効率的に受光している。
【0031】増幅部8は、受光部7で受光された後方散
乱光等の反射光(アナログ信号)を所定の増幅率で増幅
してA/Dコンバータ部9に出力している。
【0032】A/Dコンバータ部9は、タイミング発生
部4における水晶発振器のクロック信号を分周すること
によって生成されるサンプリング信号に基づいて所定の
サンプリング周期で増幅部8からの出力信号をサンプリ
ングし、このサンプリングされた各データを加算回路部
10に出力している。
【0033】加算回路部10は、A/Dコンバータ部9
でサンプリングされた各データを所定の加算時間で加算
してアベレージング処理し、そのデータを演算制御部1
1に出力している。
【0034】演算制御部11は、加算回路部10からの
アベレージングデータに基づいて各種測定に関する演算
を行っている。具体的には、被測定ファイバ1における
損失、障害位置、コネクタ接続及びスプライス接続での
損失、ファイバ単位長損失、各種受動部品の挿入損失等
の測定データの演算処理を行っている。
【0035】表示部12は、使用する波長を選択入力す
るための画面表示の他、受光部7で受光される後方散乱
光やフレネル反射光とともに演算制御部11での処理に
よって得られる測定データの表示等を行っている。
【0036】次に、上記のように構成された光パルス試
験器の動作について説明する。以下の説明では、前述し
たように、光サーキュレータ5が波長1.55μm帯用
に設計されているものとしている。すなわち、旋光子2
0は、発光部2側からの波長1.55μmの光を左回り
に45°戻すように、その偏光角度が設定されている。
このため、ファラデー素子18において、発光部2側か
らの波長1.55μmの光の偏光面が右回りに45°回
転するように、駆動用コイル19に流れる電流が偏光角
度制御部6により制御される。
【0037】まず、波長選択部3において、波長1.5
5μmが選択されると、波長選択部3からは波長1.5
5μmを示す波長選択信号がタイミング発生部4及び偏
光角度制御部6に出力される。タイミング発生部4は、
波長選択部3の波長1.55μmを示す波長選択信号に
よって第1光源2aにタイミング信号を出力して第1光
源2aを発光駆動する。これにより、第1光源2aから
は、波長1.55μmの光がダイクロイックミラー2c
を介して光サーキュレータ5に向かって周期的に入射さ
れる。
【0038】光サーキュレータ5では、まず、第1偏光
ビームスプリッタ14により波長1.55μmの光を直
交する2つの成分、すなわち、水平成分の光と垂直成分
の光とに分ける。そして、垂直成分の光は、図2(a)
のに示すようにその偏光角度が変化して被測定ファイ
バ1に入射される。さらに説明すると、この垂直成分の
光は、まず、第1反射ミラー16により90°反射され
た後、ファラデー素子18に入射される。ファラデー素
子18に入射された光は、偏光角度が右回りに45°回
転された後、旋光子20に入射される。旋光子20に入
射された光は、偏光角度が左回りに45°戻され、第2
偏光ビームスプリッタ15により90°反射された後、
被測定光ファイバ1に入射される。
【0039】これに対し、水平成分の光は、図2(a)
のに示すようにその偏光角度が変化して被測定ファイ
バ1に入射される。さらに説明すると、この水平成分の
光は、まず、そのままファラデー素子18に入射され
る。ファラデー素子18に入射された光は、偏光角度が
右回りに45°回転された後、旋光子20に入射され
る。旋光子20に入射された光は、偏光角度が左回りに
45°戻された後、第2反射ミラー17により90°反
射され、第2偏光ビームスプリッタ15をそのまま通過
して被測定光ファイバ1に入射される。
【0040】上記のようにして波長1.55μmの光が
被測定ファイバ1に対して供給されると、この光に伴っ
て被測定ファイバ1からの反射光(後方散乱光及びフレ
ネル反射光)が光サーキュレータ5に入射される。
【0041】光サーキュレータ5では、まず、第2偏光
ビームスプリッタ15により反射光を直交する2つの成
分、すなわち、水平成分の光と垂直成分の光とに分け
る。そして、水平成分の光は、図2(a)のに示すよ
うにその偏光角度が変化して受光部7に入射される。さ
らに説明すると、この水平成分の光は、まず、第2反射
ミラー17により90°反射された後、旋光子20に入
射される。旋光子20に入射された光は、偏光角度が右
回りに45°回転された後、ファラデー素子18に入射
される。ファラデー素子18に入射された光は、偏光角
度が右回りに45°送られ、第1偏光ビームスプリッタ
14により90°反射された後、受光部7に入射され
る。
【0042】これに対し、垂直成分の光は、図2(a)
のに示すようにその偏光角度が変化して受光部7に入
射される。さらに説明すると、この垂直成分の光は、ま
ず、そのまま旋光子20に入射される。旋光子20に入
射された光は、偏光角度が右回りに45°回転された
後、ファラデー素子18に入射される。ファラデー素子
18に入射された光は、偏光角度が右回りに45°送ら
れ、第1反射ミラー16により90°反射された後、第
1偏光ビームスプリッタ14をそのまま通過して受光部
7に入射される。
【0043】そして、受光部7に入射された光は、増幅
部8で所定の増幅率で増幅してA/Dコンバータ部9へ
と導かれる。A/Dコンバータ部9では、増幅部8の出
力を所定のサンプリング周期でサンプリングし、このサ
ンプリングされた各データを加算回路部10に供給す
る。加算回路部10では、サンプリングされた各データ
を所定時間加算してアベレージング処理する。このアベ
レージング処理された各データは演算制御部11に供給
される。演算制御部11では、アベレージング処理され
た各データに基づいて被測定ファイバ1における損失、
障害位置、コネクタ接続及びスプライス接続での損失、
ファイバ単位長損失、各種受動部品の挿入損失等の各種
測定に関する演算を行い、その結果を表示部12に表示
する。
【0044】次に、波長選択部3において、波長1.3
1μmが選択されると、波長選択部3からは波長1.3
1μmを示す波長選択信号がタイミング発生部4及び偏
光角度制御部6に出力される。タイミング発生部4は、
波長選択部3の波長1.31μmを示す波長選択信号に
よって第2光源2bにタイミング信号を出力して第2光
源2bを発光駆動する。これにより、第2光源2bから
は、波長1.31μmの光がダイクロイックミラー2c
により90°反射されて光サーキュレータ5に向かって
周期的に入射される。
【0045】このとき、前述したように、光サーキュレ
ータ5が波長1.55μm帯用に設計されているので、
波長1.31μmの光が入射される場合、その入射光の
偏光角度が旋光子20によって左回りに63.3°戻る
ように回転することになる。このため、ファラデー素子
18において、発光部2側からの波長1.31μmの光
の偏光面が右回りに26.7°回転するように、駆動用
コイル19に流れる電流が偏光角度制御部6により制御
される。
【0046】光サーキュレータ5では、まず、第1偏光
ビームスプリッタ14により波長1.31μmの光を直
交する2つの成分、すなわち、水平成分の光と垂直成分
の光とに分ける。そして、垂直成分の光は、図2(b)
のに示すようにその偏光角度が変化して被測定ファイ
バ1に入射される。さらに説明すると、垂直成分の光
は、まず、第1反射ミラー16により90°反射された
後、ファラデー素子18に入射される。ファラデー素子
18に入射された光は、偏光角度が右回りに26.7°
回転された後、旋光子20に入射される。旋光子20に
入射された光は、偏光角度が左回りに63.3°戻さ
れ、第2偏光ビームスプリッタ15により90°反射さ
れた後、垂直偏波成分のみが被測定光ファイバ1に入射
される。
【0047】これに対し、水平成分の光は、図2(b)
のに示すようにその偏光角度が変化して被測定ファイ
バ1に入射される。さらに説明すると、この水平成分の
光は、そのままファラデー素子18に入射される。ファ
ラデー素子18に入射された光は、偏光角度が右回りに
26.7°回転された後、旋光子20に入射される。旋
光子20に入射された光は、偏光角度が左回りに63.
3°戻され、第2反射ミラー17により90°反射され
た後、水平偏波成分のみが第2偏光ビームスプリッタ1
5をそのまま通過して被測定光ファイバ1に入射され
る。
【0048】そして、上記のようにして波長1.31μ
mの光が被測定ファイバ1に対して供給されると、この
光に伴って被測定ファイバ1からの反射光が光サーキュ
レータ5に入射される。
【0049】光サーキュレータ5では、まず、第2偏光
ビームスプリッタ15により反射光を直交する2つの成
分、すなわち、水平成分の光と垂直成分の光とに分け
る。そして、水平成分の光は、図2(b)のに示すよ
うにその偏光角度が変化して受光部7に入射される。さ
らに説明すると、この水平成分の光は、第2反射ミラー
17により90°反射された後、旋光子20に入射され
る。旋光子20に入射された光は、偏光角度が右回りに
63.3°回転された後、ファラデー素子18に入射さ
れる。ファラデー素子18に入射された光は、偏光角度
が右回りに26.7°送られ、第1偏光ビームスプリッ
タ14により90°反射された後、受光部7に入射され
る。
【0050】これに対し、垂直成分の光は、図2(b)
のに示すようにその偏光角度が変化して受光部7に入
射される。さらに説明すると、この垂直成分の光は、そ
のまま旋光子20に入射される。旋光子20に入射され
た光は、偏光角度が右回りに63.3°回転された後、
ファラデー素子18に入射される。ファラデー素子18
に入射された光は、偏光角度が右回りに26.7°送ら
れ,第1反射ミラー16により90°反射された後、第
1偏光ビームスプリッタ14をそのまま通過して受光部
7に入射される。その後、前述した波長1.55μmの
光を被測定ファイバ1に供給したときと同様の処理が行
われる。
【0051】したがって、上述した光パルス試験器によ
れば、被測定ファイバ1からの反射光の受光に関して
は、1.55μm及び1.31μmの何れの波長におい
ても損失が無いので、従来のように偏波リップルを生じ
ることなく、安定した測定を行うことができる。又、被
測定ファイバに入射される光に関しては、波長1.55
μmの光についての損失はなく、波長1.31μmの光
については図2の示す水平成分A及び垂直成分Bが損失
となるが、この損失は2.3dB程度である。
【0052】よって、ダイナミックレンジとしては、理
想的な光サーキュレータに比べて、従来の3dBカプラ
で3dBの損失があるのに対し、1dB前後の損失で済
み、十分に向上させることができる。この結果、上記構
成の光パルス試験器によれば、従来の3dBカプラに比
べて測定距離をさらに延ばすことができる。言い換えれ
ば、同じSN比を得るための測定時間(アベレージング
処理時間)が短縮されるので、多心ファイバの測定も高
速に行うことができる。
【0053】尚、上記実施の形態では、波長1.55μ
mにおける偏光回転角が45°となるように旋光子20
の設計がなされた場合について説明したが、使用される
他方の波長1.31μmにおける偏光回転角が45°と
なるように旋光子20を設計してもよい。又、使用され
る波長以外の波長において偏光回転角が45°となるよ
うに旋光子20を設計してもよい。この場合、選択され
る波長1.55μm又は1.31μmにおける旋光子2
0の偏光回転角とファラデー素子18の回転角の和が9
0°となるように、駆動用コイル19に流れる電流を可
変してファラデー素子18に印加される磁界を変化させ
る。
【0054】これにより、被測定ファイバ1からの反射
光の受光に関しては、1.55μm及び1.31μmの
何れの波長においても損失が無いので、従来のように偏
波リップルを生じることなく、安定した測定を行うこと
ができる。その際、被測定ファイバ1に入射される光に
関しては、2.3dB程度の損失を生ずるが、前述した
ように、ダイナミックレンジとしては、理想的な光サー
キュレータに比べて、従来の3dBカプラで3dBの損
失があるのに対し、1dB前後の損失で済み、十分に向
上させることができる。
【0055】ところで、上記実施の形態では、発光部2
として2つの波長1.55μm,1.31μmの光源2
a,2bを備えた構成について説明したが、光サーキュ
レータ5が使用可能な波長帯であれば、異なる波長の光
源を複数設け、光サーキュレータ5の第1偏光ビームス
プリッタ14に対し、選択的に1つの波長の光を入射す
る構成としてもよい。例えば前述したシングルモードフ
ァイバの通信波長として使用される1.55μm,1.
31μmの波長に加え、1.65μm,1.625μm
の波長を追加することができる。これにより、波長1.
55μmや1.31μmの光によって通信回線が接続さ
れている場合の測定も可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光パルス
試験器によれば、受光に関する光損失が無くなり、従来
のように受光される被測定ファイバからの反射光に偏波
リップルを生じることもなく、十分なダイナミックレン
ジにより安定した測定を行うことができる。又、請求項
2の光パルス試験器によれば、複数の発光手段における
一つの波長の光の偏光面に対する旋光子の偏光回転角が
45°に設定されているので、この偏光回転角が45°
に設定された波長に関しては、測定時の往復での光の損
失がなく、さらに高精度な測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光パルス試験器のブロック構成図
【図2】(a),(b) 同光パルス試験器による測定
時の光の偏光角度の変化状態を示す図
【図3】従来の光パルス試験器のブロック構成図
【符号の説明】
1…被測定ファイバ、2…発光部、2a…第1光源、2
b…第2光源、3…波長選択部、4…タイミング発生
部、5…光サーキュレータ、6…偏光角度制御部、7…
受光部、14…第1偏光ビームスプリッタ、15…第2
偏光ビームスプリッタ、16…第1反射ミラー、17…
第2反射ミラー、18…ファラデー素子、19…駆動用
コイル、20…旋光子。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる波長からなる複数の発光手段
    (2)と、 該発光手段からの光の供給に伴う被測定ファイバ(1)
    からの反射光を受光する受光手段(7)と、 前記複数の発光手段における一つの発光手段を発光駆動
    する駆動手段(4)と、 入射光を直交する2つの成分の光に変換する偏光ビーム
    スプリッタ(14,15)と、入射光の偏光面を所定角
    度回転させるファラデー素子(18)と、入射光の偏光
    面を予め設定された偏光角度で回転させる旋光子(2
    0)とを有し、前記発光手段からの光を前記被測定ファ
    イバに導くとともに、該被測定ファイバからの反射光を
    前記受光手段に導く光サーキュレータ(5)と、 前記駆動手段で発光駆動される一つの発光手段の波長の
    光が前記光サーキュレータに入射されたときに、その光
    波長における前記旋光子の偏光回転角と前記ファラデ
    ー素子の回転角の和が90°となるように該ファラデー
    素子に印加される磁界を前記駆動手段で発光駆動される
    一つの発光手段の波長に応じて制御する制御手段(6)
    とを備えたことを特徴とする光パルス試験器。
  2. 【請求項2】 前記旋光子(20)は、前記複数の発光
    手段(2)における一つの波長の光の偏光面に対する偏
    光回転角が45°に設定されており、 前記制御手段(6)は、前記旋光子における偏光回転角
    が45°となる波長以外の波長で前記発光手段が発光駆
    動されたときに、該波長における前記旋光子の偏光回転
    角と前記ファラデー素子(18)の回転角の和が90°
    となるように該ファラデー素子に印加される磁界を制御
    する請求項1記載の光パルス試験器。
  3. 【請求項3】 前記複数の発光手段において使用される
    波長を選択設定し、その旨を示す波長選択信号を出力す
    る波長選択手段を備えており、前記駆動手段及び前記制
    御手段は該波長選択手段からの波長選択信号に基づいて
    動作する請求項1又は2記載の光パルス試験器。
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