JP3032232U - 看護用補助マット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】自らでは体を動かしにくい患者にとって、床ず
れの防止や、寝返りをうつための補助などとなって、患
者が快適に過ごせるようにすること。 【解決手段】薄いシート状のマット基材２に、人体を動
かす姿勢変向面３を空気の流入で形成すべく膨張する複
数の膨張室４を形成し、手元スイッチ９の操作で、圧迫
部位や人体１２の向きを変えたり、人体１２を傾けたり
できるようにした構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、病人、特に寝たきりの患者が快適に過ごせるようにするための器 具である、看護用補助マットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自ら体を動かすこともままならない病人には、床ずれが付き物であるが、本人 にとってはとても辛く、見る側にとっても痛々しい。また、寝返りをうとうにも うてないもどかしさは、なってみなければ分からない悲痛の最たるものである。 さらに、看護する側にとって、病人を動かすことは力のいる大変な仕事であった 。

【０００３】 このため、体を動かせるようにしたベットが開発されているが、大掛かりな装 置であって、高価でもあるので、個人では利用しにくい。近年、そして将来的に も、在宅看護が重要になることが充分に予想されているにもかかわらず、これに 適した手段がないのが現状である。

【０００４】

【解決すべき課題及びそのための手段】

そこでこの考案は、簡素かつ安価であって、患者自らが自由に操作して快適に 過ごすことに資するような、看護用補助マットの提供を課題とする。

【０００５】 そのための手段は、薄いシート状のマット基材に、当該看護用補助マット上の 人体を動かす姿勢変更面を空気の流入で形成すべく膨張する膨張室を形成した看 護用補助マットであることを特徴とする。

【０００６】 好ましくは、例えば、前記マット基材を、敷き布団に略対応する大きさに形成 するとともに、該マット基材の幅方向の中心を境にした左右両側部に、前記膨張 室を形成し、これら膨張室を、前記姿勢変更面が外側ほど高くなる傾斜面となる べく形成するとよい。

【０００７】 また、前記左右２つの膨張室を長さ方向に複数に分割して、それぞれ第２膨張 室を形成し、これら第２膨張室をそれぞれ独立して膨張可能にするもよい。

【０００８】

【作用及び効果】

上述の構成によれば、膨張室（第２膨張室を含む）を膨らませて姿勢変更面を 人体に押圧することで、圧迫部位や体の向きを変えて（姿勢変更を行なって）床 ずれを防止し、体を傾けて（姿勢変更を行なって）寝返りや体を動かすことの補 助をすることができる。

【０００９】 しかも、使用に当っては、敷き布団の上に載置し、空気を出し入れする機器を 備えるだけでよいので、簡素であるとともに、扱いも簡単で、安価に利用できる 。このため、個人で使用することも可能で、特に在宅看護に有益である。

【００１０】 また、患者が操作する手元スイッチを備えたならば、床ずれの防止はより効果 的である。 このように、患者にとっても、看護する側にとっても価値のある器具を得るこ とができる。

【００１１】 請求項２のように構成した場合には、いずれか一方の膨張室を膨らませること で、寝返りが容易になる。そのうえ、膨らませ加減を調整することで、圧迫部位 を変えることができ、床ずれの防止が行なえる。

【００１２】 また、請求項３のように、第２膨張室を形成して姿勢変更面の動きを細分化し た場合には、姿勢変更の範囲が広がり、様々な情況に応じた快適な状態を作るこ とができる。

【００１３】

【実施例】 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。 図１は、看護用補助マット１の斜視図であり（この図においては、全体を膨ら ませた状態で描いているが、通常は偏平である）、樹脂製の薄いシート状体を複 数枚、溶着により適宜接合して、気密性を有する袋状に形成したものである。そ してその形状は、敷き布団に略対応する形のマット基材２上に、人体を動かす姿 勢変更面３を空気の流入で形成すべく膨張する膨張室４を形成したもので、膨張 室４は、マット基材２の幅方向の中心を境にした左右両側部に２つ形成している 。これら膨張室４を形成するシート状体の上面が、上述の姿勢変更面３である。 シート状体の樹脂は、可能な限り柔軟なものがよい。

【００１４】 ２つの膨張室４は、この姿勢変更面３が外側ほど高くなる傾斜面となるように 、三角柱状に形成し、正面視Ｖ字状の２つの姿勢変更面３が形成されるようにし ている。そして、膨張室４の側面には、膨張室４を膨らませる空気を出し入れす るための給排気口５を筒状に突出して形成している。

【００１５】 そして、この給排気口５には、図２に示したように管体６を接続し、この管体 ６には、コンプレッサ７、制御ボックス８、手元スイッチ９を順に接続する。 手元スイッチ９は、患者または看護者が操作するスイッチで、膨らませる膨張 室４や空気の注入量、速度を制御ボックス８に入力する。制御ボックス８は、入 力された信号に基づいてコンプレッサ７を駆動し、コンプレッサ７が膨張室４に 対し空気の出し入れを行なう。

【００１６】 このような看護用補助マット１では、図３に示したように、マットレスなどの 敷き布団１０の上に載置するとともに、シーツ１１で覆い、患者または看護者が 、手元スイッチ９を適宜操作して使用する。

【００１７】 例えば、手元スイッチ９の操作により、一方の膨張室４のみを一杯に膨らませ れば、図４に示したように、人体１２は傾斜し、寝返りをうつときの補助になる とともに、看護する側にとっては、体を拭いてやったり世話をするときの助けに なる。また、一杯まで膨らませずに途中まで膨らませ、圧迫部位や体の向きを適 宜変えるだけで、重心が移動して、床ずれ防止が行なえる。

【００１８】 しかも、使用に当っては、敷き布団１０の上に載置し、空気を出し入れするた めの機器を備えるだけでよいので、簡素であるとともに、扱いも簡単で、安価に 利用できる。このため、個人で使用することも可能で、特に在宅看護に有益であ る。

【００１９】 また、患者が操作可能な手元スイッチ９を備えているので、患者自らが好きな ように操作でき、床ずれの防止はより効果的である。

【００２０】 このように、患者にとっても、看護する側にとっても価値のある器具を得るこ とができる。

【００２１】 なお、図５に示したように構成するもよい。この看護用補助マット１は、上述 の２つの膨張室４をそれぞれ縦方向に３つに分割して第２膨張室４ａを形成し、 それぞれ独立して空気の流入が可能なように、それぞれに給排気口５を設けてい る。この場合には、姿勢変更面３の動きを細分化できるので、姿勢変更の範囲が 広がり、病状や世話に必要な動作など、様々な情況に応じた快適な状態を作るこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】看護用補助マットの斜視図。

【図２】使用態様の説明図。

【図３】使用態様の説明図。

【図４】使用状態の説明図。

【図５】他の例に係る看護用補助マットの斜視図。

【符号の説明】

１…看護用補助マット ２…マット基材 ３…姿勢変更面 ４…膨張室 ４ａ…第２膨張室

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】薄いシート状のマット基材に、当該看護用
   補助マット上の人体を動かす姿勢変更面を空気の流入で
   形成すべく膨張する膨張室を形成した看護用補助マッ
   ト。
2. 【請求項２】前記マット基材を、敷き布団に略対応する
   大きさに形成するとともに、該マット基材の幅方向の中
   心を境にした左右両側部に、前記膨張室を形成し、これ
   ら膨張室を、前記姿勢変更面が外側ほど高くなる傾斜面
   となるべく形成した請求項１記載の看護用補助マット。
3. 【請求項３】前記各膨張室を長さ方向に複数に分割し
   て、それぞれ第２膨張室を形成し、これら第２膨張室を
   それぞれ独立して膨張可能にした請求項２記載の看護用
   補助マット。