JP3032214B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、被観察体を観察するための対物光学系と
少なくとも一つの接眼光学系とを備えている顕微鏡に関
する。
(従来の技術) 従来から、患部を手術する際に該患部を拡大して立体
観察する実体顕微鏡がある。
かかる実体顕微鏡は、例えば第5図に示すものがあ
る。この実体顕微鏡は、第1,第2対物光学系1,2と、接
眼レンズ3a,4a等からなる第1,第2接眼光学系3,4等とか
ら構成される。
第1対物光学系1は、対物レンズ5と結像レンズ6と
正立プリズム7と反射プリズム8等とからなり、第2対
物光学系2は、対物レンズ5と結像レンズ9と正立プリ
ズム10と反射プリズム11等とからなる。
上記のように構成された従来の実体顕微鏡は、第1,第
2対物光学系1,2により結像された空中像I1,I2を接眼光
学系3,4で拡大観察するものである。
このように、従来の実体顕微鏡は、第1,第2対物光学
系1,2と第1,第2接眼光学系3,4とが光学的に結合されて
機械的に一体となっており、対物レンズ5と接眼レンズ
3a,4a間の距離は一定である。
(発明が解決しようとする課題) 上記のように従来の実体顕微鏡にあっては、対物レン
ズ5と接眼レンズ3a,4a間の距離が一定であるため、第
6図に示すように、鏡筒長さlは固定されている。この
ため、必要な作業空間を確保するために、作動距離Lを
長くとると、操作距離Mが長くなってしまい、手術者
は、無理な姿勢を強いられ、極端な場合には手術部位に
手が届かなくなる。また、逆に、手術者の体格に合わ
せ、操作距離Mを決めると作動距離Lが短くなり、鏡筒
が手術操作の妨げになるという問題があった。
(発明の目的) この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、そ
の目的とするところは、作動距離の長さを任意に設定し
ても患者の観察がしずらくなることがなく、しかも常に
楽な姿勢で手術を行なうことのできる顕微鏡を提供する
ことにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するため、手術部位を観察するため
の対物光学系と、一対の接眼部とを備えた手術用顕微鏡
であって、 前記一対の接眼部を対物光学系とは別の支持手段に支
持させ、 前記対物光学系による手術部位の結像位置に受光面を
有する一対の撮像手段を設け、 前記一対の撮像手段によって撮像された像を表示する
一対の表示手段を、この表示手段に表示される像が観察
できるように前記一対の接眼部にそれぞれに設け、 この一対の接眼部を対物光学系に対して3次元方向に
移動可能に構成したことを特徴とする。
(作用) この発明は、上記のように構成したので、一対の接眼
部を対物光学系とは別の支持手段に支持させたものであ
るから、接眼部を対物光学系に対して任意の方向へ移動
させることができ、しかも、接眼部に一対の表示手段を
設けたものであるから、その接眼部を任意の方向へ移動
させても表示手段に表示される像を観察することができ
る。このため、術者の体格の大きさや手術部位の位置に
拘わりなく、常に楽な姿勢で手術部位を観察することが
でき、しかも楽な姿勢で手術を行うことができる。
さらに、一対の撮像手段および一対の表示手段を設け
たことにより、複雑な機械的な構成を必要とせずに、手
術部位を立体視することができる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、実体顕微鏡の構成を概略的に示した概略構
成図であり、この実体顕微鏡は、対物系20と、画像処理
系40と、接眼系50等とから構成されている。
対物系20は、図示しないアームに保持された対物鏡筒
K内に設けられた第1対物光学系21と第2対物光学系31
とからなり、第1対物光学系21は、被観察体(手術部
位)Pに対向した対物レンズ22と変倍レンズ23と結像レ
ンズ24と反射ミラー25,26とからなる。第2対物光学系3
1は、対物レンズ22と変倍レンズ33と結像レンズ34と反
射ミラー35,36とからなる。
そして、被観察体Pの像は第1,第2対物光学系21,31
によって対物鏡筒Kの上部に設けられた射出口S1,S2
上方位置Q1,Q2に結像されるようになっている。
画像処理系40は、前記位置Q1,Q2に受光面を有すると
ともに射出口S1,S2に設置されたテレビカメラ41,42(撮
像手段)と、このテレビカメラ41,42によって撮像され
た画像を記録や再生処理する画像処理装置43,44と、画
像処理装置43,44によって再生処理された画像を表示す
るディスプレイ45,46とからなる。
接眼系50は、第1接眼光学系51と第2接眼光学系52と
からなり、第1接眼光学系51は接眼鏡筒(接眼部)53に
設置された接眼レンズ54を有し、第2接眼光学系52は接
眼鏡筒(接眼部)55に設置された接眼レンズ56を有して
いる。
接眼鏡筒53,55内には前記ディスプレイ45,46が接眼レ
ンズ54,56の光軸上に設置されて、接眼レンズ54,56によ
りディスプレイ45,46に表示される像を立体視できるよ
うになっている。
接眼鏡筒53は、第2図に示すように、外筒61とこの外
筒61に螺合するとともに接眼レンズ54が設置された内筒
62とから構成され、この内筒62を回転させることにより
光軸に沿って接眼レンズ54が移動するようになってい
る。したがって、観察者の視度に合わせて接眼レンズ54
を移動させることにより、ディスプレイ45に表示される
像を常にピントの合った状態で観察することができる。
接眼鏡筒55も外筒63と内筒64とからなり、上記と同様に
構成されているのでその説明は省略する。
また、接眼鏡筒53には、第3図に示すように、円筒状
の接続軸65が設けられ、接眼鏡筒55には接続軸65に嵌入
された接続軸66が設けられている。そして、接続軸66の
嵌入長さを調整することにより接眼鏡筒53,55の光軸間
の距離が調整できるようになっている。そして、接続軸
65,66が接眼鏡筒53,55の光軸間の距離を調整する調整手
段として機能する。
上記接続軸66はアーム67に接続された軸68の先端部に
接続されて、接眼鏡筒53,55が三次元方向に自由自在に
移動できるようになっている。
このように、第1,第2対物光学系21,31によって結像
された被観察体Pの像をテレビカメラ41,42で撮像し
て、その撮像した像をディスプレイ45,46に表示し、デ
ィスプレイ45,46に表示される像を接眼レンズ54,56で立
体視するものであるから、対物系20と接眼系50とは光学
的および機械的に接続されておらず、作動距離を任意に
設定しても接眼鏡筒53,55を最適位置にすることができ
る。すなわち、作動距離の長さを任意に設定しても患部
の観察がしずらくなることがなく、しかも常に楽な姿勢
で手術を行なうことができる。
この実施例では、被観察体Pをテレビカメラ41,42で
撮像した像をディスプレイ45,46に表示するとともに記
録することができるので,被観察体からの光束を観察用
と記録用の二つに分割する必要がなく、被観察体Pを照
明する照明光を有効に使えることとなる。
また、接眼鏡筒53,55対物系20の位置に関わりなく独
立して移動することができるので、プリズム,ミラー等
を設ける必要がなく、したがって、軽量化を図ることが
できる。また、ディスプレイ45,46に被観察体Pの像の
他に、例えば、血圧,心拍数,体温,呼吸数,脳波等の
各種の情報をも表示するようにすれば手術の際には非常
に便利なものとなる。さらに、被観察体Pをテレビカメ
ラ41,42で撮像するものであるから不可視光による観察
も可能となる。
第4図は第2実施例を示したものであり、これは、観
察者の頭にかぶる額帯70に接眼鏡筒53,55と受信機(受
信手段)71を取り付けたものである。接眼鏡筒53,55は
必要に応じて矢印方向にはね上げられるようになってい
る。72はバッテリ、73は受信アンテナである。
この実施例は、テレビカメラ41,42で撮像した像を送
信機(送信手段)69で送信して、その送信信号を前記受
信機71で受信してディスプレイ45,46に撮像した像を表
示するものである。
第2実施例では、テレビカメラ41,42とディスプレイ4
5,46とを結ぶコードが不要となるので、そのコードが観
察や手術の際に邪魔となるということがなくなる。
なお、上記実施例では被観察体を立体視する実体顕微
鏡について説明したが、これに限らず、通常の単眼式の
顕微鏡にも利用できることは勿論である。
(発明の効果) 以上説明したように、この発明によれば、一対の接眼
部を対物光学系とは別の支持手段に支持させたものであ
るから、接眼部を対物光学系に対して任意の方向へ移動
させることでき、しかも、接眼部に一対の表示手段を設
けたものであるから、その接眼部を任意の方向へ移動さ
せても、表示手段に表示される像を観察することができ
る。このため、術者の体格の大きさや手術部位の位置に
拘わりなく、常に楽な姿勢で手術部位を観察することが
でき、しかも楽な姿勢で手術を行うことができる。
さらに、一対の撮像手術および一対の表示手段を設け
たことにより、複雑な機械的な構成を必要とせずに、手
術部位を立体視することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる実体顕微鏡の構成を概略的に
示した概略構成図、第2図は接眼鏡筒の断面図、第3図
は接眼鏡筒の平面図、第4図は第2実施例の説明図、第
5図は従来の実体顕微鏡の光学系の配置を示した説明
図、第6図は従来の実体顕微鏡の使用状態を示した説明
図である。 21……第1対物光学系 31……第2対物光学系 41,42……テレビカメラ(撮像手段) 45,46……ディスプレイ(表示手段) 65,66……接続軸(調整手段) 69……送信機(送信手段) 71……受信機(受信手段)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】手術部位を観察するための対物光学系と、
    一対の接眼部とを備えた手術用顕微鏡であって、 前記一対の接眼部を対物光学系とは別の支持手段に支持
    させ、 前記対物光学系による手術部位の結像位置に受光面を有
    する一対の撮像手段を設け、 前記一対の撮像手段によって撮像された像を表示する一
    対の表示手段を、この表示手段に表示される像が観察で
    きるように前記一対の接眼部にそれぞれに設け、 この一対の接眼部を対物光学系に対して3次元方向に移
    動可能に構成したことを特徴とする手術用顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記撮像手段で撮像された像を無線で送信
    する送信手段と、 この送信手段で送信される像を受信して前記表示手段に
    受信した像を表示させる受信手段とを備えていることを
    特徴とする請求項第1項記載の手術用顕微鏡。
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