JP2007075338A - 医療用立体観察装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対物光学系と変倍光学系と結像光学系と撮像素子を含む、左眼用撮像光学系11L及び右眼用撮像光学系11Rの光軸O2a,O3aの交点が、被観察物体における観察を所望する所定の深さ位置(ピント面)よりも撮像側に位置し、2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置PL,PRが、低倍時において光軸O2a,O3aの交点Qよりも物体側に位置するとともに、変倍光学系11bL,11bRによる変倍に連動して、2つの撮像光学系の光軸の交点Qと、低倍時における2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置PL,PRとの間を所定量移動すると共に、且つ、前記ピント面に位置するようにしている。
【選択図】 図2
Description
この映像表示装置では、左眼用及び右眼用の投影光学系53L,53Rの光軸は、表示パネル面54上で交差、反射する。そして、表示パネル面54で反射された左眼用及び右眼用の投影光学系53L,53Rの光は、観察者の左右の眼EL,ERの位置に集光される。このとき、撮像部で撮像された観察対象における観察を所望する位置に合わせられたピント位置PL,PRは表示パネル面54上に再現されることになる。
これを防ぐため、従来、例えば、次の特許文献3に開示されているように、観察対象と焦点位置との距離を計算し、その距離に応じて表示映像の位置を移動して、容易に融像を行うことができるようにした立体撮像装置が提案されている。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2)
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2)
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2)
そこで、本件出願人は、まず、観察対象が孔状の形状をしているような場合に、融像限界の範囲内の領域を有効に利用し、観察者が常に楽に立体観察を行うことができるようにするために、次の図18に示すような方法について検討した。
従って、本発明の医療用立体観察装置によれば、融像可能範囲を有効に利用でき、かつ、変倍を行っても、観察者は疲労をすることなく楽に立体観察を行うことができる。
第一実施形態
図1は本発明の各実施形態の医療用立体観察装置に共通の基本構成を示す説明図、図2は第一実施形態の医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び低倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図3は第一実施形態の医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び高倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図4は第一実施形態の医療用立体観察装置における変倍による左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置、及び2つの撮像光学系の光軸の交点の位置を示す説明図であり、(a)は低倍時での位置、(b)は変倍(高倍時)による左右の光軸上のピント位置が2つの撮像光学系の光軸の交点の位置に対して移動した状態、(c)は高倍時での位置を示している。図5は第一実施形態の医療用立体観察装置において、表示されるパネル面と再現される術部との関係を示す説明図であり、(a)は低倍時における状態、(b)は高倍時における状態を示している。
立体画像撮像装置1は、左眼用及び右眼用の画像を撮像するための撮像光学系を備えた鏡体部11と、鏡体部11を移動自在に支持する、例えば、多関節アームなどの支持手段12を備えている。
左眼用及び右眼用の撮像光学系は、対物光学系と、変倍光学系と、結像光学系と、撮像素子を含んでおり(図1において省略)、術部などの観察対象を拡大して3次元観察可能な電子画像として撮像するように構成されている。
表示パネル22は、例えばフレネル凹面鏡と拡散板を有して構成されている(図示省略)。
そして、左眼用及び右眼用の画像投影機21L,21Rの投影光学系の射出瞳が、表示パネル22のフレネル凹面鏡のレンズ作用と、拡散板の光拡散作用により、表示パネル22の表示面の中心Sから所定の距離離れた位置に拡大され、左右に分離された状態で形成されるようになっている。
そして、左右の射出瞳内に観察者(術者)Dの左右の眼EL,ERが入るようにすることにより、表示パネル22を見ている観察者Dの左眼ELには、反射光軸WLを中心として左眼用の画像投影機21Lからの観察像が導かれ、観察者Dの右眼ERには、反射光軸WRを中心として右眼用の画像投影機21Rからの観察像が導かれる。
その結果、左眼用及び右眼用の画像投影機21L,21Rから表示パネル22に投影された観察像が、観察者Dによって3D(立体観察)されるようになっている。
これらの構成は各実施形態において共通である。
そして、対物光学系11aと、左眼用変倍光学系11bLと、左眼用結像光学系11cLと、左眼用撮像素子11dLとで左眼用撮像光学系11Lを構成するとともに、対物光学系11aと、右眼用変倍光学系11bRと、右眼用結像光学系11cRと、右眼用撮像素子11dRとで左眼用撮像光学系11Rを構成している。
また左眼用及び右眼用の変倍光学系11bL,11bR、結像光学系11cL,11cR、撮像素子11dL,11dRは、対物光学系11aの中心光軸O1に対して平行な撮像側の光軸O2,O3上に配置されている。
左眼用及び右眼用の変倍光学系11bL,11bRは、それぞれレンズ群11bL1,11bL2、11bR1,11bR2、11bL3,11bR3を有して構成されている。
左眼用及び右眼用の結像光学系11cL,11cRは、それぞれ、結像レンズで構成されている。そして、左眼用及び右眼用の結像光学系11cL,11cRは、左眼用及び右眼用の撮像素子11dL,11dRに術部の観察像を結像する機能を備えている。
左眼用及び右眼用の撮像素子11dL,11dRは、CCDなどで構成されている。
変倍レンズ保持部材11f1は、左眼用及び右眼用の第2レンズ群11bL2,11bR2を保持している。変倍レンズ保持部材11f2は、左眼用及び右眼用の第3レンズ群11cL3,11cR3を保持している。
ガイド部材11gは、対物光学系11aの撮像側の光軸1,O2,O3に平行に配置された棒状部材で構成されている。そして、ガイド部材11gは、対物レンズ保持部材11eの一端部に設けられた孔11ea、変倍レンズ保持部材11f1の一端部に設けられた孔11f1a、及び変倍レンズ保持部材11f2の一端部に設けられた孔11f2aに挿通しており、対物レンズ保持部材11e、変倍レンズ保持部材11f1,11f2に保持された対物レンズ、変倍レンズを対物光学系11aの中心光軸O1に沿って(ここでは平行に)ガイドすることができるように構成されている。
ガイド溝11k1,11k2,11k3は、それぞれ、対物レンズ保持部材11e、変倍レンズ保持部材11f1,11f2をそれぞれ所定の方向(観察対象、即ち術部へ近づく方向又は遠ざかる方向)へ所定量移動させることができるように、所定の角度で所定の方向に螺旋状に形成されている。
モータ11lは、カム軸11kを回動するように構成されている。
そして、モータ11lの駆動により、変倍光学系11bL,11bRの第2及び第3レンズ群11bL2,11bL3、11bR2,11bR3、対物光学系11aが、対物光学系11aの中心光軸O1に平行に所定量移動することで変倍及びピント位置の調整が行われるようになっている。
図2は低倍時での状態を示している。左眼用及び右眼用の撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸の交点Qは、観察対象におけるピント面よりも撮像側に位置している。また、このときの左右の撮像光学系11L,11Rのピント位置PL,PRは、ピント面上における所定位置PL0,PR0にそれぞれ位置している。
この状態において、術者が図示しない変倍スイッチを押すと、モータ11lが駆動して、カム軸11kが回転し、ガイド溝11k1,11k2,11k3を介してガイド軸11h,11i,11jが所定方向に移動し、図3に示すように、対物光学系11a、変倍光学系11bL,11bRにおける第2及び第3レンズ群11bL2,11bL3、11bR2,11bR3が、低倍時における破線の位置から実線で示す位置へと移動する。
これに対し、第一実施形態の医療用立体観察装置では、上述したように、変倍光学系11bL,11bRを介した変倍に連動して、2つの撮像光学系11L,11Rのそれぞれのピント位置PL,PRは、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a,O3aの交点Qと低倍時におけるピント位置PL0,PR0との間を移動するようになっている。そして、ピント位置PL,PRは、変倍時において常にピント面に位置するようになっている。このため、表示パネル面上での視差量を融像可能な範囲に保つことができる。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ/2)
そして、第一実施形態の医療用立体観察装置では、低倍から高倍への変倍において、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a,O3aの交点Qを観察対象側に移動させることによって、ピント位置PL,PRを常にピント面に位置させるようにしている。
図2に示した低倍の状態では、左眼用及び右眼用の撮像光学系11L,11Rのピント位置PL,PRは、図4(a)に示すように、ピント面上の位置PL0,PR0に位置している。この状態から図3に示すように高倍へと変倍すると、ピント位置PL,PRは、図4(b)に示すように、ピント面から交点Qに近づいた所定の位置PL1,PR1に移動する。これにより、パネル面上での視差量を融像可能な一定量に保って観察対象の像を再現することができる。ただし、ピント面よりも手前にピント位置がずれると、観察を所望する深さ位置での観察像にボケが生じることになる。そこで、この像のボケを防ぐために、低倍から高倍への変倍動作と同時に、図4(c)に示すように、変倍によって撮像側に移動したピント位置PL,PRの移動量分、対物光学系11aを観察対象側へ移動することによって、図4(b)に示した交点Qとピント位置PL1,PR1との相対的な位置関係を保ちながら、ピント位置PL,PRをピント面に一致させている。
なお、この像ボケの解消のために、第一実施形態では、対物光学系11aのみを変倍光学系11bL,11bRを介した変倍に連動して移動するようにしたが、鏡体部11全体を移動するようにしてもよい。
図4(a)で示した低倍時において撮像され、表示パネル22面上に再現される術部の像が図5(a)であるとする。図4(c)で示した高倍時において撮像した術部の像は、図5(b)に実線で示すように、ピント位置が低倍時と同じであって、かつ、低倍時のピント面に一致した状態で拡大して再現される。
このため、第一実施形態の医療用立体観察装置によれば、撮像時の変倍の倍率が異なっても、撮像した左眼用及び右眼用の像を、視差量を融像限界の範囲内に抑えて表示パネル22面上に再現することができ、観察者は、楽に融像して観察することができる。
図6は本発明の第二実施形態にかかる医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び低倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図7は第二実施形態の医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び低倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。
対物光学系ガイド軸11hは、対物レンズ保持部材11eの他端部11ebに固定されるとともに、自由端が対物光学系カム軸11akに設けられている対物光学系ガイド溝11ak1の所定部位にそれぞれ嵌入されており、対物光学系カム軸11akが回転したときに、対物光学系ガイド溝11ak1を介して所定方向にガイドされることによって、対物光学系ガイド部材11agと相俟って、対物レンズ保持部材11eを、対物光学系11aの中心光軸に沿って平行に移動させる力を伝達する機能を備えている。
対物光学系ガイド溝11ak1は、対物レンズ保持部材11eを所定の方向(観察対象、即ち術部へ近づく方向又は遠ざかる方向)に所定量移動させることができるように、所定の角度で所定の方向に螺旋状に形成されている。
対物光学系モータ11alは、対物光学系カム軸11akを回動するように構成されている。
対物光学系エンコーダ11amは、対物光学系モータ11alの駆動による対物光学系カム軸11akの回動量を検出するように構成されている。対物光学系エンコーダ11amで検出された回動量の信号は、図示省略された制御部にフィードバックされ、例えば対物光学系モータ11alの駆動停止などの制御に利用されるようになっている。
左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動モータ11lL,11lRは、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kL,11kRを回動するように構成されている。
左眼用及び右眼用変倍量検出用エンコーダ11mL,11mRは、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動モータ11lL,11lRの駆動による左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kL,11kRの回動量を検出するように構成されている。
この状態において、術者が図示しない変倍スイッチを押すと、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動モータ11lL,11lRが駆動して、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kL,11kRが回転し、左眼用及び右眼用変倍レンズガイド溝11k2L,11k3L、11k2R,11k3Rを介して左眼用及び右眼用変倍レンズガイド軸11iL,11jL、11iR,11jRが所定方向に移動し、図7に示すように、変倍光学系11bL,11bRにおける第2及び第3レンズ群11bL2,11bL3、11bR2,11bR3が、低倍時における破線の位置から実線で示す位置へと移動する。これにより変倍が行われる。
第二実施形態の医療用立体観察装置においても、変倍光学系11bL,11bRの変倍に連動して、2つの撮像光学系11L,11Rのそれぞれのピント位置PL,PRは、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交点Qと低倍時におけるピント位置PL0,PR0との間を移動するようになっている。そして、ピント位置PL,PRは、変倍時において常にピント面に位置するようになっている。このため、表示パネル面上での視差量を融像可能な範囲に保つことができる。
第二実施形態の医療用立体観察装置では、左眼用及び右眼用の変倍光学系11bL,11bR、結像光学系11cL,11cR、撮像素子11dL,11dRが、対物光学系11aの中心光軸O1に対して傾斜した撮像側の光軸O2’,O3’上に配置されている。このため、変倍光学系11bL,11bRによる変倍に応じて、左眼用及び右眼用の撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交差する角度が変化する。例えば、図6に示した低倍時における倍率をβ、2つの撮象光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交点Qからピント面までの距離をl、2つの光軸O2a’,O3a’が交差する角度をθ、図7に示した高倍時における倍率をβ’、2つの撮象光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交点Qからピント面までの距離をl’2つの光軸O2’a,O3a’が交差する角度をθ’とする。このとき、次式が成り立つ。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2)
そして、第二実施形態の医療用立体観察装置では、低倍から高倍への変倍において、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交点Qを物体側に移動させることによって、ピント位置PL,PRを常にピント面に位置させるようにしている。
図6に示した低倍の状態では、左眼用及び右眼用の撮像光学系11L,11Rのピント位置PL,PRは、図4(a)に示すように、ピント面上の位置PL0,PR0に位置している。この状態から図7に示すように高倍へと変倍すると、ピント位置PL,PRは、図4(b)に示すように、ピント面から交点Qに近づいた所定の位置PL1,PR1に移動する。これにより、パネル面上での視差量を融像可能な一定に保って観察対象の像を再現することができる。ただし、ピント面よりも手前にピント位置がずれると、観察を所望する深さ位置での観察像にボケが生じることになる。そこで、この像のボケを防ぐために、低倍から高倍への変倍動作と同時に、図4(c)に示すように、変倍によって撮像側に移動したピント位置PL,PRの移動量分、対物光学系11a観察対象側へを移動することによって、図4(b)に示した交点Qとピント位置PL1,PR1との相対的な位置関係を保ちながら、ピント位置PL,PRをピント面に一致させている。
なお、この像ボケの解消のために、第二実施形態では、対物光学系11aのみを変倍光学系11bL,11bRを介した変倍に連動して移動するようにしたが、エンコーダ11mL,11mRの出力に応じて鏡体部11全体を移動するようにしてもよい。
第二実施形態の医療用立体観察装置によれば、変倍光学系11bL,11bRを構成するレンズと対物光学系11aとの相対的な位置が変化することにより左眼用及び右眼用の撮象光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a’,O3a’の交差角度が変化する。このため、第一実施形態に比べて、対物光学系11aの移動に対する2つの光軸の交点Qの移動量を大きくとる(対物光学系11aの効きを強くする)ことができ、対物レンズの移動量を少なくすることができる。
図8は本発明の第三実施形態にかかる医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び低倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図9は第三実施形態の医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び高倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。
第三実施形態の医療用立体観察装置によれば、ノーマルのシングルズームを用いることができ、構成を簡素化でき、また、左眼用及び右眼用の変倍光学系に対する調整をする必要がなくなる
その他の構成及び作用効果は第一実施形態の医療用立体観察装置とほぼ同じである。
図10は本発明の第四実施形態にかかる医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び低倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図11は第四実施形態の医療用立体観察装置に用いられる左眼用及び右眼用の撮像光学系の光学構成及び高倍時における各光学部材の位置、左眼用及び右眼用の撮像光学系における観察対象側の光軸の交点、ピント面に対する左眼用及び右眼用の撮像光学系のそれぞれのピント位置を示す説明図である。図12は図10及び図11の側面図であり、(a)は右側面図、(b)は左側面図である。
左眼用鏡体部11xの内部には、左眼用対物光学系11aLと、左眼用変倍光学系11bLと、左眼用結像光学系11cLと、左眼用撮像素子11dLと、左眼用変倍レンズ保持部材11f1L,11f2Lと、左眼用変倍レンズガイド部材11gLと、左眼用変倍レンズガイド軸11iL,11jLと、左眼用変倍レンズ駆動カム軸11kLと、左眼用変倍レンズ駆動モータ11lLと、左眼用変倍量検出用エンコーダ11mLを有している。左眼用対物光学系11aLと、左眼用変倍光学系11bLと、左眼用結像光学系11cLと、左眼用撮像素子11dLは、左眼用鏡体部の内部において左眼用対物光学系11aLの中心光軸O2”上に配置されている。
右眼用鏡体部11yの内部には、右眼用対物光学系11aRと、右眼用変倍光学系11bRと、右眼用結像光学系11cRと、右眼用撮像素子11dRと、右眼用変倍レンズ保持部材11f1R,11f2Rと、右眼用変倍レンズガイド部材11gRと、右眼用変倍レンズガイド軸11iR,11jRと、右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kRと、右眼用変倍レンズ駆動モータ11lRと、右眼用変倍量検出用エンコーダ11mRを有している。右眼用対物光学系11aRと、右眼用変倍光学系11bRと、右眼用結像光学系11cRと、右眼用撮像素子11dRは、右眼用鏡体部11yの内部において右眼用対物光学系11aRの中心光軸O3”上に配置されている。
光軸O2”,O3”は、ピント面に対して垂直な仮想線O1’に対して、等角度(θ/2)で傾斜している。従って、左眼用撮像光学系11Lと右眼用撮像光学系11Rは、仮想線O1’に対して、線対象に傾斜して配置されている。
左眼用変倍レンズ保持部材11f1L,11f2Lと、左眼用変倍レンズガイド部材11gLと、左眼用変倍レンズガイド軸11iL,11jLと、左眼用変倍レンズ駆動カム軸11kLと、左眼用変倍レンズ駆動モータ11lLにおける細部の構成、及び右眼用変倍レンズ保持部材11f1R,11f2Rと、右眼用変倍レンズガイド部材11gRと、右眼用変倍レンズガイド軸11iR,11jRと、右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kRと、右眼用変倍レンズ駆動モータ11lRにおける細部の構成は、第一〜第三実施形態の医療用立体観察装置における構成とほぼ同じである。
また、左眼用の鏡体部と右眼用の鏡体部は、それぞれに内蔵された撮像光学系の入射光軸がピント面に対して傾斜した角度となるように斜めを向いて配置されている。
そして、左眼用の鏡体部11xと右眼用の鏡体部11yは、変倍光学系11bL,11bRの変倍に連動して、モータ16の駆動により、ピニオン16aが回転し、ラック13L,13R、ガイド穴部14L,14R、ガイド16を介して、ピント面に対して平行に移動するように構成されている。
この状態において、術者が図示しない変倍スイッチを押すと、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動モータ11lL,11lRが駆動して、左眼用及び右眼用変倍レンズ駆動カム軸11kL,11kRが回転し、左眼用及び右眼用変倍レンズガイド溝11k2L,11k3L、11k2R,11k3Rを介して左眼用及び右眼用変倍レンズガイド軸11iL,11jL、11iR,11jRが所定方向に移動し、図11に示すように、変倍光学系11bL,11bRにおける第2及び第3レンズ群11bL2,11bL3、11bR2,11bR3が、低倍時における破線の位置から実線で示す位置へと移動する。これにより変倍が行われる。
モータ16は、送信された回転数に基づいて駆動し、ピニオン16aが回転する。これにより、左眼用及び右眼用の鏡体部11x,11yは、図11に破線で示すように、ラック13L,13R、ガイド穴部14L,14R、ガイド17を介してピント面に対して平行に互いに接近する方向に移動する。すると、ピント位置PL,PRと、左眼用及び右眼用の撮像光学系11L,11Rの交差する角度を一定(θとする)に保持しながら、2つの撮像光学系の11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a”,O3a”の交点Qがピント面方向に(l’−l)・cos(θ/2)ずれた位置Q1に移動する。
これにより、ピント位置PL,PRが、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a”,O3a”の交点Qに対してピント面に合う位置に移動したように見えることになる。
従って、第四実施形態の医療用立体観察装置によれば、ピント位置を変えずに、表示パネル面上での視差量を融像可能な範囲に保つことができる。また、2つの撮像光学系11L,11Rにおける観察対象側の光軸O2a”,O3a”の交差角度を変化させずに済むため、一定の立体感の観察像が得られる。そして、ピント位置を保持しながら、視差量の設定を自由に行うことができるため、画像の提示位置を、所望の位置に自由に設定できる。
その他の構成及び作用効果は第一実施形態の医療用立体観察装置とほぼ同じである。
2 立体画像表示装置
11 鏡体部
11a 対物光学系
11ag 対物光学系ガイド部材
11ak 対物光学系カム軸
11ak1 対物光学系ガイド溝
11al 対物光学系モータ
11am 対物光学系エンコーダ
11aL 左眼用対物光学系
11aR 右眼用対物光学系
11bL 左眼用変倍光学系
11bL1 左眼用変倍光学系第1レンズ群
11bL2 左眼用変倍光学系第2レンズ群
11bL3 左眼用変倍光学系第3レンズ群
11bR 右眼用変倍光学系
11bR1 右眼用変倍光学系第1レンズ群
11bR2 右眼用変倍光学系第2レンズ群
11bR3 右眼用変倍光学系第3レンズ群
11cL 左眼用結像光学系
11cR 右眼用結像光学系
11dL 左眼用撮像素子
11dR 右眼用撮像素子
11e 対物レンズ保持部材
11ea 孔
11f1,11f2 変倍レンズ保持部材
11f1a,11f2a 孔
11f1b,11f2b 他端部
11f1L,11f2L 左眼用変倍レンズ保持部材
11f1aL,11f2aL 孔
11f1bL,11f2bL 他端部
11f1R,11f2R 右眼用変倍レンズ保持部材
11f1aR,11f2aR 孔
11f1bR,11f2bR 他端部
11g ガイド部材
11gL 左眼用変倍レンズガイド部材
11gR 右眼用変倍レンズガイド部材
11h 対物レンズガイド軸
11i,11j 変倍レンズガイド軸
11iL,11jL 左眼用変倍レンズガイド軸
11iR,11jR 右眼用変倍レンズガイド軸
11k カム軸
11k1 (対物レンズガイド軸)ガイド溝
11k2,11k3 (変倍レンズガイド軸)ガイド溝
11kL 左眼用変倍レンズ駆動カム軸
11k2L,11k3L 左眼用変倍レンズガイド溝
11kR 右眼用変倍レンズ駆動カム軸
11k2R,11k3R 右眼用変倍レンズガイド溝
11k4 結像レンズガイド溝
11l モータ
11lL 左眼用変倍レンズ駆動モータ
11lR 右眼用変倍レンズ駆動モータ
11mL 左眼用変倍量検出用エンコーダ
11mR 右眼用変倍量検出用エンコーダ
11n 結像レンズ保持部材
11na 孔
11nb 他端部
11o 結像レンズガイド軸
11x 左眼用鏡体部
11y 右眼用鏡体部
11L 左眼用撮像光学系
11R 右眼用撮像光学系
12 支持手段(多関節アーム)
13L 左眼用鏡体部ラック
13R 右眼用鏡体部ラック
14L 左眼用鏡体部ガイド穴部
14La ガイド穴
14R 右眼用鏡体部ガイド穴部
14Ra ガイド穴
15 支持部
16 モータ
16a ピニオン
17 ガイド部材
17a ガイド固定部
21L 左眼用画像投影機
21R 右眼用画像投影機
22 表示パネル
23 支持手段
PL 左眼用観察対象のピント位置
PR 右眼用観察対象のピント位置
Q 左眼用撮像光学系と右眼用撮像光学系の観察対象側の光軸の交点
O1 対物光学系の中心光軸
O1’ ピント面に対して垂直な仮想線
O2,O3 中心光軸O1に対して平行な撮像側の光軸
O2’,O3’ 中心光軸O1に対して傾斜した撮像側の光軸
O2” 左眼用対物光学系の中心光軸
O2a,O2a’,O2a” 左眼用撮像光学系の観察対象側の光軸
O3a,O3a’,O3a” 右眼用撮像光学系の観察対象側の光軸
O3” 右眼用対物光学系の中心光軸
Claims (10)
- 術部を拡大し且つ立体的に観察可能な像として撮像するための、対物光学系と変倍光学系と結像光学系と撮像素子を含む、左眼用撮像光学系及び右眼用撮像光学系を有する医療用立体観察装置において、
前記2つの撮像光学系の光軸の交点が、奥行きのある被観察物体における観察を所望する所定の深さ位置よりも撮像側に位置し、
前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置が、低倍時において前記2つの撮像光学系の光軸の交点よりも物体側に位置するようにするとともに、
前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置が、前記変倍光学系による変倍に連動して、前記2つの撮像光学系の光軸の交点と、前記低倍時における前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置との間を所定量移動すると共に、且つ、前記奥行きのある被観察物体における観察を所望する所定の深さ位置に位置するようにしたことを特徴とする医療用立体観察装置。 - 前記変倍光学系の変倍に連動して、前記2つの撮像光学系の光軸の交点を物体側に移動させる、交点位置移動手段を有することを特徴とする請求項1に記載の医療用立体観察装置。
- 前記交点位置移動手段が、前記変倍光学系の変倍に連動する前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置の移動により生じる、前記奥行きのある被観察物体における観察を所望する所定の深さ位置とのずれを相殺するように、前記2つの撮像光学系の光軸の交点を移動させることを特徴とする請求項2に記載の医療用立体観察装置。
- 第1の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ、第1の変倍状態とは倍率の異なる第2の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ’、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl’、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ’としたとき、
前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置が、次の式を満足しながら、前記変倍光学系の変倍に連動して移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用立体観察装置。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2) - 前記変倍光学系の変倍に連動して、前記結像光学系を該結像光学系の光軸に沿って移動させる結像光学系移動手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の医療用立体観察装置。
- 第1の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ、第1の変倍状態とは倍率の異なる第2の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ’、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl’、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ’としたとき、
前記結像光学系移動手段が、次の式を満足しながら、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置を、前記変倍光学系の変倍に連動して移動させることを特徴とする請求項5に記載の医療用立体観察装置。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2) - 前記交点位置移動手段が、前記変倍光学系の変倍に連動して、前記2つの撮像光学系を、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置を結ぶ直線に沿って移動させることを特徴とする請求項2に記載の手術用立体画像観察装置。
- 第1の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ、第1の変倍状態とは倍率の異なる第2の変倍状態における前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度をθ’、前記2つの撮像光学系のそれぞれのピント位置から前記2つの撮像光学系の光軸の交点までの光軸上の距離をl’、前記2つの撮像光学系のそれぞれの変倍光学系の倍率をβ’としたとき、
前記2つの撮像光学系を、次の式を満足しながら、前記変倍光学系の変倍に連動して移動させることを特徴とする請求項7に記載の医療用立体観察装置。
l・β・sin(θ/2)=l’・β’・sin(θ’/2) - 前記2つの撮像光学系の光軸が交差する角度が、低倍から高倍までの変倍状態において、一定に固定されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の医療用立体観察装置。
- 前記交点位置移動手段が、前記変倍光学系の変倍に対応して前記2つの撮像光学系の観察光軸の交点までの光軸上の距離lがl’に移動した場合に、前記2つの撮像光学系の光軸の交点の位置を(l−l’)cosθ/2移動させることを特徴とする請求項2に従属する請求項9に記載の医療用立体観察装置。
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