JP2006218103A - 医療用撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視野移動時に視野を見失わず、また、被写界深度が深い場合であってもピントあわせを簡単に行うことを可能とすること。
【解決手段】術部Qを立体撮影するための立体撮影光学系と、立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な開口絞り13L、13Rと、立体撮影光学系を術部Qに対して移動可能に支持する架台部1と、立体撮影光学系の観察視野の移動を検出する入力回路16と、入力回路16からの情報に基づき、立体撮影用光学系の開口絞り13L、13Rを動作させるべく制御する被写界深度制御回路19とを備えた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、微細な手術作業に用いられる医療用撮影装置に関する。
従来、主に脳神経外科領域では、術部を拡大観察するために手術用顕微鏡が使用されている。この手術用顕微鏡は、術部を立体観察するための立体光学系を備えた鏡体(光学ユニット)と、この鏡体を術部に対し移動可能に支持する架台より構成されている。
また近年、術部をTVカメラ等により立体撮影し、これにより得られる画像により立体観察を行うもの(画像顕微鏡)も種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。
手術用顕微鏡は肉眼観察、画像観察の両方式とも、術部を拡大観察(撮影)するための対物光学系と、術部にピントを合わせるための焦準手段を備えている。
手術用顕微鏡が使用される脳神経外科手術では、術部は深い穴の深部である場合や、凹凸のある形状をしている場合が多く、手術用顕微鏡の被写界深度が浅いと、観察視野内の一部しかピントが合わず、それ以外の部位はピントがぼけて観察できない。このため、被写界深度が深いことが望まれている。
特開2003−272760号公報
上述した手術用顕微鏡では、次のような問題があった。すなわち、視野を移動する際に、術者は手でグリップ等の把持手段を持つとともに、目を接眼レンズに接触(または接近)させて、視野を確認しながら顕微鏡本体を移動させる。すなわち、術者は、目で接眼レンズを覗くことにより、顕微鏡本体の観察光軸(観察方向)を認識できる。さらに、目と手の2箇所で顕微鏡本体の位置が認識できるため、より視野を失わずに移動できる。
しかし上記先行例は、術部を撮影する顕微鏡本体とCRTディスプレイが分離されている構造であり、術者が顕微鏡本体を移動させる場合は、CRTディスプレイで術部を観察しながら、手でグリップを把持し顕微鏡本体を移動するため、手の操作量と観察視野の移動量の相関が付きにくく、意図しない位置、方向に顕微鏡本体が移動し、視野を見失いやすいという問題があった。
また前述したように、ピント方向においては、被写界深度が浅いと若干のズレで、ピントが狂って何が見えているのか分からなくなってしまうことから、被写界深度が深いものが望まれている。しかしながら、被写界深度が深いと、広い範囲にピントがあって観察できる反面、解像力が悪くなるという問題があった。また合焦に対してなだらかに解像力が低下するため、合焦位置が認識できず、ピントが合わせにくいという問題がある。特に、ピントが遠近どちらにずれているのかわからず、ピント合わせに時間がかかるという問題があった。特に電子画像式の手術用顕微鏡においては、光学式手術用顕微鏡に比べ、被写界深度が深い傾向にあり、この問題はより顕著になる。
そこで本発明は、視野移動時に視野を見失わず、また、被写界深度が深い場合であってもピントあわせを簡単に行うことができる医療用撮影装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の医療用撮影装置は次のように構成されている。
(1)術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系を前記術部に対して移動可能に支持する支持手段と、前記立体撮影光学系の観察視野の移動を検出する視野移動検出手段と、前記視野移動検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えた。
これにより、観察視野を移動させる際に、被写界深度が深くなるため、前後方向(ピント方向)において視野を見失いにくくなり、視野移動が容易におこなえる。また、手術時間短縮、術者の疲労軽減につながる。
(2)術部にピントを合わせるための焦準手段を有し、前記術部を立体撮影可能な立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系の焦準動作を検出する焦準動作検出手段と、前記焦準動作検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えた。
このため、ピントを合わせる際に被写界深度が浅くなるため、合焦位置が認識できピントが合わせやすくなる。特に、ピントが遠近どちらにずれているのか容易にわかり、ピント合わせの時間が短縮できる。また、手術時間の短縮につながる。
(3)術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系における観察視野の状態の変化を検出する観察状態検出手段と、前記観察状態検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段を備えた。
観察視野を移動させる際に、被写界深度が深くなるため、前後方向(ピント方向)において視野を見失いにくくなり、視野移動が容易におこなえる。また、ピントを合わせる際に被写界深度が浅くなるため、合焦位置が認識できピントが合わせやすくなる。特に、ピントが遠近どちらにずれているのか容易にわかり、ピント合わせの時間が短縮できる。したがって、手術時間短縮、術者の疲労軽減につながる。
本発明によれば、視野移動時に視野を見失わず、また、被写界深度が深い場合であってもピントあわせを簡単に行うことが可能となる。
図1〜図3は本発明の第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡(医療用撮影装置)を示す図であって、図1は手術用顕微鏡の全体構成を概略的に示す説明図、図2は手術用顕微鏡の顕微鏡部の光学系の構成を示す説明図、図3は電気系の構成をブロック的に示す説明図である。
図1に従って、手術用顕微鏡の全体的な構成を説明する。図1中1は架台部(支持手段)を示しており、臨床室の床面を移動自在であるベース1aと図示しない顕微鏡用電源部を有する支柱1bとを備えている。
前記架台部1の支柱1bの上端には、第1アーム2の一端が鉛直な軸Oaまわりに回転自在に取り付けられている。第1アーム2には図示しない顕微鏡用光源が内蔵されている。前記第1アーム2の他端には鉛直な軸Obまわりに回転自在で、水平な軸Ocを中心に上下移動操作を行うべくリンク機構で構成されている第2アーム3が連結されている。また、第2アーム3の先端には軸Odまわりに回転自在で、さらに軸Oe及びOfまわりに回転可能な俯仰アーム4が取り付けられている。
また、各回転軸Oa〜Ofには、それぞれの回転軸周りの回動を固定/解除可能な図示しない電磁ブレーキが配設されている。
このように構成された支持装置の前記俯仰アーム4には鏡体部5が取り付けられている。前記鏡体部5にはこの鏡体部5を空間的に自由な位置に移動させるためのハンドル8が設けられている。
ハンドル8には、電磁ブレーキを動作させ、鏡体部5の移動/固定を切り替えるためのロックフリースイッチ8a、後述する焦点距離可変対物光学系9を駆動させ焦準動作を行うためのフォーカススイッチ8b、後述する変倍光学系10L、10Rを駆動させ、倍率を変更するためのズームスイッチ8cが配設されている(8a、8b、8cは図3に記載)。
図1中6は公知の画像処理装置を示しており、この画像処理装置6は、鏡体部5内部の後述のCCD12L、12Rに接続されている。さらに画像処理装置6は公知の3Dディスプレイ7に接続されている。
次に、図2において詳細に示される鏡体部5の光学系の構成を説明する。鏡体部5の端部には、図示しないレンズ移動手段により焦点距離を変化させ得るレンズ群を備えた焦点距離可変対物光学系9が配設されている。Cは焦点距離可変対物光学系9の光軸である。この焦点距離可変対物光学系9は、そのレンズ移動手段である焦準モータ9aを動作させて前記レンズ群のレンズ間隔を変化させて焦点距離Sを変化させる。
図2中EL、ERは左右一対の観察光路であり、各光路上には、左右一対の変倍光学系10L、10Rを備えている。
また、変倍光学系10L、10Rは、レンズ移動手段であるモータ10aによって、これを構成するレンズ群の間隔を変化させることにより、その観察倍率を変える。
さらに、観察光路EL、ER上には、左右一対に設けられた結像レンズ11L、11Rが設けられており、さらに同様に観察鏡筒6内には、結像レンズ11L、11Rに対応して左右一対に設けられたCCD12L、12Rを設けて立体撮影光学系を構成している。
観察光路EL、ER上で変倍光学系10L、10Rと結像レンズ11L、11Rの間には、開口径が可変式の開口絞り(被写界深度変更手段)13L、13Rが配設される。これらは互いに連結されており常に両方の開口径が同一になるよう構成されており、絞り駆動モータ13aにより開口径を変更することにより、被写界深度を変更可能である。13bは開口絞り13L、Rの開口径を検出するために、絞り駆動モータ13aの図示しない出力軸に接続されたエンコーダである。
図2中14は、操作レバーであり、手動操作で開口絞り13L、13Rの開口径を変更可能である。なお、この手動操作を行った場合でも、エンコーダ13bにより開口径の情報を検出可能な構成である。
図2中Pは焦点位置であり、かつ、この焦点位置Pで左右観察光路EL、ERの光軸が一致するようになっている。図2中Sは前述の焦点距離可変対物光学系9の焦点距離を表している。
さらに、前記鏡体部5には、図示しない照明光学系が内蔵されており、前記第1アーム2内に設けられた顕微鏡用光源から図示しないライトガイド等光伝達手段によって導かれる照明光を術部に導くように構成されている。
次に、この手術用顕微鏡の電気系の構成を図3に従って説明する。まず、図3中8a、8b、8cはそれぞれ前述のロックフリースイッチ、フォーカススイッチ、ズームスイッチであり、これらによる信号は、入力回路(入力手段)16を介し、変倍駆動回路17、焦準駆動回路18、ブレーキ駆動回路20、被写界深度制御回路19に供給される。
前記変倍駆動回路17は、ズームスイッチ8cから入力回路16を経て入力される信号に従って変倍駆動モータ10aに駆動信号を出力する。変倍駆動モータ10aは、前記変倍光学系10L、10Rにおける図示しないレンズ群を駆動すべく構成されている。
また、焦準駆動回路18は、フォーカススイッチ8bから入力回路16を経て入力される信号に従って焦準駆動モータ9aに駆動信号を出力する。焦準駆動モータ9aは、前記焦点距離可能対物光学系9の図示しないレンズ群を駆動するように設けられている。
また、ブレーキ駆動回路20は、ロックフリースイッチ8aから入力回路16を介して入力される信号に従って図示しない電磁ブレーキに駆動信号を出力する。
入力回路16は、ロックフリースイッチ8a及びフォーカススイッチ8bの入力時に、それぞれに対応(識別可能)した信号を被写界深度制御回路19に出力する。
絞り開口径駆動回路21は、被写界深度制御回路19に接続されており、被写界深度制御回路19からの信号を受けて絞り駆動モータ13aに駆動信号を出力する。絞り開口径検出回路22は前述のエンコーダ13bで検出した情報を処理し、被写界深度制御回路19に開口絞り13L、13Rの開口径情報を出力する。
被写界深度制御回路19には、メモリ23が接続され、このメモリ23は絞り開口径検出回路22から被写界深度制御回路19に入力される開口径情報を記憶可能なメモリ回路を備えている。
このように構成された手術用顕微鏡では、次のようにして術部の観察を行う。まず術部の立体観察について説明する。術部には、前記鏡体部5に内蔵された照明光学系により、顕微鏡用光源から発せられた照明光が照射される。術部にて反射された光は、焦点距離可変対物光学系9、一対の変倍光学系10L、10R、一対の結像レンズ11L、11Rを介して、CCD12L、12R上に結像される。このCCD12L、12Rで撮像された画像は前述の画像処理装置6を介して、前述の3Dディスプレイ7上に立体画像として表示され、術者はこの画像を観察しながら手術を行う。
次に、観察視野移動時の被写界深度の制御について説明する。術者は、術中、ハンドル8をにぎり、ロックフリースイッチ8aを押す。これにより入力回路16及び、ブレーキ駆動回路20を介して、電磁ブレーキが解除される。すなわち、第1アーム2、第2アーム3、俯仰アーム4の固定が解除され、鏡体部5が自在に移動可能になり、術者は目的位置に鏡体部5を移動させることができる。一般的には、観察視野の中心に観察対象物が来るように移動する。
この時、ロックフリースイッチ8aのON操作に伴い、入力回路16から、被写界深度制御回路19に信号が出力される。被写界深度制御回路19はこれを受け、ロックフリースイッチ8aがONされたタイミングでの、開口絞り13L、13Rの開口径の情報を、エンコーダ13bから絞り開口径検出回路22を介して入力し、このデータをメモリ23に記憶する。これと同時に、被写界深度制御回路19は、絞り開口径駆動回路21に絞り開口径を最小にするための信号を出力する。これにより、絞り駆動モータ13aが作動し、開口絞り13L、13Rの開口径を最小にする。ロックフリースイッチ8aがONされている間、開口絞りの開口径は最小の状態が維持される。
この作用により、術者が視野を移動させている間、被写界深度が深くなり、視野を見失わず視野移動が可能となる。そして、ロックフリースイッチ8aをOFFすると、被写界深度制御回路19は、絞り開口径駆動回路21に絞り開口径を拡大にするための信号を出力する。これにより、絞り駆動モータ13aが作動し、開口絞り13L、13Rの開口径が拡大する方向に変化する。このとき、開口径の変化情報は逐一エンコーダ13bにより検出され、絞り開口検出回路22を介して、被写界深度制御回路19に入力される。被写界深度制御回路19は、この絞り開口径の更新情報とメモリ23に予め格納された、開口径の情報を比較し、両者が同一になった時点で、絞り開口径駆動回路21へ出力を停止する。これにより、絞り開口径はロックアリースイッチ8aがONされた時点の大きさに復帰し、鏡体部5を移動させる前の被写界深度に戻る。
この作用により、視野移動を終了させると視野移動前の被写界深度に戻るため、目的とする光学性能で観察できる。
次に、焦準操作時の被写界深度の制御について説明する。術者は、術中に術部にピントを合わせる場合、フォーカススイッチ8bを押す。これにより入力回路16及び、焦準駆動回路20を介して、焦準駆動モータ9aが作動し、焦点距離可変対物光学系9の図示しないレンズ群が移動し、焦点距離Sが変化する。これにより術部にピントを合わせることができる。
この時、フォーカススイッチ8bのON操作に伴い、入力回路16から、被写界深度制御回路19に信号が出力される。被写界深度制御回路19はこれを受け、フォーカススイッチ8bがONされたタイミングでの、開口絞り13L、13Rの開口径の情報を、エンコーダ13bから絞り開口径検出回路22を介して入力し、このデータをメモリ23に記憶する。これと同時に、被写界深度制御回路19は、絞り開口径駆動回路21に絞り開口径を最大にするための信号を出力する。これにより、絞り駆動モータ13aが作動し、開口絞り13L、13Rの開口径を最大にする。フォーカススイッチ8bがONされている間、開口絞り13L、13Rの開口径は最大の状態が維持される。
この作用により、術者は、ピント合わせを行っている間、被写界深度が浅くなり、合焦位置が容易に認識できるようになる。すなわち容易に術部を焦点位置に合わせることができる。また被写界深度が浅くなるため、焦準を手前、奥どちらに移動させるとピントが合うかも容易に認識できる。
そして、フォーカススイッチ8bをOFFすると、被写界深度制御回路19は、絞り開口径駆動回路21に絞り開口径を縮小させる方向に駆動させるための信号を出力する。これにより、絞り駆動モータ13aが作動し、開口絞り13L、13Rの開口径が縮小する方向に変化する。このとき、開口径の変化情報は逐一エンコーダ13bにより検出され、絞り開口径検出回路22を介して、被写界深度制御回路19に入力される。被写界深度制御回路19は、この絞り開口径の更新情報とメモリ23に予め格納された、開口径の情報を比較し、両者が同一になった時点で、絞り開口径駆動回路21への出力を停止する。
この作用により、絞り開口径はフォーカススイッチ8bがONされた時点の大きさに復帰し、ピント合わせを行う前の被写界深度に戻るため、焦準動作前の状態で観察できる。
上述したように本第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡によれば、観察視野を移動させる際に、被写界深度が深くなるため、前後方向(ピント方向)において視野を見失いにくくなり、視野移動が容易におこなえる。さらに、ピントを合わせる際に被写界深度が浅くなるため、合焦位置が認識できピントが合わせやすくなる。特に、ピントが遠近どちらにずれているのか容易にわかり、ピント合わせの時間が短縮できる。このため、手術時間短縮、術者の疲労軽減につながる。
なお、被写界深度の変更は、視野移動と焦準操作の両方とも、開口絞り13L、13Rの開口径を変化させて行っているため、共通化により鏡体部5の小型化、制御系のシンプル化が可能である。また、開口絞り13L、13Rの開口径を変化させているので、視野範囲等に変化がなく、自然な観察が可能となる。
図4及び図5は本発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡を示す図であって、図4は手術用顕微鏡の顕微鏡部の光学系の構成を示す説明図、図5は電気系の構成をブロック的に示す説明図である。なお、これらの図において図1〜図3に記載したものと同一機能部分は同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
まず、図4に従い、鏡体部29について説明する。本実施の形態においては、変倍光学系(被写界深度変更手段)10L、10Rの倍率検出用に変倍駆動モータ10aの図示しない出力軸にエンコーダ10bが配設されている。
次に、図5に従い電気的構成について説明する。変倍駆動回路17は、ズームスイッチ8cから入力回路16を経て入力される信号に従って変倍駆動モータ10aに駆動信号を出力する。さらに変倍駆動回路17は被写界深度制御回路32からの信号を受けて変倍駆動モータ10aを作動可能に接続されている。
図5中30は前述した変倍駆動モータ10aに接続されたエンコーダ10bで検出した情報を処理し、被写界深度制御回路19に倍率情報を出力する倍率検出回路である。
被写界深度制御回路32には、メモリ31が接続され、このメモリ31は絞り開口径検出回路22から被写界深度制御回路32に入力される絞り開口径情報を記憶可能なメモリ回路と、倍率検出回路30から被写界深度制御回路32に入力される倍率情報を記憶可能なメモリ回路とを備えている。
このように構成された手術用顕微鏡では、次のようにして術部の観察を行う。まず、観察視野移動時の被写界深度の制御について説明する。上述した第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様に、ロックフリースイッチ8aを押すことにより、電磁ブレーキが解除され、目的位置に鏡体部29を移動させることができる。
この時、ロックフリースイッチ8aのON操作に伴い、入力回路16から、被写界深度制御回路32に信号が出力される。被写界深度制御回路32はこれを受け、ロックフリースイッチ8aがONされたタイミングでの倍率情報を、エンコーダ10bから倍率検出回路30を介して入力し、このデータをメモリ31の図示しないメモリ回路に記憶する。これと同時に、被写界深度制御回路32は、変倍駆動回路17に倍率を最低倍にするための信号を出力する。これにより、変倍駆動モータ10aが作動し、変倍光学系10L、10Rの図示しないレンズ群を移動させ、倍率が最低倍に変化する。ロックフリースイッチ8aがONされている間、倍率は最低倍の状態が維持される。
この作用により、術者は、視野を移動させている間、倍率が低くなることにより、被写界深度が深くなり、視野を見失わず視野移動が可能となる。さらに、倍率が低下することにより、視野内で広い範囲が観察可能になるため、より視野を見失わずに視野の移動が可能となる。
そして、ロックフリースイッチ8aをOFFにすると、被写界深度制御回路32は、変倍駆動回路17に倍率を拡大する方向に変化させるための信号を出力する。これにより、変倍駆動モータ13aが作動し、倍率が高くなるよう変化する。このとき、倍率の変化情報は逐一エンコーダ10bにより検出され、倍率検出回路30を介して、被写界深度制御回路32に入力される。被写界深度制御回路32は、この倍率の更新情報とメモリ31に予め格納された、倍率の情報を比較し、両者が同一になった時点で、変倍駆動回路17への出力を停止する。これにより、倍率はロックフリースイッチ8aがONされた時点の倍率に復帰する。
この作用により、視野移動を終了させると視野移動前の倍率に復帰するため、術者はすぐに手術を開始できる。
なお、ピント合わせ時に焦点深度を浅くする動作については、上述した第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様であるため、説明は省略する。
上述したように本第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡によれば、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、視野移動時の被写界深度の変化を変倍により行っているため、被写界深度が深くなると同時に、観察視野範囲が広がり、より視野を見失わず視野移動が可能となる。
図6は本発明の第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡の鏡体部41の光学系を示す説明図である。この図において上述した図2及び図4と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
鏡体部41の端部には、焦点距離可変対物光学系9が配設されており、図6中Cは焦点距離可変対物光学系9の光軸である。図6中9bは前述焦準駆動モータ9aの図示しない出力軸に接続された焦点距離可変対物光学系9の焦点距離Sを検出するためのエンコーダである。
図6中FL、FRは左右一対の観察光路であり、各光路上には、第2実施形態と同様に変倍光学系10L、10R、開口絞り13L、13R、結像レンズ11L、11R、CCD12L、12Rを備えている。
図6中Pは焦点位置であり、この焦点位置Pは左右各観察光路FL、FRそれぞれの解像力が最高の位置であり、かつこの焦点位置Pで左右観察光路FL、FRの光軸が一致するようになっている。図6中Wは、被写界深度を表しており、ピントが合った状態で観察できる範囲である。
続いて、術部までの距離Hを検出するための測距に関する光学系(測距手段)の構成を説明する。鏡体部41の焦点距離可変対物光学系9と変倍光学系10L、10Rの間に位置する場所の一方の側方には、赤外投影指標を発光する赤外発光素子44が設置されている。赤外発光素子44の出射光軸上には、発光光学系45が設けられている。発光光学系45を介して、前記赤外発光素子44に対向して位置する、左右一対の観察光軸FL、FRの中間の中心軸、すなわち前記焦点距離可変対物光学系9の光軸Cと、前記発光光学系45の中心軸が交差する位置には、その反射面を配置したミラー46が設けられている。そして、ミラー46は赤外発光素子44からの赤外光を焦点距離可変対物光学系9の光軸Cを通じて術部Qに投影するようになっている。
鏡体部41の前記赤外発光素子44を避けた側方位置には、受光光学系47を介して前記赤外光の反射光を受光する光電変換素子48が設けられている。前記受光光学系47の中心軸(受光光軸)と、左側の観察光軸FLとが交差する位置にはその反射面49を配置したダイクロイックプリズム50が設置されている。ダイクロイックプリズム50は反射面49において可視光を全透過し、赤外光を受光光学系47側へ全反射する。本図に示すように、焦点位置Pと光電変換素子48上の基準位置Tが光学的に共役な位置関係に設定されている。
さらに、前記鏡体部41には、照明光学系が内蔵されており、前記第1アーム2内に設けられた顕微鏡用光源からライトガイド等光伝達手段によって導かれる照明光を術部Qに導くように構成されている。
次に、図7に従って手術用顕微鏡の電気系の構成を説明する。被写界深度制御回路54は、第2の実施の形態における被写界深度制御回路32と同様に、変倍駆動回路17、倍率検出回路30、絞り開口径駆動回路21、絞り開口検出回路22、焦準駆動回路18、メモリ31、入力回路16に接続されており、さらに、焦点距離検出回路55、測距演算回路51、メモリ56に接続されている。
ここで、図5との差異について具体的に示す。まず、焦点距離可変対物光学系9から術部Qまでの距離Hを測る測距手段に関して説明する。測距演算回路51に接続された発光回路52は、前記ロックフリースイッチ8aからの信号に従って測距演算回路51から信号を受け、前記赤外発光素子44に発光信号を供給する点灯駆動回路を有する。受光回路53は前記光電変換素子48からの出力を受けて増幅処理を行う駆動回路と増幅回路から構成されており、測距演算回路51に信号を供給するようになっている。前記測距演算回路51は、被写界深度制御回路54に距離Hの距離情報を出力すべく接続されている。
焦点距離可変式対物光学系の焦点距離Sを検出するために、焦点距離検出回路55は、エンコーダbからの信号を受け、焦点距離Sを算出する演算回路であり、その焦点距離情報を前記被写界深度制御回路54に供給する。
焦点距離可変式対物光学系の焦点距離Sを自動で変更するために、焦準駆動回路18は、被写界深度制御回路54に接続されている。また、焦点距離検出回路55から入力される焦点距離Sの情報と、倍率検出回路30から入力される倍率情報及び絞り開口径検出回路22から入力される開口径情報により決定される「被写界深度W」情報が記憶されたメモリ回路を備えるメモリ56が被写界深度制御回路54に接続されている。
このように構成された手術用顕微鏡では、次のようにして術部の観察を行う。まず、観察視野移動時の被写界深度の制御について説明する。上述した第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様に、ロックフリースイッチ8aを押すことにより、電磁ブレーキが解除され、目的位置に鏡体部41を移動させることができる。
この時、ロックフリースイッチ8aのON操作に伴い、入力回路16から、被写界深度制御回路54に信号が出力される。被写界深度制御回路54はこれを受け、ロックフリースイッチ8aがONされたタイミングでの、倍率情報を、エンコーダ10bから倍率検出回路30を介して入力し、このデータをメモリ31のメモリ回路に記憶する(第2の実施の形態に係る手術顕微鏡と同様)。
次に術部Qまでの距離Hの検出作用を説明する。被写界深度制御回路54から測距演算回路51に信号が入力される。これを受け測距演算回路51は発光回路52に信号を出力し、前記発光回路52は、予め設定されている微小の赤外指標を術部Qに投影すべく、赤外発光素子44を点灯させる。この赤外発光素子44によって発せられた赤外投影指標は、発光光学系45を介して、ミラー46により術部Qの方向へ反射された後、焦点距離可変対物光学系9を介して、術部Qに到達する。なお赤外発光素子44はロックフリースイッチ8aが押されているとき(ON)、常に連続発光している。その後、術部Qにて反射された赤外投影指標は、前記焦点距離可変対物光学系9を再び介して、一方の観察光軸FL上に配置されたダイクロイックプリズム50の反射面49にて反射された後、受光光学系47によって光電変換素子48の受光面上に再結像される。そして、光電変換素子48からの出力信号が、前記受光回路53に入力される。
次に、対象物までの測距の原理について説明する。図8は投稿光学系と受光光学系を表すモデル図である。図8において、Qはピントを合わせようとする術部を示し、Pは観察光学系の焦点位置であり、距離DはQとPの間の距離である。また、Wは被写界深度を表している。
図8に示す状態では、術部Qは光電変換素子18の受光面上の位置T′と共役であり、Δdは光電変換素子18上の、T(基準位置)とT′間の距離を示しており、これは物体側の距離Dに対応している。
図9のフローチャートを用いて被写界深度制御回路の作用を説明する。前記光電変換素子18から受光回路33には光電変換素子18上のT′の位置に対応した信号が出力され、受光回路33はこの信号を増幅処理し、測距演算回路51に信号を出力する。この測距演算回路51は、この情報から、Δdを算出し、術部Qまでの距離Hの情報として被写界深度制御回路54に出力する。
さらに、被写界深度制御回路54は焦点距離検出回路55から焦点距離Sの情報を入力し、前記Δdと焦点距離Sの情報に基づき演算をおこない、焦点距離可変対物光学系9から術部Qまでの距離Hを算出する(A1)。
さらに被写界深度制御回路54は、焦点距離Sの情報及び倍率検出回路30から入力される倍率の情報、絞り閉口径検出回路22から入力される絞り開口径情報に対応した被写界深度範囲Wをメモリ56から読み出す(A2)。
そして、術部Qが実際に観察されている状態での被写界深度範囲Wに入っているかを比較演算する(A3)。この結果を場合に分けて説明する。
・術部Qが被写界深度範囲Wに入っている場合
被写界深度制御回路54は、各駆動回路に信号を出力せず、ロックフリースイッチ8aがオンされている間、前述の、「術部Qが実際に観察されている状態での被写界深度範囲Wに入っているか」の比較演算を連続的に行う(A4)。
なお、鏡体部41を移動させると、術部Qが被写界深度Wから外れる場合があり、これに関して以下の「術部Qが被写界深度範囲Wに入っていない場合」で説明する。
・術部Qが被写界深度範囲Wに入っていない場合
a)現状の倍率をメモリに記憶(A5)
術部Qが被写界深度範囲Wから外れた瞬間の倍率情報を、エンコーダ10bから倍率検出回路30を介して入力し、この倍率情報をメモリ31のメモリ回路に記憶する。
b)倍率を低倍化(A6)
これと同時に、被写界深度制御回路54は、変倍駆動回路17に倍率を低倍化にするための信号を出力する。これにより、変倍駆動モータ10aが作動し、変倍光学系10のレンズの間隔を変化させ、倍率が低倍側に変化する。
c)現状の焦点距離S、倍率、絞り開口径における空間内の被写界深度算出(メモリから呼び出し)。
被写界深度制御回路54は倍率変化に応じ逐次、倍率情報、絞り開口径情報、焦点距離情報を入手し、被写界深度Wを算出し、測距演算回路51から逐次入力される術部Qまでの距離Hの情報が焦点深度W内であるかを比較演算する(A1〜A3)。
d)術部Qが被写界深度Wに入ると、被写界深度制御回路54は変倍駆動回路17へ出力を停止し、変倍を停止させる。
ロックフリースイッチ8aが押されている間、上記のプロセス(A1〜A6)が繰り返されることになる。この作用により、術者が、視野を移動させている間、術部Qが被写界深度Wから外れると倍率が低くなることにより、被写界深度が深くなり、視野を見失わず視野移動が可能となる。
そして、ロックフリースイッチ8aをOFFすると、被写界深度制御回路54は、変倍駆動回路17に倍率を拡大に方向に変化させるための信号を出力する。これにより、変倍駆動モータ10aが作動し、倍率が高倍に変化する。このとき、倍率の変化情報は逐一エンコーダ10bにより検出され、倍率検出回路30を介して、被写界深度制御回路54に入力される。被写界深度制御回路54は、この倍率の更新情報とメモリ31に予め格納された、倍率の情報を比較し、両者が同一になった時点で、変倍駆動回路17への出力を停止する。これにより、倍率はロックフリースイッチ8aがONされた時点の大きさに復帰する。
この作用により、視野移動を終了させると視野移動前の倍率、被写界深度に戻るため、術者はすぐに手術作業を再開する。さらに、倍率が低下することにより、視野内で広い範囲が観察可能になるため、より視野を見失わずに視野の移動が可能となる。
なお、ピント合わせ時に焦点深度を浅くする動作については、上述した第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様であるため、説明は省略する。
上述したように本第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡によれば、第2の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、第2の実施の形態において視野移動時に必ず倍率が変化する点をさらに改善し、術部が被写界深度から外れたか否かを検出して、倍率を変化させているため、術者がピントが合って観察しているときは倍率変化がなく、煩わしさを解消できる。
図10は本発明の第4の実施の形態に係る手術用顕微鏡の電気系を示す説明図である。この図において上述した図3,5,7と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
上述した第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡では、観察視野を移動させる際、術部が被写界深度から外れると、倍率を低倍にして被写界深度を深くするよう制御されているが、第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様に術部が被写界深度から外れると開口絞りの開口径を縮小し、被写界深度を深くすることも可能である。図10に示す第4の実施の形態に係る手術用顕微鏡においては、第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡のメモリ31を第1の実施の形態に係る顕微鏡のメモリ23に変更し、絞り開口径検出回路22から被写界深度制御回路60に入力される開口径情報を記憶可能とした。被写界深度制御回路60については、後述する。
図11のフローチャートを用いて被写界深度制御回路の作用を説明する。観察視野移動時、ロックフリースイッチ8aのON操作に伴い、被写界深度制御回路60はこれを受け、ロックフリースイッチ8aがONされたタイミングでの絞り開口径情報を、エンコーダ13bから絞り開口径検出回路21を介して入力し、このデータをメモリ23のメモリ回路に記憶する(第1の実施の形態に係る手術顕微鏡と同様)。
次に術部Qまでの距離Hを前述した第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様に算出する。さらに被写界深度制御回路60は、焦点距離Sの情報及び倍率検出回路30から入力される倍率の情報、絞り開口径検出回路22から入力される絞り開口径情報に対応した被写界深度範囲Wをメモリ56から読み出す(B2)。この点は、第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様である。
そして、術部Qが実際に観察されている状態での被写界深度範囲Wに入っているかを比較演算する(B3)。この点は、第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡と同様である。
・術部Qが被写界深度範囲Wに入っている場合
被写界深度制御回路60は、各駆動回路に信号を出力せず、ロックフリースイッチ8aがオンされている間、前述の「術部Qが実際に観察されている状態での被写界深度範囲Wに入っているか」の比較演算を連続的に行う(B4)。
・術部Qが被写界深度範囲Wに入っていない場合
a)現状の絞り開口径をメモリに記憶(B5)
術部Qが被写界深度範囲Wから外れた瞬間の、絞り開口径情報を、エンコーダ13bから絞り開口径検出回路22を介して入力し、この絞り開口径情報をメモリ23の図示しないメモリ回路に記憶する。
b)倍率を低倍化(B6)
これと同時に、被写界深度制御回路60は、絞り開口径駆動回路21に絞り開口径を縮小するための信号を出力する。これにより、絞り開口径駆動モータ13aが作動し、開口絞り13L、13Rの絞り開口径が小さくなるように変化する。
c)現状の焦点距離S、倍率における空間内の被写界深度算出(メモリから呼び出し)。
被写界深度制御回路60は倍率変化に応じ逐次、倍率情報、絞り開口径情報、焦点距離情報を入手し、被写界深度Wを算出し、測距演算回路51から逐次入力される術部Qまでの距離Hの情報が被写界深度W内であるかを比較演算する(B1〜B3)。
d)術部Qが被写界深度W入ると、被写界深度制御回路60は絞り開口径駆動回路21へ出力を停止し絞り開口径の変化を停止させる。
ロックフリースイッチ8aが押されている間、上記のプロセス(B1〜B6)が繰り返されることになる。この作用により、術者が、視野を移動させている間、術部Qが被写界深度Wから外れると絞り開口径が小さくなることにより、被写界深度が深くなり、視野を見失わず視野移動が可能となる。
そして、ロックフリースイッチ8aをOFFすると、被写界深度制御回路60は、絞り開口径駆動回路21に倍率を拡大に方向に変化させるための信号を出力する。これにより、絞り開口径駆動モータ13aが作動し、絞り開口径が大きくなるように変化する。このとき、絞り開口径の変化情報は逐一エンコーダ13bにより検出され、絞り開口検出回路22を介して、被写界深度制御回路60に入力される。被写界深度制御回路60は、この倍率の更新情報とメモリ23に予め格納された、絞り開口径の情報を比較し、両者が同一になった時点で、絞り開口径駆動回路21への出力を停止する。これにより、絞り開口径はロックフリースイッチ8aがONされた時点の大きさに復帰する。
この作用により、視野移動を終了させると視野移動前の被写界深度に戻るため、術者はすぐに手術作業を再開する。
測距手段は第3、第4の実施の形態に記載した方式以外に、公知である種々のアクティブ、パッシブ方式を適用できることは言うまでもない。
上述したように本第4の実施の形態に係る手術用顕微鏡によれば、第3の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、開口絞りの開口径を変化させているので、視野範囲等に変化がなく、自然な観察が可能となる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、変倍及び絞り開口径の検出・駆動制御が可能な構成であるため、変倍による倍率変化に連動して、開口絞りの開口径を変化させることが可能である。
例えば、倍率が低くなるのに連動し、開口径を拡大し被写界深度を浅くすることができる。これにより、従来の「高倍では被写界深度が浅く、低倍では深い」という状態に対して、被写界深度の変化を小さく抑えることができる。
特に電子画像を立体観察する方式の顕微鏡においては、合焦位置からずれた位置の画像が、右目、左目で位置が左右にシフトするため、立体観察が困難になるという課題を持っている。この課題は被写界深度が深いほど(合焦位置からずれた物体がはっきり見えれば見えるほど)顕著に現れる。従って、被写界深度が深い低倍での観察時に、必要以上に被写界深度が深くならないように制御することが非常に有効である。
次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下記の通り付記する。
(付記項1)
術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系を前記術部に対して移動可能に支持する支持手段と、前記立体撮影光学系の観察視野の移動を検出する視野移動検出手段と、前記視野移動検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
(付記項2)
前記支持手段は前記立体撮影光学系を移動状態/固定状態に切り替え可能な移動固定手段を備え、前記視野移動検出手段は、前記の移動固定手段を動作させるための入力を行う入力手段であることを特徴とする付記項1記載の医療用撮影装置。
(付記項3)
前記視野移動検出手段は、前記立体撮影光学系と前記術部までの距離を検出する測距手段であることを特徴とする付記項1記載の医療用撮影装置。
(付記項4)
前記視野移動検出手段は、前記立体撮影光学系と術部までの距離を検出する測距手段であり(付記項3)、前記被写界深度制御手段は、前記測距手段からの情報及び、前記立体撮影光学系により規定される被写界深度範囲の情報に基づき、被写界深度変更手段を動作させることを特徴とする付記項1、3記載の医療用撮影装置。
(付記項5)
前記視野移動検出手段は、前記立体撮影光学系と術部までの距離を検出する測距手段であり(付記項3)、前記被写界深度制御手段は、前記測距手段からの情報に基づき、前記術部が前記立体撮影光学系により規定される被写界深度範囲に入るか否かを演算し、その結果に基づき被写界深度変更手段を動作させることを特徴とする付記項1、3記載の医療用撮影装置。
(付記項6)
前記被写界深度範囲は、立体撮影光学系の倍率及び焦点距離に基づき規定されることを特徴とする付記項4、5記載の医療用撮影装置。
(付記項7)
前記被写界深度変更手段は、開口径が可変の開口絞りであることを特徴とする付記項1〜6記載の医療用撮影装置。
(付記項8)
前記被写界深度変更手段は、撮影倍率を変更可変な変倍光学系であることを特徴とする付記項1〜6記載の医療用撮影装置。
(付記項9)
前記視野移動検出手段は、前記立体撮影光学系と術部までの距離を検出する測距手段であり(付記項3)、前記被写界深度制御手段は、前記測距手段からの情報に基づき、前記術部が前記立体撮影光学系により規定される被写界深度範囲から外れる場合、前記開口絞りの開口径を縮小させるべく動作させることを特徴とする付記項1、3、7記載の医療用撮影装置。
(付記項10)
前記視野移動検出手段は、前記立体撮影光学系と術部までの距離を検出する測距手段であり(付記項3)、前記被写界深度制御手段は、前記測距手段からの情報に基づき、前記術部が前記立体撮影光学系により規定される被写界深度範囲から外れる場合、前記変倍光学系を駆動させ倍率を低倍に変化させることを特徴とする付記項1、3、8記載の医療用撮影装置。
(付記項11)
術部にピントを合わせるための焦準手段を有し、前記術部を立体撮影可能な立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系の焦準動作を検出する焦準動作検出手段と、前記焦準動作検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
(付記項12)
前記焦準動作検出手段は、操作者が焦準動作をさせるべく入力する焦準入力手段よりなることを特徴とする付記項11記載の医療用撮影装置。
(付記項13)
前記被写界深度変更手段は、開口径が可変の開口絞りであることを特徴とする付記項11、12記載の医療用撮影装置。
(付記項14)
被写界深度制御手段は、前記焦準入力手段からの信号に基づき、前記開口絞りの開口径を拡大させるよう駆動させることを特徴とする付記項13記載の医療用撮影装置。
(付記項15)
術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、前記立体撮影光学系における観察視野の状態の変化を検出する観察状態検出手段と、前記観察状態検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段を備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
(付記項16)
前記観察状態検出手段は、前記立体撮影光学系を術部に対し移動/固定可能に支持する支持手段と、前記立体撮影光学系を移動状態/固定状態に切り替え可能な移動固定手段を備え、前記観察状態検出手段は、前記の移動固定手段を動作させるための入力を行う入力手段であることを特徴とする付記項15記載の医療用撮影装置。
本発明の第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡(医療用撮影装置)の全体構成を概略的に示す説明図。 同手術用顕微鏡の顕微鏡部の光学系の構成を示す説明図。 同手術用顕微鏡の電気系の構成を示す説明図。 本発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡の顕微鏡部の光学系の構成を示す説明図。 同手術用顕微鏡の電気系の構成を示す説明図。 本発明の第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡の鏡体部の光学系を示す説明図。 同手術用顕微鏡の電気系の構成を示す説明図。 同手術用顕微鏡の投稿光学系と受光光学系を示す説明図。 同手術用顕微鏡の被写界深度制御回路の作用を示す説明図。 本発明の第4の実施の形態に係る手術用顕微鏡の電気系を示す説明図。 同手術用顕微鏡の被写界深度制御回路の作用を示す説明図。
符号の説明
1…架台部、5,29,41…鏡体部、6…画像処理装置、7…3Dディスプレイ、8…ハンドル、8a…ロックフリースイッチ、8b…フォーカススイッチ、8c…ズームスイッチ、9…焦点距離可変対物光学系、10L、10R…変倍光学系、11L、11R…結像レンズ、12L、12R…CCD、13L、13R…開口絞り、16…入力回路、17…変倍駆動回路、18…焦準駆動回路、19,32,54,60…被写界深度制御回路、20…ブレーキ駆動回路、21…絞り開口径駆動回路、22…絞り開口検出回路、30…倍率検出回路、44…赤外発光素子、48…光電変換素子、51…測距演算回路、52…発光回路、53…受光回路、55…焦点距離検出回路。

Claims (3)

  1. 術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、
    前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、
    前記立体撮影光学系を前記術部に対して移動可能に支持する支持手段と、
    前記立体撮影光学系の観察視野の移動を検出する視野移動検出手段と、
    前記視野移動検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
  2. 術部にピントを合わせるための焦準手段を有し、前記術部を立体撮影可能な立体撮影光学系と、
    前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、
    前記立体撮影光学系の焦準動作を検出する焦準動作検出手段と、
    前記焦準動作検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段とを備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
  3. 術部を立体撮影するための立体撮影光学系と、
    前記立体撮影光学系の被写界深度を変更可能な被写界深度変更手段と、
    前記立体撮影光学系における観察視野の状態の変化を検出する観察状態検出手段と、
    前記観察状態検出手段からの情報に基づき、前記立体撮影用光学系の被写界深度変更手段を動作させるべく制御する被写界深度制御手段を備えたことを特徴とする医療用撮影装置。
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