JP3031414B2 - 画像記録装置の記録制御方法及び画像記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、記録ヘッドの取
付誤差及びローラの製造誤差による記録開始位置の誤差
及び記録用紙の搬送速度のばらつきを自動的に補正する
画像記録装置の記録制御方法及び画像記録装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は例えば特開平３−４２２６４号公
報に示された従来の画像記録装置の記録制御方法を説明
するための図である。図において、６１はセンサ６４か
らの位置検出情報に基づいて記録ヘッド６２の記録位置
を制御する制御部、６２は記録用紙１００に画像を記録
する記録ヘッドであり、この記録ヘッド６２は、走査方
向（矢印Ｆ）に対し直角方向に配置した複数の記録素子
からなる記録ドット列６３を備えている。この記録ドッ
ト列６３の全数はＮ個であり、このＮ個の記録ドットの
うち、画像記録を行う記録ドットの数（実記録を行う記
録ドットの数）はＮ−ｎ個であり、残りのｎ個は記録ヘ
ッド６２の位置調整を行う記録ドットの数である。６４
は記録ヘッド６２により記録されたマーク１２０の位置
を検出するセンサである。１００は記録用紙、１２０は
記録ヘッド６２によって記録用紙１００の余白部に記録
されたマークである。Ｆは記録ヘッド６２の走査方向、
Ｇは記録用紙１００の搬送方向である。

【０００３】次に動作について説明する。記録ヘッド６
２は、記録用紙１００の余白部にマーク１２０を記録す
る。尚、マーク１２０は記録ヘッド６２の一個の記録ド
ットを用いて記録される。記録用紙１００がフィーダ機
構（図示せず）によって一定幅毎に矢印Ｇ方向に搬送さ
れると、センサ６４は、移動したマーク１２０の位置
（Ｐ１）を検出する。そして、センサ６４は、その検出
したマーク１２０の位置（Ｐ１）が正規の位置（Ｐ０）
に対して偏差（Ｅ）だけ少ない場合に、その偏差（Ｅ）
に関する位置検出情報を制御部６１に与える。制御部６
１は、センサ６４からの位置検出情報に基づいて、記録
ヘッド６２における記録ドット列６３の使用範囲（Ｔ
０）を中心位置から偏差（Ｅ）だけ変位させた使用範囲
（Ｔ１）に変更する。

【０００４】このように、制御部６１が、センサ６４か
らの位置検出情報に基づいて、記録ヘッド６１における
記録ドット列６３の使用範囲を変更するようにフィード
バック制御を行うことにより、記録開始位置の誤差及び
記録用紙１００の搬送速度のばらつきを補正することが
できる。

【０００５】しかしながら、記録用紙の搬送方向（記録
ヘッドの走査方向と直角方向）に複数の記録ヘッドを配
置した画像記録装置に、上記のような従来の画像記録装
置の記録制御方法を適用する場合には問題が生じる。即
ち、記録用紙の搬送方向に配置された複数の記録ヘッド
のそれぞれが記録用紙１００にマークを記録し、センサ
がそれらのマークの位置を検出し、それぞれのマークの
位置と正規の位置との偏差を制御部に与え、制御部がそ
れらの偏差に関する位置検出情報に基づいて複数の記録
ヘッドの記録位置の補正を行うとした場合、搬送方向に
配置される記録ヘッドの数が増える程、記録ヘッドによ
ってマークが記録されてからセンサがマークを検出する
までの搬送距離が長くなるため、記録用紙が搬送されて
いる間に誤差が大きくなり、センサが検出するマークの
位置と正規の位置との偏差が大きくなってしまう。従っ
て、偏差が記録ヘッドの位置調整のための記録ドットの
幅を超えてしまうおそれがある（尚、偏差が記録ヘッド
の位置調整のための記録ドットの幅を超えないようにす
るためには、記録ドットの数を増やす必要がある）。

【０００６】また、上記したように、複数の記録ヘッド
で画像記録を行う場合、記録ヘッドによってマークが記
録されてからセンサがマークを検出するまでの搬送距離
が長くなるが、上記の従来の画像記録装置の記録制御方
法では、単にマークの位置を検出して記録ヘッドの記録
位置を補正するものであるので、マークが記録されてか
ら検出されるまでの間の記録用紙の搬送速度の変化を補
正することができず、その搬送速度の変化によって画像
むらが生じてしまう。特に、搬送方向に配置された複数
の記録ヘッドを備えた画像記録装置では、複数のローラ
が必要となり、複数のローラの精度により搬送速度が変
化してしまう。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の画像記録装置の
記録制御方法は、以上のように、センサ６４が検出した
マーク１２０の位置（Ｐ１）と正規の位置（Ｐ０）との
偏差（Ｅ）に関する位置検出情報に基づいて、制御部６
１が記録ヘッド６１における記録ドット列６３の使用範
囲を変更するようにフィードバック制御を行うので、記
録用紙の搬送方向に複数の記録ヘッドを配置した画像記
録装置に適用しようとする場合、センサが検出するマー
クの位置と正規の位置との偏差が大きくなってしまい、
その結果、偏差が記録ヘッドの位置調整のための記録ド
ットの幅を超えて、記録位置の補正ができなくなるおそ
れが生じるという課題があった（尚、偏差が位置調整の
ための記録ドットの幅を超えないようにすると、位置調
整を行う記録ドットの数を増やさなければならず、記録
ヘッドが必要以上に大型化してしまう）。

【０００８】また、従来の画像記録装置の記録制御方法
では、単にマークの位置を検出して記録ヘッドの記録位
置を補正するものであるので、マークが記録されてから
検出されるまでの間の記録用紙の搬送速度を一定に保つ
ことができないという課題があった。

【０００９】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、複数の記録ヘッドで画像記録を行
う場合でも、複数の記録ヘッドの記録開始位置を確実に
補正することができるとともに、記録用紙の搬送速度を
一定に保つことができる画像記録装置の記録制御方法を
得ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明に係
る画像記録装置の記録制御方法は、複数の記録ヘッドの
うちの一の記録ヘッドが複数の搬送手段によって搬送さ
れている一定期間に画像パターンを記録用紙に記録し、
一の記録ヘッド以外の記録ヘッドが複数の搬送手段のう
ちの最初の搬送手段によって搬送されている一定期間に
一の記録ヘッドと同一のタイミングで画像パターンを記
録用紙に記録し、記録確認センサが複数の記録ヘッドが
同一のタイミングで記録した画像パターンの位置から複
数の記録ヘッドの記録開始位置を確認するとともに、一
の記録ヘッドが記録した画像パターンの記録長から複数
の搬送手段の搬送速度を確認し、記録確認センサが確認
した情報に基づいて、補正手段が複数の記録ヘッドの記
録開始位置及び複数の搬送手段の搬送速度を補正するよ
うにしたものである。

【００１１】請求項２記載の発明に係る画像記録装置の
記録制御方法は、補正手段による複数の記録ヘッドの記
録開始位置の補正及び複数の搬送手段の搬送速度の補正
を、複数の記録ヘッドが走査するライン単位で行うもの
である。

【００１２】請求項３記載の発明に係る画像記録装置の
記録制御方法は、複数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘ
ッドが複数の搬送手段によって搬送されている一定期間
に記録した画像パターンと、一の記録ヘッド以外の記録
ヘッドが複数の搬送手段のうちの最初の搬送手段によっ
て搬送されている一定期間に一の記録ヘッドと同一のタ
イミングで記録した画像パターンとを、異なる濃さで重
ねて記録するものである。

【００１３】請求項４記載の発明に係る画像記録装置
は、複数の記録ヘッドが記録用紙に記録する画像を、複
数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘッドが複数の搬送手
段によって搬送されている一定期間に記録した画像パタ
ーン、及び一の記録ヘッド以外の記録ヘッドが複数の搬
送手段のうちの最初の搬送手段によって搬送されている
一定期間に一の記録ヘッドと同一のタイミングで記録し
た画像パターンとし、記録確認センサによって、このよ
うな画像パターンから複数の記録ヘッドの記録開始位置
と複数の搬送手段の搬送速度を確認させたものである。

【００１４】請求項５記載の発明に係る画像記録装置
は、補正手段を、記憶した画像データをもとに複数の記
録ヘッドを駆動して画像の記録を行わせる記憶手段と、
複数の搬送手段の駆動を制御するニップ制御手段と、記
憶手段における複数の記録ヘッドの駆動を開始させる記
録開始信号及びニップ制御手段における複数の搬送手段
の駆動を開始させるニップスタート信号を発生する開始
信号発生手段と、記憶手段の複数の記録ヘッドの駆動動
作及び開始信号発生手段の複数の搬送手段の駆動動作を
同期させる所定周期のＬＩＮＥ同期信号を発生するＬＩ
ＮＥ同期信号発生手段とから構成し、記録開始信号及び
ニップスタート信号の発生タイミングを調整することに
より複数の記録ヘッドの記録開始位置を補正するととも
に、複数の搬送手段に対応したＬＩＮＥ同期信号の周期
を調整することにより複数の搬送手段の搬送速度を補正
するようにしたものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態１．図１はこの発明の実施の形態１による画
像記録装置の構成を示すブロック図であり、図におい
て、１は基準パラメータ（即ち、ＬＩＮＥ同期信号発生
回路２が発生するＬＩＮＥ同期信号３７のＬＩＮＥ同期
周期の基準値、及び記録開始信号発生回路３が記録開始
信号３８，３９及びニップスタート信号４０〜４２を発
生するタイミングの基準値）を設定する制御部（補正手
段）である。この制御部１は、ＬＩＮＥ同期信号発生回
路２に制御データ２８とデータセット信号２９を与える
ことにより、また記録開始信号発生回路３に制御データ
２８とデータセット信号３１を与えることにより、基準
パラメータの設定を行う。

【００１６】２は記録開始信号発生回路３及び記憶回路
４の動作を同期させるＬＩＮＥ同期信号３７を発生する
ＬＩＮＥ同期信号発生回路（ＬＩＮＥ同期信号発生手
段、補正手段）である。このＬＩＮＥ同期信号発生回路
２が発生するＬＩＮＥ同期信号３７は所定周期のパルス
信号であり、このパルス信号の所定周期がＬＩＮＥ同期
周期である。ＬＩＮＥ同期周期は、制御部１からの制御
データ２８とデータセット信号３１によって設定され
る。３はＬＩＮＥ同期信号３７のパルス数をカウントし
て記録用紙（図２の１００）が各記録ヘッド１２，１３
位置まで達した場合に、記憶回路４に記録開始信号３
８，３９を出力するとともに、ニップ制御回路５にニッ
プスタート信号４０〜４２を出力する記録開始信号発生
回路（記録開始信号発生手段、補正手段）である。この
記録開始信号発生回路３が記録開始信号３８，３９及び
ニップスタート信号４０〜４２を出力するタイミング
は、制御部１からの制御データ２８とデータセット信号
３１によって設定される。

【００１７】４は制御部１からの画信号２７を記憶し、
記録開始信号発生回路３からの記録開始信号３８，３９
を入力すると、記憶した記録信号４３，４４を記録ヘッ
ド１２，１３に出力して動作させる記憶回路（記憶手
段、補正手段）である。５は記録開始信号発生回路３か
らのニップスタート信号４０〜４２を入力すると、モー
タ１６〜１８に駆動信号４５〜４７を出力して駆動させ
るニップ制御回路（ニップ制御手段、補正手段）であ
る。

【００１８】６は搬送される記録用紙（図２の符号１０
０）が基準位置に入ったことを検出する基準位置センサ
（図１中、Ｓａで示す）、７〜９はニップローラ（図２
の５３〜５５）の圧着状況をモニター（検出）するニッ
プ圧着検出センサ（図１中、Ｓｂ〜Ｓｄで示す）、１
０，１１は現像後の各記録ヘッド１２，１３の記録内容
を確認する記録確認センサ（図１中、Ｓｅ，Ｓｆで示
す）である。１２，１３は記憶回路４からの記録信号４
３，４４に基づいて画像記録を行う記録ヘッド（図１
中、Ｈａ，Ｈｂで示す）である。１４，１５，１９はロ
ーラ（図２の符号５０ａ，５０ｂ，５１ａ〜５１ｃ，５
２ａ，５２ｂ）を駆動するモータ（図１中、Ｍ１，Ｍ
２，Ｍ３で示す）、１６〜１８はニップローラ（図２の
符号５３〜５５）を駆動するニップモータである。

【００１９】図２は画像記録装置の機構部を示す構成図
である。尚、図２において、図１と同一符号を示す構成
部分は同一または相当する構成部分であり、重複する説
明を省略する。図において、５０ａ，５０ｂはＭ１モー
タ１４により駆動される搬送ローラ、５１ａ〜５１ｃは
Ｍ２モータ１５により駆動される搬送ローラ、５２ａ，
５２ｂはＭ３モータ１９により駆動される搬送ローラで
ある。５３はＭａニップモータ１６により駆動されるニ
ップローラ、５４はＭｂニップモータ１７により駆動さ
れるニップローラ、５５はＭｃニップモータ１８により
駆動されるニップローラである。１００は記録対象であ
る記録用紙である。尚、図２に示すように、記録ヘッド
１２，１３は、記録用紙１００の搬送方向（走査方向と
直角）に２つ配置されている。

【００２０】次に動作について説明する。図３この発明
の実施の形態１による画像記録装置の記録制御方法の動
作を示すフローチャートである。図３に示すように、画
像記録装置の記録制御方法の動作は、前処理とフィード
バック処理に分かれる。前処理は、基準パラメータによ
ってテストプリントを行ってそのテストプリントのマー
クを読み取るまでの動作であり、フィードバック処理
は、マークを読み取った情報から基準パラメータを補正
する処理である。

【００２１】（１）基準パラメータ設定（ステップＳＴ
１） 処理を開始すると、まず、制御部１が基準パラメータの
設定を行う。制御部１は、基準パラメータに関するデー
タ（制御データ２８及びデータセット信号２９，３１）
とテストプリント画像に関するデータ（画信号２７）を
含むテストプリントデータ２０を入力すると、制御デー
タ２８及びデータセット信号２９をＬＩＮＥ同期信号発
生回路２に与え、また制御データ２８及びデータセット
信号３１を記録開始信号発生回路３に与える。ＬＩＮＥ
同期信号発生回路２は、制御データ２８及びデータセッ
ト信号２９を入力することにより、ＬＩＮＥ同期信号３
７のＬＩＮＥ同期周期が設定され、また記録開始信号発
生回路３は、制御データ２８及びデータセット信号３１
を入力することにより、記録開始信号３８，３９の発生
タイミング及びニップスタート信号４０〜４２の発生タ
イミングが設定される。

【００２２】（２）テストプリント（ステップＳＴ２） 基準パラメータの設定（テストプリントの準備）が完了
すると、制御部１は、ＬＩＮＥ同期信号３７の発生を指
示するスタート信号３０をＬＩＮＥ同期信号発生回路２
に与える。ＬＩＮＥ同期信号発生回路２は、スタート信
号３０を入力すると、最初に記録用紙１００を圧着する
ニップローラ５３を駆動するＭａモータ１６用のＬＩＮ
Ｅ同期周期のＬＩＮＥ同期信号３７を発生して、そのＬ
ＩＮＥ同期信号３７を記録回路４と記録開始信号発生回
路３に出力する。

【００２３】また、制御部１は、駆動パルス３３でＭ１
モータ１４を駆動させて、記録用紙１００を搬送させ、
基準位置センサ６が記録用紙１００によって遮られてセ
ンサ出力２１を出力すると、記録用紙の搬送を一旦停止
させる。そして、この時点で、制御部１は、駆動パルス
３４，３５によりＭ２及びＭ３モータ１５，１９を駆動
させる。

【００２４】そして、制御部１は、記録開始信号発生回
路３のＬＩＮＥ同期信号３７のパルス数をカウントする
内部カウンタをスタートさせるスタート信号３２を出力
すると同時に、Ｍ１モータ１４の駆動を再開させる駆動
パルス３３を出力し、またテストプリント画像に関する
データである画信号２７を記録回路４に出力する。

【００２５】記録開始信号発生回路３は、ＬＩＮＥ同期
信号３７のパルス数をカウントし、最初のＭａニップロ
ーラ５３まで記録用紙が到達する搬送ライン数（パルス
数）をカウントすると、Ｍａニップローラの圧着動作を
開始させるニップスタート信号４０をニップ制御回路５
に出力する。ニップ制御回路５は、ニップ圧着検出セン
サ７がＯＮするまで、駆動パルス４５によりＭａモータ
１６を駆動させて、ニップローラ５３を記録用紙１００
に圧着させ、記録用紙１００の搬送をニップローラ５３
に移行させる。

【００２６】ニップローラ５３により記録用紙１００を
搬送させ、記録開始信号発生回路３は、記録用紙１００
が記録ヘッド１２に到達するＬＩＮＥ同期信号３７の搬
送ライン数をカウントすると、記録ヘッド１２の記録を
開始させる記録開始信号３８を記録回路４に出力する。
記録回路４は、記録開始信号３８を入力すると、記憶し
た画信号２７を記録信号４３として記録ヘッド１２に出
力し、記録ヘッド１２を動作させ記録用紙１００にテス
トプリント画像を記録させる。

【００２７】引き続きニップローラ５３により記録用紙
１００を搬送させ、記録開始信号発生回路３は、２番目
のニップローラ５４に達するＬＩＮＥ同期信号３７の搬
送ライン数をカウントすると、ニップ切り替え信号３６
をＬＩＮＥ同期信号発生回路２に出力すると同時に、ニ
ップローラ５４の圧着動作を開始させるニップスタート
信号４１をニップ制御回路５に出力する。ＬＩＮＥ同期
信号発生回路２は、ニップ切り替え信号３６を入力する
と、ニップローラ５３用からニップローラ５４用のＬＩ
ＮＥ同期周期のＬＩＮＥ同期信号３７に切り替える。ニ
ップ制御回路５は、ニップ圧着検出センサ８がＯＮする
まで、駆動パルス４６によりＭｂモータ１７を駆動させ
て、ニップローラ５４を記録用紙１００に圧着させ、一
方、駆動パルス４５によりＭａモータ１６を駆動させ
て、ニップローラ５３の圧着を解除させて、記録用紙１
００の搬送をニップローラ５３からニップローラ５４に
移行させる。

【００２８】そして、引き続きニップローラ５４により
記録用紙１００を搬送させ、記録開始信号発生回路３
は、記録ヘッド１３に達するＬＩＮＥ同期信号３７の搬
送ライン数をカウントすると、記録ヘッド１３の記録を
開始させる記録開始信号３９を記録回路４に出力する。
記録回路４は、記録開始信号３９を入力すると、記憶し
た画信号２７を記録信号４４として記録ヘッド１３に出
力し、記録ヘッド１３を動作させ記録用紙１００にテス
トプリント画像を記録させる。

【００２９】そして、引き続きニップローラ５４により
記録用紙１００を搬送させ、記録開始信号発生回路３
は、３番目のニップローラ５５に達するＬＩＮＥ同期信
号３７の搬送ライン数をカウントすると、ニップ切り替
え信号３６をＬＩＮＥ同期信号発生回路２に出力すると
同時に、ニップローラ５５の圧着動作を開始させるニッ
プスタート信号４２をニップ制御回路５に出力する。Ｌ
ＩＮＥ同期信号発生回路２は、ニップ切り替え信号３６
を入力すると、ニップローラ（Ｍｂ）用からニップロー
ラ（Ｍｃ）用のＬＩＮＥ同期信号３７に切り替える。ニ
ップ制御回路５は、ニップ圧着検出センサ９がＯＮする
まで、駆動パルス４７によりＭｃモータ１８を駆動させ
て、ニップローラ５５を記録用紙１００に圧着させ、一
方、駆動パルス４６によりＭｂモータ１７を駆動させ
て、ニップローラ５４の圧着を解除させて、記録用紙１
００の搬送をニップローラ５４からニップローラ５５に
移行させる。

【００３０】（３）現像（ステップＳＴ３） 記録回路４に記録された画信号２７が記録ヘッド１２，
１３により全て記録されると、記録用紙１００はニップ
ローラ５５を通過し、さらにＭ３モータ１９で搬送され
て現像部５６に送られ現像される。この時、制御部１
は、記録動作を完了したものとして初期状態に戻り、テ
ストプリントの現像を待つ。

【００３１】図４はこの発明の実施の形態１における記
録用紙に記録されたテストプリント画像を示す図であ
る。図において、１００は記録用紙、１０１はニップロ
ーラ５３に搬送されている一定期間に記録ヘッド１２が
記録した画像、１０２はニップローラ５４に搬送されて
いる一定期間に記録ヘッド１２が記録した画像、１０３
はニップローラ５５に搬送されている一定期間に記録ヘ
ッド１２が記録した画像である。１０４はニップローラ
５３に搬送されている一定期間に記録ヘッド１３が記録
した画像である。Ｌ１は画像１０１の記録長、Ｌ２は画
像１０２の記録長、Ｌ３は画像１０３の記録長である。
Ｌ４は画像１０１と画像１０４の記録開始位置の差、即
ち、この記録開始位置の差Ｌ４が記録ヘッド１２と記録
ヘッド１３の記録開始位置の差である。この図４に示す
ように、テストプリント画像の記録パターンとしては、
一定範囲のベタ記録を記録確認センサ１２側に３個所、
記録確認センサ１３側に１個所記録されたものである。

【００３２】（４）マーク読み取り（ステップＳＴ４） 現像部５６によってテストプリントの現像が完了する
と、記録用紙１００は、現像部５６の用紙出口に配置し
た記録ヘッド１２用の記録確認センサ１０と記録ヘッド
１３用の記録確認センサ１１を通過し、テストプリント
の画像記録が読み取られる。記録確認センサ１０は、記
録ヘッド１２の画像記録を読み取った記録確認データ２
５を制御部１に出力し、記録確認センサ１１は、記録ヘ
ッド１３の画像記録を読み取った記録確認データ２６を
制御部１に出力する。

【００３３】（５）記録開始位置及びライン同期周期の
補正 制御部１は、記録確認センサ１１，１２からの記録確認
データ２５，２６をもとに、フィードバック処理として
基準パラメータ（ＬＩＮＥ同期信号３７のＬＩＮＥ同期
周期、及び記録開始信号３８，３９の発生タイミング）
の更新を行う。

【００３４】図３のフローチャートに示すように、最初
に、記録ヘッド１２の画像１０１と記録ヘッド１３の画
像１０４の記録開始位置の差Ｌ４を確認して（ステップ
ＳＴ５）、この差Ｌ４が正の値となる場合は、その差Ｌ
４に見合ったライン数分だけ記録開始信号発生回路３が
出力する記録開始信号３９のＯＮを早め（ステップＳＴ
６）、差Ｌ４が負の値となる場合は、その差Ｌ４に見合
ったライン数分だけ記録開始信号発生回路３が出力する
記録開始信号３９のＯＮを遅らせる（ステップＳＴ
７）。

【００３５】次に、画像１０１の記録長Ｌ１と画像１０
２の記録長Ｌ２の比較を行い（ステップＳＴ８）、Ｌ１
＞Ｌ２であれば、ニップローラ５４で搬送する際のＬＩ
ＮＥ同期信号３７のＬＩＮＥ同期周期を誤差量に見合っ
たライン数分だけ長くし（ステップＳＴ９）、Ｌ１＜Ｌ
２であれば、ニップローラ５４で搬送する際のＬＩＮＥ
同期信号３７のＬＩＮＥ同期周期を誤差量に見合ったラ
イン数分だけ短くする（ステップＳＴ１０）。次に、画
像１０１の記録長Ｌ１と画像１０３の記録長Ｌ３の比較
を行い（ステップＳＴ１１）、Ｌ１＞Ｌ３であれば、ニ
ップローラ５５で搬送する際のＬＩＮＥ同期信号３７の
ＬＩＮＥ同期周期を誤差量に見合ったライン数分だけ長
くし（ステップＳＴ１２）、Ｌ１＜Ｌ３であれば、ニッ
プローラ５５で搬送する際のＬＩＮＥ同期信号３７のＬ
ＩＮＥ同期周期を誤差量に見合ったライン数分だけ短く
する（ステップＳＴ１３）。

【００３６】以上のように、この実施の形態１によれ
ば、記録ヘッド１２，１３の記録開始信号３８，３９の
発生タイミングを調整して記録ヘッド１２，１３の記録
開始位置を補正するとともに、ニップローラ５３〜５５
に応じてＬＩＮＥ同期信号３７のＬＩＮＥ同期周期を調
整してニップローラ５３〜５５による記録用紙１００の
搬送速度を補正するので、記録用紙１００の搬送方向に
配置された複数の記録ヘッド１２，１３にて画像を記録
する場合でも、複数の記録ヘッドの記録開始位置を確実
に補正することができるとともに、記録用紙の搬送速度
を一定に保つことができる。その結果、画像記録装置の
記録品質を向上できる効果が得られる。また、複数の記
録ヘッドの記録開始位置と複数のニップローラの搬送速
度をＬＩＮＥ同期信号３７のＬＩＮＥ同期周期（ライン
数）で調整しているので、一層精度よく補正することが
できる効果も得られる。

【００３７】尚、上記実施の形態１では、２つの記録ヘ
ッド１２，１３で画像を記録する場合について説明した
が、これに限るものではなく複数の記録ヘッドで画像を
記録する場合にも適用することができる。

【００３８】実施の形態２．図５はこの発明の実施の形
態２による画像記録装置の構成を示すブロック図であ
る。尚、図５において、図１と同一符号を付して示した
構成部分は同一または相当する部分であり、重複する説
明を省略する。図において、１０Ａは記録濃度に違いを
検出可能な記録確認センサ（図５中、Ｓｇで示す）、１
０Ｂは記録ヘッド１２の記録範囲と、記録ヘッド１２及
び記録ヘッド１３が重なった記録範囲を分解して、記録
ヘッド１２の記録範囲のセンサ出力４８と記録ヘッド１
２，１３の重なった記録範囲のセンサ出力４９を制御部
１に出力する記録濃度分解回路である。

【００３９】図６はこの発明の実施の形態２における記
録用紙に記録されたテストプリント画像を示す図であ
る。図において、１００は記録用紙、１１１はニップロ
ーラ５３に搬送されている一定期間に記録ヘッド１２が
記録した画像、１１２はニップローラ５４に搬送されて
いる一定期間に記録ヘッド１２が記録した画像、１１３
はニップローラ５５に搬送されている一定期間に記録ヘ
ッド１２が記録した画像である。１１４はニップローラ
５３に搬送されている一定期間に記録ヘッド１３が記録
した画像である。１１５は画像１１１と画像１１４の重
なった記録範囲である。Ｌ５は画像１１１の記録長、Ｌ
６は画像１１２の記録長、Ｌ７は画像１１３の記録長で
ある。Ｌ８は画像１１１と画像１１４の記録開始位置の
差、即ち、この記録開始位置の差Ｌ８が記録ヘッド１２
と記録ヘッド１３の記録開始位置の差である。

【００４０】この実施の形態２が上記実施の形態１と相
違する点は、記録ヘッド１２，１３が記録用紙１００に
重ねて画像１１１，１１４を記録することであり、その
他の点は、上記実施の形態１と同様である。記録開始位
置及びＬＩＮＥ同期周期の補正を行う動作も、上記実施
の形態１の場合と同様である。従って、この実施の形態
２によっても上記実施の形態１と同様、記録用紙１００
の搬送方向に配置された複数の記録ヘッド１２，１３に
て画像を記録する場合でも、複数の記録ヘッドの記録開
始位置を確実に補正することができるとともに、記録用
紙の搬送速度を一定に保つことができる。

【００４１】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、複数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘッドが複数
の搬送手段によって搬送されている一定期間に画像パタ
ーンを記録用紙に記録し、一の記録ヘッド以外の記録ヘ
ッドが複数の搬送手段のうちの最初の搬送手段によって
搬送されている一定期間に一の記録ヘッドと同一のタイ
ミングで画像パターンを記録用紙に記録し、記録確認セ
ンサが複数の記録ヘッドが同一のタイミングで記録した
画像パターンの位置から複数の記録ヘッドの記録開始位
置を確認するとともに、一の記録ヘッドが記録した画像
パターンの記録長から複数の搬送手段の搬送速度を確認
し、記録確認センサが確認した情報に基づいて、補正手
段が複数の記録ヘッドの記録開始位置及び複数の搬送手
段の搬送速度を補正するようにしたので、複数の記録ヘ
ッドにて画像を記録する場合でも、複数の記録ヘッドの
記録開始位置を確実に補正することができるとともに、
記録用紙の搬送速度を一定に保つことができ、その結
果、画像記録装置の記録品質を向上できる効果が得られ
る。

【００４２】請求項２記載の発明によれば、補正手段に
よる複数の記録ヘッドの記録開始位置の補正及び複数の
搬送手段の搬送速度の補正を、複数の記録ヘッドが走査
するライン単位で行うので、一層精度よく補正すること
ができる効果が得られる。

【００４３】請求項３記載の発明によれば、複数の記録
ヘッドのうちの一の記録ヘッドが複数の搬送手段によっ
て搬送されている一定期間に記録した画像パターンと、
一の記録ヘッド以外の記録ヘッドが複数の搬送手段のう
ちの最初の搬送手段によって搬送されている一定期間に
一の記録ヘッドと同一のタイミングで記録した画像パタ
ーンとを、異なる濃さで重ねて記録したので、上記請求
項１記載の発明と同様、複数の記録ヘッドにて画像を記
録する場合でも、複数の記録ヘッドの記録開始位置を確
実に補正することができるとともに、記録用紙の搬送速
度を一定に保つことができ、その結果、画像記録装置の
記録品質を向上できる効果が得られる。

【００４４】請求項４記載の発明によれば、複数の記録
ヘッドが記録用紙に記録する画像を、複数の記録ヘッド
のうちの一の記録ヘッドが複数の搬送手段によって搬送
されている一定期間に記録した画像パターン、及び一の
記録ヘッド以外の記録ヘッドが複数の搬送手段のうちの
最初の搬送手段によって搬送されている一定期間に一の
記録ヘッドと同一のタイミングで記録した画像パターン
とし、記録確認センサによって、このような画像パター
ンから複数の記録ヘッドの記録開始位置と複数の搬送手
段の搬送速度を確認させたので、複数の記録ヘッドにて
画像を記録する場合でも、複数の記録ヘッドの記録開始
位置を確実に補正することができるとともに、記録用紙
の搬送速度を一定に保つことができる画像記録装置を得
ることができる効果がある。

【００４５】請求項５記載の発明に係る画像記録装置
は、補正手段を、記憶した画像データをもとに複数の記
録ヘッドを駆動して画像の記録を行わせる記憶手段と、
複数の搬送手段の駆動を制御するニップ制御手段と、記
憶手段における複数の記録ヘッドの駆動を開始させる記
録開始信号及びニップ制御手段における複数の搬送手段
の駆動を開始させるニップスタート信号を発生する開始
信号発生手段と、記憶手段の複数の記録ヘッドの駆動動
作及び開始信号発生手段の複数の搬送手段の駆動動作を
同期させる所定周期のＬＩＮＥ同期信号を発生するＬＩ
ＮＥ同期信号発生手段とから構成し、記録開始信号及び
ニップスタート信号の発生タイミングを調整することに
より複数の記録ヘッドの記録開始位置を補正するととも
に、複数の搬送手段に対応したＬＩＮＥ同期信号の周期
を調整することにより複数の搬送手段の搬送速度を補正
するようにしたので、複数の記録ヘッドの記録開始位置
と複数の搬送手段の搬送速度をＬＩＮＥ同期信号の周期
（ライン数）で調整できるため、一層精度よく補正する
ことができる効果が得られる

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１による画像記録装置
の構成を示すブロック図である。

【図２】 画像記録装置の機構部を示す構成図である。

【図３】 この発明の実施の形態１による画像記録装置
の記録制御方法の動作を示すフローチャートである。

【図４】 この発明の実施の形態１における記録用紙に
記録されたテストプリント画像を示す図である。

【図５】 この発明の実施の形態２による画像記録装置
の構成を示すブロック図である。

【図６】 この発明の実施の形態２における記録用紙に
記録されたテストプリント画像を示す図である。

【図７】 従来の画像記録装置の記録制御方法を説明す
るための図である。

【符号の説明】

１ 制御部（補正手段） ２ ＬＩＮＥ信号発生回路（ＬＩＮＥ信号発生手段、補
正手段） ３ 開始信号発生回路（開始信号発生手段、補正手段） ４ 記憶回路（記憶手段、補正手段） ５ ニップ制御回路（ニップ制御手段、補正回路） １０，１１ 記録確認センサ １２，１３ 記録ヘッド

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 21/16 B41J 2/51 B41J 3/54 B41J 11/42

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘッ
   ドが複数の搬送手段によって搬送されている一定期間に
   画像パターンを記録用紙に記録し、上記一の記録ヘッド
   以外の記録ヘッドが上記複数の搬送手段のうちの最初の
   搬送手段によって搬送されている一定期間に上記一の記
   録ヘッドと同一のタイミングで画像パターンを上記記録
   用紙に記録し、記録確認センサが上記複数の記録ヘッド
   が同一のタイミングで記録した上記画像パターンの位置
   から上記複数の記録ヘッドの記録開始位置を確認すると
   ともに、上記一の記録ヘッドが記録した上記画像パター
   ンの記録長から上記複数の搬送手段の搬送速度を確認
   し、上記記録確認センサが確認した情報に基づいて、補
   正手段が上記複数の記録ヘッドの記録開始位置及び上記
   複数の搬送手段の搬送速度を補正することを特徴とする
   画像記録装置の記録制御方法。
2. 【請求項２】 補正手段による複数の記録ヘッドの記録
   開始位置の補正及び複数の搬送手段の搬送速度の補正
   を、上記複数の記録ヘッドが走査するライン単位で行う
   請求項１記載の画像記録装置の記録制御方法。
3. 【請求項３】 複数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘッ
   ドが複数の搬送手段によって搬送されている一定期間に
   記録した画像パターンと、上記一の記録ヘッド以外の記
   録ヘッドが上記複数の搬送手段のうちの最初の搬送手段
   によって搬送されている一定期間に上記一の記録ヘッド
   と同一のタイミングで記録した画像パターンとを、異な
   る濃さで重なって記録する請求項１記載の画像記録装置
   の記録制御方法。
4. 【請求項４】 記録用紙の搬送方向に複数配置された、
   該記録用紙に画像の記録を行う記録ヘッドと、該複数の
   各記録ヘッドの搬送方向に対して前後に配置された、上
   記記録用紙を圧着して搬送させる複数の搬送手段と、上
   記複数の記録ヘッドが記録した画像を確認する記録確認
   センサと、該複数の記録確認センサが確認した記録確認
   データに基づいて、上記複数の記録ヘッドの記録開始位
   置及び上記複数の搬送手段の搬送速度を補正する補正手
   段を備え、 上記複数の記録ヘッドが上記記録用紙に記録する画像
   は、上記複数の記録ヘッドのうちの一の記録ヘッドが上
   記複数の搬送手段によって搬送されている一定期間に記
   録した画像パターン、及び上記一の記録ヘッド以外の記
   録ヘッドが上記複数の搬送手段のうちの最初の搬送手段
   によって搬送されている一定期間に上記一の記録ヘッド
   と同一のタイミングで記録した画像パターンからなり、 上記記録確認センサは、上記画像パターンから上記複数
   の記録ヘッドの記録開始位置と上記複数の搬送手段の搬
   送速度を確認し、それらの情報を上記補正手段に出力す
   る画像記録装置。
5. 【請求項５】 補正手段は、記憶した画像データをもと
   に複数の記録ヘッドを駆動して画像の記録を行わせる記
   憶手段と、複数の搬送手段の駆動を制御するニップ制御
   手段と、上記記憶手段における上記複数の記録ヘッドの
   駆動を開始させる記録開始信号及び上記ニップ制御手段
   における上記複数の搬送手段の駆動を開始させるニップ
   スタート信号を発生する開始信号発生手段と、上記記憶
   手段の上記複数の記録ヘッドの駆動動作及び上記開始信
   号発生手段の上記複数の搬送手段の駆動動作を同期させ
   る所定周期のＬＩＮＥ同期信号を発生するＬＩＮＥ同期
   信号発生手段とから構成され、上記記録開始信号及び上
   記ニップスタート信号の発生タイミングを調整すること
   により上記複数の記録ヘッドの記録開始位置を補正する
   とともに、上記複数の搬送手段に対応した上記ＬＩＮＥ
   同期信号の周期を調整することにより上記複数の搬送手
   段の搬送速度を補正する請求項４記載の画像記録装置。