JP3031391B2 - プリンタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ユーザが任意に作成し
た文字や図形のビット・マップデータを格納し、ホスト
装置からのコード信号により読み出しを行うドットマト
リックス型プリンタ、より詳細には上記データの登録技
術に関する。

【０００２】

【従来の技術】文字セットとして予め格納されている図
形や文字以外のパターンを印刷させる場合には、個々の
ユーザが必要なパターンをビットマップデータにより作
成し、これをプリンタの記憶手段に外字データとして登
録することが要求される。ところで、このような外字デ
ータの登録は、通常プリンタに内蔵されているバッファ
などを構成しているメモリー装置の一部を割り当ること
により行われているが、登録される可能性のある最大サ
イズのパターンに対応した容量を確保しておく必要があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外字の
必要性の度合いはユーザにより区々であり、ユーザによ
ってはメモリー装置の一部が無駄になるという問題があ
る。もとより、パターンを構成するビット・マップデー
タを圧縮することによりデータの記憶に必要なメモリー
の容量を減少させる手法は、プリンタ内蔵文字パターン
等でメーカ側では利用されているが、これには専門的な
知識が必要となるため、ただちにユーザによる外字デー
タの登録に適用することはできない。本発明は、このよ
うな問題に鑑みてなされたものであって、その目的とす
るところは、ユーザが作成した外字データをユーザに圧
縮操作を強いることなく、圧縮データに変換してから登
録することができ、合せてメモリを有効に活用できる新
規なドットマトリックス型プリンタを提供することにあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】このような問題を解消す
るために本発明のプリンタは、外部装置から入力された
ビットマップデータからスペース列を除去して中間デー
タを生成するスペース列除去手段と、前記中間データを
それぞれ複数の異なる圧縮手法により圧縮して複数の圧
縮データを生成する個別圧縮手段と、前記圧縮データを
相互に比較してデータ量が最小量となる圧縮手法を選択
する選択手段と、前記選択された圧縮手法を当該圧縮手
法による圧縮データと関連付けて記憶手段に登録する登
録手段と、ビットマップデータの出力要求を受けて当該
ビットマップデータの圧縮データを、当該圧縮データに
関連づけられた圧縮手法に対応する復元手法を選択して
ビットマップデータに復元する復元手段と、を有する。

【０００５】

【作用】ビットマップデータが入力した場合にはスペー
ス列を除去してデータ量を減少させ、ついでスペース列
が除去された個々のパターンに特有な形態を利用してさ
らに圧縮を行い、またビットマップデータが必要となっ
た場合には個々の圧縮形態に対応して復元する。

【０００６】

【実施例】そこで以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。図２は、本発明の一実施例を示す
ものであって、図中符号１は、マイクロコンピュータに
より構成された制御装置で、インターフェイス２を介し
てホスト装置からのコード信号や外字ビットマップデー
タや制御信号を受け取るようになっている。制御装置１
には、プリンタとしての機能を制御するための制御プロ
グラムを格納したメモリ４や、作業メモリやデフォルト
として用意される文字やパターンのビット・マップデー
タを格納する記憶装置５が接続されている。さらに制御
装置１にはインターフェイス６を介してビット・マップ
データを印字ヘッド８に出力するドライバ７を介して印
字ヘッドが接続されている。

【０００７】図１は、上述の制御装置１を構成している
マイクロコンピュータが奏すべき機能を示すブロック図
であって、ホスト装置から入力されるデータに一致して
バッファ等にＸーＹ座標に対応してドットを展開するビ
ットマップデータ作成手段１０と、ビットマップデータ
作成手段１０に展開されているドットデータを読み出
し、ドット形成素子の配列方向に連続して存在するドッ
ト非形成データ（以下、スペースデータという）の有無
を検索し、存在する場合にはこれを削除するスペース列
除去手段１１と、圧縮モードが異なる第１及至第３の圧
縮手段を有し、スペース列が除去されたビットマップデ
ータを、パターンに最適な圧縮操作を実行するように、
複数種類の圧縮モードを備えた圧縮手段１２と、上述の
複数の圧縮モードにより同一のビットマップデータの圧
縮を行った結果をそれぞれ比較して、データ量が最も少
なくなる圧縮モードを選択する比較手段１３と、比較手
段１３により選択された圧縮後のデータを、ハーフ情
報、左側スペース、右側スペース、圧縮モードとともに
記憶装置５に書込む登録手段１４と、入力されたコード
信号に基づいて記憶装置５に格納されている外字データ
を呼出し、これに付随するハーフ情報、左側スペース、
右側スペース、圧縮モード等のデータに基づいて元のビ
ット・マップデータに復元する復元手段１５とを実現す
るようにプログラムされている。

【０００８】上記スペース除去手段１１は、左端から順
番にスペース列が連続する数を計算し、その列の数をも
って左スペースのデータとし、左スペースを削除する。
次いで、１列おきにハーフ情報としてスペース列が存在
するか否かを検査し、１列おきにスペース列が存在しな
い場合にはハーフ有りフラッグをＯＦＦ、また１列おき
にスペース列が存在する時は、ハーフ有りフラッグをＯ
Ｎとする。次いで右端から順番にスペース列が連続する
数を計算し、その列の数をもって右スペースのデータと
し、右スペースを削除する。ハーフ有りフラッグがＯＮ
の場合、つまり１列おきにスペースが存在する場合には
このスペース列を削除する。このようなスペース列の除
去が終了した段階で、登録データの数、つまりバイト数
を計算する。

【０００９】上記圧縮手段１２おける第１の圧縮モード
は、スペース除去後のパターン全体を見た時に左右が対
称であるか否かを検査し、対称である場合には、対称線
でデータを左右に分割して対称フラッグを立てて、対称
線から一方側だけのデータを格納する。第２の圧縮モー
ドは、隣接するデータ列同士で排他的論理和を演算して
その同一性を検査する。隣接するデータ列が同一である
場合には、一方の列のデータを削除し、また隣接する列
のデータが異なる場合には各列のデータを格納するとい
うようになっている。さらに第３の圧縮モードは、対称
性や隣接するデータの同一性の判断を行うことなく、各
ビットを構成しているデータがスペースであるか否かを
判断し、スペース以外のデータだけを格納するようにな
っている。

【００１０】次にこのように構成した装置の動作を、図
３，図４に示したフローチャートに基づいて説明する。
ホスト装置から図５に示したような外字パターンが入力
されると、スペース除去手段１０は、左端のスペース列
「ア」、「イ」を検出し、この列数２を左スペースのデ
ータとするとともに、この２列のスペース列を削除す
る。次いで右側から順番に検索して１列おきにスペース
列が存在するかを検査する。この実施例では１列おきに
スペース列「エ」、「カ」、‥‥、「フ」「ホ」が存在
するので、ハーフ有りフラッグをＯＮとする。次いで右
端のスペース列「ホ」、「マ」を検出し、この列数２を
右スペースデータとするとともに、この２列のスペース
列を削除する。さらにハーフ有りフラッグがＯＮとなっ
ているので、１列おきに存在するスペース列をカットす
る。このような手順により全てのスペース列を削除して
図６に示したようなデータを得る。

【００１１】スペース列が除去されたデータは、圧縮手
段１２に出力されて全体の対称性が検査される。この実
施例ではスペース列除去前のパターンからも明らかなよ
うに、スペース列「タ」を対称線として左右が対称であ
るから、一方側、例えば列「ウ」、「オ」、「キ」、
「ケ」、「サ」、「ス」、「ソ」だけを格納すべきデー
タとして採用し、対称フラッグをＯＮとし、圧縮後の全
データ量を算出する。

【００１２】このようして第１のモードによる圧縮が終
了した時点で、前の工程でスペース列が除去されたデー
タを第２の圧縮モードで圧縮して、このモードによる圧
縮後のデータ量を算出する。以下、圧縮手段１２が備え
る全ての圧縮モードが終了した段階で、比較手段１３
は、全てのモードの圧縮データ量、及び圧縮を施さない
場合のデータ量を比較して、データ量が最も少ない形態
を選択する。この選択されたデータは、登録手段１４に
よりハーフ情報、左側スペース、右側スペース、圧縮モ
ードのデータとともに自動的に記憶手段５に格納されて
外字データとして登録される。

【００１３】このようにして格納された外字データは、
ホスト装置からのコード信号を受ける復元手段により記
憶装置５から読み出され、コード毎に一緒に格納されて
いる圧縮方法に基づいて元のビット・マップデータに展
開して印刷に供される。

【００１４】なお、この実施例においては３種類の圧縮
方法をデータ量により選択するようにしているが、他の
圧縮方法、例えば１列隔てた列のパターンとの同一性を
判定したり、３列以上のデータが同一の場合には先頭の
列のデータと列の数を圧縮データとするようにしたりす
る圧縮方法などを適宜採用することができる。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
外部装置から入力されたビットマップデータからスペー
ス列を除去して中間データを生成するスペース列除去手
段と、中間データをそれぞれ複数の異なる圧縮手法によ
り圧縮して複数の圧縮データを生成する個別圧縮手段
と、圧縮データを相互に比較してデータ量が最小量とな
る圧縮手法を選択する選択手段と、選択された圧縮手法
を当該圧縮手法による圧縮データと関連付けて記憶手段
に登録する登録手段と、ビットマップデータの出力要求
を受けて当該ビットマップデータの圧縮データを、当該
圧縮データに関連づけられた圧縮手法に対応する復元手
法を選択してビットマップデータに復元する復元手段と
を備えたので、通常の外字作成と同様の手順によりビッ
トマップデータを作成するだけで、自動的にスペース列
を除去されてから、最小量となる圧縮形態で圧縮して記
憶手段に格納でき、ユーザーに特別な圧縮操作を強いる
ことなく可及的に少ないデータ量でプリンタに登録する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す装置のブロック図であ
る。

【図２】本発明が適用されたドットマリックス型プリン
タの概要を示す構成図である。

【図３】同上装置におけるスペース列削除の工程を示す
フローチャートである。

【図４】同上装置におけるデータ圧縮の１つのモードの
動作を示すフローチャートである。

【図５】ユーザが作成した外字パターンの一例を示す図
である。

【図６】スペース列削除後のデータを示す図である。

【符号の説明】

１ 制御装置 ２，６ 入出力インターフェイス ３ 入力手段 ４，５ 記憶装置 ７ ドライバ ８ 記録ヘッド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外部装置から入力されたビットマップデ
   ータからスペース列を除去して中間データを生成するス
   ペース列除去手段と、前記中間データをそれぞれ複数の
   異なる圧縮手法により圧縮して複数の圧縮データを生成
   する個別圧縮手段と、 前記圧縮データを相互に比較してデータ量が最小量とな
   る圧縮手法を選択する選択手段と、 前記選択された圧縮手法を当該圧縮手法による圧縮デー
   タと関連付けて記憶手段に登録する登録手段と、 ビットマップデータの出力要求を受けて当該ビットマッ
   プデータの圧縮データを、当該圧縮データに関連づけら
   れた圧縮手法に対応する復元手法を選択してビットマッ
   プデータに復元する復元手段と、 を有するプリンタ。