JP3030193B2 - フィルタ調整回路およびそれを用いたy/c分離回路 - Google Patents

フィルタ調整回路およびそれを用いたy/c分離回路

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JP3030193B2 JP5296474A JP29647493A JP3030193B2 JP 3030193 B2 JP3030193 B2 JP 3030193B2 JP 5296474 A JP5296474 A JP 5296474A JP 29647493 A JP29647493 A JP 29647493A JP 3030193 B2 JP3030193 B2 JP 3030193B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はフィルタ調整回路およ
びそれを用いたY/C分離回路に関し、特にたとえばI
C(集積回路)化されるジャイレータを含む、フィルタ
調整回路およびそれを用いたY/C分離回路に関する。
【0002】
【従来の技術】位相検波を行うためには、通常、比較す
る信号に対して位相が90°ずれた信号が必要である。
このため従来では、図9に示す櫛型Y/C分離回路1の
ように、90°移相回路2によってジャイレータ3の出
力信号Vout を90°移相させ、位相比較器4で入力信
号Vinと90°移相回路2からの出力信号Vout とのバ
ーストどうしの位相検波を行っていた。この位相検波の
結果によって、入力信号Vinと出力信号Vout との位相
差が180°、すなわちディレイライン5の遅延量が1
Hになるようにジャイレータ3および6の値を制御す
る。そして、1Hずれた入力信号Vinと出力信号Vout
すなわちコンポジット信号どうしを加算器7で加算し、
減算器8で減算することによって、それぞれ輝度信号お
よび色信号を作る。
【0003】また、図10に、バンドパスフィルタ(以
下、単に「BPF」という)2′を調整するための従来
のフィルタ調整回路1′を示す。フィルタ調整回路1′
では、フィルタ3′をジャイレータ4′を含むBPFと
して構成する。そして、フィルタ3′すなわちジャイレ
ータ4′からの出力信号を90°移相回路5′で90°
移相させ、その信号とフィルタ3′への信号とを位相比
較器6′で比較する。そして、その比較結果に応じた制
御電圧をLPF7′から出力することによってジャイレ
ータ4′および調整すべきBPF2′のジャイレータ
8′をそれぞれ調整して、BPF2′の位相を調整して
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図9および図10に示
す従来技術では、いずれも容量を含む90°移相回路が
必要であった。したがって、素子数が多くなり、またI
C化した場合のチップ面積が大きくなるという問題点が
あった。それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単か
つ小型にできる、フィルタ調整回路およびそれを用いた
Y/C分離回路を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明は、ジャイレー
タを含み入力信号が与えられるフィルタ、およびフィル
内の特定箇所からの信号と入力信号とのそれぞれの位
相を比較してフィルタを調整する信号を出力する位相比
較手段を備えるフィルタ調整回路であって、ジャイレー
タは、入力信号が与えられる入力端子に接続される第1
入力および交流的にアースされた直流電源に接続される
第2入力を含む第1の差動増幅回路、第1の差動増幅回
路の出力に接続される第3入力および交流的にアースさ
れた直流電源に接続される第4入力を含む第2の差動増
幅回路、第2の差動増幅回路の出力を第1入力に接続す
る帰還経路、および第1の差動増幅回路の出力と交流的
アースとの間に介挿されるコンデンサを含み、位相比較
手段に与える出力信号として、ジャイレータの第3入力
に与えられる信号を用いる、フィルタ調整回路である。
【0006】第2発明は、ジャイレータを含み入力信号
が与えられるフィルタ、およびフィルタ内の特定箇所か
らの信号と入力信号とのそれぞれの位相を比較してフィ
ルタを調整する信号を出力する位相比較手段を備えるフ
ィルタ調整回路であって、ジャイレータは、入力信号を
積分する積分回路、積分回路の出力信号と入力信号との
差分を検出するための第1の差動増幅回路、第1の差動
増幅回路によって検出した差分の信号を入力信号に帰還
する帰還経路、第1の差動増幅回路に電流を供給する第
1の可変電流源、積分回路の出力信号と入力信号との差
分を検出するための第2の差動増幅回路、第2の差動増
幅回路に電流を供給する第2の可変電流源、および第2
の差動増幅回路によって検出した差分の信号を電流−電
圧変換して電圧信号を得る変換手段を含み、位相比較手
段に与える出力信号として、電圧信号を用いる、フィル
タ調整回路である。
【0007】
【作用】第1発明では、位相比較手段に与える信号とし
て、フィルタ内の特定箇所からの信号すなわちジャイレ
ータの第3入力に与えられる信号を用いる。この信号は
ジャイレータの出力信号より90°位相が遅れた90°
移相出力となる。したがって、ジャイレータの出力信号
を90°移相回路によって90°遅らせて位相比較手段
に与えていた従来と異なり、90°移相回路を用いるこ
となくジャイレータの第3入力に与えられる信号がその
まま位相比較手段に与えられる。
【0008】第2発明では、位相比較手段に与える信
として、フィルタ内の特定箇所からの信号すなわち変換
手段によって電流−電圧変換して得られる電圧信号を用
いる。この電圧信号はジャイレータの出力信号より90
°位相が遅れた90°移相出力となる。したがって、従
来とは異なり、ジャイレータの出力信号を90°移相す
る90°移相器を用いることなく、電圧信号がそのまま
位相比較手段に与えられる。
【0009】第1発明または第2発明であるフィルタ調
整回路を用いてY/C分離回路が形成され、また、第1
発明または第2発明のフィルタ調整回路に含まれるフィ
ルタとしてバンドパスフィルタが用いられ得る。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、容量を有する90°
移相回路を削除したフィルタ調整回路が得られる。した
がって、フィルタ調整回路を構成する素子数を減少で
き、構成が簡単になる。また、90°移相回路を削除す
ることによって容量を削減できるので、特に回路をIC
化する場合には、チップ面積を大幅に縮小できる。その
結果、小型化が図れ、さらに低コスト化をも図れる。
【0011】また、このようなフィルタ調整回路を用い
ることによって簡単かつ小型のY/C分離回路が得られ
る。この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および
利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明
から一層明らかとなろう。
【0012】
【実施例】図1を参照して、この実施例の櫛型のY/C
分離回路10は、たとえばIC(集積回路)として構成
され、加算器12および減算器14を含む。加算器12
および減算器14には、それぞれ入力コンポジット映像
信号が入力される。入力コンポジット映像信号は抵抗r
1およびr2を介してディレイライン16の入力端子1
8に与えられる。ディレイライン16は、1Hの遅延時
間を有し、入力コンポジット映像信号を1H遅延して出
力映像信号として出力端子20から出力する。この出力
映像信号は加算器12および減算器14に入力される。
加算器12では、「前ライン+現ライン」が演算され、
残った輝度信号が出力され、減算器14では、「前ライ
ン−現ライン」が演算され、残った色信号が出力され
る。ディレイライン16の入力端子18と22との間お
よび出力端子20と24との間には、それぞれBPFを
構成するジャイレータ26および28が接続される。ジ
ャイレータ26および28は、それぞれ、ディレイライ
ン16の入力終端インダクタンスおよび出力終端インダ
クタンスとして機能し、そのインダクタンス値がローパ
スフィルタ(以下、「LPF」という)30の出力によ
って制御される。ただし、ディレイライン16の入力お
よび出力の両方を終端する必要はなく、少なくともディ
レイライン16の出力を終端していればよい。そして、
LPF30には、入力コンポジット映像信号に含まれる
バースト信号とジャイレータ28の途中から取り出され
た信号に含まれるバースト信号とのそれぞれの位相差に
応じた誤差信号が入力される。この実施例では、入力コ
ンポジット映像信号とジャイレータ28の途中から取り
出された信号とがそれぞれ位相比較器32に与えられ
る。したがって、位相比較器32からは、両信号が90
°の位相差のときを基準として、両信号の位相差の90
°からのずれ量に応じた誤差信号がLPF30に与えら
れる。したがって、LPF30からは、誤差信号に応じ
た制御電圧が出力され、その制御電圧がジャイレータ2
6および28に与えられる。なお、Y/C分離回路10
において、フィルタ調整回路は1点鎖線33で囲まれた
部分である。
【0013】ここで、ジャイレータ26および28に
は、たとえば図2に示す回路が用いられる。図2に示す
回路は、差動増幅回路34および36を含む。差動増幅
回路34は、トランジスタQ1およびQ2を含む差動対
38を含み、差動増幅回路36は、トランジスタQ3お
よびQ4を含む差動対40を含む。トランジスタQ1と
端子39との間にはトランジスタQ5が介挿され、トラ
ンジスタQ5のベースが端子39に、トランジスタQ5
のコレクタが直流電源Vccに、トランジスタQ5のエ
ミッタがR1を介してトランジスタQ1のベースにそれ
ぞれ接続される。また、トランジスタQ2と交流的にア
ースされた直流電源42との間にはトランジスタQ6が
介挿され、トランジスタQ6のベースが直流電源42
に、トランジスタQ6のコレクタが直流電源Vccに、
トランジスタQ6のエミッタがトランジスタQ2のベー
スにそれぞれ接続される。トランジスタQ1のベースと
トランジスタQ2のベースとの間には抵抗R2が介挿さ
れる。抵抗R1とR2とが分圧回路を構成する。トラン
ジスタQ2のコレクタとトランジスタQ1のコレクタが
接続される直流電源Vccとの間にはコンデンサC1が
介挿される。
【0014】また同様に、差動増幅回路34の出力すな
わちトランジスタQ2のコレクタとトランジスタQ3と
の間にはトランジスタQ7が介挿され、トランジスタQ
7のベースがトランジスタQ2のコレクタに、トランジ
スタQ7のコレクタが直流電源Vccに、トランジスタ
Q7のエミッタが抵抗R3を介してトランジスタQ3の
ベースにそれぞれ接続される。また、直流電源42とト
ランジスタQ4との間にはトランジスタQ8が介挿さ
れ、Q8のベースが直流電源42に、トランジスタQ8
のコレクタが直流電源Vccに、トランジスタQ8のエ
ミッタがトランジスタQ4のベースにそれぞれ接続され
る。トランジスタQ3のベースとトランジスタQ4のベ
ースとの間には抵抗R4が介挿される。抵抗R3とR4
とが分圧回路を構成する。そして、トランジスタQ3の
コレクタが端子39およびトランジスタQ5のベースに
接続される。
【0015】なお、上述のように、トランジスタQ6お
よびQ8のそれぞれのベースには、直流電源42によっ
て一定の固定バイアスが供給されており、交流的アース
とされる。また、44,46,48および50は定電流
源(直列電流源)であり、52,54,56および58
は可変電流源である。さらに、コンデンサC1は、トラ
ンジスタQ2のコレクタと直流電源42との間に介挿さ
れてもよい。この回路では、抵抗R1,R2およびR
3,R4による分圧回路ならびにトランジスタQ5〜Q
8などを付加することによって、ダイナミックレンジが
大きくされている。
【0016】このように構成される図2に示す回路の動
作を説明する。図2において容量C1と交流的アース間
に発生する信号Vcは、数1で表される。
【0017】
【数1】
【0018】また、差動対40を構成するトランジスタ
Q3およびQ4のベース間に発生する電位差V2は、数
2で表される。
【0019】
【数2】
【0020】図2に示すように電流Ixを定めると、電
流Ixは数3で表され、V1/Ixは数4で表される。
【0021】
【数3】
【0022】
【数4】
【0023】したがって、図2に示す回路は、数5で示
すようなインダクタンスを構成していることがわかる。
【0024】
【数5】
【0025】また、数5から、差動対38を構成するト
ランジスタQ1およびQ2の微分抵抗re0あるいは差
動対40を構成するトランジスタQ3およびQ4の微分
抵抗re1を、LPF30からの制御電圧によって調整
することにより、図2に示す回路すなわちジャイレータ
26および28のインダクタンス値を制御できることが
わかる。すなわち、LPF44からの制御電圧によっ
て、図2における可変電流源56および58の電流I0
および/またはI1を制御すれば、微分抵抗re0およ
び/またはre1が変化し、ジャイレータ26および2
8の等価インダクタンスが変化される。これによってデ
ィレイライン16の遅延量を制御できる。
【0026】ここで、図2の端子39は図1のA点に相
当し、A点の電圧Vout に対するB点のAC電位V
(B)は、バースト部分すなわちBPF(ジャイレータ
26および28)の同調点である3.58MHzにおい
ては、数6で表される。
【0027】
【数6】
【0028】数6からわかるように、B点のAC電位V
(B)は、Vout に対して位相が90°ずれている(遅
れている)ことがわかる。このB点に得られる信号を位
相検波に用いる。すなわち、図1に示すように、ジャイ
レータ28では、B点で得られる信号を位相比較器32
に与える。これがこの発明の大きな特徴である。次い
で、LPF30および位相比較器32は図3のように構
成され、図4に示すように動作する。図3の入力端子6
0および62には、図4(A)に示すような信号が入力
され、入力端子64および66には、ジャイレータ28
のB点から図4(B)に示すような信号が入力される。
【0029】 両信号が同相の場合、正の周期ではト
ランジスタQ9およびQ13がオンしかつ負の周期では
トランジスタQ11およびQ14がオンする。したがっ
て、出力Cにおける電圧は図4(C)に示すように負方
向に半周期ごとに脈動し、出力Dにおける電圧は図4
(D)に示すように一定電圧となる。したがって、トラ
ンジスタQ15を流れる電流I2(すなわちI5)は図
4(E)に示すように正方向に脈動し、トランジスタQ
16を流れる電流I3は図4(F)に示すように一定電
流となる。そのため、I3−I5であるLPF30に流
れる電流I4は、図4(G)に示すように負方向に脈動
する。この電流I4が、たとえば抵抗RとコンデンサC
とを含むLPF30によって平滑(積分)され、したが
って、LPF30は図4(H)に示すように、両信号が
同相のときには負の制御電圧を出力する。
【0030】 両信号が逆相の場合、図4(A)に示
す信号が正の周期ではトランジスタQ12およびQ14
がオンしかつ図4(A)に示す信号が負の周期ではトラ
ンジスタQ10およびQ13がオンする。したがって、
出力Cにおける電圧は図4(C)に示すように一定とな
り、出力Dにおける電圧は図4(D)に示すように負方
向に半周期毎に脈動する。したがって、トランジスタQ
15を流れる電流I2(すなわちI5)は図4(E)に
示すように一定電流となり、トランジスタQ16を流れ
る電流I3を図4(F)に示すように正方向に脈動す
る。そのため、I3−I5であるLPF30に流れる電
流I4は、図4(G)に示すように正方向に脈動する。
この電流I4がLPF30によって平滑(積分)され、
したがって、LPF30は図4(H)に示すように、両
信号が逆相のときには正の制御電圧を出力する。
【0031】 図4(B)に示すジャイレータ28か
らの信号が図4(A)に示す信号より90°位相が進ん
でいる場合、図4(A)の信号の前半周期の前半ではト
ランジスタQ9およびQ13がオンし、後半ではトラン
ジスタQ12およびQ14がオンする。また、図4
(A)の信号の後半周期の前半ではトランジスタQ11
およびQ14がオンし、後半ではトランジスタQ10お
よびQ13がオンする。したがって、出力Cにおける電
圧は図4(C)に示すように各半周期の前半にのみ負方
向電圧となり、出力Dにおける電圧は図4(D)に示す
ように各半周期の後半にのみ負方向電圧として出現す
る。したがって、トランジスタQ15を流れる電流I2
(すなわちI5)は図4(E)に示すように各半周期の
前半にのみ正方向に流れ、トランジスタQ16を流れる
電流I3は図4(F)に示すように各半周期の後半にの
み正方向に流れる。そのため、I3−I5であるLPF
30に流れる電流I4は、図4(G)に示すようにほぼ
正弦波となる。したがって、LPF30は図4(H)に
示すように、図4(B)に示すジャイレータ28からの
信号が図4(A)に示す信号より90°位相が進んでい
るときにはほぼ0の制御電圧を出力する。
【0032】 図4(B)に示すジャイレータ28か
らの信号が図4(A)に示す信号より90°位相が遅れ
ている場合、図4(A)の信号の前半周期の前半ではト
ランジスタQ12およびQ14がオンし、後半ではトラ
ンジスタQ9およびQ13がオンする。また、図4
(A)の信号の後半周期の前半ではトランジスタQ10
およびQ13がオンし、後半ではトランジスタQ11お
よびQ14がオンする。したがって、出力Cにおける電
圧は図4(C)に示すように各半周期の後半にのみ負方
向電圧となり、出力Dにおける電圧は図4(D)に示す
ように各半周期の前半にのみ負方向電圧として出現す
る。したがって、トランジスタQ15を流れる電流I2
(すなわちI5)は図4(E)に示すように各半周期の
後半にのみ正方向に流れ、トランジスタQ16を流れる
電流I3は図4(F)に示すように各半周期の前半にの
み正方向に流れる。そのため、I3−I5であるLPF
30に流れる電流I4は、図4(G)に示すようにほぼ
正弦波となる。したがって、LPF30は図4(H)に
示すように、図4(B)に示すジャイレータ28からの
信号が図4(A)に示す信号より90°位相が遅れてい
るときにはほぼ0の制御電圧を出力する。
【0033】このようにして、位相比較器32に入力さ
れる2つの信号の位相差が90°のときは、LPF30
からはほぼ0の制御電圧が出力される。2つの信号の位
相差が90°からずれている場合には、そのずれ量に応
じて正または負の制御電圧がLPF30から出力され
る。このLPF30からの制御電圧に応じてジャイレー
タ26および28のインダクタンス値が調整される。な
お、図1の実施例では、位相比較器32に入力される2
つの信号のうち、図4(B)に示すジャイレータ28か
らの信号が図4(A)に示す信号より90°位相が進ん
でいるときを基準とし、それからのずれ量に応じた制御
信号がLPF30から出力される。
【0034】この実施例によれば、ジャイレータ28
(図2)のB点から得られる信号(90°移相出力)
を、位相検波のため位相比較器32に直接与えることに
よって、従来では必要であった90°移相回路が不要と
なる。これによって、Y/C分離回路10の素子数およ
び容量を削減できる。したがって、IC化した場合のチ
ップ面積を減少させることができる。
【0035】また、ジャイレータ26および28とし
て、図5に示す回路を用いることもできる。図5に示す
回路は、帰還型の積分回路68および差動増幅回路70
を含み、端子72から入力信号Viが与えられる。そし
て、この入力信号Viが、エミッタフォロワを構成する
トランジスタQ17を通して、積分回路68の入力端子
であるトランジスタQ18のベースに入力される。トラ
ンジスタQ18はトランジスタQ19とともに差動対7
4を構成し、この差動対74の出力が、トランジスタQ
19のコレクタからトランジスタQ20のエミッタに出
力される。このトランジスタQ20のエミッタには、積
分用のコンデンサC2と抵抗R5との直列回路が接続さ
れる。そして、差動対74の出力すなわちトランジスタ
Q20のエミッタが差動増幅回路70のトランジスタQ
21のベースに接続され、このトランジスタQ21とと
もに差動対76を構成するトランジスタQ22のベース
がトランジスタQ17の出力に接続される。
【0036】そして、差動増幅回路70のトランジスタ
Q21には可変電流源78によって電流が供給される。
そして、トランジスタQ21から出力される電流I6
が、帰還経路80を介してトランジスタQ17のベース
すなわち入力信号Viに帰還される。また、差動増幅回
路70と同様の差動増幅回路82が設けられる。差動対
74の出力すなわちトランジスタQ20のエミッタが差
動増幅回路82のトランジスタQ23のベースに接続さ
れ、このトランジスタQ23とともに差動対84を構成
するトランジスタQ24のベースがトランジスタQ17
の出力に接続される。そして、帰還増幅回路82のトラ
ンジスタQ23には可変電流源86から電流が供給され
る。そして、トランジスタQ23から出力される電流I
7(=I6)が、抵抗R6と直流電源88との直列回路
を含む電流−電圧変換回路90に与えられ、電流I7を
電圧に変換した電圧信号Vxが得られる。なお、図5の
回路において、92,94,96および98は定電流源
(直列電流源)であり、100および102は可変電流
源であり、104はバイアス電源(直列電圧源)であ
る。また、差動対76および84のそれぞれの微分抵抗
をreとする。
【0037】図5に示す回路において、トランジスタQ
20のエミッタに表れる積分回路68の出力信号Voは
数7で与えられる。
【0038】
【数7】
【0039】また、差動増幅回路70の差動対76の一
方入力にはその積分回路68の出力信号Voが与えら
れ、他方入力には入力信号Viが与えられる。したがっ
て、このとき帰還経路80を流れる電流I6は、数8で
示される。
【0040】
【数8】
【0041】ここで、L=C2・R5・2reとする
と、数8は数9となる。
【0042】
【数9】
【0043】数9より、電流I6は、入力信号Viに対
して位相が90°遅れていることがわかる。ここで、入
力信号Viに対して位相が90°ずれた信号を得るに
は、電流I6と等しい電流を別個に取り出し、その電流
を電圧に変換してやればよい。すなわち、図5に示すよ
うに、差動増幅回路82を別個に設けて、電流I6と等
しい電流I7を取り出し、電流−電圧変換回路90によ
って電圧信号Vxに変換する。すると、電圧信号Vxと
電流I7とは同相なので、電圧信号Vxは入力信号Vi
に対して位相が90°遅れた90°移相出力となる。し
たがって、入力信号Viに対して位相が90°遅れた電
圧信号Vxを、図5に示す回路から取り出せる。したが
って、ジャイレータ28として図5に示す回路を用い、
電圧信号Vxを位相比較器32に直接与えれば、上述の
実施例と同様に処理でき、従来のように90°移相回路
を用いる必要はない。なお、図5の端子72が図1のA
点に相当する。
【0044】図6に、他の実施例のフィルタ調整回路1
06を示す。フィルタ調整回路106は、フィードバッ
系を構成し、たとえばBPF108の位相を調整する
ものである。BPF108は、抵抗R7,コンデンサC
3およびジャイレータ110を含む。フィルタ調整回路
106は、抵抗R8,コンデンサC4およびジャイレー
タ112を含むBPF114を含む。フィルタ調整回路
106は、さらにLPF30および位相比較器32を含
む。ジャイレータ110および112には、たとえば図
2に示す回路が用いられ得る。ジャイレータ110とし
て図2の回路を用いるときには、図2の端子39がジャ
イレータ110のE点に相当し、ジャイレータ112と
して図2の回路を用いるときには、図2の端子39がジ
ャイレータ112のF点に相当する。そして、ジャイレ
ータ112の途中から取り出される信号は、図2に示す
回路のB点から取り出される信号であり、この信号が位
相比較器32に直接与えられる。したがって、位相比較
器32には、BPF114に与えられる入力信号とジャ
イレータ112の途中から取り出される信号とが与えら
れ、位相比較器32からは、両信号が90°の位相差の
ときを基準として、両信号の位相差の90°からのずれ
量に応じて誤差信号をLPF30に与える。したがっ
て、LPF30からは、誤差信号に応じて制御信号が出
力され、その制御電圧がジャイレータ110および11
2に与えられる(図4参照)。
【0045】ここで、BPF108の減衰量は、周波数
f0=f1のときにほぼ0とする。この周波数f0=f
1の信号が入力端子116からBPF108に与えられ
たときに、BPF108の入出力の位相差を0°として
出力端子118からその信号を出力できるように、フィ
ルタ調整回路106によって調整する。このとき、少な
くともBPF108のコンデンサC3の容量とBPF1
14のコンデンサC4の容量とを等しくしておく。そし
て、BPF114の入力端120から周波数f0=f1
の信号を与え、位相比較器32に与えられる2つの信号
の位相差が常に90°になる(この場合ジャイレータ1
12からの信号の方が90°遅れる)ようにBPF11
4内のジャイレータ112の値を制御する。これによっ
て、BPF114に周波数f0=f1の信号が与えられ
たとき、BPF114の入出力の位相差を0°に保ち、
その信号を出力する。このように、従来とは異なり、9
0°移相回路を用いることなくフィルタ調整が可能とな
る。
【0046】また、図7に示すように、図6のBPF1
08の他にトラップ122の位相を調整することもでき
る。トラップ122は、抵抗R9,コンデンサC5およ
びジャイレータ110を含む。トラップ122のジャイ
レータ110に、フィルタ調整回路106のLPF30
からの制御電圧を与えることによって、トラップ122
の位相を調整できる。すなわち、トラップ122の減衰
量は、周波数f0=f1のときにピークとすると、この
周波数f0=f1の信号が入力端子124から与えられ
たとき、トラップ122の入出力の位相差を0°として
出力端子126からその信号を出力できるようになる。
この場合も、90°移相回路を用いる必要はない。な
お、BPF114のコンデンサC4の容量とトラップ1
22のコンデンサC5の容量とが等しければ、フィルタ
調整回路106の端子120から周波数f0=f1の信
号を入力すればよい。
【0047】また、図6および図7に示す実施例におい
て、C3≠C4の場合、C4≠C5の場合でも、フィル
タ調整回路106によってBPF108およびトラップ
120の調整を行えることはいうまでもない。さらに、
フィルタ調整回路106によって位相が調整されるフィ
ルタとしては、上述のものに限定されず、オールパスフ
ィルタやローパスフィルタなど様々なフィルタの位相が
フィルタ調整回路106によって調整され得る。
【0048】さらに図8に示すように、フィルタ調整回
路106のBPF114自体をフィルタとして用い、B
PF114の位相を調整する場合にも、この発明を適用
し得る。この場合にも90°移相回路を用いる必要はな
い。なお、図6ないし図8に示す各実施例において、ジ
ャイレータ110および112として図5の回路を用い
ることができる。ジャイレータ112に図5に示す回路
を用いる場合、位相比較器32に直接与えられる信号は
電圧信号Vxである。
【0049】このように、図6ないし図8に示すフィル
タ調整回路106では、従来とは異なり90°移相回路
を削除することができる。なお、この発明は、90°の
位相差を利用して処理するあらゆる回路に用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のY/C分離回路を示すブ
ロック図である。
【図2】ジャイレータの一例を示す回路図である。
【図3】位相比較器およびLPFの一例を示す回路図で
ある。
【図4】位相比較器およびLPFの動作を示す波形図で
ある。
【図5】ジャイレータの他の例を示す回路図である。
【図6】BPFを調整するフィルタ調整回路を示す回路
図である。
【図7】トラップを調整するフィルタ調整回路を示す回
路図である。
【図8】フィルタ調整回路を示す回路図である。
【図9】従来のY/C分離回路を示すブロック図であ
る。
【図10】従来のフィルタ調整回路を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
10 …Y/C分離回路 26,28,110,112 …ジャイレータ 30 …LPF 32 …位相比較器 34,36,70,82 …差動増幅回路 38,40,74,76,84 …差動対 106 …フィルタ調整回路 108,114 …BPF 122 …トラップ Q1〜Q24 …トランジスタ C,C1〜C5 …コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−339152(JP,A) 特開 昭60−126908(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/16 H03H 11/04 H03H 11/08 H04N 9/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジャイレータを含み入力信号が与えられる
    フィルタ、および前記フィルタ内の特定箇所からの信号
    と前記入力信号とのそれぞれの位相を比較して前記フィ
    ルタを調整する信号を出力する位相比較手段を備えるフ
    ィルタ調整回路であって、 前記ジャイレータは、 前記入力信号が与えられる入力端子に接続される第1入
    力および交流的にアースされた直流電源に接続される第
    2入力を含む第1の差動増幅回路、 前記第1の差動増幅回路の出力に接続される第3入力お
    よび交流的にアースされた直流電源に接続される第4入
    力を含む第2の差動増幅回路、 前記第2の差動増幅回路の出力を前記第1入力に接続す
    る帰還経路、および前記第1の差動増幅回路の出力と交
    流的アースとの間に介挿されるコンデンサを含み、 前記位相比較手段に与える出力信号として、前記ジャイ
    レータの第3入力に与えられる信号を用いる、フィルタ
    調整回路。
  2. 【請求項2】ジャイレータを含み入力信号が与えられる
    フィルタ、および前記フィルタ内の特定箇所からの信号
    と前記入力信号とのそれぞれの位相を比較して前記フィ
    ルタを調整する信号を出力する位相比較手段を備えるフ
    ィルタ調整回路であって、 前記ジャイレータは、 前記入力信号を積分する積分回路、 前記積分回路の出力信号と前記入力信号との差分を検出
    するための第1の差動増幅回路、 前記第1の差動増幅回路によって検出した前記差分の信
    号を前記入力信号に帰還する帰還経路、 前記第1の差動増幅回路に電流を供給する第1の可変電
    流源、 前記積分回路の出力信号と前記入力信号との差分を検出
    するための第2の差動増幅回路、 前記第2の差動増幅回路に電流を供給する第2の可変電
    流源、および前記第2の差動増幅回路によって検出した
    前記差分の信号を電流−電圧変換して電圧信号を得る変
    換手段を含み、 前記位相比較手段に与える出力信号として、前記電圧信
    号を用いる、フィルタ調整回路。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のフィルタ調整回路
    を用いた、Y/C分離回路。
  4. 【請求項4】前記フィルタはバンドパスフィルタであ
    る、請求項1または2記載のフィルタ調整回路。
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