JP3028498U - サイドインパクトエアバッグを有する自動車輌とそのシート用アームレスト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アームレストを具備した搭乗者用シートを有
する自動車輌に有効に機能を発揮出来るサイドインパク
トエアバッグシステムを装備させること。 【解決手段】 サイドインパクトエアバッグ（４０）が
車輌側の近傍にあるアームレスト（１４）に収納され、
その膨張時にシート（１０）と車輌側の間の空間にアー
ムレストのスキン（２４）に配設された引裂ライン（３
２，３４）の破裂によって展開されるようになってい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は自動車用エアバッグ拘束（留）システムに関する。具体的には、本考 案はバンやそれに類似の自動車輌に対し特に企図されているサイドインパクトエ アバッグ拘束システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

前面衝突の際に自動車の乗員を拘束するための膨張可能装置は周知である。こ れらは「エアバッグ」として一般に知られていて、衝突に応答して迅速に膨張さ せられる。膨張したエアバッグは緩衝拘束（留）作用を付与して、乗員のステア リングホイール、インストルメントパネル或いはウインドシールとの有害な接触 を阻止する。 このような設備は前面衝突において非常に有用なものであるが、側面衝撃（サ イドインパクト）をもたらす衝突に対しては殆んど役に立たない。サイドインパ クトにあっては、搭乗者はドア、ウインドウ或いは車輌内の側面を形成するその 他の要素との有害な接触にさらされる可能性がある。

【０００３】 サイドインパクトによって生じたエネルギーを吸収するエアバッグの利用がこ れまで提案されている。これらの提案の事例はオルソン(Olson）他の米国特許第 ５，３２４，０７２号とその特許に引用されている先行技術に見られる。本質的 には、これらの提案は車輌のドアの内部に設置されたエアバッグに係るものであ る。これらの設備は実に有効なものである。しかし、１つのクラスの車輌ではこ れらの設備は有効性に乏しいものである。それは、代表的にはドライバと前席搭 乗者（添乗者）のシート（座席）がその背を一体化しているアームレスト（肘掛 け）を有している斯ゝる有蓋運搬車のバン（Ｖａｎ）等の「キャプテンの椅子」 式座席を有している車輌である。代表的には、この種のアームレストはアームレ ストとして使用するための水平位置と車輌の邪魔にならない出入口を可能にする 垂直位置との間で回動可能になっている。アームレストはドアが開いたときに、 手動で或いは自動的に回動させることが出来る。

【０００４】 このタイプの車輌では、ドア、β−ピラー（β−ｐｉｌｌｅｒ）或いはシート バックに装着されたサイドエアバッグはアームレストとは不利に相互作用する可 能性がある。これは少なくとも部分的には、アームレストの場所が即座に確かめ られないという事実による。この場所は走行中のために通常の立上位置にあるか 、或いは車輌に出入するための降下位置にあり得る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は上記問題のある車輌においてもサイドインパクト衝突の際に既 知の膨張特性を有効に発揮するエアバッグ設備を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、一体化したアームレストを有するシートの当該アームレスト の内部にエアバッグモジュールが配設される。

【０００７】

【実施例】

図１−３は枢軸回転可能に装着されているアームレスト（肘掛け）１４が一体 化されているシートバッグ（座背部）１２を有する乗員サイドシート（添乗者用 ）を示している。アームレスト１４は常態におけるハイウエイ走行用の図１，２ に示す通りの水平（立上）位置と邪魔にならない人の車輌出入を可能にする図３ に示す通りの降下位置との間で枢軸回転することが出来る。本考案によれば、エ アバッグモジュールはアームレストに組込まれている。図５−７に示すように、 このアームレストは車輌の１側に隣接したシート（座席）１０に付設されている 実質的にボックス形のハウジングであり得るものであって、これはピボット２０ から延在するアーム１８に装着されたチアンネル１６等の内部支持構造を含む。 ピボット２０をシートバックに付設する機構は従来通りであり、従って図示され ていない。ピボットはモータ駆動式或いはその方式の機械的手段を含み、この手 段によって添乗者、ドライバ等の乗員が着座してそしてエアバッグが適正に展開 されるように車輌のドアを閉めたときにアームレストが適正な位置に配位してい るようにすることが出来る。アームレスト１４がモータ駆動される場合には、こ れはシートバック内に収納されているモータＭによって駆動することにより出入 位置と水平位置の間で回転するようにすることが出来る。適宜の駆動回路はこの 後に説明される。アームレスト１４は従来式の発泡体パッドを含み、ビニル等の 薄い表皮（スキン）２４によって覆われる。

【０００８】 エアバッグモジュールはアームレスト１４の中に収納されていて、樋形の反応 キャニスタ２６を含んで成る。このキャニスタはネジ切りスタッド２８とナット ３０によってアームレストの１側に沿って延在しているアーム１８に取付けられ ている。樋のアーム１８に対し反対側がアームレストの他側に隣接した開口（マ ウス）を形成している。図６に示すように、アームレストのスキン（表皮）２４ は樋の開口を覆っているが、これは引裂きライン３２，３４を含む。引裂きライ ンはスキン２４の概して肉薄化された局部であって、これはエアバッグの膨張で 破裂し、それによって開口を形成する。これらのラインを見る者にとって見える ものであってもよいし、見えないものであってもよい。円筒形のインフレータ３ ６は反応キャニスタ２６の中に収納されており、これは衝撃によって起動された ときにその中の折り畳みエアバッグを膨張させるようにキャニスタに連結されて いる。インフレータ、イグニッタ及びクラッシュセンサの詳細は従来式のもので あって、当業者に周知のものであるので、こゝで更には言及しない。

【０００９】 充分に大きな衝撃が発生したとき、インフレータ３６は従来通りに作動する。 エアバッグ４０は膨張して、引裂きライン３２，３４を破裂させ、それによって シート１０とドア３８或いは車輌サイドパネルやピラー（ｐｉｌｌａｒ）との間 の空間に逃げ出す。アームレストが図１，２に示すようにその立上り位置にある ならば、エアバッグは乗員に対し最適の保護を提供する。しかし、アームレスト が図３に示すように降下位置にあるとしても、エアバッグ４０は引続いて保護を 提供する。従って、本考案によれば、アームレストはエアバッグ機能に対し阻害 を生せしめないだけでなく、エアバッグを適正に位置付けるように作用する。

【００１０】 特定のエアバッグ設備にあっては、エアバッグをアームレスト１４と乗員の身 体の間で膨張させることが望まれる可能性がある。その場合には、アームレスト の内部構造はエアバッグがアームレストのピボット側から出現するように図５に 示すものとは反対の構造にすることが出来る。このような逆の構造ではエアバッ グ４０は図４に１点鎖線で示すように配位させられる。

【００１１】 上述の説明の通り、アームレストはモータＭによって、例えばドアが開くとき 或いはイグニッションスイッチがオンに入るときに、自動的に回動するように駆 動させることが出る。図８にはこの種の機構の回路例が図示されている。この回 路はドアが開くときに室内燈（ドームライト）４４を常態では点燈させるドアス イッチ４２を採用している。リレーのコイル４６はこの室内燈を横切るように接 続されている。リレーは常態で閉じている１対のコンタクト（接点）４６１，４ ６２と常態で開いている１対のコンタクト４６３，４６４を含む。上限リミット スイッチＵＬＳと下限リミットスイッチＬＬＳはアームレスト１４がその降下位 置と立上位置に交互に配位するときに、開くように接続されている。アームレス トが最初に立上位置、即ち走行位置にあるとすれば、上限リミットスイッチＵＬ Ｓが閉じられる。しかし、ドアスイッチ４２は室内燈４４とリレーコイル４６の いづれにも電圧が印加されず、そしてモータＭに通じる回路が切れるように開か れる。

【００１２】 ドアが開いたとき、ドアスイッチ４２は閉じて、室内燈４４とリレーコイル４ ６の両者に通電する。常態で閉じているコンタクト４６１，４６２は開き、そし て常態で開いているコンタクト４６３，４６４が閉じ、それによって下限リミッ トスイッチＬＬＳとモータＭに通じた回路が完成する。モータは回転して、下限 リミットスイッチＬＬＳが開いて回路を破るに至るまで、アームレスト１４を下 限位置へ駆動する。それと同時に上限リミットスイッチＵＬＳは閉じる。

【００１３】 ドアが閉じたとき、スイッチ４２は開き、リレーコイル４６に電気が通じない 。リレーコンタクトは図示の位置に復帰し、モータＭにコンタクト４６１，４６ ２と上限リミットスイッチＵＬＳを通じて反対方向に通電させる。それでモータ は上限リミットスイッチが再び開くまでアームレスト１４を上昇させる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案によれば、肘掛けであるアームレストを車輌側の近傍に具備した搭乗者 用シートを有する車輌において、サイドエアバッグによる乗員保護が邪魔されず に、サイドエアバッグが有効にその本来の保護機能を発揮することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の走行時の位置に立上っているアームレス
トを有する乗員シートの側面図であり、図中には仮想線
で膨張したエアバッグが表示されている。

【図２】図１のシートの正面図であり、図には車輌のサ
イドドアが加入表示されている。

【図３】図１に類似の側面図であって、降下位置にある
アームレストを示している。

【図４】図２に類似の正面図であって、エアバッグを別
の位置にある状態で示している。

【図５】本考案に係るアームレストの１部切欠き平面
（頂面）図であり、切欠き個所から内部構造を示してい
る。

【図６】図５のアームレストの側面図である。

【図７】図５の線７−７に実質的に沿った断面図であ
る。

【図８】アームレストを自動的に回動させる手段を示す
回路のダイヤグラムである。

【符号の説明】

１０…サイドシート １２…シートバック １４…アームレスト １６…チアンネル １８…アーム ２０…ピボット Ｍ…モータ ２２…パッド ２４…スキン ２６…反応キャニスタ ２８…ネジスタッド ３０…ナット ３２，３４…引裂きライン ３６…インフレータ ３８…ドア ４０…エアバッグ ４２…ドアスイッチ ４４…ドームライト ４６…リレーコイル ４６１，４６２…接点（コンタクト） ４６３，４６４…接点（コンタクト） ＬＬＳ…下限リミットスイッチ ＵＬＳ…上限リミットスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ブラッドレー ダブリュ．スミス アメリカ合衆国，ユタ 84401，オグデン, ウェスト 3740 サウス 2550 (72)考案者 ジェイ．カーク ストーレー アメリカ合衆国，ユタ 84025，ファーミ ントン，ノース 1365 ウェスト 1670 (72)考案者 エス．マーク バンカー アメリカ合衆国，ユタ 84414，オグデン, ノース マウンテン ロード 2511 (72)考案者 ブレント ケー．オルソン アメリカ合衆国，ユタ 84015，クリアー フィールド，ウェスト 1042 サウス 25 (72)考案者 エル．ジョン ピエロッティ アメリカ合衆国，ユタ 84317，ハンツビ ル，イースト 6775 ノース 200 (72)考案者 デビッド ジェイ．グリーン アメリカ合衆国，ユタ 84302，ブリガム シティ，ウェスト 632 ノース 300 (72)考案者 アンドリュー ジー．ウェソロースキ アメリカ合衆国，ミシガン 48430−2205, フェントン，ウェスト ハイ ストリート 209

Claims (17)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車等の車輌の１側の近傍に配位する
   一体的に設けられたアームレストを具備するシートを有
   する形式の自動車輌において、サイドインパクトエアバ
   ッグを有する車輌としてこのエアバッグを収納したモジ
   ュールが該アームレストの内部に装着されており；そし
   てエアバッグが膨張するときに該シートに着座している
   搭乗者と該車輌側との間にエアバッグを展開させるため
   の手段が該アームレストに配設されていることを特徴と
   するサイドインパクトエアバッグを有する自動車輌。
2. 【請求項２】 該展開手段がアームレストの１面に配設
   された引裂きラインであって、当該引裂きラインを該エ
   アバッグによってその膨張時に破裂させるようにした、
   請求項１に記載の自動車輌。
3. 【請求項３】 該展開手段が車輌の１側に対面したアー
   ムレストの面に配設されている引裂きラインを含んで成
   る、請求項２に記載の自動車輌。
4. 【請求項４】 該エアバッグモジュールは該エアバッグ
   を未膨張状態で包囲している反応キャニスタとインフレ
   ータとを含んで成る、請求項３に記載の自動車輌。
5. 【請求項５】 該アームレストはその走行位置とその車
   輌出入位置との間で該シートに対し相対的に回動可能で
   ある、請求項１に記載の自動車輌。
6. 【請求項６】 該アームレスト回動が車輌の電気系統を
   通じて自動的に起動される、請求項５に記載の自動車
   輌。
7. 【請求項７】 該展開手段が該アームレストの１面に配
   設された引裂きラインを含んで成り、当該引裂きライン
   を該エアバッグによりその膨張時に破裂させるようにし
   た、請求項４に記載の自動車輌。
8. 【請求項８】 該展開手段が車輌の１側に対面する該ア
   ームレストの側に配設された引裂きラインを含んで成
   る、請求項４に記載の自動車輌。
9. 【請求項９】 該エアバッグモジュールが該エアバッグ
   をその未膨張状態で包囲する反応キャニスタとインフレ
   ータとを含む、請求項８に記載の自動車輌。
10. 【請求項１０】 該展開手段が該エアバッグを該アーム
    レストと該車輌側の間の空間に展開させる手段である、
    請求項１に記載の自動車輌。
11. 【請求項１１】 該展開手段が該アームレストと該シー
    トに着座した搭乗者の間の空間に該エアバッグを展開さ
    せる手段である、請求項１に記載の自動車輌。
12. 【請求項１２】 自動車等の自動車輌で使用されるシー
    ト用のアームレストとして、車輌の１側の近傍の車輌シ
    ートに付設可能な実質的にボックス形のハウジングと、
    該シートと該車輌側の間の空間にエアバッグの膨張時に
    展開可能な斯ゝるサイドインパクトエアバッグを含む該
    ハウジング間に装着されたエアバッグモジュールとを含
    んで構成された自動車輌用のアームレスト。
13. 【請求項１３】 該ハウジングが該エアバッグによりそ
    の膨張時に破裂可能な引裂きラインを規定する１面を含
    む、請求項１２に記載のアームレスト。
14. 【請求項１４】 該引裂きラインが車輌の１側に対面す
    る該ハウジングの面に配位している、請求項１３に記載
    のアームレスト。
15. 【請求項１５】 該ハウジングが該シートに枢軸回動可
    能に付設可能なものである、請求項１２に記載のアーム
    レスト。
16. 【請求項１６】 該ハウジングが該シートに枢軸回動可
    能に付設可能なものである、請求項１４に記載のアーム
    レスト。
17. 【請求項１７】 該エアバッグモジュールが該エアバッ
    グをその未膨張状態で包囲している反応キャニスタとイ
    ンフレータとを含んで成る、請求項１２に記載のアーム
    レスト。