JP3028179B2 - 電線路における双方向保護継電方式及び双方向保護距離継電器 - Google Patents

電線路における双方向保護継電方式及び双方向保護距離継電器

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JP3028179B2
JP3028179B2 JP6195851A JP19585194A JP3028179B2 JP 3028179 B2 JP3028179 B2 JP 3028179B2 JP 6195851 A JP6195851 A JP 6195851A JP 19585194 A JP19585194 A JP 19585194A JP 3028179 B2 JP3028179 B2 JP 3028179B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、電力系統の電線路における双方
向保護継電方式及び双方向保護距離継電器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電力系統の電線路や機器類の保護
のために各種の保護継電器が利用され、電線路の任意地
点に短絡、接地、断線等の故障が発生した時には、故障
電流や異常電圧を保護継電器で感知して開閉器を敏速に
開路させ、電線路の負荷側や機器類を保護している。
【0002】例えば、図5に示す様に、電線路として、
幹線から負荷の分布に応じて枝状に配電線が分岐された
樹枝式電線路が、負荷需用の増加に対応でき、保守点検
も容易であるために多用されている。この樹枝式電線路
の故障保護においては、AB間のF1地点において接地
事故があった場合は、A点に近い位置に設置され、A点
からB点へ向かう様に電線路を監視している距離継電器
ZaがF1の故障を感知して動作し、該距離継電器Za
に連係された開閉器CB1を開路させ、A点以下の電線
路を停電させて保護している。
【0003】また、BD間でのF2地点において接地事
故があった場合には、B点に近い位置で、B点からD点
へ向かう様に電線路を監視している距離継電器ZbがF
2の故障を感知して動作し、連係された開閉器CB2を
開路してB点からD点へ向かう電線路を停電させてい
る。
【0004】しかし、前記F2の故障時に、或る時限を
おいて、なお開閉器CB2、CB3が開路されずに故障
が継続しているときには、F2の事故に対して距離継電
器Zaが動作して開閉器CB1を開路する。この様に、
前記F1、F2の事故を距離継電器Za、Zbで直接遮
断する動作を主保護と呼び、また、F2の事故を主保護
すべき距離継電器Zbで遮断できずに、一定時限を経過
した後に距離継電器Zaで遮断する動作を後備保護と呼
んでいる。
【0005】また、図6に示す様に、一つの電線路のA
B間における故障は距離継電器ZaでA点からB点に向
かう様な一方向を監視しながら遮断され、次のBC間に
おいては、距離継電器ZbでB点からC点に向けて監視
しながら、更にCD間は距離継電器Zcで監視し、それ
ぞれの電線路の各区間を専用の距離継電器で監視しなが
ら保護している。
【0006】しかしながら、距離継電器では、変成器や
変流器の変成比誤差、継電器の測定誤差、或は電線路の
各距離継電器の相互の保護範囲の見誤り、混同を防止す
るために、距離継電器Zaは、AB間の80%以内を主
保護として第1段保護範囲H1が設定され、以下第2段
保護範囲H2、第3段保護範囲H3としてステップ状に
継電器の動作時間を長くして他の区間の後備保護の機能
をはたし、以下同様に、各距離継電器Zb、Zcでも保
護方向のリアクタンスによってステップ状の動作時限協
調をとっているものである。
【0007】また、前記距離継電器を的確に動作させる
ために、距離継電器の位相特性図に左右ブラインダ要素
を設け、故障発生時に測定した負荷インピーダンスを位
相特性図の左右ブラインダ要素と対応させながら判定、
演算処理し、誤動作を防止しながら電線路の保護を図っ
ているものである。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、前記
樹枝式電線路の距離継電器において、AB間の80%以
内は主保護として第1段保護範囲H1に含まれるが、残
された20%は後備保護として第2保護範囲H2に含ま
れることとなって故障時の動作時間が遅れ易く、かつ、
電源に近いAB間が故障で遮断されると停電範囲が後続
のBC、CD間へ拡大されて広範囲が停電する。また、
前記各継電器Za、Zb、Zcごとに、一つの保護方向
のリアクタンスによってステップ状の動作時限協調をと
るために、各距離継電器ごとに個別の整定値を設けなけ
ればならず、保守点検業務が複雑となり、設備経費も割
高になる。また、前記従来の位相特性図において、ブラ
インダ要素は抵抗軸やリアクタンス軸に対して対称に設
定されていないため、コンピュータに入力して故障情報
と対応させながら判定、演算処理するのに手数を要し、
距離継電器を動作させるための判断の検出能力が低い等
の問題があった。
【0009】本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、距離継電器の設置点を中心
として電線路の双方向に発生する故障を判定し、敏速に
応動できて動作時間の遅れがなく、故障による停電範囲
を最小限の範囲に止めることができ、同一規格の各距離
継電器で動作時限協調をとりながら電線路保護のための
設備経費の節減、保守点検業務の簡略化等を達成できる
電線路における双方向保護継電方式及び双方向保護距離
継電器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、電線路12に介設され、同電線路12の
電圧及び電流を導入して測定した抵抗値及びリアクタン
ス値に応動する要素を有した距離継電器14を備え、前
記電線路12の任意地点に故障が発生した時に、前記距
離継電器14で測定したリアクタンス値の正負符号を故
障点16の方向を判定する方向判定要素とし、測定リア
クタンス値に比例した時間で距離継電器14を動作させ
ることにより同一電線路内に設置されている各距離継電
器の動作時限協調を行うことを特徴として成る電線路に
おける双方向保護継電方式10から構成される。
【0011】また、前記距離継電器14は、電線路12
系統内の各開閉器38に並設され、前記電線路12の任
意地点に故障が発生した時に、故障点16から双方向に
最短距離に配置されている距離継電器14で故障を感知
して並設された開閉器38を動作させ、電線路12系統
内の停電範囲を最小限の範囲に止めることを特徴として
成ることとしてもよい。
【0012】また、前記距離継電器12は、測定した負
荷インピーダンスで誤動作するのを防止するためのブラ
インダ要素判定手段50を備え、前記ブラインダ要素判
定手段50は、前記電線路12の設備負荷容量を基準に
して、双方向に有効なブラインダ要素56、58の特性
が、抵抗−リアクタンス図48においてリアクタンス軸
54及び抵抗軸52に対して各々対称となることを特徴
として成ることとしてもよい。
【0013】また、前記電線路12は、ループ状に配電
されて成ることとしてもよい。
【0014】次に、電線路12に介設され、同電線路1
2の電圧及び電流を導入して測定した抵抗値及びリアク
タンス値とに応動する要素を備えた距離継電器におい
て、前記電線路12の任意地点に故障が発生した時に、
測定したリアクタンス値の正負符号で故障点16の方向
を判定する方向判定要素と、測定したリアクタンス値に
比例した時間で距離継電器を動作させることにより同一
電線路12内に設置されている各継電器の動作時限協調
を行う要素と、を備えたことを特徴として成る双方向保
護距離継電器14から構成される。
【0015】また、前記距離継電器14は、電線路12
系統内の各開閉器に並設され、前記電線路12の任意地
点に故障が発生した時に、故障点16から双方向に最短
距離に配置されている距離継電器14で故障を感知して
並設された開閉器38を動作させ、電線路12系統内の
停電範囲を最小限の範囲に止めることを特徴として成る
こととしてもよい。
【0016】また、前記距離継電器14は、測定した負
荷インピーダンスで誤動作するのを防止するためのブラ
インダ要素判定手段50を備え、前記ブラインダ要素判
定手段50は、前記電線路12の設備負荷容量を基準に
して、双方向に有効なブラインド要素56、58の特性
が、抵抗−リアクタンス図48においてリアクタンス軸
54及び抵抗軸52に対して各々対称であることを特徴
として成ることとしてもよい。
【0017】
【作用】本発明に係る電線路における双方向保護継電方
式及び双方向保護距離継電器においては、電線路に設置
した各開閉器に双方向保護距離継電器を併設して監視し
ながら電線路を保護するものである。前記双方向保護距
離継電器は、故障発生時に測定したリアクタンス値の正
負の符号により距離継電器の設置点を中心として、例え
ば前方側の電線路または後方側の電線路に発生したかを
簡易に判定できる。前記測定したリアクタンス値を動作
式に用いながら各距離継電器の動作時限を協調させて故
障点に近い最短距離の距離継電器を敏速に動作させ、電
線路系統内の停電範囲を最小限の範囲に止めて故障点の
確認、復旧を敏速にできる。また、各距離継電器は、同
一規格のものを用いて整定値を同一に設定しながら電線
路を保護できるため、電線路保護のための設備経費の節
減、保守点検業務の簡略化等を達成できる。更に、前記
距離継電器の位相特性図において、ブラインダ要素判定
手段は、抵抗−リアクタンス図の抵抗軸及びリアクタン
ス軸に対して各々対称な動作判定直線から成り、前記判
定手段をマイクロコンピュータ内に簡易に設定しながら
故障データの判定、演算を敏速に処理し、演算処理に要
する負担を軽減できる。
【0018】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実
施例を説明する。図1、図2には、本発明の実施例に係
る電線路における双方向保護継電方式10が示されてい
る。図より明らかな様に、前記電線路における双方向保
護継電方式10は、電線路12に介設され、同電線路1
2の電圧及び電流を導入して測定した抵抗値R及びリア
クタンス値Xに応動する要素を有した距離継電器14を
備え、前記電線路12の任意地点に故障16が発生した
時に、前記距離継電器14で測定したリアクタンス値X
の正負符号を故障点16の方向を判定する方向判定要素
とし、前記測定リアクタンス値Xを動作式に用いて同一
電線路12内に設置されている各距離継電器14の動作
時限協調を行うことを特徴として成るものである。
【0019】実施例の距離継電器14は、電線路12に
接続した変成器PTや変流器CTを介して電線路の電圧
V、電流Iを内部に導入し、この電圧V、電流Iの値か
ら距離継電器14が設置された位置から故障点16まで
のインピーダンスZを測定し、故障点16までの電気的
距離に比例した時限で動作するものである。
【0020】図4は、マイクロコンピュータを組込んだ
デジタル型距離継電器14を含むブロック図であり、図
に示す様に、電線路12のアナログの電圧、電流を入力
変換部18へ取り込み、商用周波数成分のみをフィルタ
20でフイルタリングし、これをサンプルホールド回路
22とマルチプレクサ24を介してアナログ/デジタル
変換器26へ入力してデジタル信号に変換する。
【0021】この変換された電圧、電流のデジタル信号
を、ダイレクトメモリアルアクセス28からデータメモ
リ30へ一次的に記憶させ、次に、中央処理部32でデ
ータメモリ30に記憶されている電圧、電流データを、
リードオンリメモリ34に記憶している処理手順に従っ
て距離継電器のデジタル演算処理を行い、動作判定回路
36で開閉器38のトリップコイル40に判定信号を伝
達させ、開閉器38を開閉させる。
【0022】図1には、本発明に係る電線路における双
方向保護継電方式10を実施した電線路12が示されて
いる。この電線路12は、その両端に電源42、42が
接続され、更に電線路12の各地点A、B、C、D等に
介設された各開閉器38ごとに故障点までの抵抗値R、
リアクタンス値Xを演算、判定できるデジタル型距離継
電器14a、14b、14c、14d、14eが設けら
れている。なお、前記電線路12は、両端に電源42が
接続されたものに限ることなく、例えば、幹線から負荷
の分布に応じて枝状に配電線が分岐された樹枝式電線路
や、二つの樹枝式電線路等をループ状に接続したループ
式電線路等を含むものである。
【0023】前記電線路12内に発生した故障点16を
判定する方向判定要素として、図1に示す様に、電線路
12と対応され、各地点におけるデジタル型距離継電器
14の任意の故障点16に対する動作特性図44が示さ
れている。この動作特性図44には、その横軸に各地点
に設置された距離継電器14の相互間の電線路のリアク
タンス値Xと対応して各距離継電器14の設置点がプロ
ットされ、また、その縦軸には、電線路12の任意の位
置に発生した故障を感知して動作する距離継電器14の
動作時限Tが示される。
【0024】そして、電線路12の任意の位置に故障が
発生したときに、各地点の距離継電器14が測定したイ
ンピーダンスZで故障を感知し、この測定したインピー
ダンスZのリアクタンス値Xが、A点からD点に向かう
前方保護方向では正となり、逆にD点からA点に向かう
後方保護方向では負となることを利用し、更に、故障点
に対する各距離継電器14の動作時限Tを確定するた
め、前記リアクタンス値Xの絶対値に比例した値を正負
の勾配とした正の動作線46aと、負の動作線46bと
が横軸の各点に表示されている。
【0025】これにより、例えば、電線路12のB点と
C点との中間で、図に示す様な地絡故障が発生した時に
は、動作特性図44において、電線路12の故障点16
からの垂線と正負の各動作線46a、46bとの交点に
より動作時限Tが自動選択され、故障点16に近いもの
から距離継電器14c、14b、14d、14aの順で
動作する様に整定される。
【0026】そして、距離継電器14c、14bが故障
点16に対して主保護の機能を果たし、距離継電器14
d、14aが後備保護の機能を果しながら、前記故障点
16に対し最短距離にある距離継電器14c、14bで
並設された開閉器38、38が開路され、電線路12系
統内の停電範囲を最小限の範囲に止めることができ、停
電区間における故障点の確認、復旧を敏速にできること
ととなる。
【0027】また、前記各距離継電器14は、設置点を
中心として電線路12の双方向の保護を行なうことがで
き、故障発生時に敏速に応動できて動作時間Tの遅れを
防止できる。また、前記各距離継電器14は、リアクタ
ンス値Xの絶対値に比例した値を正負の勾配とした動作
線46a、46bとで動作時限協調をとればよいため、
各距離継電器14は、同一規格のものを用い、整定値を
同一に設定すればよく、電線路保護のための設備経費の
節減、保守点検業務の簡略化等を達成できる。
【0028】次に、図2には、電源42側の幹線に二つ
の電線路12、12が接続され、一方の電線路12のC
D間と、他方の電線路12のGF間とに開閉器38を接
続して二つの電線路12、12がループ状に周回された
実施例が示されている。
【0029】この実施例においても、BC間に故障が発
生した場合に、故障点16に対して右回りに距離継電器
14aから測定したリアクタンス値Xaは、距離継電器
14bから測定したリアクタンス値Xbより大きくな
り、また、故障点16に対して左回りの各距離継電器1
4c、14e、14gから測定したリアクタンス値X
c、Xe、Xgは、Xg>Xe>Xcとなる。従って、
前記故障点16に対し最短距離にある距離継電器14
b、14cの動作時限が他の距離継電器より短く、この
最短距離の距離継電器14b、14cと連係された開閉
器38、38が開路されてループ式電線路内の停電範囲
を最小限の範囲に止めることができる。
【0030】このループ式電線路においても、前記各距
離継電器14は、設置点を中心として電線路12の双方
向の保護を行うことができ、故障発生時に敏速に応動で
きて動作時間Tの遅れがなく、各距離継電器14は、同
じく同一規格のものを用いて同一整定値に設定しなが
ら、電線路保護のための設備経費の節減、保守点検業務
の簡略化等を達成できる。
【0031】次に、図3の距離継電器の位相特性図(抵
抗−リアクタンス図)48に示す様に、前記各距離継電
器14は、故障発生時に測定した負荷インピーダンスで
誤動作するのを防止するためのブラインダ要素判定手段
50を備えている。前記位相特性図48は、その横軸に
各インピーダンスの抵抗成分を表示する抵抗軸52と、
その縦軸に各インピーダンスのリアクタンス成分を表示
するリアクタンス軸54と、を有している。
【0032】前記ブラインダ要素判定手段50は、電線
路12の最小力率角に故障時の故障抵抗、アーク抵抗、
接地抵抗等に影響される安全角を加味した正負のブライ
ンダ力率角θを勾配として原点0を通過する直線L1、
L2と、前記電線路12の設備負荷容量を基準として電
線路12に流れる最大負荷電流と関係した負荷インピー
ダンスの円形線Wと前記直線L1、L2との交点P1、
P2と交点P3、P4とを結んだ直線L3、L4と、を
有している。
【0033】前記直線L1、L3、L2が連続した右ブ
ラインダ要素56として表示され、また、前記直線L
2、L4、L1が連続した左ブラインダ要素58として
表示される。前記故障発生時に各距離継電器14が測定
した負荷インピーダンスが、前記右ブラインダ要素56
の右側領域内と、左ブラインダ要素58の左側領域内と
に含まれるときは、距離継電器14は不作動域(斜線部
分)に設定され、また、右左ブラインダ要素56、58
の左右中間領域は、距離継電器14の作動域に設定され
る。
【0034】なお、正のリアクタンス軸Xの方向が距離
継電器を中心とした前方保護方向となり、逆に、負のリ
アクタンス軸Xの方向が距離継電器を中心とした後方保
護方向となり、測定した負荷インピーダンスのリアクタ
ンス成分の符号によって故障点16を正確に判定でき、
誤動作を防止できる。そして、前記左右ブラインダ要素
56、58は、前記位相特性図(抵抗−リアクタンス
図)48の抵抗軸52及びリアクタンス軸54に対して
各々対称な動作判定直線から成るため、前記左右ブライ
ンダ要素56、58をマイクロコンピュータ内に簡易に
設定しながら故障データの演算処理、判定等を敏速に処
理でき、演算処理に要する負担を軽減できる。
【0035】上記した様に、本発明に係る電線路におけ
る双方向保護継電方式及び双方向保護距離継電器におい
ては、距離継電器が設置点から双方向の抵抗値やリアク
タンス値の測定機能を備え、これにより、電線路に故障
が発生したときの電線路内の故障点の方向を距離継電器
の設置点を中心として双方向の何れに位置するかを判定
し、連係した開閉器を敏速に動作させ、停電範囲を最小
限の範囲に止めながら、電線路の故障箇所の確認、復旧
を敏速にできる。
【0036】また、同一規格で整定値を同一に設定され
た各距離継電器の相互で動作時限協調をとりながら、電
線路保護のための設備経費の節減、保守点検業務の簡略
化等を達成できる。
【0037】更に、距離継電器の位相特性図において
も、ブラインダ要素を抵抗軸とリアクタンス軸とに対称
な直線状に配置して、故障点の判定、演算処理が早く、
演算の負担を軽減できることとなる。
【0038】
【発明の効果】以上説明した様に、請求項1に係る電線
路における双方向保護継電方式によれば、電線路に介設
され、同電線路の電圧及び電流を導入して測定した抵抗
値及びリアクタンス値に応動する要素を有した距離継電
器を備え、前記電線路の任意地点に故障が発生した時
に、前記距離継電器で測定したリアクタンス値の正負符
号を故障点の方向を判定する方向判定要素とし、測定リ
アクタンス値に比例した時間で距離継電器を動作させる
ことにより同一電線路内に設置されている各距離継電器
の動作時限協調を行うことを特徴として成ることによ
り、電線路内の故障点の方向を距離継電器の設置点を中
心として双方向の何れに位置するかを判定でき、故障発
生時に敏速に動作しながら電線路を保護できる。また、
同一規格、同一整定値に設定された各距離継電器の相互
で動作時限協調をとりながら、電線路保護のための設備
経費の節減、保守点検業務の簡略化等を達成できる。
【0039】また、請求項2によれば、前記距離継電器
は、電線路系統内の各開閉器に並設され、前記電線路の
任意地点に故障が発生した時に、故障点から双方向に最
短距離に配置されている距離継電器で故障を感知して並
設された開閉器を動作させ、電線路系統内の停電範囲を
最小限の範囲に止めることを特徴としてなることによ
り、電線路の故障箇所の確認、復旧を敏速にできる。
【0040】また、請求項3によれば、前記距離継電器
は、測定した負荷インピーダンスで誤動作するのを防止
するためのブラインダ要素判定手段を備え、前記ブライ
ンダ要素判定手段は、前記電線路の設備負荷容量を基準
にして、双方向に有効なブラインダ要素の特性が、抵抗
−リアクタンス図においてリアクタンス軸及び抵抗軸に
対して各々対称となることを特徴として成ることによ
り、ブラインダ要素判定手段を簡易にコンピュータに入
力でき、距離継電器による電線路内の故障点の判定、演
算処理を敏速にでき、演算に要する負担を軽減できる。
【0041】また、請求項4によれば、前記電線路は、
ループ状に配電されて成ることにより、故障が発生した
場合の停電範囲を縮小でき、故障の確認、復旧を敏速に
できる。
【0042】次に、請求項5に係る双方向保護距離継電
器によれば、電線路に介設され、同電線路の電圧及び電
流を導入して測定した抵抗値及びリアクタンス値とに応
動する要素を備えた距離継電器において、前記電線路の
任意地点に故障が発生した時に、測定したリアクタンス
値の正負符号で故障点の方向を判定する方向判定要素
と、測定したリアクタンス値に比例した時間で距離継電
器を動作させることにより同一電線路内に設置されてい
る各継電器の動作時限協調を行う要素と、を備えて成る
ことにより、距離継電器の設置点を中心として双方向の
電線路を監視しながら故障点を敏速に判定して電線路を
保護でき、同時に電線路の各距離継電器の相互で動作時
限協調をとりながら、電線路保護のための設備経費の節
減、保守点検業務の簡略化等を達成できる。
【0043】また、請求項6によれば、前記距離継電器
は、電線路系統内の各開閉器に並設され、前記電線路の
任意地点に故障が発生した時に、故障点から双方向に最
短距離に配置されている距離継電器で故障を感知して並
設された開閉器を動作させ、電線路系統内の停電範囲を
最小限の範囲に止めることを特徴として成ることによ
り、電線路の故障箇所の確認、復旧を敏速にできる。
【0044】また、請求項7によれば、前記距離継電器
は、測定した負荷インピーダンスで誤動作するのを防止
するためのブラインダ要素判定手段を備え、前記ブライ
ンダ要素判定手段は、前記電線路の設備負荷容量を基準
にして、双方向に有効なブラインド要素の特性が、抵抗
−リアクタンス図においてリアクタンス軸及び抵抗軸に
対して各々対称であることを特徴として成ることによ
り、距離継電器による電線路内の故障点の判定、演算処
理を、コンピュータ等と連動させつつ敏速にでき、演算
に要する負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る双方向保護継電方式を備えた電線
路と、電線路に設けた各距離継電器の動作特性図とを示
している。
【図2】ループ式電線路の説明図である。
【図3】左右ブラインダ要素を備えた本発明に係る距離
継電器の位相特性図である。
【図4】マイクロコンピュータを組込んだデジタル型距
離継電器のブロック図である。
【図5】幹線から負荷の分布に応じて枝状に配電線が分
岐された樹枝式電線路の説明図である。
【図6】従来の電線路に設置された各保護継電器のステ
ップ状の動作特性図である。
【符号の説明】
10 電線路における双方向保護継電方式 12 電線路 14 距離継電器 16 故障点 38 開閉器 44 動作特性図 48 位相特性図 50 ブラインダ要素判定手段 52 抵抗軸 54 リアクタンス軸 56 右ブラインド要素 58 左ブラインド要素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02H 7/26 H02H 7/26 M (72)発明者 有田 悟 熊本市川尻町551番地 株式会社 アリ テック 内 (56)参考文献 特開 昭61−180521(JP,A) 特開 昭61−185022(JP,A) 実公 平1−12510(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/40 H02H 7/26

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線路に介設され、同電線路の電圧及び
    電流を導入して測定した抵抗値及びリアクタンス値に応
    動する要素を有した距離継電器を備え、 前記電線路の任意地点に故障が発生した時に、前記距離
    継電器で測定したリアクタンス値の正負符号を故障点の
    方向を判定する方向判定要素とし、 測定リアクタンス値に比例した時間で距離継電器を動作
    させることにより同一電線路内に設置されている各距離
    継電器の動作時限協調を行うことを特徴として成る電線
    路における双方向保護継電方式。
  2. 【請求項2】 前記距離継電器は、電線路系統内の複数
    の各開閉器に並設され、 前記電線路の任意地点に故障が発生した時に、故障点か
    ら双方向に最短距離に配置されている距離継電器で故障
    を感知して並設された開閉器を動作させ、 電線路系統内の停電範囲を最小限の範囲に止めることを
    特徴として成る請求項1に記載の電線路における双方向
    保護継電方式。
  3. 【請求項3】 前記距離継電器は、測定した負荷インピ
    ーダンスで誤動作するのを防止するためのブラインダ要
    素判定手段を備え、 前記ブラインダ要素判定手段は、前記電線路の設備負荷
    容量を基準にして、双方向に有効なブラインダ要素の特
    性が、抵抗−リアクタンス図においてリアクタンス軸及
    び抵抗軸に対して各々対称となることを特徴として成る
    請求項1または2に記載の電線路における双方向保護継
    電方式。
  4. 【請求項4】 前記電線路は、ループ状に配電されて成
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の電線路における
    双方向保護継電方式。
  5. 【請求項5】 電線路に介設され、同電線路の電圧及び
    電流を導入して測定した抵抗値及びリアクタンス値とに
    応動する要素を備えた距離継電器において、 前記電線路の任意地点に故障が発生した時に、測定した
    リアクタンス値の正負符号で故障点の方向を判定する方
    向判定要素と、 測定したリアクタンス値に比例した時間で距離継電器を
    動作させることにより同一電線路内に設置されている各
    継電器の動作時限協調を行う要素と、を備えたことを特
    徴として成る双方向保護距離継電器。
  6. 【請求項6】 前記距離継電器は、電線路系統内の各開
    閉器に並設され、 前記電線路の任意地点に故障が発生した時に、故障点か
    ら双方向に最短距離に配置されている距離継電器で故障
    を感知して並設された開閉器を動作させ、 電線路系統内の停電範囲を最小限の範囲に止めることを
    特徴として成る請求項5に記載の双方向保護距離継電
    器。
  7. 【請求項7】 前記距離継電器は、測定した負荷インピ
    ーダンスで誤動作するのを防止するためのブラインダ要
    素判定手段を備え、 前記ブラインダ要素判定手段は、前記電線路の設備負荷
    容量を基準にして、双方向に有効なブラインド要素の特
    性が、抵抗−リアクタンス図においてリアクタンス軸及
    び抵抗軸に対して各々対称であることを特徴として成る
    請求項5または6に記載の双方向保護距離継電器。
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