JP3027088B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

消泡剤組成物

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JP3027088B2 JP6123641A JP12364194A JP3027088B2 JP 3027088 B2 JP3027088 B2 JP 3027088B2 JP 6123641 A JP6123641 A JP 6123641A JP 12364194 A JP12364194 A JP 12364194A JP 3027088 B2 JP3027088 B2 JP 3027088B2
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消泡剤組成物、特には安
定性が優れていることから水で希釈しても長期間保存す
ることができ、消泡性が低下しない消泡剤組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】シリコーン系消泡剤は他の消泡剤に比べ
て種々の優れた性質を持っているので、化学工業、食品
工業、石油工業、織物工業および医薬品工業など、発泡
を伴う産業工程に広く利用されており、これにはジメチ
ルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メ
チルビニルポリシロキサンなどのシリコーンオイルを微
粉末シリカと混合したオイルコンパウンド型消泡剤、こ
れらのオイルコンパウンドを界面活性剤と共に水中に分
散してなるエマルジョン型消泡剤が汎用されている。ま
た、このエマルジョン型消泡剤は、高温、高アルカリ
性、高剪断力下といった過酷な条件ではエマルジョンが
破壊され、消泡能力が低下するため、これに代わるもの
として、ポリオキシアルキレン基で変性したオルガノポ
リシロキサンとオイルコンパウンドを併用した自己乳化
型消泡剤(特公昭52-19836号、特公昭52-22638号、特公
昭55-23084号各公報参照)が染色、各種油剤、水性イン
キなどの用途に使用されている。
【0003】そして、この自己乳化型消泡剤は水と混合
すると容易に均質なエマルジョンを調製することができ
るので、これについてはその乳化剤成分であるポリエー
テル変性シリコーンや消泡成分であるオイルコンパウン
ドの構成、組成、製造方法などについて多くの研究がな
され、これによって希釈安定性、消泡持続性、耐熱性、
耐アルカリ性、染色性、ペインタブル性などの特性が向
上した高付加価値の品種も多数上市され、その需要や用
途が急激に増加している。
【0004】なお、この自己乳化型消泡剤が使用される
発泡系はその殆どが水系であり、これに対する添加量も
通常数ppm 〜数百ppm と微量であることから、各種油
剤、薬剤などに内添する場合を除いては、実際の使用に
際してこれを水で数倍〜数十倍に希釈したものを添加す
ることが多く、したがってこれについては需要家におけ
るこうした手間を省くために、自己乳化型消泡剤の製造
メーカーで10〜50%に希釈したタイプのエマルジョン型
消泡剤も上市されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この水で希釈
した自己乳化型消泡剤は希釈倍率にもよるが、室温では
1日〜1週間程度安定であっても、長期間保存している
とシリカ沈降、オイル浮き、2層分離などの現象が発生
し、この現象は高温あるいは高希釈倍率という条件では
一層促進される。そして、このような現象が発生した希
釈品は本来発揮されるべき消泡性が大幅に低下するばか
りか、使用した製品にオイルスポット、染色ムラなどの
悪影響を及ぼすこともある。
【0006】そのため、この希釈品を大量に長期間保存
するには、この希釈をエマルジョンの安定化剤と併用し
て行なうことが一般的とされ、この安定化剤としてはソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステルなどの界面活性剤、澱粉、天然セルロース、シク
ロデキストリン、グアガムなどの保護コロイド剤、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ショ糖脂肪酸エステル、繊維素グリコー
ル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ
などの合成糊料が使用されているが、この安定化剤の効
果も必ずしも十分でないことから、これを添加した希釈
品にも経時で粘度が変化したり、安定化のためにはこの
安定化剤を大量に添加することが必要とされ、場合によ
っては消泡性が低下するという不利がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した消泡剤組成物に関するものであ
り、これは(イ)本質的に疎水性のオルガノポリシロキ
サン 100重量部と微粉末シリカ 0.1〜20重量部とよりな
るオイルコンパウンド 0.1〜40重量%、(ロ)1種また
は2種以上のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイ
ル1〜60重量%、(ハ)1種または2種以上のポリオキ
シアルキレン重合体0〜55重量%、(ニ)長鎖アルキル
基含有ポリ(メタ)アクリル酸塩またはキサンタンガム
0.01〜2重量%、(ホ)水残部より本質的になることを
特徴とするものである。
【0008】すなわち、本発明者らは大きな安定化効果
をもつ自己乳化型消泡剤の希釈品を開発すべく種々検討
した結果、これについては疎水性オルガノポリシロキサ
ンと微粉末シリカとからなる本発明の組成物に消泡性を
付与するためのオイルコンパウンドをポリオキシアルキ
レン変性シリコーンオイルとポリオキシアルキレン重合
体中に混合分散させ、これに長鎖アルキル基含有ポリ
(メタ)アクリル酸塩を添加したところ、このものはO
/W型乳化剤として機能すると共にポリアニオン性立体
安定化によりエマルジョンを安定化させる働きがあるた
めに、この組成物の保存安定性が向上されるのでこれを
水で希釈したものも長期間保存することができるように
なるということを見出し、これについてはこの長鎖アル
キル基含有ポリ(メタ)アクリル酸塩をキサンタンガム
としても同様の効果が与えられることを確認し、ここに
使用する各成分の種類、添加量についての研究を進めて
本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳述する。
【0009】
【作用】本発明の消泡剤組成物は(イ)成分としてのこ
の組成物に消泡性を付与するための主成分として本質的
に疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末シリカとから
なるオイルコンパウンドを、(ロ)成分としてのポリオ
キシアルキレン変性シリコーンオイル、(ハ)成分とし
てのポリオキシアルキレン重合体に混合分散させ、これ
に(ニ)成分としての長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)
アクリル酸塩またはキサンタンガムを添加し、これに
(ホ)成分としての水を添加してなるものであるが、こ
のものは(ニ)成分の添加によりその保存安定性が向上
されるので長期間保存することができるという有利性が
与えられる。
【0010】本発明の消泡剤組成物を構成する(イ)成
分としてのオイルコンパウンドは、前記したようにこの
組成物に消泡性を付与するための主成分となるもので、
これは本質的に疎水性オルガノポリシロキサンと微粉末
シリカからなるものである。ここに使用される疎水性オ
ルガノポリシロキサンは線状、分岐状のいずれであって
もよく、これは一般式(1) R1 aSiO(4-a)/2 で示されるものとされる。
【0011】この一般式(1)におけるR1 は水酸基ま
たはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル
基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデ
シル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロヘキ
シル基などのシクロアルキル基、ビニル基、アリル基な
どのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリー
ル基、スチリル基、α−メチルスチリル基などのアラル
キル基、あるいはこれらの基の炭素原子に結合している
水素原子の一部または全部をハロゲン原子、シアノ基、
アミノ基などで置換したクロロメチル基、3−クロロプ
ロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シア
ノエチル基、3−アミノプロピル基、N−β(アミノエ
チル)γ−アミノプロピル基などから選択される1価炭
化水素基で、消泡性および経済性からはその80モル%以
上がメチル基であることが好ましいものであり、この式
中のaは 1.9≦a≦2.2 で示されるものである。なお、
このものは常温で液体であればよいが、消泡性および作
業性の面からは25℃における粘度が10〜500,000cS のも
のとすることが必要であり、この好ましい範囲は50〜2
0,000cSとされる。
【0012】また、ここに使用される微粉末シリカは公
知のものでよく、これは湿式シリカ、乾式シリカのいず
れでもよいが、これには沈降シリカ、シリカキセロゲ
ル、ヒュームドシリカ、さらにその表面を有機シリル基
で処理したものなどが例示され、具体的にはアエロジル
[日本アエロジル(株)製商品名]、ニプシル[日本シ
リカ(株)製商品名]、キャボシル[米国キャボット社
製商品名]、サントセル[米国モンサント社製商品名]
などがあげられるが、これらはBET法による比表面積
が 100m2/g以上のものとすることが好ましい。なお、こ
の微粉末シリカの添加量は上記した疎水性オルガノポリ
シロキサン 100重量部に対して 0.1重量部未満では消泡
性能が劣るようになり、20重量部より多くすると組成物
の粘度が増加して水分散性および作業性が悪くなるの
で、これは 0.1〜20重量部の範囲とすることが必要とさ
れるが、好ましくは1〜15重量部の範囲とすることがよ
い。
【0013】この(イ)成分としてのシリコーンオイル
コンパウンドは上記した疎水性オルガノポリシロキサン
と微粉末シリカの所定量を混合し、室温であるいは 200
℃以下の温度で熱処理してから必要に応じて低沸点留分
を除くことによって製造することができるが、これにそ
の消泡持続性、高温特性、希釈安定性などの向上のため
に無機質アンモニウム塩、有機けい素化合物、シロキサ
ン樹脂などを添加すること(特公平 4-42043号、特開平
5-261206号、特開平5-261207号各公報参照)は任意とさ
れる。しかし、本発明の消泡剤組成物中におけるこの
(イ)成分の含有量はこれが 0.1重量%より少ないとこ
の組成物の泡抑制効果が不充分となり、40重量%より大
きくすると水への分散性が劣るようになり、取り扱い難
いものとなるので、これは 0.1〜40重量%とすることが
必要とされるが、この好ましい範囲は1〜25重量%とさ
れる。
【0014】また、本発明の消泡剤組成物を構成する
(ロ)成分としてのポリオキシアルキレン変性シリコー
ンオイルは、後記する(ハ)成分としてのポリオキシア
ルキレン重合体と共に前記した(イ)成分としてのシリ
コーンオイルコンパウンドを水系に乳化分散させるため
のものであるが、これは一般式(2) GbR2 cSiO(4-b-c)/2 ・・・・・・(2) で示されるものとされる。
【0015】この上記一般式(2)におけるGは一般式 -R3-O-(R4O)p-Q ・・・・・・(3) で示されるポリオキシアルキレン基であり、このR3
メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ヘキセン基、オクテン基、デセン基などの炭素数1〜10
の2価炭化水素基、R4 はエチレン基および/またはプ
ロピレン基、Qは水素原子またはメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などの
炭素数1〜8のアルキル基、アセチル基、イソシアン酸
基などから選択される1価の有機基、pは整数であるも
のである。またこの一般式(2)におけるR2 は前記し
た(イ)成分における一般式(1)におけるR1 と同じ
炭素数が1〜18の非置換または置換の1価炭化水素基で
あり、消泡性および経済性からはその80モル%以上がメ
チル基であることが好ましいものであるが、このbおよ
びcはそれぞれ正数で 1.9≦b+c≦2.2 で示されるも
のである。
【0016】このポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイルは室温で液状のものとすることがよいが、この粘
度は25℃における粘度が10cSより低いと得られる自己乳
化型消泡剤が分離し易く安定性の低いものとなり、100,
000cS より高いと得られる自己乳化型消泡剤がこれを水
で希釈する時に分散し難くなって作業性の悪いものとな
るので、10〜100,000cS のものとすることがよいが、こ
の好ましい範囲は 100〜10,000cSとされる。このポリオ
キシアルキレン変性シリコーンオイルはポリエーテル変
性シリコーンとして市販されているものを用いてもよい
が、このものは従来公知の方法、例えば≡SiH基を含
有するオルガノポリシロキサンに、分子鎖末端にビニル
基あるいはアリル基などの不飽和基を有するポリオキシ
アルキレン化合物を白金触媒の存在下に付加反応させれ
ば容易に得ることができる。
【0017】なお、これは単一のポリオキシアルキレン
化合物で変性されたシリコーンオイルだけでなく、エチ
レンオキシ基/プロピレンオキシ基のモル比あるいはポ
リオキシアルキレン基の分子量などの異なる2種以上の
ポリオキシアルキレン基を同一分子内に含有させたシリ
コーンオイルも使用できるし、異なる構造をもつ2種以
上のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルを用い
ることも可能である。本発明の消泡剤組成物 100重量%
中におけるこの(ロ)成分の配合量はそれが1重量%未
満では水分散性が悪くなり、60重量%より多くすると消
泡性が劣るものとなることから、1〜60重量%とされる
が、より好ましくは5〜40重量%の範囲とすればよい。
【0018】つぎに、本発明の消泡剤組成物を構成する
(ハ)成分としてのポリオキシアルキレン重合体は前記
したように乳化助剤となるものであるが、この成分を配
合すると自己乳化型消泡剤の粘度を低下させることがで
きるので、水分散時の作業性が向上されるという効果が
与えられる。この(ハ)成分としてのポリオキシアルキ
レン重合体は分子内に(R5 O)基(ここにR5 はエチ
レン基またはプロピレン基)をもつものであればどのよ
うな構造のものでもよく、これは直鎖状であっても、次
【化1】 で示されるような分枝状のものであってもよく、この末
端基としては水素原子、メチル基、エチル基、ブチル
基、デシル基、オクタデシル基などのアルキル基、ビニ
ル基、アリル基などのアルケニル基、アセチル基、ステ
アロイル基などのアシル基、イソシアン酸基などが一般
的であるが、特にこれらによって限定されるものではな
い。
【0019】また、このものは室温で液状であるものが
好ましいが、これは平均分子量が 500未満では粘度が低
いために得られる自己乳化型消泡剤が経時安定性の悪い
ものとなり、5,000 を越えると粘度が高くなって分散性
および作業性に影響が与えられるので、これは平均分子
量が 500〜5,000 の範囲のものとすることがよいが、こ
の好ましい範囲は 1,000〜3,000 とされる。なお、ここ
に使用される(ハ)成分は1種のポリオキシアルキレン
重合体に限定されず、これはHLBあるいは末端基など
の異なる2種以上のポリオキシアルキレン重合体を併用
してもよいが、このものの消泡剤組成物 100重量%中に
おける配合量はこれを55重量%より多くすると希釈安定
性が悪くなることから、これは0〜55重量%、より好ま
しくは0〜30重量%の範囲とすればよい。
【0020】さらに本発明の消泡剤組成物における上記
した(ロ)+(ハ)成分中のエチレンオキシ基/プロピ
レンオキシ基の重量比はそれが 0.1未満では疎水性が強
くなって乳化剤としての働きが不十分となり、これが5
を越えるとHLBが大きくなりすぎてこの場合も乳化剤
として働きが十分発揮されなくなるので、これは 0.1〜
5の範囲とすることがよいが、これは好ましくは 0.4〜
3の範囲とすることがよい。
【0021】つぎに本発明の消泡剤組成物を構成する
(ニ)成分としての長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)ア
クリル酸塩またはキサンタンガムはいずれもこの組成物
の保存安定性を向上させるための安定化剤とされるもの
である。この長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル
酸塩は式
【化2】 (ここにR8 は炭素数10〜30のアルキル基)で示される
ようなアクリル酸と炭素数10〜30のアルキルメタクリレ
ートとの共重合体からなる合成高分子乳化剤の中和塩で
あり、このような高分子乳化剤としては例えば PEMULEN
[米国BFグッドリッチ社製商品名]として上市されて
いるものが例示される。
【0022】このものはO/W型乳化剤として機能する
と同時に、ポリアニオン性立体安定化によりエマルジョ
ンを安定化させる働きがあるために、従来の乳化剤や増
粘剤と異なり、少量の添加で効果を発現する。また、こ
のものは中和塩とするために必要な中和塩基が添加さ
れ、これには水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミン、ジイソ
プロパノールアミンなどのアルキロールアミン類などが
例示されるが、これはトリエタノールアミンとすること
がよい。
【0023】また、このキサンタンガムは構造としてグ
ルコース2個、マンノース2個およびグルクロン酸1個
を構成単位とする結合ブロックの反復よりなるもので、
微生物発酵により産出される分子量約 200万の多糖類で
あるが、これには KELTROL(食品用)、KELZAN(一般工
業用)[いずれも米国ケルコ社製商品名]として上市さ
れているものが例示される。このものの乳化安定化機構
は構造的な剛性に基づくレオロジー特性に由来すると考
えられ、このものは乳化剤のような界面活性能はもたな
いが、温度あるいはpHの変化、塩類の添加、高剪断条件
下においてもほぼ一定の粘性を維持することができるの
で、これを安定化剤として使用すると加温、中和工程が
必要でないために、工程時間が短縮され、さらには天然
高分子であるために安全性も高いという有利性が与えら
れる。
【0024】この(ニ)成分の本発明の消泡剤組成物中
における配合量は、これが0.01重量%未満では安定化効
果が不充分となり、2重量%より多くすると組成物の粘
度が高くなってこれを使用する際の作業性が悪くなるこ
とから0.01〜2重量%とすればよいが、この好ましい範
囲は0.05〜1重量%とされる。
【0025】また、本発明の消泡剤組成物については、
上記した(イ)〜(ニ)成分からなる系を乳化するのに
必要な水を(ホ)成分として添加する必要があるが、こ
れは前記した(イ)〜(ニ)成分の合計 100重量部に対
して50〜 8,000重量部の範囲とすればよく、この好まし
い範囲は 800〜 2,000重量部とされる。
【0026】本発明の消泡剤組成物は上記した(イ)〜
(ホ)成分の所定量を混合し、これらを均一に撹拌する
ことによって得ることができるが、保存安定性の優れた
組成物を調製する方法としては、例えば(i)(イ)〜
(ハ)成分を均一に混合分散させて自己乳化型消泡剤を
調製し、(ii)ついで(ニ)成分を水に溶解した後、こ
れが長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル酸塩であ
るときにはトリエタノールアミンで中和して増粘水溶液
とし、 (iii)この工程(i)で得た自己乳化型消泡剤と
工程(ii)で得た増粘水溶液を混合してエマルジョンと
する方法、または(a)(イ)〜(ニ)成分を均一に混
合分散しておき、(b)これにトリエタノールアミン水
溶液を添加して混合エマルジョンとする方法などが挙げ
られる。
【0027】しかし、これらの工程ではいずれの場合で
も特に加温は必要ではなく、これは室温(10〜30℃)で
乳化を行なえばよく、場合によってはホモミキサー、ホ
モジナイザー、コロイドミルなどの微粉砕機を用いて乳
化を行なえばより均質なエマルジョンとすることができ
るが、あまり強い剪断力が加わると粘度が低下して安定
性に支障をきたすことがあるので、これは低〜中速で分
散させることが好ましい。
【0028】また、一般にエマルジョンの安定性は粒子
径の影響を大きく受けるので、転相時の粘度を高くして
練り込みを行なえばエマルジョン粒子径が細かくなって
より安定な組成物を調製することができるが、極端に細
かな粒子径とすると消泡性が低下してしまうことがある
ので、この体積平均粒子径は6〜18μmとし、かつその
粒子径範囲内にある粒子の体積分布割合が40%以上のも
のとすることが好ましい。
【0029】なお、この本発明の消泡剤組成物について
は、これに防腐の目的で少量の殺菌剤を添加することは
任意とされ、この殺菌剤としては次亜塩素酸ナトリウ
ム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、サルチル酸、サ
ルチル酸ナトリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、
パラオキシ安息香酸アルキル類、および有機窒素硫黄化
合物などが例示されるが、この添加量は本発明の消泡剤
組成物 100重量%に対して 0.005〜 0.5重量%の範囲と
すればよい。
【0030】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中における粘度は25℃での測定値を示したものであ
り、各種物性はつぎの方法による試験結果を示したもの
である。 (保存安定性試験)消泡剤組成物 50gをガラス瓶に入
れ、40℃で20日間放置後の液外観を目視により以下のよ
うに評価した。 〇…良好なエマルジョン、層分離、析出物が認められな
い。 △…析出物の発生あるいは濃淡分離が見られる。 ×…不均一なエマルジョン、二層分離が見られる。
【0031】(ノニオン性発泡液による消泡試験)1リ
ットルのメスシリンダーにポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル・エマルゲン909[花王(株)製商品
名]の0.05%の水溶液100gを入れ、消泡剤組成物を有効
成分で100ppm添加し、ガラスディフューザーストーンを
通して1リットル/分で空気を吹込むエアーバブリング
法で20分後の起泡量(泡体積+液体積、ml)を25℃で測
定した。
【0032】(染色性試験…オイルスポットテスト)消
泡剤組成物の原液をポリエステル布に1点あたり3滴ず
つ滴下し、 150℃で3分間乾燥させた後、回転ポット染
色試験機 MINI-COLOUR 12 EL型[(株)テクサム技研
製]を用いて以下の条件で染色を行なった。 染色液…Dianix Violet 3R-FS 0.1% o.w.f. 酢酸 0.3ml/l 温 度… 2℃/分 冷却 60℃─────→ 120℃×30分─────→室温 浴 比…1:20 その後、染色布を水洗い、乾燥して、染めムラの有無を
目視により以下のように評価した。 〇…色抜けおよび部分濃色化が認められない。 △…色抜けあるいは部分濃色化が若干ある。 ×…色抜けあるいは部分濃色化が著しい。
【0033】実施例1〜4 (イ)〜(ニ)成分としてつぎの材料、 (イ)成分 1)オイルコンパウンドA 疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が 1,000cS
のジメチルポリシロキサンを 100重量部、微粉末シリカ
として表面疎水化処理シリカ(アエロジル 200[日本ア
エロジル(株)製商品名、比表面積 200m2/g]を(CH3)3
SiNHSi(CH3)3で処理したもの)10重量部を用い、さらに
炭酸アンモニウム 0.5重量部を添加して、窒素ガス気流
下に 150℃で3時間混合したもの。 2)オイルコンパウンドB 疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が 2,200cS
で CH3SiO3/2単位を 0.023モル分率含有する分枝状のジ
メチルポリシロキサン 100重量部、微粉末シリカとして
ニプシルHD−2[日本シリカ(株)製商品名、比表面
積 300m2/g]3部を用い、窒素ガス気流下に 150℃で3
時間混合したもの、
【0034】(ロ)成分 3)ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルA 平均組成式が G1 0.1(CH3)2.0SiO0.95[G1=-C3H6O(C2H4O)
25(C3H6O)25C4H9]示される粘度が 1,400cSのもの、 4)ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルB 平均組成式が G2 0.03(C10H21)0.03(CH3)1.98SiO0.98[G2
=-C3H6O(C2H4O)6(C3H6O)24H]で示される粘度が 1,100cS
のもの、 (ハ)成分 5)ポリオキシアルキレン重合体A 平均組成式が C4H9O(C2H4O)30(C3H6O)10C4H9で示される
粘度が 220cSのもの、 6)ポリオキシアルキレン重合体B 平均組成式が C4H9O(C2H4O)5(C3H6O)20Hで示される粘度
が 150cSのもの、
【0035】(ニ)成分 7)長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル酸A PEMULEN TR-1[米国BFグッドリッチ社製商品名] 8)長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル酸B PEMULEN TR-2[米国BFグッドリッチ社製商品名] を使用した。
【0036】これらの(イ)〜(ニ)成分を表に示した
組成となるように、まず 所定量の(イ)〜(ハ)成分をホモミキサーで均一
に混合して自己乳化型消泡剤を調製し、また (ニ)成分の1%水溶液を調製し、これをトリエタ
ノールアミンでpH6〜7になるように中和して増粘水溶
液とし、ついで この増粘水溶液の所定量と残部の水を混合し、ここ
にで得られた自己乳化型消泡剤の所定量を加え、室温
にてホモミキサーで均一に分散して消泡剤組成物をとす
る。 つぎにこの消泡剤組成物についての保存安定性、消泡性
をしらべたところ、後記する表1に示したとおりの結果
が得られた。
【0037】実施例5 実施例1で使用した材料を使用したが、これらを用い
て、 室温で所定量の(イ)〜(ニ)をホモミキサーで均
一に混合し、 これに必要な量のトリエタノールアミンを添加した
水を徐々に加えたのち、ホモミキサーで均一に混合して
消泡剤組成物を作り、このものの保存安定性、消泡性を
しらべたところ、後記する表1に示したとおりの結果が
得られた。
【0038】比較例1〜2 (イ)〜(ハ)成分は実施例1と同じものを使用し、
(ニ)成分とトリエタノールアミンを使用しなかったほ
かは実施例5と同様に処理して消泡剤組成物を調製し、
これらの保存安定性、消泡性をしらべたところ、後記す
る表1に示したとおりの結果が得られた。
【0039】比較例3〜5 (イ)〜(ハ)成分は実施例1と同じものを使用し、
(ニ)成分の代わりに以下に示す増粘剤A〜C、 増粘剤A:ポリビニルアルコール・PA−18GP[信越
化学工業(株)製商品名] 増粘剤B:カルボキシメチルセルロース・ダイセル#12
71[ダイセル化学工業(株)製商品名] 増粘剤C:ポリアクリル酸・カーボポール940[米国
BFグッドリッチ社製商品名] を使用して実施例1〜4と同様にして(比較例3、4は
トリエタノールアミンを使用せず)消泡剤組成物を調製
し、これらの保存安定性、消泡性をしらべたところ、後
記する表1に示したとおりの結果が得られた。
【0040】比較例6 (イ)〜(ハ)成分は実施例1と同じものを使用し、
(ニ)成分の代わりにつぎの乳化剤A,B、 乳化剤A:ソルビタンモノステアレート・レオドールS
P−S10[花王(株)製商品名] 乳化剤B:ポリエチレングリコールジステアレート・エ
マノーン3299R[花王(株)製商品名] を使用して実施例5と同様の方法(ただし、(イ)〜
(ハ)と乳化剤は60℃で混合したが、トリエタノールア
ミンは使用せず)により消泡剤組成物を調製し、このも
のの保存安定性、消泡性をしらべたところ、つぎの表1
に示したとおりの結果が得られた。
【0041】
【表1】
【0042】実施例6〜7 (イ)〜(ニ)成分として使用した材料のオイルコンパ
ウンドAは実施例1と同じものとしたが、このオイルコ
ンパウンドについては実施例1におけるオイルコンパウ
ンドBをつぎのオイルコンパウンドC、Dとした。 オイルコンパウンドC 疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が 100cSで
分子鎖両末端がモノヒドロキシジメチルシリル基で封鎖
されたジメチルポリシロキサンを 100重量部、微粉末シ
リカとしてニプシルSS-100L[日本シリカ(株)製商
品名、比表面積100m2/g]5部を用い、窒素ガス気流下
に 150℃で3時間混合したもの。 オイルコンパウンドD 疎水性オルガノポリシロキサンとして、粘度が 400cSで
フェニル基を20モル%含有するメチルフェニルポリシロ
キサンを 100重量部、微粉末シリカとしてアエロジル 3
00[日本アエロジル(株)製商品名、比表面積 300m2/
g]5部を用い、窒素ガス気流下に 150℃で3時間混合
したもの。
【0043】また、(ロ)成分としてのポリオキシアル
キレン変性シリコーンオイルAは実施例1と同じものと
したが、(ハ)成分としてのポリオキシアルキレン重合
体Aはつぎのポリオキシアルキレン重合体Cとし、 ポリオキシアルキレン重合体C ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート・レオドー
ルスーパーTW−O120[花王(株)製商品名]、ま
た、(ニ)成分としてのキサンタンガムについては キサンタンガムA・KELTROL [米国ケルコ社製商品名] キサンタンガムB・KELZAN AR [米国ケルコ社製商品
名] とした。
【0044】ついで、これらの各成分を用いて 室温にて所定量の(イ)〜(ハ)成分をホモミキサ
ーで均一に混合して自己乳化型消泡剤を調製し、 (ニ)成分の1%水溶液を調製し、これを増粘水溶
液とし、 この増粘水溶液を所定量の残部の水と混合し、これ
にで得られた自己乳化型消泡剤の所定量を加え、室温
にてホモミキサーで均一に分散して消泡剤組成物を調製
し、これらのものの保存安定性、消泡性、染色性をしら
べたところ、後記する表2に示したとおりの結果が得ら
れた。
【0045】実施例8〜10 (イ)〜(ニ)成分として実施例6〜7に使用した材料
を使用したが、これらを用いて 室温で(イ)〜(ニ)成分をホモミキサーで均一に
混合し、 これに所定量の水を徐々に加え、さらにホモミキサ
ーで均一に分散して消泡剤組成物を調製する、 という方法で消泡剤組成物を作り、これらの保存安定
性、消泡性、染色性をしらべたところ、後記する表2に
示したとおりの結果が得られた。
【0046】比較例7〜8 (イ)〜(ハ)成分は実施例6〜7と同じものを使用
し、(ニ)成分を用いなかったほかは実施例8〜10と同
様に処理して消泡剤組成物を調製し、これらのものの保
存安定性、消泡性、染色性をしらべたところ、後記する
表2に示したとおりの結果が得られた。
【0047】比較例9〜11 (イ)〜(ハ)成分は実施例6〜7と同じものを使用
し、(ニ)成分の代わりに比較例3〜5で使用したもの
と同一の増粘剤A,B,Cを使用して、実施例6〜7と
同様に処理して(ただし、比較例11は増粘剤水溶液の調
製の際に、トリエタノールアミンを中和剤として用い
た)消泡剤組成物を調製し、これらのものについての保
存安定性、消泡性、染色性をしらべたところ、後記する
表2に示したとおりの結果が得られた。
【0048】比較例12 (イ)〜(ハ)成分は実施例6〜7と同一のものを使用
し、(ニ)成分の代わりに比較例6で使用したものと同
じ乳化剤A,Bを使用し、実施例8〜10と同様の方法に
より(ただし、(イ)〜(ハ)と乳化剤は60℃で混合し
た)消泡剤組成物を調製し、これらのもの保存安定性、
消泡性、染色性をしらべたところ、つぎの表2に示した
とおりの結果が得られた。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明は消泡剤組成物に関するものであ
り、これは前記したように(イ)本質的に疎水性のオル
ガノポリシロキサン 100重量部と微粉末シリカ 0.1〜20
重量部とよりなるオイルコンパウンド 0.1〜40重量%、
(ロ)ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル1〜
60重量%、(ハ)ポリオキシアルキレン重合体0〜55重
量%、(ニ)長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル
酸塩またはキサンタンガム0.01〜2重量%、(ホ)水残
部とから本質的になることを特徴とするものであるが、
このものにはその保存安定性が向上されるので、これを
水で希釈したものも長期間安定に保存することができる
ようになるという有利性が与えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−293307(JP,A) 特開 平6−142411(JP,A) 特開 平6−142410(JP,A) 特開 平6−302(JP,A) 特開 平5−285306(JP,A) 特開 平5−261207(JP,A) 特開 平4−298202(JP,A) 特開 平3−137199(JP,A) 特開 平6−154513(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 19/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)本質的に疎水性のオルガノポリシロキサン 100重量部と微粉末シリカ 0.1 〜20重量部とよりなるオイルコンパウンド 0.1〜40重量%、 (ロ)1種または2種以上のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル 1〜60重量%、 (ハ)1種または2種以上のポリオキシアルキレン重合体 0〜55重量%、 (ニ)長鎖アルキル基含有ポリ(メタ)アクリル酸塩またはキサンタンガム 0.01〜2重量%、 (ホ)水 残部 とから本質的になることを特徴とする消泡剤組成物。
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