JP3026255U - 溶融金属流量制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メーカーサイドで予じめ目地材を装着した製
品とし、使用現場でのモルタル混練作業の必要がなく、
装着作業に熟練度が要求されず、ダボ部を設けることに
より梱包、搬送時に目地材の損傷がなく、使用現場での
管理項目が減り、安定した使用が可能で、スライドバル
ブ装置の装着作業の機械化が可能である溶融金属流量制
御装置を提供するものである。 【解決手段】 ボトムプレート、スライドプレート、シ
ールプレート、シュートノズル及び浸漬ノズルの組立体
からなる溶融金属流量制御装置において、ボトムプレー
ト、シュートノズル、浸漬ノズルのいずれか１つ以上の
上端面に、溶鋼流通孔を囲繞してリング状のダボ部を設
け、該ダボ部内方の上端面にプレフォームモルタル及び
又はシート状パッキンからなる目地材を予じめ装着した
ことを特徴とする、溶融金属流量制御装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スライドバルブ装置に使用される各種耐火物に目地材を予じめ一体 状に装着した溶融金属流量制御装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

スライドバルブ装置用耐火物の組み立てに当り、現状ではスライドバルブ用耐 火物及び浸漬ノズルに使用現場で目地材を取り付けた後、スライドバルブ装置の 所定位置に装着している。例えばモルタルを目地材として用いる場合は使用現場 でモルタルを混練し、このモルタルを目分量でスライドバルブ用耐火物及び浸漬 ノズルに塗布し、スライドバルブ装置に装着する。また、プレフォームモルタル 又はシート状パッキンを目地材として使用する場合は、現場で包装されたこれら の目地材を取り出し、場合によっては所定サイズに切断してスライドバルブ用耐 火物及び浸漬ノズルに取り付けてスライドバルブ装置として組み立てている。

【０００３】 前述の如き目地材としては、本出願人がさきに提案し、特許された耐火性パッ キン材（特公昭６１−１４１１１号公報）、「耐火性パッキングを挾持する耐火 構造体」（特開昭５５−１０９５５０号公報）があり、更に実開平４−１０６３ ３８号公報には「成形耐火物取付け用目地材」、特開平６−９９２７１号公報に はノズルれんがのノズル羽口へのセットに当り、板状耐火モルタル成形体を用い ることが開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述の如く従来方式では次の如く種々の欠点があることが知られており、スラ イドバルブ装置の装着手段がロボット化されている現状では一層その解決が望ま れている： （１）使用現場でモルタルを混練する為、混練設備が必要であり、又混練後の 稠度管理も勘によるものであり、品質管理上十分とは言えない。

【０００５】 （２）プレフォームモルタル又はシート状パッキンを現場で取付ける場合、取 付け位置がズレ易く、又、ズレた場合でもそのまま使用されることも多い。

【０００６】 （３）モルタルの場合、塗布量のバラツキが大きく、安定したセットが出来な い。

【０００７】 上記の如き状態で使用されると、最悪の場合目地部より漏鋼する等のトラブル になる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案者等は前述の如き従来方式の諸欠陥を解決するために種々検討、実験の 結果ボトムプレート、シュートノズル及び浸漬ノズルそれぞれの上端面に溶鋼流 通孔を囲繞してリング状の凹凸何れかのダボ部を設け、該ダボ部内方上端面にプ レフォームモルタル及び又はシート状パッキンからなる目地材を予じめ装着する ことを提案した（平成７年実用新案登録願第１２２３号）。

【０００９】 しかしながら、前記凹凸ダボ部及び目地材はボトムプレート、シュートノズル 及び浸漬ノズルの何れか１つに装着した場合でも従来方式に比べて秀れた作用効 果を発揮するものであることが認められた。

【００１０】 従って、本考案の技術的構成は、ボトムプレート、スライドプレート、シール プレート、シュートノズル及び浸漬ノズルの組立体からなる溶融金属流量制御装 置において、ボトムプレート、シュートノズル、浸漬ノズルのいずれか１つ以上 の上端面に、溶鋼流通孔を囲繞してリング状のダボ部を設け、該ダボ部内方の上 端面にプレフォームモルタル及び又はシート状パッキンからなる目地材を予じめ 装着したことを特徴とする、溶融金属流量制御装置にあり、このような特段の技 術的構成とすることにより、使用現場でのモルタル混練作業の必要がなく、装着 作業に熟練度が要求されず、ダボ部により、梱包、搬送時に目地材の損傷がなく 、使用現場での管理項目が減り、安定した使用が可能であり、スライドバルブ装 置の装着作業の機械化が可能となる等の作用効果が達成しうる。

【００１１】 本考案目地材付スライドバルブ用耐火物について、図示の具体例に基づき詳述 する。

【００１２】 図１は本考案の構成をボトムプレートに適用した例を示す縦断面図であり、ボ トムプレート１の上端面でかつ溶鋼流通孔１０を囲繞してリング状の凸状ダボ部 ２を設け、このダボ部の内方の上端面にプレフォームモルタル又はシート状のパ ッキン製の目地材３を適当な接着剤４（例えば当社商品名：タイトエース）によ り固定かつ装着する。この目地材は図示の如くドーナツ状で前記溶鋼連通孔より やゝ大径の孔部３′を中央に設けてある。

【００１３】 前記ダボ部２は前記目地材３の厚さより少し高い寸法とすればよく、目地材３ の材質としてはプレフォームモルタルはＡｌ₂ Ｏ₃ ７０〜８０％含有したモル タルを混練後、所定形状に成形したものである。

【００１４】 また、シート状パッキンは本出願人がさきに開発した商品名「セラシート」（ 特公昭６１−１４１１１号公報）等が好適であるが、これら材質に限定するもの ではなく、予じめこの種耐火物に装着しうるものであればよい。

【００１５】 図２はシュートノズル１１（整流ノズル）に本考案を適用した例を示す縦断面 図であり、図１と同一符号は同一部材を示す。

【００１６】 図３は本考案を浸漬ノズル（下ノズル）に適用した例を示す縦断面図であり、 図１と同一符号は同一部材を示している。

【００１７】 図４はボトムプレート１に凹ダボ部２′を設け、この凹ダボ部に目地材を固着 した例を示す縦断面図であり、同一符号は同一部材を示している。

【００１８】 前述した目地材３の厚さは適用する箇所により適宜決められるが、その厚さは 通常２〜７ｍｍである。また、ダボ部の高さ又は深さは組み合わされる耐火物と の取り合いで決められるが、ダボ部高さが大きくなっても本考案の目的には何等 支障がない。

【００１９】 スライドバルブ装置用耐火物に目地材を固定、装着した本考案品はこれら耐火 物のメーカー工場で一体化し、製品として梱包し、ユーザー向けに搬送、納入す るものである。

【００２０】 以上三層式スライドバルブを備えた溶融金属流量制御装置についての本考案の 適用例について詳述したが、二層式スライドバルブを備えた溶融金属流量制御装 置の場合も同等の作用効果を奏しするものであることが認められた。

【００２１】

【考案の効果】

（１）耐火物の所定面にプレフォームモルタル又はシート状パッキンを予じめ 固定、装着してあるので、使用現場でモルタルを混練し、塗布したり、シート状 パッキンを貼付ける作業の必要がなく、作業工程を減らすことができ、かつ熟練 度を要せず、従来方式の諸欠点を改善することができる。

【００２２】 （２）ダボ部内方に目地材を固定、装着してあるので、梱包、搬送に当り、目 地の変形、損傷がない。

【００２３】 （３）以上の諸改良点から使用現場での管理項目が減り、安定して使用するこ とができかつスライドバルブ装置の組立又は交換を機械化することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案をボトムプレートに適用した例を示す縦
断面図

【図２】本考案をシュートノズルに適用した例を示す縦
断面図

【図３】本考案を浸漬ノズルに適用した例を示す縦断面
図

【図４】ボトムプレートの凹ダボ部を設けて本考案を適
用した例を示す縦断面図

【符号の説明】

１ ボトムプレート ２ 凸状ダボ ２′ 凹状ダボ ３ 目地材 ３′ 孔部 ４ 接着剤 １０ 溶鋼流通孔 １１ シュートノズル ２１ 浸漬ノズル

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボトムプレート、スライドプレート、シ
   ールプレート、シュートノズル及び浸漬ノズルの組立体
   からなる溶融金属流量制御装置において、ボトムプレー
   ト、シュートノズル、浸漬ノズルのいずれか１つ以上の
   上端面に、溶鋼流通孔を囲繞してリング状のダボ部を設
   け、該ダボ部内方の上端面にプレフォームモルタル及び
   又はシート状パッキンからなる目地材を予じめ装着した
   ことを特徴とする、溶融金属流量制御装置。
2. 【請求項２】 前記ダボ部が凹、凸の何れかである請求
   項１記載の溶融金属流量制御装置。