JP3026238B2 - 新規な4−メトキシ−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシメチル)ピリジン化合物及びその製造中間体ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

新規な4−メトキシ−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシメチル)ピリジン化合物及びその製造中間体ならびにそれらの製造方法

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JP3026238B2 JP3268092A JP26809291A JP3026238B2 JP 3026238 B2 JP3026238 B2 JP 3026238B2 JP 3268092 A JP3268092 A JP 3268092A JP 26809291 A JP26809291 A JP 26809291A JP 3026238 B2 JP3026238 B2 JP 3026238B2
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敬彦 筧
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な4−メトキシ−
2−(2−テトラヒドロピラニルオキシメチル)ピリジ
ン化合物及びその製造中間体ならびにそれらの製造方法
に関する。
【0002】本発明の化合物は、一般式[A]
【化6】 (式中、Rは環状アルキル基で置換されていてもよい
炭素数1〜8個の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基ま
たは炭素数2〜4個のフルオロアルキル基を表す。)で
示される、特開昭63−146882号公報記載の抗潰
瘍活性のある化合物の製造中間体として有用である。
【0003】
【従来の技術】一般式[A]で示される化合物は、一般
式[B]
【化7】 (式中、Rは環状アルキル基で置換されていてもよい
炭素数1〜8個の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基ま
たは炭素数2〜4個のフルオロアルキル基を表す。)で
示される化合物を酸化して製造される。
【0004】一般式[B]で示される化合物は、一般式
【化8】 (式中、Rは環状アルキル基で置換されていてもよい
炭素数1〜8個の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基ま
たは炭素数2〜4個のフルオロアルキル基を表す。)で
示される化合物と一般式[C]
【化9】 (式中、Xはハロゲンを表す。)で示される化合物とを
縮合して製造される。
【0005】一般式[C]で示される化合物は、式
[D]
【化10】 で示されるピリジンメタノール誘導体から製造される。
【0006】式[D]で示される化合物の製造方法は特
公昭63−53987号公報に記載されている。この公
報に記載されている方法は、(a)3,5−ジメチルピ
リジンを出発原料とし、4−メトキシ−3,5−ジメチ
ルピリジン−N−オキシドを経由する方法及び(b)
2,3,5−トリメチルピリジンを出発原料とする方法
である。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】上記(a)方法の収
率は、3,5−ジメチルピリジンから通算して3%程度
であり、(b)方法の収率は2,3,5−トリメチルピ
リジンから通算して50%程度である。どちらの方法に
しても高収率とはいえず、これらの方法よりも収率が高
い工業的製造方法が望まれていた。
【0008】また、前述の特公昭63−53987号公
報によれば、2,3,5−トリメチルピリジンを出発原
料とし化合物[D]を製造する際の中間体、4−メトキ
シ−2,3,5−トリメチルピリジン−N−オキシドは
バルク形態で保存が可能な製造中間体であると記載され
ている。しかしながら、4−メトキシ−2,3,5−ト
リメチルピリジン−N−オキシドは、潮解性を有してお
り保存は密封容器でしなければならない等、取扱いの難
しい化合物である。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、以下に
示す二通りの反応経路(A法、B法と仮称)によりピリ
ジンメタノール誘導体[D]を製造したところ、高純度
の当該化合物が2,3,5−トリメチルピリジンより7
0%以上の高収率で得られ、さらに、その中間体は潮解
性を持たないことを見出し本発明を完成した。
【0010】
【化11】
【化12】 2,3,5−トリメチルピリジン[I]を過酸化水素水
と反応させて、2,3,5−トリメチルピリジン−N−
オキシド[II]を製造する。収率は定量的である。化
合物[II]を濃硫酸、発煙硫酸および硝酸カリウムと
反応させて、2,3,5−トリメチル−4−ニトロピリ
ジン−N−オキシド[III]を製造する。このニトロ
化工程は文献(薬学雑誌、63巻、79〜83頁、19
43年)に記載の方法と同様の方法により実施され、収
率は85%程度である。
【0011】化合物[III]より4−メトキシ−3,
5−ジメチル−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ
メチル)ピリジン[VII]は以下に記述する2通りの
方法(A法及びB法と仮称する)にて製造することがで
きる。
【0012】(A法)化合物[III]を無水酢酸と反
応させて、2−アセトキシメチル−3,5−ジメチル−
4−ニトロピリジン[IV]を製造する。無水酢酸は化
合物[III]に対し、1〜100倍モル量用いる。反
応溶媒は特に用いなくてもよく、用いる場合にはクロロ
ホルムが好ましい。 反応温度は50〜130℃、好ま
しくは60〜100℃の範囲とし、反応時間は5分〜4
8時間、好ましくは1〜12時間程度とする。
【0013】化合物[IV]を塩基性条件下または酸性
条件下、加溶媒分解して2−ヒドロキシメチル−3,5
−ジメチル−4−ニトロピリジン[V]を製造する。使
用する塩基としては、炭酸ナトリウム,水酸化カリウム
またはナトリウムメトキシド等が挙げられ、使用する酸
としては塩酸,硫酸,p−トルエンスルホン酸等が挙げ
られる。反応溶媒としては水,メタノールまたは水−メ
タノールの混合溶媒が好ましい。反応温度は0〜70
℃、反応時間は5分〜48時間とする。
【0014】化合物[V]を3,4−ジヒドロ−2H−
ピランと酸触媒下反応させて、3,5−ジメチル−4−
ニトロ−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシメチ
ル)ピリジン[VI]を製造する。 3,4−ジヒドロ
−2H−ピランは化合物[V]に対し1〜5倍モル量が
適当である。使用する酸触媒としては、塩酸等の鉱酸,
p−トルエンスルホン酸等の有機酸,アンバーライトI
R−120(H型)等のイオン交換樹脂が挙げられる。
反応溶媒はクロロホルム,塩化メチレン,酢酸エチル,
ベンゼン,トルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミ
ドが適当である。反応温度は5〜80℃,反応時間は1
〜200時間とする。
【0015】化合物[VI]をナトリウムメトキシドと
反応させて、4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−
(2−テトラヒドロピラニルオキシメチル)ピリジン
[VII]を製造する。ナトリウムメトキシドは化合物
[VI]に対して1〜10倍モル量とする。反応溶媒と
しては、メタノール,1,4−ジオキサン,テトラヒド
ロフラン,ジメチルスルホキシド,1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノンまたはこれらの混合溶媒等が挙げ
られるが、メタノールが特に好ましい。反応温度は50
〜100℃、反応時間は0.5〜20時間とする。
【0016】(B法)化合物[III]を塩化アセチル
中で反応させて得た4−クロロ−2,3,5−トリメチ
ルピリジン−N−オキシド[VIII]を無水酢酸と反
応させて、2−アセトキシメチル−4−クロロ−3,5
−ジメチルピリジン[IX]を製造する。無水酢酸は化
合物[VIII]に対し、1〜100倍モル量用いる。
反応溶媒は用いなくて良く、用いる場合にはクロロホル
ムを溶媒として用いるのが好ましい。反応温度は50〜
130℃、好ましくは60〜100℃の範囲とし、反応
時間は5分〜48時間、好ましくは1〜12時間程度と
する。
【0017】化合物[IX]を塩基性条件下または酸性
条件下で、加溶媒分解して4−クロロ−2−ヒドロキシ
メチル−3,5−ジメチルピリジン[X]を製造する。
使用する塩基としては、炭酸ナトリウム,水酸化カリウ
ムまたはナトリウムメトキシド等が挙げられる。また使
用する酸としては塩酸,硫酸,p−トルエンスルホン酸
等が挙げられる。反応溶媒としては水,メタノールまた
は水−メタノールの混合溶媒が好ましい。反応温度は0
〜70℃、反応時間は5分〜48時間とする。
【0018】化合物[X]を3,4−ジヒドロ−2H−
ピランと酸触媒下反応させて、4−クロロ−3,5−ジ
メチル−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシメチ
ル)ピリジン[XI]を製造する。 3,4−ジヒドロ
−2H−ピランは化合物[X]に対し1〜5倍モル量が
適当である。使用する酸触媒としては、塩酸等の鉱酸,
p−トルエンスルホン酸等の有機酸,アンバーライトI
R−120(H型)等のイオン交換樹脂が挙げられる。
反応溶媒は、クロロホルム,塩化メチレン,酢酸エチ
ル,ベンゼン,トルエンまたはN,N−ジメチルホルム
アミドが適当である。反応温度は5〜80℃、反応時間
は1〜200時間とする。
【0019】化合物[XI]をナトリウムメトキシドと
反応させて、4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−
(2−テトラヒドロピラニルオキシメチル)ピリジン
[VII]を製造する。ナトリウムメトキシドは化合物
[XI]に対して1〜20倍モル量とする。反応溶媒と
しては、ジメチルスルホキシド,1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒が挙げら
れる。これらの非プロトン性極性溶媒に、メタノール,
トルエン,テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等
を混合したものを反応溶媒としてもよい。メタノール,
トルエン,テトラヒドロフラン,1,4−ジオキサン等
を単独で反応溶媒とした場合には、反応速度が遅く好ま
しくない。しかしながら、トルエン,テトラヒドロフラ
ン,1,4−ジオキサンを単独で反応溶媒とした場合、
15−クラウン−5等のクラウンエーテル類を触媒量添
加することにより、反応速度を増大させることができ
る。反応温度は50〜200℃、反応時間は1〜50時
間とする。
【0020】上述のA法またはB法にて製造した化合物
[VII]を酸性条件下にて脱保護することにより、2
−ヒドロキシメチル−4−メトキシ−3,5−ジメチル
ピリジン[D]を高純度かつ高収率で製造することがで
きる。
【0021】また、本発明によれば、化合物[III]
より中間体を単離することなく、化合物[D]を製造す
ることが可能である。
【0022】
【参考例1】化合物[VII]5.91g(23.5m
mol),6N塩酸12ml(72.0mmol)及び
メタノール30mlの混合物を室温にて2時間攪拌し
た。反応後、反応液に水を加え、更にトルエンを加えて
攪拌し、トルエン層は廃棄した。水層を炭酸水素ナトリ
ウムにてpH8としてクロロホルムを用いて抽出した。
クロロホルム抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムによ
って乾燥後、溶媒を留去し、無色の結晶化合物[D]
3.85gを得た(収率98%)。構造は核磁気共鳴ス
ペクトルにより同定した。
【0023】元素分析値(C13NOとして)
理論値(%)C:64.65 H:7.84 N:8.
38 実測値(%)C:64.57 H:7.71
N:8.18
【0024】
【参考例2】化合物[III]5.00g(27.4m
mol)を内温−10〜10℃に保った塩化アセチル1
9.5ml(274mmol)中へ攪拌しながら加え
た。内温を室温まで昇温させた後、反応液を氷水中へ移
し、クロロホルムにて抽出した。抽出液を炭酸水素ナト
リウム溶液で洗浄し、さらに水洗し、無水硫酸ナトリウ
ムにて乾燥後、溶媒を留去して無色の結晶化合物[VI
II]4.70gを得た(収率100%)。
【0025】
【実施例1】化合物[III]5.00g(27.4m
mol)及び無水酢酸14.1ml(149mmol)
の混合物を65〜70℃にて3時間加熱した。放冷後、
反応液に氷水を加え、炭酸水素ナトリウムにてpH8と
した後、クロロホルムにて抽出した。抽出液を水洗し、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥したのち、溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによって精製し、黄色の結晶化合物[IV]5.48
gを得た(収率89% )。
【0026】融点 ; 41℃ 赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1);1745,
1535 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ; 2.14
(3H,s),2.29(3H,s),2.30(3
H,s),5.26(2H,s),8.46(1H,
s) 元素分析値(C1012として) 理論値
(%)C:53.57 H:5.39 N:12.49
実測値(%)C:53.77 H:5.43 N:1
2.30
【0027】
【実施例2】化合物[IV]5.48g(24.4mm
ol),ナトリウムメトキシド1.39g(純度95
%、24.4mmol)及びメタノール20mlの混合
物を、室温にて1時間攪拌した。反応後、メタノールを
減圧留去し、残渣に水を加え、クロロホルムにて抽出し
た。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、
溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテ
ルにて再結晶し、無色の結晶化合物[V]4.18gを
得た(収率94%)。
【0028】融点 ; 65℃ 赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1);1535 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ; 2.16
(3H,s),2.31(3H,s),4.43(1
H,t,J=4H),4.73(2H,d,J=4H
),8.43(1H,s) 元素分析値(C10として) 理論値
(%)C:52.74 H:5.53 N:15.38
実測値(%)C:52.76 H:5.70 N:1
5.33
【0029】
【実施例3】化合物[V] 4.18g(22.9mm
ol),p−トルエンスルホン酸0.97g(5.70
mmol),3,4−ジヒドロ−2H−ピラン4.18
ml(45.8mmol)及びクロロホルム20mlの
混合物を室温にて48時間攪拌した。反応液を炭酸水素
ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで水洗し、無水硫酸
ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、3,4
−ジヒドロピランの分解物等を除去し、油状の化合物
[VI]6.10gを得た(収率100%)。
【0030】赤外吸収スペクトル(KBr,c
−1);1535 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ;1.47−
1.90(6H,m),2.28(3H,s),2.3
5(3H,s),3.53−3.63(1H,m),
3.84−3.95(1H,m),4.65(1H,
d,J=11H),4.74(1H,t,J=3
),4.94(1H,d,J=11H),8.4
2(1H,s) 元素分析値(C1318として) 理論値
(%)C:58.63 H:6.81 N:10.52
実測値(%)C:58.52 H:6.94 N:1
0.33
【0031】
【実施例4】化合物[VI]6.10g(22.9mm
ol),ナトリウムメトキシド2.34g(純度95
%、41.2mmol)及びメタノール17mlの混合
物を、外温78〜82℃にて5時間加熱した。放冷後、
反応液に水を加えクロロホルムにて抽出した。抽出液を
水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去
し、油状の化合物[VII]5.58gを得た(収率9
7%)。
【0032】赤外吸収スペクトル(KBr,c
−1);1595,1570,1540 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ;1.46−
1.97(6H,m),2.25 (3H,s),2.
33(3H,s),3.53−3.63(1H,m),
3.77(3H,s),3.89− 4.00(1H,
m),4.55(1H,d,J=11H),4.76
( 1H,t,J=3H),4.90(1H,d,J
=11H),8.22(1H,s) 元素分析値(C1421NOとして) 理論値
(%)C:66.91 H:8.42 N:5.57
実測値(%)C:67.03 H:8.40 N:
5.46
【0033】
【実施例5】化合物[III]5.00g(27.4m
mol)及び無水酢酸14.1ml(149mmol)
の混合物を65〜70℃にて3時間加熱した。放冷後、
反応液に氷水を加え、クロロホルムにて抽出した。抽出
液を炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、化合物[I
V]のクロロホルム溶液を得た。このクロロホルム溶液
から6N硫酸にて抽出し、6N硫酸層を45〜50℃に
て2時間加熱した。放冷後、反応液を炭酸水素ナトリウ
ムにてpH8とし、クロロホルムにて抽出した。抽出液
を水洗後、硫酸マグネシウムにて乾燥し、化合物[V]
のクロロホルム溶液を得た。
【0034】化合物[V]のクロロホルム溶液を液量が
20mlになるように濃縮し、p−トルエンスルホン酸
0.97g(5.63mmol)及び3,4−ジヒドロ
−2H−ピラン4.18ml(45.8mmol)を加
えて、室温で48時間攪拌した。反応液を炭酸水素ナト
リウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒留去し粗製の化合物[VI]6.92gを得
た。この化合物[VI]6.92gをメタノール20m
lに溶解し、ナトリウムメトキシド5.18g(純度9
5%,91.1mmol)を加えて外温80〜94℃に
て6時間加熱し、化合物[VII]のメタノール溶液を
得た。
【0035】化合物[VII]のメタノール溶液に6N
塩酸23mlを加え、室温にて2時間攪拌した。 反応
後、水40mlとトルエンを加え攪拌し、トルエン層は
廃棄した。水層を炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8と
し、クロロホルムを用いて抽出した。クロロホルム層を
水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を留
去して、無色の結晶化合物[D]3.90gを得た。
(化合物[III]より化合物[D]の収率85%)。
構造は核磁気共鳴スペクトルにより同定した。
【0036】元素分析値(C13NOとして)
理論値(%) C:64.65 H:7.84 N:
8.38 実測値(%)C:64.72 H:7.9
0 N:8.20
【0037】
【実施例6】化合物[VIII]4.70g(27.4
mmol)及び無水酢酸24ml(254mmol)の
混合物を85〜90℃にて2時間加熱した。放冷後、反
応液に氷水を加え、炭酸水素ナトリウムにてpH8とし
た後、クロロホルムにて抽出した。抽出液を水洗し、無
水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、溶媒を留去した。得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
って精製し、油状の化合物[IX]5.62gを得た
(収率96%)。
【0038】赤外吸収スペクトル(KBr,c
−1);1745,1580,1550 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ;2.12(3
H,s),2.36(3H,s),2.40(3H,
s),5.23(2H,s),8.28(1H,s) 元素分析値(C1012ClNOとして) 理論値
(%)C:56.21H:5.66 N:6.56
実測値(%)C:56.34 H:5.58N:6.4
【0039】
【実施例7】化合物[IX]5.62g(26.3mm
ol),ナトリウムメトキシド1.50g(純度95
%、26.4mmol)及びメタノール20mlの混合
物を室温にて1時間攪拌した。反応後、メタノールを減
圧留去し、残渣に水を加え、クロロホルムにて抽出し
た。抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、
溶媒を留去した。得られた残渣をジイソプロピルエーテ
ルにて再結晶し、無色の結晶化合物[X]4.29gを
得た(収率95%)。
【0040】融点 ; 76℃ 赤外吸収スペクトル(KBr,cm−1);1585,
1555 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ;2.25(3
H,s),2.36(3H,s),4.67(3H,
s)8.25(1H,s) 元素分析値(C10ClNOとして) 理論値
(%)C:55.99 H:5.87 N:8.16
実測値(%)C:56.10 H:5.88 N:
8.01
【0041】
【実施例8】化合物[X]4.29g(25.0mmo
l),p−トルエンスルホン酸1.06g(6.16m
mol),3.4−ジヒドロ−2H−ピラン4.56m
l(50.0mmol)及びクロロホルム13mlの混
合物を52〜58℃にて24時間攪拌した。放冷後、反
応液を炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄し、次いで水
洗し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し
た。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付し、3,4−ジヒドロ−2H−ピランの分解物等
を除去し、油状の化合物[XI]6.39gを得た(収
率100%)。
【0042】赤外吸収スペクトル(KBr,c
−1);1585,1555 核磁気共鳴スペクトル(CDCl)δ;1.47−
1.90(6H,m),2.34 (3H,s),2.
46(3H,s),3.52−3.62(1H,m),
3.87− 3.97(1H,m),4.60(1H,
d,J=12H),4.74(1H,t,J=3
),4.92(1H,d,J=12H),8.2
5(1H,s) 元素分析値(C1318ClNOとして) 理論値
(%)C:61.05H:7.09 N:5.48
実測値(%)C:61.22 H:7.00N:5.4
【0043】
【実施例9】化合物[XI]6.39g(25.0mm
ol),ナトリウムメトキシド7.53g(純度95
%、132mmol),メタノール18ml及び1,3
−ジメチル−2−イミダゾリジノン18mlの混合物を
外温90〜100℃にて7時間加熱した。放冷後、反応
液に水を加えトルエンにて抽出した。抽出液を水洗し、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去し、油状の
化合物[VII]5.91gを得た(収率94%)。こ
の油状物の赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴スペクト
ルは、実施例4に記載したものと一致した。
【0044】
【実施例10】化合物[III]5.00g(27.4
mmol)を原料として、参考例2に記載の方法により
反応、および後処理を行って化合物[VIII]のクロ
ロホルム溶液を得た。この化合物[VIII]のクロロ
ホルム溶液を液量が80mlになるように濃縮し、無水
酢酸23mlを加えて、8時間加熱還流した。放冷後、
反応液に氷水を加え、クロロホルムにて抽出した。クロ
ロホルム抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄
し、化合物[IX]のクロロホルム溶液を得た。このク
ロロホルム溶液から6N硫酸にて抽出し、6N硫酸層を
45〜50℃にて2時間加熱した。放冷後、反応液を炭
酸水素ナトリウムにてpH8とし、クロロホルムにて抽
出し、抽出液を水洗した後、硫酸マグネシウムにより乾
燥して化合物[X]のクロロホルム溶液を得た。このク
ロロホルム溶液を液量が30mlになるように濃縮し、
p−トルエンスルホン酸1.12g(6.50mmo
l)及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン4.80ml
(52.6mmol)を加えて52〜58℃にて24時
間攪拌した。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗
浄し、無水硫酸ナトリウムにより乾燥後、溶媒留去し、
粗製の化合物[XI]10.2gを得た。
【0045】この粗製の化合物[XI]10.2gを、
メタノール38ml,1,3−ジメチル−2−イミダゾ
リジノン38ml及びナトリウムメトキシド15.8g
(純度95%、278mmol)と混合し、外温90〜
100℃にて10時間加熱し化合物[VII]のメタノ
ール溶液を得た。以下、この化合物[VII]のメタノ
ール溶液を実施例5に記載の該当部分と同様に処理し、
無色の結晶化合物[D]4.03gを得た(化合物[I
II]より化合物[D]の収率,88%)。構造は核磁
気共鳴スペクトルにより同定した。
【0046】元素分析値(C13NOとして)
理論値(%)C:64.65 H:7.84 N:8.
38 実測値(%)C:64.69 H:7.81
N:8,20
【0047】
【実施例11】化合物[V]及び化合物[X]の吸湿性
試験(1) 化合物[V]及び化合物[X]について、下記の方法に
て吸湿率を求めた。被験化合物250mgを、25℃に
て、相対湿度43%,52%,75%,及び97%の各
容器中に静置した。3日間静置の後、各検体の重量を量
り、下記の式により各相対湿度における被験化合物の吸
湿率を求めた。
【0048】
【数1】
【0049】また、4−メトキシ−2,3,5−トリメ
チルピリジン−N−オキシドについても、上記の方法に
て吸湿率を求め、比較した。結果を図1に示した。
【0050】
【図1】
【0051】化合物[V]及び化合物[X]は、相対湿
度75%以下では全く吸湿性がなく、相対湿度97%に
おいても吸湿率は1%程度で、形状については全く変化
が認められなかった。それに対し、4−メトキシ−2,
3,5−トリメチルピリジン−N−オキシドは、相対湿
度43%以上において吸湿性を有することが明らかとな
り、形状も変化して油状物となった。
【0052】
【実施例12】化合物[V]及び化合物[X]の吸湿性
試験(2) 化合物[V]及び化合物[X]について、各々10.0
gをビーカー中に入れ、気温25℃,相対湿度68%に
て静置し、経時的に重量変化を測定して、実施例11と
同様に吸湿率を求めた。また、4−メトキシ−2,3,
5−トリメチルピリジン−N−オキシドについても、同
様に試験を行ない、比較した。結果を表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】化合物[V]及び化合物[X]は、60分
経過後も吸湿は全く認められず、形状についても変化は
認められなかった。それに対し、4−メトキシ−2,
3,5−トリメチルピリジン−N−オキシドは、試験開
始直後から油状化しはじめ、3分後に5%、60分後に
は23%の吸湿率を示した。
【0055】
【効果】本発明の製造法によれば、抗潰瘍活性のある化
合物の製造中間体として有用な2−ヒドロキシメチル−
4−メトキシ−3,5−ジメチルピリジンを高純度で、
しかも高収率で提供することが出来る。更に、製造途中
で得られる2−ヒドロキシメチル−3,5−ジメチル−
4−ニトロピリジンと4−クロロ−2−ヒドロキシメチ
ル−3,5−ジメチルピリジンは結晶性で潮解性が無い
ことより、取扱い易く、バルクとして長期保存が可能な
化合物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各相対湿度における化合物の吸湿率を示したも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−135881(JP,A) 特開 昭59−59662(JP,A) 特開 昭59−206379(JP,A) 特開 平2−180868(JP,A) 特開 平3−215472(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 213/00 - 213/61 C07D 405/00 - 405/12 213 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式 【化1】 で示される4−メトキシ−2−(2−テトラヒドロピラ
    ニルオキシメチル)ピリジン化合物。
  2. 【請求項2】 式 【化2】 (式中、Rはニトロ基またはクロル基)で示される3,
    5−ジメチル−2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ
    メチル)ピリジン化合物。
  3. 【請求項3】 式 【化3】 (式中、Rはニトロ基またはクロル基)で示される2−
    ヒドロキシメチル−3,5−ジメチルピリジン化合物。
  4. 【請求項4】 式 【化4】 (式中、Rはニトロ基またはクロル基)で示される2−
    アセトキシメチル−3,5−ジメチルピリジン化合物。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の化合物をナトリウムメト
    キシドと反応させることを特徴とする請求項1記載の化
    合物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の化合物を酸触媒存在下、
    非プロトン性溶媒中3,4−ジヒドロ−2H−ピランと
    縮合することを特徴とする請求項2記載の化合物の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の化合物を塩基性条件下ま
    たは酸性条件下で、加溶媒分解することを特徴とする請
    求項3記載の化合物の製造方法。
  8. 【請求項8】 式 【化5】 (式中、Rはニトロ基またはクロル基)で示される2,
    3,5−トリメチルピリジン−N−オキシド化合物を無
    水酢酸と反応させることを特徴とする請求項4記載の化
    合物の製造方法。
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