JP3025509B2 - スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents
スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物Info
- Publication number
- JP3025509B2 JP3025509B2 JP2062184A JP6218490A JP3025509B2 JP 3025509 B2 JP3025509 B2 JP 3025509B2 JP 2062184 A JP2062184 A JP 2062184A JP 6218490 A JP6218490 A JP 6218490A JP 3025509 B2 JP3025509 B2 JP 3025509B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- styrene
- unsaturated
- liquid resin
- resin composition
- composition according
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物に関
し、更に詳しくは粘度が極めて低い液状組成物であるた
め、多量の充填材の配合が可能なものであって、従来の
不飽和ポリエステルよりも硬化速度が速いスチレン含有
熱硬化性液状樹脂組成物に関する。
し、更に詳しくは粘度が極めて低い液状組成物であるた
め、多量の充填材の配合が可能なものであって、従来の
不飽和ポリエステルよりも硬化速度が速いスチレン含有
熱硬化性液状樹脂組成物に関する。
従来からスチレン含有熱硬化性液状樹脂として不飽和
ポリエステルが広く用いられている。不飽和ポリエステ
ルはその粘度が約500センチポイズ以上であるため、充
填材の混入率を大きくすると、引き抜き成形、樹脂移動
成形(RTM)等において支障を招く。このため、混入率
を小さく抑えざるをえなかった。
ポリエステルが広く用いられている。不飽和ポリエステ
ルはその粘度が約500センチポイズ以上であるため、充
填材の混入率を大きくすると、引き抜き成形、樹脂移動
成形(RTM)等において支障を招く。このため、混入率
を小さく抑えざるをえなかった。
又、成形速度に直接関連する硬化速度も従来の不飽和
ポリエステルでは充分でなく、これが量産を要する自動
車部品への進出をにぶらせている一因をなしていた。
ポリエステルでは充分でなく、これが量産を要する自動
車部品への進出をにぶらせている一因をなしていた。
本発明の目的は上記した不都合の解消にあり、不飽和
ポリエステルの有する粘度より格段に低い粘度を有する
と共に、優れた硬化速度及び難燃性を有するスチレン含
有熱硬化性液状樹脂組成物を提供することにある。
ポリエステルの有する粘度より格段に低い粘度を有する
と共に、優れた硬化速度及び難燃性を有するスチレン含
有熱硬化性液状樹脂組成物を提供することにある。
本発明によるスチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物
は、スチレンと共重合可能な不飽和モノイソシアネート
と不飽和モノイソシアネートよりもモル比で少量の多価
アルコールを反応させ、ひき続き過剰の(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステルと反応させて得られる
不飽和ウレタン(II)、未反応(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシアルキルエステル及びスチレンを含有してなるこ
とを特徴とするものである。
は、スチレンと共重合可能な不飽和モノイソシアネート
と不飽和モノイソシアネートよりもモル比で少量の多価
アルコールを反応させ、ひき続き過剰の(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシアルキルエステルと反応させて得られる
不飽和ウレタン(II)、未反応(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシアルキルエステル及びスチレンを含有してなるこ
とを特徴とするものである。
本発明に使用される不飽和ウレタンは、スチレンと共
重合可能な不飽和モノイソシアネートと多価アルコール
とを反応させて得られたものである。
重合可能な不飽和モノイソシアネートと多価アルコール
とを反応させて得られたものである。
不飽和モノイソシアネートはその一分子中にスチレン
と共重合可能な二重結合と一つのイソシアネート基を有
するものであれば特に制限されない。この不飽和モノイ
ソシアネートとしては、例えば、メタクリル酸2−イソ
シアナトエチル、アクリル酸2−イソシアナトエチル、
メタクリル酸2−イソシアナトプロピル、アクリル酸2
−イソシアナトプロピルが挙げられる。これは1種もし
くは2種以上の混合系で使用される。これらの不飽和モ
ノイソシアネートの中でも入手の容易性の面から、メタ
クリル酸2−イソシアナトエチル、アクリル酸2−イソ
シアナトエチルの使用が好ましい。尚、不飽和モノイソ
シアネートはポリイソシアネートと混合して使用されて
もよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレ
ンビス(4−フェニルイソシアネート)、トリレンジイ
ソシアネートが挙げられる。
と共重合可能な二重結合と一つのイソシアネート基を有
するものであれば特に制限されない。この不飽和モノイ
ソシアネートとしては、例えば、メタクリル酸2−イソ
シアナトエチル、アクリル酸2−イソシアナトエチル、
メタクリル酸2−イソシアナトプロピル、アクリル酸2
−イソシアナトプロピルが挙げられる。これは1種もし
くは2種以上の混合系で使用される。これらの不飽和モ
ノイソシアネートの中でも入手の容易性の面から、メタ
クリル酸2−イソシアナトエチル、アクリル酸2−イソ
シアナトエチルの使用が好ましい。尚、不飽和モノイソ
シアネートはポリイソシアネートと混合して使用されて
もよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレ
ンビス(4−フェニルイソシアネート)、トリレンジイ
ソシアネートが挙げられる。
多価アルコールは一般に多価アルコールとして知られ
ているものであればいかなるものであってもよい。この
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリエステルグリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ビスフェノールA等の2価アルコール;グ
リセリン、トリメチロールエタン、5−メチル−1,2,4
−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等
の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価の
アルコール;エポキシ型ビニルエステル、ノボラック型
ビニル等の水酸基含有オリゴマーが挙げられる。これら
は1種もしくは2種以上の混合系で使用される。スチレ
ン含有熱硬化性液状樹脂組成物の硬化速度の向上を特に
重視する場合に多価アルコールは、多価アルコールと不
飽和モノイソシアネートとの反応生成物中の二重結合当
たりの分子量が小さくなるように選定される。また反応
生成物の1分子中の二重結合が3個以上あることも硬化
速度を特に上げる要因である。かかる観点から、多価ア
ルコールとしてはグリセリンの使用が特に好ましい。
ているものであればいかなるものであってもよい。この
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリエステルグリコール、ポリテトラメチレンエーテル
グリコール、ビスフェノールA等の2価アルコール;グ
リセリン、トリメチロールエタン、5−メチル−1,2,4
−ヘプタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール等
の3価のアルコール;ペンタエリスリトール等の4価の
アルコール;エポキシ型ビニルエステル、ノボラック型
ビニル等の水酸基含有オリゴマーが挙げられる。これら
は1種もしくは2種以上の混合系で使用される。スチレ
ン含有熱硬化性液状樹脂組成物の硬化速度の向上を特に
重視する場合に多価アルコールは、多価アルコールと不
飽和モノイソシアネートとの反応生成物中の二重結合当
たりの分子量が小さくなるように選定される。また反応
生成物の1分子中の二重結合が3個以上あることも硬化
速度を特に上げる要因である。かかる観点から、多価ア
ルコールとしてはグリセリンの使用が特に好ましい。
本発明による不飽和ウレタン(II)を得る際の不飽和
イソシアネートと多価アルコールとの反応割合は官能基
モル比(NCO/OH)で、通常、1.1〜1.6である。この反応
割合が前記した範囲を外れると耐熱水性が低下して望ま
しくない。
イソシアネートと多価アルコールとの反応割合は官能基
モル比(NCO/OH)で、通常、1.1〜1.6である。この反応
割合が前記した範囲を外れると耐熱水性が低下して望ま
しくない。
これら不飽和ウレタンは上述した不飽和モノイソシア
ネートと多価アルコールとを混合し、それに反応を円滑
に進ませるためにポリウレタンの製造の分野で周知のも
の、例えば第3級アミンおよび金属塩、特にジ−n−ブ
チル錫ジラウレートが合成触媒として使用される。この
際、通常、溶媒を多価アルコールに加え、さらに合成触
媒を添加し、得られた混合物の温度を30〜70℃に保持し
つつ不飽和モノイソシアネートを徐々に加える方法が採
用される。この溶媒は多価アルコールを溶かす性質のも
のである必要はない。反応後、溶媒を除去する手間を省
くことを考慮すれば、溶媒としてはスチレンの使用が望
ましい。溶媒の使用量は生成した不飽和ウレタンの濃度
が40〜80重量%となるように選定されるのが都合よい。
なお、液状樹脂組成物として特に硬化反応速度及び難燃
性を重視するならば濃度は高い方が良く、経済性を重視
するならば低い方が有利である。
ネートと多価アルコールとを混合し、それに反応を円滑
に進ませるためにポリウレタンの製造の分野で周知のも
の、例えば第3級アミンおよび金属塩、特にジ−n−ブ
チル錫ジラウレートが合成触媒として使用される。この
際、通常、溶媒を多価アルコールに加え、さらに合成触
媒を添加し、得られた混合物の温度を30〜70℃に保持し
つつ不飽和モノイソシアネートを徐々に加える方法が採
用される。この溶媒は多価アルコールを溶かす性質のも
のである必要はない。反応後、溶媒を除去する手間を省
くことを考慮すれば、溶媒としてはスチレンの使用が望
ましい。溶媒の使用量は生成した不飽和ウレタンの濃度
が40〜80重量%となるように選定されるのが都合よい。
なお、液状樹脂組成物として特に硬化反応速度及び難燃
性を重視するならば濃度は高い方が良く、経済性を重視
するならば低い方が有利である。
反応溶媒として、また液状樹脂組成物の成分としてス
チレンは重要な成分であるが、その一部をスチレンと共
重合しうる(メタ)アクリル酸アルキルエステル等で置
換してもよく、これにより火災時の発煙性が低下する
が、成形時の臭気は強くなる。スチレンの一部を塩素化
スチレンで置換すると難燃性が向上する。その他、種々
な目的に応じてスチレンの一部を他のビニル単量体と置
換して使用してもよい。
チレンは重要な成分であるが、その一部をスチレンと共
重合しうる(メタ)アクリル酸アルキルエステル等で置
換してもよく、これにより火災時の発煙性が低下する
が、成形時の臭気は強くなる。スチレンの一部を塩素化
スチレンで置換すると難燃性が向上する。その他、種々
な目的に応じてスチレンの一部を他のビニル単量体と置
換して使用してもよい。
本発明に使用される(メタ)アクリル酸ヒドロキシア
ルキルエステルは、活性水素基を有するものであって、
液状組成物中にその未反応物が残存しても硬化反応速度
を低下させるような影響を与えず且つ硬化時に硬化物の
一部になり得るものであればいかなるものであってもよ
い。このような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステルとしては、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピルが挙げられる。これらは1種もしくは2種以
上の混合系で使用される。この(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシアルキルエステルの使用割合は、通常、過剰
な不飽和モノイソシアネートのモル数の1〜1.5倍であ
る。この使用割合が上記範囲を外れると耐熱水性と経済
性の点で望ましくない。好ましくは1.0〜1.2倍である。
ルキルエステルは、活性水素基を有するものであって、
液状組成物中にその未反応物が残存しても硬化反応速度
を低下させるような影響を与えず且つ硬化時に硬化物の
一部になり得るものであればいかなるものであってもよ
い。このような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル
エステルとしては、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピルが挙げられる。これらは1種もしくは2種以
上の混合系で使用される。この(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシアルキルエステルの使用割合は、通常、過剰
な不飽和モノイソシアネートのモル数の1〜1.5倍であ
る。この使用割合が上記範囲を外れると耐熱水性と経済
性の点で望ましくない。好ましくは1.0〜1.2倍である。
本発明において不飽和ウレタン(II)及び(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキルエステルの合計量とスチレ
ンとの配合割合は重量比で、10/90〜90/10であることが
好ましい。この配合割合が10/90未満では硬化反応が著
しくおそくなり、90/10を超えると硬化物は剛性不足と
なり望ましくない。更に好ましくは25/75〜75/25であ
る。
クリル酸ヒドロキシアルキルエステルの合計量とスチレ
ンとの配合割合は重量比で、10/90〜90/10であることが
好ましい。この配合割合が10/90未満では硬化反応が著
しくおそくなり、90/10を超えると硬化物は剛性不足と
なり望ましくない。更に好ましくは25/75〜75/25であ
る。
本発明の液状樹脂組成物は粘度が30℃において80〜15
0センチポイズで、不飽和ポリエステルの500〜1200セン
チポイズに比べ低粘度であるため、多量の無機充填材を
混合でき、不飽和ポリエステルについて開発されている
各種の操作及び方法を適用して容易に成形及び硬化させ
ることができる。その際、それぞれの成形方法、条件に
適した過酸化物が併用され、それにより容易に高速度で
ラジカル重合させることができる。引き抜き成形法、各
種のプレス成形法、樹脂移動成形法等の成形を実施する
には、通常、本発明の液状樹脂組成物に充填材、離形
剤、強化繊維等を混合乃至含浸させる。その際、それら
の種類、配合割合、混合方法、含浸方法は基本的には不
飽和ポリエステルにおける知識で十分である。
0センチポイズで、不飽和ポリエステルの500〜1200セン
チポイズに比べ低粘度であるため、多量の無機充填材を
混合でき、不飽和ポリエステルについて開発されている
各種の操作及び方法を適用して容易に成形及び硬化させ
ることができる。その際、それぞれの成形方法、条件に
適した過酸化物が併用され、それにより容易に高速度で
ラジカル重合させることができる。引き抜き成形法、各
種のプレス成形法、樹脂移動成形法等の成形を実施する
には、通常、本発明の液状樹脂組成物に充填材、離形
剤、強化繊維等を混合乃至含浸させる。その際、それら
の種類、配合割合、混合方法、含浸方法は基本的には不
飽和ポリエステルにおける知識で十分である。
無機充填材としては水酸化アルミニウム(Al2O3・3H2
O)、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸カルシウム等が挙
げられるが、難燃性を向上させるには水酸化アルミニウ
ムの使用が好ましい。この充填材は10μm以下の微粒子
状で、10〜70重量%程度添加されるが、必要に応じて充
填材の配合された混合物の粘度をさげるために、10μm
以上の粒径の充填材が使用されてもよい。
O)、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸カルシウム等が挙
げられるが、難燃性を向上させるには水酸化アルミニウ
ムの使用が好ましい。この充填材は10μm以下の微粒子
状で、10〜70重量%程度添加されるが、必要に応じて充
填材の配合された混合物の粘度をさげるために、10μm
以上の粒径の充填材が使用されてもよい。
本発明の液状樹脂組成物は充填材を加え、ガラス繊維
を共存させて硬化させた場合、不飽和ポリエステルを同
じように使用した場合に比べ成形収縮率が大きくなり好
ましくない。このことは例えば多価アルコールとしてグ
リセリンを不飽和イソシアネートとしてメタクリル酸2
−イソシアナトエチルを使用した場合に生ずる不飽和ウ
レタンの二重結合当りの分子量が約186であるにもかか
わらず、一般に広く使用されている不飽和ポリエステル
のそれは220〜350程度であることに起因する。その結果
成形物の寸法正確度が劣り、成形物表面には所謂ガラス
パターンが強く表れる缺点が本発明の液状樹脂組成物で
は不飽和ポリエステルに比し現れやすい。これらの缺点
は低収縮剤を用いて容易に回避できる。即ち、低収縮剤
としてはスチレンに溶解乃至膨潤可能な物質であるなら
ばいずれであってもよいが、通常はビニル重合体、繊維
素ビニル、未加硫ゴム等が使用される。この低収縮剤は
その重量の2〜4倍のスチレンの溶解乃至分散させ、そ
れを液状樹脂と重量で10/90〜60/40に混合して用いるの
が一般的である。これにより成形収縮率は極めて小さ
く、場合によって収縮ではなく膨張に変えることがで
き、このため成形物の表面はゲルコートをしなくても良
好なものが得られる。
を共存させて硬化させた場合、不飽和ポリエステルを同
じように使用した場合に比べ成形収縮率が大きくなり好
ましくない。このことは例えば多価アルコールとしてグ
リセリンを不飽和イソシアネートとしてメタクリル酸2
−イソシアナトエチルを使用した場合に生ずる不飽和ウ
レタンの二重結合当りの分子量が約186であるにもかか
わらず、一般に広く使用されている不飽和ポリエステル
のそれは220〜350程度であることに起因する。その結果
成形物の寸法正確度が劣り、成形物表面には所謂ガラス
パターンが強く表れる缺点が本発明の液状樹脂組成物で
は不飽和ポリエステルに比し現れやすい。これらの缺点
は低収縮剤を用いて容易に回避できる。即ち、低収縮剤
としてはスチレンに溶解乃至膨潤可能な物質であるなら
ばいずれであってもよいが、通常はビニル重合体、繊維
素ビニル、未加硫ゴム等が使用される。この低収縮剤は
その重量の2〜4倍のスチレンの溶解乃至分散させ、そ
れを液状樹脂と重量で10/90〜60/40に混合して用いるの
が一般的である。これにより成形収縮率は極めて小さ
く、場合によって収縮ではなく膨張に変えることがで
き、このため成形物の表面はゲルコートをしなくても良
好なものが得られる。
本発明の液状樹脂組成物を用いて充填材/樹脂分の比
を大きくできるのは、一分子中にイソシアネート基を1
個有する不飽和モノイソシアネートが反応成分として使
用され、生成した不飽和ウレタンの分子量が不飽和ポリ
エステル中の所謂アルキッド分のそれに比し著しく小さ
くなることによる樹脂分の粘度の低さによるものと推定
される。また成形物の難燃性が向上したのは、不飽和ポ
リエステルの場合に比べ充填材の樹脂分に対する混入率
を高めたことによるのみならず、不飽和ウレタン中のウ
レタン結合の存在によるものと推定される。さらに本発
明の液状樹脂組成物を用いると不飽和ポリエステルの比
べて硬化が速いのは不飽和ウレタンの二重結合当りの分
子量が不飽和ポリエステルに比べ小さいこととかつその
二重結合が分子の末端にあることによると推定される。
を大きくできるのは、一分子中にイソシアネート基を1
個有する不飽和モノイソシアネートが反応成分として使
用され、生成した不飽和ウレタンの分子量が不飽和ポリ
エステル中の所謂アルキッド分のそれに比し著しく小さ
くなることによる樹脂分の粘度の低さによるものと推定
される。また成形物の難燃性が向上したのは、不飽和ポ
リエステルの場合に比べ充填材の樹脂分に対する混入率
を高めたことによるのみならず、不飽和ウレタン中のウ
レタン結合の存在によるものと推定される。さらに本発
明の液状樹脂組成物を用いると不飽和ポリエステルの比
べて硬化が速いのは不飽和ウレタンの二重結合当りの分
子量が不飽和ポリエステルに比べ小さいこととかつその
二重結合が分子の末端にあることによると推定される。
以下に、実施例及び比較例を掲げ、本発明を更に詳し
く説明する。尚「部」及び「%」は全て「重量部」及び
「重量%」である。
く説明する。尚「部」及び「%」は全て「重量部」及び
「重量%」である。
実施例1〜8並びに比較例1及び2 ビスフェノールA28.5部をスチレン50.1部に混じた。
一部溶解しないビスフェノールAが存在していた。触媒
としてジ−n−ブチル錫ジラウレート0.25部を添加し撹
拌を行った。これにメタクリル酸2−イソシアナトエチ
ル46.6部を室温で滴下し反応させた。反応熱で液温は少
し上昇した。滴下後さらに液温を50℃に上げて2時間撹
拌した。このときのNCO/OHモル比は1.2/1.0であった。
次にメタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.8部とスチレ
ン5.2部の混合物をこの反応液に添加して本発明の液状
樹脂組成物を得た。メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
のOH/過剰NCOモル比は1.2であった。得られた反応液
中、スチレン以外の成分、すなわち不揮発性成分に相当
するものは60%であった。
一部溶解しないビスフェノールAが存在していた。触媒
としてジ−n−ブチル錫ジラウレート0.25部を添加し撹
拌を行った。これにメタクリル酸2−イソシアナトエチ
ル46.6部を室温で滴下し反応させた。反応熱で液温は少
し上昇した。滴下後さらに液温を50℃に上げて2時間撹
拌した。このときのNCO/OHモル比は1.2/1.0であった。
次にメタクリル酸2−ヒドロキシエチル7.8部とスチレ
ン5.2部の混合物をこの反応液に添加して本発明の液状
樹脂組成物を得た。メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
のOH/過剰NCOモル比は1.2であった。得られた反応液
中、スチレン以外の成分、すなわち不揮発性成分に相当
するものは60%であった。
なお、ジエチレングリコール、ペンタエリスリトー
ル、グリセリンをそれぞれ出発原料とし第1表に示すよ
うに実施例2〜4の仕込み組成で本発明の液状樹脂組成
物を得た。但し、ペンタエリスリトールを出発原料とす
る場合は、粉末であるので瑪瑙乳鉢を用い充分に微粉末
化し、メタクリル酸2−イソシアナトエチルを添加した
後は60℃で24時間保持して反応液が完全に透明になるよ
うにした。
ル、グリセリンをそれぞれ出発原料とし第1表に示すよ
うに実施例2〜4の仕込み組成で本発明の液状樹脂組成
物を得た。但し、ペンタエリスリトールを出発原料とす
る場合は、粉末であるので瑪瑙乳鉢を用い充分に微粉末
化し、メタクリル酸2−イソシアナトエチルを添加した
後は60℃で24時間保持して反応液が完全に透明になるよ
うにした。
実施例5〜8は多価アルコールの水酸基(OH)とメタ
クリル酸2−イソシアナトエチルのイソシアネート基
(NCO)のモル比を1.0もしくはその前後で行い、過剰の
OHもしくはNCOをそのまま反応生成液中に残存させた例
で、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの添加を行って
いない。反応方法は実施例1に準じて行った。何れの場
合もメタクリル酸2−イソシアナトエチルをジ−n−ブ
チル錫ジラウレート0.25部存在下滴下し始める段階では
スチレン中の多価アルコールはあまり溶解していない
が、反応の進展と共に溶解が進みやがて均一な反応液が
得られた。最終的に得られた反応液中の不揮発性成分は
60%であるように調整した。結果を第1表に示す。
クリル酸2−イソシアナトエチルのイソシアネート基
(NCO)のモル比を1.0もしくはその前後で行い、過剰の
OHもしくはNCOをそのまま反応生成液中に残存させた例
で、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの添加を行って
いない。反応方法は実施例1に準じて行った。何れの場
合もメタクリル酸2−イソシアナトエチルをジ−n−ブ
チル錫ジラウレート0.25部存在下滴下し始める段階では
スチレン中の多価アルコールはあまり溶解していない
が、反応の進展と共に溶解が進みやがて均一な反応液が
得られた。最終的に得られた反応液中の不揮発性成分は
60%であるように調整した。結果を第1表に示す。
これらの液状樹脂組成物の粘度をブルックフィールド
粘度計を用いて25℃で測定し、硬化特性はJIS K−690
1に準じて測定された。結果を第2表に示す。
粘度計を用いて25℃で測定し、硬化特性はJIS K−690
1に準じて測定された。結果を第2表に示す。
比較例1及び2としてそれぞれ不揮発性成分が60%で
ある市販の不飽和ポリエステルであるポリマール3209
(武田薬品工業社製)及びポリセット9192(日立化成工
業社製)を用いて粘度測定及び硬化特性の測定を行っ
た。
ある市販の不飽和ポリエステルであるポリマール3209
(武田薬品工業社製)及びポリセット9192(日立化成工
業社製)を用いて粘度測定及び硬化特性の測定を行っ
た。
結果を第3表に示す。
第2表と第3表を対比してわかるように、本発明の液
状樹脂組成物は市販の不飽和ポリエステルに比し、粘度
がひくく、硬化が速いことが確認された。
状樹脂組成物は市販の不飽和ポリエステルに比し、粘度
がひくく、硬化が速いことが確認された。
実施例9及び10並びに比較例3及び4 グリセリン20.1部をスチレン82.3部に混合し、更にジ
−n−ブチル錫ジラウレートを0.35部加えた。得られた
混合物にメタクリル酸2−イソシアナトエチル103.5部
を加え、60℃で1時間保持して本発明の液状樹脂組成物
〔I〕(実施例9)を得た。不揮発性成分は60%であ
り、NCO/OHモル比は1.02であった。
−n−ブチル錫ジラウレートを0.35部加えた。得られた
混合物にメタクリル酸2−イソシアナトエチル103.5部
を加え、60℃で1時間保持して本発明の液状樹脂組成物
〔I〕(実施例9)を得た。不揮発性成分は60%であ
り、NCO/OHモル比は1.02であった。
別にポリ酢酸ビニル33部をスチレン67部に溶解して低
収縮用高分子物溶液〔II〕を用意した。これら〔II〕/
〔I〕=20/80の混合液〔III〕(実施例10)を作った。
収縮用高分子物溶液〔II〕を用意した。これら〔II〕/
〔I〕=20/80の混合液〔III〕(実施例10)を作った。
これらの〔I〕及び〔III〕の溶液100に対し、それぞ
れtert−ブチルパーベンゾエート(TBPB)を2.0%溶解
し、ついでステアリン酸亜鉛を4部加えた。さらにそれ
らにそれぞれ水酸化アルミニウム粉末150部をBMC用のニ
ーダを用いて添加混練し均一なペースト状のプレミック
スを得た。
れtert−ブチルパーベンゾエート(TBPB)を2.0%溶解
し、ついでステアリン酸亜鉛を4部加えた。さらにそれ
らにそれぞれ水酸化アルミニウム粉末150部をBMC用のニ
ーダを用いて添加混練し均一なペースト状のプレミック
スを得た。
これらのプレミックスをSMC用の金型とプレスを使用
し、型温150℃で板を成形し、線収縮率を測定した。難
燃性度はJIS K−7201に準じて最低酸素指数を測定す
ることによって行った。結果を第4表に示す。
し、型温150℃で板を成形し、線収縮率を測定した。難
燃性度はJIS K−7201に準じて最低酸素指数を測定す
ることによって行った。結果を第4表に示す。
比較例3はポリマール3209を用い、また比較例4は上
記の高分子物の溶液〔II〕をそれに〔II〕/ポリマール
3209=20/80になるように混合した溶液を用い、それぞ
れ実施例9及び10と同様にしてプレミックスを作り成形
板を得た。
記の高分子物の溶液〔II〕をそれに〔II〕/ポリマール
3209=20/80になるように混合した溶液を用い、それぞ
れ実施例9及び10と同様にしてプレミックスを作り成形
板を得た。
また実施例9及び10と同様にして線成形収縮率及び再
生酸素指数を測定した。結果を第5表に示す。
生酸素指数を測定した。結果を第5表に示す。
第4表及び第5表より明らかなように、本発明の液状
樹脂組成物は市販の不飽和ポリエステルよりも難燃性の
面で格段に優れていることが確認された。
樹脂組成物は市販の不飽和ポリエステルよりも難燃性の
面で格段に優れていることが確認された。
以上に詳述した通り、本発明のスチレン含有熱硬化性
液状樹脂組成物は、従来の不飽和ポリエステルに比べ、
粘度が極めて低く、硬化反応が迅速で、しかも組成物自
身の中に燃焼しにくい構造を一部有している。このため
難燃化充填材を多量に使用できることと相俟って難燃性
の優れた成形物を、効率よく製造することが期待でき、
工業的価値は極めて大である。
液状樹脂組成物は、従来の不飽和ポリエステルに比べ、
粘度が極めて低く、硬化反応が迅速で、しかも組成物自
身の中に燃焼しにくい構造を一部有している。このため
難燃化充填材を多量に使用できることと相俟って難燃性
の優れた成形物を、効率よく製造することが期待でき、
工業的価値は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−80428(JP,A) 特開 昭62−127311(JP,A) 特開 昭61−276870(JP,A) 特開 平2−150410(JP,A) 特開 平3−221513(JP,A) 特開 平2−178315(JP,A) 特開 平3−163116(JP,A) 特開 平1−317720(JP,A) 特開 昭63−286415(JP,A) 特開 昭60−197719(JP,A) 特開 平3−66719(JP,A) 特開 平2−102214(JP,A) 特開 平3−247610(JP,A) 特表 昭57−502004(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 C08F 20/00 - 20/70 C08F 120/00 - 120/70 C08F 220/00 - 220/70 C08G 18/00 - 18/87
Claims (7)
- 【請求項1】スチレンと共重合可能な不飽和モノイソシ
アネートと不飽和モノイソシアネートよりもモル比で少
量の多価アルコールを反応させ、ひき続き過剰の(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルと反応させ
て得られる不飽和ウレタン(II)、未反応(メタ)アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル及びスチレンを含有
してなることを特徴とするスチレン含有熱硬化性液状樹
脂組成物。 - 【請求項2】不飽和ウレタン(II)及び未反応(メタ)
アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの合計量とスチ
レンとの配合割合が重量比で10/90〜90/10である請求項
1記載の組成物。 - 【請求項3】多価アルコールがグリセリンである請求項
1記載の組成物。 - 【請求項4】不飽和モノイソシアネートがメタクリル酸
2−イソシアナトエチルである請求項1記載の組成物。 - 【請求項5】さらにスチレンに溶解もしくは膨潤可能な
高分子物を含む請求項1記載の組成物。 - 【請求項6】さらに無機充填材を含む請求項1記載の組
成物。 - 【請求項7】さらにガラス繊維を含む請求項1記載の組
成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2062184A JP3025509B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2062184A JP3025509B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03263416A JPH03263416A (ja) | 1991-11-22 |
JP3025509B2 true JP3025509B2 (ja) | 2000-03-27 |
Family
ID=13192796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2062184A Expired - Fee Related JP3025509B2 (ja) | 1990-03-13 | 1990-03-13 | スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3025509B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TW201823344A (zh) * | 2016-12-23 | 2018-07-01 | 奇美實業股份有限公司 | 熱可塑性樹脂組成物及其所形成的成型品 |
-
1990
- 1990-03-13 JP JP2062184A patent/JP3025509B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03263416A (ja) | 1991-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE68928521T2 (de) | Kunststoffzusammensetzung für optisches modellieren | |
JPH08183820A (ja) | 光学的立体造形用樹脂及び光学的立体造形用樹脂組成物 | |
JPH05140253A (ja) | 増粘された硬化性成形材料およびその製造法 | |
US5290893A (en) | Metharcylate prepolymer containing triazine ring structure, its preparation, and setting composition and resin | |
CN110903437A (zh) | 一种具有阻燃性能的高效dlp光敏树脂 | |
JP3025509B2 (ja) | スチレン含有熱硬化性液状樹脂組成物 | |
US5364903A (en) | Molded products for molding compositions containing thermalsetting (meth)acrylate liquid resins | |
JP3346022B2 (ja) | 樹脂組成物、及びポリブタジエン含有ウレタンアクリレート樹脂の製造方法 | |
JP2849240B2 (ja) | 防曇組成物用の活性エネルギー線硬化型オリゴマー | |
JPH05214241A (ja) | 重合性組成物 | |
JP4049418B2 (ja) | 引き抜き成形用材料及び引き抜き成形品 | |
JP3316040B2 (ja) | 光硬化型樹脂組成物 | |
JPH03247610A (ja) | 低収縮性(メタ)アクリレート系液状組成物 | |
JPH04161447A (ja) | ポリエステル樹脂組成物、その製造方法及びそれを用いた塗料 | |
JPH11106643A (ja) | 硬化性樹脂組成物 | |
JPH0551507A (ja) | 熱硬化性アクリレート系組成物 | |
JP2956208B2 (ja) | 人工大理石用樹脂組成物及びそれを用いた人工大理石 | |
JP3417624B2 (ja) | ポリオールおよびそれを用いたポリウレタン組成物 | |
JPS60231718A (ja) | 重合体生成物の製造方法 | |
JP3000478B2 (ja) | ラジカル重合性不飽和樹脂組成物、成形材料、低収縮剤及びその製法 | |
JPH0472353A (ja) | 成形材料用熱硬化性液状樹脂組成物 | |
JPH10152495A (ja) | 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 | |
JPS6354412A (ja) | 光硬化性樹脂組成物 | |
JPH09295846A (ja) | レジンコンクリート用樹脂組成物 | |
JPH069751A (ja) | 型内被覆成形用樹脂組成物及び型内被覆成形方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090121 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |