JP2852966B2 - 成形材料用熱硬化性液状樹脂及びこれを含有する成形材料用熱硬化性液状樹脂組成物 - Google Patents

成形材料用熱硬化性液状樹脂及びこれを含有する成形材料用熱硬化性液状樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は成形材料用熱硬化性液状樹脂(以下、単に液
状樹脂という)及びこれを含有する成形材料用熱硬化性
液状樹脂組成物(以下、単に液状樹脂組成物という)に
関する。
液状樹脂を含有する液状樹脂組成物が広く利用されて
いる。例えば代表的な液状樹脂である不飽和ポリエステ
ル樹脂を含有する液状樹脂組成物の成形品が自動車の外
板や外装材等に使用されている。液状樹脂組成物の成形
品を得るための成形方法にも各種があり、例えばシート
モールディングコンパウンド(SMC)を用いる圧縮成形
法、バルクモールディングコンパウンド(BMC)を用い
る射出成形法、補強用繊維のマット、織物、ストランド
に液状樹脂を含浸硬化させるハンドレイアップ法や引抜
成形法更には成形品を得るための最も理想的且つ経済的
な成形法法として、液状樹脂組成物を金型に導入し、迅
速な金型内重合を行なう樹脂移送成形法(RTM)又は反
応射出成形法(RIM)等がある。
本発明は特定構造の不飽和エステルウレタンと(メ
タ)アクリル酸アルキルとから成る液状樹脂及びこれを
含有する液状樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術、その課題> 従来、前述したように代表的な液状樹脂として不飽和
ポリエステル樹脂がある。
ところが、該不飽和ポリエステル樹脂には、硬化速度
が遅いという課題がある。高化速度が遅いと、成形サイ
クルの短縮化による生産性向上の要請に反し、自動車の
外板や外装材等の大量生産を要する分野においては大き
な制約になる。また該不飽和ポリエステル樹脂には、も
ともと低粘度のものが得難く、これに無機粉状充填材を
含有させた液状樹脂組成物を調製すると、その粘度が著
しく高くなってしまうという課題がある。粘度が高い
と、金型内への移送に長時間を要し、不都合に粘度が高
くなるのを抑えようとすると、必然的に充填材の含有率
を高めるのに制約が伴う。更に該不飽和ポリエステル樹
脂には、フタル酸類やビスフェノール類を原料とし、ス
チレンを反応稀釈剤(溶剤)とするため、芳香族炭化水
素の含有率が高くなり、その結果燃焼時の黒煙発生が多
いという課題がある。燃焼時の黒煙発生が多いと、避難
や誘導を困難にし、これが火災における致死原因の第1
とされているのは周知の通りである。
そこで従来、かかる不飽和ポリエステル樹脂の課題を
解決するものとして、ポリメチレンポリフェニルポリイ
ソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
トとから得られる不飽和ウレタンと(メタ)アクリル酸
アルキルとから成る液状樹脂が提案されている(特開昭
57−182312、特開昭61−225210)。
ところが、該液状樹脂には、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネートとヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートとから得られる不飽和ウレタンを用いること
に起因して、次のような課題がある。
1)前述した不飽和ポリエステル樹脂に比べれば硬化速
度は早いが、成形サイクルの短縮化による生産性向上の
現実要請に応えるにはなお不充分である。
2)得られる成形物の熱変形温度が低い。
3)得られる成形物の燃焼時における黒煙発生が依然と
して多い。これを抑えるために多量の含水無機粉状充填
剤を含有させた液状樹脂組成物を調製すると、その粘度
が高くなってしまい、その成形操作が困難になる。
<発明が解決しようとする課題、その解決手段> 本発明は叙上の如き従来の課題を解決する液状樹脂及
びこれを含有する液状樹脂組成物を提供するものであ
る。
しかして本発明者らは、不飽和ウレタンと(メタ)ア
クリル酸アルキルとから成る液状樹脂及びこれを含有す
る液状樹脂組成物について、不飽和ウレタンの化学構造
がその硬化速度や得られる成形物の物性に及ぼす影響に
ついて研究した結果、不飽和ウレタンとして(メタ)ア
クリロイル基を不飽基とする特定構造の不飽和エステル
ウレタンを所定割合で用いることが正しく目的に適うこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、 下記の一般式で示される不飽和エステルウレタンと
(メタ)アクリル酸アルキルとから成り、該不飽和エス
テルウレタン/該(メタ)アクリル酸アルキル=10/90
〜90/10(重量比)である液状樹脂及び該液状樹脂と無
機粉状充填材とを含有して成る液状樹脂組成物に係わ
る。
一般式 但し、X:3価又は4価のポリオールから水酸基を除い
た残基 R1,R2,R3:同時に同一又は異なるH又はCH3 m,n:1〜3の整数であり、且つm+n=3又は
4を満足する整数 本発明の液状樹脂において、不飽和エステルウレタン
は、3価又は4価のポリオール中の水酸基の1個乃至3
個が(メタ)アクリル酸によってエステル化されてお
り、且つ残りの水酸基が(メタ)アクリロイル基を有す
る不飽和モノイソシアネートによってウレタン化された
ものである。
上記の3価又は4価のポリオールとしては、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等
の3価のアルコール、ペンタエリスリトール等の4価の
アルコール、これら3価又は4価のアルコールにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテル
ポリオール、これら3価又は4価のアルコールにカプロ
ラクトン、ブチロラクトン等の脂肪族ラクトンを付加し
たポリエステルポリオール等が挙げられる。また上記の
(メタ)アクリロイル基を有する不飽和モノイソシアネ
ートとしては、アクリロイルオキシエチルイソシアネー
ト、アクリロイルオキシ−2−メチル−エチルイソシア
ネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、
メタクリロイルオキシ−2−メチル−エチルイソシアネ
ート等が挙げられるが、これらのうちではメタクリロイ
ルオキシエチルイソシアネートが有利である。
本発明の液状樹脂において不飽和エステルウレタンの
種類は該液状樹脂の硬化速度や得られる成形物の物性に
影響を及ぼす。液状樹脂の硬化速度及び得られる成形物
の熱変形温度を向上させるためには、一定容積の液状樹
脂中に含まれる不飽和エステルウレタンに基づくラジカ
ル重合性二重結合(以下、二重結合という)の濃度を上
げることが肝要であり、このためには不飽和エステルウ
レタンとしてそれに含まれる二重結合1個当たりの分子
量の小さいものを用いるのが有利である。また得られる
成形物の剛性を向上させるためには、液状樹脂の粘度が
やや高くなっても、不飽和エステルウレタンとして、ポ
リエーテルポリオールを(メタ)アクリル酸によって部
分的にエステル化した部分エステルから誘導されるもの
を用いるのが有利である。
不飽和エステルウレタンの合成方法には各種があり、
本発明は該合成方法を特に限定するものではないが、本
発明における不飽和エステルウレタンを合成するに際し
ては、前述した3価又は4価のポリオールを(メタ)ア
クリル酸によって部分的にエステル化した部分エステル
と、前述した(メタ)アクリロイル基を有する不飽和モ
ノイソシアネートとを、ウレタン化反応させるのが有利
である。この場合、該部分エステルとしては、グリセリ
ンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、1,2,6−ヘキサントリオールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等の水酸基を1個有する部分エステ
ル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールジ(メタ)アクリレート等の水酸基を2個有す
る部分エステル、ペンタエリスリトールモノ(メタ)ア
クリレート等の水酸基を3個有する部分エステルが挙げ
られる。
本発明における不飽和エステルウレタンを合成する際
の(メタ)アクリロイル基を有する不飽和モノイソシア
ネート/上記の部分エステルの反応割合は官能基モル比
(NCO/OH)で1/1となるようにするのが好ましいが、1/
0.95〜0.95/1の範囲で変動しても特に支障はない。過剰
の部分エステルが存在しても、得られる液状樹脂を重合
硬化させる際に該部分エステルが重合物の分子鎖の中に
支障なく組み込まれるので、通常は官能基モル比が0.95
/1〜1/1で行なう。具体的に、不飽和エステルウレタン
の合成では、部分エステルに溶媒を加え、更に触媒、例
えばポリウレタンの合成において周知の第3級アミン、
金属塩、好ましくはジ−n−ブチル錫ジラウレートを加
えて、温度を30〜80℃に保持しつつ、(メタ)アクリロ
イル基を有する不飽和モノイソシアネートを徐々に加え
る方法が採用される。この場合、反応後に溶媒を除去す
る必要がないので、該溶媒として反応希釈剤である(メ
タ)アクリル酸アルキルを用いるのが好ましい。
本発明の液状樹脂において、不飽和ウレタンの反応希
釈剤として用いる(メタ)アクリル酸アルキルはメタク
リル酸アルキル及びアクリル酸アルキルを包含するもの
である。この場合のアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、こ
れらは1種又は2種以上を適宜用いることができるが、
得られる成形物の物性から見てメチルメタクリレートが
好ましい。
本発明の液状樹脂は、不飽和エステルウレタンと(メ
タ)アクリル酸アルキルとから成り、該不飽和エステル
ウレタン/該(メタ)アクリル酸アルキル=10/90〜90/
10(重量比)、好ましくは40/60〜75/25(重量比)から
成るものである。10/90未満では、硬化速度が遅く、ま
た得られる成形物の熱変形温度が低くなる。逆に90/10
を超えると、液状樹脂の粘度が高くなり過ぎ、また得ら
れる成形物の剛性が下がる。
次に本発明の液状樹脂組成物について説明する。本発
明の液状樹脂組成物は、前述した液状樹脂と無機粉状充
填材とを含有して成るものである。
前述した液状樹脂は不飽和ポリエステル樹脂に比べて
はるかに低粘度であるため、多量の無機粉状充填材を含
有させることができる。その含有量は、無機粉状充填材
の種類、粒径、液状樹脂組成物の成形方法、得られる成
形物に望まれる物性、例えば難燃性等によって異なる
が、総じて、液状樹脂100重量部当り40〜230重量部であ
る。
具体的に、含有させる無機粉状充填材としては、アル
ミナ3水和物(Al2O3・3H2O)、炭酸カルシウム、シリ
カ、硫酸カルシウム2水塩(CaSO2・2H2O)等が挙げら
れるが、難燃性を向上させるには、結晶水を含む無機粉
状充填材、特にアルミナ3水和物が好ましい。アルミナ
3水和物の場合、液状樹脂100重量部当り40重量部の含
有量で得られる成形物の難燃性を充分に向上し、またそ
の燃焼時における黒煙発生を回避できるが、更に難燃性
の指標とされる酸素指数(LOI)を向上させるために
は、成形操作が可能な範囲でその含有量を高めるのが好
ましい。
本発明の液状樹脂組成物は、前述した液状樹脂に硬化
収縮防止剤として熱可塑性高分子化合物を含有させるこ
とにより、硬化収縮の低減された液状樹脂組成物とする
ことができる。この場合、該熱可塑性高分子化合物は該
液状樹脂の反応希釈剤である(メタ)アクリル酸アルキ
ルに対して可溶又は膨潤するものを用いる。具体的に、
かかる熱可塑性高分子化合物としては、ポリメタクリル
酸メチル、ポリ酢酸ビニル、スチレン−ブタジエン共重
合体等のビニル重合体、ポリ(プロピレン−アジペー
ト)等の縮合重合体、ポリカプロラクトン等の開環付加
重合体が挙げられる。これらの熱可塑性高分子化合物の
含有量は、その種類、液状樹脂の性状、得られる成形物
に望まれる物性等によって異なるが、通常、液状樹脂中
に3〜15重量%含有されるようにする。熱可塑性高分子
化合物の性状によって、これを予め(メタ)アクリル酸
アルキルに溶解しておいてもよいし、或はこれを液状樹
脂へ直接添加してもよい。
本発明の液状樹脂組成物の調製には、不飽和ポリエス
テル樹脂について提供されている各種の処方が適用でき
る。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするた
め、実施例等を挙げる。
<実施例等> ・試験区分1(不飽和エステルウレタンの合成) ‥不飽和エステルウレタンAの合成(実施例に相当) 反応容器にグリセリンジメタクリレート114.1g(0.5
モル)、メチルメタクリレート127.7g及びジ−n−ブチ
ル錫ジラウレート1.0gを仕込み、50℃に保持した。これ
にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート77.5g
(0.5モル)を30分かけて徐々に加え、反応させた。こ
の際に反応熱が出るが、反応容器内の温度を60〜70℃に
保持した。その後、60〜65℃で1時間反応を続け、合成
を終了した。不飽和エステルウレタンAを60%(重量
%、以下同じ)含む均一な液状樹脂を得た。この液状樹
脂を室温に冷却して1週間放置したが、濁りや固形物は
現われなかった。
‥不飽和エステルウレタンBの合成(実施例に相当) 反応容器に1,2,6−ヘキサントリオールジメタクリレ
ート145g(0.5モル)、メチルメタクリレート148.3g及
びジ−n−ブチル錫ジラウレート1.0gを仕込み、50℃に
保持した。これにメタクリロイルオキシエチルイソシア
ネート77.5g(0.5モル)を30分かけて徐々に加え、反応
させた。この際に反応熱が出るが、反応容器内の温度を
60〜70℃に保持した。その後、60〜65℃で1時間反応を
続け、合成を終了した。不飽和エステルウレタンBを60
%含む均一な液状樹脂を得た。この液状樹脂を室温に冷
却して1週間放置したが、濁りや固形物は現われなかっ
た。
‥不飽和エステルウレタンR−1の合成(比較例に相
当) グリセリンジメタクリレート114.1gに代えてヒドロキ
シエチルメタクリレート130g(1.0モル)を用い、また
メチルメタクリレート127.7gを190gに増やし、更にメタ
クリロイルオキシエチルイソシアネート77.5gを155g
(1.0モル)に増やした以外は全て不飽和エステルウレ
タンAの合成と同様にして、不飽和エステルウレタンR
−1を60%含む均一な液状樹脂を得た。この液状樹脂を
室温に冷却して1週間放置したが、濁りや固形物は現わ
れなかった。
‥不飽和エステルウレタンR−2の合成(比較例に相
当) グリセリンジメタクリレート114.1gに代えて、ペンタ
エリスリトール1モルとメタクリル酸2モルとのエステ
ル化反応によって得られる、ペンタエリスリトール中の
水酸基の平均2個がメタクリル酸によってエステル化さ
れた部分エステル136g(0.5モル)を用い、またメチル
メタクリレート127.7gを142.3gに増やした以外は全て不
飽和エステルウレタンAの合成と同様にして、不飽和エ
ステルウレタンR−2を60%含む液状樹脂を得た。不飽
和エステルウレタンR−2は分子中に平均1個の遊離の
水酸基を有しており、ここで得た液状樹脂を室温に冷却
して放置したところ、直ちに固形物が現われた。
以下、不飽和エステルウレタンAの合成と同様にし
て、不飽和エステルウレタンC,D,E,F,G,H(いずれも実
施例に相当)をそれぞれ60%含む液状樹脂を得た。
合成に使用した部分エステル(3価又は4価のポリオ
ールをメタクリル酸によって部分的にエステル化したも
の)及び(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシア
ネート{(メタ)アクリロイル基を有する不飽和モノイ
ソシアネート}の種類並びに双方の反応モル比等を第1
表にまとめて示した。
・試験区分2(液状樹脂の高温硬化特性の測定) 合成した不飽和エステルウレタン又は不飽和ウレタン
60重量%とメチルメタクリレート40重量%とから成る液
状樹脂(実施例1〜8,比較例1〜3)並びに市販の液状
樹脂(比較例4及び5)を用い、JISのK−6901に準じ
て高温硬化特性を測定した。測定操作は次のとおりであ
る。
50mlビーカーに試料50±1gと過酸化ベンゾイル0.5±
0.01gを量り取り、ガラス棒で均一になるまでよくかき
まぜて溶かし、約60分間ふたをしておき、この試料を直
径18mmの試験管に深さ100mmまで入れ、試料中心部に熱
電対の測定接点部を保持した。この試験管を80±0.5℃
に保持した恒温槽(水槽)に試料の表面が溶液面下約1c
mになるように固定し、試料の温度が65℃から85℃にな
るまでの時間をゲル化時間{表中ではG.T.(秒)}、試
料の温度が65℃から最高を示す温度になるまでの時間を
最小硬化時間{表中ではC.T.(秒)}として測定した。
そしてかかる測定操作を3回行い、その平均をもって試
験結果とした。尚、温度の読み取りには大倉理研社製の
デスクトップレコーダー(1111A10型)を用いた。
測定結果を第2表にまとめて示したが、この第2表の
結果を第1表と併せて見ると、液状樹脂の硬化速度は不
飽和エステルウレタン1分子中の二重結合の数と二重結
合1個当りの分子量とによって大きく影響されているこ
とが判り、本発明における不飽和エステルウレタンにつ
いて、1分子中の二重結合の数が少なくとも3個であっ
て且つ二重結合1個当りの分子量がほぼ180以下のもの
が優れていることが判る。比較例1及び2について見る
と、比較例1は、用いた不飽和エステルウレタンR−1
の二重結合1個当たりの分子量が小さいにもかかわら
ず、1分子中の二重結合の数が小さいため、高温硬化特
性すなわち硬化速度が遅く、また比較例2は、用いた不
飽和エステルウレタンR−2の二重結合1個当たりの分
子量が小さく、1分子中の二重結合の数が3であるにも
かかわらず、分子中に遊離の水酸基を有しているため、
硬化速度が遅いことが判る。
・試験区分3(成形物の熱変形温度の測定) 合成した不飽和エステルウレタン又は不飽和エステル
ウレタンとメチルメタクリレートから成る液状樹脂を用
い、下記の方法で成形物の熱変形温度を測定した。
‥熱変形温度の測定 厚さ5mmのガラス板(250×250mm)2枚でポリエチレ
ンチューブをはさみ、クリアランス6.5mmの注型槽を作
製した。別に、液状樹脂に硬化剤として過酸化ベンゾイ
ル1.5重量%を加えて充分に撹拌溶解し、更に内部離型
剤としてZelec UN(E.I.デュポン社製、商品名)1.0重
量%を加えて撹拌混合した後、硬化促進剤としてN,N−
ジメチル−パラトルイジン0.075重量%を加えて撹拌混
合した。そしてこれを真空デシケーター内で脱泡した
後、上記注型内へ気泡が入らないように流し込んだ。25
℃で放置して常温硬化させ、更に80℃で10時間、後硬化
させて、厚さ6.5mmの成形物を得た。ここで得た成形物
について、JISのK−6911に準じ、18.5kg/cm2の荷重で
熱変形温度を測定した。
測定結果を第3表にまとめて示したが、この第3表の
結果から、本発明の液状樹脂は同じ不飽和エステルウレ
タン濃度において、従来の不飽和エステルウレタンを用
いる液状樹脂に較べ、単位容積当りの不飽和エステルウ
レタンに基づく二重結合の数が多く、そのため、得られ
る成形物の熱変形温度が顕著に改善されていることが判
り、また同程度の熱変形温度を有する成形物を得るため
の不飽和エステルウレタン濃度をほぼ1/2に減じ得るこ
とが判る。
・試験区分4(液状樹脂組成物の粘度の測定及び成形物
の黒煙発生状況の評価) 合成した不飽和エステルウレタン又は不飽和ウレタン
とメチルメタクリレートとから成る液状樹脂又は市販の
不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、粒径17μm
のアルミナ3水和物を第4表記載の重量部含有させて、
液状樹脂組成物を調製し、その粘度を下記の方法で測定
した。そして該液状樹脂組成物に硬化剤として過酸化ベ
ンゾイル1重量部及び硬化促進剤N,N−ジメチル−パラ
トルイジン0.008重量部並びに離型剤としてINT−EQ6
(アクセルプラスチックス社製、商品名)0.5重量部を
加え、これをガラス板の間にはさみ、40℃で硬化させ、
厚さ3mmの板を注入成形法で作製した。作製した成形物
を長さ70mm、幅6.5mmに切断して下記の黒煙発生状況評
価用の試料とした。
‥液状樹脂組成物の粘度の測定 ブルックフィールド粘度計(モデルHTB、スピンドル
T−A)を用い、100rpm、50rpm、20rpmにて各2回測定
し(25℃)、その平均値を結果とした。
‥黒煙発生状況の評価 試料をライターの火災中に30秒間入れ、黒煙の発生状
況を目視観察して、次の基準で評価した。
◎;着炎せず、黒煙の発生なし ○;着炎するが、黒煙の発生なし △;着炎しないが、黒煙の発生が認められる ×;着炎し、黒煙の発生が多い 測定又は評価結果を第4表にまとめて示したが、この
第4表の結果からも、本発明の液状樹脂組成物は従来の
液状樹脂組成物に比べて相対的に粘度が低いことが判
り、また黒煙を発生しないことが判る。尚、比較例12の
液状樹脂組成物は粘度が高いために型内への注入操作が
難しく、無理に注入して作製した成形物の表面は著るし
く荒れていた。
<発明の効果> 既に明らかなように、以上説明した本発明には、硬化
速度が早く、また得られる成形物の熱変形温度が高く、
更にその燃焼時における黒煙発生が少ないという優れた
効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/14 C08L 33/14 // C08F 292/00 C08F 292/00 (72)発明者 小宮 巌 愛知県安城市昭和町15―15 メゾン昭和 202号 (56)参考文献 特開 平3−247610(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 20/00 - 20/70 C08F 120/00 - 120/70 C08F 220/00 - 220/70 C08F 290/00 - 290/14 C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 3/40 C08F 2/00 - 2/60 C08F 292/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式で示される不飽和エステルウ
    レタンと(メタ)アクリル酸アルキルとから成り、該不
    飽和エステルウレタン/該(メタ)アクリル酸アルキル
    =10/90〜90/10(重量比)である成形材料用熱硬化性液
    状樹脂。 一般式 但し、X:3価又は4価のポリオールから水酸基を除いた
    残基 R1,R2,R3:同時に同一又は異なるH又はCH3 m,n:1〜3の整数であり、且つm+nB3又は4を満足する
    整数
  2. 【請求項2】請求項1記載の成形材料用熱硬化性液状樹
    脂100重量部当り、無機粉状充填材40〜230重量部を含有
    して成る成形材料用熱硬化性液状樹脂組成物。
  3. 【請求項3】無機粉状充填材がアルミナ3水和物である
    請求項2記載の成形材料用熱硬化性液状樹脂組成物。
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