JPH07258462A - 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物

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Publication number
JPH07258462A
JPH07258462A JP5557394A JP5557394A JPH07258462A JP H07258462 A JPH07258462 A JP H07258462A JP 5557394 A JP5557394 A JP 5557394A JP 5557394 A JP5557394 A JP 5557394A JP H07258462 A JPH07258462 A JP H07258462A
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JP
Japan
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thermosetting resin
molding
mold
coating
resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP5557394A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP5557394A priority Critical patent/JPH07258462A/ja
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱水使用時の経時による変色が生じ難い被覆
層を有する被覆層付き成形品を型内被覆成形方法により
得ることを可能とする被覆材料用の熱硬化性樹脂組成物
を提供する。 【構成】 型内被覆成形用被覆用熱硬化性樹脂組成物で
あり、一般式(1)で表されるフェノール系抗酸化剤
を、熱硬化性樹脂100重量部に対し0.05〜2.5
重量部含有する、型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。 なお、式(1)において、R1 及びR3 は、互いに独立
した3級アルキル基を、R2 及びR4 は、互いに独立し
た炭素数1〜10のアルキル基を、R5 はOH、アシル
オキシ基、またはアルコキシ基を、R6 はHまたは炭素
数1〜10までのアルキル基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、型内にて熱硬化性成形
材料表面に熱硬化性被覆材料を被覆硬化させて被覆層を
形成する型内被覆成形方法に用いられる熱硬化性被覆材
料に関し、特に熱水に浸漬された際の経時による変色の
少ない被覆層を有する成形品を得ることを可能とする型
内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱硬化性材料よりなる成形品が、
金属部品などの代替部材として工業部品などに非常に広
く用いられている。中でもガラス繊維で補強されたシー
ト・モールディング・コンパウンド(以下SMC)また
は、バルク・モールディング・コンパウンド(以下BM
C)が汎用されている。
【0003】しかしながらSMC、BMCを成形型内で
加熱・加圧により成形して得られた成形品では、表面に
ピンホール、微小亀裂、ひけまたは起伏などの表面欠陥
が発生しがちであった。このような表面欠陥が存在して
いる場合、成形品に通常の方法による塗装を行っても、
十分な塗膜を形成することは難しい。
【0004】従って、上記のような表面欠陥を隠蔽する
ための方法として、いわゆる型内被覆成形方法が提案さ
れている。例えば、特公平4−33252号公報には、
圧縮成形中に、成形圧力を超える注入圧で被覆材料を注
入し、硬化させることにより、成形材料上に被覆層を形
成する方法が開示されている。
【0005】また、これらの成形方法において被覆材料
として用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物と
しては、ウレタンアクリレートを主成分とし、α,β−
エチレン系不飽和共重合体及び充填剤を用いた型内被覆
用組成物が知られている(例えば、特公平1−3585
6号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、型内被
覆成形方法により被覆された被覆層は、熱水に浸漬した
際に経時により変色するという問題があった。
【0007】本発明の目的は、型内被覆成形により、熱
水使用時の変色が生じ難い被覆層を有する成形品を得る
ことを可能とする被覆材料用の熱硬化性樹脂組成物を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の型内被覆成形用
熱硬化性樹脂組成物は、下記の一般式(1)で表される
フェノール系抗酸化剤を、熱硬化性樹脂100重量部に
対し、0.05〜2.5重量部含有することを特徴とし
ている。
【0009】
【化2】
【0010】上記一般式(1)において、R1 、R
3 は、互いに独立した3級アルキル基、R2 、R4 は、
互いに独立した炭素数1〜10のアルキル基、R5 はO
H、アルコキシ基またはアシルオキシ基、R6 はHまた
は炭素数1〜8までのアルキル基を示す。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。フェノール系抗酸化剤 上記フェノール系抗酸化剤は、熱硬化性樹脂100重量
部(この部数には共重合性単量体を含む)に対して0.
05〜2.5重量部、好ましくは0.1〜1.5重量
部、さらに好ましくは0.3〜0.7重量部の範囲で添
加される。0.05重量部より少ないと変色低減の効果
が少なく、また2.5重量部より多いと熱水に浸漬した
際の経時による変色が激しくなる。
【0012】上記一般式(1)において、R1 、R
3 は、3級アルキル基であり、好ましくは炭素数4〜8
の3級アルキル基であり、さらに好ましくは炭素数4〜
6の3級アルキル基である。1級または2級のアルキル
基ではフェノール同士がカップリングし易く、カップリ
ングしたフェノールが着色してしまう。また、R1 、R
3の炭素数が大きいフェノール系抗酸化剤は合成しにく
いという欠点を有する。
【0013】R2 、R4 は、炭素数1〜10までのアル
キル基であり、好ましくは炭素数3〜8の2級あるいは
3級アルキル基である。さらに好ましくは炭素数4〜8
の3級アルキル基である。R2 、R4 の炭素数が10よ
り大きいフェノール系抗酸化剤は、合成しにくいという
欠点を有する。
【0014】R5 は、OH基、アルコキシ基、あるいは
アシルオキシ基であり、熱水浸漬時の経時による変色を
より効果的に防止するには、好ましくはアシルオキシ
基、より好ましくは炭素・炭素2重結合を有するアシル
オキシ基である。さらに好ましくはカルボニル基と共役
した2重結合を持つアシルオキシ基である。
【0015】R6 は、Hまたは炭素数1〜8までのアル
キル基である。熱水浸漬時の経時による変色をより効果
的に防止するには、R6 は、好ましくは、炭素数3〜7
までの2,3級のアルキル基であり、さらに好ましくは
炭素数4〜7までの3級アルキル基である。R6 が炭素
数の大きいアルキル基であるフェノール系抗酸化剤は合
成しにくいという欠点を有する。
【0016】熱水浸漬時の経時による変色を抑制する作
用を発揮させるための、上記官能基(R1 〜R6 )の好
ましい組み合わせとしては、R1 、R3 が炭素数4〜8
の3級アルキル基、R5 がカルボニル基に共役した2重
結合をもつアシルオキシ基であるフェノール系抗酸化剤
が挙げられる。この組み合わせを持つものとして例え
ば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチルフェニル
アクリレート(後述の抗酸化剤)、2−t−ブチル−
6−{1−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メ
チルフェニル)エチル}−4−メチルフェニルアクリレ
ート、2−t−ブチル−6−{1−(2−ヒドロキシ−
3−t−ブチル−5−メチルフェニル)プロピル}−4
−メチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−
{1−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチル
フェニル)t−ペンチル}−4−メチルフェニルアクリ
レート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−
ヒドロキシ−5−エチル−ベンジル)−4−エチルフェ
ニルアクリレート等が挙げられる。
【0017】さらに好ましくは、R1 、R3 が炭素数4
〜8の3級アルキル基、R2 、R4が2,3級アルキル
基、好ましくは3級アルキル基、R5 がカルボニル基に
共役した2重結合を持つアシルオキシ基、R6 がアルキ
ル基であるフェノール系抗酸化剤が挙げられる。この組
み合わせを持つものとして例えば、2−{1−(2−ヒ
ドロキシ−3,5−ジ−i−プロピルフェニル)エチ
ル}−4,6−ジ−i−プロピルフェニルアクリレー
ト、2−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルフェニル)エチル}−4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニルアクリレート、2−{1−(2−ヒドロキシ−3,
5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル}−4,6−ジ
−t−ペンチルフェニルアクリレート(後述の抗酸化剤
)等が挙げられる。
【0018】その他のフェノール系抗酸化剤として、例
えば、2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)(後述の抗酸化剤)、2,2´
−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)(後述の抗酸化剤)、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチル−ベン
ジル)−4−メチルフェニルアセテート、2−t−ブチ
ル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチ
ル−ベンジル)−4−メチルフェノキシエチレン、2−
t−ブチル−6−(3−t−ペンチル−2−ヒドロキシ
−5−メチル−ベンジル)−4−エチルフェニルアセテ
ート等が挙げられる。
【0019】また、R1 、R3 が炭素数4〜8のアルキ
ル基、R2 、R4 が3級アルキル基、R5 がOH基であ
るフェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,2´−
エチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)
(後述の抗酸化剤)、2,2´−エチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ペンチルフェノール)等が挙げられ
る。
【0020】併用し得る抗酸化剤 本発明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物には、上記
フェノール系抗酸化剤に加えて、ホスファイト系抗酸化
剤あるいは硫黄系抗酸化剤を併用することができる。
【0021】上記ホスファイト系抗酸化剤としては、例
えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスフ
ァイト)、トリノニルフェニルホスファイト、トリフェ
ニルフォスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、
フェニルイソデシルホスファイト、トリラウリルトリチ
オホスファイト等が挙げられる。
【0022】また、硫黄系抗酸化剤としては、例えばジ
ラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル
3,3−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−
チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス
(3−ラウリルチオプロピオネート)、ジトリデシル
3,3−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンズ
イミダゾール等が挙げられる。上記抗酸化剤を併用する
場合は、通常フェノール系抗酸化剤1重量部に対して
0.1〜5重量部添加される。
【0023】熱硬化性樹脂 本発明に用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物
中の熱硬化性樹脂として用いられる樹脂としては、不飽
和ポリエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂等が用いられる。
【0024】ここで上記不飽和ポリエステル樹脂は、公
知慣用の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不
飽和ポリカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和
ポリカルボン酸及び/または芳香族ポリカルボン酸等か
ら製造される。
【0025】上記ウレタンアクリレート樹脂は、従来公
知慣用のものが用いられる。例えば、アルキレンジオー
ル、アルキレンジオールエステル、アルキレンジオール
エーテル、ポリエーテルポリオールまたはポリエステル
ポリオールなどの有機ポリオールに有機ポリイソシアネ
ートを反応させ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを反応させて製造される。
【0026】他方、上記エポキシアクリレート樹脂とし
ては、通常、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸等の反
応性二重結合を持つモノカルボン酸との反応生成物を、
スチレン、ジアクリルフタレート等の重合性不飽和単量
体に溶解したものが用いられる。
【0027】ここで、上記有機ポリオールとしては、ジ
オール、トリオール、テトラオール及びそれらの混合物
が挙げられるが、主として脂肪族ポリオールと芳香族ポ
リオールとに分けられ、このうち脂肪族ポリオールとし
て代表的なものには、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ジブロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレン
グリコール、トリメチレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエ
ーテル、水素化ビスフェノールAなどがあり、また芳香
族ポリオールとして代表的なものには、ビスフェノール
AまたはビスフェノールSにエチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、もしくはブチレンオキシドのような脂肪
族オキシラン化合物を、一分子中に平均1〜20個の範
囲で付加させて得られるポリオキシアルキレンビスフェ
ノールAまたはポリオキシアルキレンビスフェノールS
などがある。
【0028】また、上記脂肪族不飽和カルボン酸として
は(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸
等が用いられ、前記脂肪族カルボン酸としては、セバチ
ン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等、前記芳香族カ
ルボン酸としては(無水)フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンド
メチレンテトラヒドロ無水フタル酸などが用いられる。
【0029】また、上記エポキシアクリレート樹脂に用
いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公知慣用の
方法によりエピクロルドリン及びビスフェノールAから
製造されるビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピクロ
ルヒドリン及び臭素化ビスフェノールAから製造される
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラックまたはオルトクレゾールノボラックまたはオル
トクレゾールノボラックをグリシジルエーテル化して製
造されるノボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピ
クロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン
型エポキシ樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミ
ン、テトラグリシジル1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、
トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリシジ
ル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジ
グリシジルオルトトルイジン等)等が用いられる。
【0030】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブタンジオールのヒドロキシアルキルエーテル等、
ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシメチレ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイ
ド等、ポリエステルポリオールとしては前述したような
有機ポリオール及びポリカルボン酸により製造された両
末端に水酸基を有するポリエステルポリオール等が用い
られる。
【0031】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしてはトリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレン
ポリフェニルジイソシアネート等が用いられる。
【0032】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとし
ては通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基
は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合している。ア
ルキル基は通常8個までの炭素原子を含むことができ
る。
【0033】共重合性単量体 また、本発明に用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物には、必要に応じてスチレン、アルファメチルス
チレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリル
フタレート、各種アクリレートモノマー、各種メタクリ
レートモノマーなどの共重合性単量体を加えることがで
きる。これらの共重合性単量体を添加する場合には、そ
の量として熱硬化性樹脂及び共重合性単量体の合計量に
対し1〜70重量%であることが好適であり、より好適
には3〜50重量%である。添加する量が少なすぎると
被覆材料の粘度が高くなるため、被覆材料注入時に十分
な流動性が得られにくいという欠点を有する。逆に添加
する量が多すぎると、密着性が低下してしまう。
【0034】低収縮剤 また、本発明に用いられる型内被覆成形用熱硬化性樹脂
組成物には低収縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチ
ル(メタ)アクリレート、ポリエチレン、エチレン酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、ポリ
ブタジエン、飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類
などのような熱可塑性樹脂を加えることができる。これ
らの熱可塑性樹脂を添加する場合、その量として熱硬化
樹脂分(熱硬化樹脂、共重合性単量体及び熱可塑性樹
脂)のうち0.1〜30重量%であることが好適であ
り、より好適には、0.3〜15重量%である。添加す
る量が多すぎると、被覆材料の粘度が高くなるため、被
覆材料注入時に十分な流動性が得られにくいという欠点
を有する。逆に添加する量が少なすぎると、十分な収縮
性改良効果が得られにくいという欠点を有する。
【0035】その他の配合し得る成分 さらに、上記型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物には、
ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、
ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド
類、アルキルパーエステル類、パーカーボネート類、パ
ーオキシケタール類などの公知の開始剤、ジメチルアニ
リン、ナフタン酸コバルトなどの公知の硬化促進剤、パ
ラベンゾキノンなどの重合禁止剤、ステアリン酸亜鉛等
の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシチンなどの離型剤な
どを用途、目的に応じて適当量加えることができる。
【0036】成形材料 本発明の被覆材料用熱硬化性樹脂組成物と組み合わされ
て用いられる成形品基材用の成形材料として用いる熱硬
化性樹脂組成物には、上記型内被覆熱硬化性樹脂組成物
と同様の各種材料を適宜配合したものが用いられる。す
なわち、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、
ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂などが
用いられ、必要に応じて各種共重合性単量体、低収縮
剤、各種充填剤、着色剤、開始剤、補強剤、添加剤等を
加えることができる。
【0037】このような成形材料として、特に汎用的な
例としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解し、熱可塑性樹脂からなる低収縮剤を加え、開
始剤としての有機過酸化物等を添加し、各種充填剤、ガ
ラス繊維などの補強材を加え、SMCあるいはBMCの
形態としたものが従来よく知られている。
【0038】より具体的には、例えば、不飽和ポリエス
テル樹脂のスチレン溶液(スチレン濃度40〜70重量
%)60〜100重量部に対してポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂
のスチレン溶液(スチレン濃度30〜80重量%)0〜
40重量部を加えて100重量部とし、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、ガラス粉末などの充填剤10
0〜300重量部、酸化マグネシウム等の増粘剤0.1
〜3重量部、t−ブチルパーオキソベンゾエート等の有
機過酸化物0.1〜5重量部、ステアリン酸亜鉛などの
離型剤0.5〜5重量部程度を混練し、ガラス繊維等の
補強材10〜200重量部に含浸してSMCあるいはB
MCの形態としたものが好適に用いられる。
【0039】成形 このようにして得られた本発明の型内被覆成形用熱硬化
性樹脂組成物は、SMCあるいはBMCとともに従来公
知の型内被覆成形方法に用いられる。
【0040】例えば、130〜160℃に加熱された成
形型内にSMCを40〜120kg/cm2 の圧力で3
0〜300秒間加圧した後金型をわずかに開いて被覆材
料を注入し、次いで5〜120kg/cm2 、130〜
160℃、30〜300秒間再加熱加圧することによ
り、成形されたSMCの表面全体に被覆材料を展延し、
硬化させて被覆層を形成させるという方法がある。
【0041】また、特公平4−33252号公報に開示
されているように、SMCを130〜160℃、40〜
120kg/cm2 で数十秒〜数分間加圧成形した後圧
力を10〜30kg/cm2 に減圧した状態で高圧注入
機を用いて100〜300kg/cm2 の高圧で被覆材
料を型内に注入し、再び30〜100kg/cm2 に増
圧して被覆材料を展延硬化させるという方法もあり、こ
れらの型内被覆成形方法に本発明の特徴とする型内被覆
成形用熱硬化性樹脂組成物を被覆材料として用いれば、
熱水に浸漬した際の経時による変色の少ない被覆層を容
易に形成することができる。
【0042】
【作用】熱水に浸漬した際の経時による被覆層の変色の
原因は、詳細は明確ではないが次のように推定される。 熱により発生したラジカルにより樹脂中に存在するC
−H結合のHが引き抜かれ、C=C、C=O結合が生成
し、樹脂中に共役系が発生することにより、光を吸収し
被覆層が変色する。 通常、熱硬化性樹脂に添加されている重合禁止剤、例
えばベンゾキノンを例に挙げると、ベンゾキノンの水素
がラジカルによって引き抜かれてメチルベンゾキノンと
なり、これが光を吸収し被覆層が変色する。
【0043】従って、熱水に浸漬した際の経時による被
覆層の変色を抑えるには、このラジカルによる酸化反応
を停止させなければならない。具体的には、ラジカルの
発生を防ぐ、あるいは発生したラジカルを捕捉して自動
酸化のサイクルを停止させなければならない。
【0044】下記の反応式(1)、(2)のように本発
明のフェノール系抗酸化剤(下記の反応式(1)、
(2)ではArHと略記する。)は、酸化反応で発生す
るラジカル(ROO・)と容易に反応し、安定な化合物
を生成することができる。このことにより熱水に浸漬し
た際の経時による変色を抑制することができる。
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】また、一般にフェノール系抗酸化剤は、下
記の反応式(3)、(4)の如くフェノール同士がカッ
プリングにより2量化し、キノン構造や共役系を生成す
るため抗酸化剤自身が着色するものが多かった。
【0048】しかしながら、本発明のフェノール系抗酸
化剤は、2,4,6位に立体的に大きな置換基を有して
いるためフェノール同士のカップリング反応が起こりに
くい。そのため抗酸化剤自身が着色することが少なくな
り、抗酸化剤による被覆層の変色が少なくなる。
【0049】
【化5】
【0050】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明す
る。なお、以下において、部は、特に断らない限り、重
量部を意味する。
【0051】<SMCの調製> 1.不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不飽
和ポリエステル樹脂約60重量%をスチレンモノマー約
40重量%に溶解したもの)70部 2.ポリスチレン系低収縮剤樹脂(ポリスチレン樹脂約
30重量%をスチレンモノマー約70重量%に溶解した
もの)30部 3.炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化工業
社製)120部 4.硬化剤(カヤブチルB:化薬アクゾ社製、ターシャ
リーブチルパーオキソベンゾエート含有率98重量%)
1部 5.増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ15
0:協和化学工業社製)1部 6.内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3部 以上の材料を混合、充分に攪拌した後、SMC含浸装置
により 7.ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)60部に含浸させ、SMCを得た。 8.得られたSMCを40℃で24時間熟成した。
【0052】<被覆材料の調製> 1.熱硬化性樹脂液: ポリプロピレングリコール(和光純薬工業社製、平均
分子量約1000)、トリレンジイソシアネート(和光
純薬工業社製)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト(和光純薬工業社製)をモル比1:4:3.3になる
ように混合し、80℃で5時間反応させて、ウレタンア
クリレート樹脂を得た。得られたウレタンアクリレート
樹脂をスチレンに溶解し、ウレタンアクリレート樹脂液
(平均分子量1600、樹脂液中のスチレン濃度約40
重量%)を調製した。 エポキシアクリレート樹脂液(ビスフェノール系エポ
キシ樹脂をメタクリル酸エステル化したもの、平均分子
量約2000、樹脂中のスチレン濃度約40重量%:昭
和高分子社製)
【0053】2.フェノール系抗酸化剤: 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロ
キシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート ・・・住友化学工業社製 2−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペン
チルフェニル)エチル}−4,6−ジ−t−ペンチルフ
ェニルアクリレート ・・住友化学工業社製 2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノール)・・・吉富製薬社製 2,2´−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブ
チルフェノール)・・住友化学工業社製 2,2´−エチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェノール)・・Suhenectady社製
【0054】3.硫黄系抗酸化剤: ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプ
ロピオネート)・・住友化学工業社製 上記1〜3の材料を用いて下記の表1のように配合し、
さらに上記熱硬化性樹脂液100部に対して 4.体質顔料:炭酸カルシウム(NS−100:日東粉
化工業社製、平均粒径約2μm)50部 5.硬化剤:ターシャリーパーオキソベンゾエート(カ
ヤブチルB:化薬アクゾ社製)1部 6.白色顔料(酸化チタン、SR−1、堺化学工業社
製、平均粒径約0.24μm)40部 を添加し、充分に攪拌、混練し、白色の被覆材料を得
た。
【0055】<成形>300トンプレス機にて、300
mm×300mmの正方形の平板金型を上金型を135
℃、下金型を115℃に加熱した後、上記SMCを40
0gチャージ(厚み4mmに相当)し、プレス圧100
kg/cm2 の圧力で400秒間加圧成形した。その
後、金型をわずかに開き被覆材料を12ml注入した。
被覆材料注入後、再度金型を閉め、プレス圧70kg/
cm2 で、300秒間加熱加圧し、被覆材料で被覆され
た成形品を得た。
【0056】得られた成形品を98℃×300時間片面
浸漬後、JIS Z 8730(色差表示方法)に準
じ、L* 、a* 、b* 色空間における色差(ブランクと
煮沸試験後)ΔE* を算出し、このΔE* を用いて熱水
浸漬による変色の評価を行った。ΔE* は小さい方が変
色度は小さい。ここでΔE* は下記の式(I)のように
表される。
【0057】
【数1】
【0058】なお、ΔL* 、Δa* 、Δb* は、JIS
Z 8729(L* * * 表色系及びL* * *
表色系による物体色の表示方法)に規定されるL* *
*表色系における二つの物体色の明度指数L* 及びク
ロマティクネス指数a* 、b * の差を示す。
【0059】(比較例) フェノール系抗酸化剤として 2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロ
キシ−5−メチル−ベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート ・・住友化学工業社製 2−{1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペン
チルフェニル)エチル}−4,6−ジ−t−ペンチルフ
ェニルアクリレート ・・住友化学工業社製 2,2´−エチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチル
フェノール)・・Suhenectady社製 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン・
・和光純薬社製 2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン
・・和光純薬社製 2,2−メチレンビス(6−ノニル−p−クレゾー
ル)・・白石カルシウム社製 を用い、表2に示す配合に変更した以外は、実施例と同
様にして被覆材料を調製し、評価を行った。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、一般式
(1)で表されるフェノール系抗酸化剤が、上記熱硬化
性樹脂分に対し特定の割合で配合されているため、本発
明の型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物を被覆材料とし
て用いて型内被覆成形方法により被覆層付き成形品を得
た場合、熱水浸漬時の経時により発生したラジカルを捕
捉することができ、従って被覆層の熱水浸漬時の経時に
よる変色を効果的に抑制することが可能となる。
【0063】よって、本発明によれば、被覆層の熱水浸
漬時の経時による変色が少ない高品質の被覆層付き成形
品を型内被覆成形方法により提供することが可能とな
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型内にて熱硬化性成形材料表面に熱硬化
    性被覆材料を被覆硬化させて被覆層を形成する型内被覆
    成形方法において被覆材料として用いられる熱硬化性樹
    脂組成物であって、一般式が式(1)で表されるフェノ
    ール系抗酸化剤を、熱硬化性樹脂100重量部に対し、
    0.05〜2.5重量部含有することを特徴とした型内
    被覆成形用熱硬化性樹脂組成物。 【化1】 式(1)において、R1 、R3 は、互いに独立した3級
    アルキル基、R2 、R 4 は、互いに独立した炭素数1〜
    10のアルキル基、R5 はOH、アルコキシ基またはア
    シルオキシ基、R6 はHまたは炭素数1〜10までのア
    ルキル基を示す。
JP5557394A 1994-03-25 1994-03-25 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物 Pending JPH07258462A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6103794A (en) * 1997-08-19 2000-08-15 Ciba Specialty Chemicals Corporation Stabilizers for powder coatings
CN114276638A (zh) * 2021-11-15 2022-04-05 金发科技股份有限公司 丙烯酸酯类化合物作为水结合剂在制备耐水解pmma组合物中的应用

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CN114276638A (zh) * 2021-11-15 2022-04-05 金发科技股份有限公司 丙烯酸酯类化合物作为水结合剂在制备耐水解pmma组合物中的应用

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