JP3024446U - 食品用包装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作で袋体の一部を引き裂くことがで
き、しかも包装された中の食品を手を汚さずに食べるこ
とができる食品用包装材を提供する。 【解決手段】 引裂方向性を有する２枚の合成樹脂製フ
イルムよりなり、一部を開口すると共に開口２から離反
した側部位置に外側に張り出したミミ３を設けた袋体１
を形成し、袋体１の開口２を除く外縁を溶着し、且つミ
ミ３に外側より袋体１の内側方向に向けて延びる切れ目
3cを形成し、さらに切れ目3cと袋体１の内側を遮断する
シール部５を設け、前記切れ目3cの延長として袋体１を
引き裂き可能にしたものとした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、おにぎりやハンバーガー等の食品を包装するために使用する食品 用包装材の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で販売されているおにぎりやハ ンバーガー等の食品は、透明の引き裂きにくい合成樹脂製フイルムからなる袋状 の食品用包装材で包まれて販売されている。

【０００３】 この従来の食品用包装材は、引き裂いて開けることができないため開けにくい という問題点があった。さらに、包装されている食品用包装材を開けてから、中 の食品を手で摘んで取り出すようになっているため、手が汚れやすいという問題 点があった。そこで、引裂方向が縦方向である引裂方向性を有する２枚の合成樹 脂製フイルムよりなり、下部を開口部分12とすると共に頂部に外側に張り出した ミミ13を設けた袋体11を形成し、且つミミ13にＶ字形の切り欠き14を形成し、前 記切り欠き14の延長として袋体11を図示縦方向に引き裂き可能にした食品用包装 材が開発された。（図５参照）

【０００４】 しかし、この開発された食品用包装材では、開口部分12を折り畳んで閉状態に すると、閉状態にするために折り畳まれた部分や、折り畳まれた部分を止めるた めに貼られたテープやシールが邪魔になり、袋体11の一部を完全に引き裂くこと ができないという問題点があった。また、Ｖ字形の切り欠き14は、溶断により形 成されており、Ｖ字形の先端の部分が尖りにくいので、切り欠きを設けてあるに もかかわらず、合成樹脂製フイルムが裂けにくいという問題点があった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

そこでこの考案では、上記の問題点を解決し、簡単な操作で袋体の一部を引き 裂くことができ、しかも包装された中の食品を手を汚さずに食べることができる 食品用包装材を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そのため、この考案では、引裂方向性を有する２枚の合成樹脂製フイルムより なり、一部を開口すると共に開口２から離反した側部位置に外側に張り出したミ ミ３を設けた袋体１を形成し、袋体１の開口２を除く外縁を溶着し、且つミミ３ に外側より袋体１の内側方向に向けて延びる切れ目3cを形成し、さらに切れ目3c と袋体１の内側を遮断するシール部５を設け、前記切れ目3cの延長として袋体１ を引き裂き可能にしたことを特徴とする食品用包装材とした。

【０００７】 前記袋体１の外縁溶着部４は溶断してあり、シール部５は溶着したものとする ことが好ましい。

【０００８】 袋体の形状は、包装する食品の形状により適宜形状を変更して実施することが できるが、包装する食品がおにぎりである場合には、袋体１をおにぎりを入れる 形状とし、袋体１内におにぎりを入れ、開口２を折り畳んで閉状態にした際に、 ミミ３が突出した状態になるようにしたものとすることが好ましい。

【０００９】 ミミ３に形成した切れ目3cは、切れ目3cに続けて袋体１の一部を引き裂いた際 に収容している食品の一部が袋体１より露出するようにしたものとすれば、引き 裂くと同時に食品が露出するようになる。

【００１０】 さらに、ミミ３の略中央を谷状に窪ませると共に谷状の両側を指で摘める大き さの張り出し部3a,3b とすれば、引き裂くときに両張り出し部3a,3b を指でしっ かりと摘め、袋体１を引き裂きやすくなる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態として示した、おにぎり用包装材を、図面に基づ いて説明する。

【００１２】 図１において、１は、２枚の合成樹脂製フイルムで形成された下端が開口２と なった袋体であり、上部が略半円形をしており、下部が台形をしている。さらに 、前記合成樹脂製フイルムは、引裂方向性を有しており、その引裂方向は図示横 手方向になっている。引裂方向性を有する合成樹脂製フイルムは、延伸により引 裂方向性を持たせたポリプロピレンやポリエチレン等の公知のものより適宜選択 して使用できる。

【００１３】 ３は、袋体１のミミであり、開口２から離反した側部位置であり、且つ包装し たときに略中央に表れる位置に外側に張り出した状態で設けられている。

【００１４】 袋体１の開口２を除く外縁溶着部４は、溶断されて形成されている。

【００１５】 ミミ３は、略中央を谷状に窪ませ、谷状の両側を張り出し部3a,3b とし、袋体 １を引き裂くときに、両張り出し部3a,3b を指で摘んで引き裂くことができるよ うになっている。さらに、略中央の谷状に窪ませた部分には、袋体１の外側より 袋体１の内側方向に延びる切れ目3cを形成している。またさらに、切れ目3cと袋 体１の内側との間には溶着されて形成されたシール部５が設けられており、切れ 目3cから湿気や異物が入らないように遮断されている。

【００１６】 上記の構成からなるおにぎり用包装材を使用して、海苔で覆われたおにぎりＦ を包装するときは、開口２よりおにぎりＦを入れ（図２の状態）、開口２部分を 折り畳んでテープ６で閉状態にすると、図３の状態となる。

【００１７】 図３に示す通り、このとき、ミミ３は突出した状態になっている。 おにぎりＦを食べるときは、図４に示すように、ミミ３の張り出し部3a,3b を 持って引き裂く。

【００１８】 すると、袋体１を形成する合成樹脂製フイルムが引裂方向性を有するものであ るため、図面上で一点鎖線で示した通りに引き裂かれる。このとき、引き裂き部 分が開口２部分を折り畳んでテープ６で閉状態にした部分を通らないので、容易 かつ綺麗に引き裂かれ、袋体１の一部が取り除かれる。

【００１９】 すると、おにぎりＦの上半分が袋体１より露出する。そして、残った袋体１の 上からおにぎりＦを持って食べる。このように、おにぎりＦを袋体１の上から持 って食べられるので、手が汚れない。

【００２０】 以上が実施の態様の説明であり、ミミ３を右側部だけに設けた例を示したが、 勿論左右両側に設けることもできる。

【００２１】

【考案の効果】

この考案の食品用包装材では、上述のとおり構成されているので、次の効果を 奏する。

【００２２】 この考案の食品用包装材では、簡単な操作で袋体１の一部を引き裂いて開くこ とができ、しかも包装された中の食品Ｆを手を汚さずに食べることができる。

【００２３】 請求項２に記載のように、袋体１の外縁溶着部４を溶断し、シール部５を溶着 したものとすれば、外縁溶着部４とシール部５を一度に加工できるだけでなく、 外縁の切断も同時にできるので、製造工程が簡単になる。

【００２４】 請求項３に記載のように、袋体１におにぎりを入れ、開口２の部分を折り畳ん で閉状態となるようにした際に、ミミ３が突出するようにすれば、直ぐにミミ３ をもって袋体１の一部を引き裂き、開くことができるようになる。

【００２５】 請求項４に記載のように、ミミ３に形成した切れ目3cに続けて袋体１の一部を 引き裂いた際に収容している食品の一部が袋体１より露出するようにすれば、直 ぐに食品を食べることができるようになる。

【００２６】 請求項５に記載のように、ミミ３の略中央を谷状に窪ませると共に谷状の両側 を指で摘める大きさの張り出し部3a,3b とすれば、袋体１の一部を引き裂くとき に両張り出し部3a,3b を指で摘めるので、簡単に引き裂くことができるようにな る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の食品用包装材の正面図である。

【図２】この考案の食品用包装材に、おにぎりを入れた
状態を示す断面図である。

【図３】この考案の食品用包装材に、おにぎりを入れて
開口を閉状態にした斜視図である。

【図４】この考案の食品用包装材を、ミミの切れ目より
引き裂くときの状態を示す説明図である。

【図５】従来の食品用包装材の正面図である。

【図６】従来の食品用包装材を、ミミの切り欠きより引
き裂くときの状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 袋体 ２ 開口 ３ ミミ 3a,3b 張り出し部 3c 切れ目 ４ 外縁溶着部 ５ シール部 Ｆ おにぎり

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 引裂方向性を有する２枚の合成樹脂製フ
   イルムよりなり、一部を開口すると共に開口（２）から
   離反した側部位置に外側に張り出したミミ（３）を設け
   た袋体（１）を形成し、袋体（１）の開口（２）を除く
   外縁を溶着し、且つミミ（３）に外側より袋体（１）の
   内側方向に向けて延びる切れ目（3c）を形成し、さらに
   切れ目（3c）と袋体（１）の内側を遮断するシール部
   （５）を設け、前記切れ目（3c）の延長として袋体
   （１）を引き裂き可能にしたことを特徴とする食品用包
   装材。
2. 【請求項２】 袋体（１）の外縁溶着部（４）は溶断し
   てあり、シール部（５）は溶着したものであることを特
   徴とする請求項１記載の食品用包装材。
3. 【請求項３】 袋体（１）がおにぎりを入れる形状であ
   り、袋体（１）内におにぎりを入れ、開口（２）を折り
   畳んで閉状態にした際に、ミミ（３）が突出した状態に
   なるものであることを特徴とする請求項１又は２記載の
   食品用包装材。
4. 【請求項４】 ミミ（３）に形成した切れ目（3c）に続
   けて袋体（１）の一部を引き裂いた際に、収容している
   食品の一部が袋体（１）より露出するものであることを
   特徴とする請求項１、２又は３記載の食品用包装材。
5. 【請求項５】 ミミ（３）の略中央を谷状に窪ませると
   共に谷状の両側を指で摘める大きさの張り出し部（3a,3
   b ）としたことを特徴とする請求項１、２、３又は４記
   載の食品用包装材。