JP3023633B2 - 蒸気で加熱する方法による漬物の製法 - Google Patents

蒸気で加熱する方法による漬物の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は漬物の製法に関するもの
である。詳細には本発明は従来法における食塩漬前処理
に代えて、漬物用材料の加熱による前処理を特徴とする
漬物の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の漬物製造は漬物用材料である青果
物を整形→洗浄→食塩漬(数時間〜数日間)→調味液漬
→秤量→包装→冷蔵という工程が標準である。食塩漬は
食塩濃度2〜20%で漬け込まれるが、この工程には食
塩の浸透圧によって、植物細胞組織を死滅させ、柔軟に
して、その後の調味液漬において、調味成分を容易に組
織内に浸透させるという本来の目的がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から実施している
食塩漬の工程は重労働であり、数時間から数日を要し、
その間に有害微生物による汚染があるという欠点があ
る。本発明が解決しようとする課題は食塩を使用しない
方法によって、その欠点を補い、しかも食塩漬工程を必
要とする本来の目的も果たせる手段をどのように設けれ
ばよいかという点にある。本発明はいろいろな低塩ない
し無塩漬物の種類を豊富化し、近年の健康食への消費嗜
好とも合致する低塩ないし無塩の漬物を製造することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記のような状況下、本
発明者は上記の欠点をもつ従来法における食塩漬前処理
に代わる手段として、漬物用材料を加熱前処理する手段
がその欠点を補い、しかも食塩漬工程を必要とする本来
の目的も果たせる手段であることを見いだし、本発明を
完成させるに至った。
【0005】 本発明は、漬物用材料を調味液に漬け込
む際、調味成分の組織内への浸透性が改善された新鮮な
漬物用材料を用いることを特徴とする漬物の製法であ
る。本発明において、「調味成分の組織内への浸透性が
改善された新鮮な漬物用材料」とは、新鮮な漬物用材料
そのものがもつ色、香り、みずみずしさが、従来法にお
ける食塩漬工程による前処理を採用した場合よりも維持
されており、かつ、調味液中に含まれる調味成分のその
組織内への浸透性が従来法における食塩漬工程による前
処理を採用した場合と同等ないしそれ以上に改善された
漬物用材料を意味する。
【0006】 上記の調味成分の組織内への浸透性が改
善された新鮮な漬物用材料は、例えば、従来法における
食塩漬前処理に代えて加熱による前処理をして得ること
ができる。この場合、本発明は、漬物用材料を調味液に
漬け込む際、漬物材料として食塩漬前処理に代えて加熱
による前処理をしたものを用いることを特徴とする漬物
の製法である。さらに詳細に説明すると、本発明は、漬
物用材料を整形→洗浄→食塩漬(数時間〜数日間)→調
味液漬→秤量→包装→冷蔵という工程を経て製造する従
来の漬物の製造法における「食塩漬」工程を「加熱処理
工程」に置き換えた漬物の製法である。
【0007】 従来のように青果物を食塩と共に容器に
漬け込み、重石をして数日間塩漬しておくという食塩漬
の工程は不要となり、本発明によれば、青果物を整形→
洗浄→蒸気加熱処理(5分〜30分間)→秤量→調味液
漬(包装内)→冷蔵するという工程で漬物を製造するこ
とができる。上記工程はその構成する工程から明らかな
とおり、製造時間の飛躍的短縮と機械化、自動化を可能
にするものである。
【0008】 また、食塩漬の工程中に腐敗微生物の増
殖が起こり、製品化後の品質劣化を速める原因となって
いるが、55℃以上の蒸気温度によれば、腐敗微生物を
死滅させる効果がある。これによって、衛生的で保存性
の高い漬物製品を得ることができる。さらに、食塩を使
用しない工程となるので、いろいろな無塩漬物の新製品
も開発でき、近年の健康食への消費嗜好とも合致する。
この加熱処理により漬物用材料の細胞組織をその後の調
味液漬において調味成分が容易に組織内に浸透すること
ができる状態に変性する。
【0009】 加熱による前処理は、漬物用材料が煮え
た状態ではなく新鮮さを維持しながら調味成分が容易に
組織内に浸透できるようにその細胞組織を変性すること
ができる手段および条件が採用される。好ましくは、加
熱による前処理は、蒸気加熱により行う加熱手段および
品温50〜85℃で5〜30分間保持する加熱条件が採
用される。
【0010】 本発明で対象とする漬物用材料は従来か
ら漬物にできる材料であればよく、通常の漬物用材料は
青果物であり、ハクサイ、カブ、キュウリ、ダイコン、
ラッキョウ、ウリ、キャベツ、キノコ、ツケナ、ウメな
どが例示される。
【0011】 本発明で使用する調味液は漬物用のいか
なる調味液も使用することができる。後述する実施例で
用いている食塩5%、グルタミン酸ソーダ0.2%、ク
エン酸0.05%、乳酸0.02%の調味液を例に挙げ
ると、調味成分はこれら調味液を構成する成分である。
【0012】 これらハクサイ、カブ、キュウリ、ダイ
コン、ラッキョウ、ウリ、キャベツ、キノコ、ツケナ、
ウメについて、密閉式の蒸気発生装置(蒸気温度は水蒸
気の加熱で制御する。)を用い、蒸気加熱処理の最適条
件と品質の関連を検討し、品温50〜85℃になるよう
に5〜30分間の範囲内で加熱して、これらのすべての
青果物について良好な結果を得た。したがって、本発明
の最も好ましい態様は、青果物を蒸気を用いて、品温5
0〜85℃になるように5〜30分間の範囲内で加熱し
た後、従来からの方法で漬物を製造する方法である。
【0013】
【作用】従来の漬物製造における食塩漬工程を蒸気加熱
による処理に代えることで、製造工程の省力化や機械化
が容易になる。55℃以上の蒸気温度によれば、青果物
の表面に付着している腐敗微生物を殺菌することができ
る。また、食塩を使用しない漬物も製造が可能になる。
【0014】
【実施例】本発明を実施例によって説明する。本発明は
この実施例によって何ら限定されない。上記の通り、ハ
クサイ、カブ、キュウリ、ダイコン、ラッキョウ、ウ
リ、キャベツ、キノコ、ツケナ、ウメなどについて、密
閉式の蒸気発生装置を用い、蒸気加熱処理の最適条件と
品質の関連を検討し、すべてについて良好な結果を得た
が、その内のハクサイ、キュウリ、カブについて以下に
実施例を示す。
【0015】実施例1 縦に8つ切りにした生ハクサイ(1個平均254g)5
kgを洗浄した後、品温50〜60℃、15分間の蒸気
加熱処理をしたA区と生(無処理)のB区について、そ
れぞれ2kgのハクサイに対して、食塩5%、グルタミ
ン酸ソーダ0.2%、クエン酸0.05%、乳酸0.0
2%の調味液2lを加え、ポリエチレン袋に漬け込ん
だ。10℃前後で2日後の結果は、歩留りがA区85
%、B区83%であった。ハクサイ内部への食塩の浸透
量は、A区か1.15%、B区が0.82%になり、A
区はB区よりも漬かりが早い。品質としては、A区のハ
クサイ漬は葉の緑色と茎の白色が鮮やかであり、食感は
浅漬けらしい適度の柔軟さがあった。また、B区は袋内
にハクサイ組織中のアワが浮上し商品性に難点があっ
た。蒸気加熱処理をしたA区の温度経過を図1に示し
た。
【0016】実施例2 横に半切りしたキュウリ(1個平均105g)3kgを
洗浄した後、品温50〜57℃、15分間の蒸気加熱処
理を行い、5℃の冷水に10分間冷却したA区と生(無
処理)のB区につき、次のような調味液漬を行い比較し
た。両区とも2kgのキュウリを食塩4%、グルタミン
酸ソーダ0.4%、クエン酸0.08%の調味液2lで
ポリエチレン袋に漬け込んだ。5℃で3日間後の状態
は、歩留まりがA区90%、B区85%になり、A区は
B区よりもかなり柔軟であった。キュウリ内部への食塩
の浸透量はA区が1.8%、B区が1.1%であり、A
区の方がB区よりも漬かり速度が相当に早かった。ま
た、A区は表皮の緑色が保持され、香味も新鮮であっ
た。蒸気加熱処理をしたA区の温度経過を図2に示し
た。
【0017】実施例3 縦横に切り目を入れてサイコロ型(1個平均10g)に
切ったカブ2kgを品温50〜62℃、17分間の蒸気
加熱処理をしたA区と生(無処理)のB区を酢漬にして
比較した。両区のカブをそれぞれ1kgに対して、食酢
10%、砂糖5%、クエン酸0.4%、グルタミン酸ソ
ーダ0.05%の酢調味液1lでポリエチレン袋に漬け
込んだ。10℃、20時間後における状態は、歩留りが
A区95%、B区93%になり、また、カブの内部に浸
透した酸量はA区の0.35%に比べB区はやや少ない
0.30%であった。カブの色調はA区の方に適度な透
明感が見られ、品質的にもB区よりも優れていた。な
お、この酢ずけは食塩を含有しない漬物ということで、
専門のパネラーにより市場性について高く評価された。
蒸気加熱をしたA区の温度経過を図3に示した。
【0018】
【発明の効果】本発明は製造時間の飛躍的短縮と機械
化、自動化を可能にする漬物の製造法を提供することが
できる。従来法においては食塩漬の工程中に腐敗微生物
の増殖が起こり、製品化後の品質劣化を速める原因とな
っているが、本発明は該腐敗微生物を死滅させる効果が
ある漬物の製造法を提供することができる。本発明は衛
生的で保存性の高い漬物製品を得ることができる。本発
明はいろいろな低塩ないし無塩漬物の種類を豊富化する
ことができる。本発明は近年の健康食への消費嗜好とも
合致する低塩ないし無塩の漬物を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハクサイの蒸気加熱処理の温度経過を示す図
面である。
【図2】 キュウリの蒸気加熱処理の温度経過を示す図
面である。
【図3】 カブの蒸気加熱処理の温度経過を示す図面で
ある。
【符号の説明】
1 熱水の温度 2 蒸気の温度 3 青果物内部の温度

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 漬物用材料を調味液に漬け込む際、該漬
    物用材料として、加熱前処理によって調味成分の組織内
    への浸透性が改善された新鮮な漬物用材料を用いること
    を特徴とする漬物の製法。ただし、上記の調味成分の組
    織内への浸透性が改善された新鮮な漬物用材料とは、新
    鮮な漬物用材料そのものがもつ色、香り、みずみずしさ
    が、従来法における食塩漬工程による前処理を採用した
    場合よりも維持されており、かつ、調味液中に含まれる
    調味成分のその組織内への浸透性が従来法における食塩
    漬工程による前処理を採用した場合と同等ないしそれ以
    上に改善された漬物用材料である。
  2. 【請求項2】 加熱前処理が食塩漬前処理に代えて行う
    前処理である請求項1の漬物の製法。
  3. 【請求項3】 加熱前処理が蒸気加熱による前処理であ
    る請求項1または2の漬物の製法。
  4. 【請求項4】 加熱前処理が50〜85℃の品温で5〜
    30分間保持することである請求項1、2または3の漬
    物の製法。
  5. 【請求項5】 漬物用材料が青果物である請求項1ない
    し4のいずれかの漬物の製法。
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