JP3023084B2 - 遮蔽剤の相乗混合物をベースとした皮膚および/または髪を光保護するための化粧用組成物およびその使用 - Google Patents

遮蔽剤の相乗混合物をベースとした皮膚および/または髪を光保護するための化粧用組成物およびその使用

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JP3023084B2 JP10040767A JP4076798A JP3023084B2 JP 3023084 B2 JP3023084 B2 JP 3023084B2 JP 10040767 A JP10040767 A JP 10040767A JP 4076798 A JP4076798 A JP 4076798A JP 3023084 B2 JP3023084 B2 JP 3023084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、紫外線に対
して皮膚および髪を光保護することを意図した新規の
粧用組成物(以下、この組成物を単に抗日光組成物と呼
称する)、並びに、上述した化粧品用途におけるそれら
の使用に関する。さらに本発明は、化粧品的に許容可能
な支持体に、第1の特定の遮蔽剤、すなわち特定のベン
ゾイミダゾールスルホン酸誘導体と、ベンゾトリアゾー
ルシリコーンから適切に選択された少なくとも1つの第
2の特定の遮蔽剤とを組合せて含有する抗日光組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】28
0nmと400nmの間の波長の光線によりヒトの皮膚
は日焼し、特に、UV−Bとして知られている280と
320nmの間の波長の光線により、皮膚は、自然な日
焼けの発現に対して有害なサンバーン状態となったり、
また紅斑が形成されたりする。これらの理由および美的
理由から、このような皮膚の着色をコントロールする目
的で、自然な日焼けをコントロールするための手段が常
に必要とされている;よって、UV−Bは遮蔽すべきで
ある。
【0003】また、皮膚をサンタン状態にする320n
mと400nmの間の波長を有するUV−Aは、特に、
敏感肌または頻繁に太陽光線にさらされている皮膚に好
ましくない変化を誘発する傾向にあることが知られてい
る。UV−Aは、特に、皮膚の弾性を喪失させ、しわを
出現せしめ、皮膚を時期尚早の老化に導く原因となるも
のである。それらは、紅斑反応の誘因を促進し、ある患
者においてこの反応を拡大し、光毒性または光アレルギ
ー反応を引き起こす恐れがある。美的および美容的理由
から、例えば皮膚本来の弾力性を保護するために、多く
の人々は、皮膚へのUV−Aの影響をコントロールする
ことを望んでいる。よって、UV−Aもまた遮蔽するこ
とが望ましい。
【0004】皮膚の光保護(UV−Aおよび/またはU
V−B)を意図した多数の化粧品用組成物が、現在まで
に提案されている。
【0005】これらの抗日光組成物は、かなり多くの場
合、水中油型のエマルションの形態(すなわち、水性分
散連続相と油性分散非連続相とからなる化粧品的に許容
可能なビヒクル)で提供され、このものは、有害な紫外
線を選択的に吸収可能な、一または複数の従来よりの親
油性および/または親水性の有機遮蔽剤を、種々の濃度
で含有してなるもので、これらの遮蔽剤(およびその
量)は、所望の日光保護ファクター[日光保護ファクタ
ー(SPF)は、UV遮蔽剤を用いた場合に紅斑が形成
され始めるまでに必要な照射時間の、UV遮蔽剤を用い
ない場合に紅斑が形成され始めるまでに必要な時間に対
する比率を数学的に表したものである]の関数として選
択される。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
上述した光保護の分野において多くの研究を行ったとこ
ろ、本出願人は、予期しないことに、また驚くべきこと
に、それ自体、従来から既に公知の2つの特定のサンス
クリーン剤を、明確に定義された範囲内の割合で組み合
わせることにより、顕著な相乗効果のために、かなり改
善され、どんな場合でも、遮蔽剤のいずれか一方または
他方を単独で使用したもの、もしくは両方の遮蔽剤を同
時に含有するが、その比率が本発明の範囲外であるもの
よりも、かなり優れている保護ファクターを有する抗日
光組成物が得られることを見いだした。
【0007】よって、本発明の主題の一つは、化粧品的
に許容可能な支持体に、−i)第1の遮蔽剤として、次
の式(1):
【化10】 {上式(1)中、 −Rは、ハロゲン化されていてもよいC1−C10のアル
キル基またはフェニル基またはトリメチルシリルオキシ
基を表し、 −aは、0〜3から選択される整数であり、 −符号Aは、ケイ素原子に直接結合する1価の基で、次
の式(2):
【化11】 [上式(2)中、 −Yは、同一でも異なっていてもよく、C1−C8のアル
キル基、ハロゲンおよびC1−C4のアルコキシ基から選
択され、アルコキシ基の場合、同一の芳香環の2つの近
接したY基は、協同して、アルキリデン基が1または2
の炭素原子を有するアルキリデンジオキシ基を形成可能
であり、 −Xは、OまたはNHを表し、 −Zは、水素またはC1−C4のアルキル基を表し、 −nは、0〜3の整数であり、 −mは、0または1であり、 −pは、1〜10の整数である]に相当するものであ
る}で示される少なくとも1つのユニットを有する少な
くとも1つのベンゾトリアゾール基含有シリコン誘導
体、 −ii)第2の遮蔽剤として、次の式(3):
【化12】 [上式(3)中、R’は、水素原子、直鎖状または分枝
状でC1−C8のアルキルまたはアルコキシ基、または次
の式(4):
【化13】 の基を示す]に相当する少なくとも1つのベンゾイミダ
ゾールのスルホン酸誘導体Cが含有せしめられてなる組
成物であって、前記第1の遮蔽剤と第2の遮蔽剤とが、
相乗的に改善されたSPFを得るのに適切なモル比(A
/C)で、該組成物中に存在することを特徴とする、新
規の 粧用組成物、特に抗日光組成物を提供することに
ある。
【0008】また本発明の主題は、紫外線、特に太陽光
線から皮膚および/または髪を光保護することを意図し
化粧用組成物としての、または化粧品組成物の製造へ
の、上記組成物の使用にある。
【0009】さらに本発明の他の主題は、本発明の組成
物を有効量、皮膚および/または髪に適用することから
本質的になる、紫外線、特に、太陽光線から皮膚および
/または髪を保護するための美容処理方法にある。
【0010】本発明の他の特徴、観点および利点は、以
下の詳細な記載を読むことにより、明らかになるであろ
う。
【0011】本発明で使用されるシリコン誘導体は、次
の式(1):
【化14】 {上式(1)中、 −Rは、ハロゲン化されていてもよいC1−C10のアル
キル基またはフェニル基またはトリメチルシリルオキシ
基を表し、 −aは、0〜3から選択される整数であり、 −符号Aは、ケイ素原子に直接結合する1価の基で、次
の式(2):
【化15】 [上式(2)中、 −Yは、同一でも異なっていてもよく、C1−C8のアル
キル基、ハロゲンおよびC1−C4のアルコキシ基から選
択され、アルコキシ基の場合、同一の芳香環の2つの近
接したY基は、協同して、アルキリデン基が1または2
の炭素原子を有するアルキリデンジオキシ基を形成可能
であり、 −Xは、OまたはNHを表し、 −Zは、水素またはC1−C4のアルキル基を表し、 −nは、0〜3の整数であり、 −mは、0または1であり、 −pは、1〜10の整数である]に相当するものであ
る}で示される少なくとも1つのユニットを有するベン
ゾトリアゾール基含有シロキサンまたはシランである。
【0012】これらの化合物は、特に、本出願人の名義
で欧州特許公開第711778号に、また本出願人の名
義で国際特許出願第94/06404号に記載されてい
る。
【0013】好ましくは、本発明で使用されるシリコン
誘導体は、特に国際特許出願第94/06404号に記
載されている、ベンゾトリアゾールシリコーンの一般的
な種類に属する。本発明を実施するのに特に適切なベン
ゾトリアゾールシリコーンの種類の一つは、次の式
(5)または(6):
【化16】
【化17】 [上式(5)または(6)中: −Rは、同一でも異なっていてもよく、C1−C10のア
ルキル、フェニル、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル、およびトリメチルシリルオキシ基から選択され、数
基準で基Rの少なくとも80%はメチルであり、 −Bは、同一でも異なっていてもよく、基Rおよび基A
から選択され、 −rは、0〜50の整数であり、sは、0〜20の整数
であり、s=0であれば、2つの符号Bの少なくとも1
つはAを示し、 −uは、1〜6の整数であり、tは、0〜10の整数で
あり、t+uは3以上であると理解され、 −符号Aは、上述した式(2)に相当する]に相当する
化合物を含むものである。
【0014】上述した式(2)から明らかなように、ベ
ンゾトリアゾールユニットに対するユニット鎖−(X)
m−(CH2p−CH(Z)−CH2−の結合は、シリコ
ーン鎖のケイ素原子に対する前記ベンゾトリアゾールユ
ニットの結合を確実にするものであるが、これは、本発
明において、次の式:
【化18】 に示す、ベンゾトリアゾールの2つの芳香環によって提
供される全ての利用可能な位置で起こり得る。
【0015】この結合は、好ましくは3、4、5位(ヒ
ドロキシル官能基を有する芳香環)、または4’位(ト
リアゾール環に隣接したベンゼン環)で生じるが、さら
に好ましくは、3、4または5位で生じる。本発明の好
ましい実施態様では、3位で結合する。
【0016】同様に、置換ユニットYの結合は、ベンゾ
トリアゾールの他の全ての可能な位置で生じ得る。しか
しながら、この結合は、好ましくは3、4、4’、5お
よび/または6位で生じる。本発明の好ましい実施態様
においては、ユニットYは5位で結合する。
【0017】上述した式(5)および(6)において、
アルキル基は直鎖状または分枝状であってよく、特に、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、tert−ブチル、n−アミル、イソア
ミル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n
−オクチル、2−エチルヘキシルおよびtert−オクチル
基から選択されうる。本発明の好ましいアルキル基R
は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、n−オク
チルおよび2−エチルヘキシル基である。さらに好まし
くは、基Rは、全てメチル基である。
【0018】上述した式(5)または(6)の化合物の
中でも、式(5)に相当するもの、すなわち、直鎖状の
短鎖を含有するジオルガノシロキサン類が好ましく使用
される。
【0019】上述した式(5)の化合物の中でも、基B
が、両方とも基Rであるものが、好ましく使用される。
【0020】本発明の範囲内にある直鎖状のジオルガノ
シロキサン類としては、次の特性: −Bは基Rであり、 −Rはアルキル、さらに好ましくはメチルであり、 −rは0〜15;sは1〜10であり、 −nは0ではなく、好ましくは1であり、Yはメチル、
tert−ブチル、およびC1−C4のアルコキシから選択さ
れ、 −Zは水素またはメチルであり、 −m=0、または[m=1およびX=O]、 −pは1である、のうち、少なくとも1つ、好ましくは
全てを有するランダム誘導体または明確に定まったブロ
ック誘導体が特に好ましい。
【0021】本発明に特に適したベンゾトリアゾールシ
リコーンの一つの種類は、次の一般式(7):
【化19】 [上式(7)中、0≦r≦10、1≦s≦10であり、
Dは、
【化20】 の二価の基を表す]で定義されるものである。
【0022】本発明の特に好ましい実施態様におけるベ
ンゾトリアゾールシリコーンは、次の式:
【化21】 に相当する化合物[本明細書中、化合物(a)と称す]
である。
【0023】上述した式(1)、(5)、(6)および
(7)の生成物を調製するために適した方法は、特に、
米国特許第3220972号、米国特許第369747
3号、米国特許第4340709号、米国特許第431
6033号および米国特許第4328346号、および
欧州特許公開第0392883号および欧州特許公開第
0742003号に記載されている。
【0024】ベンゾトリアゾール基含有シリコン誘導体
は、組成物の全重量に対して0.1〜20重量%、好ま
しくは0.2〜15重量%の含有量で、本発明の組成物
中に存在し得る。
【0025】本発明で使用されるベンゾイミダゾールス
ルホン酸誘導体(化合物C)は、UV−B領域における
優れた光保護力で知られている水溶性の化合物であり、
次の式(3):
【化22】 [上式(3)中、R’は、水素原子、直鎖状または分枝
状でC1−C8のアルキルまたはアルコキシ基または次の
式(4):
【化23】 の基を示す]に相当するものである。
【0026】本発明の組成物に特に適切なベンゾイミダ
ゾールスルホン酸誘導体は、メルク(Merck)社から
「ユーソレックス(Eusolex)232」の商品名で販売
されている、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−ス
ルホン酸であり、次の式:
【化24】 に相当するものである。
【0027】ベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体は、
組成物の全重量に対して0.1〜10重量%、好ましく
は0.1〜5重量%の含有量で、本発明の組成物中に存
在し得る。
【0028】実用的な観点からは、上述した2つの遮蔽
剤、すなわちベンゾトリアゾールユニット含有シリコン
誘導体とベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体は、組み
合わせた結果付与される日光保護ファクターにおける相
乗効果が最良になるように選択された割合で各々最終組
成物中に存在するのが好ましいことは無論である。
【0029】これらの割合は、ベンゾトリアゾール基含
有シリコン誘導体に担持されているベンゾトリアゾール
ユニットの数に依存して変わり得る。例えば、本発明に
おいて好ましい[第1の遮蔽剤のベンゾトリアゾールユ
ニット/ベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体]のモル
比、すなわちモル比(A/C)は、1/20〜10/
3、さらに好ましくは1/10〜5/2、より好ましく
は2/5〜3/5である。
【0030】例えば、本発明の第1の遮蔽剤が上述した
式(7)のシリコーン化合物(a)であり、本発明の第
2の化合物が「ユーソレックス232」の商品名で販売
されているベンゾイミダゾールスルホン酸誘導体である
特定のケースにおける[(第1の遮蔽剤)/(第2の遮
蔽剤)]の重量比は、1/10〜6/1、好ましくは1
/4〜4/1の範囲内にあり得る。より好ましくは、こ
の重量比は1/1である。
【0031】最後に、本発明の好ましい実施態様におい
て、本発明の組成物は水中油型エマルションである。
【0032】もちろん、本発明の抗日光化粧用組成物
は、上述した2つの遮蔽剤以外にも、一または複数の、
UV−Aおよび/またはUV−B領域に対して活性のあ
る、付加的な親水性または親油性のサンスクリーン剤
(吸収剤)を含有してもよい。これらの付加的な遮蔽剤
は、特に、ケイ酸誘導体、サリチル酸誘導体、ショウノ
ウ誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、
ジベンゾイルメタン誘導体、β,β−ジフェニルアクリ
ラート誘導体、p−アミノ安息香酸誘導体、および国際
特許出願第93/04665号に記載されている遮蔽シ
リコーンおよび遮蔽ポリマーから選択することができ
る。有機遮蔽剤の他の例は、欧州特許公開第04874
04号に示されている。
【0033】また、本発明の組成物は、人工的に皮膚を
日焼けした状態にする、および/または褐色にするため
の薬剤(自己サンタン剤)、例えばジヒドロキシアセト
ン(DHA)をさらに含有してもよい。
【0034】さらに本発明の化粧用組成物は、被覆され
た、またはされていない、金属酸化物の顔料または微小
顔料(ナノピグメント)(平均主粒子径:一般的に、5
nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、
例えば、それ自体よく知られているUV光保護剤であ
る、酸化チタン(アモルファス、またはルチルおよび/
またはアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化
ジルコニウムまたは酸化セリウムの微小顔料をさらに含
有してもよい。またさらに、標準的なコーティング剤
は、アルミナおよび/またはステアリン酸アルミニウム
である。このような、被覆された、または被覆されてい
ない、金属酸化物の微小顔料としては、特に、欧州特許
公開第0518772号および欧州特許公開第0518
773号に記載されているものがある。
【0035】また、本発明の組成物は、特に、脂肪物
質、有機溶媒、イオン性または非イオン性の増粘剤、柔
軟剤、酸化防止剤、不透明化剤、安定化剤、エモリエン
ト、シリコーン類、α−ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿
剤、ビタミン類、香料、防腐剤、界面活性剤、フィラ
ー、金属イオン封鎖剤、ポリマー類、噴霧剤、塩基性ま
たは酸性化剤、染料、または化粧品、特に、エマルショ
ンの形態の抗日光組成物の製造において通常使用されて
いる任意の他の成分から選択される標準的な化粧品用ア
ジュバントを含有してもよい。
【0036】脂肪物質は、油またはロウまたはそれらの
混合物からなるものであってよく、それらは、脂肪酸、
脂肪アルコールおよび脂肪酸エステルを、さらに含有す
る。油は、動物性、植物性、鉱物性または合成油、特
に、流動ワセリン、流動パラフィン、揮発性または非揮
発性のシリコーン油、イソパラフィン、ポリ−α−オレ
フィン、フッ化油および過フッ化(perfluoro)油から
選択され得る。同様に、ロウは、それ自体公知の、動物
性、化石、植物性、鉱物性、または合成ロウから選択さ
れ得る。
【0037】有機溶媒としては、低級アルコールおよび
ポリオールを挙げることができる。
【0038】増粘剤は、特に、架橋したポリアクリル
酸、および変性した、または変性していないグアガム類
およびセルロースガム類、例えばヒドロキシプロピルグ
アガム、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、またはヒドロキシエチル
セルロースから選択される。
【0039】もちろん、当業者は、本発明の2つの組み
合わせによる固有の有利な特性、特に相乗効果が、考慮
される添加により、全く、または実質的に悪影響を受け
ないように、上述した任意の補足的な化合物(類)およ
び/またはそれらの量を、注意して選択するであろう。
【0040】本発明に関連した組成物は、当業者によく
知られた技術、特に、水中油型または油中水型のエマル
ションの調製を意図した技術により、調製されうる。
【0041】この組成物は、特に、単一または複合エマ
ルションの形態(O/W、W/O、O/W/O、または
W/O/W)、例えば、クリーム、ミルク、ゲル、また
はクリーム−ゲル、パウダー、または棒状固体であって
もよく、また、任意にエアゾールとして包装されてもよ
く、フォームまたはスプレーの形態であってもよい。
【0042】組成物がエマルションである場合、その水
相は、公知の方法[バンハム(Bangham)、スタンディ
ッシュ(Standish)、およびワトキンス(Watkins)
の、J. Mol. Biol. 13, 238(1965)、仏国特許第231
5991号、および仏国特許第2416008号]によ
り調製される非イオン性の小胞体分散液を含有してもよ
い。
【0043】本発明の化粧用組成物は、抗日光組成物ま
たはメークアップ用製品のような、紫外線からヒトの皮
膚または髪を保護するための組成物として使用すること
ができる。
【0044】本発明の化粧用組成物が、紫外線からヒト
の皮膚を保護するため、すなわち抗日光組成物として使
用される場合、それは、脂肪物質または溶媒に分散また
は懸濁した形態、非イオン性の小胞体分散液の形態、ま
たはエマルション、好ましくは水中油型のエマルション
の形態、例えば、クリームまたはミルク、または膏薬、
ゲル、クリーム−ゲル、棒状固体、スティック、泡状エ
アゾールまたはスプレーの形態にされ得る。
【0045】本発明の化粧用組成物が、髪の保護用に使
用される場合、それは、シャンプー、ローション、ゲ
ル、エマルション、非イオン性の小胞体分散液、髪用ラ
ッカーの形態であってよく、また、例えばシャンプーの
前または後、染色または脱色の前または後、パーマネン
トウエーブまたは髪のストレート化の前、処理中、後に
適用されてすすがれる組成物、スタイリングまたはトリ
ートメント用のローションまたはゲル、ブロー乾燥また
は髪のセット用のローションまたはゲル、パーマネント
ウエーブ、髪のストレート化、染色、または脱色用の組
成物を構成するものであってもよい。
【0046】組成物が、まつげ、眉毛、まつげ、または
皮膚用のメークアップ製品、例えば、皮膚用トリートメ
ントクリーム、ファンデーション、棒状口紅、アイシャ
ドウ、ほほ紅、マスカラ、またはアイライナーとして使
用される場合、それは、無水または水性、固体またはペ
ーストの形態、例えば、水中油型または油中水型のエマ
ルション、非イオン性の小胞体分散液または懸濁液にさ
れ得る。
【0047】指針として、水中油型のエマルションタイ
プのビヒクルを有する本発明の抗日光組成物において、
水相(特に、親水性の遮蔽剤を含有する)は、全組成物
に対して50〜95重量%、好ましくは70〜90重量
%、油相(特に、親油性の遮蔽剤を含有する)は、全組
成物に対して5〜50重量%、好ましくは10〜30重
量%、(共)乳化剤(類)は、全組成物に対して0.5
〜20重量%、好ましくは2〜10重量%である。
【0048】本記載の最初に示したように、本発明の他
の主題は、皮膚または髪を紫外線の影響から保護するこ
とを意図した、皮膚または髪の美容処理方法にあり、該
方法は、上述した化粧用組成物を有効量、皮膚または髪
に適用することからなる。
【0049】
【実施例】次に本発明の実施例を例証するが、本発明の
範囲を限定するものではない。
【0050】実施例1:水中油型エマルションの形態
の、種々の抗日光組成物を調製した(量は、組成物の全
重量に対する重量%で表す):A1相 : −化合物(a) (ベンゾトリアゾールシリコーン) y% −ICI社から「アルラセル(Arlac el)165」の名称で販売されてい る、PEG−100・ステアラート とステアリン酸グリセリルの混合物 1.5% −ステアリネリー・デュボイス(Stea rinerie Dubois)社から「ステアリ ン(stearine)TP」の名称で販売 されているステアリン酸 2.75% −ヘンケル(Henkel)社から「ロロル (Lorol)C16」の名称で販売さ れているセチルアルコール 0.5% −ファインテックス(Finetex)社か ら「フィンソルブ(Finsolv)TN」 の名称で販売されているC12−C15 の安息香酸アルキル 15% −防腐剤 適量A2相 : −トリエタノールアミン 0.45%B相 : −メルク社から「ユーソレックス23 2」の商品名で販売されている2− フェニルベンゾイミダゾール−5− スルホン酸 xg −ギバウダン−ローレ(Givaudan-Rou re)社から「アンフィゾール(Amph isol)K」の名称で販売されている リン酸セチルカリウム 1%C相 : −グッドリッチ(Goodrich)社から「 カルボポール(Carbopol)980」 の名称で販売されている架橋したポ リアクリル酸 0.3%D相 : −トリエタノールアミン 適量E相 : −水和剤 5% −防腐剤 適量 −水 全体を100%にする量
【0051】これらのエマルションを各々、次の方法に
より調製した:A1相およびA2相を予め加熱し、80
℃で撹拌しつつホモジナイズした。E相を製造タンクに
入れ、撹拌しつつ80℃まで加熱した。ついで、B相と
C相を、30分間、E相に分散させた。混合物(A1+
A2)を、激しく撹拌しつつ、水相(E+B+C)に添
加した。混合物を15分間撹拌した。ついでこの混合物
を50℃まで冷却し、D相を添加した。全混合物を25
℃まで冷却した。
【0052】ついで、これら各々の組成物の日光保護フ
ァクター(SPF)を決定した。これは、ビー・エル・
ディフィー(B.L. Diffey)らの「J. Soc. Cosmet. Che
m.(40-127-133)(1989)」に記載されている方法を、
in vitroにおいて使用して決定した;この方法は、29
0〜400nmの範囲内の波長において、5nm毎に単色光
保護ファクター(monochromatic protection factors)
を測定し、付与された数式に従い、そこから日光保護フ
ァクターを算出することからなる。
【0053】種々の組成の組成物を調査し、得られた平
均日光保護ファクターの結果(3回のテストの平均)を
次の表(I)に示す。
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】このように、遮蔽剤の全濃度が5重量%
で、次の結果が得られた: SPF(組成物A)+SPF(組成物B)=10.5 SPF(組成物G)=11.2 SPF(組成物C)+SPF(組成物D)=9.7 SPF(組成物H)=17.8 SPF(組成物E)+SPF(組成物F)=10.9 SPF(組成物J)=13.2
【0056】これらの結果には、本発明の組成物G、H
およびJにより得られる相乗効果が顕著であることが示
されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07D 235/18 C07D 235/18 235/20 235/20 (56)参考文献 特開 平8−188581(JP,A) 特開 平9−175978(JP,A) 特開 平2−282319(JP,A) 特開 平9−175975(JP,A) 特開 平10−7526(JP,A) 特開 平8−208665(JP,A) 特表 平6−507184(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/42

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化粧品的に許容可能な支持体に、 −i)第1の遮蔽剤として、次の式(1): 【化1】 {上式(1)中、 −Rは、ハロゲン化されていてもよいC1−C10のアル
    キル基またはフェニル基またはトリメチルシリルオキシ
    基を表し、 −aは、0〜3から選択される整数であり、 −符号Aは、ケイ素原子に直接結合する1価の基で、次
    の式(2): 【化2】 [上式(2)中、 −Yは、同一でも異なっていてもよく、C1−C8のアル
    キル基、ハロゲンおよびC1−C4のアルコキシ基から選
    択され、アルコキシ基の場合、同一の芳香環の2つの近
    接したY基は、協同して、アルキリデン基が1または2
    の炭素原子を有するアルキリデンジオキシ基を形成可能
    であり、 −Xは、OまたはNHを表し、 −Zは、水素またはC1−C4のアルキル基を表し、 −nは、0〜3の整数であり、 −mは、0または1であり、 −pは、1〜10の整数である]に相当するものであ
    る}で示される少なくとも1つのユニットを有する少な
    くとも1つのベンゾトリアゾール基含有シリコン誘導
    体、 −ii)第2の遮蔽剤として、次の式(3): 【化3】 [上式(3)中、R’は、水素原子、直鎖状または分枝
    状でC1−C8のアルキルまたはアルコキシ基、または次
    の式(4): 【化4】 の基を示す]に相当する少なくとも1つのベンゾイミダ
    ゾールのスルホン酸誘導体Cが含有せしめられ、 前記第1の遮蔽剤と第2の遮蔽剤とが、相乗的に改善さ
    れたSPFを得るのに適切なモル比(A/C)で組成物
    中に存在することを特徴とする化粧用組成物
  2. 【請求項2】 モル比(A/C)が1/20〜10/3
    範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 ベンゾトリアゾール基を含有するシリコ
    ン誘導体が、次の式(5)および(6): 【化5】 【化6】 [上式(5)または(6)中: −Rは、同一でも異なっていてもよく、C1−C10のア
    ルキル、フェニル、3,3,3−トリフルオロプロピ
    ル、およびトリメチルシリルオキシ基から選択され、数
    基準で基Rの少なくとも80%はメチルであり、 −Bは、同一でも異なっていてもよく、基Rおよび基A
    から選択され、 −rは、0〜50の整数であり、sは、0〜20の整数
    であり、s=0であれば、2つの符号Bの少なくとも1
    つはAを示し、 −uは、1〜6の整数であり、tは、0〜10の整数で
    あり、t+uは3以上であると理解され、 −符号Aは、上述した式(2)に相当する]のいずれか
    に相当するものであることを特徴とする請求項1または
    2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 ベンゾトリアゾールシリコーンが、次の
    式(7): 【化7】 [上式(7)中、0≦r≦10、1≦s≦10であり、
    Dは、 【化8】 の二価の基を表す]に相当するものであることを特徴と
    する請求項3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 スルホン酸ベンゾイミダゾール誘導体
    が、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸
    であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1
    項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ベンゾトリアゾール基を含有するシリコ
    ン誘導体が、次の式: 【化9】 に相当し、[(第1の遮蔽剤)/(第2の遮蔽剤)]の
    重量比が1/10〜6/1であることを特徴とする請求
    項5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 ベンゾトリアゾール基を含有するシリコ
    ン誘導体が、組成物の全重量に対して0.1〜20重量
    %の含有量で存在することを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 スルホン酸ベンゾイミダゾール誘導体
    が、組成物の全重量に対して0.1〜10重量%の含有
    で存在することを特徴とする請求項1ないし7のいず
    れか1項に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 UV−Aおよび/またはUV−B領域に
    おいて活性のある、一または複数の付加的な親水性また
    は親油性の有機遮蔽剤をさらに含有することを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 人工的に皮膚を日焼けした状態にす
    る、および/または褐色にするための少なくとも1つの
    薬剤をさらに含有することを特徴とする請求項1ないし
    9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 紫外線から皮膚および/または髪を保
    護するための化粧品組成物に配合して用いることを特徴
    とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組
    成物の使用。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    記載の組成物を有効量、皮膚および/または髪に適用す
    ることからなる、紫外線から皮膚および/または髪を保
    護するための美容処理方法。
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