JP3022216B2 - 電磁調理器用鍋 - Google Patents

電磁調理器用鍋

Info

Publication number
JP3022216B2
JP3022216B2 JP29127394A JP29127394A JP3022216B2 JP 3022216 B2 JP3022216 B2 JP 3022216B2 JP 29127394 A JP29127394 A JP 29127394A JP 29127394 A JP29127394 A JP 29127394A JP 3022216 B2 JP3022216 B2 JP 3022216B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating coil
pot
pan
heating
electromagnetic cooker
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP29127394A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08148267A (ja
Inventor
紘一 黒河
守人 高石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP29127394A priority Critical patent/JP3022216B2/ja
Publication of JPH08148267A publication Critical patent/JPH08148267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3022216B2 publication Critical patent/JP3022216B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cookers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁調理器に利用され
る鍋に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁調理器用鍋は特開平5−8
2250号公報に示されている。このものは、底面が平
坦で、内部に仕切りのない普通の鍋が記載されている。
【0003】また、実開平3−92418号公報には、
1つの鍋の中を仕切部材で仕切って、複数の食品収納部
を形成するとともに、その食品収納部の底部の厚みを変
えることにより、熱の伝導効率を変えて、例えば、煮え
やすい食品を底部の厚さが厚い収納部に入れ、また煮え
にくい食品を底部の薄い収納部に入れて加熱すれば、両
方の食品が同時刻に出来上がることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、鍋料理を行う
際、上述の特開平5−82250号公報に示されたよう
な鍋に、肉や野菜を一緒にいれて調理するのが普通であ
る。
【0005】しかし、野菜は低温の湯で長時間煮ると、
ビタミンが抜けて美味しくなくなるので、高温の湯で短
時間で煮るのがよいのに対して、肉は一般に70℃以上
の熱湯で煮るとアクがでて、見映えを悪くするばかり
か、一緒に煮ている野菜の味も落としてしまう。このア
クは温度の上昇に伴って多くなる。
【0006】また、値段の高い肉を高温の湯で煮ると柔
らかく口当りがよいが、値段の安い肉は堅くなって口当
りが悪く、美味しく思われない。
【0007】これは、値段が高い肉ほど、脂肪分が肉の
中に細かく分散している、いわゆる霜降り肉である。そ
のため、高温で煮ても溶け出さずに肉の中に脂肪分が多
く内在して柔らかいが、値段の安い肉は脂肪の量が少な
いので、煮たときに脂肪分が溶け出して堅くなってしま
うからである。
【0008】特に、しゃぶしゃぶを行うとき、野菜を煮
る温度で肉を煮ると、肉が堅くなるばかりか、肉からア
クが出て、野菜までおいしく食べられなくなる。
【0009】そこで、上述の実開平3−92418号公
報に記載されたような鍋を用いて加熱すれば、野菜と肉
の煮る温度が異ならせ、両方ともおいしく食べられる
が、誘導加熱において、鍋底の厚みを変えて細かな鍋の
加熱出力を変えようとすれば、厚みの変化幅は少なく実
際には不可能である。
【0010】その理由を説明すると、鍋の加熱出力は、
鍋の材質の固有値となる磁束の浸透深さと表皮抵抗によ
り決定する。実際には、鉄なら浸透深さが0.11m
m、表皮抵抗880μΩ、18−8ステンレスなら浸透
深さが3mm、表皮抵抗240μΩである。電磁調理器
では、磁束により発生する誘導電流がこの浸透深さの間
を流れてジュール熱を発生し、鍋を加熱する原理であ
る。しかし、浸透深さは大変浅く、わずかに鍋の底部の
厚みを変えるだけで大きく加熱出力が変化してしまうの
で、加熱出力の調整は実際には不可能なのである。
【0011】また、一般に加熱コイルは中空のドーナツ
形であり、中空部は加熱出力が低く、中間部の加熱出力
が高いヒートパターン特性を有しているため、トッププ
レート上ならどこに載置してもよいわけではない。中央
部からはなれた位置に載置すると加熱出力はもっと高い
値で加熱できるのに、その値より低い加熱出力で加熱す
ることになり、入力電力に対する鍋の加熱出力の比率、
即ち加熱効率の低下を招いてしまう。
【0012】そこで、野菜等を煮るための第1鍋部と肉
などを煮るための第2鍋部を別々に設けて、それぞれ専
用の第1加熱コイルおよび第2加熱コイルで加熱するこ
とが考えられる。しかし、野菜等を煮る第1鍋部内の温
度は肉などを煮る第2鍋部内の温度より高いので加熱出
力が高く、第1加熱コイルから発生する磁束は第2加熱
コイルより強くなる。
【0013】また、第1加熱コイル及び第2加熱コイル
で発生した磁界は水面にできる波紋のように広がり、加
熱コイルから離れるほど弱くなる特性をもっている。従
って、第1加熱コイル上に載置する第1鍋部はもとよ
り、第2鍋部の近接する部分も第1加熱コイルにより加
熱される。第1鍋部も同様な理由により第2加熱コイル
の磁界により加熱される。しかし、第2鍋部より第1鍋
部の温度が高くなるように制御しているので、第2加熱
コイルの出力は小さく、第1加熱コイルの加熱に影響を
与えないが、第1加熱コイルの磁界は第2加熱コイルの
磁界より強くなるので、第2鍋部のうち第1加熱コイル
に近接する部分は、第1加熱コイルの磁界の影響を受け
て第2加熱コイルの加熱出力より上回り、第2鍋部内の
温度が高くなってしまう。第2鍋部の温度が高くなる
と、第2加熱コイルで肉を煮る温度に設定していても第
2鍋部の温度が必要以上に上昇する問題がある。
【0014】本発明は、斯る課題を解決するものであ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
第1の手段は、鍋を載置するトッププレートの下部に配
置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイルに近接配置
した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイルおよび前記
第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流して高周波磁
界を発生させる制御装置とを備えた電磁調理器に載置す
る電磁調理器用鍋において、前記第1加熱コイル上に載
置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上に載置した第
2鍋部とを備え、前記第1鍋部の底部のうち、前記第2
加熱コイルに近接する部分を切り欠いた切欠部を有した
構成である。
【0016】第2の手段は、第1の手段の第1加熱コイ
ルより第2加熱コイルの加熱出力を高くした構成である
第3の手段は、鍋を載置するトッププレートの下部に配
置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイルに近接配置
した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイルおよび前記
第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流して高周波磁
界を発生させる制御装置とを備えた電磁調理器に載置す
る電磁調理器用鍋において、前記第1加熱コイル上に載
置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上に載置した第
2鍋部とを備え、前記第2鍋部の底部のうち、前記第1
加熱コイルに近接する部分を切り欠いた切欠部を有した
構成である。
【0017】第4の手段は、第3の手段の第1加熱コイ
ルより第2加熱コイルの加熱出力を低くした構成であ
る。
【0018】第5の手段は、鍋を載置するトッププレー
トの下部に配置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイ
ルに近接配置した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイ
ルおよび前記第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流
して高周波磁界を発生させる制御装置とを備えた電磁調
理器に載置する電磁調理器用鍋において、前記第1加熱
コイル上に載置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上
に載置した第2鍋部とを備え、前記第1鍋部の底部のう
ち前記第2加熱コイルに近接する部分を切り欠いた第1
切欠部を、また前記第2鍋部の底部のうち前記第1加熱
コイルに近接する部分を切り欠いた第2切欠部を有した
構成である。
【0019】第6の手段は、第1の手段から第5の手段
に記載されたものにおいて、前記第1加熱コイルは前記
トッププレートの略中央に配置し、前記第2加熱コイル
は前記第1加熱コイルの周囲に配置するとともに、前記
第2鍋部は前記第1鍋部の周囲に配置した構成である。
【0020】第7の手段は、第1の手段から第6の手段
に記載されたものにおいて、前記第1鍋部の水平方向の
断面形状は前記第1加熱コイルと略同形の円筒形に形成
され、また前記第2鍋部の水平方向の断面形状は前記第
2加熱コイルと略同形のドーナツ形に形成した構成であ
る。
【0021】第8の手段は、第1の手段から第7の手段
に記載されたものにおいて、前記第前記第1鍋部は前記
第2鍋部に取り付けた構成である。
【0022】
【作用】即ち、第1の手段及び第2の手段では、第1鍋
部の底部のうち、第2加熱コイルに近接する部分に切欠
部を有することにより、第2加熱コイルとの距離を長く
し、磁界の影響を少なくしている。
【0023】第3の手段及び第4の手段では、第2鍋部
のうち、第1加熱コイルに近接する部分に切欠部を有す
ることにより、第1加熱コイルとの距離を長くして磁界
の影響を少なくしている。
【0024】第5の手段では、第1鍋部及び第2鍋部の
両方に切欠部を設けたので、第1加熱コイルまたは第2
加熱コイルのどちらかの加熱出力が高くなっても1つの
鍋で対応できるのである。
【0025】第6の手段では、第1加熱コイルをトップ
プレート下部の略中央に配置し、その周囲に第2加熱コ
イルを配置することで、加熱コイルの製造を容易にし、
また小スペースで配置できる。
【0026】第7の手段では、第1鍋部及び第2鍋部の
外形を略円形とすることで周囲のどの方向からでも同じ
ような使用ができるので使い勝手を向上するものであ
る。
【0027】第8の手段では、第1鍋部を第2鍋部に取
り付けているので、第1鍋部の周囲に配置している第2
鍋部を持ち上げることで第1鍋部も持ち上げられるの
で、持ち運びが容易になる。
【0028】
【実施例】図1及び図2において、1は電磁調理器本体
を示し、2は調理開始用スタートキーなどを有する操作
部、3は鍋を載置するセラミック製のトッププレートで
ある。前記トッププレート3には、リング状の溝4が設
けられている。
【0029】5はトッププレート3下部の略中央に配置
された円形の第1加熱コイル、6はトッププレート3の
溝4の下部で、且つ第1加熱コイル5の周囲に配置され
たドーナツ形の第2加熱コイル、7は前記第1加熱コイ
ル5及び第2加熱コイル6を下部から支持する加熱コイ
ル台、8は第1加熱コイル5及び第2加熱コイル6に高
周波電流を流して加熱制御する制御装置である。
【0030】尚、前記第1加熱コイル5、第2加熱コイ
ル6、加熱コイル台7、制御装置8は電磁調理器本体1
内に配置されている。
【0031】上述の構成の電磁調理器は、図1に示すよ
うな例えば鉄あるいは18−8ステンレス製の鍋9をト
ッププレート3の略中央(溝4の内側)に載置して第1
加熱コイル5で加熱したり、加熱補助具10をトッププ
レート3の溝4に嵌合させて載置し、加熱補助具10の
中央の開口に専用鍋11を載置し、第1加熱コイル5及
び第2加熱コイル6により加熱して使用するものであ
る。
【0032】この加熱補助具10は図2に示すように、
外壁10aと専用鍋11の側面のカーブに略沿わせた形
状の内壁10bとトッププレート3に対向する底壁10
cとから構成され、中央に開口12を設けたドーナツ形
である。また、底壁10cにはトッププレート3の溝4
と嵌合する嵌合部13を有し、トッププレート3への載
置時位置決めに利用している。さらに内部には、まず底
壁10c上に第2加熱コイル6と対向して配置され、ト
ランス結合の原理で電磁誘導的に結合して電力を第2加
熱コイル6から受ける結合コイル14と、また内壁10
bの内側に結合コイル14で受けた高周波電流をそのま
ま流して磁界を発生させ、専用鍋11の側面を誘導加熱
する一種の加熱コイルとして働かせる補助加熱コイル1
5を有している。
【0033】即ち、上述の加熱補助具10を使用して専
用鍋11で加熱することで側面からも加熱することにな
るので、加熱ムラがなく、また早く加熱調理が行えるの
である。
【0034】前記操作部2は、図3に示すように、加熱
用出力設定キー16、テンプラなどの温度設定キー1
7、出力設定キー16または温度設定キー17の選択後
各設定値を上昇下降させるアップキー18とダウンキー
19、加熱補助具10をトッププレート3の溝4に嵌合
させて使用するとき操作するパワーリングキー20、し
ゃぶしゃぶ調理を行うときに操作するしゃぶしゃぶキー
21を配置し、さらに出力設定または温度設定の際、設
定された値を5段階で表示するLEDより形成された表
示部22、誘導加熱を開始させるスタートキー23、誘
導加熱を停止させるストップキー24を有している。
【0035】次に、図4に基づいて前記制御装置8につ
いて説明する。25は商用電源、26は該商用電源を全
波整流するダイオードブリッジ、27は該ダイオードブ
リッジ26で全波整流した電圧を平滑するためにダイオ
ードブリッジ26の+端子と−端子間に接続した平滑コ
ンデンサ、28は第1加熱コイル5と直列接続する共振
コンデンサである。この直列回路は平滑コンデンサ27
に並列接続している。
【0036】29は該共振コンデンサ28に並列接続す
る第1パワートランジスタ、30は該第1パワートラン
ジスタ29に逆並列に接続したフライホイールダイオー
ドである。
【0037】前記第1加熱コイル5、平滑コンデンサ2
7、共振コンデンサ28、第1パワートランジスタ2
9、フライホイールダイオード30とで商用周波数を2
0KHz〜40KHzに高周波数に変換する第1インバ
ータ回路31を形成する。
【0038】32は第1加熱コイル5の両端の電圧を検
知して第1パワートランジスタ29のオンタイミングを
検出する第1オンタイミング検出回路、33は第1イン
バータ回路31に流れる入力電流を検知する第1カレン
トトランス、34は該第1カレントトランス33で検知
した電流値を電圧値に変換する第1電流変換回路、35
は第1パワートランジスタ29の第1オンオフ信号形成
回路、36は該第1オンオフ信号形成回路35のオン信
号及びオフ信号に基づいて第1パワートランジスタ29
を駆動停止させる駆動回路である。
【0039】前記第1オンオフ信号形成回路35は、第
1オンタイミング検出回路32の検出信号に基づいてオ
ン信号を出力し、第1電流変換回路34の出力電圧と操
作部2で設定された加熱出力と比較して、オフ信号を出
力するとともに、第1電流変換回路34の出力電圧が所
定時間内に一定値以上に上昇しないとき、フォークなど
の小物が載置されていると判断してオフ信号を出力する
よう動作する。
【0040】37は操作部2のパワーリングキー20を
オンしたときに閉塞する電源スイッチ、38商用電源2
6を全波整流するダイオードブリッジ、39は該ダイオ
ードブリッジ38で全波整流した電圧を平滑するために
ダイオードブリッジ38の+端子と−端子間に接続した
平滑コンデンサ、40は第2加熱コイル6とで直列接続
する共振コンデンサである。この直列回路は平滑コンデ
ンサ39に並列接続している。
【0041】41は該共振コンデンサ40に並列接続す
る第2パワートランジスタ、42は該第2パワートラン
ジスタ41に逆並列に接続したフライホイールダイオー
ドである。
【0042】前記第2加熱コイル6、平滑コンデンサ3
9、共振コンデンサ40、第2パワートランジスタ4
1、フライホイールダイオード42とで商用周波数を2
0KHz〜40KHzに高周波数に変換する第2インバ
ータ回路43を形成する。
【0043】44は第2加熱コイル6の両端の電圧を検
知して第2パワートランジスタ41のオンタイミングを
検出する第2オンタイミング検出回路、45は第2イン
バータ回路43に流れる入力電流を検知する第2カレン
トトランス、46は該第2カレントトランス45で検知
した電流値を電圧値に変換する第2電流変換回路、47
は第2パワートランジスタ41の第2オンオフ信号形成
回路、48は該第2オンオフ信号形成回路47のオン信
号及びオフ信号に基づいて第2パワートランジスタ41
を駆動停止させる駆動回路である。
【0044】尚、上記した各素子は前述した26から3
0及び32から36の各素子と同じ機能を有している。
【0045】斯る構成の通常動作について説明する。ま
ず、図1の鍋9で加熱調理する場合、出力キー16を操
作して加熱動作を選択し、アップキー18及びダウンキ
ー19により加熱出力を選択する。その後スタートキー
23を操作すれば、第1パワートランジスタ29に第1
オンオフ信号形成回路35からオン信号を出力して第1
パワートランジスタ29をオンする。第1加熱コイル5
には第1パワートランジスタ29に流れる方向に電流が
流れ出す。その後、第1カレントトランス33で検知し
た電流値が所定値以上となれば第1オンオフ信号形成回
路35からオフ信号が出力される。このオフ信号に基づ
いて第1パワートランジスタ29がオフすると第1加熱
コイル5には、共振コンデンサ28に蓄積された電荷の
放電が開始され、先程とは逆方向に電流が流れ出す。こ
のとき第1加熱コイル5の両端電圧が逆転するので第1
オンタイミング検出回路32はこの電圧変化を検出して
第1オンオフ信号形成回路35にオンタイミング信号を
出力する。このオンタイミング信号を受けて第1パワー
トランジスタ29にオン信号を出力しオンさせるが、こ
の間の伝達時間がかかるので、第1パワートランジスタ
29がオンするときは都合良く共振コンデンサ28の放
電が終了する頃になり、スイッチングロスなしに第1パ
ワートランジスタ29をオンすることができる。以上の
動作を繰り返して加熱コイルに高周波電流を流れさせ
て、磁界を発生し、トッププレート3上に載置した鍋9
を加熱するのである。
【0046】次に、加熱補助具10を用いて専用鍋11
を加熱する場合は、最初に操作部2のパワーリングキー
20をオンして電源スイッチ37を閉塞させる。そし
て、加熱出力を設定するときは、第2オンオフ信号形成
回路47で第1オンオフ信号形成回路35と同じ出力に
設定し、前述の鍋9の加熱と同じ原理で第2加熱コイル
6に高周波電流を流して、専用鍋11を下面と側面の両
方から加熱するのである。
【0047】斯る構成の電磁調理器において、しゃぶし
ゃぶ調理を行うとき、図5及び図6のようなしゃぶしゃ
ぶ用鍋49を用いて加熱する。
【0048】該しゃぶしゃぶ用鍋49は、断面が略円形
の第1鍋部50、断面が略ドーナツ形の第2鍋部51か
ら構成されている。
【0049】前記第1鍋部50は、略円筒形の側壁5
2、該側壁52の下端を閉塞する底部53、側壁52の
上端開口周囲に設けた顎部54、側壁52と底部53と
の境界部を第1鍋50の内方向に切り欠いている切欠部
55を有している。
【0050】また第2鍋部51は、略円筒形の内側壁5
6、該内側壁56と所定間隔を開け、同心円状に配置し
た外側壁57、内側壁56と外側壁57の下端を閉塞す
るドーナツ形の底板58、該底板58に下部にトッププ
レート3の溝に嵌合する嵌合部59を有している。
【0051】尚、前記内側壁56の直径は、第1鍋部5
0の直径より少し大きくしている。また第1鍋部50の
深さは第2鍋部51の深さより少し深くしている。
【0052】斯るしゃぶしゃぶ用鍋49を使用してしゃ
ぶしゃぶ調理を行う場合、しゃぶしゃぶ用鍋51をトッ
ププレート3上に載置した後、操作部2のしゃぶしゃぶ
キー21をオンしてスタートキー23を操作する。この
時、第1オンオフ信号形成回路35には第1鍋部50が
50℃となるようにオン信号を制御するとともに、また
第2オンオフ信号形成回路51の温度が70℃となるよ
うに制御する。
【0053】そして、第1鍋部50に肉を、また第2鍋
部70に野菜を入れて加熱し、それぞれ異なった温度で
加熱し、調理するのである。
【0054】しゃぶしゃぶ調理を終了するときは、操作
部2のストップキー24を押して加熱を停止しさせれば
良い。
【0055】ここで、第1鍋部50の底部に切欠部55
を設けているのは、第2鍋部51の温度を第1鍋部50
の温度より高くする関係上、第2加熱コイル6の出力を
第1加熱コイル5の出力より高くする必要がある。この
出力に比例して磁界は第1加熱コイル5より第2加熱コ
イル6が強くなる。また、磁界は距離が離れるほど弱く
なる性質がある。
【0056】従って、第1鍋部50の内第1加熱コイル
5に近接する底部は、第2加熱コイル6の磁界より第1
加熱コイル5の磁界が勝り、第1鍋部50は必要以上の
加熱出力で第2加熱コイル6で加熱されることになり、
第1加熱コイルで制御する温度(50℃)以上に上昇さ
せてしまう。この温度上昇は、第1鍋部50内の肉をお
いしく加熱することができなくなるので、切欠部55を
設けて第2加熱コイル6からできるだけ離して磁界の影
響を少なくしている。
【0057】尚、第2加熱コイル6に近接しない部分は
第1加熱コイル5の磁界が勝ることになり、影響が少な
く、対策を立てる必要はない。
【0058】次に、第2の実施例として、図7に示して
いる。この実施例では、しゃぶしゃぶ用鍋49の第2鍋
部51の内側壁56と底壁58とのコーナー部に切欠部
60を設けたものである。
【0059】これは、図5乃至図6のしゃぶしゃぶ用鍋
49においては、第1鍋部50の加熱温度を50℃、第
2鍋部51の加熱温度を70℃、即ち第1加熱コイル5
の出力が第2加熱コイル6の出力より大きい場合に使用
する鍋の例であるのに対し、第2の実施例のしゃぶしゃ
ぶ用鍋49は、第1鍋部50の加熱温度と第2鍋部51
の加熱温度とを反対にした例である。即ち、第1鍋部5
0の加熱温度を70℃とし、第2鍋部51の加熱温度を
50℃とした例である。
【0060】従って、第1加熱コイル5の磁界と第2加
熱コイル6の磁界の強さが反対になり、第1の実施例で
生じる現象も反対になるので、切欠部60を第2鍋部5
1の内側壁56と底壁58とのコーナー部を設けている
のである。
【0061】第3の実施例として図8に示している。こ
れは、前述の第1の実施例及び第2の実施例の両方に使
用できるよう第1鍋部50に第1切欠部61を、また第
2鍋部51に第2切欠部62をそれぞれ設け、このしゃ
ぶしゃぶ用鍋49でどちらでも対応できるようにしたも
のである。
【0062】上述の実施例において、しゃぶしゃぶ用鍋
49の第1鍋部50を円形にし、その周囲にドーナツ形
の第2鍋51を配置したのは、通常しゃぶしゃぶ調理を
行うときは1つの鍋を取り囲んでみんなで話をしながら
鍋の中の調理物を取り出して食べるのであり、どの方向
からも同じように鍋の中の調理物が取り出せるように構
成する必要があるからである。
【0063】また、第1加熱コイル5を円形に、またそ
の周囲に第2加熱コイル6を配置しているのは、通常電
磁調理器は正方形に近い形状にデザインされているた
め、2つの円形の加熱コイルを配置するにはスペースが
少なすぎるので、デッドスペースをできるだけ有効活用
するためにこのような形状にした。
【0064】以上の実施例においては、しゃぶしゃぶ調
理について記述してきたが、本発明はこれに限定される
ものではなく、第1加熱コイルと第2加熱コイルを設
け、各々の加熱出力を異ならせて加熱する電磁調理器用
鍋全てに適用できるものである。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、第1鍋部のコーナーま
たは第2鍋部のコーナーを切り欠いているので、近接す
る加熱コイルの磁界の影響を少なくして、不所望な温度
上昇を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電磁調理器の外観図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】操作部の拡大図である。
【図4】電磁調理器の制御ブロック図である。
【図5】本発明のしゃぶしゃぶ用鍋の外観図である。
【図6】図6の断面図である。
【図7】第2の実施例のしゃぶしゃぶ用鍋の断面図であ
る。
【図8】第3の実施例のしゃぶしゃぶ用鍋の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 電磁調理器本体 5 第1加熱コイル 6 第2加熱コイル 49 しゃぶしゃぶ用鍋 50 第1鍋部 51 第2鍋部 55、60 切欠部 61 第1切欠部 62 第2切欠部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−96489(JP,A) 特開 平4−337279(JP,A) 特開 平5−226069(JP,A) 実開 平3−76519(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/12 A47J 27/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋を載置するトッププレートの下部に配
    置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイルに近接配置
    した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイルおよび前記
    第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流して高周波磁
    界を発生させる制御装置とを備えた電磁調理器に載置す
    る電磁調理器用鍋において、前記第1加熱コイル上に載
    置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上に載置した第
    2鍋部とを備え、前記第1鍋部の底部のうち、前記第2
    加熱コイルに近接する部分を切り欠いた切欠部を有した
    ことを特徴とする電磁調理器用鍋。
  2. 【請求項2】 前記第2加熱コイルは前記第1加熱コイ
    ルより加熱出力を高くしたことを特徴とする請求項1に
    記載の電磁調理器用鍋。
  3. 【請求項3】 鍋を載置するトッププレートの下部に配
    置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイルに近接配置
    した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイルおよび前記
    第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流して高周波磁
    界を発生させる制御装置とを備えた電磁調理器に載置す
    る電磁調理器用鍋において、前記第1加熱コイル上に載
    置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上に載置した第
    2鍋部とを備え、前記第2鍋部の底部のうち、前記第1
    加熱コイルに近接する部分を切り欠いた切欠部を有した
    ことを特徴とする電磁調理器用鍋。
  4. 【請求項4】 前記第2加熱コイルは前記第1加熱コイ
    ルより加熱出力を低くしたことを特徴とする請求項3に
    記載の電磁調理器用鍋。
  5. 【請求項5】 鍋を載置するトッププレートの下部に配
    置した第1加熱コイルと、該第1加熱コイルに近接配置
    した第2加熱コイルと、前記第1加熱コイルおよび前記
    第2加熱コイルにそれぞれ高周波電流を流して高周波磁
    界を発生させる制御装置とを備えた電磁調理器に載置す
    る電磁調理器用鍋において、前記第1加熱コイル上に載
    置した第1鍋部と、前記第2加熱コイル上に載置した第
    2鍋部とを備え、前記第1鍋部の底部のうち前記第2加
    熱コイルに近接する部分を切り欠いた第1切欠部を、ま
    た前記第2鍋部の底部のうち前記第1加熱コイルに近接
    する部分を切り欠いた第2切欠部を有したことを特徴と
    する電磁調理器用鍋。
  6. 【請求項6】 前記第1加熱コイルは前記トッププレー
    トの略中央に配置し、前記第2加熱コイルは前記第1加
    熱コイルの周囲に配置するとともに、前記第2鍋部は前
    記第1鍋部の周囲に配置したことを特徴とする前記請求
    項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電磁調理器用
    鍋。
  7. 【請求項7】 前記第1鍋部の水平方向の断面形状は前
    記第1加熱コイルと略同形の円筒形に形成され、また前
    記第2鍋部の水平方向の断面形状は前記第2加熱コイル
    と略同形のドーナツ形に形成したことを特徴とする請求
    項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電磁調理器用
    鍋。
  8. 【請求項8】 前記第1鍋部は前記第2鍋部に取り付け
    たことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項
    に記載の電磁調理器用鍋。
JP29127394A 1994-11-25 1994-11-25 電磁調理器用鍋 Expired - Lifetime JP3022216B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29127394A JP3022216B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電磁調理器用鍋

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29127394A JP3022216B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電磁調理器用鍋

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08148267A JPH08148267A (ja) 1996-06-07
JP3022216B2 true JP3022216B2 (ja) 2000-03-15

Family

ID=17766748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29127394A Expired - Lifetime JP3022216B2 (ja) 1994-11-25 1994-11-25 電磁調理器用鍋

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3022216B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920341B1 (ko) * 2016-09-30 2018-11-20 (주)피스월드 솥단지 인덕션 레인지

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920341B1 (ko) * 2016-09-30 2018-11-20 (주)피스월드 솥단지 인덕션 레인지

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08148267A (ja) 1996-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4915271B2 (ja) 加熱調理器
US20200163171A1 (en) Induction cooktop
JPH05326126A (ja) 電磁誘導加熱調理器
WO2013136577A1 (ja) 誘導加熱調理器
US20220330388A1 (en) Induction heating system
WO2015059801A1 (ja) 誘導加熱調理器
JP5473864B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2010108796A (ja) 誘導加熱調理器
JPH05226069A (ja) 中華鍋加熱用電磁誘導加熱装置
JP3022216B2 (ja) 電磁調理器用鍋
JP2013137938A (ja) 誘導加熱調理器
CN201064376Y (zh) 双温控器电饭煲
JP2007000394A (ja) 炊飯器
JP3899919B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP3063611B2 (ja) 電気炊飯器
JP6960568B2 (ja) 誘導加熱調理器
JPH09115660A (ja) 電磁調理器
JPH0982467A (ja) 電磁調理器
JP3788276B2 (ja) 誘導加熱調理器
JP2004247237A (ja) 誘導加熱調理器
JP5201180B2 (ja) 炊飯器
JP2983839B2 (ja) 電磁調理器及び電磁調理器用鍋
CN217066090U (zh) 烹饪装置以及烹饪器具
JP3007590U (ja) 電磁調理器及び電磁調理器用鍋
CN2812775Y (zh) 多功能电饭煲