JP2983839B2 - 電磁調理器及び電磁調理器用鍋 - Google Patents

電磁調理器及び電磁調理器用鍋

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JP2983839B2
JP2983839B2 JP10854394A JP10854394A JP2983839B2 JP 2983839 B2 JP2983839 B2 JP 2983839B2 JP 10854394 A JP10854394 A JP 10854394A JP 10854394 A JP10854394 A JP 10854394A JP 2983839 B2 JP2983839 B2 JP 2983839B2
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喜博 倉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁調理器に利用され
る鍋に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の電磁調理器及び電磁調理器用鍋
は特開平5−82250号公報に示されている。このも
のは、底面が平坦で、内部に仕切りのない普通の鍋が記
載されている。
【0003】また、実開平3−92418号公報には、
1つの鍋の中を仕切部材で仕切って、複数の食品収納部
を形成するとともに、その食品収納部の底部の厚みを変
えることにより、熱の伝導効率を変えて、例えば、煮え
やすい食品を底部の厚さが厚い収納部に入れ、また煮え
にくい食品を底部の薄い収納部に入れて加熱すれば、両
方の食品が同時刻に出来上がることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、鍋料理を行う
際、上述の特開平5−82250号公報に示されたよう
な鍋に、肉や野菜を一緒にいれて調理するのが普通であ
る。
【0005】しかし、野菜は低温の湯で長時間煮ると、
ビタミンが抜けて美味しくなくなるので、高温の湯で短
時間で煮るのがよいのに対して、肉は一般に70℃以上
の熱湯で煮るとアクがでて、見映えを悪くするばかり
か、一緒に煮ている野菜の味も落としてしまう。このア
クは温度の上昇に伴って多くなる。
【0006】また、値段の高い肉を高温の湯で煮ると柔
らかく口当りがよいが、値段の安い肉は堅くなって口当
りが悪く、美味しく思われない。
【0007】これは、値段が高い肉ほど、脂肪分が肉の
中に細かく分散している、いわゆる霜降り肉であるた
め、高温で煮ても溶け出さずに肉の中に脂肪分が多く内
在して柔らかいが、値段の安い肉は脂肪の量が少ないの
で、煮たときに脂肪分が溶け出して堅くなってしまうか
らである。
【0008】特に、しゃぶしゃぶを行うとき、野菜を煮
る温度で肉を煮ると、肉が堅くなるばかりか、肉からア
クが出て、野菜までおいしく食べられなくなる。
【0009】そこで、上述の実開平3−92418号公
報に記載されたような鍋を用いて加熱すれば、野菜と肉
の煮る温度が異ならせ、両方ともおいしく食べられる
が、誘導加熱において、鍋底の厚みを変えて細かな鍋の
加熱出力を変えようとすれば、厚みの変化幅は少なく実
際には不可能である。
【0010】鍋の加熱出力は、鍋の材質の固有値となる
磁束の浸透深さと表皮抵抗により決定する。実際には、
鉄なら浸透深さが0.11mm、表皮抵抗880μΩ、
18−8ステンレスなら浸透深さが3mm、表皮抵抗2
40μΩであるので、わずかに鍋の底部の厚みを変える
だけで大きく加熱出力が変化してしまうからである。
【0011】本発明は、斯る課題を解決するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の課題を解決する
第1の手段は、鍋を載置するトッププレートと、該トッ
ププレートの下部に配置し、前記鍋を誘導加熱する加熱
コイルと、該加熱コイルに高周波電流を流して高周波磁
界を発生させるためにオンオフするスイッチング素子
と、前記加熱コイルの出力を設定する出力設定装置と、
該出力設定装置で設定された加熱出力に基づいて前記ス
イッチング素子のオンオフ周期を制御して前記加熱コイ
ルの出力を制御する制御装置を備えるものにおいて、前
記鍋は、前記加熱コイルと対向した位置の前記トッププ
レートに接し、かつ誘導加熱可能な第1鍋部と、前記加
熱コイルと対向した位置の前記トッププレートとギャッ
プを設けて前記第1鍋部に取り付け、かつ誘導加熱可能
な第2鍋部とを備えた構成である。
【0013】第2の手段は、加熱コイルの上部にトップ
プレートを配置した電磁調理器により誘導加熱されるも
のにおいて、前記加熱コイルと対向した位置の前記トッ
ププレートに接し、かつ誘導加熱可能な第1鍋部と、前
記加熱コイルと対向した位置の前記トッププレートとギ
ャップを設けて前記第1鍋部に取り付け、かつ誘導加熱
可能な第2鍋部とを備えた構成である。
【0014】第3の手段は、前記第1鍋部の側壁と前記
第2鍋部の側壁との間に空気層を設けた構成である。
【0015】第4の手段は、前記空気層を、第2鍋部の
側壁と対向する前記第1鍋部の側壁に、前記第2鍋部の
側壁に向かって水平方向にリブを設けることにより形成
した構成である。
【0016】第5の手段は、前記第2鍋部と前記トップ
プレートとのギャップ長を調整するギャップ調整部を前
記第1鍋部及び/または前記第2鍋部に備えた構成であ
る。
【0017】第6の手段は、前記第2鍋にサーモペイン
トを塗布した構成である。第7の手段は、前記第2鍋部
の側壁と対向する前記第1鍋部の側壁は、他の部分より
誘導加熱されにくい材料で形成した構成である。
【0018】第8の手段は、前記第2鍋部の上端周囲に
立上リブを設け、前記第2鍋部の内容物があふれでるの
を防止した構成である。
【0019】第9の手段は、前記第2鍋部の底部と前記
トッププレートの間に絶縁部材を挿入した構成である。
【0020】
【作用】即ち、第1の手段及び第2の手段では、第1鍋
部に比べて第2鍋部は、トッププレートから離れて、電
磁調理器との電磁結合度合いが第1鍋部より弱くなるの
で、第1鍋部に比べて第2鍋部の加熱出力が低下し、第
1鍋部より第2鍋部の温度が低くなる。そこで、第1鍋
部で野菜を、また第2鍋部で肉を煮るようにすれば最適
な加熱ができる。
【0021】第3の手段では、第1鍋部と第2鍋部との
間に空気層を設けているので、第1鍋部の熱が空気層に
より断熱されて第2鍋部へ伝わりにくく、第1鍋部の熱
による第2鍋部の温度上昇を防止できる。
【0022】第4の手段では、第2鍋部とトッププレー
トとのギャップ長を調節することにより、第2鍋部のみ
の加熱出力を調節できるようになる。
【0023】第5の手段では、第2鍋部にサーモペイン
トを塗布しているので、第2鍋部の温度を目で確認がで
き、熱くなり過ぎていれば、前記ギャップ長を調節して
第2鍋部の加熱出力を最適な出力に調節できる。
【0024】第6の手段では、前記第2鍋部の側壁と対
向する前記第1鍋部の側壁は、他の部分より誘導加熱さ
れにくい材料で形成するので、第1鍋部から第2鍋部へ
の熱を伝えにくくし、第2鍋部の温度上昇を防止するも
のである。
【0025】第7の手段では、前記第2鍋部の側壁と対
向する前記第1鍋部の側壁に、水平方向にリブを設ける
ことにより、少なくとも該リブ分の幅の前記空気層を確
保することができる。
【0026】第8の手段は、前記第2鍋部の上端周囲に
立上リブを設けることにより、前記第2鍋部の内容物が
あふれでるのを防止することができる。
【0027】第9の手段は、前記第2鍋部の底部と前記
トッププレートの間に絶縁部材を挿入し、内鍋のがたつ
きを少なくし、安定して支持することができる。
【0028】
【実施例】図1及び図2において、1はステンレス鋼S
US304の材料で形成された第1鍋部となる外鍋であ
り、2は略中央に開口を有するドーナツ形状の平面底
板、3は該平面底板2の外周端から上方に延設した外側
壁、4は平面底板2の開口周囲から上方に略垂直方向に
延設し、上端面4aを有する内側壁、5は平面底板2の
開口と内側壁4とで形成された貫通口である。
【0029】6は外鍋1と同材料で形成され、前記貫通
口5内に挿入して設置する第2鍋部となる内鍋であり、
7は平板底面7aを一体形成した略円筒形状の内鍋6の
容器部、8は該容器部7の上端面から外周方向に延設さ
せ、外鍋1の内側壁4の上端面4aに当接する幅広の額
部である。
【0030】尚、後述する加熱コイル12は、一般に中
央部の加熱出力が高く、中央部が低いヒートパターン特
性を有している。外鍋1はそのヒートパターン特性に合
わせて加熱出力の高い部分に対向させたドーナツ形状と
し、また内鍋6は加熱出力の低い中央部に配置させるた
めに、外鍋1の略中央部に位置させているのである。
【0031】9は電磁調理器本体、10は電磁調理器の
鍋載置台となるセラミック製のトッププレート、11は
調理開始ボタン、加熱出力の出力調整ボタンを備える操
作部、12は電磁調理器9内に配置した加熱コイルであ
る。
【0032】前記加熱コイル12は、単一のより線を平
板コイル状に巻いた構造であり、図示しない制御回路に
より加熱コイルから単一の加熱出力でトッププレート上
に載置した被加熱物を加熱するものである。
【0033】外鍋1の貫通口5に内鍋6を挿入して設置
したとき、容器部7の平板底面7aとトッププレート1
0との間にはギャップ長Lのギャップがある。即ち、貫
通口5の深さより内鍋6の容器部7の深さを浅くしてい
る。
【0034】これは、図3に示すように、加熱コイルと
鍋との距離が大きくなるにつれて、加熱出力が低下する
関係があるので、この関係を利用して、外鍋1と加熱コ
イル12との距離より内鍋6と加熱コイル12との距離
を大きくして内鍋6の加熱出力を低下させている。
【0035】尚、図3では電源電圧が110Vから12
0V、入力電流が15Aから20Aの条件で動作させた
結果である。
【0036】図4において、13は商用電源、14は商
用電源を全波整流する全波整流回路、15は該全波整流
回路14で全波整流した脈流を平滑する平滑コンデン
サ、16は前記加熱コイル12と直列回路を形成し、前
記平滑コンデンサ15に直列回路を並列接続する共振コ
ンデンサ、17は共振コンデンサ16に並列接続するフ
ライホイルダイオード、18は該フライホイルダイオー
ド17に並列接続するスイッチング素子となるスイッチ
ングトランジスタである。前記平滑コンデンサ15、加
熱コイル12、平滑コンデンサ16、フライホイルダイ
オード17、スイッチングトランジスタ18によりイン
バータ回路19を形成する。
【0037】20は入力電流を検知するカレントトラン
ス、21は加熱コイル12の出力電力を設定する出力設
定装置となる出力設定回路、22はカレントトランス2
0の検出値と出力設定回路21の設定値とを比較し、比
較結果を出力する比較回路、23は加熱コイル12の両
端の電圧を検知して比較し、その結果に基づいてスイッ
チングトランジスタ18のオンタイミングを生成するオ
ンタイミング検出回路、24は比較回路22及びオンタ
イミング検出回路23の出力信号に基づいてスイッチン
グトランジスタ18のオン信号を形成し出力する制御装
置となる制御回路である。
【0038】斯かる制御回路の動作は、まず、制御回路
24からスイッチングトランジスタ18にオン信号が出
力されて該トランジスタ18がオンする。トランジスタ
18のオンに伴い、加熱コイル12にオン電流が流れ
る。所定時間後、制御回路24かオン信号の出力が停止
し、スイッチング素子18をオフすると、共振コンデン
サ16への充電後、加熱コイル12、平滑コンデンサ1
5の経路で共振コンデンサ16から放電電流が流れる。
この放電電流は、フライホルダーダイオード17を介し
て再び共振コンデンサ16に至る。この時、オンタイミ
ング検出回路23で加熱コイル12の両端の電圧を比較
することにより、フライホイルダイオード17に電流が
流れタイミングを検出し、オンタイミング信号を制御回
路24に供給する。この信号を受けて、制御回路24は
スイッチングトランジスタ18に制御信号を出力するの
である。
【0039】この動作を繰り返すことにより、加熱コイ
ル12に高周波電流が流れ、それに伴って高周波磁界を
発生させ、近接する金属製の電磁調理器用鍋1を加熱す
るのである。
【0040】また、カレントトランス20でインバータ
回路19への入力電流を検知し、出力設定回路21の設
定値と比較回路22で比較し、その結果を制御回路24
に出力する。制御回路24は、入力電流が設定値より小
さければ、スイッチングトランジスタ18へのオン信号
の出力時間を長くし、また入力電流が設定値より大きく
なればオン信号の出力時間を短くする。即ち、スイッチ
ングトランジスタ18のオン時間を長くすることで、イ
ンバータ回路19の発振周波数を小さくして、加熱コイ
ル12の出力を大きくし、またスイッチングトランジス
タ18のオン時間を短くすることで、インバータ回路1
9の発振周波数を大きくして加熱コイル12の出力を小
さくするものである。
【0041】上述の動作を繰り返して行うことで、出力
設定回路21で設定した加熱コイル12の出力に制御し
ている。
【0042】斯る構成による使用方法は、まずトッププ
レート10上に内鍋6を取り付けた外鍋1を載置して、
外鍋1及び内鍋6の容器部7にダシまたは水を入れた
後、電磁調理器9の最大出力で加熱動作を開始させる。
【0043】時間の経過とともに、外鍋1及び内鍋6は
誘導加熱され温度が上昇する。しかし、内鍋6はトップ
プレート10とギャップを設けている分、外鍋1の加熱
出力より低い出力で加熱されるため、内鍋6の温度は外
鍋1の温度上昇の傾きより低い傾きで上昇する。
【0044】その後、図示しないサーミスタにより外鍋
1の温度が野菜を煮るのに適した温度、即ち90℃に達
すれば、その温度を維持するよう加熱出力を低下、また
は加熱コイル12に流れる電流を断続制御して、保温運
転に移行する。
【0045】この時、外鍋1の温度は90℃であるが、
内鍋6は90℃まで上昇せず、ギャップ長Lの調整によ
り70℃前後で保温されるようになる。
【0046】この状態になれば、使用者は、外鍋1に野
菜を入れて煮るとともに、内鍋6にを入れて煮ること
で、肉は高温で加熱されないので、アクが出ず、くな
らず、また野菜は高温で煮るので短時間で食べられる状
態となり、うまみを落とさずに食べることができる。
【0047】第2の実施例として図5に示す。前述の図
2の実施例と異なるところは、内鍋6の容器部7の側壁
と外鍋1の内側壁4との間に距離Xの空気層を設けた、
即ち容器部7の側壁7bと内側壁4とを離した点であ
る。尚、内鍋6は額部8を延設させ、外鍋1の上端面4
aと当接するようにして、外鍋1に取り付けている。
【0048】これは、外鍋1より内鍋6の温度が低いた
め、外鍋1の温度が内鍋6に伝わり、内鍋6の温度を外
鍋1と同じ程度上昇させてしまい、肉の加熱に適した温
度、即ち70℃前後から上昇させてしまう恐れがあるの
で、容器部7の側壁7bと内側壁4との間に空気層を設
けることにより、外鍋1の熱を断熱して、内鍋6に伝わ
りにくくしているのである。
【0049】第3の実施例として図6に示す。前述の図
2の実施例と異なるところは、外鍋1の内側壁4に雌ネ
ジ部25を設け、また内鍋6の容器部7の側壁7bに雄
ネジ部26を設け、外鍋1に内鍋6を取り付ける際、雌
ネジ部25と雄ネジ部26とを嵌合している点である。
【0050】これは、内鍋6の額部8を持って左右に回
すことにより、雌ネジ部25と雄ネジ部26の関係によ
り内鍋6が上下に移動し、内鍋6の平板底面7aとトッ
ププレート10との距離Lを変更して、内鍋6の加熱出
力を調節するためのものである。
【0051】尚、本実施例において、内鍋6の容器部7
の外壁に加熱出力に応じた目盛りを付すことにより、内
鍋6を回して上下させて、目盛りに合わせることで、加
熱出力を調節してもよい。
【0052】第4の実施例として図7に示す。本実施例
では、図5の第3の実施例の内鍋6の容器部7の側壁7
a内側にサーモペイント27を塗布している点を追加し
ている。
【0053】このサーモペイント27は、肉を加熱する
最適な温度70℃以上で、例えば色が白から赤に変わる
ような材料を使用している。従って、調理中に、内鍋6
の温度が70℃以上に上昇したとき、サーモペイント2
7の色が赤に変わるので、使用者はその色を見て、内鍋
6を回して上に移動させ、加熱出力を低下させて、最適
な加熱出力に調整することができる。
【0054】第5の実施例として図8に示す。前述の図
2の実施例と異なるところは、外鍋1の内側壁4の材質
をステンレス鋼SUS430で形成していることであ
る。
【0055】ステンレス鋼SUS304はトッププレー
ト10上に載置したときの共振周波数が20KHz以上
であるので、最大の加熱出力で加熱できる。これに対し
て、ステンレス鋼SUS430はトッププレート10上
に載置したときの共振周波数が20KHz以下である
が、電磁調理器では20KHz以上で動作させるように
制御しているので、最大の加熱出力より低い出力で加熱
されることになる。即ち、ステンレス鋼SUS430は
SUS304に比べて誘導加熱されにくい材料、言い換
えれば、同じ入力電力で加熱しても加熱出力の低い材料
である。
【0056】これは、20KHz以下で動作させると、
可聴周波数で動作させることになるので、使用者やその
周囲の人に耳障りな音が聞こえるため、通常20KHz
以上で電磁調理器を動作させているのである。
【0057】従って、誘導加熱中は外鍋1の内側壁4が
誘導加熱されにくく、その熱が内鍋6に伝わりにくくな
るので、内鍋6の温度上昇が防げ、最適な加熱が可能と
なる。
【0058】第6の実施例として図9に示す。上述の各
実施例で説明した部品と同じ番号を付したものは同じ機
能を有しているので説明を省略する。
【0059】28は外鍋1の外側壁3の上端を釣針状に
折り返した外鍋フランジ、29は外鍋1の内側壁4の上
端から外鍋の中心方向に水平に距離X分延設させた内側
リブ、30は内鍋6の額部8の端部から上方に立ち上げ
た立上リブである。
【0060】前記内側リブ29の存在により、内鍋6が
貫通口5内で左右にずれても、内鍋6の容器部7が内側
リブ16に当接してそれ以上近付くことがなく、内鍋6
の容器部7の側壁7bと外鍋1の内側壁4との間の距離
は少なくともX分は保つことができる。
【0061】従って、内側リブ29により、外鍋1と内
鍋6との距離を少なくともX分は離せるので、その距離
分の空気層が形成されるので、外鍋1の熱が外鍋1より
低い温度の内鍋6に伝わりにくくし、第2の実施例と同
様に内鍋6の温度上昇が防止できるのである。
【0062】また外鍋フランジ28は、外鍋1の持ち運
びの際、この部分を持って運べばよく、取手の機能を有
している。
【0063】また立上リブ30は、内鍋6内の肉を煮た
汁がオーバーフローして外鍋1内に混じらないようにし
ているものであり、肉を煮たときのアクが外鍋1内に混
じって野菜が落ちないようにしている。
【0064】さらに、立上リブ30は、ある程度の幅が
あるので、内鍋6をもち上げる際、使用者はこのリブ3
0の部分を持って上げればよく、使い勝手を向上させて
いる。
【0065】さらに、立上リブ30の存在により、内鍋
6の開口位置が外鍋1の開口位置より高くなるので、外
鍋1からあふれた内容物が内鍋6内に流れ込むことを防
止することができる。
【0066】第7の実施例として図10に示す。上述の
各実施例で説明した部品と同じ番号を付したものは同じ
機能を有しているので説明を省略する。
【0067】前述の図2の実施例と異なるところは、内
鍋6の容器部7の平板底面7aとトッププレート10と
の間に設けたギャップに、絶縁部材となる耐熱性樹脂3
1を設けている点である。
【0068】これは、内鍋6を額部8により支持するだ
けでなく、耐熱性樹脂31によっても内鍋6の底部から
も支持することになり、内鍋6内に入れたダシなどが沸
騰してもがたつかず、安定して支持するためのものであ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、第1鍋部と第2鍋部へ
の出力が異なった状態で加熱が継続でき、例えばしゃぶ
しゃぶ調理の際、肉と野菜を夫々適温で煮ることができ
るため、肉がくならず、野菜も美味しく仕上げること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電磁調理器用鍋を電磁調理器に載置し
たときの外観図である。
【図2】図1の電磁調理器用鍋の断面図である。
【図3】鍋と加熱コイルとの距離と加熱出力の関係を示
す図である。
【図4】電磁調理器の制御回路図である。
【図5】第2の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図で
ある。
【図6】第3の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図で
ある。
【図7】第4の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図で
ある。
【図8】第5の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図で
ある。
【図9】第6の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図で
ある。
【図10】第7の実施例を示す電磁調理器用鍋の断面図
である。
【符号の説明】
1 外鍋 4 内側壁 6 内鍋 7 容器部 7a 平板底面 7b 側壁 10 トッププレート 12 加熱コイル 25 雌ネジ部 26 雄ネジ部 27 サーモペイント 29 内側リブ 30 立上リブ 31 耐熱性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−263081(JP,A) 実願 平1−152248号(実開 平3− 92418号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/12 314

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍋を載置するトッププレートと、該トッ
    ププレートの下部に配置し、前記鍋を誘導加熱する加熱
    コイルと、該加熱コイルに高周波電流を流して高周波磁
    界を発生させるためにオンオフするスイッチング素子
    と、前記加熱コイルの出力を設定する出力設定装置と、
    該出力設定装置で設定された加熱出力に基づいて前記ス
    イッチング素子のオンオフ周期を制御して前記加熱コイ
    ルの出力を制御する制御装置を備えるものにおいて、前
    記鍋は、前記加熱コイルと対向した位置の前記トッププ
    レートに接し、且つ誘導加熱可能な第1鍋部と、前記加
    熱コイルと対応した位置の前記トッププレートとギャッ
    プを設けて前記第1鍋部に取り付け、且つ誘導加熱可能
    な第2鍋部とを備え、更に前記第1鍋部の側壁と前記第
    2鍋部の側壁との間に空気層を設けたことを特徴とする
    電磁調理器。
  2. 【請求項2】 加熱コイルの上部にトッププレートを配
    置した電磁調理器により誘導加熱されるものにおいて、
    前記加熱コイルと対向した位置の前記トッププレートに
    接し、且つ誘導加熱可能な第1鍋部と、前記加熱コイル
    と対向した位置の前記トッププレートとギャップを設け
    て前記第1鍋部に取り付け、且つ誘導加熱可能な第2鍋
    部とを備え、更に前記第1鍋部の側壁と前記第2鍋部の
    側壁との間に空気層を設けたことを特徴とする電磁調理
    器用鍋。
  3. 【請求項3】 前記空気層は、第2鍋部の側壁と対向す
    る前記第1鍋部の側壁に、前記第2鍋部の側壁に向かっ
    て水平方向にリブを設けることにより形成したことを特
    徴とする上記請求項1記載の電磁調理器又は上記請求項
    2記載の電磁調理器用鍋。
  4. 【請求項4】 前記第2鍋部と前記トッププレートとの
    ギャップ長を調整するギャップ調整部を前記第1鍋部及
    び/又は前記第2鍋部に備えたことを特徴とする上記請
    求項1記載の電磁調理器又は上記請求項2記載の電磁調
    理器用鍋。
  5. 【請求項5】 前記第2鍋部にサーモペイントを塗布し
    たことを特徴とする上記請求項1記載の電磁調理器又は
    上記請求項2記載の電磁調理器用鍋。
  6. 【請求項6】 前記第2鍋部の側壁と対向する前記第1
    鍋部の側壁は、他の部分より誘導加熱されにくい材料で
    形成したことを特徴とする上記請求項1記載の電磁調理
    器又は上記請求項2記載の電磁調理器用鍋。
  7. 【請求項7】 前記第2鍋部の上端周囲に前記第2鍋部
    からの内容物の漏出を防止したことを特徴とする上記請
    求項1記載の電磁調理器又は上記請求項2記載の電磁調
    理器用鍋。
  8. 【請求項8】 前記第2鍋部の底部と前記トッププレー
    トの間に絶縁部材を挿入したことを特徴とする上記請求
    項1記載の電磁調理器又は上記請求項2記載の電磁調理
    器用鍋。
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